JP2004064174A - 高周波用配線基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】同一面接地導体を有する線路導体の一端同士を接続する貫通導体の近傍において各線路導体の直下に存在する同一面接地導体が存在しなくなるため、特性インピーダンスの不整合が生じ、伝送特性が劣化する。
【解決手段】第1および第2の線路導体3・4とその両側の第1および第2の同一面接地導体6・7との間隔をSとし、第1および第2の線路導体3・4と誘電体基板2を挟んで対向する第2および第1の同一面接地導体7・6との距離をHとしたとき、S<H/2である高周波用配線基板1である。第1および第2の線路導体3・4と貫通導体5との接続部での特性インピーダンスを整合させることができ、ミリ波帯の高周波信号であっても良好な伝送特性で伝送できる。
【選択図】 図1
【解決手段】第1および第2の線路導体3・4とその両側の第1および第2の同一面接地導体6・7との間隔をSとし、第1および第2の線路導体3・4と誘電体基板2を挟んで対向する第2および第1の同一面接地導体7・6との距離をHとしたとき、S<H/2である高周波用配線基板1である。第1および第2の線路導体3・4と貫通導体5との接続部での特性インピーダンスを整合させることができ、ミリ波帯の高周波信号であっても良好な伝送特性で伝送できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミリ波帯の高周波帯域で使用されるIC・LSI等の高周波集積回路または高周波回路装置を接続し搭載するための高周波用配線基板に関し、特に高周波信号の伝送特性を改善した信号伝送用の貫通導体を有する高周波用配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ミリ波帯の高周波信号を伝送する高周波用配線基板には、例えば図5に平面図で、また図6に断面図で示すようなものがあった。
【0003】
図5および図6において、21は高周波用配線基板、22は誘電体基板であり、誘電体基板22の上下面に第1の線路導体23および第2の線路導体24を有し、第1および第2の線路導体23・24の一端間が貫通導体25で電気的に接続されている。また、誘電体基板22の上下面に第1および第2の同一面接地導体26・27を有し、第1および第2の同一面接地導体26・27間は複数の接地用貫通導体28で電気的に接続されている。
【0004】
このような高周波用配線基板21においては、第1および第2の線路導体23・24と貫通導体25との接続部における浮遊容量により、特性インピーダンスの不整合が生じてしまい、その結果、高周波信号の反射損失が増大して伝送特性が劣化するという欠点があった。
【0005】
そこで、線路導体と貫通導体との接続部の特性インピーダンスを整合する技術として、例えば、線路導体とその周囲の同一面接地導体との間隔を貫通導体との接続部近傍において広くすることにより、浮遊容量を低減し、線路導体と貫通導体との接続部の特性インピーダンスの整合をとることができて高周波信号の伝送特性を改善できるというものが提案されている(特開2000−100993号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の高周波用配線基板においては、線路導体と周囲の同一面接地導体との間隔を貫通導体との接続部近傍において広くした場合には、貫通導体の近傍において各線路導体の直下に存在する同一面接地導体が削除されることとなるため、ミリ波帯の周波数帯域においてはその高周波信号の波長が短いことから、貫通導体による線路導体の接続部近傍において特性インピーダンスの不整合が生じ、その結果、周波数が高くなるに従って伝送特性が大きく劣化するという問題があった。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、線路導体と貫通導体との接続部での特性インピーダンスを整合させ、その結果、ミリ波帯の高周波帯域であっても高周波信号の良好な伝送特性の得られる高周波用配線基板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の高周波用配線基板は、誘電体基板の一主面に形成された第1の線路導体と、他主面に前記第1の線路導体と一端同士を対向させて形成された第2の線路導体と、前記第1の線路導体の一端および前記第2の線路導体の一端を前記誘電体基板を貫通して電気的に接続する貫通導体と、前記一主面の前記第1の線路導体の前記一端の周囲に所定の間隔をもって形成された第1の同一面接地導体および前記他主面の第2の線路導体の前記一端の周囲に所定の間隔をもって形成された第2の同一面接地導体とを具備して成り、前記第1の線路導体とその両側の前記第1の同一面接地導体との間隔および第2の線路導体とその両側の前記第2の同一面接地導体との間隔をSとし、前記第1の線路導体と前記誘電体基板を挟んで対向する前記第2の同一面接地導体との距離および前記第2の線路導体と前記誘電体基板を挟んで対向する前記第1の同一面接地導体との距離をHとしたとき、S<H/2であることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の第2の高周波用配線基板は、複数の誘電体層を積層して成る誘電体基板の前記誘電体層の一主面に形成された第1の線路導体と、前記誘電体層の前記一主面と異なって位置する他主面に前記第1の線路導体と一端同士を対向させて形成された第2の線路導体と、前記第1の線路導体の一端および前記第2の線路導体の一端をこれらの間の前記誘電体層を貫通して電気的に接続する貫通導体と、前記一主面の前記第1の線路導体の前記一端の周囲に所定の間隔をもって形成された第1の同一面接地導体および前記他主面の前記第2の線路導体の前記一端の周囲に所定の間隔をもって形成された第2の同一面接地導体と、前記第1の線路導体と前記他主面との間の前記誘電体層間に形成された第1の層間接地導体および前記第2の線路導体と前記一主面との間の前記誘電体層間に形成された第2の層間接地導体とを具備して成り、前記第1の線路導体とその両側の前記第1の同一面接地導体との間隔および第2の線路導体とその両側の前記第2の同一面接地導体との間隔をSとし、前記第1の線路導体と前記誘電体層を挟んで対向する前記第1の層間接地導体との距離および前記第2の線路導体と前記誘電体層を挟んで対向する前記第2の層間接地導体との距離をHとしたとき、S<H/2であることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の高周波用配線基板によれば、上記のように、第1の線路導体とその両側の第1の同一面接地導体との間隔および第2の線路導体とその両側の第2の同一面接地導体との間隔Sを、第1の線路導体と誘電体基板を挟んで対向する第2の同一面接地導体との距離および第2の線路導体と誘電体基板を挟んで対向する第1の同一面接地導体との距離Hに対して、S<H/2と十分狭くしたことから、あるいは、第1の線路導体とその両側の第1の同一面接地導体との間隔および第2の線路導体とその両側の第2の同一面接地導体との間隔Sを、第1の線路導体と誘電体層を挟んで対向する第1の層間接地導体との距離および第2の線路導体と誘電体層を挟んで対向する第2の層間接地導体との距離Hに対して、S<H/2と十分狭くしたことから、線路導体を伝搬する電磁波のモードは、主に線路導体および同一面接地導体間による伝搬モードとなるため、貫通導体による接続部近傍において線路導体の直下にその線路導体に対向して存在する同一面接地導体または層間接地導体が存在しなくなったとしても、特性インピーダンスの不整合を抑制することができ、その結果、ミリ波帯の高周波帯域において良好な伝送特性が実現できるものとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の高周波用配線基板を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1および図2は、それぞれ本発明の高周波用配線基板の実施の形態の一例を示す平面図および断面図である。