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JP2003528045A - フェニルプロパノールアミンの経皮投与 - Google Patents

フェニルプロパノールアミンの経皮投与

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JP2003528045A
JP2003528045A JP2001544673A JP2001544673A JP2003528045A JP 2003528045 A JP2003528045 A JP 2003528045A JP 2001544673 A JP2001544673 A JP 2001544673A JP 2001544673 A JP2001544673 A JP 2001544673A JP 2003528045 A JP2003528045 A JP 2003528045A
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JP
Japan
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hydroxide
drug
releasing agent
phenylpropanolamine
formulation
Prior art date
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Application number
JP2001544673A
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English (en)
Inventor
ソン−ミン シー,
ラッセル メイシー,
エリック シー. ルオ,
Original Assignee
ダーマトレンズ, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
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Priority claimed from US09/738,410 external-priority patent/US6586000B2/en
Application filed by ダーマトレンズ, インコーポレイテッド filed Critical ダーマトレンズ, インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 ラセミフェニルプロパノールアミン(すなわち、フェニルプロパノールアミンの4つの異性体、(+)−ノルエフェドリン、(−)−ノルエフェドリン、(+)−ノルプソイドエフェドリン、および(−)−ノルプソイドエフェドリンのうちの2以上の混合物)の経皮投与のための方法および系が提供される。一般に、ラセミ化合物は、(+)−ノルエフェドリンおよび(−)−ノルエフェドリンの混合物である。ラセミ薬物は、浸透促進剤と共に投与される。浸透促進剤は、好ましくは、塩基性化合物であり、そして必要に応じて、水酸化ナトリウムのような水酸化物放出剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、該して、薬学的に活性な薬剤の局所投与および経皮投与に関する。
さらに詳細には、フェニルプロパノールアミンの経皮投与のための方法、薬物送
達系、および薬学的組成物に関する。
【0002】 (背景分野) 皮膚を通じた薬物送達は、多くの利点を提供する:このような送達方法は主に
、薬物投与の快適で便利な、そして非侵潤性の方法である。経口的な処置で起こ
る吸収および代謝速度の変化は、回避される。そして、他の固有の不便さ−−例
えば、胃腸の炎症など−−も同様に排除される。経皮的な薬物送達はまた、任意
の特定薬物の血中濃度に対する高い程度の制御を可能にする。
【0003】 皮膚は構造的に複雑であり、比較的厚い膜である。環境中からインタクトな皮
膚内に、およびインタクトな皮膚を通って移動する分子は、第1に角質層および
その表面上の任意の物質に浸透する。次いでこれらは、生存表皮、乳頭の真皮、
および毛細管壁に浸透して血流中またはリンパチャネル中に入る。このように吸
