JP2004053735A - プラスチックレンズの製造方法およびプラスチックレンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】反射防止機能を持ち、かつ耐衝撃性に優れるプラスチックレンズを簡便に作製することが可能な製造方法を提供する。更に、当該製造方法によって製造されたプラスチックレンズを提供する。
【解決手段】プラスチックレンズの少なくとも片面に、最上層に反射防止層を持ったプラスチックフィルムを接着または粘着する、プラスチックレンズの製造方法および当該製造方法によって製造されたプラスチックレンズ。
【選択図】なし
【解決手段】プラスチックレンズの少なくとも片面に、最上層に反射防止層を持ったプラスチックフィルムを接着または粘着する、プラスチックレンズの製造方法および当該製造方法によって製造されたプラスチックレンズ。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射防止機能を持ち、耐衝撃性に優れ、かつ簡便に作製することが可能なプラスチックレンズの製造方法、および当該製造方法によって作製されたプラスチックレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックレンズは、従来のガラスレンズに比べ軽量で割れにくく、また染色が容易であることから、近年視力矯正用レンズおよびサングラス等の眼鏡レンズとして広く用いられている。光学材料、特に眼鏡レンズに要求される性能は、低比重に加えるに、光学性能としては高屈折率と高アッベ数であり、物理的性質としては高耐熱性、高強度、高耐衝撃性、高耐摩耗性である。高屈折率はレンズの薄肉化を可能とし、高アッベ数はレンズの色収差を低減し、高耐熱性および高強度、高耐衝撃性は二次加工を容易にするとともに安全性等の観点から重要である。また高耐摩耗性は、使用中の傷つき具合に影響する。
【0003】
初期のプラスチックレンズについて、ガラスレンズと比較した場合の欠点として、屈折率が低いこと、耐摩耗性が低いことが挙げられていた。このプラスチックレンズの欠点を改善するため、数多くの技術が提案されてきている。逆にプラスチックレンズをガラスレンズと比較した場合の長所としては、比重が軽いこと、耐衝撃性が強いこと、染色が容易であることが挙げられていた。
【0004】
屈折率が低い点を改善するために、数多くの新規材料によるプラスチックレンズが提案されている。例えば、従来技術における高屈折率を有する材料として、ポリチオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応により得られるチオウレタン構造を有する熱硬化性光学材料が、特公平4−58489号公報等に提案されている。また、チオエポキシ系樹脂からなるプラスチックレンズの例として、特開平10−298287号公報で、高屈折率と高アッベ数のバランスに優れる光学材料として、エピスルフィド基を1分子中に少なくとも1個以上有する化合物が提案されている。
【0005】
耐摩耗性が低い点を改善する為に、プラスチックレンズの表面にハードコート層を付け、耐摩耗性を向上させる技術が、数多く提案されている。具体的には、シリコーン系、アクリル系等の厚さが0.5μm〜4μm程度のハードコート皮膜をプラスチックレンズ表面に設け、レンズの耐摩耗性を向上させる方法が数多く提案されている。例えは、特開昭61−26637号公報、特開昭61−54331号公報、特開昭63−37142号公報などでは、シラン化合物と各種無機酸化物微粒子のゾルを用いて、ハードコート層を形成する方法が提案されている。
さらに、レンズの表面反射によるゴーストや、ちらつきを低減するために、レンズに反射防止膜を設けることも広く行われている。一般的には、プラスチックレンズにハードコート皮膜を付けた上に、蒸着、あるいはスパッタ方式により、複数の無機酸化物からなる多層膜を設けることによって、反射防止膜とする製法が行われている。例えは、特開昭62−234101号公報、特開昭62−178901号公報などに、提案されている。
【0006】
しかしながら、このように反射防止膜を蒸着法やスパッタ法により付けたプラスチックレンズは、反射防止膜を付けない物に比べ、レンズの耐衝撃性が落ちるという欠点があり、ガラスレンズに対するプラスチックレンズの長所を打ち消してしまっていた。
【0007】
この反射防止膜を付けたプラスチックレンズの耐衝撃性の低下を防ぐために、いくつかの提案がなされている。例えば、特開昭63−87223号公報、特開昭63−141001号公報には、特定のポリアルコールとイソシアネートからなるウレタン樹脂のプライマー層をプラスチックレンズ基材とハードコート層の間に設ける方法が提案されている。同様に、特開平3−109502号公報には、ポリアルコールとブロックイソシアネートからなるウレタン樹脂のプライマー層を用いる方法が提案されている。また、特開2001−116901号公報には、ポリチオールとブロックイソシアネートを主成分とするプライマー層を用いる方法が、特開2002−55202には水性化アクリル−ウレタン樹脂主成分とするプライマー層を用いる方法が提案されている。
【0008】
しかし、上記の様に、プラスチックレンズに対して、プライマー層とハードコート層の2層をコートにする方法は、DIP方式やスピン方式等で行うレンズ生地へのコート液の塗布、乾燥を2回行う必要がある。これにより製造コストの上昇や、歩留まりの低下といった問題が発生し易い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、従来の反射防止膜付きプラスチックレンズよりも耐衝撃性に優れ、かつ、簡便に作製することのできる反射防止付きプラスチックレンズの製造方法、および当該製造方法により製造されたプラスチックレンズを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するべく本発明者らは鋭意研究を続けた結果、プラスチックレンズの少なくとも片面に、最上層に反射防止層を持ったフィルムを接着または粘着することによって、耐衝撃性に優れた反射防止付きプラスチックレンズが簡便に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
従って、請求項1記載の発明は、プラスチックレンズの少なくとも片面に、最上層に反射防止層を持ったフィルムを接着または粘着することで作製されるプラスチックレンズの製造方法を提供する。
【0012】
請求項2記載の発明は、プラスチックレンズの両面に、最上層に反射防止層を持ったフィルムを接着または粘着することを特徴とする、プラスチックレンズの製造方法を提供する。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記プラスチックフィルムとして、レンズ基材側より、粘着剤層、プラスチックフィルム層、ハードコート層、反射防止層の順番に形成されているものを用いることを特徴とする、請求項1または2に記載のプラスチックレンズの製造方法を提供する。