図2の断面図は本発明の第1の高周波用配線基板の例を示しており、これらの図において、1は高周波用配線基板、2は誘電体基板であり、誘電体基板2の一主面である上面および他主面である下面にそれぞれ第1の線路導体3および第2線路導体4が、一端同士を対向させて形成されており、第1および第2の線路導体3・4の一端間が貫通導体5で電気的に接続されている。また、誘電体基板2の上下面のそれぞれ第1および第2の線路導体3・4の一端の周囲に、各線路導体3・4の両側との間隔が高周波信号の実効波長の4分の1以下となるようにして第1および第2の同一面接地導体6・7が形成されている。また、第1および第2の同一面接地導体6・7間は、各間隔が高周波信号の実効波長の4分の1以下となるように配置された、誘電体基板2を貫通する複数の接地用貫通導体8で電気的に接続されている。
【0013】
そして、本発明の第1の高周波用配線基板1においては、図1および図2に示すように、第1および第2の線路導体3・4の所定の特性インピーダンスを有する部分の線路導体とその両側の第1および第2の同一面接地導体6・7との間隔をSとし、第1の線路導体3と誘電体基板2を挟んで対向する第2の同一面接地導体7との距離および第2の線路導体4と誘電体基板2を挟んで対向する第1の同一面接地導体6との距離をHとしたとき、S<H/2であることを特徴としている。
【0014】
なお、図1では誘電体基板2の上面、すなわち第1の線路導体3側の一主面を示しているが、誘電体基板2の下面、すなわち第2の線路導体4側の他主面においても、その第2の線路導体4と第2の同一面接地導体7とは同様の構成とされている。
【0015】
そして、このような構成により、第1の線路導体3と第1の同一面接地導体6との間隔および第2の線路導体4特許第2の同一面接地導体7との間隔Sをだい1の線路導体3と誘電体基板2を挟んで対向する第2の同一面接地導体7との距離および第2の線路導体4と誘電体基板2を挟んで対向する第1の同一面接地導体6との距離H(高周波用配線基板1においては、誘電体基板2の厚みおよび貫通導体5の長さもHと等しくなる。)の2分の1より狭くしたことにより、第1および第2の線路導体3・4を伝搬する高周波信号の電磁界分布が第1の線路導体3と第1の同一面接地導体6との間および第2の線路導体4と第2の同一面接地導体7との間に集中することによって、第1および第2の線路導体3・4を伝搬する高周波信号の電磁波のモードは、主に第1の線路導体3と第1の同一面接地導体6間および第2の線路導体4と第2の同一面接地導体7間によって定まる伝搬モードとなるため、貫通導体5の近傍において第1の線路導体3の直下に存在する第2の同一面接地導体7および第2の線路導体4の直下に存在する第1の同一面接地導体6がそれぞれ貫通導体5に接続される一端の手前の部分で存在しないこととなっても、貫通導体5の近傍における特性インピーダンスの不整合を抑制することができる。その結果、ミリ波帯の高周波信号に対しても良好な伝送特性が実現できる。
【0016】
次に、図3に、本発明の第2の高周波用配線基板の実施の形態の一例を断面図で示す。なお、本発明の第2の高周波用配線基板についての平面図は図1と同様になるので、図1には本発明の第2の高周波用配線基板における符号も併記している。図1および図3において、11は高周波用配線基板、12は複数の誘電体層12a・12bを積層して成る誘電体基板、13は誘電体層12aの一主面、この例では上面に形成された第1の線路導体、14は誘電体層12bの誘電体層12aの一主面と異なって位置する他主面に第1の線路導体13と一端同士を対向させて形成された第2の線路導体、15は第1の線路導体13の一端と第2の線路導体14の一端とをこれらの間の誘電体層12a・12bを貫通して電気的に接続する貫通導体、16および17は、それぞれ第1の線路導体13の一端の周囲に、各線路導体13・14の両側との間隔が高周波信号の実効波長の4分の1以下となるようにして形成された第1および第2の同一面接地導体、18は第1および第2の同一面接地導体16・17をその間の誘電体層12a・12bを貫通して電気的に接続する接地用貫通導体、19aは第1の線路導体13と誘電体層12bの他主面との間の誘電体層12a・12b間に形成された第1の層間接地導体、19bは第2の線路導体14と誘電体層12aの一主面との間の誘電体層12a・12b間に形成された第2の層間接地導体である。
【0017】
そして、本発明の第2の高周波用配線基板11においては、図1および図2に示すように、第1の線路導体13とその両側の第1の同一面接地導体16との間隔および第2の線路導体14とその両側の同一面接地導体17との間隔をSとし、第1の線路導体13と誘電体層12aを挟んで対向する第1の層間接地導体19aとの距離および第2の線路導体14と誘電体層12bを挟んで対向する第2の層間接地導体19bとの距離をHとしたとき、S<H/2であることを特徴としている。
【0018】
そして、このような構成により、第1の線路導体13と第1の同一面接地導体16との間隔および第2の線路導体14と第2の同一面接地導体17との間隔Sを、第1の線路導体13と第1の層間接地導体19aとの距離および第2の線路導体14と第2の層間接地導体19bとの距離Hより狭くしたことにより、第1および第2の線路導体13・14を伝搬する高周波信号の電磁界分布が第1の線路導体13と第1の同一面接地導体16との間および第2の線路導体14と第2の同一面接地導体17との間に集中することによって、第1および第2の線路導体13・14を伝搬する高周波信号の電磁波のモードは、主に第1の線路導体13と第1の同一面接地導体6間および第2の線路導体14と第2の同一面接地導体17間によって定まる伝搬モードとなるため、貫通導体15の近傍において第1の線路導体13の直下に存在する第1の層間接地導体19aおよび第2の線路導体14の直下に存在する第2の層間接地導体19bがそれぞれ貫通導体15に接続される一端の手前の部分で存在しないこととなっても、貫通導体15の近傍における特性インピーダンスの不整合を抑制することができる。その結果、ミリ波帯の高周波信号に対しても良好な伝送特性が実現できる。
【0019】
このように、第1の線路導体3・13、第2の線路導体4・14、貫通導体5・15、誘電体基板2・12(誘電体層12a・12b)、第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17、接地用貫通導体8・18および層間接地導体19a・19bの配置ならびに形状は、様々に設定して形成することができる。
【0020】
なお、図1に示す例においては、貫通導体5・15で電気的に接続されている第1および第2の線路導体3・13・4・14の一端に対して、第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17との間隔を、第1の線路導体3・13とその両側の第1の同一面接地導体6・16との間隔および第2の線路導体4・14とその両側の第2の同一面接地導体7・17との間隔Sよりも広くとっている。これにより、線路導体3・13・4・14と貫通導体5・15との接続部の浮遊容量を低減し、特性インピーダンスの整合をとることができる。
【0021】
