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JP2004074939A - トラクタのフレーム構造 - Google Patents

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JP2004074939A
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frame
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JP2002238836A
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Yoichiro Nishi
西 陽一朗
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Yanmar Co Ltd
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Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd
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Abstract

【課題】従来の、左右一対の支持部材を前後方向に延設したトラクタの車体フレーム構造においては、車体フレームの前端から後端にわたって左右幅が略同一となり、そのため、車体前部の前輪取り付け部付近の左右幅の縮小に制限があり、前輪の切れ角が制限されていた。
【解決手段】前部にエンジンを配置し、後部にミッションケースを配置して、該エンジンと該ミッションケースとを車体フレームにより支持するトラクタにおいて、左右一対の車体フレーム21をエンジンの載置部からミッションケースに至るまで前後方向に延設し、該左右の車体フレーム間の幅が前方部分21aを中央部分21bに比して狭く構成した。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタのエンジンやクラッチハウジング等を支持する車体支持フレームの技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、トラクタの車体を支持するために、左右一対のパイプ状または板状部材を前後方向に延設して車体フレームを構成し、該車体フレームにエンジンやミッションケースを取り付けて支持する構成が知られている。例えば、実開昭61−110428号公報に記載の技術や、特開昭63−127032号公報に記載の技術である。
この構成においては、車体フレームを車体前端部から後部にかけて延設し、該車体フレームの前部に防振機構を介してエンジンを支持し、該エンジンをボンネットで被覆している。また、車体フレームの後部にミッションケースの前側部を挟み込むようにしてボルト等により締結固定している。そして、運転部が配置されるフロアは、該車体フレーム中央付近の左右両端から外側へと支持部材を突出させ、該支持部材にステップを形成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の、左右一対の車体フレームを前後方向に延設したトラクタの車体フレーム構造においては、車体フレームの前端から後端にわたって左右幅が略同一に構成されていたので、該車体フレームによって支持される機器や部材との間に大きさを合わせるための取付部材を必要としていた。
そのため、ミッションケースの幅に合わせて左右の車体フレームを配置すると、エンジン載置部の幅が広くなり、前輪と車体フレームとの間に充分なクリアランスが得られなくなり、前輪の切れ角が制限されていた。逆に、前輪の切れ角を確保し、エンジンを載置できるように、前記よりも幅狭く構成して、該車体フレームの前方部分のみを上方に位置させた構成においては、該車体フレームの前方部に載置される部材の位置も高くなるため、該部材によって運転者の運転部からの前方の視界に死角が生じるという問題があった。
また、幅狭の構成では、クラッチハウジングは、エンジン後部で左右一対の車体フレームの間に配置されるので、該クラッチハウジングは該車体フレームの左右幅内に配置できる大きさとしなければならなくなり、クラッチハウジングを大型化することができず、クラッチの容量が制限されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、前部にエンジンを配置し、後部にミッションケースを配置して、該エンジンと該ミッションケースとを車体フレームにより支持するトラクタにおいて、左右一対の車体フレームをエンジンの載置部からミッションケースに至るまで前後方向に延設し、該左右の車体フレーム間の幅が前方部分を中央部分に比して狭く、中央部分が徐々に広くなるように構成したものである。
