JP2004069680A - 構造物の異常検知システム - Google Patents
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Abstract
【目的】建築構造物、各種交通手段の構造等の各種構造物の異常を24時間リアルタイムで常時監視するシステムを安価に提供する事を目的とする。
【構成】構造物の表面に導電性材料でパターンを形成し、その導電パターンから電極を取り出し該導電性材料の抵抗値を24時間リアルタイムで監視し、断線を含む抵抗変化を常に監視することによって異常を検出しその異常レベルに応じてネットに接続された構造物監視サーバーに監視情報を送信し管理する。
【選択図】 図1
【構成】構造物の表面に導電性材料でパターンを形成し、その導電パターンから電極を取り出し該導電性材料の抵抗値を24時間リアルタイムで監視し、断線を含む抵抗変化を常に監視することによって異常を検出しその異常レベルに応じてネットに接続された構造物監視サーバーに監視情報を送信し管理する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、道路わきの崖、トンネル、高速道路、鉄塔、橋梁、ビルディング、飛行機、船、各種陸上交通手段などの構造物の異常を24時間リアルタイムで監視し、崩落、ひび割れ、ネジの脱落など異常の検知を行い、安全を確保する異常検知システムに関する。特に構造材の接合部の異常を24時間リアルタイムで監視しさらに必要に応じて該当構造物の管理担当者の携帯端末に異常状態を通知するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、崖やトンネルなどの崩落を監視する場合には人員を現場に派遣し、目視検査を行ったり、打音検査等を行ったりしてチェックしていた。こういった人員に頼る方法では、リアルタイムで24時間監視することはコスト面や人員の確保の問題から不可能であった。一部では、カメラ等で現場を監視し画像処理で変化を検知するといった方法も提案されていたが、設備が大がかりになってしまう等の問題があった。また、構造物の溶接部の場合においても、X線やアコーステックエミッション検査などの方法がとられているが、前述のものと同様の理由で、リアルタイムで24時間監視することは不可能であった。
【0003】
さらには列車などの交通手段の車軸など回転部分における異常は大事故につながるが、こうした回転体部分に代表される可動部分についての異常は該当対象物の運転を止めて打音検査、超音波探傷、目視検査といった非破壊検査を行っていたのが現状である。こういった可動部分の破損は大事故に繋がる可能性があるので事故が発生する前に非破壊検査を行って異常個所をなくしておく必要がある。また可動部が複雑な構造物である場合には運転を休止するだけではなく構造物を分解して非破壊検査を行う必要があった。安価にリアルタイムで監視する方法はなかったのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
道路わきの崖やトンネルなどは崩落等が起こると大惨事になるが24時間リアルタイムで監視することは必要とわかりながら実際には実現されてなかった。また、高速道路、鉄塔、橋梁、ビルディング、飛行機、船、各種陸上交通手段などの各種構造物なども異常が起こると大惨事になる可能性が多いものがある。そこで前述のように各種構造物の変化、異常をリアルタイムで検知するシステムを安価に提供することが待ち望まれていた。
【0005】
さらには、車軸といった回転部などの本体とは独立した可動部についても同様に異常が起こったら大事故に繋がる可能性があるが、こういった可動部の異常をいちいち運転を休止して非破壊検査をすることによる機会損失は大きいものがある。事故を未然に防ぐためにはリアルタイムで異常監視を行うことを安価にできるシステムを供給することが課題になる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために本発明者は鋭意研究の結果、以下の手段をとった。すなわち、電気伝導性物質を検査対象の構造物の表面に密着してパターンを形成し、この電気伝導性物質に電極を設け、この電極を通じて前述の電気伝導性物質の抵抗値変化(断線も含む)を観測することにより構造物の変化を検知するシステムにおいて、この抵抗値変化を観測する観測部を異常検知の対象とする構造物に接続して設置し、さらにこの観測部とは異なった場所に構造物異常監視部を設け、観測部と構造物異常監視部は通信手段により接続したシステムを採用した。ここで構造物異常監視部はネットワークに接続された構造物異常監視サーバーとしてもよい。この構造物異常監視サーバーは異常を通知する場合等に非常に有用である。
【0007】
ここで採用した電気伝導性物質は導電性樹脂であり、印刷、塗布によって、線状もしくは帯状のパターンを形成すればよく、トンネル、崖などの崩落可能性のある面に直接施工する事や高速道路、鉄塔、橋梁、ビルディング、飛行機、船、各種陸上交通手段などの人工構造物のネジ、リベット部、溶接部あるいは接合部さらにフランジ部、車軸軸受部、台車軸受部、主桁といった部分などのように応力集中するところに施工することが可能である。また、前述のネジ部もしくはリベット部は、構造物と構造物を締結しているネジもしくはリベットもしくは溶接部もしくは接合部の両者にわたって電気伝導性物質が形成してあるとよい。この時、構造物の表面に絶縁層を形成して、その絶縁層の上に導電パターンを形成するとよい。あるいは絶縁シートに電気伝導性物質のパターンを形成しておきこのパターンを形成してあるシートを対象構造物の表面に密着接合してもよい。
【0008】
導電パターンの形成の際に、まず構造物の表面に絶縁層を形成しておき、その絶縁層の上に導電パターンを形成するとよい。この導電パターンは、線状、帯状から選ばれる少なくとも1つであるとよい。さらには、前述の構造物の部位に応じて電気伝導性物質の断面積を変化させ、応力集中する部位の断面積を急峻に変化させるパターンを形成し、この部位の変化を敏感に検知しやすくさせるとより効果的な検知が可能である。さらに、1つの応力集中する部位に対して、この急峻部を複数個有するとより感度のよい検知ができてよい。
【0009】
また、絶縁層をはさみ多層形成されていれば、例えば1層目は縦方向、2層目は横方向のように格子状のパターンを構成するなど方向を違えた線状パターンを形成しておけば、各層の各線の抵抗をそれぞれ測定し比較すれば異常箇所の特定が可能となる。
【0010】