【0014】
請求項4記載の発明は、前記反射防止層の最上層に、更に撥水処理層を形成することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法を提供する。
【0015】
請求項5記載の発明は、前記プラスチックフィルムとして、20℃での伸び率が、2%以上50%以下であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法を提供する。
【0016】
請求項6記載の発明は、前記プラスチックレンズとして、チオウレタン系プラスチックレンズまたは、チオエポキシ系プラスチックレンズを用いることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法を提供する。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法により製造されたプラスチックレンズを提供する。
この本発明で使用される反射防止層を持ったフィルムの素材については特に限定されず、公知の一般的なプラスチックフィルム素材を用いることができる。例えばポリエステル系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリカーボネート系、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポリエーテルサルホン、ポリスルホン、ポリエーテル、トリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリアクリロニトリル等のプラスチックフィルムを使用することができる。
【0018】
本発明におけるプラスチックフィルムについては、20℃での伸び率が2%以上50%以下であることが好ましい。これは、プラスチックレンズの様に曲面を持った基材にフィルムを接着または粘着させる際に、プラスチックフィルムの20℃での伸び率が2%未満では、レンズの曲面に合わせてフィルムを隙間なく密着させることが難しく、フィルムにしわが寄ってしまうためである。また、20℃での伸び率が50%を越えるフィルムでは、フィルムに反射防止加工を行う際や、レンズ曲面に合わせてフィルムを密着させる時など、各工程でのハンドリング時に、フィルムが必要以上に伸びてしまうことが起こりやすく、その結果、反射防止層にクラックが発生し、外観不良になるという欠点がある。
【0019】
なお、本発明における伸び率とは、プラスチックフィルムを20℃、片側固定、引っ張り速度20mm/minの条件で引っ張った時の伸び率である。
【0020】
また、通常はこれらのプラスチックフィルムは無色透明な物を用いるが、着色されているプラスチックフィルムを用いることによって、着色されたプラスチックレンズを作製することも可能である。さらに、各種の模様や、マーキングが印刷されたフィルムを用いて、プラスチックレンズにその模様や、マーキングを持たせることもできる。
【0021】
プラスチックフィルムの厚さは、0.5μm以上500μm以下が好ましく、より好ましくは、5μm以上250μm以下である。
【0022】
プラスチックフィルム上に形成される反射防止層について、そこに用いられる物質および形成方法について特に限定されず、公知の物質、方法が何ら制限なく使用できる。例えば、無機物質では酸化チタン、酸化アルミニウム、フッ化マグネシウム、酸化シラン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、フッ化セリウム、フッ化ランタン等が挙げられ、これらをプラスチックフィルム上に蒸着法やスパッタ法などにより、単層膜または多層膜として成膜することによって、反射防止層として用いることができる。また、有機物質としては、フッ素系化合物や、シラン化合物が挙げられ、これらの物質を単独または他の塗膜構成成分や各種溶剤と混合した後に、フィルム上に塗布し、電子線、紫外線、熱などで硬化することによって反射防止層として用いることができる。この有機物質からなる反射防止層についても、単層膜または多層膜のどちらでもかまわない。
【0023】
この反射防止付きプラスチックフィルムを、プラスチックレンズに接着させる際に使用される接着剤や粘着剤については、公知の接着テープや接着シールに使用されている物が何ら制限なく使用できる。例えば、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム等のゴム系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩素化オレフィン系樹脂、ポリビニルブチラーレ樹脂、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂などに適当な粘着付与剤例えばロジン、ダンマル、重合ロジン、テルペン変性体、石油系樹脂、シクロペンタジエン系樹脂を適宜添加したものが用いられる。このときの接着層の膜厚は、1μm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以上500μm以下である。
【0024】
本発明におけるプラスチックフィルムとプラスチックレンズとの接着方法については、特に限定されない。上記接着剤、粘着剤をプラスチックフィルム上または、プラスチックレンズ上に塗工した後で、フィルムとレンズを接着する。あるいは、あらかじめ接着剤、粘着剤を塗布しておいたプラスチックフィルムを用いて、フィルムをプラスチックレンズ上に接着することができる。または、接着、粘着シートをフィルムとプラスチックレンズの間に介してから上下から圧着する方法で接着することもできる。
【0025】
本発明では、反射防止付きのプラスチックフィルムをプラスチックレンズの少なくとも片面に接着することにより、耐衝撃性に優れた反射防止付きプラスチックレンズを簡便に作製することができる。従来の耐衝撃性に優れる反射防止付きプラスチックレンズの製造方法であった、プライマー層、ハードコート層の2層コート加工したプラスチックレンズ上に、反射防止膜を蒸着などにより成膜する、複数の工程を持った手法に比べて、本発明での製造方法は、プラスチックレンズに反射防止付きのプラスチックレンズフィルムを接着する工程のみと工程数を減らすことができる。従って、本発明では、反射防止付きのプラスチックレンズを、従来の方法に比べて、簡便に作製することが可能となる。
【0026】
本発明における反射防止付きのプラスチックレンズは、プラスチックフィルムがレンズの少なくとも片面に存在することによって、レンズが衝撃を受けた際には、プラスチックフィルムが衝撃を吸収・分散することでレンズが割れにくくなって耐衝撃性が向上する。また、レンズが限界以上の強力な衝撃を受け、万が一割れた場合にも、フィルムが接着されているために、レンズ破片の飛散を抑えることができるため、安全性が高いレンズとなる。
【0027】