【0006】
請求項2においては、前部にエンジンを配置し、後部にミッションケースを配置して、該エンジンと該ミッションケースとを車体フレームにより支持するトラクタにおいて、左右一対の車体フレームを前後方向に延設し、該車体フレームの中央から後方に向かうにつれて徐々に左右幅が狭まるように構成するとともに、該車体フレームの後端部をミッションケース前面に固設したものである。
【0007】
請求項3においては、前部にエンジンを配置し、後部にミッションケースを配置して、該エンジンと該ミッションケースとを車体フレームにより支持するトラクタにおいて、左右一対の車体フレームを前後方向に一体的に延設して構成し、該車体フレームの前部を板状部材で構成し、後方部分を中空の筒状部材により構成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明による車体フレーム構造を備えたトラクタの構成を示す側面図、図2は同じく平面図、図3は車体フレームの斜視図、図4は同じく平面図、図5は同じく側面図、図6は図5のA−A線端面断面図である。
【0009】
まず、本発明による車体フレーム構造を用いたトラクタ1の全体構成について、図1及び図2を用いて説明する。
トラクタ1は、車体の前端部から後部にかけて成形された車体フレーム21を有し、該車体フレーム21の前下部にフロントアクスルケース15を介して前輪3・3が支承され、該車体フレーム21後端に固設されたミッションケース9にリアアクスルケースを介して後輪4・4が支承されている。
該車体フレーム21の前部には、該車体フレーム21に固設されたエンジン支持部材22・22に、防振部材を介してエンジン5が載置され、該エンジン5の前方にはラジエータ6及びバッテリ7が配置されている。そして、該エンジン5、ラジエータ6及びバッテリ7はボンネット8で被装されている。また、該車体フレーム21の後部に固設された支持部材28・28上に防振部材を介してエンジン5後部に付設したクラッチハウジング11を載置支持し、該車体フレーム21の後端部にはミッションケース9が締結固定され、該エンジン5と該ミッションケース9とは伝動軸やユニバーサルジョイント等の動力伝達機構10を介して連結されている。
車体フレーム21の前後中央部の外側面から外水平方向に、平板状の部材を折り曲げて構成したキャビン支持部材23・23が固設され、キャビン12は車体フレーム21の後部からミッションケース9にかけての上方に載置され、該キャビン支持部材23・23において固定されている。そして、該キャビン12内部に操向ハンドル13、座席14等からなる運転部が設置されている。
【0010】
次に、車体フレーム21の構成について説明する。
図3、図4及び図5に示す如く、本発明によるトラクタ1の車体フレーム21は、前部に左右一対の平板部材で構成した前部フレーム24・24と、該前部フレーム24・24の左右間を連結補強する前連結フレーム25と、ラジエータ載置フレーム29と、フロントアクスルケースを取り付けるための支持板30と、そして、前記前部フレーム24・24の後端に筒状部材で構成した後部フレーム26・26と、該後部フレーム26・26間を連結補強する連結フレーム31とを一体的に構成している。
前記前連結フレーム25は平板で構成して、左右垂直方向に前部フレーム24・24前端間を固設してバンパーの役目を果たすように配置されている。
前部フレーム24・24はその前部においては互いに前後方向に平行に配置され、車体フレーム21の前部における左右幅が略同一となるように構成されている。
該前部フレーム24・24は後部においては左右方向外側へと折り曲げられ、折り曲げ部より後方では互いの間隔が徐々に広がるように、平面視において「ハ」状に構成されている。そして、該前部フレーム24・24の後端に固設された前記後部フレーム26・26は、後方へ進むにつれ互いの間隔が狭まるように、該前部フレーム24・24に対し角度をつけて平面視において逆「ハ」状に配置されている。該後部フレーム26は、図6に示す如く、断面視略矩形の同一形状の二本の筒状部材を、上下互いに端面で接するように溶接等で固結して構成している。また、該後部フレーム26・26の後端部にはそれぞれミッションケース9の前面に連結固定するためのフランジ部27・27が固設されている。該フランジ部27は後部フレーム26の長手方向に対して略垂直面(前後面)を有する平板に構成している。
【0011】
そして、車体フレーム21を以上のように構成し、該車体フレーム21はその形状及び構成部材によって、以下の三つに区分する。前部フレーム24・24の前部及び前連結フレーム25で構成され、前後にわたって略同一の左右幅を有するフレーム前方部21aと、後部フレーム26・26によって、前方から後方へと徐々に左右幅が狭まるように構成されたフレーム後方部21cと、前部フレーム24・24の後部と後部フレーム26・26の間に配置されるフレーム中央部21bとに区分できる。