また、前述の電気伝導性物質の電極と観測部とは、フレキシブルプリント基板などによって接続すればよい。また、電気伝導性物質の電極は薄膜形成によって形成するとよい。さらには、電気伝導性物質の温度補償手段を有するとより正確な抵抗値変化を測定できてよい。
【0011】
この観測部においては、構造物にパターニングされた電気伝導性物質の抵抗値のしきい値を設定しておき、この設定されたしきい値を越えた場合には前述の通信手段により構造物異常監視サーバーに異常情報を送信すれば、異常事態を24時間リアルタイムで監視することが可能となる。
【0012】
この構造物異常監視サーバーにおいては、構造物に異常が発生した際には該当構造物の管理部門に異常であることを知らせる異常通知手段を設けておけばよい。そして、この異常通知手段は構造物管理担当者の電子メールを予め登録しておき、該当構造物の管理担当者の端末に異常状態であることを配信すればよい。この構造物異常監視サーバーは携帯ブラウザ端末から接続することが可能であり、必要に応じて該当構造物の情報を閲覧することが可能であればよい。さらに、この携帯ブラウザ端末から前記構造物管理サーバーへの接続に際して、携帯ブラウザ端末の端末IDにより認証して接続するようにすれば、不正アクセスの可能性を減らすことが可能となり、セキュリティーのより確かなシステムとなる。
【0013】
さらに車軸等の回転部などのような可動部の異常検知について説明する。この可動部の異常を検出する目的で電気伝導性物質を構造物の表面に密着してパターン形成し、前記電気伝導性物質に電極を設け、前記電極を通じて前記電気伝導性物質の抵抗値変化(断線も含む)を観測する観測部を設け前記構造物の異常を検知するシステムにおいて、前記電気導電性パターンの抵抗値変化を観測する観測部を前記可動構造物に設け、さらに前記観測部とは異なった本体部分に構造物異常監視部を設けておけばよい。しかしながら本体から独立して例えば車軸等の回転体のように可動部を有する構造物である場合には異常検知を有線で伝えることは不可能である。そのため被接触により異常状態の検知を行なう必要がある。ここでの非接触通信手段は前述の可動部の観測部にアンテナを設け本体部分に設置された異常監視部より送信される電波をこのアンテナによって受信しこの電波から電磁誘導によって動作電流を得、さらにこの動作電流によって前述の観測部を動作させることにより抵抗(断線を含む)値を検知し本体部の異常監視部に送信するようにすればよい。
【0014】
【実施の様態】
以下、実際の例を基にさらに詳しく説明していく。図1は本発明の全体の概要を示している。検知の対象である構造物101、導電性樹脂のパターン102a〜102e、電極103a〜103e、観測部104、無線基地局105、ネットワーク106、構造物監視サーバー107、携帯ブラウザ端末基地局108、ブラウザ機能付き携帯電話109という構成である。
【0015】
ここでは検知の対象である構造物101をトンネルの内壁面とするが、本実施例の検知対象はこれに限られるものではなく、民家の側の急斜面や道路脇の崖あるいは高速道路、ビルディングといった建造物、さらには飛行機、船、各種陸上交通手段などの構造物も検知の対象となる。特に構造材の接合部は異常が発生しやすいのでこういった部分の異常をリアルタイムで24時間検出する。
【0016】
102a〜102eで示される導電性樹脂のパターンは、線状に形成されており、構造物101に密着させて形成されている。この導電パターンの形成方法については後で詳しく説明する。
【0017】
電極103a〜103eは、周囲を示した図2のように、構造物の面201の上に形成された導電性樹脂のパターン202にフレックスプリント基板205で接続されており、接続部203は導電性接着剤、半田のような金属に熱をかけて溶融させる方法、塑性金属を介在させておき機械的に圧力をかける方法等によって形成されている。図2には電極103aの接合断面しか示していないが、他の電極103b〜103eも同様に同じフレックスプリント基板で接続されており、複数のピンをもつケーブルにまとめられて、それぞれの電極が導電性樹脂のパターン102a〜102eと観測部104を接続する役割を果たす。構造物上に形成した導電性物質のパターンの取り出し電極は小型構造物の板の接合などの場合にスパッタリングなどの薄膜形成してもよい。
【0018】
観測部104を図3に示す内部構成ブロック図を参照して説明する。観測部104はマルチプレクサ部301、抵抗値測定部302、温度補償部303、データ比較部304、しきい値設定保存部305、無線通信部306という構成である。マルチプレクサ部301は102a〜102eで示される導電性樹脂のパターンのいずれかを測定対象として選択する。抵抗値測定部302は、選択された導電パターンの抵抗値を選択された導電パターンに対応する電極を通して測定する。温度補償部303は、温度センサ307で測定された温度を基に測定された抵抗値に補正を加える。データ比較部304は、補正後の抵抗値と予めしきい値設定保存部305において設定されて保存された値との比較が行われる。ここで測定値がしきい値を越えていれば、無線通信部306により無線基地局105に通知信号が送信される。測定されたデータや補正されたデータ、通知信号送信のログは、データ保存部307に記録保存される。また、無線通信部306を介して外部から、しきい値を設定したり、データ保存部307に保存された記録を読み出すこともできる。
【0019】
無線基地局105は、観測部104と無線で通信するための通信施設であり、この無線基地局を介してネットワーク106に接続する事が可能である。ここではこの観測部104と構造物監視サーバー107は無線で接続されているが無線に限られるものではなく必要に応じて光ファイバーあるいは電線といったものでもよい。ネットワーク106には、構造物の観測値、観測部からの通知信号を受信する構造物監視サーバー107や携帯ブラウザ端末基地局108が接続している。構造物監視サーバー107は、緊急の場合にブラウザ端末基地局108を介してブラウザ機能付き携帯電話109に対して必要に応じて呼接続して、通知情報を自動的に送る機能を備えている。通知機能については後で詳しく説明する。
【0020】
図4は導電性樹脂からなるパターンの形成方法を説明するフローチャートである。まず、下地処理ステップ401において、崩落の可能性のあるトンネルの壁面や崖面など構造物の表面に下地処理を行う。これは構造物の表面を洗浄し、防水樹脂等の塗布する処理である。次に、絶縁層形成ステップ402において、絶縁塗料等の塗布することにより絶縁層を形成する。さらに、第1導電パターン形成ステップ403において、パターンの型を配置し塗布面以外の部分をマスキングし、第1導電パターンを導電性樹脂の塗布により形成する。図5はパターンの型(ステンシル)を示した図である。501の型に対して502の部分が抜けておりこの部分に導電性樹脂を供給する例である。
