【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンの運転状態制御装置に係わり、特に、ノックキング発生時のノック信号分析結果に基づき、ノッキングを抑制するための有効な手段を提供する。
【0002】
【従来の技術】
近年のエンジン出力向上のため、燃焼室の圧縮比を高めたり、圧縮行程の容量よりも膨張行程の容量を大きくするために吸気弁と排気弁のタイミングを変えることのできる可動弁制御が使われている。
【0003】
圧縮比を向上すると燃焼室内のガスの温度がより上昇し自己着火による早期燃焼(ノッキング)が生じる。また、点火信号による燃焼が燃焼室壁付近に達するまでに燃焼ガスが自己着火すると、正常な燃焼が行われないので出力の低下となり、長時間繰り返すと燃焼室壁への圧力波が燃焼室壁表面を削る働きをして、燃焼室の圧縮が困難になりエンジンの破損につながる。
【0004】
こうした異常燃焼を防止するために、早期着火が生じないように点火時期を設定しているが、エンジンの製造上のばらつきや経年変化に伴う形状の歪み等で異常燃焼が生じることがある。
【0005】
異常燃焼は燃焼室内の圧力波となって広がり、燃焼室の形状に応じた共鳴が生じる。共鳴モードとして代表的な振動は、燃焼室の半径方向と円周方向に広がる複数のモードがある。これらの共鳴は従来、複数の共鳴モードのなかで、特に発生頻度や共鳴周波数での検出のしやすさを勘案して特定の周波数成分のみを取り出して異常燃焼時の共鳴周波数(ノック周波数)として取り出し、その特定の周波数成分が得られたときにエンジン制御量を変更してノッキングの発生を抑えるノック制御が知られている。
【0006】
しかし、ノック周波数は燃焼室内の共鳴であるから、ノッキングによる異常燃焼の圧力波以外に燃焼室内に振動を発生する振動源があれば、ノック周波数と区別することができない。
【0007】
このため、ノック周波数の発生時期をエンジンの膨張行程時に限定して、ノック信号を取り出したり、周波数を広範囲に渡って分析することでノック検出を確実にした技術として特開平3−47449号がある。
【0008】
しかしながら、エンジン出力向上に伴う吸気弁や排気弁のバルブタイミングの変化に対しては、格段の考慮をしていないために、エンジン制御状態の変化に対してノック検出の向上を図ることが困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、ノック検出を高めるために、バルブタイミングの変化に伴うエンジン運転状態に応じたノック検出を行うことを第1の課題とする。
【0010】
また、ノック検出後にノック発生を抑えるためのノック制御として、エンジン運転状態を変化させることを第2の課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記、第1の課題を解決するため、ノック周波数を検出手段として、エンジンに取り付けたノックセンサ出力に含まれる周波数成分を分析する手段、さらに、ノック検出を行うタイミングを設定する手段,ノッキングによる周波数以外の成分を除去する手段、等を組み合わせてノック検出を行う。
【0012】
第2の課題を解決するため、ノック検出結果に応じて点火時期,燃料噴射量,バルブタイミング,バルブリフト量、等のエンジン制御状態を変えてノック発生を抑制する。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1に本発明に関する内燃機関の構成を示す。
【0014】
内燃機関100には、インジェクタ101,点火プラグ102,点火コイル
103,スロットル104,気筒判別センサ109,水温センサ110,クランク角センサ111,気筒基準位置センサ112,スロットルポジションセンサ
113,吸気管圧力センサ114、または吸入空気流量計115,空燃比センサ116,触媒118、からなり、エンジン制御装置120に接続されている。
【0015】
燃料は燃料タンク1014から燃料ポンプ1011により輸送され、燃圧制御弁1012によって一定の燃料圧力としている。
【0016】
また、エンジンの制御パラメータとして、吸気温度センサ(図示せず),排気温度センサ(図示せず)が取り付けられている。
【0017】
エンジンの燃焼室近傍にノックセンサ131を取り付けて、燃焼室内での異常燃焼によって生じるノック信号を検出する。
【0018】
尚、空燃比センサ116は、空燃比に対してリニアな出力となる広域空燃比センサもしくは、ストイキ近傍にて2値的に変化するO2 センサのいずれであっても良い。
【0019】
図2にエンジン制御装置の概要を示す。
【0020】
エンジン制御装置内には、数値・論理演算を行うCPU,CPUが実行するプログラム及びデータを格納したROM,データを一時的に記憶するRAM,センサからのアナログ電圧を取り込むA/D変換器,運転状態を示すスイッチを取り込むデジタル入力回路,パルス信号の時間間隔または、所定時間内のパルス数を計数するパルス入力回路、さらに、CPUの演算結果に基づきアクチュエータ
(図示せず)のオン・オフを行う、デジタル出力,タイマ設定出力、そして、通信回路により、エンジン制御装置内のデータを外部に出力、または、外部からの通信コマンドによって内部状態を変更できる。
【0021】