【0012】
図1、図2に示すように、フレーム前方部21aにおいて、前部フレーム24・24とラジエータ載置フレーム29上に載置プレート32を載置固定して、該載置プレート32上にラジエータ6及びバッテリ7が載置されている。前部フレーム24・24の前後中途部に支持板30を横設して、該支持板30下部にフロントアクスルケース15を左右傾倒自在に支持している。
フレーム中央部21bにおいて、進行方向右側の前部フレーム24の折れ曲がり部の前部位置からプレートを正面視「く」状に折り曲げたエンジン支持部材22が上方に突設され、左側の前部フレーム24の折れ曲がり部の後部位置からプレートを正面視「く」状に折り曲げたエンジン支持部材22が突設され、該エンジン支持部材22上部にはボルト等で固定するための切欠またはボルト孔が開口されている。
フレーム後方部21cにおいて、後部フレーム26の前端は平面視で前部が尖るように外側が斜めにカットされて、そのカット部分に前部フレーム24の後端内側面が固設され連結部とし、該連結部において、前部フレーム24の後部は後部フレーム26前端の二つの筒状部材の上側に固設され、前部フレーム24が高い位置となるように固設している。
該連結部の外側にプレートを側面視門型状に構成したキャビン支持部材23・23が外水平方向に突設されている。該キャビン支持部材23・23と後部のミッションケース9またはリアアクスルケースにキャビン12の支柱下端が固設される。後部フレーム26・26の前部間に連結フレーム31が横設され、該連結フレーム31の後部位置に、後部フレーム26・26の内側面からプレートを断面視L字状に折り曲げた支持部材28・28が斜め内上方に突設されている。該支持部材28・28にエンジン5後部に付設したクラッチハウジング11が防振部材を介して支持され、前記エンジン支持部材22・22にエンジン5が防振部材を介して支持される。該支持部材28は後部フレーム26と連結フレーム31に跨がり固設されるので、左右幅の広がった部分を補強することができる。
こうして、フレーム前方部21aの幅の狭い部分上にエンジン5を載置し、フレーム中央部21bの幅が広くなる部分にクラッチハウジング11が位置するように載置している。
そして、後部フレーム26・27の後端にフランジ部27・27を介してミッションケース9の前面に固設されている。該フランジ部27はプレートを平面視L字状に曲げて、内方向へ折り曲げることで側方へ突出しないようにし、ミッションケース9の幅内で固定できるようにしている。
【0013】
そして、車体フレーム21、及び該車体フレーム21に支持される、トラクタ1の車体を構成する部材の配置を、このように構成することで、以下に挙げるような利点を得ることができる。
まず、フレーム前方部21aをフレーム中央部21bに比して、左右幅を狭く構成したので、車体フレーム全体を前後にわたって左右幅を等しくする構成に対し、前輪3・3の取り付け部付近における車体の左右幅をより狭めることができる。従って、該フレーム前方部21aの位置をフレーム中央部21b・後方部21cに対し上方に移動させなくても、該前輪3・3と車体本体との間隔をより広くとることができるので、運転部からの視界を狭めることなく前輪3・3の切れ角をより大きくすることが可能となり、旋回半径を小さくすることができるのである。また、該フレーム前方部21aを前部フレーム24・24と前連結フレーム25と、ラジエータ載置フレーム29と、支持板30で梯子状に連結構成したことによって、互いに補強しあい剛性がアップして該フレーム前方部21aの左右幅をより狭めることが可能となる。
【0014】
また、本発明における車体フレーム構造においては、車体フレームを前後にわたって左右幅を等しくする構成に対し、フレーム中央部21bの左右幅を拡大するように前部フレーム26を平面視で「く」字状に折り曲げることにより捩れ剛性を大きくすることが可能となる。そして、この広がった空間のフレーム中央部21bにクラッチハウジング11を配置することができ、該クラッチハウジング11を大型化することができ、より大容量のクラッチを用いることが可能となる。また、幅広となるフレーム中央部21bに前記キャビン支持部材23・23を固設したことで、該支持部材23の左右方向の長さを縮小でき、該支持部材23の支持剛性が高まる。よって、従来の構成より該支持部材23の厚みを薄くしても剛性が確保できるので、材料費の削減が可能となる。また、キャビン12を安定して支持することができる。
【0015】
フレーム後方部21cを、後方へ進むにつれ左右幅が狭まるように構成したことにより、従来は左右のフレーム部材によって挟み込むように固設されていたミッションケース9を、該車体フレーム21後端に連結する構成とすることで、ミッションケース9の側面からメンテナンスができるようになり車体フレームが妨げとなることがなくなり、作業をより容易に行うことが可能となる。