【0021】
次に第2絶縁層形成ステップ404で、この第1導電パターンの上に絶縁層をやはり絶縁塗料を塗布することにより形成する。そして、第2導電パターン形成ステップ405で、第1導電パターンと同様にパターンの型を配置し塗布面以外の部分をマスキングし導電性樹脂の塗布により形成する。さらに第3の絶縁層形成ステップ406において、その上に絶縁層を形成する。表面コート層形成ステップ407は、構造物の施工面に太陽光等が当たる屋外である場合に、紫外線遮断樹脂等の塗布を行う。本例では、塗布法でパターンを形成したが、もちろんスクリーン印刷などの印刷法でも効果は同様である。ここでは単純な線状を一施工例として説明したが、これに限られるものではなく、図6に示すような複雑な一筆書きの線状パターンを採用しても良い。
【0022】
図7は前述の方法で形成されたパターンの一例を模式的に表した図である。701は第1導電層であり、702は導電性樹脂、703は電極である。704は絶縁層であり705は第2導電層で、706は導電性樹脂、707は電極である。708は絶縁層である。この施工例では第1層は縦方向に線状導電性樹脂パターンを配置し、第2層では横縦方向に線状導電性樹脂パターンを配置している。ここでは構造物に対して直接絶縁層を形成した後導電パターンを形成するという施工法をとっているがこれに限られるものではなく絶縁シートに予め導電パターン層を形成しておきこの導電パターンが形成されたシートを対象構造物に密着して接続してもよい。ここでそれぞれの電極にフレキシブルプリント基板により図1の104の観測部に接続すればよい。
【0023】
構造物に接続された観測部のマルチプレクサ部により、必要な導電性樹脂のパターンを選択し、抵抗値を測定していけば、断線かどうかあるいは必要に応じて過去に測定された抵抗値を蓄積しておき、リアルタイムで測定した抵抗値と比較していけばよい。この場合、縦方向と横方向があるので各位置の抵抗値の変化を処理する事により、構造物情で変位が生じた部位の特定も可能となる。また導電材料の抵抗値は温度によって変化するため必要に応じて温度補正をするとよい。これは被検出対象構造物あるいは導電パターン部に温度センサーを設置しておきこの温度センサーの値によって抵抗値の温度補正をしてやればよい。
【0024】
前段まで線状の導電パターンによる施工の実施例を詳述してきたが、以下、他のタイプの導電パターンについて説明する。図8は金属板を溶接により接合した場合の例であり、801は金属板、802は溶接部、803は金属板(溶接部含む)の表面に形成した絶縁層、804は導体パターン層、805は保護層である。通常力金属板は一様であるが溶接部は一様ではないためこの溶接部に応力がかっかたり、強度的に弱くなっている。図9は902は溶接部を示しておりその時の構造物の溶接部に形成した急峻部のある帯状導電パターン層(図8の804)を示したものである。図8で示されている部分に対応した溶接された部分802を跨ぐように帯状の導電パターン903が生成されている。溶接された部分802の感度を上げるために導電パターン803は802の部分で急峻に断面積を変化させている。図9に示すように断面積を変化させている急峻部を複数個形成させたパターンを採用させると、溶接部のように応力集中する部位が比較的広範囲にまたがっている場合に有効である。
【0025】
前述の接合部は溶接であったが、ネジやリベットあるいは溶接で接合する場合、構造物とネジやリベットや溶接部との両者に跨って導電パターンを形成するとネジやリベットの弛みや応力集中による劣化を検知する場合にも同様に断面積を変化させている急峻部を形成すれば前述と同様に感度よく異常を検知することが可能となる。
【0026】
ここで図1に示した構成のトンネルの内壁面を検知するシステムに戻って説明を続ける。携帯ブラウザ端末109から構造物監視サーバー107にアクセスして現場の情報を取得する方法について説明する。図11は携帯ブラウザ端末により構造物監視サーバーにアクセスする際の認証のフローチャートである。アクセス要求ステップ1101で、まず携帯ブラウザ端末から構造物監視サーバーにアクセス要求を出し、端末IDによる認証ステップ1102において、アクセス要求してきた携帯ブラウザ端末の端末IDによってアクセス可能かどうか認証する。この端末IDはアクセス許可されたIDについてのみ構造物監視サーバーに登録しておけばよい。そして認証OKであれば、アクセスステップ1103において、この携帯ブラウザ端末から構造物監視サーバーにアクセスされる。
【0027】
次にアクセス時の画面を図12から図14に示した。ここでは図1に示す109の携帯ブラウザ端末から108の携帯ブラウザ端末基地局を介して構造物監視サーバー107に接続し、さらに無線基地局105を通じて観測部104のデータ保存部に格納されたデータを閲覧する。あるいは構造物監視サーバーに蓄積しているデータを閲覧してもよい。図12は現場管理メニューであり、閲覧したい現場を選択する。ここではG03の×○道路#128を選択している。選択した結果の画面が図13であり、過去ログか現在の状況のどちらかを選択する画面である。ここで現在の状況を選択した画面が図14でありそれぞれの線状導電樹脂の抵抗値が表示される。( )内は通常の値で比較の為に表示している。ここでは特に異常が無いため「異常なし」を表示している。
【0028】
次に構造物に異常が発生した場合に異常状態を管理担当者の携帯ブラウザ端末に電子メールで異常状態状況を送信する方法について説明する。図15は観測部のデータ比較部304における異常検知のフローチャートである。各導電線抵抗値測定ステップ1501で、マルチプレクサにより各導電性樹脂を選択し抵抗値を測定する。次に、断線判定ステップ1502において、ステップ1501の測定結果を基に断線有りかどうか判定する。断線有りの場合に異常処理を行う。しきい値を取り込みステップ1503において、しきい値設定保存 部305から該当チャンネルの抵抗値のしきい値を取り込む。しきい値判定ステップ1504で、測定した抵抗値と比較し、しきい値を越えている場合に異常処理を行う。
【0029】
異常処理のフローを図16に示した。観測部で異常検知された場合に、ます異常状態送信ステップ1601において、観測部の無線通信部から構造物監視サーバーに送信する。次に管理担当者端末検索処理ステップ1602において、構造物監視サーバーで異常箇所の管理担当者の端末を検索する。メール編集処理ステップ1603において、異常状況と送信アドレス等の編集処理を行い該当端末に異常状況メールを送信する。図17は異常通知メールの例であり、さらに下部の過去ログ、現在の状況を選択すればさらに詳しい状況を閲覧する事が可能となる。