エンジン制御装置は吸気管圧力センサまたは吸入空気流量計の出力を取り込み、センサ電圧を所定のテーブル変換により、実際の単位時間当りの吸入空気量
Qaを算出する。また、水温センサのA/D値からテーブル変換によってエンジンの水温を算出する。
【0022】
同時に、クランク角センサのパルス信号を計測し、所定時間内のパルス数またはパルスの時間間隔に応じてエンジンの回転数NDATAを計算する。
【0023】
前記、単位時間当りの吸入空気量QaをNDATAで割り算し、さらに気筒数で割ることにより、1気筒の1回毎の吸入空気量Qacylを計算する。
【0024】
Qacylに所定の計数KTIを乗じて、さらに、空燃比制御補正量を含む補正係数を乗じることにより燃料量TIを求めて、TIに相当するパルス幅の間、インジェクタを開弁することにより、必要とする燃料量を噴射して、1燃焼毎の混合気を生成する。
【0025】
TIの計算には以下の補正係数COEFnが乗算される。
【0026】
TI=COEFn×KTI×Qacyl
COEFnは気筒毎または特定の気筒をまとめて代表する補正係数である。
【0027】
エンジン出力向上のためには、燃料量を増やす、点火時期を進める、吸入空気量を増やす、膨張率を高めるなどの手段がある。
【0028】
燃料量を増やすことは上記COEFnを1よりも大きくすれば実現できるが、燃料消費量が増えるために、定常では使えない。
【0029】
例えば、エンジンのEGR制御量が多くなれば、燃焼室内の温度が下がるので、点火時期を進める。また、スワール弁やタンブル弁によって燃焼室内のガス混合がより均質化されて異常燃焼を抑える効果があるので、点火時期を進めることも可能である。
【0030】
図3に示すように、エンジンの回転数と燃料量(TI)または燃料量に相当するエンジン負荷データ(LDATA)に応じて、基本点火時期(STD)を設定する。基本点火時期は、使用するガソリンのオクタン価によっても異なるので、通常ハイオクタン用とレギュラーガソリン用の2つのマップから選択する。ハイオクタンのガソリンは、レギュラーガソリンに比べて、燃焼室内の温度が高くなってもノッキングを生じにくいので、点火時期を進めることができる。
【0031】
点火時期はエンジンの燃焼毎に変化させることが可能であり、ノックを抑制するためにノック検出時に点火時期を遅らせる。
【0032】
ノック発生がなくなった時点で、点火時期を進めて、できる限り燃焼室内の有効圧力が最大となるクランク角度を上死点付近に設定すれば良い。しかし、圧縮比とも関係するが、燃焼室内の温度分布が不均一となり、特に点火プラグから離れたところで自己着火が起きて燃焼が不安定になる。自己着火による異常燃焼は燃焼室の壁に衝撃波となって伝わり、燃焼室壁に損傷を与える。
【0033】
また、エンジン出力を高めるために吸入空気量を増やす手段として、吸気管長が共鳴することによる吸入空気量の増加やターボチャージャーによる空気圧縮が使われる。この場合も、燃焼室内の温度分布の不均一が生じて異常燃焼が起きやすい。
【0034】
エンジン出力を高める別の手段として膨張率を高めることがある。例えば、吸気弁を開いているクランク角度を狭めたり、排気弁の開いている角度をより大きくすることが行われる。同時に弁の開き始め角度と閉じ角度,排気弁の開き始め角度と閉じ角度を変化させて、膨張率の向上と吸入空気量の増大を図ることができる。
【0035】
上記のエンジン出力向上に伴い、燃焼室内での異常燃焼が起きるぎりぎりの運転状態まで制御することが必要となる。前記、異常燃焼は燃焼室内での衝撃波となって現れるので、衝撃波をとらえて、異常燃焼を検出してその後の運転状態での異常燃焼を抑制する手段が必要となる。
【0036】
衝撃波は広範囲の周波数成分を持っているが、特に燃焼室内で共鳴する特定の周波数成分がシリンダーブロックに伝わる。この現象をノッキングとして、特定の周波数成分をノック周波数として検出する。
【0037】
ノック周波数は燃焼室を円柱で近似した場合、図4で示すような振動モードで共鳴が発生する。すなわち、燃焼室内の半径方向と円周方向にそれぞれ複数の振動モードがあり、燃焼室の直径と燃焼温度によってノック周波数が決まる。
【0038】
しかしながら、自己着火による異常燃焼発生の位置は燃焼毎に変化するので、振動モードは一様ではなく、燃焼毎にノック周波数は一定しない。
【0039】
よって、本発明では複数の振動モードをすべてとらえることができるノック検出器を用意して、ノック検出を確実に行う。
【0040】
振動を同時にとらえる手段として複数のバンドパスフィルタを使うことも可能であるが、バンドパスフィルタの中心周波数やバンド幅の設計・調整に手間がかかること、また、複数の増幅回路を用意する必要がありコスト的に高いことがデメリットになる。
【0041】
本発明では複数の振動モードを同時にとらえるため、プログラムによってFFTを実現して、ノック周波数をとらえることにする。
【0042】
図5にノック検出回路のブロック図を示す。
【0043】
ノック周波数をすべてとらえるために、ノックセンサの周波数特性は非共振型とする。ノックセンサ出力は初段増幅器で直流成分を除去した後、可変増幅器で信号を増幅する。可変増幅器はノック検出用CPUからの指令によって増幅度を変えることができる。
【0044】