このように第1および第2の線路導体3・13・4・14の一端に対する第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17との間隔を広くする場合は、その間隔を、貫通導体5・15の両側の部分において間隔Sよりも広くするとともに、第1および第2の線路導体3・13・4・14の一端に対向する部分においてさらにその間隔よりも広くし、それらの間隔をいずれも間隔Sの3倍以内に設定することにより、貫通導体5・15による接続部において例えば55〜80GHzといったマイクロ波帯およびミリ波帯の高周波信号に対して良好なインピーダンスマッチングを行なうことができ、貫通導体5・15を介することによる伝送特性の劣化を低減することができる。
【0022】
これに対し、貫通導体5・15で電気的に接続されている第1および第2の線路導体3・13・4・14の一端に対して、第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17との間隔を、第1の線路導体3・13とその両側の第1の同一面接地導体6・16との間隔および第2の線路導体4・14とその両側の第2の同一面接地導体7・17との間隔Sと同程度としてもよく、間隔Sよりも狭くしてもよい。狭くすることにより、線路導体3・13・4・14と同一面接地導体6・16・7・17との間からの電磁波の不要輻射を抑制することができる。
【0023】
そのように第1および第2の線路導体3・13・4・14の一端に対する第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17との間隔を狭くする場合は、その間隔を貫通導体5・15による接続部の周囲において間隔Sよりも狭くなるように設定することにより、その間隔を狭くした部分によって電磁界モードの変換部である接続部での電磁界を閉じ込めることができるため、第1および第2の線路導体3・13・4・14の一端と第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17との間からの電磁波の不要輻射を抑制することができ、例えば110GHzといったミリ波帯の高周波信号も良好に伝送することができる。なお、このとき、併せて第1および第2の線路導体3・13・4・14の一端の貫通導体5・15との接続部近傍の線路幅を、第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17が間隔Sで両側に配置された部分の線路幅よりも狭くしておくと、接続部における浮遊容量も低減することができるので、より好ましいものとなる。
【0024】
本発明の高周波用配線基板1・11における誘電体基板2・12(誘電体層12a・12b)の材料としては、アルミナ(Al2O3)セラミックス,ムライト(3Al2O3・2SiO2)セラミックス等のセラミックス材料やガラスセラミックス等の無機系材料、四ふっ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン;PTFE),四ふっ化エチレン−エチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合樹脂;ETFE),四ふっ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂;PFA)等のフッ素樹脂,ガラスエポキシ樹脂,ポリフェニレンエーテル樹脂,液晶ポリエステル,ポリイミド等の樹脂系材料等が用いられる。また、高周波用配線基板1・11の形状・寸法(厚み・幅・長さ)は、使用される高周波信号の周波数や特性インピーダンス等に応じて設定される。
【0025】
本発明の高周波用配線基板1・11における第1の線路導体3・13および第2の線路導体4・14は、高周波信号伝送用として適した金属材料の導体層から成り、例えばCu層,Mo−Mn層,W層,Mo−Mnメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの,Wメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの,Cr−Cu合金層,Cr−Cu合金層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの,Ta2N層上にNi−Cr合金層およびAuメッキ層を被着させたもの,Ti層上にPt層およびAuメッキ層を被着させたもの,またはNi−Cr合金層上にPt層およびAuメッキ層を被着させたものから成り、厚膜印刷法あるいは各種の薄膜形成法やメッキ処理法等により形成される。その厚みや幅も伝送される高周波信号の周波数や特性インピーダンス等に応じて設定される。
【0026】
また、第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17および第1および第2の層間接地導体19a・19bは、第1の線路導体3・13および第2の線路導体4・14と同様の材料で同様の方法により形成すればよく、第1の線路導体3・13および第2の線路導体4・14と第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17との間隔は、伝送される高周波信号の周波数や特性インピーダンス等に応じて設定される。また、貫通導体5・15は、第1の線路導体3・13の一端と第2の線路導体4・14の一端とを電気的に接続するように形成され、例えばスルーホール導体やビアホール導体を形成することにより、あるいは金属板,金属棒または金属パイプ等を埋設することにより設けることができる。また、接地用貫通導体8・18は、第1の同一面接地導体6・16と第2の同一面接地導体7・17とを、ならびにこれらと第1および第2の層間接地導体19a・19bとを接続するように形成され、例えばスルーホール導体やビアホール導体を形成することにより、あるいは金属板,金属棒または金属パイプ等を埋設することにより設けることができる。
【0027】
高周波用配線基板1・11の作製にあたっては、例えば誘電体基板2・12がガラスセラミックスから成る場合であれば、まず誘電体基板2・12(誘電体層12a・12b)となるガラスセラミックスのグリーンシートを準備し、これに所定の打ち抜き加工やスクリーン印刷法によりCuやAg等の導体ペーストを第1および第2の線路導体3・13・4・14,貫通導体5・15,第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17,第1および第2の層間接地導体19a・19b,接地貫通導体8・18の各導体パターンに応じてそれぞれ塗布する。次に1000℃で焼成を行ない、最後に各導体層上にNiメッキおよびAuメッキを施す。
【0028】
【実施例】
本発明の高周波用配線基板の実施例を以下に説明する。
【0029】
[本発明の第1の高周波用配線基板の実施例]
本発明の第1の高周波用配線基板1として、比誘電率が6のガラスセラミックスから成る厚みが0.2mmの誘電体基板2の上下面に、第1の線路導体3および第2の線路導体4として、Cuメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させて成る線路導体をその一端同士を対向させてそれぞれ形成した。また、誘電体基板2の上下面に第1および第2の同一面接地導体6・7として、第1および第2の線路導体3・4の一端の周囲からほぼ全面にCuメタライズ層からなる導体を形成した。なお、第1の線路導体3および第2の線路導体4の線幅W,第1の線路導体3および第2の線路導体4とその両側の第1および第2の同一面接地導体6・7との間隔S,第1の線路導体3と誘電体基板2を挟んで対向する第2の同一面接地導体7との距離および第2の線路導体4と誘電体基板2を挟んで対向する第1の同一面接地導体6との距離(誘電体基板2の厚みおよび貫通導体5の長さに相当する)Hについては、表1に示した通りの組合せとした。第1の線路導体3の一端と第2の線路導体4の一端とを接続する貫通導体5は、Cuメタライズから成る、横断面形状が直径0.1mmの略円形のものとした。これにより、本発明の高周波用配線基板1の試料1から試料3を得た。