【0030】
次に異常検知部分が車や列車などの回転軸の場合について説明する。図18はその概要ブロック図を示しており1801は回転軸で1702は回転軸に設けられた電気導電物質によるパターン部であり1803はアンテナ部を含む回転体に取り付けられた検出処理部である。1804は異常監視部のアンテナ部であり、1802の抵抗変化(断線を含む)を1803から1804に送信し検出部により検出し回転軸の異常を検知する。図19は1803の検出処理部であり、アンテナ、処理部、検知部を有しており外部から高周波(電磁波)により供給されたアンテナ部でこの高周波を受け必要な伝電流に変換し処理部、検知部に電流を供給し抵抗値異常あるいは断線を検知する。そして異常がある場合にはアンテナより異常監視部に異常状態を通知する。図20は実際回転体に応用した場合を説明した図であり、回転体2001のフランジにねじ2003によって2002の回転体が固定されている、ねじが緩んだりすると非常に危険であるのでねじ2003の上に導体配線パターンを含むテープ2004が4本のねじの上を通して2004の回転体に密着させている。2005は図18に示す1803の検出」処理部である。ここでは電磁誘導による非接触通信を行っているが、これに限られるものではなく光通信、磁気通信などの非接触通信を目的に応じて使えばよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、構造物の表面に導電樹脂により導電パターンを形成するという容易な施工方法で、構造物の変化による危険を24時間リアルタイムで監視し、ネットワークに接続された構造物監視サーバーにより必要に応じて各種状態情報を閲覧したり、異常があった際に携帯ブラウザ端末に異常であることをメールとして送信することにより該当構造物の管理者に迅速に通知することが可能となる。
【0032】
本発明の別の態様によれば、車軸などといった回転体などの本体部とは独立して可動する可動部の異常状態を運転休止して非破壊検査等の作業をおこなうことなく24時間リアルタイムで監視することが可能となる。異常状態が発生したとき即座に異常を通知することができるため、異常が発生しても即座に対応して事故を未然に防ぐことが可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概要
【図2】電極
【図3】観測部の内部構成ブロック図
【図4】パターンの形成方法を説明するフローチャート
【図5】パターンの型(ステンシル)
【図6】一筆書きの線状パターン
【図7】多層形成されたパターンの一例
【図8】溶接部の検出模式図
【図9】急峻部のある帯状導電パターン
【図10】急峻部を複数個形成させたパターン
【図11】認証のフローチャート
【図12】状況閲覧画面 メニュー
【図13】状況閲覧画面 選択結果
【図14】状況閲覧画面 現在状況表示
【図15】異常検知のフローチャート
【図16】異常処理のフロー
【図17】異常メールの例
【図18】回転軸の異常検知の概要図
【図19】異常状態検出処理部
【図20】ねじ締結回転体の異常検出例
【産業上の利用分野】
本発明は、道路わきの崖、トンネル、高速道路、鉄塔、橋梁、ビルディング、飛行機、船、各種陸上交通手段などの構造物の異常を24時間リアルタイムで監視し、崩落、ひび割れ、ネジの脱落など異常の検知を行い、安全を確保する異常検知システムに関する。特に構造材の接合部の異常を24時間リアルタイムで監視しさらに必要に応じて該当構造物の管理担当者の携帯端末に異常状態を通知するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、崖やトンネルなどの崩落を監視する場合には人員を現場に派遣し、目視検査を行ったり、打音検査等を行ったりしてチェックしていた。こういった人員に頼る方法では、リアルタイムで24時間監視することはコスト面や人員の確保の問題から不可能であった。一部では、カメラ等で現場を監視し画像処理で変化を検知するといった方法も提案されていたが、設備が大がかりになってしまう等の問題があった。また、構造物の溶接部の場合においても、X線やアコーステックエミッション検査などの方法がとられているが、前述のものと同様の理由で、リアルタイムで24時間監視することは不可能であった。
【0003】
さらには列車などの交通手段の車軸など回転部分における異常は大事故につながるが、こうした回転体部分に代表される可動部分についての異常は該当対象物の運転を止めて打音検査、超音波探傷、目視検査といった非破壊検査を行っていたのが現状である。こういった可動部分の破損は大事故に繋がる可能性があるので事故が発生する前に非破壊検査を行って異常個所をなくしておく必要がある。また可動部が複雑な構造物である場合には運転を休止するだけではなく構造物を分解して非破壊検査を行う必要があった。安価にリアルタイムで監視する方法はなかったのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
道路わきの崖やトンネルなどは崩落等が起こると大惨事になるが24時間リアルタイムで監視することは必要とわかりながら実際には実現されてなかった。また、高速道路、鉄塔、橋梁、ビルディング、飛行機、船、各種陸上交通手段などの各種構造物なども異常が起こると大惨事になる可能性が多いものがある。そこで前述のように各種構造物の変化、異常をリアルタイムで検知するシステムを安価に提供することが待ち望まれていた。
【0005】
さらには、車軸といった回転部などの本体とは独立した可動部についても同様に異常が起こったら大事故に繋がる可能性があるが、こういった可動部の異常をいちいち運転を休止して非破壊検査をすることによる機会損失は大きいものがある。事故を未然に防ぐためにはリアルタイムで異常監視を行うことを安価にできるシステムを供給することが課題になる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために本発明者は鋭意研究の結果、以下の手段をとった。すなわち、電気伝導性物質を検査対象の構造物の表面に密着してパターンを形成し、この電気伝導性物質に電極を設け、この電極を通じて前述の電気伝導性物質の抵抗値変化(断線も含む)を観測することにより構造物の変化を検知するシステムにおいて、この抵抗値変化を観測する観測部を異常検知の対象とする構造物に接続して設置し、さらにこの観測部とは異なった場所に構造物異常監視部を設け、観測部と構造物異常監視部は通信手段により接続したシステムを採用した。ここで構造物異常監視部はネットワークに接続された構造物異常監視サーバーとしてもよい。この構造物異常監視サーバーは異常を通知する場合等に非常に有用である。