本発明におけるプラスチックレンズフィルムは、プラスチックフィルム上に直接反射防止層を設けてもよいが、耐摩耗性の向上を図るために、プラスチックフィルム上にハードコート層を設け、その上に反射防止層を設けた物がより好ましい。このフィルム上に設けるハードコート層に特に制限はなく、公知のハードコート材料、塗布方法を使用することができる。例えば、シリコーン系、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系などの樹脂を主成分とするハードコート液をロールコーターや、ブレードコーター等によりフィルムに塗布した後で、熱や紫外線により硬化させることによって作製することができる。
【0028】
更に、本発明において使用中の水やけを防止するために、反射防止層の最上層に撥水処理層が形成された物を反射防止付きフィルムを用いることが好ましい。この撥水処理層を形成する方法としては、反射防止機能に悪影響をもたらすものでなければ、その処理方法、処理材料等については特に限定されずに、公知の撥水処理方法、材料を使用することができる。例えば、フッ素含有シラン化合物等を蒸着やスパッタによって撥水処理層を形成する方法や、フッ素含有シラン化合物を溶媒に溶解したあと、コーティングして撥水処理層を形成する方法等が挙げられる。
【0029】
本発明では、フィルムを接着するプラスチックレンズとして、プラスチックレンズ生地の場合と、プラスチックレンズ生地にハードコート被膜を付けた物の場合の両方とも使用可能であるが、プラスチックレンズ生地をフィルムを接着する基材として用いることが好ましい。
【0030】
本発明で使用されるプラスチックレンズの材料については、特に制限されず、公知のプラスチックレンズ材料を使用することができる。例えば、ジエチレンビスアリルカーボネート樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、チオウレタン系樹脂チオエポキシ系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の中で、レンズ基材の屈折率、アッベ数、強度等を考慮した場合、特にチオウレタン系樹脂からなるチオウレタン系プラスチックレンズ、およびチオエポキシ系樹脂からなるチオウレタン系プラスチックレンズを用いることが好ましい。
【0031】
チオウレタン系樹脂からなるチオウレタン系プラスチックレンズの具体例としては、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物を重合することにより得られる物が挙げられる。ここで、ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリック型ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3,8−ビス(イソシアネートメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]−デカン、3,9−ビス(イソシアネートメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]−デカン、4,8−ビス(イソシアネートメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]−デカン、4,9−ビス(イソシアネートメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]−デカン、ダイマー酸ジイソシアネート等のポリイソシアネート化合物及びそれらの化合物のアロファネート変性体、ビュレット変性体、イソシアヌレート変性体が挙げられ、これらの化合物を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0032】
また、ポリチオール化合物としては、例えば、4−メルカプトメチル−3,6−ジチオ−1,8−オクタンジチオール、ペンタエリスリトールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)、4,8or4,7or5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9トリチアウンデカンなどが挙げられる。チオウレタン系プラスチックレンズを重合する際の、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物の混合割合は、イソシアネート基とチオール基の官能基の割合がNCO/SH(モル比)=0.5〜3.0、特に0.5〜1.5の範囲が好ましい。
【0033】
チオエポキシ系樹脂からなるチオエポキシ系プラスチックレンズの具体例としては、エピスルフィド基を1分子中に少なくとも1個以上有する化合物を含む組成物を重合硬化させて得られるプラスチックレンズが挙げられる。本発明において使用されるエピスルフィド基を1分子中に少なくとも1個以上有する化合物については特に制限はなく、公知のエピスルフィド基を有する化合物が何ら制限なく使用できるが、具体例としては、既存のエポキシ化合物のエポキシ基の一部あるいは全てをエピスルフィド化して得られるエピスルフィド化合物が挙げられる。また、プラスチックレンズの高屈折率化と高アッベ数化のためにはエピスルフィド基以外にも分子中に硫黄原子を含有する化合物が好ましい。具体例としては、ビス−(2,3エピチオプロピル)ジスルフィド、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、ビス−(β−エピチオプロピル)スルフィド、1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン等が挙げられる。
【0034】
また、本発明でのチオエポキシ系プラスチックレンズに関しては、エピスルフィド基と反応可能な官能基を有する化合物、あるいは1分子中にエピスルフィド基と反応可能な官能基1個以上と他の単独重合可能な官能基1個以上を有する化合物、これらの単独重合可能な官能基を1分子中に1個以上有する化合物、更にはエピスルフィド基と反応可能でかつ単独重合も可能な官能基を1分子中に1個以上有する化合物を添加して重合硬化することにより、得られるレンズの光学性能、物理特性等を向上させることも可能である。具体的には、エポキシ基、多価カルボン酸基、メタクリル基、アクリル基、アリル基、ビニル基、芳香族ビニル基、水酸基、メルカプト基等の官能基を有する化合物である。尚、これらの化合物は単独でも、2種以上を混合して使用してもかまわない。
【0035】
エピスルフィド基を1分子中に少なくとも1個以上有する化合物を主成分として含む重合性組成物の重合硬化に際しては、1種類以上の硬化触媒の存在下で重合硬化を行い、プラスチックレンズを製造することができる。
【0036】