【0030】
一方、比較例として、図5および図6に示す構成のものについて、試料Aと同様にして誘電体基板22,第1の線路導体23,第2の線路導体24,貫通導体25,第1および第2の同一面接地導体26・27,接地用貫通導体28を形成した。ただし、第1の線路導体23および第2の線路導体24の線幅W,第1の線路導体23とその両側の第1の同一面接地導体26との間隔および第2の線路導体24とその両側の第2の同一面接地導体27との間隔S,第1の線路導体と誘電体基板22を挟んで対向する第2の同一面接地導体27との距離および第2の線路導体24と誘電体基板22を挟んで対向する第1の同一面接地導体26との距離(誘電体基板22の厚みおよび貫通導体25の長さに相当する)Hについては、表1に示した通りである。これにより、比較例の高周波用配線基板21の試料4および試料5を得た。
【0031】
【表1】
【0032】
これら本発明の実施例および比較例の試料1から試料5について、ウェハープローブを用いてネットワークアナライザに接続し、高周波信号に対する反射損失の測定を行なった。その結果を図4に示す。
【0033】
図4は、試料1から試料5における50GHzまでの周波数範囲における最大反射損失を示したグラフであり、横軸は間隔Sと距離Hとの比S/Hを、縦軸は反射損失(単位:dB)を表している。
【0034】
図4に示す結果より、本発明の実施例である試料1から試料3においては、高周波信号伝送のために必要とされる係数値である反射損失−15dBを満足していることが分かる。これに対し、比較例の試料4・試料5においては、S/Hが大きくなるにつれて反射損失が増大し、その値はいずれも−10dBを超えている。
【0035】
従って、本発明の第1の高周波用配線基板1によれば、第1の線路導体3とその両側の第1の同一面接地導体6との間隔および第2の線路導体4とその両側の第2の同一面接地導体7との間隔をSとし、第1の線路導体3と誘電体基板2を挟んで対向する第2の同一面接地導体7との距離および第2の線路導体4と誘電体基板2を挟んで対向する第1の同一面接地導体6との距離をHとしたとき、S<H/2の範囲に設定したことにより、第1の線路導体3と第2の線路導体4との貫通導体5による接続部における特性インピーダンスの不整合を抑制することができ、ミリ波帯の高周波帯域であっても良好な伝送特性が実現できることを確認できた。
【0036】
[本発明の第2の高周波用配線基板の実施例]
本発明の第2の高周波用配線基板11として、本発明の第1の高周波用配線基板1と同様にして、第1の線路導体13,第2の線路導体14,貫通導体15,第1および第2の同一面接地導体16・17,接地用貫通導体18を形成した。ただし、誘電体基板12は厚みが0.2mmの誘電体層12aおよび12bの2層から成るものとし、誘電体層12a・12b間にそれぞれ第1および第2の線路導体13・14と対向させて層間接地導体19aおよび19bを形成した。
【0037】
これにより、本発明の第2の高周波用配線基板1の試料1から試料3を得た。
【0038】
これら本発明の第2の高周波用配線基板11の実施例の試料1から試料3について、実施例1と同様に高周波信号に対する反射損失の測定を行なったところ、図4に示す実施例1の試料1から試料3と同様の結果が得られた。
【0039】
従って、本発明の第2の高周波用配線基板11によれば、第1の線路導体13とその両側の第1の同一面接地導体16との間隔および第2の線路導体14とその両側の第2の同一面接地導体17との間隔をSとし、第1の線路導体13と誘電体層12aを挟んで対向する第1の層間接地導体19aとの距離および第2の線路導体14と誘電体層12bを挟んで対向する第2の層間接地導体19bとの距離をHとしたとき、S<H/2の範囲に設定したことにより、第1の線路導体13と第2の線路導体14との貫通導体15による接続部における特性インピーダンスの不整合を抑制することができ、ミリ波帯の高周波帯域であっても良好な伝送特性が実現できることを確認できた。
【0040】
なお、本発明は上記の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上記の実施の形態の例では、本発明の第2の高周波用配線基板11についても第1の線路導体13および第2の線路導体14は誘電体基板12の上下面にそれぞれ形成したが、誘電体基板12をさらに多数の誘電体層が積層されたものとして、その誘電体層間に形成して誘電体基板12の内部にいわゆる内層されたものとしても構わない。
【0041】
【発明の効果】
本発明の高周波配線基板によれば、第1の線路導体とその両側の第1の同一面接地導体および第2の線路導体とその両側の第2の同一面接地導体との間隔をSとし、第1の線路導体と誘電体基板を挟んで対向する第2の同一面接地導体との距離および第2の線路導体と誘電体基板を挟んで対向する第1の同一面接地導体との距離をHとしたとき、S<H/2であるものとしたことから、あるいは、第1の線路導体とその両側の第1の同一面接地導体との間隔および第2の線路導体とその両側の第2の同一面接地導体との間隔をSとし、第1の線路導体と誘電体層を挟んで対向する第1の層間接地導体との距離および第2の線路導体と誘電体層を挟んで対向する第2の層間接地導体との距離をHとしたとき、S<H/2であるものとしたことから、線路導体を伝搬する電磁波のモードは、主に線路導体および同一面接地導体間による伝搬モードとなるため、貫通導体による接続部近傍において線路導体の直下にその線路導体に対向して存在する同一面接地導体または層間接地導体が存在しなくなったとしても、特性インピーダンスの不整合を抑制することができ、その結果、ミリ波帯の高周波帯域において良好な伝送特性が実現できるものとなる。
【0042】
以上により、本発明によれば、信号伝送用の貫通導体で接続された線路導体を有する高周波用配線基板において、線路導体と貫通導体との接続部での特性インピーダンスを整合させ、その結果、ミリ波帯の高周波信号であっても良好な伝送特性で伝送できる高周波用配線基板を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波用配線基板の実施の形態の一例を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の高周波用配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の高周波用配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例および比較例の高周波用配線基板についての高周波信号の反射損失を示すグラフである。
【図5】従来の高周波用配線基板の例を示す平面図である。
【図6】従来の高周波用配線基板の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1、11・・・・・高周波用配線基板
2、12・・・・・誘電体基板
12a、12b・・・誘電体層
3、13・・・・・第1の線路導体
4、14・・・・・第2の線路導体
5、15・・・・・貫通導体
6、16・・・・・第1の同一面接地導体
7、17・・・・・第2の同一面接地導体
19a・・・・・・第1の層間接地導体
19b・・・・・・第2の層間接地導体
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミリ波帯の高周波帯域で使用されるIC・LSI等の高周波集積回路または高周波回路装置を接続し搭載するための高周波用配線基板に関し、特に高周波信号の伝送特性を改善した信号伝送用の貫通導体を有する高周波用配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ミリ波帯の高周波信号を伝送する高周波用配線基板には、例えば図5に平面図で、また図6に断面図で示すようなものがあった。