【0007】
ここで採用した電気伝導性物質は導電性樹脂であり、印刷、塗布によって、線状もしくは帯状のパターンを形成すればよく、トンネル、崖などの崩落可能性のある面に直接施工する事や高速道路、鉄塔、橋梁、ビルディング、飛行機、船、各種陸上交通手段などの人工構造物のネジ、リベット部、溶接部あるいは接合部さらにフランジ部、車軸軸受部、台車軸受部、主桁といった部分などのように応力集中するところに施工することが可能である。また、前述のネジ部もしくはリベット部は、構造物と構造物を締結しているネジもしくはリベットもしくは溶接部もしくは接合部の両者にわたって電気伝導性物質が形成してあるとよい。この時、構造物の表面に絶縁層を形成して、その絶縁層の上に導電パターンを形成するとよい。あるいは絶縁シートに電気伝導性物質のパターンを形成しておきこのパターンを形成してあるシートを対象構造物の表面に密着接合してもよい。
【0008】
導電パターンの形成の際に、まず構造物の表面に絶縁層を形成しておき、その絶縁層の上に導電パターンを形成するとよい。この導電パターンは、線状、帯状から選ばれる少なくとも1つであるとよい。さらには、前述の構造物の部位に応じて電気伝導性物質の断面積を変化させ、応力集中する部位の断面積を急峻に変化させるパターンを形成し、この部位の変化を敏感に検知しやすくさせるとより効果的な検知が可能である。さらに、1つの応力集中する部位に対して、この急峻部を複数個有するとより感度のよい検知ができてよい。
【0009】
また、絶縁層をはさみ多層形成されていれば、例えば1層目は縦方向、2層目は横方向のように格子状のパターンを構成するなど方向を違えた線状パターンを形成しておけば、各層の各線の抵抗をそれぞれ測定し比較すれば異常箇所の特定が可能となる。
【0010】
また、前述の電気伝導性物質の電極と観測部とは、フレキシブルプリント基板などによって接続すればよい。また、電気伝導性物質の電極は薄膜形成によって形成するとよい。さらには、電気伝導性物質の温度補償手段を有するとより正確な抵抗値変化を測定できてよい。
【0011】
この観測部においては、構造物にパターニングされた電気伝導性物質の抵抗値のしきい値を設定しておき、この設定されたしきい値を越えた場合には前述の通信手段により構造物異常監視サーバーに異常情報を送信すれば、異常事態を24時間リアルタイムで監視することが可能となる。
【0012】
この構造物異常監視サーバーにおいては、構造物に異常が発生した際には該当構造物の管理部門に異常であることを知らせる異常通知手段を設けておけばよい。そして、この異常通知手段は構造物管理担当者の電子メールを予め登録しておき、該当構造物の管理担当者の端末に異常状態であることを配信すればよい。この構造物異常監視サーバーは携帯ブラウザ端末から接続することが可能であり、必要に応じて該当構造物の情報を閲覧することが可能であればよい。さらに、この携帯ブラウザ端末から前記構造物管理サーバーへの接続に際して、携帯ブラウザ端末の端末IDにより認証して接続するようにすれば、不正アクセスの可能性を減らすことが可能となり、セキュリティーのより確かなシステムとなる。
【0013】
さらに車軸等の回転部などのような可動部の異常検知について説明する。この可動部の異常を検出する目的で電気伝導性物質を構造物の表面に密着してパターン形成し、前記電気伝導性物質に電極を設け、前記電極を通じて前記電気伝導性物質の抵抗値変化(断線も含む)を観測する観測部を設け前記構造物の異常を検知するシステムにおいて、前記電気導電性パターンの抵抗値変化を観測する観測部を前記可動構造物に設け、さらに前記観測部とは異なった本体部分に構造物異常監視部を設けておけばよい。しかしながら本体から独立して例えば車軸等の回転体のように可動部を有する構造物である場合には異常検知を有線で伝えることは不可能である。そのため被接触により異常状態の検知を行なう必要がある。ここでの非接触通信手段は前述の可動部の観測部にアンテナを設け本体部分に設置された異常監視部より送信される電波をこのアンテナによって受信しこの電波から電磁誘導によって動作電流を得、さらにこの動作電流によって前述の観測部を動作させることにより抵抗(断線を含む)値を検知し本体部の異常監視部に送信するようにすればよい。
【0014】
【実施の様態】
以下、実際の例を基にさらに詳しく説明していく。図1は本発明の全体の概要を示している。検知の対象である構造物101、導電性樹脂のパターン102a〜102e、電極103a〜103e、観測部104、無線基地局105、ネットワーク106、構造物監視サーバー107、携帯ブラウザ端末基地局108、ブラウザ機能付き携帯電話109という構成である。
【0015】
ここでは検知の対象である構造物101をトンネルの内壁面とするが、本実施例の検知対象はこれに限られるものではなく、民家の側の急斜面や道路脇の崖あるいは高速道路、ビルディングといった建造物、さらには飛行機、船、各種陸上交通手段などの構造物も検知の対象となる。特に構造材の接合部は異常が発生しやすいのでこういった部分の異常をリアルタイムで24時間検出する。
【0016】
102a〜102eで示される導電性樹脂のパターンは、線状に形成されており、構造物101に密着させて形成されている。この導電パターンの形成方法については後で詳しく説明する。
【0017】
電極103a〜103eは、周囲を示した図2のように、構造物の面201の上に形成された導電性樹脂のパターン202にフレックスプリント基板205で接続されており、接続部203は導電性接着剤、半田のような金属に熱をかけて溶融させる方法、塑性金属を介在させておき機械的に圧力をかける方法等によって形成されている。図2には電極103aの接合断面しか示していないが、他の電極103b〜103eも同様に同じフレックスプリント基板で接続されており、複数のピンをもつケーブルにまとめられて、それぞれの電極が導電性樹脂のパターン102a〜102eと観測部104を接続する役割を果たす。構造物上に形成した導電性物質のパターンの取り出し電極は小型構造物の板の接合などの場合にスパッタリングなどの薄膜形成してもよい。
【0018】