増幅されたノック信号は、FFTの折り返し周波数以下となるようにローパスフィルタを通してCPUのA/D変換器に入力される。本発明の一態様としては、A/D変換は25.6μs 毎に行うので、サンプリング周波数fsは
fs=1/(25.6×106)=39kHz
となり、サンプリング定理から折り返し周波数は39kHz/2=19.5kHzであるので、19.5kHz 以下のローパスフィルターとしたものを一例としている。
【0045】
CPUにはエンジンのクランク角度信号,気筒基準位置信号,気筒判別信号と点火信号が入力され、エンジンの特定のクランク角度から周波数分析を開始する。
【0046】
すなわち、気筒判別信号と気筒基準位置信号を組み合わせて気筒判別を行い、気筒毎に点火信号が生じた後の、クランク角信号に従って特定の基準位置から周波数分析を開始する。
【0047】
ただし、点火信号は点火が行われたことを確実に検出するための信号として使われるので、フェイルセーフが特に必要なければ不要である。
【0048】
図6にサンプリングのタイミングを説明する。
【0049】
周波数分析開始位置は気筒基準位置信号またはクランク各信号から所定のディレイ時間tdまたはディレイの角度taとする。
【0050】
tdまたはtaは運転状態に従ってあらかじめマッチングした値であり、例えば、回転数とエンジンの負荷によって決まるマップ値とする。
【0051】
また、周波数分析区間の幅はノックの発生するクランク角度をカバーする幅とするが、一回のFFTでは終了できない場合は複数回FFTを繰り返す。通常、ノックの発生するクランク角度はATDC10度から70度程度であり、エンジン回転数が6000r/minのときは
(60/6000)×(70−10)/360=1.67ms
程度の幅となる。
【0052】
一方、エンジン回転数が1000r/minのとき、幅は
(60/1000)×(70−10)/360=10ms
となる。このため、6000r/min の時に比べて、6倍繰り返すことによりノック周波数分析を行う必要がある。
【0053】
本発明では、FFTを32サンプリング毎に行う設計としたので、25.6
μs×32=約820μs が最小分析幅であり、6000r/min のときに2回、1000r/min では12回、周波数分析を行う。これらの周波数分析回数は回転数のテーブルとして用意する。
【0054】
図7にノック検出フローを示す。
【0055】
FFTによる周波数分析結果の内、共鳴モードに近い周波数成分を選択し、それぞれの周波数成分(PWERmn)毎にバックグランドレベル(BGLmn)と比較する。
【0056】
バックグランドレベルはノックが発生していないときの信号レベルであり、ノック判定でノックなしと判定したときの周波数分析結果から算出される。
【0057】
例えば、今回の周波数分析結果からバックグランドレベルは、次のように求めることができる。
【0058】
BGLmn=BGLmn[前回値]×(1−BGLGAIN)
+PWRmn×BGLGAIN
ここで、BGLGAINはバックグランドレベルに対するフィルタゲインである。また、添え字mは周波数番号を表し、添え字nは気筒番号を表す。
【0059】
バックグランドレベルには最小値を用意して、ノック発生していないときの誤判定を防止する。
【0060】
上記バックグランドレベル算出にはフィルタを使ったが、その他、所定値を加減算する方法や、気筒毎にゲインを設定することも可能である。
【0061】
また、加速中など運転状態が変化するときはフィルタゲインを大きくして、バックグランドレベルの増大に追従するようにすることも必要である。
【0062】
周波数成分とバックグランドレベルとの比または差分を求めて、その総和を取り所定のしきい値と比較して、しきい値以上であればノックありと判定する。
【0063】
しきい値はあらかじめエンジンの運転状態に応じて求めるが、回転数やエンジン負荷データ(LDATA)や燃料噴射量(TI),エンジン冷却水温度に応じてしきい値を変更する。
【0064】
また、エンジンの運転状態によってはノック検出を避けるべきタイミング、例えば、加速中などにはノック検出を行わない。
【0065】
ノックありと判定された場合は、次の燃焼に対して運転状態を変化させる。
【0066】
例えば、図8に示すように、点火時期を一時的に遅らせて、自己着火を防止したり燃料量を増大させて燃料の気化熱によって燃焼室内の温度を下げるなどのノック制御が行われる。
【0067】
同時に、吸気弁や排気弁のタイミングを変化させて、エンジン出力を制限することも必要に応じて行う。
【0068】
吸気弁や排気弁のバルブタイミングは、エンジン回転数とエンジン負荷によってあらかじめ設定した角度で動作するようにしており、例えば油圧を使ってカム軸の位相をずらす手段が使われている。
【0069】
図9に示すように、バルブの開き始めまたは閉じるタイミングに相当するカム信号が、クランク各信号または気筒基準位置信号と所定の時間差(tvt)または角度差(tva)をもつように油圧を制御する例がある。すなわち、目標とする角度差または時間差と実際の角度差または時間差を求めて、その差分がゼロとなるまで、油圧を増減するものである。
【0070】
しかしながら、ノック周波数は燃焼室内の共鳴として現れるので、自己着火による異常燃焼以外に、吸気弁や排気弁の着座時の打撃音も燃焼室内に共鳴して、ノック周波数と類似の周波数成分として現れる。
【0071】