【0003】
図5および図6において、21は高周波用配線基板、22は誘電体基板であり、誘電体基板22の上下面に第1の線路導体23および第2の線路導体24を有し、第1および第2の線路導体23・24の一端間が貫通導体25で電気的に接続されている。また、誘電体基板22の上下面に第1および第2の同一面接地導体26・27を有し、第1および第2の同一面接地導体26・27間は複数の接地用貫通導体28で電気的に接続されている。
【0004】
このような高周波用配線基板21においては、第1および第2の線路導体23・24と貫通導体25との接続部における浮遊容量により、特性インピーダンスの不整合が生じてしまい、その結果、高周波信号の反射損失が増大して伝送特性が劣化するという欠点があった。
【0005】
そこで、線路導体と貫通導体との接続部の特性インピーダンスを整合する技術として、例えば、線路導体とその周囲の同一面接地導体との間隔を貫通導体との接続部近傍において広くすることにより、浮遊容量を低減し、線路導体と貫通導体との接続部の特性インピーダンスの整合をとることができて高周波信号の伝送特性を改善できるというものが提案されている(特開2000−100993号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の高周波用配線基板においては、線路導体と周囲の同一面接地導体との間隔を貫通導体との接続部近傍において広くした場合には、貫通導体の近傍において各線路導体の直下に存在する同一面接地導体が削除されることとなるため、ミリ波帯の周波数帯域においてはその高周波信号の波長が短いことから、貫通導体による線路導体の接続部近傍において特性インピーダンスの不整合が生じ、その結果、周波数が高くなるに従って伝送特性が大きく劣化するという問題があった。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、線路導体と貫通導体との接続部での特性インピーダンスを整合させ、その結果、ミリ波帯の高周波帯域であっても高周波信号の良好な伝送特性の得られる高周波用配線基板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の高周波用配線基板は、誘電体基板の一主面に形成された第1の線路導体と、他主面に前記第1の線路導体と一端同士を対向させて形成された第2の線路導体と、前記第1の線路導体の一端および前記第2の線路導体の一端を前記誘電体基板を貫通して電気的に接続する貫通導体と、前記一主面の前記第1の線路導体の前記一端の周囲に所定の間隔をもって形成された第1の同一面接地導体および前記他主面の第2の線路導体の前記一端の周囲に所定の間隔をもって形成された第2の同一面接地導体とを具備して成り、前記第1の線路導体とその両側の前記第1の同一面接地導体との間隔および第2の線路導体とその両側の前記第2の同一面接地導体との間隔をSとし、前記第1の線路導体と前記誘電体基板を挟んで対向する前記第2の同一面接地導体との距離および前記第2の線路導体と前記誘電体基板を挟んで対向する前記第1の同一面接地導体との距離をHとしたとき、S<H/2であることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の第2の高周波用配線基板は、複数の誘電体層を積層して成る誘電体基板の前記誘電体層の一主面に形成された第1の線路導体と、前記誘電体層の前記一主面と異なって位置する他主面に前記第1の線路導体と一端同士を対向させて形成された第2の線路導体と、前記第1の線路導体の一端および前記第2の線路導体の一端をこれらの間の前記誘電体層を貫通して電気的に接続する貫通導体と、前記一主面の前記第1の線路導体の前記一端の周囲に所定の間隔をもって形成された第1の同一面接地導体および前記他主面の前記第2の線路導体の前記一端の周囲に所定の間隔をもって形成された第2の同一面接地導体と、前記第1の線路導体と前記他主面との間の前記誘電体層間に形成された第1の層間接地導体および前記第2の線路導体と前記一主面との間の前記誘電体層間に形成された第2の層間接地導体とを具備して成り、前記第1の線路導体とその両側の前記第1の同一面接地導体との間隔および第2の線路導体とその両側の前記第2の同一面接地導体との間隔をSとし、前記第1の線路導体と前記誘電体層を挟んで対向する前記第1の層間接地導体との距離および前記第2の線路導体と前記誘電体層を挟んで対向する前記第2の層間接地導体との距離をHとしたとき、S<H/2であることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の高周波用配線基板によれば、上記のように、第1の線路導体とその両側の第1の同一面接地導体との間隔および第2の線路導体とその両側の第2の同一面接地導体との間隔Sを、第1の線路導体と誘電体基板を挟んで対向する第2の同一面接地導体との距離および第2の線路導体と誘電体基板を挟んで対向する第1の同一面接地導体との距離Hに対して、S<H/2と十分狭くしたことから、あるいは、第1の線路導体とその両側の第1の同一面接地導体との間隔および第2の線路導体とその両側の第2の同一面接地導体との間隔Sを、第1の線路導体と誘電体層を挟んで対向する第1の層間接地導体との距離および第2の線路導体と誘電体層を挟んで対向する第2の層間接地導体との距離Hに対して、S<H/2と十分狭くしたことから、線路導体を伝搬する電磁波のモードは、主に線路導体および同一面接地導体間による伝搬モードとなるため、貫通導体による接続部近傍において線路導体の直下にその線路導体に対向して存在する同一面接地導体または層間接地導体が存在しなくなったとしても、特性インピーダンスの不整合を抑制することができ、その結果、ミリ波帯の高周波帯域において良好な伝送特性が実現できるものとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の高周波用配線基板を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1および図2は、それぞれ本発明の高周波用配線基板の実施の形態の一例を示す平面図および断面図である。図2の断面図は本発明の第1の高周波用配線基板の例を示しており、これらの図において、1は高周波用配線基板、2は誘電体基板であり、誘電体基板2の一主面である上面および他主面である下面にそれぞれ第1の線路導体3および第2線路導体4が、一端同士を対向させて形成されており、第1および第2の線路導体3・4の一端間が貫通導体5で電気的に接続されている。また、誘電体基板2の上下面のそれぞれ第1および第2の線路導体3・4の一端の周囲に、各線路導体3・4の両側との間隔が高周波信号の実効波長の4分の1以下となるようにして第1および第2の同一面接地導体6・7が形成されている。また、第1および第2の同一面接地導体6・7間は、各間隔が高周波信号の実効波長の4分の1以下となるように配置された、誘電体基板2を貫通する複数の接地用貫通導体8で電気的に接続されている。
【0013】
そして、本発明の第1の高周波用配線基板1においては、図1および図2に示すように、第1および第2の線路導体3・4の所定の特性インピーダンスを有する部分の線路導体とその両側の第1および第2の同一面接地導体6・7との間隔をSとし、第1の線路導体3と誘電体基板2を挟んで対向する第2の同一面接地導体7との距離および第2の線路導体4と誘電体基板2を挟んで対向する第1の同一面接地導体6との距離をHとしたとき、S<H/2であることを特徴としている。
【0014】