また、本発明でのプラスチックレンズは、重合硬化前の重合性組成物中に必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等を添加して重合硬化を行いプラスチックレンズを製造することによって、得られるプラスチックレンズの耐候性を向上させることが可能である。紫外線吸収剤の具体例としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート紫外線吸収剤などが挙げられる。酸化防止剤や光安定剤の具体例としては、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等を挙げることができる。さらに、必要に応じて内部離型剤、油溶染料・分散染料・顔料、各種重合触媒等を添加した後、重合硬化を行うことにより、離型性や、レンズの色調、重合速度の調整などが可能である。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下本発明の詳細について実施例に基づき説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。尚、得られた硬化物の評価は以下の方法で行った。
(A)耐衝撃性試験:16.3gの鋼球を127cmの高さからレンズの凸面中心に自然落下させた後のレンズの状態を確認し、以下の様に評価した。
○:レンズにヒビ、割れが発生していない。
×:レンズが割れて、破損している。
【0038】
(1)チオウレタン系プラスチックレンズ(TU−1)の作製:ポリイソシアネート化合物としてm−キシリレンジイソシアネート103gと4,8or4,7or5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン100g、内部離型剤0.15g、紫外線吸収剤として2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール3.0gを混合し、1時間ほど十分に攪拌した。この後、重合触媒としてジブチルスズジクロライド0.06gを添加し、撹拌して溶解させた後、5mmHgの真空下で60分脱気を行った。その後、中心厚1.2mmのレンズ成形用のガラス型とテープよりなるモールド中に注入した。これを大気重合炉中で40℃から120℃まで10時間かけて昇温し、重合硬化させた。その後、モールドより離型し、120℃で2時間加熱してアニール処理を行い、チオウレタン系プラスチックレンズを得た。ここで、得られたプラスチックレンズを以下TU−1と略す。このレンズは、屈折率1.66、アッベ数32であり、TgをTMAペネトレーション法(荷重50g、先端0.5mmφ、昇温10℃/min)で測定したところ、101℃であった。
【0039】
(2)チオエポキシ系プラスチックレンズ(TE−1)の作製:ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド100g、4,8or4,7or5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン10g、紫外線吸収剤(商品名 SEESORB701:シプロ化成工業株式会社製)1.0g、および触媒としてN,N−ジエチルエタノールアミン0.3gを混合、室温で十分に攪拌し均一液とした。ついでこの組成物を中心厚1.2mmとしたレンズ成形用のガラス型とテープよりなるモールド中に注入し、大気重合炉中で10℃から130℃まで24時間かけて昇温し、重合硬化させた。その後モールドより離型し、130℃で2時間加熱してアニール処理を行い、チオエポキシ系プラスチックレンズを得た。ここで得られたプラスチックレンズを以下TE−1と略す。このレンズは、屈折率1.74、アッベ数33であり、TgをTMAペネトレーション法(荷重50g、先端0.5mmφ、昇温10℃/min)で測定したところ、79℃であった。
【0040】
(3)反射防止付きプラスチックフィルム(F−1)の作製:膜厚100μmのハードコート処理済みのアクリルフィルムを用意し、真空蒸着装置内にセットした。真空室を排気した後、酸素ガスを導入し、電子ビーム蒸発源よりフッ化マグネシウムを蒸発させて、膜厚0.25λ(λ=550nm)の反射防止膜をフィルム上に成膜して、反射防止付きアクリルフィルムを作製した。続いて、このフィルムの反射防止膜を付けていない面に、粘着剤を塗布し、薄く一様に延ばし、プラスチックレンズへの接着用フィルムを作製した。この反射防止付きプラスチックフィルムを以下F−1と略す。なお、この反射防止付きフィルムの反射防止膜側の550nmにおける片面反射率を測定したところ、0.7%であった。
【0041】
(4)反射防止付きプラスチックフィルム(F−2)の準備:トリアセチルセルロースフィルムの片面にハードコート層を介して反射防止加工を施し、もう片面に粘着剤層を設けた、市販の反射防止付きフィルム(ReaLook 8201 日本油脂製)を用意した。以下この反射防止付きプラスチックフィルムをF−2と略す。なお、この反射防止付きフィルムの反射防止膜側の550nmにおける片面反射率を測定したところ、0.8%であった。
【0042】
(実施例1):上記TU−1レンズの凸面にF−1を接着することにより、反射防止付きのプラスチックレンズを作製した。通常のプライマー層、ハードコート層の2層コートを行い、更に反射防止膜を成膜する製法に比べて、本製法では非常に簡便に反射防止付きのプラスチックレンズを作製することができた。また、この作製したレンズに対して耐衝撃性試験を行い、その結果を表1に示す。このレンズは、耐衝撃試験の結果、ヒビ、割れなどを生じることがなく、耐衝撃性に優れていることが確認された。
【0043】
(実施例2〜4):使用するレンズと、フィルムを表1に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして、反射防止付きのプラスチックレンズを作製した。いずれについても、実施例1と同様に簡便に反射防止付きプラスチックレンズを作製することができた。また、この作製したレンズに対して耐衝撃性の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0044】
(比較例1):TU−1レンズを準備し、セイコーエプソン(株)製セイコースーパーソブリン用単層ハードコート加工、およびセイコースーパーソブリン用反射防止加工を行い、プライマー層のない、単層ハードコート層と反射防止層からなる反射防止付きプラスチックレンズを作製した。このレンズに対して、耐衝撃性の試験を行い、その結果を表1に示す。耐衝撃性試験の結果、レンズは破壊してしまった。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】