収されるためには、分子は、それぞれのタイプの組織で、浸透に対する異なる耐
性に打ち勝たなければならない。したがって、皮膚膜を通じた輸送は、複雑な現
象である。しかし、角質層の細胞には局所的な組成物または経皮的に投与された
薬物の吸収に対する主要なバリアが存在する。角質層は、身体のほぼ全体にわた
るおよそ10〜15ミクロンの厚さの濃密で高度に角化した細胞の薄層である。
ほとんどの場合、薬物の浸透に対する実質的に浸透不可能なバリアを形成するこ
れらの細胞ならびにその密集内で、高い程度に角質化していると考えられる。多
くの薬物に関して、皮膚を通じた浸透速度は、皮膚の浸透性を増強するような何
らかの手段を用いなければ、極めて低い。
【0004】 薬物が皮膚を通じて浸透する速度を増大させるために、種々のアプローチが続
けられてきた。それぞれのアプローチは、化学的な浸透性エンハンサーまたは物
理的な浸透性エンハンサーのいずれかの使用に関する。例えば、皮膚浸透の物理
的な増強として、イオン浸透療法のような電気泳動技術が挙げられる。物理的な
浸透性エンハンサーとしての超音波(または「フォノフォレーシス」)の使用も
また研究されてきた。化学的なエンハンサーは、(皮膚が化学的なエンハンサー
を浸透し得る場合)角質層の浸透性を増大させるために薬物と共に投与され、そ
れによって皮膚を通じた薬物の浸透性の増強を提供する化合物である。理想的に
は、このような化学的な浸透性(penetration)エンハンサー(また
は本明細書中でこの化合物について言及する場合は「浸透性(permeati
on)エンハンサー」)は無害であり、かつ角質層を通じた薬物の分散を容易に
するためだけに作用するような化合物である。
【0005】 そうはいうものの、炎症および感作のような汚染の問題を伴わず、安全でかつ
皮膚を通じて効果的に投与され得る薬物の数は、限られている。
【0006】 本発明は、2−アミノ−1−フェニル−1−プロパノール、または「フェニル
プロパノールアミン」の経皮投与に関する。この薬物は、例えば、Kanfer
ら、Analytical Profiles of Drug Substa
nces、第12巻、K.Florey編(New York:Academi
c Press、1983)に記載される。フェニルプロパノールアミンは、食
欲抑制剤、うっ血除去剤、抗不安剤として、ならびに過労および錯乱を減少させ
るための薬物として用いられてきた交感神経作用剤である。例えば、Wurtm
anらに対する米国特許第5,019,594号、Phippsに対する同第5
,260,073号、およびWurtmanに対する同第5,096,712号
を参照のこと。
【0007】 フェニルプロパノールアミンは分子構造(I)を有する:
【0008】
【化1】 そして、2つのキラル中心を含むことが理解され得る。したがって、フェニルプ
ロパノールアミンには、以下のような4つの異なる異性体が存在する:
【0009】
【化2】 異性体(Ia)〜(Id)は、概してそれぞれ(+)−ノルエフェドリン、(−
)−ノルエフェドリン、(+)−ノルプソイドエフェドリン、および(−)−ノ
ルプソイドエフェドリンと呼ばれる。概して、異性体(Ib)および(Ic)、
すなわち(−)−ノルエフェドリンおよび(+)−ノルプソイドエフェドリンは
、たいていの生理学的な使用について活性の大きな異性体であると考えられてい
る。しかし、代表的な処方物は、(+)−ノルエフェドリンおよび(−)−ノル
エフェドリンのラセミ混合物である。概して、(±)−フェニルプロパノールア
ミン(または、単にフェニルプロパノールアミン)と呼ばれるこの混合物は、約
50〜75mg/日の用量で肛門直腸剤として、および約75〜150mg/日
の用量で鼻うっ血除去剤としての使用のために市販されている。
【0010】 現今、フェニルプロパノールアミンは、錠剤、カプセルまたはシロップで経口
投与される。しかし、本発明は、フェニルプロパノールアミンの経皮投与に指向
される。フェニルプロパノールアミンを経皮的に投与することに対して多くの利
点がある:連続的な送達が他の点で短命な薬物(フェニルプロパノールアミンの
半減期は3.8〜4.3時間のオーダーである−Scherzingerら(1
990)J.Clin.Pharmacol.30(4):372−377を参