図10にバルブのタイミングとノック発生のタイミングを示す。
【0072】
他の気筒の吸気弁や排気弁の閉じるタイミングがあると、ノックが発生すると想定される周波数分析区間内にノイズ成分として現れる。
【0073】
ノイズ成分は、発生位置が変化しても周波数は一定である。
【0074】
よって、FFTによる周波数分析結果では特定の周波数のみ常時、検出されるので、この周波数をノック検出から外してノイズ成分の影響を抑えることができる。図11に示す様に、ノック判定があったとき、点火時期等のノック制御を行い、その後のノック周波数成分を分析した結果、特定の周波数成分(例えば図
10(b)(c)では6kHz付近)が現れるときは、吸気弁または排気弁の着座に伴うノイズが発生していると判断する。
【0075】
この場合、エンジン運転状態に応じて、ノック判定を行う周波数選択にバルブの周波数成分を使わないように周波数選択を変えて対応する。
【0076】
またはノイズ成分に対して、ノック周波数が重畳する場合は、ノック発生区間を縮めて、ノック周波数成分のみをとらえるようにする。
【0077】
この場合、バルブタイミングに合わせてノック周波数分析区間の設定を変える。
【0078】
例えば、図12に示すように、ノック周波数分析区間のスタートを早めたり、または、A/D変換取り込み区間を縮める方法や強制的にA/D変換結果をゼロと見なす処理を行うものである。
【0079】
また、ノック発生を抑制するために、通常、点火時期を遅角させる手段が用いられるが、そのほかにバルブの開閉タイミングを変化させて、実質的な圧縮比を変更することによっても、ノック発生を抑制できる。
【0080】
例えば、吸気バルブが開く角度を遅くすることや閉じる角度を早めることによって、圧縮比が実質的に下がり燃焼室内の圧縮行程での温度が下がるので、ノック発生を抑制できる。また、排気バルブの開く角度を遅くすることや閉じる角度を早めることによって、燃焼室内に留まる排気ガス量が増えて、燃焼室内の自己EGR量が増えるので、燃焼ガス温度が低下してノック発生を抑制できる。
【0081】
さらに、バルブのリフト量を下げることによって、排気バルブの動作と同様に自己EGR量が増えるので、ノック発生を抑制できる。
【0082】
次に、ノックセンサのフェイル検出を図13で説明する。
【0083】
まず、ノックセンサ内部に抵抗を組み込み、エンジン制御装置から抵抗を介して直流電圧を印加して、センサ端子電圧を測定する。センサがつながっていれば、センサ端子電圧はセンサ内部の抵抗とエンジン制御装置内の抵抗で分圧される電圧が測定できるので、この時センサ接続正常とする。
【0084】
電圧がゼロに近い場合は、センサハーネスがグランドにショートしていると判断される。
【0085】
電圧が断線判定しきい値(3.41V)相当の場合はセンサハーネス断線と判断する。
【0086】
電圧がVccに近い電圧(4.8V)程度では、センサハーネスがVBにショートしていると判断する。
【0087】
また、ノック制御量が制御限界に達してもノック判定がされている場合、ノック制御自体の故障と判定される。
【0088】
こうしたノックセンサフェイルまたはノック制御故障が判定された場合、直ちに運転状態をノックが発生しない状態に変化させて、ノックによるエンジン破損を防止する。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、バルブタイミングを可変してエンジン出力を向上するエンジンでもノック発生を確実に検出できるので、エンジンの寿命を延ばすことができ、車両の耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のエンジン構成図。
【図2】ノック制御装置のブロック図。
【図3】エンジン運転状態の制御ブロック図。
【図4】ノック発生時の振動モードの説明図。
【図5】ノック検出回路のブロック図。
【図6】ノック信号サンプリングの説明図。
【図7】ノック検出のフローチャート説明図。
【図8】ノック制御の説明図。
【図9】バルブタイミング制御の説明図。
【図10】バルブタイミングとノック信号の関係図。
【図11】着座音ノイズ判断フローチャート説明図。
【図12】バルブタイミングによるノイズの回避説明図。
【図13】ノックセンサ自己診断説明図。
【符号の説明】
100…内燃機関、101…インジェクタ、102…点火プラグ、103…点火コイル、104…スロットル、109…気筒判別センサ、110…水温センサ、111…クランク角センサ、112…気筒基準位置センサ、113…スロットルポジションセンサ、114…吸気管圧力センサ、115…吸入空気流量計、
116…空燃比センサ、118…触媒、120…エンジン制御装置、131…ノックセンサ、1011…燃料ポンプ、1012…燃圧制御弁。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an engine operation state control device, and particularly provides an effective means for suppressing knocking based on a knock signal analysis result at the time of knocking occurrence.