なお、図1では誘電体基板2の上面、すなわち第1の線路導体3側の一主面を示しているが、誘電体基板2の下面、すなわち第2の線路導体4側の他主面においても、その第2の線路導体4と第2の同一面接地導体7とは同様の構成とされている。
【0015】
そして、このような構成により、第1の線路導体3と第1の同一面接地導体6との間隔および第2の線路導体4特許第2の同一面接地導体7との間隔Sをだい1の線路導体3と誘電体基板2を挟んで対向する第2の同一面接地導体7との距離および第2の線路導体4と誘電体基板2を挟んで対向する第1の同一面接地導体6との距離H(高周波用配線基板1においては、誘電体基板2の厚みおよび貫通導体5の長さもHと等しくなる。)の2分の1より狭くしたことにより、第1および第2の線路導体3・4を伝搬する高周波信号の電磁界分布が第1の線路導体3と第1の同一面接地導体6との間および第2の線路導体4と第2の同一面接地導体7との間に集中することによって、第1および第2の線路導体3・4を伝搬する高周波信号の電磁波のモードは、主に第1の線路導体3と第1の同一面接地導体6間および第2の線路導体4と第2の同一面接地導体7間によって定まる伝搬モードとなるため、貫通導体5の近傍において第1の線路導体3の直下に存在する第2の同一面接地導体7および第2の線路導体4の直下に存在する第1の同一面接地導体6がそれぞれ貫通導体5に接続される一端の手前の部分で存在しないこととなっても、貫通導体5の近傍における特性インピーダンスの不整合を抑制することができる。その結果、ミリ波帯の高周波信号に対しても良好な伝送特性が実現できる。
【0016】
次に、図3に、本発明の第2の高周波用配線基板の実施の形態の一例を断面図で示す。なお、本発明の第2の高周波用配線基板についての平面図は図1と同様になるので、図1には本発明の第2の高周波用配線基板における符号も併記している。図1および図3において、11は高周波用配線基板、12は複数の誘電体層12a・12bを積層して成る誘電体基板、13は誘電体層12aの一主面、この例では上面に形成された第1の線路導体、14は誘電体層12bの誘電体層12aの一主面と異なって位置する他主面に第1の線路導体13と一端同士を対向させて形成された第2の線路導体、15は第1の線路導体13の一端と第2の線路導体14の一端とをこれらの間の誘電体層12a・12bを貫通して電気的に接続する貫通導体、16および17は、それぞれ第1の線路導体13の一端の周囲に、各線路導体13・14の両側との間隔が高周波信号の実効波長の4分の1以下となるようにして形成された第1および第2の同一面接地導体、18は第1および第2の同一面接地導体16・17をその間の誘電体層12a・12bを貫通して電気的に接続する接地用貫通導体、19aは第1の線路導体13と誘電体層12bの他主面との間の誘電体層12a・12b間に形成された第1の層間接地導体、19bは第2の線路導体14と誘電体層12aの一主面との間の誘電体層12a・12b間に形成された第2の層間接地導体である。
【0017】
そして、本発明の第2の高周波用配線基板11においては、図1および図2に示すように、第1の線路導体13とその両側の第1の同一面接地導体16との間隔および第2の線路導体14とその両側の同一面接地導体17との間隔をSとし、第1の線路導体13と誘電体層12aを挟んで対向する第1の層間接地導体19aとの距離および第2の線路導体14と誘電体層12bを挟んで対向する第2の層間接地導体19bとの距離をHとしたとき、S<H/2であることを特徴としている。
【0018】
そして、このような構成により、第1の線路導体13と第1の同一面接地導体16との間隔および第2の線路導体14と第2の同一面接地導体17との間隔Sを、第1の線路導体13と第1の層間接地導体19aとの距離および第2の線路導体14と第2の層間接地導体19bとの距離Hより狭くしたことにより、第1および第2の線路導体13・14を伝搬する高周波信号の電磁界分布が第1の線路導体13と第1の同一面接地導体16との間および第2の線路導体14と第2の同一面接地導体17との間に集中することによって、第1および第2の線路導体13・14を伝搬する高周波信号の電磁波のモードは、主に第1の線路導体13と第1の同一面接地導体6間および第2の線路導体14と第2の同一面接地導体17間によって定まる伝搬モードとなるため、貫通導体15の近傍において第1の線路導体13の直下に存在する第1の層間接地導体19aおよび第2の線路導体14の直下に存在する第2の層間接地導体19bがそれぞれ貫通導体15に接続される一端の手前の部分で存在しないこととなっても、貫通導体15の近傍における特性インピーダンスの不整合を抑制することができる。その結果、ミリ波帯の高周波信号に対しても良好な伝送特性が実現できる。
【0019】
このように、第1の線路導体3・13、第2の線路導体4・14、貫通導体5・15、誘電体基板2・12(誘電体層12a・12b)、第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17、接地用貫通導体8・18および層間接地導体19a・19bの配置ならびに形状は、様々に設定して形成することができる。
【0020】
なお、図1に示す例においては、貫通導体5・15で電気的に接続されている第1および第2の線路導体3・13・4・14の一端に対して、第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17との間隔を、第1の線路導体3・13とその両側の第1の同一面接地導体6・16との間隔および第2の線路導体4・14とその両側の第2の同一面接地導体7・17との間隔Sよりも広くとっている。これにより、線路導体3・13・4・14と貫通導体5・15との接続部の浮遊容量を低減し、特性インピーダンスの整合をとることができる。
【0021】
このように第1および第2の線路導体3・13・4・14の一端に対する第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17との間隔を広くする場合は、その間隔を、貫通導体5・15の両側の部分において間隔Sよりも広くするとともに、第1および第2の線路導体3・13・4・14の一端に対向する部分においてさらにその間隔よりも広くし、それらの間隔をいずれも間隔Sの3倍以内に設定することにより、貫通導体5・15による接続部において例えば55〜80GHzといったマイクロ波帯およびミリ波帯の高周波信号に対して良好なインピーダンスマッチングを行なうことができ、貫通導体5・15を介することによる伝送特性の劣化を低減することができる。
【0022】
これに対し、貫通導体5・15で電気的に接続されている第1および第2の線路導体3・13・4・14の一端に対して、第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17との間隔を、第1の線路導体3・13とその両側の第1の同一面接地導体6・16との間隔および第2の線路導体4・14とその両側の第2の同一面接地導体7・17との間隔Sと同程度としてもよく、間隔Sよりも狭くしてもよい。狭くすることにより、線路導体3・13・4・14と同一面接地導体6・16・7・17との間からの電磁波の不要輻射を抑制することができる。
【0023】
そのように第1および第2の線路導体3・13・4・14の一端に対する第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17との間隔を狭くする場合は、その間隔を貫通導体5・15による接続部の周囲において間隔Sよりも狭くなるように設定することにより、その間隔を狭くした部分によって電磁界モードの変換部である接続部での電磁界を閉じ込めることができるため、第1および第2の線路導体3・13・4・14の一端と第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17との間からの電磁波の不要輻射を抑制することができ、例えば110GHzといったミリ波帯の高周波信号も良好に伝送することができる。なお、このとき、併せて第1および第2の線路導体3・13・4・14の一端の貫通導体5・15との接続部近傍の線路幅を、第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17が間隔Sで両側に配置された部分の線路幅よりも狭くしておくと、接続部における浮遊容量も低減することができるので、より好ましいものとなる。