照のこと)の持続血液レベルを提供する;初回通過効果がない;経口投与に関連
する代表的な副作用が実質的に妨げられ得る;連続的送達が持続血液レベルを提
供する;経皮パッチは、任意の副作用が生じた場合に容易に除去可能である;な
らびに患者の受諾および患者のコンプライアンス共の見込みが有意に改善される
【0011】 フェニルプロパノールアミンの経皮投与は、提案されている。米国特許第4,
818,541号において、経皮系は、フェニルプロパノールアミンを皮膚に送
達する工程について開示される。しかし、前述の患者において、(±)フェニル
プロパノールアミン(すなわち、(+)−ノルエフェドリンおよび(−)−ノル
エフェドリンの混合物)の皮膚フラックスは、16μg/cm/hrのみであ
ることが、個体のエナンチオマーの皮膚フラックスがより高いことが見出された
としても注意される。さらに、’541患者の方法は、経皮薬物送達に組み込む
前に塩酸フェニルプロパノールアミン(薬物の市販されている形態)の中和(す
なわち、遊離塩基への変換)を必要とする。
【0012】 従って、当該分野において、ラセミ化合物の低い皮膚フラックスによって制限
されす、そして塩酸フェニルプロパノールアミンをパッチ製造の前に塩基形態の
薬物に変換しなくても良い経皮的にラセミのフェニルプロパノールアミンを投与
する方法が必要である。本明細書中で使用される場合、用語「ラセミ」または「
ラセミ化合物」は、フェニルプロパノールアミンの4つの異性体の任意の2つ以
上の混合物をいうが、代表的には、(−)−ノルエフェドリンおよび(+)−ノ
ルエフェドリンの混合物をいう。
【0013】 皮膚の透過性を増強するための種々の化合物が、当該分野において公知であり
、そして関連の文書および文献に記載されている。皮膚の透過性を増強するため
に使用された化合物としては、以下が挙げられる:スルホキシド(例えば、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)およびデシルメチルスルホキシド(C10MSO
));エーテル(例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(Tran
scutol(登録商標)として市販されている)およびジエチレングリコール
モノメチルエーテル);界面活性剤(例えば、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル
硫酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、
Poloxamer(231,182,184)、Tween(20,40,6
0,80)、およびレシチン(米国特許第4,783,450号));1−置換
アザシクロヘプタン−2−オン、特に、1−n−ドデシルシクルアザシクロヘプ
タン−2−オン(1−n−dodecylcyclazacyclohepta
n−2−one)(Nelson Research&Development
Co.、Irvine、Califから、商標名Azone(登録商標)のも
とで入手可能;米国特許第3,989,816号、同第4,316,893号、
同第4,405,616号および同第4,557,934号を参照のこと);ア
ルコール(例えば、エタノール、プロパノール、オクタノール、ベンジルアルコ
ールなど);脂肪酸(例えば、ラウリン酸、オレイン酸、および吉草酸);脂肪
酸エステル(例えば、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、
メチルプロピオネート、およびエチルオレアート);ポリオルおよびそのエステ
ル(例えば、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセロール、ブタ
ンジオール、ポリエチレングリコール、およびポリエチレングリコールモノラウ
レート(PEGML;例えば、米国特許第4,568,343号を参照のこと)
);アミドおよび他の窒素化合物(例えば、尿素、ジメチルアセトアミド(DM
A)、ジメチルホルムアミド(DMF)、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピ
ロリドン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミ
ン);テルペン;アルカノン(alkanone);および有機酸、特に、サリ
チル酸、およびサリチラート、クエン酸、およびコハク酸。Percutane
ous Penetration Enhancers、Smithら編(CR
C Press、1995)は、当該分野の優れた概説および多くの化学的およ
び物理的促進剤に関するさらなる背景情報を提供する。
【0014】 多くの化学的浸透促進剤が知られているが、薬物が皮膚を浸透する速度を増大
する際に非常に有効であり、皮膚損傷、炎症、感作などを引き起こさず、そして
また、パッチ製造の前ではなくその間にフェニルプロパノールアミン塩酸塩の中
和を可能にする促進剤に対する継続した必要性がある。現在、水酸化物放出薬剤
が、公知の浸透促進剤と比較して前述の利点全てを考慮すると、同時促進剤(c
o−enhancer)なしで使用される場合でさえも、非常に有効な浸透促進
剤であることが発見された。さらに、従来の促進剤と対照的に、浸透促進剤とし
て水酸化物放出薬剤を有する薬物の経皮投与は、適切なレベルで利用されると、
全身的な毒性を生じない。
【0015】 (発明の開示) 従って、中性で、荷電していない形態でラセミ体のフェニルプロパノールアミ
ンの経皮投与のための薬物送達システム、薬学的処方物および方法を提供するこ
とによって、当該分野における上記の必要性をいうことは、本発明の主な目的で
ある。このような治療が必要な患者にラセミ体のフェニルプロパノールアミンを
経皮投与することによってフェニルプロパノールアミンの投与に責任がある状態
、障害または疾患を処置するための方法を提供することは、本発明の別の目的で
ある。
【0016】 食欲抑制薬、うっ血除去薬、抗不安薬としての使用のために、あるいは疲労ま
たは錯乱を減少するために、治療的に有効である流量でラセミ体のフェニルプロ
パノールアミンを経皮投与するための方法を提供することは、本発明のさらに別
の目的である。
【0017】 治療的に有効な皮膚流量が達成されるようにラセミ体のフェニルプロパノール
アミンを投与するための経皮薬物送達システムを提供することは、本発明のなお
別の目的である。
【0018】 経皮薬物送達のために処方されたラセミ体のフェニルプロパノールアミンを含
む化学組成物を提供することは、本発明のさらに別の目的である。
【0019】 経皮薬物送達システムを製造するための方法を提供することは、本発明のなお
さらなる目的であり、ここで、フェニルプロパノールアミン塩酸塩は、システム
製造の間、フェニルプロパノールアミン塩基に変換される。
【0020】 塩基性浸透促進剤と組み合わせて、ラセミ体のフェニルプロパノールアミンを
経皮投与するための方法を提供することは、本発明のなおさらなる目的である。
【0021】 本発明のさらなる目的、利点および新しい特性は、以下に続く、そして以下の
試験時に当業者に部分的に明らかとなるか、または本発明の実施によって理解さ
れ得る説明に部分的に記載される。
【0022】 従って、本発明の1つの局面において、フェニルプロパノールアミンの投与に
責任がある状態、疾患または障害を患う個体を、治療的有効量のラセミ体のフェ
ニルプロパノールアミンを経皮投与することによって処置するための方法が提供
される。この方法は、浸透促進剤(特に塩基性の浸透促進剤)がその薬物と共に
同時投与される場合、ラセミ体のフェニルプロパノールアミンが、所望の全身的
な効果を達成するために治療的に有効な速度で、皮膚または粘膜組織を介して実
際に投与され得るという発見に基づいて仮定される。
【0023】 本発明の別の局面において、薬学的組成物および経皮治療システムは、ラセミ
体のフェニルプロパノールアミンの経皮投与のために提供される。薬学的組成物
は、ラセミ体のフェニルプロパノールアミンを含み、そして経皮薬物送達のため
に処方される。経皮薬物送達システムは、裏打ち層、薬物レザバ、および皮膚に
組成物を貼るための手段を含む積層された組成物である。薬物レザバおよび貼る
手段は、異なり得、その結果、別の接触付着層(これは、デバイスの基底表面と
して役立つ)が提供されるか、または、薬物レザバは、それ自体で皮膚に接触し
て付着するのに適切である付着層を構成し得る。このような治療システムは、「