[0002]
[Prior art]
In order to improve engine output in recent years, movable valve control that can change the timing of intake valves and exhaust valves to increase the compression ratio of the combustion chamber or to increase the capacity of the expansion stroke rather than the capacity of the compression stroke is used. ing.
[0003]
When the compression ratio is improved, the temperature of the gas in the combustion chamber further rises, and early combustion (knocking) due to self-ignition occurs. Also, if the combustion gas self-ignites before the combustion reaches the vicinity of the combustion chamber wall, normal combustion will not be performed and the output will decrease, and if repeated for a long time, a pressure wave to the combustion chamber wall will be generated. It works to scrape the surface, making it difficult to compress the combustion chamber, leading to engine damage.
[0004]
In order to prevent such abnormal combustion, the ignition timing is set so that early ignition does not occur. However, abnormal combustion may occur due to variations in engine manufacturing, shape distortion due to aging, and the like.
[0005]
The abnormal combustion spreads as a pressure wave in the combustion chamber, and resonance occurs according to the shape of the combustion chamber. A typical vibration as a resonance mode includes a plurality of modes that spread in a radial direction and a circumferential direction of the combustion chamber. Conventionally, these resonances are taken out of a plurality of resonance modes, and in particular, taking into account the frequency of occurrence and the ease of detection at the resonance frequency, only a specific frequency component is taken out as a resonance frequency (knock frequency) during abnormal combustion. Knock control that suppresses the occurrence of knocking by changing the engine control amount when the specific frequency component is obtained is known.
[0006]
However, since the knock frequency is resonance in the combustion chamber, if there is a vibration source that generates vibration in the combustion chamber other than the pressure wave of abnormal combustion due to knocking, it cannot be distinguished from the knock frequency.
[0007]
For this reason, Japanese Patent Application Laid-Open No. 3-47449 discloses a technique in which a knock frequency is limited during the expansion stroke of the engine, and a knock signal is extracted or the frequency is analyzed over a wide range to ensure knock detection. .
[0008]
However, since the change in the valve timing of the intake valve and the exhaust valve accompanying the improvement in the engine output is not taken into account, it is difficult to improve the knock detection with respect to the change in the engine control state. there were.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
In the present invention, a first object is to perform knock detection according to an engine operating state accompanying a change in valve timing in order to enhance knock detection.
[0010]
Further, as a knock control for suppressing occurrence of knock after knock detection, changing the engine operating state is a second subject.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above first problem, a means for analyzing a frequency component included in an output of a knock sensor attached to an engine as a means for detecting a knock frequency, a means for setting a timing for performing knock detection, a frequency by knocking Knock detection is performed by combining means for removing components other than the above.
[0012]
In order to solve the second problem, knocking is suppressed by changing an engine control state such as an ignition timing, a fuel injection amount, a valve timing, and a valve lift according to a knock detection result.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
FIG. 1 shows the configuration of an internal combustion engine according to the present invention.
[0014]
The internal combustion engine 100 includes an injector 101, a spark plug 102, an ignition coil 103, a throttle 104, a cylinder discrimination sensor 109, a water temperature sensor 110, a crank angle sensor 111, a cylinder reference position sensor 112, a throttle position sensor 113, and an intake pipe pressure sensor 114. Or an intake air flow meter 115, an air-fuel ratio sensor 116, and a catalyst 118, and are connected to the engine control device 120.
[0015]
The fuel is transported from the fuel tank 1014 by the fuel pump 1011, and is kept at a constant fuel pressure by the fuel pressure control valve 1012.
[0016]
An intake temperature sensor (not shown) and an exhaust temperature sensor (not shown) are attached as control parameters of the engine.
[0017]
A knock sensor 131 is attached near the combustion chamber of the engine to detect a knock signal generated by abnormal combustion in the combustion chamber.
[0018]
Note that the air-fuel ratio sensor 116 may be either a wide-range air-fuel ratio sensor that outputs linearly with respect to the air-fuel ratio or an O 2 sensor that changes binary in the vicinity of stoichiometry.
[0019]
FIG. 2 shows an outline of the engine control device.
[0020]
The engine control unit includes a CPU for performing numerical and logical operations, a ROM for storing programs and data to be executed by the CPU, a RAM for temporarily storing data, an A / D converter for receiving an analog voltage from a sensor, A digital input circuit for taking in a switch indicating a state, a pulse input circuit for counting the time interval of a pulse signal or the number of pulses within a predetermined time, and an on / off operation of an actuator (not shown) based on a calculation result of the CPU. , A digital output, a timer setting output, and a communication circuit can output data in the engine control device to the outside or change an internal state by a communication command from the outside.