本発明により、最上層に反射防止層を持ったフィルムをプラスチックレンズに接着または粘着させるプラスチックレンズの製造方法により、耐衝撃性に優れた反射防止付きプラスチックレンズを簡便に作製することができる。本発明の反射防止付きプラスチックレンズは、特に眼鏡用として安全性に優れたレンズとして使用できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射防止機能を持ち、耐衝撃性に優れ、かつ簡便に作製することが可能なプラスチックレンズの製造方法、および当該製造方法によって作製されたプラスチックレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックレンズは、従来のガラスレンズに比べ軽量で割れにくく、また染色が容易であることから、近年視力矯正用レンズおよびサングラス等の眼鏡レンズとして広く用いられている。光学材料、特に眼鏡レンズに要求される性能は、低比重に加えるに、光学性能としては高屈折率と高アッベ数であり、物理的性質としては高耐熱性、高強度、高耐衝撃性、高耐摩耗性である。高屈折率はレンズの薄肉化を可能とし、高アッベ数はレンズの色収差を低減し、高耐熱性および高強度、高耐衝撃性は二次加工を容易にするとともに安全性等の観点から重要である。また高耐摩耗性は、使用中の傷つき具合に影響する。
【0003】
初期のプラスチックレンズについて、ガラスレンズと比較した場合の欠点として、屈折率が低いこと、耐摩耗性が低いことが挙げられていた。このプラスチックレンズの欠点を改善するため、数多くの技術が提案されてきている。逆にプラスチックレンズをガラスレンズと比較した場合の長所としては、比重が軽いこと、耐衝撃性が強いこと、染色が容易であることが挙げられていた。
【0004】
屈折率が低い点を改善するために、数多くの新規材料によるプラスチックレンズが提案されている。例えば、従来技術における高屈折率を有する材料として、ポリチオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応により得られるチオウレタン構造を有する熱硬化性光学材料が、特公平4−58489号公報等に提案されている。また、チオエポキシ系樹脂からなるプラスチックレンズの例として、特開平10−298287号公報で、高屈折率と高アッベ数のバランスに優れる光学材料として、エピスルフィド基を1分子中に少なくとも1個以上有する化合物が提案されている。
【0005】
耐摩耗性が低い点を改善する為に、プラスチックレンズの表面にハードコート層を付け、耐摩耗性を向上させる技術が、数多く提案されている。具体的には、シリコーン系、アクリル系等の厚さが0.5μm〜4μm程度のハードコート皮膜をプラスチックレンズ表面に設け、レンズの耐摩耗性を向上させる方法が数多く提案されている。例えは、特開昭61−26637号公報、特開昭61−54331号公報、特開昭63−37142号公報などでは、シラン化合物と各種無機酸化物微粒子のゾルを用いて、ハードコート層を形成する方法が提案されている。
さらに、レンズの表面反射によるゴーストや、ちらつきを低減するために、レンズに反射防止膜を設けることも広く行われている。一般的には、プラスチックレンズにハードコート皮膜を付けた上に、蒸着、あるいはスパッタ方式により、複数の無機酸化物からなる多層膜を設けることによって、反射防止膜とする製法が行われている。例えは、特開昭62−234101号公報、特開昭62−178901号公報などに、提案されている。
【0006】
しかしながら、このように反射防止膜を蒸着法やスパッタ法により付けたプラスチックレンズは、反射防止膜を付けない物に比べ、レンズの耐衝撃性が落ちるという欠点があり、ガラスレンズに対するプラスチックレンズの長所を打ち消してしまっていた。
【0007】
この反射防止膜を付けたプラスチックレンズの耐衝撃性の低下を防ぐために、いくつかの提案がなされている。例えば、特開昭63−87223号公報、特開昭63−141001号公報には、特定のポリアルコールとイソシアネートからなるウレタン樹脂のプライマー層をプラスチックレンズ基材とハードコート層の間に設ける方法が提案されている。同様に、特開平3−109502号公報には、ポリアルコールとブロックイソシアネートからなるウレタン樹脂のプライマー層を用いる方法が提案されている。また、特開2001−116901号公報には、ポリチオールとブロックイソシアネートを主成分とするプライマー層を用いる方法が、特開2002−55202には水性化アクリル−ウレタン樹脂主成分とするプライマー層を用いる方法が提案されている。
【0008】
しかし、上記の様に、プラスチックレンズに対して、プライマー層とハードコート層の2層をコートにする方法は、DIP方式やスピン方式等で行うレンズ生地へのコート液の塗布、乾燥を2回行う必要がある。これにより製造コストの上昇や、歩留まりの低下といった問題が発生し易い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、従来の反射防止膜付きプラスチックレンズよりも耐衝撃性に優れ、かつ、簡便に作製することのできる反射防止付きプラスチックレンズの製造方法、および当該製造方法により製造されたプラスチックレンズを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するべく本発明者らは鋭意研究を続けた結果、プラスチックレンズの少なくとも片面に、最上層に反射防止層を持ったフィルムを接着または粘着することによって、耐衝撃性に優れた反射防止付きプラスチックレンズが簡便に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
従って、請求項1記載の発明は、プラスチックレンズの少なくとも片面に、最上層に反射防止層を持ったフィルムを接着または粘着することで作製されるプラスチックレンズの製造方法を提供する。
【0012】
請求項2記載の発明は、プラスチックレンズの両面に、最上層に反射防止層を持ったフィルムを接着または粘着することを特徴とする、プラスチックレンズの製造方法を提供する。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記プラスチックフィルムとして、レンズ基材側より、粘着剤層、プラスチックフィルム層、ハードコート層、反射防止層の順番に形成されているものを用いることを特徴とする、請求項1または2に記載のプラスチックレンズの製造方法を提供する。
【0014】
請求項4記載の発明は、前記反射防止層の最上層に、更に撥水処理層を形成することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法を提供する。
【0015】
請求項5記載の発明は、前記プラスチックフィルムとして、20℃での伸び率が、2%以上50%以下であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法を提供する。
【0016】
請求項6記載の発明は、前記プラスチックレンズとして、チオウレタン系プラスチックレンズまたは、チオエポキシ系プラスチックレンズを用いることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法を提供する。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法により製造されたプラスチックレンズを提供する。