固体マトリックス」型の経皮パッチの性質のうちである。しかし、液体、ゲル、
または泡レザバ中に薬物を含む代替のシステムも、同様に使用され得る。
【0024】 本発明の別の局面において、フェニルプロパノールアミンが患者の体表面を通
って浸透する速度を増大するための方法が提供される。この方法は、水酸化物放
出薬剤と組み合わせて、体表面に損傷を引き起こすことなく、体表面を介してこ
の薬剤の流量を増大するのに有効な、予め決定された量で患者の体表面の予め決
定された領域に薬物を投与する工程を包含する。水酸化物放出促進剤の予め決定
された量は、好ましくは、薬物投与の間、体表面で約8.0〜13、好ましくは
、約8.0〜11.5、より好ましくは、約8.5〜11.5のpHの範囲を提
供するのに有効な量である。皮膚パッチが使用される場合、これは、パッチの基
底表面(すなわち、パッチの皮膚接触表面または粘膜接触表面)と体表面との間
の界面での好ましいpHである。しかし、任意の1つの水酸化物放出薬剤の最適
な量(または濃度)は、その特定の水酸化物放出薬剤(すなわち、塩基の強さま
たは弱さ、その分子量、および経皮薬物送達の分野で当業者によって理解される
ような他の因子)に依存する。この最適量は、体表面のでのpHが、前述の範囲
(すなわち、約8.0〜13、好ましくは、約8.0〜11.5、より好ましく
は、約8.5〜11.5の範囲)内であることを確かめるために、お決まりの実
験法を用いて決定され得る。従来の経皮薬物送達デバイス、すなわち「パッチ」
は、活性な薬剤を投与するために使用され得、この場合、薬物および水酸化物放
出薬剤は、通常、薬物レザバ(単数または複数)に存在する。しかし、薬物およ
び水酸化物放出薬剤はまた、液体または半流動性の処方物を用いて体表面に投与
され得る。あるいは、または、さらに、体表面は、促進剤で予め処置され得る(
例えば、経皮薬物投与前に、水酸化物放出薬剤の希釈溶液で処置され得る)。こ
のような溶液は、通常、プロトン性溶媒(例えば、水またはアルコール)からな
り、そして約8.0〜13、好ましくは、約8.0〜11.5、より好ましくは
、約8.5〜11.5の範囲pHを有する。
【0025】 本発明の関連する局面において、組成物は、水酸化物放出剤を浸透促進剤を使
用して体表面を介してフェニルプロパノールアミンを提供するために提供される
。一般に、この処方物は、(a)治療有効量の薬物、体表面を損傷することなく
体表面を介する薬物の流れを促進するに有効な量の水酸化物放出薬剤、および(
c)局所的または経皮的薬物投与にために適切な薬学的に受容可能なキャリアを
含む。この組成物は、体表面への適用のために適切な任意の形態であり得、そし
て例えば、クリーム、ローション、溶液、ゲル、軟膏、ペーストなどを含み得、
そして/またはリポソーム、ミセル、および/またはマイクロスフィアを含むよ
うに調製され得る。この組成物は、体表面に直接適用され得るか、または薬物送
達デバイスの使用を含み得る。いずれかの場合、水酸化物イオンを生成して、故
に活性剤の患者の体表面を通じた流れを増大するための水酸化物放出剤のために
、水が存在することは好ましいが、必須ではない。従って、処方物または薬物の
容器は、水性(すなわち、水を含む)であり得るか、または非水性であり得、そ
して閉鎖性の上部層と組合わせて使用され得、その結果、体表面から蒸発する水
分は、薬物投与の間に処方物または経皮系内に維持される。しかし、例えば、閉
塞性ゲルを用いるいくつかの場合、非水性処方物が、閉塞層を伴ってか、または
伴わず、使用され得る。
【0026】 本発明の別の局面において、浸透促進剤として水酸化物放出剤を用いる薬物の
局所投与または経皮投与のための薬物送達系が、提供される。この系は、概して
:体表面を通る薬物の流動を体表面への損傷を引き起こすことなく増大するのに
有効量の薬物および水酸化物放出剤を含む、少なくとも1つの薬物の容器;体表
面に薬物および促進剤が透過する関係に系を維持する手段;および使用の間にデ
バイスの外部表面として機能するバッキング層(backing layer)
を含む。このバッキング層は、閉鎖性であっても非閉鎖性であってもよいが、好
ましくは閉鎖性である。薬物レザバは、ポリマー性接着剤を含み得、これは、使
用の間に系の基底表面として機能し得、従って、体表面に薬物および促進剤が透