【0024】
本発明の高周波用配線基板1・11における誘電体基板2・12(誘電体層12a・12b)の材料としては、アルミナ(Al2O3)セラミックス,ムライト(3Al2O3・2SiO2)セラミックス等のセラミックス材料やガラスセラミックス等の無機系材料、四ふっ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン;PTFE),四ふっ化エチレン−エチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合樹脂;ETFE),四ふっ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂;PFA)等のフッ素樹脂,ガラスエポキシ樹脂,ポリフェニレンエーテル樹脂,液晶ポリエステル,ポリイミド等の樹脂系材料等が用いられる。また、高周波用配線基板1・11の形状・寸法(厚み・幅・長さ)は、使用される高周波信号の周波数や特性インピーダンス等に応じて設定される。
【0025】
本発明の高周波用配線基板1・11における第1の線路導体3・13および第2の線路導体4・14は、高周波信号伝送用として適した金属材料の導体層から成り、例えばCu層,Mo−Mn層,W層,Mo−Mnメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの,Wメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの,Cr−Cu合金層,Cr−Cu合金層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの,Ta2N層上にNi−Cr合金層およびAuメッキ層を被着させたもの,Ti層上にPt層およびAuメッキ層を被着させたもの,またはNi−Cr合金層上にPt層およびAuメッキ層を被着させたものから成り、厚膜印刷法あるいは各種の薄膜形成法やメッキ処理法等により形成される。その厚みや幅も伝送される高周波信号の周波数や特性インピーダンス等に応じて設定される。
【0026】
また、第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17および第1および第2の層間接地導体19a・19bは、第1の線路導体3・13および第2の線路導体4・14と同様の材料で同様の方法により形成すればよく、第1の線路導体3・13および第2の線路導体4・14と第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17との間隔は、伝送される高周波信号の周波数や特性インピーダンス等に応じて設定される。また、貫通導体5・15は、第1の線路導体3・13の一端と第2の線路導体4・14の一端とを電気的に接続するように形成され、例えばスルーホール導体やビアホール導体を形成することにより、あるいは金属板,金属棒または金属パイプ等を埋設することにより設けることができる。また、接地用貫通導体8・18は、第1の同一面接地導体6・16と第2の同一面接地導体7・17とを、ならびにこれらと第1および第2の層間接地導体19a・19bとを接続するように形成され、例えばスルーホール導体やビアホール導体を形成することにより、あるいは金属板,金属棒または金属パイプ等を埋設することにより設けることができる。
【0027】
高周波用配線基板1・11の作製にあたっては、例えば誘電体基板2・12がガラスセラミックスから成る場合であれば、まず誘電体基板2・12(誘電体層12a・12b)となるガラスセラミックスのグリーンシートを準備し、これに所定の打ち抜き加工やスクリーン印刷法によりCuやAg等の導体ペーストを第1および第2の線路導体3・13・4・14,貫通導体5・15,第1および第2の同一面接地導体6・16・7・17,第1および第2の層間接地導体19a・19b,接地貫通導体8・18の各導体パターンに応じてそれぞれ塗布する。次に1000℃で焼成を行ない、最後に各導体層上にNiメッキおよびAuメッキを施す。
【0028】
【実施例】
本発明の高周波用配線基板の実施例を以下に説明する。
【0029】
[本発明の第1の高周波用配線基板の実施例]
本発明の第1の高周波用配線基板1として、比誘電率が6のガラスセラミックスから成る厚みが0.2mmの誘電体基板2の上下面に、第1の線路導体3および第2の線路導体4として、Cuメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させて成る線路導体をその一端同士を対向させてそれぞれ形成した。また、誘電体基板2の上下面に第1および第2の同一面接地導体6・7として、第1および第2の線路導体3・4の一端の周囲からほぼ全面にCuメタライズ層からなる導体を形成した。なお、第1の線路導体3および第2の線路導体4の線幅W,第1の線路導体3および第2の線路導体4とその両側の第1および第2の同一面接地導体6・7との間隔S,第1の線路導体3と誘電体基板2を挟んで対向する第2の同一面接地導体7との距離および第2の線路導体4と誘電体基板2を挟んで対向する第1の同一面接地導体6との距離(誘電体基板2の厚みおよび貫通導体5の長さに相当する)Hについては、表1に示した通りの組合せとした。第1の線路導体3の一端と第2の線路導体4の一端とを接続する貫通導体5は、Cuメタライズから成る、横断面形状が直径0.1mmの略円形のものとした。これにより、本発明の高周波用配線基板1の試料1から試料3を得た。
【0030】
一方、比較例として、図5および図6に示す構成のものについて、試料Aと同様にして誘電体基板22,第1の線路導体23,第2の線路導体24,貫通導体25,第1および第2の同一面接地導体26・27,接地用貫通導体28を形成した。ただし、第1の線路導体23および第2の線路導体24の線幅W,第1の線路導体23とその両側の第1の同一面接地導体26との間隔および第2の線路導体24とその両側の第2の同一面接地導体27との間隔S,第1の線路導体と誘電体基板22を挟んで対向する第2の同一面接地導体27との距離および第2の線路導体24と誘電体基板22を挟んで対向する第1の同一面接地導体26との距離(誘電体基板22の厚みおよび貫通導体25の長さに相当する)Hについては、表1に示した通りである。これにより、比較例の高周波用配線基板21の試料4および試料5を得た。
【0031】
【表1】
【0032】
これら本発明の実施例および比較例の試料1から試料5について、ウェハープローブを用いてネットワークアナライザに接続し、高周波信号に対する反射損失の測定を行なった。その結果を図4に示す。
【0033】
図4は、試料1から試料5における50GHzまでの周波数範囲における最大反射損失を示したグラフであり、横軸は間隔Sと距離Hとの比S/Hを、縦軸は反射損失(単位:dB)を表している。
【0034】
図4に示す結果より、本発明の実施例である試料1から試料3においては、高周波信号伝送のために必要とされる係数値である反射損失−15dBを満足していることが分かる。これに対し、比較例の試料4・試料5においては、S/Hが大きくなるにつれて反射損失が増大し、その値はいずれも−10dBを超えている。
【0035】