観測部104を図3に示す内部構成ブロック図を参照して説明する。観測部104はマルチプレクサ部301、抵抗値測定部302、温度補償部303、データ比較部304、しきい値設定保存部305、無線通信部306という構成である。マルチプレクサ部301は102a〜102eで示される導電性樹脂のパターンのいずれかを測定対象として選択する。抵抗値測定部302は、選択された導電パターンの抵抗値を選択された導電パターンに対応する電極を通して測定する。温度補償部303は、温度センサ307で測定された温度を基に測定された抵抗値に補正を加える。データ比較部304は、補正後の抵抗値と予めしきい値設定保存部305において設定されて保存された値との比較が行われる。ここで測定値がしきい値を越えていれば、無線通信部306により無線基地局105に通知信号が送信される。測定されたデータや補正されたデータ、通知信号送信のログは、データ保存部307に記録保存される。また、無線通信部306を介して外部から、しきい値を設定したり、データ保存部307に保存された記録を読み出すこともできる。
【0019】
無線基地局105は、観測部104と無線で通信するための通信施設であり、この無線基地局を介してネットワーク106に接続する事が可能である。ここではこの観測部104と構造物監視サーバー107は無線で接続されているが無線に限られるものではなく必要に応じて光ファイバーあるいは電線といったものでもよい。ネットワーク106には、構造物の観測値、観測部からの通知信号を受信する構造物監視サーバー107や携帯ブラウザ端末基地局108が接続している。構造物監視サーバー107は、緊急の場合にブラウザ端末基地局108を介してブラウザ機能付き携帯電話109に対して必要に応じて呼接続して、通知情報を自動的に送る機能を備えている。通知機能については後で詳しく説明する。
【0020】
図4は導電性樹脂からなるパターンの形成方法を説明するフローチャートである。まず、下地処理ステップ401において、崩落の可能性のあるトンネルの壁面や崖面など構造物の表面に下地処理を行う。これは構造物の表面を洗浄し、防水樹脂等の塗布する処理である。次に、絶縁層形成ステップ402において、絶縁塗料等の塗布することにより絶縁層を形成する。さらに、第1導電パターン形成ステップ403において、パターンの型を配置し塗布面以外の部分をマスキングし、第1導電パターンを導電性樹脂の塗布により形成する。図5はパターンの型(ステンシル)を示した図である。501の型に対して502の部分が抜けておりこの部分に導電性樹脂を供給する例である。
【0021】
次に第2絶縁層形成ステップ404で、この第1導電パターンの上に絶縁層をやはり絶縁塗料を塗布することにより形成する。そして、第2導電パターン形成ステップ405で、第1導電パターンと同様にパターンの型を配置し塗布面以外の部分をマスキングし導電性樹脂の塗布により形成する。さらに第3の絶縁層形成ステップ406において、その上に絶縁層を形成する。表面コート層形成ステップ407は、構造物の施工面に太陽光等が当たる屋外である場合に、紫外線遮断樹脂等の塗布を行う。本例では、塗布法でパターンを形成したが、もちろんスクリーン印刷などの印刷法でも効果は同様である。ここでは単純な線状を一施工例として説明したが、これに限られるものではなく、図6に示すような複雑な一筆書きの線状パターンを採用しても良い。
【0022】
図7は前述の方法で形成されたパターンの一例を模式的に表した図である。701は第1導電層であり、702は導電性樹脂、703は電極である。704は絶縁層であり705は第2導電層で、706は導電性樹脂、707は電極である。708は絶縁層である。この施工例では第1層は縦方向に線状導電性樹脂パターンを配置し、第2層では横縦方向に線状導電性樹脂パターンを配置している。ここでは構造物に対して直接絶縁層を形成した後導電パターンを形成するという施工法をとっているがこれに限られるものではなく絶縁シートに予め導電パターン層を形成しておきこの導電パターンが形成されたシートを対象構造物に密着して接続してもよい。ここでそれぞれの電極にフレキシブルプリント基板により図1の104の観測部に接続すればよい。
【0023】
構造物に接続された観測部のマルチプレクサ部により、必要な導電性樹脂のパターンを選択し、抵抗値を測定していけば、断線かどうかあるいは必要に応じて過去に測定された抵抗値を蓄積しておき、リアルタイムで測定した抵抗値と比較していけばよい。この場合、縦方向と横方向があるので各位置の抵抗値の変化を処理する事により、構造物情で変位が生じた部位の特定も可能となる。また導電材料の抵抗値は温度によって変化するため必要に応じて温度補正をするとよい。これは被検出対象構造物あるいは導電パターン部に温度センサーを設置しておきこの温度センサーの値によって抵抗値の温度補正をしてやればよい。
【0024】
前段まで線状の導電パターンによる施工の実施例を詳述してきたが、以下、他のタイプの導電パターンについて説明する。図8は金属板を溶接により接合した場合の例であり、801は金属板、802は溶接部、803は金属板(溶接部含む)の表面に形成した絶縁層、804は導体パターン層、805は保護層である。通常力金属板は一様であるが溶接部は一様ではないためこの溶接部に応力がかっかたり、強度的に弱くなっている。図9は902は溶接部を示しておりその時の構造物の溶接部に形成した急峻部のある帯状導電パターン層(図8の804)を示したものである。図8で示されている部分に対応した溶接された部分802を跨ぐように帯状の導電パターン903が生成されている。溶接された部分802の感度を上げるために導電パターン803は802の部分で急峻に断面積を変化させている。図9に示すように断面積を変化させている急峻部を複数個形成させたパターンを採用させると、溶接部のように応力集中する部位が比較的広範囲にまたがっている場合に有効である。
【0025】
前述の接合部は溶接であったが、ネジやリベットあるいは溶接で接合する場合、構造物とネジやリベットや溶接部との両者に跨って導電パターンを形成するとネジやリベットの弛みや応力集中による劣化を検知する場合にも同様に断面積を変化させている急峻部を形成すれば前述と同様に感度よく異常を検知することが可能となる。
【0026】
ここで図1に示した構成のトンネルの内壁面を検知するシステムに戻って説明を続ける。携帯ブラウザ端末109から構造物監視サーバー107にアクセスして現場の情報を取得する方法について説明する。図11は携帯ブラウザ端末により構造物監視サーバーにアクセスする際の認証のフローチャートである。アクセス要求ステップ1101で、まず携帯ブラウザ端末から構造物監視サーバーにアクセス要求を出し、端末IDによる認証ステップ1102において、アクセス要求してきた携帯ブラウザ端末の端末IDによってアクセス可能かどうか認証する。この端末IDはアクセス許可されたIDについてのみ構造物監視サーバーに登録しておけばよい。そして認証OKであれば、アクセスステップ1103において、この携帯ブラウザ端末から構造物監視サーバーにアクセスされる。