過する関係に系を維持するための手段として機能する。この薬物レザバはまた、
ヒドロゲルを含み得るか、または「パッチ」型構造内の密封された袋であり得、
ここで、この薬物および水酸化物放出剤は、液体処方物または半固体処方物とし
てこの袋の中に存在する。
【0027】 (発明を実施するための形態) (I.定義および概説) 本発明を詳細に記載する前に、本発明は、特定の薬物または薬物送達系が変動
し得るので、このような特定の薬物または薬物送達系に限定されないことが理解
されるべきである。本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を記載
するための目的のみのためであり、そして限定を意図しないこともまた、理解さ
れる。
【0028】 本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」
、「an」および「the」は、その文脈が明白にそうでないことを言及しない
限り、その複数形を包含することに留意しなければならない。従って、例えば、
「薬理学的に活性な薬剤」との言及は、2つ以上の活性薬剤の混合物を含み、「
促進剤」との言及は、2つ以上の促進剤の混合物を包含する、などである。
【0029】 本発明を記載し、その特許請求する際には、以下の用語は、以下に示す定義に
従って使用される。
【0030】 用語「処置(する)」および「処置」とは、本明細書において使用される場合
、症状の重篤度および/または頻度の低減、症状および/または根本原因の除去
、症状の発生および/またはその根本原因の予防、ならびに損傷の改善または治
癒をいう。従って、患者を「処置」する本発明の方法は、この用語が本明細書に
おいて使用される場合、素因のある個体における障害の予防および臨床症状を有
する個体における障害の処置の両方を包含する。
【0031】 用語「水酸化物放出剤」とは、本明細書中において使用される場合、遊離水酸
化物イオンを水性環境中に放出する薬剤を意味することが意図される。この薬剤
は、水酸化物イオンを含み得、従ってこれらのイオンを直接放出し得る(例えば
、アルカリ金属の水酸化物)か、またはこの薬剤は、水性環境中で化学的に作用
されて、水酸化イオンを発生させ得るもの(例えば、金属の炭酸塩)であり得る
【0032】 用語「活性薬剤」、「薬物」および「薬理学的に活性な薬剤」とは、本明細書
において互換可能に用いられて、所望の効果を誘導する化学物質または化合物を
いい、そして治療的に有効であるか、予防的に有効であるか、または美容学的に
有効である薬剤が挙げられる。また所望の効果を誘導すると特に言及されるこれ
らの化合物または化合物のクラスの誘導体およびアナログも包含される。本明細
書中で主要な活性薬剤は、ラセミフェニルプロパノールアミンである。
【0033】 「治療的に有効(効果的)な」量とは、非毒性であるが所望の治療効果を提供
するに十分な活性薬剤の量を意味する。
【0034】 「経皮的」薬物送達とは、その薬物が皮膚組織を通って個体の血流に入るよう
に、薬物を個体の皮膚表面に投与し、それによって全身的効果を生成することを
意味する。用語「経皮的」は、「経粘膜的」薬物投与(すなわち、その薬物が粘
膜組織を通って個体の血流に入るような、薬物の個体の粘膜(例えば、舌下、口
腔粘膜、膣、直腸)の表面への投与)を包含すると意図される。
【0035】 用語「局所的投与」とは、その通常の意味で使用されて、例えば種々の皮膚障
害の処置における、局所的な薬物または薬理学的に活性な薬剤の皮膚または粘膜
への送達を意味する。局所的投与は、経皮的投与とは対照的に、全身的な効果で
はなく局所的な効果を提供する。他に言及も暗示もしない限り、用語「局所的薬
物投与」および「経皮的薬物投与」は、互換可能に使用される。
【0036】 用語「体表面」とは、皮膚または粘膜の組織をいうために使用される。
【0037】 皮膚または粘膜組織の「予め決定された領域」とは、そこを通してPPAが送
達される皮膚または粘膜組織の領域をいい、インタクトな破壊されていない生存
している皮膚または粘膜の組織の規定された領域が意図される。この領域は、通
常、約5cm〜約200cmであり、より通常には約5cm〜約100c
の範囲であり、好ましくは、約20cm〜約60cmの範囲である。し
かし、そこを通して薬物が投与される皮膚または粘膜の組織の領域が、パッチの