従って、本発明の第1の高周波用配線基板1によれば、第1の線路導体3とその両側の第1の同一面接地導体6との間隔および第2の線路導体4とその両側の第2の同一面接地導体7との間隔をSとし、第1の線路導体3と誘電体基板2を挟んで対向する第2の同一面接地導体7との距離および第2の線路導体4と誘電体基板2を挟んで対向する第1の同一面接地導体6との距離をHとしたとき、S<H/2の範囲に設定したことにより、第1の線路導体3と第2の線路導体4との貫通導体5による接続部における特性インピーダンスの不整合を抑制することができ、ミリ波帯の高周波帯域であっても良好な伝送特性が実現できることを確認できた。
【0036】
[本発明の第2の高周波用配線基板の実施例]
本発明の第2の高周波用配線基板11として、本発明の第1の高周波用配線基板1と同様にして、第1の線路導体13,第2の線路導体14,貫通導体15,第1および第2の同一面接地導体16・17,接地用貫通導体18を形成した。ただし、誘電体基板12は厚みが0.2mmの誘電体層12aおよび12bの2層から成るものとし、誘電体層12a・12b間にそれぞれ第1および第2の線路導体13・14と対向させて層間接地導体19aおよび19bを形成した。
【0037】
これにより、本発明の第2の高周波用配線基板1の試料1から試料3を得た。
【0038】
これら本発明の第2の高周波用配線基板11の実施例の試料1から試料3について、実施例1と同様に高周波信号に対する反射損失の測定を行なったところ、図4に示す実施例1の試料1から試料3と同様の結果が得られた。
【0039】
従って、本発明の第2の高周波用配線基板11によれば、第1の線路導体13とその両側の第1の同一面接地導体16との間隔および第2の線路導体14とその両側の第2の同一面接地導体17との間隔をSとし、第1の線路導体13と誘電体層12aを挟んで対向する第1の層間接地導体19aとの距離および第2の線路導体14と誘電体層12bを挟んで対向する第2の層間接地導体19bとの距離をHとしたとき、S<H/2の範囲に設定したことにより、第1の線路導体13と第2の線路導体14との貫通導体15による接続部における特性インピーダンスの不整合を抑制することができ、ミリ波帯の高周波帯域であっても良好な伝送特性が実現できることを確認できた。
【0040】
なお、本発明は上記の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上記の実施の形態の例では、本発明の第2の高周波用配線基板11についても第1の線路導体13および第2の線路導体14は誘電体基板12の上下面にそれぞれ形成したが、誘電体基板12をさらに多数の誘電体層が積層されたものとして、その誘電体層間に形成して誘電体基板12の内部にいわゆる内層されたものとしても構わない。
【0041】
【発明の効果】
本発明の高周波配線基板によれば、第1の線路導体とその両側の第1の同一面接地導体および第2の線路導体とその両側の第2の同一面接地導体との間隔をSとし、第1の線路導体と誘電体基板を挟んで対向する第2の同一面接地導体との距離および第2の線路導体と誘電体基板を挟んで対向する第1の同一面接地導体との距離をHとしたとき、S<H/2であるものとしたことから、あるいは、第1の線路導体とその両側の第1の同一面接地導体との間隔および第2の線路導体とその両側の第2の同一面接地導体との間隔をSとし、第1の線路導体と誘電体層を挟んで対向する第1の層間接地導体との距離および第2の線路導体と誘電体層を挟んで対向する第2の層間接地導体との距離をHとしたとき、S<H/2であるものとしたことから、線路導体を伝搬する電磁波のモードは、主に線路導体および同一面接地導体間による伝搬モードとなるため、貫通導体による接続部近傍において線路導体の直下にその線路導体に対向して存在する同一面接地導体または層間接地導体が存在しなくなったとしても、特性インピーダンスの不整合を抑制することができ、その結果、ミリ波帯の高周波帯域において良好な伝送特性が実現できるものとなる。
【0042】
以上により、本発明によれば、信号伝送用の貫通導体で接続された線路導体を有する高周波用配線基板において、線路導体と貫通導体との接続部での特性インピーダンスを整合させ、その結果、ミリ波帯の高周波信号であっても良好な伝送特性で伝送できる高周波用配線基板を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波用配線基板の実施の形態の一例を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の高周波用配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の高周波用配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例および比較例の高周波用配線基板についての高周波信号の反射損失を示すグラフである。
【図5】従来の高周波用配線基板の例を示す平面図である。
【図6】従来の高周波用配線基板の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1、11・・・・・高周波用配線基板
2、12・・・・・誘電体基板
12a、12b・・・誘電体層
3、13・・・・・第1の線路導体
4、14・・・・・第2の線路導体
5、15・・・・・貫通導体
6、16・・・・・第1の同一面接地導体
7、17・・・・・第2の同一面接地導体
19a・・・・・・第1の層間接地導体
19b・・・・・・第2の層間接地導体
Claims (2)
- 誘電体基板の一主面に形成された第1の線路導体と、他主面に前記第1の線路導体と一端同士を対向させて形成された第2の線路導体と、前記第1の線路導体の一端および前記第2の線路導体の一端を前記誘電体基板を貫通して電気的に接続する貫通導体と、前記一主面の前記第1の線路導体の前記一端の周囲に所定の間隔をもって形成された第1の同一面接地導体および前記他主面の第2の線路導体の前記一端の周囲に所定の間隔をもって形成された第2の同一面接地導体とを具備して成り、前記第1の線路導体とその両側の前記第1の同一面接地導体との間隔および第2の線路導体とその両側の前記第2の同一面接地導体との間隔をSとし、前記第1の線路導体と前記誘電体基板を挟んで対向する前記第2の同一面接地導体との距離および前記第2の線路導体と前記誘電体基板を挟んで対向する前記第1の同一面接地導体との距離をHとしたとき、S<H/2であることを特徴とする高周波用配線基板。
- 複数の誘電体層を積層して成る誘電体基板の前記誘電体層の一主面に形成された第1の線路導体と、前記誘電体層の前記一主面と異なって位置する他主面に前記第1の線路導体と一端同士を対向させて形成された第2の線路導体と、前記第1の線路導体の一端および前記第2の線路導体の一端をこれらの間の前記誘電体層を貫通して電気的に接続する貫通導体と、前記一主面の前記第1の線路導体の前記一端の周囲に所定の間隔をもって形成された第1の同一面接地導体および前記他主面の前記第2の線路導体の前記一端の周囲に所定の間隔をもって形成された第2の同一面接地導体と、前記第1の線路導体と前記他主面との間の前記誘電体層間に形成された第1の層間接地導体および前記第2の線路導体と前記一主面との間の前記誘電体層間に形成された第2の層間接地導体とを具備して成り、前記第1の線路導体とその両側の前記第1の同一面接地導体との間隔および第2の線路導体とその両側の前記第2の同一面接地導体との間隔をSとし、前記第1の線路導体と前記誘電体層を挟んで対向する前記第1の層間接地導体との距離および前記第2の線路導体と前記誘電体層を挟んで対向する前記第2の層間接地導体との距離をHとしたとき、S<H/2であることを特徴とする高周波用配線基板。
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