[0021]
The engine control device takes in the output of the intake pipe pressure sensor or the intake air flow meter, and calculates the actual intake air amount Qa per unit time by converting the sensor voltage into a predetermined table. Further, the water temperature of the engine is calculated from the A / D value of the water temperature sensor by table conversion.
[0022]
At the same time, the pulse signal of the crank angle sensor is measured, and the number of revolutions NDATA of the engine is calculated according to the number of pulses within a predetermined time or the time interval of the pulses.
[0023]
The intake air amount Qacyl per unit time is calculated by dividing the intake air amount Qa per unit time by NDATA and further dividing by the number of cylinders.
[0024]
The required amount of fuel is obtained by multiplying Qacyl by a predetermined count KTI and further multiplying by a correction coefficient including an air-fuel ratio control correction amount, and opening the injector for a pulse width corresponding to TI. To generate an air-fuel mixture for each combustion.
[0025]
The calculation of TI is multiplied by the following correction coefficient COEFn.
[0026]
TI = COEFn × KTI × Qacyl
COEFn is a correction coefficient representing each cylinder or collectively representing a specific cylinder.
[0027]
In order to improve the engine output, there are measures such as increasing the fuel amount, advancing the ignition timing, increasing the intake air amount, and increasing the expansion rate.
[0028]
Increasing the fuel amount can be realized by setting COEFn to be larger than 1, but cannot be used in a steady state because the fuel consumption increases.
[0029]
For example, if the EGR control amount of the engine increases, the temperature in the combustion chamber decreases, so that the ignition timing is advanced. Further, since the swirl valve and the tumble valve have the effect of further homogenizing the gas mixture in the combustion chamber and suppressing abnormal combustion, it is possible to advance the ignition timing.
[0030]
As shown in FIG. 3, the basic ignition timing (STD) is set according to the engine speed and the fuel amount (TI) or the engine load data (LDATA) corresponding to the fuel amount. The basic ignition timing varies depending on the octane number of the gasoline used, and is usually selected from two maps, one for high octane and the other for regular gasoline. High-octane gasoline is less likely to knock even when the temperature in the combustion chamber is higher than regular gasoline, so that the ignition timing can be advanced.
[0031]
The ignition timing can be changed for each combustion of the engine, and the ignition timing is delayed when knock is detected in order to suppress knock.
[0032]
When knocking has ceased, the ignition timing is advanced, and the crank angle at which the effective pressure in the combustion chamber is maximized as much as possible may be set near TDC. However, although related to the compression ratio, the temperature distribution in the combustion chamber becomes non-uniform, and in particular, self-ignition occurs at a distance from the spark plug, and combustion becomes unstable. Abnormal combustion due to self-ignition is transmitted as a shock wave to the combustion chamber wall and damages the combustion chamber wall.
[0033]
As means for increasing the intake air amount to increase the engine output, an increase in the intake air amount due to resonance of the intake pipe length or air compression by a turbocharger is used. Also in this case, the temperature distribution in the combustion chamber becomes uneven, and abnormal combustion is likely to occur.
[0034]
Another way to increase engine output is to increase the expansion rate. For example, the crank angle at which the intake valve is open is reduced, or the open angle of the exhaust valve is increased. At the same time, the opening and closing angles of the valve and the opening and closing angles of the exhaust valve are changed to improve the expansion rate and increase the amount of intake air.
[0035]
With the improvement in the engine output described above, it is necessary to control the operating state to the limit where abnormal combustion in the combustion chamber occurs. Since the abnormal combustion appears as a shock wave in the combustion chamber, a means for capturing the shock wave, detecting the abnormal combustion, and suppressing the abnormal combustion in a subsequent operation state is required.
[0036]
Although the shock wave has a wide range of frequency components, specific frequency components that resonate particularly in the combustion chamber are transmitted to the cylinder block. Using this phenomenon as knocking, a specific frequency component is detected as a knock frequency.
[0037]
As for the knock frequency, when the combustion chamber is approximated by a cylinder, resonance occurs in a vibration mode as shown in FIG. That is, there are a plurality of vibration modes in the radial direction and the circumferential direction in the combustion chamber, and the knock frequency is determined by the diameter of the combustion chamber and the combustion temperature.
[0038]
However, since the position of occurrence of abnormal combustion due to self-ignition changes every combustion, the vibration mode is not uniform, and the knock frequency is not constant every combustion.
[0039]
Therefore, in the present invention, a knock detector capable of capturing all of a plurality of vibration modes is prepared, and knock detection is reliably performed.
[0040]
It is possible to use multiple bandpass filters as a means to capture vibration at the same time.However, it takes time and effort to design and adjust the center frequency and bandwidth of the bandpass filter, and it is necessary to prepare multiple amplifier circuits. There is a disadvantage in terms of cost.
[0041]
In the present invention, in order to capture a plurality of vibration modes at the same time, FFT is realized by a program to capture a knock frequency.
[0042]
FIG. 5 shows a block diagram of the knock detection circuit.
