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JP2004059945A - 表面性状に優れた多成分系溶融金属めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

表面性状に優れた多成分系溶融金属めっき鋼板の製造方法 Download PDF

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JP2004059945A JP2002216183A JP2002216183A JP2004059945A JP 2004059945 A JP2004059945 A JP 2004059945A JP 2002216183 A JP2002216183 A JP 2002216183A JP 2002216183 A JP2002216183 A JP 2002216183A JP 2004059945 A JP2004059945 A JP 2004059945A
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steel sheet
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dip
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Atsushi Miyazaki
宮崎 敦司
Hidetoshi Niigashira
新頭 英俊
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

【課題】凝固温度範囲の広い多成分系の金属めっきにおいて、表面性状に優れた溶融金属めっき鋼板の製造方法を提供する。
【解決手段】冷間圧延および焼鈍された鋼板を複数の金属(好ましくはZn−Al−Mg)を含む溶融めっき浴に浸漬してめっきを施した後に、該鋼板表面に冷却ガスを吹付けてガス冷却を行う多成分系溶融金属めっき鋼板の製造方法において、前記ガス冷却を行う冷却帯入側の鋼板温度を、前記溶融めっきの凝固開始温度+5℃以上、または、凝固開始温度−5℃未満とすることを特徴とする表面性状に優れた多成分系溶融金属めっき鋼板の製造方法。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷間圧延および焼鈍された鋼板を複数の金属を含む溶融めっき浴に浸漬してめっきを施した後に、該鋼板表面に冷却ガスを吹付けてガス冷却を行う多成分系溶融金属めっき鋼板の製造方法に関する。
具体的には、凝固温度範囲の広い多成分系の金属めっき鋼板を表面性状に優れたものとするために、凝固温度範囲における挙動を制御して製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の金属を含む溶融めっき浴に浸漬してめっきを施した鋼板表面に冷却ガスを吹付けてガス冷却を行う多成分系溶融金属めっき鋼板の製造方法に関しては、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特開2001−355053号公報には、Zn−Al−Mg−Siからなる溶融金属めっき鋼板の製造時に、凝固終了温度近傍での10℃/s以上の強冷により局部的に過冷状態が生じ、Al相の析出挙動が異なることに着目して冷却速度を規定することによって表面性状に優れた溶融金属めっき鋼板を製造する方法が開示されている。
【0003】
この従来技術は、溶融Zn−Al−Mg−Siめっき鋼板において、凝固終了温度に着目し、Al相の析出挙動を制御し表面性状を確保するものであるが、凝固開始温度近傍においても鋼板表面が局部的に冷却されると、冷却箇所を起点に凝固組織が伝播し、表面に凹凸のある模様が発生するという問題点があり、その発生メカニズムを以下に示す。
図3は、従来のめっき鋼板の製造方法を示す図である。
図3において、めっきが施された鋼板1の表面にガス冷却装置8により冷却ガスが吹付けられる。
【0004】
この際、図3の点線の枠内に矢印で示すように、冷却帯8から外側へのガス流れが発生しており、めっき鋼板の表面性状に影響を与えることがある。
すなわち、冷却帯8から鋼板表面に吹付けられた冷却ガスは冷却帯8の外側に矢印のように吹出す。
吹出したガスの流速は、鋼板1の中央部分が早く、端部は遅いため、不均一ガス流11が生じ、めっき表面に凝固線による半月状の模様が発生することがあった。
これは、多成分系の溶融金属めっきは凝固温度範囲が広く、その凝固開始温度付近で不均一な冷却を受けると、局部的な凝固組織が成長し表面に凹凸のある外観不良を生じるものと考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決し、凝固温度範囲の広い多成分系の金属めっきにおいて、表面性状に優れた溶融金属めっき鋼板の製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を解決するために鋭意検討の結果、多成分系の溶融合金めっき鋼板の製造方法において、金属めっきの凝固温度範囲における挙動を制御して凝固開始温度近傍での不均一な冷却によるめっき表面の凹凸が発生しない温度範囲において冷却するプロセスを確立することにより、表面性状に優れた多成分系溶融金属めっき鋼板の製造方法を提供するものであり、その要旨とするところは特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
【0007】
(1) 冷間圧延および焼鈍された鋼板を複数の金属を含む溶融めっき浴に浸漬してめっきを施した後に、該鋼板表面に冷却ガスを吹付けてガス冷却を行う多成分系溶融金属めっき鋼板の製造方法において、前記ガス冷却を行う冷却帯入側の鋼板温度を、前記溶融めっきの凝固開始温度+5℃以上、または、凝固開始温度−5℃未満とすることを特徴とする表面性状に優れた多成分系溶融金属めっき鋼板の製造方法。
【0008】