この本発明で使用される反射防止層を持ったフィルムの素材については特に限定されず、公知の一般的なプラスチックフィルム素材を用いることができる。例えばポリエステル系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリカーボネート系、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポリエーテルサルホン、ポリスルホン、ポリエーテル、トリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリアクリロニトリル等のプラスチックフィルムを使用することができる。
【0018】
本発明におけるプラスチックフィルムについては、20℃での伸び率が2%以上50%以下であることが好ましい。これは、プラスチックレンズの様に曲面を持った基材にフィルムを接着または粘着させる際に、プラスチックフィルムの20℃での伸び率が2%未満では、レンズの曲面に合わせてフィルムを隙間なく密着させることが難しく、フィルムにしわが寄ってしまうためである。また、20℃での伸び率が50%を越えるフィルムでは、フィルムに反射防止加工を行う際や、レンズ曲面に合わせてフィルムを密着させる時など、各工程でのハンドリング時に、フィルムが必要以上に伸びてしまうことが起こりやすく、その結果、反射防止層にクラックが発生し、外観不良になるという欠点がある。
【0019】
なお、本発明における伸び率とは、プラスチックフィルムを20℃、片側固定、引っ張り速度20mm/minの条件で引っ張った時の伸び率である。
【0020】
また、通常はこれらのプラスチックフィルムは無色透明な物を用いるが、着色されているプラスチックフィルムを用いることによって、着色されたプラスチックレンズを作製することも可能である。さらに、各種の模様や、マーキングが印刷されたフィルムを用いて、プラスチックレンズにその模様や、マーキングを持たせることもできる。
【0021】
プラスチックフィルムの厚さは、0.5μm以上500μm以下が好ましく、より好ましくは、5μm以上250μm以下である。
【0022】
プラスチックフィルム上に形成される反射防止層について、そこに用いられる物質および形成方法について特に限定されず、公知の物質、方法が何ら制限なく使用できる。例えば、無機物質では酸化チタン、酸化アルミニウム、フッ化マグネシウム、酸化シラン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、フッ化セリウム、フッ化ランタン等が挙げられ、これらをプラスチックフィルム上に蒸着法やスパッタ法などにより、単層膜または多層膜として成膜することによって、反射防止層として用いることができる。また、有機物質としては、フッ素系化合物や、シラン化合物が挙げられ、これらの物質を単独または他の塗膜構成成分や各種溶剤と混合した後に、フィルム上に塗布し、電子線、紫外線、熱などで硬化することによって反射防止層として用いることができる。この有機物質からなる反射防止層についても、単層膜または多層膜のどちらでもかまわない。
【0023】
この反射防止付きプラスチックフィルムを、プラスチックレンズに接着させる際に使用される接着剤や粘着剤については、公知の接着テープや接着シールに使用されている物が何ら制限なく使用できる。例えば、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム等のゴム系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩素化オレフィン系樹脂、ポリビニルブチラーレ樹脂、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂などに適当な粘着付与剤例えばロジン、ダンマル、重合ロジン、テルペン変性体、石油系樹脂、シクロペンタジエン系樹脂を適宜添加したものが用いられる。このときの接着層の膜厚は、1μm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以上500μm以下である。
【0024】
本発明におけるプラスチックフィルムとプラスチックレンズとの接着方法については、特に限定されない。上記接着剤、粘着剤をプラスチックフィルム上または、プラスチックレンズ上に塗工した後で、フィルムとレンズを接着する。あるいは、あらかじめ接着剤、粘着剤を塗布しておいたプラスチックフィルムを用いて、フィルムをプラスチックレンズ上に接着することができる。または、接着、粘着シートをフィルムとプラスチックレンズの間に介してから上下から圧着する方法で接着することもできる。
【0025】
本発明では、反射防止付きのプラスチックフィルムをプラスチックレンズの少なくとも片面に接着することにより、耐衝撃性に優れた反射防止付きプラスチックレンズを簡便に作製することができる。従来の耐衝撃性に優れる反射防止付きプラスチックレンズの製造方法であった、プライマー層、ハードコート層の2層コート加工したプラスチックレンズ上に、反射防止膜を蒸着などにより成膜する、複数の工程を持った手法に比べて、本発明での製造方法は、プラスチックレンズに反射防止付きのプラスチックレンズフィルムを接着する工程のみと工程数を減らすことができる。従って、本発明では、反射防止付きのプラスチックレンズを、従来の方法に比べて、簡便に作製することが可能となる。
【0026】
本発明における反射防止付きのプラスチックレンズは、プラスチックフィルムがレンズの少なくとも片面に存在することによって、レンズが衝撃を受けた際には、プラスチックフィルムが衝撃を吸収・分散することでレンズが割れにくくなって耐衝撃性が向上する。また、レンズが限界以上の強力な衝撃を受け、万が一割れた場合にも、フィルムが接着されているために、レンズ破片の飛散を抑えることができるため、安全性が高いレンズとなる。
【0027】
本発明におけるプラスチックレンズフィルムは、プラスチックフィルム上に直接反射防止層を設けてもよいが、耐摩耗性の向上を図るために、プラスチックフィルム上にハードコート層を設け、その上に反射防止層を設けた物がより好ましい。このフィルム上に設けるハードコート層に特に制限はなく、公知のハードコート材料、塗布方法を使用することができる。例えば、シリコーン系、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系などの樹脂を主成分とするハードコート液をロールコーターや、ブレードコーター等によりフィルムに塗布した後で、熱や紫外線により硬化させることによって作製することができる。
【0028】
更に、本発明において使用中の水やけを防止するために、反射防止層の最上層に撥水処理層が形成された物を反射防止付きフィルムを用いることが好ましい。この撥水処理層を形成する方法としては、反射防止機能に悪影響をもたらすものでなければ、その処理方法、処理材料等については特に限定されずに、公知の撥水処理方法、材料を使用することができる。例えば、フッ素含有シラン化合物等を蒸着やスパッタによって撥水処理層を形成する方法や、フッ素含有シラン化合物を溶媒に溶解したあと、コーティングして撥水処理層を形成する方法等が挙げられる。
【0029】