[0043]
In order to capture all knock frequencies, the knock sensor has a non-resonant frequency characteristic. The knock sensor output is amplified by a variable amplifier after a DC component is removed by a first-stage amplifier. The variable amplifier can change the degree of amplification according to a command from the knock detection CPU.
[0044]
The amplified knock signal is input to the A / D converter of the CPU through a low-pass filter so as to be equal to or lower than the FFT return frequency. In one embodiment of the present invention, since the A / D conversion is performed every 25.6 μs, the sampling frequency fs is fs = 1 / (25.6 × 10 6 ) = 39 kHz.
Since the return frequency is 39 kHz / 2 = 19.5 kHz according to the sampling theorem, a low-pass filter of 19.5 kHz or less is used as an example.
[0045]
The CPU receives an engine crank angle signal, a cylinder reference position signal, a cylinder discrimination signal, and an ignition signal, and starts frequency analysis from a specific crank angle of the engine.
[0046]
That is, the cylinder discrimination is performed by combining the cylinder discrimination signal and the cylinder reference position signal, and the frequency analysis is started from a specific reference position according to the crank angle signal after the ignition signal is generated for each cylinder.
[0047]
However, since the ignition signal is used as a signal for reliably detecting that ignition has been performed, it is unnecessary if fail-safe is not particularly required.
[0048]
FIG. 6 illustrates sampling timing.
[0049]
The frequency analysis start position is a predetermined delay time td or a delay angle ta from the cylinder reference position signal or the crank signals.
[0050]
td or ta is a value matched in advance according to the operating state, and is, for example, a map value determined by the engine speed and the engine load.
[0051]
The width of the frequency analysis section is set to cover the crank angle at which knock occurs, but if one FFT cannot be completed, the FFT is repeated a plurality of times. Normally, the crank angle at which knock occurs is about 10 degrees to 70 degrees ATDC, and when the engine speed is 6000 r / min, (60/6000) × (70−10) /360=1.67 ms.
It is about the width.
[0052]
On the other hand, when the engine speed is 1000 r / min, the width is (60/1000) × (70−10) / 360 = 10 ms.
It becomes. For this reason, it is necessary to perform knock frequency analysis by repeating 6 times as compared with the case of 6000 r / min.
[0053]
In the present invention, since the FFT is designed to be performed every 32 samplings, 25.6
μs × 32 = about 820 μs is the minimum analysis width, and the frequency analysis is performed twice at 6000 r / min and 12 times at 1000 r / min. These frequency analysis times are prepared as a table of rotation speed.
[0054]
FIG. 7 shows a knock detection flow.
[0055]
A frequency component close to the resonance mode is selected from the results of the frequency analysis by FFT, and is compared with a background level (BGLmn) for each frequency component (PWERmn).
[0056]
The background level is a signal level when no knock occurs, and is calculated from a frequency analysis result when it is determined that there is no knock in the knock determination.
[0057]
For example, the background level can be obtained as follows from the result of the current frequency analysis.
[0058]
BGLmn = BGLmn [previous value] × (1−BGLGAIN)
+ PWRmn × BGLGAIN
Here, BGLGAIN is a filter gain for a background level. The suffix m represents a frequency number, and the suffix n represents a cylinder number.
[0059]
A minimum value is prepared for the background level to prevent erroneous determination when no knock occurs.
[0060]
Although a filter is used for calculating the background level, it is also possible to add or subtract a predetermined value or set a gain for each cylinder.
[0061]
Also, when the operating state changes, such as during acceleration, it is necessary to increase the filter gain so as to follow the increase in the background level.
[0062]
A ratio or a difference between the frequency component and the background level is obtained, the sum is taken, and the sum is compared with a predetermined threshold.
[0063]
The threshold value is obtained in advance according to the operating state of the engine, but the threshold value is changed according to the engine speed, engine load data (LDATA), fuel injection amount (TI), and engine coolant temperature.
[0064]
Further, depending on the operating state of the engine, knock detection is not performed during timing when knock detection should be avoided, for example, during acceleration.
[0065]
If it is determined that there is knock, the operating state is changed for the next combustion.
[0066]
For example, as shown in FIG. 8, knock control is performed such that the ignition timing is temporarily delayed to prevent self-ignition or increase the fuel amount to lower the temperature in the combustion chamber by the heat of vaporization of the fuel.
[0067]
At the same time, the timing of intake valves and exhaust valves is changed to limit engine output as necessary.
[0068]
The valve timing of the intake valve and the exhaust valve is operated at an angle set in advance according to the engine speed and the engine load. For example, means for shifting the phase of the camshaft using hydraulic pressure is used.
[0069]
As shown in FIG. 9, the hydraulic pressure is controlled so that the cam signal corresponding to the timing at which the valve starts or closes has a predetermined time difference (tvt) or angle difference (tva) from each crank signal or cylinder reference position signal. There are examples. That is, a target angle difference or time difference and an actual angle difference or time difference are obtained, and the oil pressure is increased or decreased until the difference becomes zero.