(2)前記多成分系溶融金属めっきが、Zn−Al−Mgを含むことを特徴とする(1)に記載の表面性状に優れた多成分系溶融金属めっき鋼板の製造方法。
(3)前記多成分系溶融金属めっきが、質量%で、Al:3〜15%、Mg:2〜5%、Si:0〜0.3%を含み、残部がZnであることを特徴とする(2)に記載の表面性状に優れた多成分系溶融金属めっき鋼板の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1および図2を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明における溶融めっき鋼板の製造方法の実施形態を示す図である。
図1において、冷間圧延および焼鈍された鋼帯1は、スナウト2を通じて溶融めっきポット5内の溶融めっき浴6に浸漬されてめっきされ、浴中折り返しロール7および浴中支持ロール4を介して、ガスワイピングノズル3によってNガスなどを吹付けることによりめっき付着量が制御された後、冷却帯8により、表面にエアーなどのガスを吹付けられて冷却される。
【0010】
この冷却帯8は、複数配置されたスリットノズルから冷却ガスを鋼板1に向かって吐出する装置であるが、鋼板1に衝突したガスは鋼板1を通して冷却帯8から不均一ガス流となって装置外へ排出される。
これに対して、本発明における冷却帯8の直前(下側)に、鋼板1の表裏面用にそれそれ1基のガスナイフ10が設置されている。
【0011】
このガスナイフ10は、鋼板の幅方向にスリット状のノズルを有しており、
冷却帯8の下側から斜め上方に向けてエアーなどのガスを鋼板表面に吹付けることにより、冷却ガスが冷却帯8から下方に吹出すのを遮断することによりめっき表面の凹凸模様の発生を防止する効果がある。
本発明においては、例えば、Al:3〜15%、Mg:2〜5%、Si:0〜0.3%を含み、残部がZnである溶融金属めっき鋼板の製造方法において、ガス冷却を行う冷却帯8入側の鋼板温度を、前記溶融めっきの凝固開始温度+5℃以上、または、凝固開始温度−5℃未満とする。
ガス冷却を行う冷却帯8入側の鋼板温度を、前記溶融めっきの凝固開始温度+5℃以上とするのは、溶融めっきの凝固が始まる前に冷却を開始することによって、板幅方向に不均一な凝固を抑制することができ、めっき表面に凹凸状の凝固線が発生しにくいからである。
【0012】
また、ガス冷却を行う冷却帯8入側の鋼板温度を、前記溶融めっきの凝固開始温度−5℃未満とするのは、ある程度溶融めっきの凝固が進んだ状態で冷却を開始することによって、不均一な冷却を受けてもめっき表面に凹凸状の凝固線が発生しにくいからである。
図2は、本発明に用いる冷却帯の側面図である。
図2において、冷却帯8の全面にスリットノズル9が設けられており、このスリットノズル9から冷却ガスを吐出させることにより、鋼板表面にガスを均一に吹付けることができる。
【0013】
【実施例】
本発明の溶融金属めっきの製造方法を、Alを10%〜12%、Mgを2〜5%、Siを0.01〜0.3%含有する多成分系溶融亜鉛めっき鋼板に適用した実施例を表1に示す。
この成分系の溶融めっきの凝固温度範囲は420℃から350℃と広範囲であり、凝固開始温度が420℃なので、本発明における冷却開始温度は425℃以上または415℃未満である。
【0014】
【表1】
Figure 2004059945
表1において、ライン速度は30〜60mpmとし、冷却帯入側の鋼板温度が425℃、415℃の発明範囲から外れている比較例では、めっき表面に凹凸模様が発生し表面外観が×(不良)であった。
一方、表1において実施例と表示した、冷却帯入側の鋼板温度が425℃超または415℃未満の発明例においては、めっき表面に凹凸模様がなく表面外観が○(良好)であった。
さらに、冷却帯入側の鋼板温度を発明範囲内にすれば、前述の冷却ガスを遮断するガスナイフを設置しなくてもめっき表面に凹凸模様は発生しなかった。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、凝固温度範囲の広い多成分系の溶融合金めっき鋼板の製造方法において、金属めっきの凝固温度範囲における挙動を制御して凝固開始温度近傍での不均一な冷却によるめっき表面の凹凸が発生しない温度範囲において冷却するプロセスを確立することにより、表面性状に優れた多成分系溶融金属めっき鋼板の製造方法を提供することができる。
また、冷却ガスを遮断するガスナイフを設置しなくてもめっき表面の凹凸の発生を防止することができるなど、産業上有用な著しい効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における溶融めっき鋼板の製造方法の実施形態を示す図である。
【図2】本発明に用いる冷却帯の側面図である。
【図3】従来のめっき鋼板の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
1:鋼板、
2:スナウト、
3:ガスワイピングノズル、
4:浴中支持ロール、
5:溶融めっきポット、
6:溶融めっき浴、
7:浴中折返しロール、
8:冷却帯、
9:スリットノズル、
10:ガスナイフ、
11:不均一ガス流

Claims (3)

  1. 冷間圧延および焼鈍された鋼板を複数の金属を含む溶融めっき浴に浸漬してめっきを施した後に、該鋼板表面に冷却ガスを吹付けてガス冷却を行う多成分系溶融金属めっき鋼板の製造方法において、前記ガス冷却を行う冷却帯入側の鋼板温度を、前記溶融めっきの凝固開始温度+5℃以上、または、凝固開始温度−5℃未満とすることを特徴とする表面性状に優れた多成分系溶融金属めっき鋼板の製造方法。
  2. 前記多成分系溶融金属めっきが、Zn−Al−Mgを含むことを特徴とする請求項1に記載の表面性状に優れた多成分系溶融金属めっき鋼板の製造方法。
  3. 前記多成分系溶融金属めっきが、質量%で、Al:3〜15%、Mg:2〜5%、Si:0〜0.3%を含み、残部がZnであることを特徴とする請求項2に記載の表面性状に優れた多成分系溶融金属めっき鋼板の製造方法。
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