本発明では、フィルムを接着するプラスチックレンズとして、プラスチックレンズ生地の場合と、プラスチックレンズ生地にハードコート被膜を付けた物の場合の両方とも使用可能であるが、プラスチックレンズ生地をフィルムを接着する基材として用いることが好ましい。
【0030】
本発明で使用されるプラスチックレンズの材料については、特に制限されず、公知のプラスチックレンズ材料を使用することができる。例えば、ジエチレンビスアリルカーボネート樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、チオウレタン系樹脂チオエポキシ系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の中で、レンズ基材の屈折率、アッベ数、強度等を考慮した場合、特にチオウレタン系樹脂からなるチオウレタン系プラスチックレンズ、およびチオエポキシ系樹脂からなるチオウレタン系プラスチックレンズを用いることが好ましい。
【0031】
チオウレタン系樹脂からなるチオウレタン系プラスチックレンズの具体例としては、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物を重合することにより得られる物が挙げられる。ここで、ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリック型ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3,8−ビス(イソシアネートメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]−デカン、3,9−ビス(イソシアネートメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]−デカン、4,8−ビス(イソシアネートメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]−デカン、4,9−ビス(イソシアネートメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]−デカン、ダイマー酸ジイソシアネート等のポリイソシアネート化合物及びそれらの化合物のアロファネート変性体、ビュレット変性体、イソシアヌレート変性体が挙げられ、これらの化合物を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0032】
また、ポリチオール化合物としては、例えば、4−メルカプトメチル−3,6−ジチオ−1,8−オクタンジチオール、ペンタエリスリトールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)、4,8or4,7or5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9トリチアウンデカンなどが挙げられる。チオウレタン系プラスチックレンズを重合する際の、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物の混合割合は、イソシアネート基とチオール基の官能基の割合がNCO/SH(モル比)=0.5〜3.0、特に0.5〜1.5の範囲が好ましい。
【0033】
チオエポキシ系樹脂からなるチオエポキシ系プラスチックレンズの具体例としては、エピスルフィド基を1分子中に少なくとも1個以上有する化合物を含む組成物を重合硬化させて得られるプラスチックレンズが挙げられる。本発明において使用されるエピスルフィド基を1分子中に少なくとも1個以上有する化合物については特に制限はなく、公知のエピスルフィド基を有する化合物が何ら制限なく使用できるが、具体例としては、既存のエポキシ化合物のエポキシ基の一部あるいは全てをエピスルフィド化して得られるエピスルフィド化合物が挙げられる。また、プラスチックレンズの高屈折率化と高アッベ数化のためにはエピスルフィド基以外にも分子中に硫黄原子を含有する化合物が好ましい。具体例としては、ビス−(2,3エピチオプロピル)ジスルフィド、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、ビス−(β−エピチオプロピル)スルフィド、1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン等が挙げられる。
【0034】
また、本発明でのチオエポキシ系プラスチックレンズに関しては、エピスルフィド基と反応可能な官能基を有する化合物、あるいは1分子中にエピスルフィド基と反応可能な官能基1個以上と他の単独重合可能な官能基1個以上を有する化合物、これらの単独重合可能な官能基を1分子中に1個以上有する化合物、更にはエピスルフィド基と反応可能でかつ単独重合も可能な官能基を1分子中に1個以上有する化合物を添加して重合硬化することにより、得られるレンズの光学性能、物理特性等を向上させることも可能である。具体的には、エポキシ基、多価カルボン酸基、メタクリル基、アクリル基、アリル基、ビニル基、芳香族ビニル基、水酸基、メルカプト基等の官能基を有する化合物である。尚、これらの化合物は単独でも、2種以上を混合して使用してもかまわない。
【0035】
エピスルフィド基を1分子中に少なくとも1個以上有する化合物を主成分として含む重合性組成物の重合硬化に際しては、1種類以上の硬化触媒の存在下で重合硬化を行い、プラスチックレンズを製造することができる。
【0036】
また、本発明でのプラスチックレンズは、重合硬化前の重合性組成物中に必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等を添加して重合硬化を行いプラスチックレンズを製造することによって、得られるプラスチックレンズの耐候性を向上させることが可能である。紫外線吸収剤の具体例としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート紫外線吸収剤などが挙げられる。酸化防止剤や光安定剤の具体例としては、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等を挙げることができる。さらに、必要に応じて内部離型剤、油溶染料・分散染料・顔料、各種重合触媒等を添加した後、重合硬化を行うことにより、離型性や、レンズの色調、重合速度の調整などが可能である。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下本発明の詳細について実施例に基づき説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。尚、得られた硬化物の評価は以下の方法で行った。
(A)耐衝撃性試験:16.3gの鋼球を127cmの高さからレンズの凸面中心に自然落下させた後のレンズの状態を確認し、以下の様に評価した。
○:レンズにヒビ、割れが発生していない。
×:レンズが割れて、破損している。
【0038】