また、後部フレーム26・26により強固にミッションケース9を支持でき、フレーム後方部21cのねじり剛性を高めることができる。
該後部フレーム26は一本の中空の後部フレームのみで構成しても、ねじり剛性向上の効果を得られるが、本実施例では後部フレーム26に、二本の中空の後部フレームを束ねて固結したものを用いることで、該フレーム後方部21cの剛性をさらに高めている。
【0016】
なお、本実施例においてはトラクタ1の運転部をキャビン12内に配置する構成としているが、本発明によるトラクタの車体フレーム構造は、キャビンを有しない構成のトラクタに用いることも可能である。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0018】
即ち、請求項1に示す如く、前部にエンジンを配置し、後部にミッションケースを配置して、該エンジンと該ミッションケースとを車体フレームにより支持するトラクタにおいて、左右一対の車体フレームをエンジンの載置部からミッションケースに至るまで前後方向に延設し、該左右の車体フレーム間の幅が前方部分を中央部分に比して狭く、中央部分が徐々に広くなるように構成したので、トラクタの前輪取り付け部付近における車体の左右幅を小型化でき、該前輪と車体本体との間隔をより広くとれるので、前輪の切れ角をより大きくすることが可能となるのである。また、左右幅を広げた部分にクラッチハウジングを配置することで、クラッチハウジングを大型化することができ、より大容量のクラッチを用いることが可能となる。
【0019】
請求項2に示す如く、前部にエンジンを配置し、後部にミッションケースを配置して、該エンジンと該ミッションケースとを車体フレームにより支持するトラクタにおいて、左右一対の車体フレームを前後方向に延設し、該車体フレームの中央から後方に向かうにつれて徐々に左右幅が狭まるように構成するとともに、該車体フレームの後端部をミッションケース前面に固設したので、該車体フレーム後方部のねじり剛性が高まり、より強固にミッションケースを支持できる。また、従来の、左右の車体フレーム部材によってミッションケースを挟み込む構成に対し、該ミッションケースのメンテナンス等の作業をより容易に行うことが可能となる。
【0020】
請求項3に示す如く、前部にエンジンを配置し、後部にミッションケースを配置して、該エンジンと該ミッションケースとを車体フレームにより支持するトラクタにおいて、左右一対の車体フレームを前後方向に一体的に延設して構成し、該車体フレームの前部を板状部材で構成し、後方部分を中空の筒状部材により構成したので、該車体フレームの組み立てに要する工程、及び部品点数を削減できる。また、前部のエンジン等の荷重は板状部材で支持し、エンジンとミッションケースの間は板状部材よりも剛性の高い筒状部材で連結支持し、支持剛性を向上できる。また、円筒状の鋳物で構成したクラッチハウジングでエンジンフレームとミッションケースを連結する構成に比べて、軽量で安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車体フレーム構造を備えたトラクタの構成を示す側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】車体フレームの斜視図。
【図4】同じく平面図。
【図5】同じく側面図。
【図6】図5のA−A線端面断面図。
【符号の説明】
21 車体フレーム
21a フレーム前方部
21b フレーム中央部

Claims (3)

  1. 前部にエンジンを配置し、後部にミッションケースを配置して、該エンジンと該ミッションケースとを車体フレームにより支持するトラクタにおいて、左右一対の車体フレームをエンジンの載置部からミッションケースに至るまで前後方向に延設し、該左右の車体フレーム間の幅が前方部分を中央部分に比して狭く、中央部分が徐々に広くなるように構成したことを特徴とするトラクタのフレーム構造。
  2. 前部にエンジンを配置し、後部にミッションケースを配置して、該エンジンと該ミッションケースとを車体フレームにより支持するトラクタにおいて、左右一対の車体フレームを前後方向に延設し、該車体フレームの中央から後方に向かうにつれて徐々に左右幅が狭まるように構成するとともに、該車体フレームの後端部をミッションケース前面に固設したことを特徴とするトラクタのフレーム構造。
  3. 前部にエンジンを配置し、後部にミッションケースを配置して、該エンジンと該ミッションケースとを車体フレームにより支持するトラクタにおいて、左右一対の車体フレームを前後方向に一体的に延設して構成し、該車体フレームの前部を板状部材で構成し、後方部分を中空の筒状部材により構成したことを特徴とするトラクタのフレーム構造。
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