【0027】
次にアクセス時の画面を図12から図14に示した。ここでは図1に示す109の携帯ブラウザ端末から108の携帯ブラウザ端末基地局を介して構造物監視サーバー107に接続し、さらに無線基地局105を通じて観測部104のデータ保存部に格納されたデータを閲覧する。あるいは構造物監視サーバーに蓄積しているデータを閲覧してもよい。図12は現場管理メニューであり、閲覧したい現場を選択する。ここではG03の×○道路#128を選択している。選択した結果の画面が図13であり、過去ログか現在の状況のどちらかを選択する画面である。ここで現在の状況を選択した画面が図14でありそれぞれの線状導電樹脂の抵抗値が表示される。( )内は通常の値で比較の為に表示している。ここでは特に異常が無いため「異常なし」を表示している。
【0028】
次に構造物に異常が発生した場合に異常状態を管理担当者の携帯ブラウザ端末に電子メールで異常状態状況を送信する方法について説明する。図15は観測部のデータ比較部304における異常検知のフローチャートである。各導電線抵抗値測定ステップ1501で、マルチプレクサにより各導電性樹脂を選択し抵抗値を測定する。次に、断線判定ステップ1502において、ステップ1501の測定結果を基に断線有りかどうか判定する。断線有りの場合に異常処理を行う。しきい値を取り込みステップ1503において、しきい値設定保存 部305から該当チャンネルの抵抗値のしきい値を取り込む。しきい値判定ステップ1504で、測定した抵抗値と比較し、しきい値を越えている場合に異常処理を行う。
【0029】
異常処理のフローを図16に示した。観測部で異常検知された場合に、ます異常状態送信ステップ1601において、観測部の無線通信部から構造物監視サーバーに送信する。次に管理担当者端末検索処理ステップ1602において、構造物監視サーバーで異常箇所の管理担当者の端末を検索する。メール編集処理ステップ1603において、異常状況と送信アドレス等の編集処理を行い該当端末に異常状況メールを送信する。図17は異常通知メールの例であり、さらに下部の過去ログ、現在の状況を選択すればさらに詳しい状況を閲覧する事が可能となる。
【0030】
次に異常検知部分が車や列車などの回転軸の場合について説明する。図18はその概要ブロック図を示しており1801は回転軸で1702は回転軸に設けられた電気導電物質によるパターン部であり1803はアンテナ部を含む回転体に取り付けられた検出処理部である。1804は異常監視部のアンテナ部であり、1802の抵抗変化(断線を含む)を1803から1804に送信し検出部により検出し回転軸の異常を検知する。図19は1803の検出処理部であり、アンテナ、処理部、検知部を有しており外部から高周波(電磁波)により供給されたアンテナ部でこの高周波を受け必要な伝電流に変換し処理部、検知部に電流を供給し抵抗値異常あるいは断線を検知する。そして異常がある場合にはアンテナより異常監視部に異常状態を通知する。図20は実際回転体に応用した場合を説明した図であり、回転体2001のフランジにねじ2003によって2002の回転体が固定されている、ねじが緩んだりすると非常に危険であるのでねじ2003の上に導体配線パターンを含むテープ2004が4本のねじの上を通して2004の回転体に密着させている。2005は図18に示す1803の検出」処理部である。ここでは電磁誘導による非接触通信を行っているが、これに限られるものではなく光通信、磁気通信などの非接触通信を目的に応じて使えばよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、構造物の表面に導電樹脂により導電パターンを形成するという容易な施工方法で、構造物の変化による危険を24時間リアルタイムで監視し、ネットワークに接続された構造物監視サーバーにより必要に応じて各種状態情報を閲覧したり、異常があった際に携帯ブラウザ端末に異常であることをメールとして送信することにより該当構造物の管理者に迅速に通知することが可能となる。
【0032】
本発明の別の態様によれば、車軸などといった回転体などの本体部とは独立して可動する可動部の異常状態を運転休止して非破壊検査等の作業をおこなうことなく24時間リアルタイムで監視することが可能となる。異常状態が発生したとき即座に異常を通知することができるため、異常が発生しても即座に対応して事故を未然に防ぐことが可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概要
【図2】電極
【図3】観測部の内部構成ブロック図
【図4】パターンの形成方法を説明するフローチャート
【図5】パターンの型(ステンシル)
【図6】一筆書きの線状パターン
【図7】多層形成されたパターンの一例
【図8】溶接部の検出模式図
【図9】急峻部のある帯状導電パターン
【図10】急峻部を複数個形成させたパターン
【図11】認証のフローチャート
【図12】状況閲覧画面 メニュー
【図13】状況閲覧画面 選択結果
【図14】状況閲覧画面 現在状況表示
【図15】異常検知のフローチャート
【図16】異常処理のフロー
【図17】異常メールの例
【図18】回転軸の異常検知の概要図
【図19】異常状態検出処理部
【図20】ねじ締結回転体の異常検出例
Claims (32)
- 電気伝導性物質を構造物の表面に密着してパターン形成し、前記電気伝導性物質に電極を設け、前記電極を通じて前記電気伝導性物質の抵抗値変化(断線も含む)を観測することにより前記構造物の変化を検知するシステムにおいて、抵抗値変化を観測する観測部を前記構造物に接続して設置し、さらに前記観測部とは異なった場所に構造物異常監視部を設け、前記観測部と前記構造物異常監視部は通信手段により接続されていることを特徴とする異常検知システム。
- 前記電気伝導性物質は、前記構造物表面に絶縁層を形成し前記絶縁層の上に形成され、さらに前記電気伝導性物質は導電性樹脂であり、印刷、塗布、薄膜形成あるいは厚膜形成によってパターンを形成しすることを特徴とする特許請求範囲第1項記載の異常検知システム。
- 前記電気伝導性物質は薄膜形成あるいは厚膜形成によってパターンを絶縁シートに形成し前記構造物の表面に密着して前記パターンを形成したシートを密着したことを特徴とする特許請求範囲第1項記載の異常検知システム。
- 前記パターンは、線状、帯状から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする特許請求範囲第1乃至第3項記載の異常検知システム。