(1)チオウレタン系プラスチックレンズ(TU−1)の作製:ポリイソシアネート化合物としてm−キシリレンジイソシアネート103gと4,8or4,7or5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン100g、内部離型剤0.15g、紫外線吸収剤として2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール3.0gを混合し、1時間ほど十分に攪拌した。この後、重合触媒としてジブチルスズジクロライド0.06gを添加し、撹拌して溶解させた後、5mmHgの真空下で60分脱気を行った。その後、中心厚1.2mmのレンズ成形用のガラス型とテープよりなるモールド中に注入した。これを大気重合炉中で40℃から120℃まで10時間かけて昇温し、重合硬化させた。その後、モールドより離型し、120℃で2時間加熱してアニール処理を行い、チオウレタン系プラスチックレンズを得た。ここで、得られたプラスチックレンズを以下TU−1と略す。このレンズは、屈折率1.66、アッベ数32であり、TgをTMAペネトレーション法(荷重50g、先端0.5mmφ、昇温10℃/min)で測定したところ、101℃であった。
【0039】
(2)チオエポキシ系プラスチックレンズ(TE−1)の作製:ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド100g、4,8or4,7or5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン10g、紫外線吸収剤(商品名 SEESORB701:シプロ化成工業株式会社製)1.0g、および触媒としてN,N−ジエチルエタノールアミン0.3gを混合、室温で十分に攪拌し均一液とした。ついでこの組成物を中心厚1.2mmとしたレンズ成形用のガラス型とテープよりなるモールド中に注入し、大気重合炉中で10℃から130℃まで24時間かけて昇温し、重合硬化させた。その後モールドより離型し、130℃で2時間加熱してアニール処理を行い、チオエポキシ系プラスチックレンズを得た。ここで得られたプラスチックレンズを以下TE−1と略す。このレンズは、屈折率1.74、アッベ数33であり、TgをTMAペネトレーション法(荷重50g、先端0.5mmφ、昇温10℃/min)で測定したところ、79℃であった。
【0040】
(3)反射防止付きプラスチックフィルム(F−1)の作製:膜厚100μmのハードコート処理済みのアクリルフィルムを用意し、真空蒸着装置内にセットした。真空室を排気した後、酸素ガスを導入し、電子ビーム蒸発源よりフッ化マグネシウムを蒸発させて、膜厚0.25λ(λ=550nm)の反射防止膜をフィルム上に成膜して、反射防止付きアクリルフィルムを作製した。続いて、このフィルムの反射防止膜を付けていない面に、粘着剤を塗布し、薄く一様に延ばし、プラスチックレンズへの接着用フィルムを作製した。この反射防止付きプラスチックフィルムを以下F−1と略す。なお、この反射防止付きフィルムの反射防止膜側の550nmにおける片面反射率を測定したところ、0.7%であった。
【0041】
(4)反射防止付きプラスチックフィルム(F−2)の準備:トリアセチルセルロースフィルムの片面にハードコート層を介して反射防止加工を施し、もう片面に粘着剤層を設けた、市販の反射防止付きフィルム(ReaLook 8201 日本油脂製)を用意した。以下この反射防止付きプラスチックフィルムをF−2と略す。なお、この反射防止付きフィルムの反射防止膜側の550nmにおける片面反射率を測定したところ、0.8%であった。
【0042】
(実施例1):上記TU−1レンズの凸面にF−1を接着することにより、反射防止付きのプラスチックレンズを作製した。通常のプライマー層、ハードコート層の2層コートを行い、更に反射防止膜を成膜する製法に比べて、本製法では非常に簡便に反射防止付きのプラスチックレンズを作製することができた。また、この作製したレンズに対して耐衝撃性試験を行い、その結果を表1に示す。このレンズは、耐衝撃試験の結果、ヒビ、割れなどを生じることがなく、耐衝撃性に優れていることが確認された。
【0043】
(実施例2〜4):使用するレンズと、フィルムを表1に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして、反射防止付きのプラスチックレンズを作製した。いずれについても、実施例1と同様に簡便に反射防止付きプラスチックレンズを作製することができた。また、この作製したレンズに対して耐衝撃性の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0044】
(比較例1):TU−1レンズを準備し、セイコーエプソン(株)製セイコースーパーソブリン用単層ハードコート加工、およびセイコースーパーソブリン用反射防止加工を行い、プライマー層のない、単層ハードコート層と反射防止層からなる反射防止付きプラスチックレンズを作製した。このレンズに対して、耐衝撃性の試験を行い、その結果を表1に示す。耐衝撃性試験の結果、レンズは破壊してしまった。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】
本発明により、最上層に反射防止層を持ったフィルムをプラスチックレンズに接着または粘着させるプラスチックレンズの製造方法により、耐衝撃性に優れた反射防止付きプラスチックレンズを簡便に作製することができる。本発明の反射防止付きプラスチックレンズは、特に眼鏡用として安全性に優れたレンズとして使用できる。
Claims (7)
- プラスチックレンズの少なくとも片面に、最上層に反射防止層を持ったプラスチックフィルムを接着または粘着することを特徴とする、プラスチックレンズの製造方法。
- プラスチックレンズの両面に、最上層に反射防止層を持ったプラスチックフィルムを接着または粘着することを特徴とする、プラスチックレンズの製造方法。
- 前記プラスチックフィルムとして、レンズ基材側より、粘着剤層、プラスチックフィルム層、ハードコート層、反射防止層の順番に形成されているものを用いることを特徴とする、請求項1または2に記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記反射防止層の最上部に、更に撥水処理層を形成することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記プラスチックフィルムとして、20℃での伸び率が2%以上50%以下のものを用いることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記プラスチックレンズとして、チオウレタン系プラスチックレンズまたは、チオエポキシ系プラスチックレンズを用いることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法により製造されたプラスチックレンズ。
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