[0070]
However, since the knock frequency appears as resonance in the combustion chamber, in addition to abnormal combustion due to self-ignition, a striking sound when the intake valve or the exhaust valve is seated resonates in the combustion chamber and appears as a frequency component similar to the knock frequency.
[0071]
FIG. 10 shows valve timing and knock generation timing.
[0072]
If there is a timing to close the intake valve or the exhaust valve of another cylinder, it appears as a noise component in a frequency analysis section in which knock is expected to occur.
[0073]
The frequency of the noise component is constant even if the generation position changes.
[0074]
Therefore, in the result of the frequency analysis by the FFT, only a specific frequency is always detected, so that this frequency can be excluded from knock detection to suppress the influence of noise components. As shown in FIG. 11, when a knock determination is made, knock control such as ignition timing is performed, and a knock frequency component is analyzed. As a result, a specific frequency component (for example, around 6 kHz in FIGS. 10B and 10C) is obtained. ) Appears, it is determined that noise is generated due to the seating of the intake valve or the exhaust valve.
[0075]
In this case, the frequency selection is changed according to the operating state of the engine such that the frequency component of the valve is not used in the frequency selection for performing the knock determination.
[0076]
Alternatively, when the knock frequency is superimposed on the noise component, the knock occurrence section is shortened so that only the knock frequency component is captured.
[0077]
In this case, the setting of the knock frequency analysis section is changed according to the valve timing.
[0078]
For example, as shown in FIG. 12, the start of the knock frequency analysis section is advanced, the method of shortening the A / D conversion capturing section, or the processing for forcibly deeming the A / D conversion result to be zero is performed.
[0079]
Means for retarding the ignition timing is usually used to suppress the occurrence of knock.In addition, the occurrence of knock can also be reduced by changing the actual compression ratio by changing the valve opening / closing timing. Can be suppressed.
[0080]
For example, by decreasing the opening angle or increasing the closing angle of the intake valve, the compression ratio is substantially reduced, and the temperature in the compression stroke in the combustion chamber is reduced, so that knocking can be suppressed. Further, by decreasing the opening angle of the exhaust valve or increasing the closing angle, the amount of exhaust gas remaining in the combustion chamber increases, and the amount of self-EGR in the combustion chamber increases. Can be suppressed.
[0081]
Further, by reducing the lift amount of the valve, the self-EGR amount increases similarly to the operation of the exhaust valve, so that knocking can be suppressed.
[0082]
Next, the failure detection of the knock sensor will be described with reference to FIG.
[0083]
First, a resistor is built into the knock sensor, and a DC voltage is applied from the engine control device via the resistor to measure the sensor terminal voltage. If the sensor is connected, the sensor terminal voltage can be measured by the voltage divided by the resistance inside the sensor and the resistance inside the engine control device. At this time, it is determined that the sensor connection is normal.
[0084]
If the voltage is close to zero, it is determined that the sensor harness is short-circuited to ground.
[0085]
When the voltage is equivalent to the disconnection determination threshold value (3.41 V), it is determined that the sensor harness is disconnected.
[0086]
If the voltage is close to Vcc (4.8 V), it is determined that the sensor harness is short-circuited to VB.
[0087]
If the knock determination is made even if the knock control amount reaches the control limit, it is determined that the knock control itself has failed.
[0088]
When such a knock sensor failure or knock control failure is determined, the operating state is immediately changed to a state where knock does not occur, thereby preventing engine damage due to knock.
[0089]
【The invention's effect】
According to the present invention, knocking can be reliably detected even in an engine whose engine output is improved by changing the valve timing, so that the life of the engine can be extended and the durability of the vehicle can be increased.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an engine configuration diagram of an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a block diagram of a knock control device.
FIG. 3 is a control block diagram of an engine operating state.
FIG. 4 is an explanatory diagram of a vibration mode when knock occurs.
FIG. 5 is a block diagram of a knock detection circuit.
FIG. 6 is an explanatory diagram of knock signal sampling.
FIG. 7 is a flowchart for knock detection.
FIG. 8 is an explanatory diagram of knock control.
FIG. 9 is an explanatory diagram of valve timing control.
FIG. 10 is a diagram showing a relationship between a valve timing and a knock signal.
FIG. 11 is an explanatory diagram of a seating noise determination flowchart.
FIG. 12 is an explanatory diagram of avoiding noise due to valve timing.
FIG. 13 is an explanatory diagram of a knock sensor self-diagnosis.
[Explanation of symbols]
Reference Signs List 100: internal combustion engine, 101: injector, 102: spark plug, 103: ignition coil, 104: throttle, 109: cylinder discrimination sensor, 110: water temperature sensor, 111: crank angle sensor, 112: cylinder reference position sensor, 113: throttle Position sensor, 114: intake pipe pressure sensor, 115: intake air flow meter,
116: air-fuel ratio sensor, 118: catalyst, 120: engine control device, 131: knock sensor, 1011: fuel pump, 1012: fuel pressure control valve.