- 前記パターンは、前記構造物の部位に応じて前記電気伝導性物質の断面積を変化させ、応力集中する部位の断面積を急峻に変化させ前記部位の変化を敏感に検知しやすくさせることを特徴とする特許請求範囲第1項乃至第4項記載の異常検知システム。
- 前記パターンは、1つの応力集中する部位に対して急峻部を1以上有することを特徴とする特許請求範囲第5項記載の異常検知システム。
- 前記応力集中する部位は、ネジ部、リベット部、溶接部、接合部から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする特許請求範囲第5 21項乃至第6項記載の異常検知システム。
- 前記ネジ部もしくはリベット部もしくは溶接部もしくは接合部は、構造物と構造物を締結しているネジもしくはリベットもしくは溶接部もしくは接合部の両者にわたって電気伝導性物質が形成してあることを特徴とする特許請求範囲第7項記載の異常検知システム。
- 前記電気伝導性物質のパターンが複数ある場合には前記パターンは、絶縁層をはさみ多層形成されていることを特徴とする特許請求範囲第1 項乃至第3項記載の異常検知システム。
- 前記多層を構成する各層に形成されたパターンの方向を違えていることを特徴とする特許請求範囲9項記載の異常検知システム。
- 前記多層を構成する各層に形成されたパターンの方向を交差させることにより、構造物の表面に対して垂直方向から見て格子状にパターン全体を構成することを特徴とする特許請求範囲第10項記載の異常検知システム。
- 前記電気伝導性物質の電極と前記観測部とはフレキシブルプリント基板によって接続されたことを特徴とする特許請求範囲第1項記載の異常検知システム。
- 前記電気伝導性物質の電極は薄膜形成によって形成されたことを特徴とする特許請求範囲第1項記載の異常検知システム。
- 前記電気伝導性物質の温度補償手段を有すること特徴とする特許請求範囲第1項記載の異常検知システム。
- 前記構造物異常監視部はネットワークに接続された構造物異常監視サーバーであることを特徴とする特許請求範囲第16項記載の異常検知システム。
- 前記観測部においては、構造物にパターニングされた電気伝導性物質の抵抗値のしきい値を設定しておき、前記設定されたしきい値を越えた場合には前記通信手段により前記構造物異常監視サーバーに異常情報を送信することを特徴とする特許請求範囲第15項記載の異常検知システム。
- 前記構造物異常監視サーバーにおいては構造物に異常が発生した際には前記構造物の管理部門に異常であることを知らせる異常通知手段を有していることを特徴とする特許請求範囲第15項記載の異常検知システム。
- 前記異常通知手段において構造物管理担当者の端末電子メールアドレスを予め登録しておき、該当構造物の管理担当者端末に異常であることを配信することを特徴とする特許請求範囲第15項記載の異常検知システム。
- 前記構造物異常監視サーバーは、携帯ブラウザ端末から接続することが可能であり、必要に応じて該当構造物の情報を閲覧することが可能であることを特徴とする特許請求範囲第15項記載の異常検知システム。
- 前記携帯ブラウザ端末から前記構造物管理サーバーへの接続は、前記携帯ブラウザ端末の端末IDにより認証し、接続することを特徴とする特許請求範囲第19項記載の異常検知システム。
- 本体から独立して可動部を有する構造物であって前記可動部の異常を検出する目的で電気伝導性物質を構造物の表面に密着してパターン形成し、前記電気伝導性物質に電極を設け、前記電極を通じて前記電気伝導性物質の抵抗値変化(断線も含む)を観測する観測部を設け前記構造物の異常を検知するシステムにおいて、前記電気導電性パターンの抵抗値変化を観測する観測部を前記可動構造物に設け、さらに前記観測部とは異なった本体部分に構造物異常監視部を設け、前記観測部と前記構造物異常監視部は非接触通信手段により接続されていることを特徴とする異常検知システム。
- 前記電気伝導性物質は、前記構造物表面に絶縁層を形成し前記絶縁層の上に形成され、さらに前記電気伝導性物質は導電性樹脂であり、印刷、塗布、薄膜形成あるいは厚膜形成によってパターンを形成しすることを特徴とする特許請求範囲第21項記載の異常検知システム。
- 前記電気伝導性物質は薄膜形成あるいは厚膜形成によってパターンを絶縁シートに形成し前記構造物の表面に密着して前記パターンを形成したシートを密着したことを特徴とする特許請求範囲第21項記載の異常検知システム。
- 前記パターンは、線状、帯状から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする特許請求範囲第21乃至第23項記載の異常検知システム。
- 前記パターンは、前記構造物の部位に応じて前記電気伝導性物質の断面積を変化させ、応力集中する部位の断面積を急峻に変化させ前記部位の変化を敏感に検知しやすくさせることを特徴とする特許請求範囲第21項乃至第25項記載の異常検知システム。
- 前記パターンは、1つの応力集中する部位に対して急峻部を1以上有することを特徴とする特許請求範囲第25項記載の異常検知システム。
- 前記応力集中する部位は、ネジ部、リベット部、溶接部、接合部から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする特許請求範囲第21項乃至第26項記載の異常検知システム。
- 前記ネジ部もしくはリベット部もしくは溶接部もしくは接合部は、構造物と構造物を締結しているネジもしくはリベットもしくは溶接部もしくは接合部の両者にわたって導電物質が形成してあることを特徴とする特許請求範囲第27項記載の異常検知システム。
- 前記電気伝導性物質のパターンが複数ある場合には前記パターンは、絶縁層をはさみ多層形成されていることを特徴とする特許請求範囲第21 項乃至第23項記載の異常検知システム。
- 前記多層を構成する各層に形成されたパターンの方向を違えていることを特徴とする特許請求範囲29項記載の異常検知システム。
- 前記多層を構成する各層に形成されたパターンの方向を交差させることにより、構造物の表面に対して垂直方向から見て格子状にパターン全体を構成することを特徴とする特許請求範囲第30項記載の異常検知システム。
- 前記非接触通信手段は前記可動部の観測部にアンテナを設け本体部分に設置された異常監視部より送信される電波を前記アンテナによって受信しこの電波から電磁誘導によって動作電流を得ることによって前記観測部を動作させることにより抵抗(断線を含む)値を検知し前記異常監視部に送信することを特徴とする特許請求範囲第21項記載の異常検知システム。
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