構成、用量などに依存して有意に変動し得ることが、薬物送達の当業者によって
理解される。
【0038】 「浸透増強」または「透過増強」は、本明細書において使用される場合、選択
された薬理学的に活性な薬剤に対する皮膚または粘膜組織の透過性が増加するこ
と、すなわち、その結果薬剤が皮膚または粘膜組織を通って透過する(すなわち
、体表面を通る薬剤の「流動」)速度が、透過増強の非存在下において得られる
速度に対して増加することに関連する。このような促進剤の使用によって生じる
増強された透過は、例えば、当該分野において公知であるような、そして本明細
書中の実施例において使用されるような、フランツ拡散装置を使用して、動物ま
たはヒトの皮膚を通しての薬物の拡散の速度を測定することによって、観察され
得る。
【0039】 透過促進剤の「有効」量とは、非毒性であり非損傷性であるが、皮膚の透過性
、ならびに対応して、透過の所望の深さ、投与の速度、および送達される薬物の
量の所望の増加を提供するに十分な促進剤の量である。
【0040】 「キャリア」または「ビヒクル」とは、本明細書において使用される場合、経
皮的な薬物投与に適したキャリア物質をいう。本明細書において有用であるキャ
リアおよびビヒクルは、非毒性であり、そして有害な様式でその組成物の他の成
分と相互作用しないような、当該分野で公知の任意の物質を含む。
【0041】 用語「水性」とは、水を含む処方物または薬物送達系、あるいは皮膚または粘
膜組織への適用に続いて水を含有するようになる処方物または薬物送達系をいう
【0042】 本明細書中で使用される場合、用語「ラセミフェニルプロパノールアミン」は
、フェニルプロパノールアミンの4つの異性体の2つ以上の混合物(すなわち、
(+)−ノルエフェドリン、(−)−ノルエフェドリン、(+)−ノレプソイド
エフェドリン、および(−)−ノルプソイドエフェドリン)をいう。しかし、一
般的に、この用語は、(±)−フェニルプロパノールアミン(すなわち、(−)
−ノルエフェドリンおよび(+)−ノルエフェドリンのラセミ混合物)をいう。
フェニルプロパノールアミンは、一般的に必ずしも無電荷(電気的に中性な)形
態で投与される必要はなく、ここで、分子のアミン基は、遊離塩基形態で(すな
わち、−NH部位として)存在する。
【0043】 従って、本発明は、活性薬剤(例えば、ラセミフェニルプロパノールアミン)
が、治療的に有効な血液レベルを生じるのに有効な速度で、患者の体表面を通っ
て透過する速度を増加するための方法、組成物および薬物送達系に関する。この
方法は、そこに損傷を起こすことなく体表面を通る薬剤の流動を強化するのに効
果的な量で、水酸化物放出剤と組み合わせて、患者の体表面の予め決定された領
域に薬剤を投与する工程を包含する。
【0044】 従って、フェニルプロパノールアミンを経皮的に送達する本発明の方法は変化
し得るが、所望の期間、薬物の有効血液レベルを提供するのに十分な期間、皮膚
または粘膜組織の予め決定された領域にラセミフェニルプロパノールアミンを含
む組成物の適用を必ず含む。この方法は、軟膏、ゲル、クリームなどのような組
成物の直接適用を含み得るか、または、例えば、一般に譲渡された米国特許第4
,915,950号、同4,906,463号、同5,091,186号または
同5,246,705号において当該分野で教示されるか、あるいは以下に記載
されるような薬物送達デバイスの使用を含み得る。
【0045】 (透過促進剤:) 一般的に、皮膚を通る治療的に有効な流動を達成するために、透過促進剤と組
み合わせて、ラセミフェニルプロパノールアミンを投与することが必要である。
【0046】 好ましい透過促進剤は、塩基性化合物であり、水酸化物放出剤が特に好ましい
。水酸化物放出剤は、例えば、同時係属中の一般に譲渡された米国特許第09/
569,889号、2000年5月11日提出、「Hydroxide−Rel
easing Agents as Skin Permeation Enh
ancers」において記載されている。「水酸化物放出剤」は、水性流体の存
在下で遊離水酸化物イオンを放出する化学化合物である。従って、使用される任
意のパッチは、閉鎖バッキングを有するかまたは水、あるいは両方を有するべき
である。同様に、使用される任意の局所的処方物は、水性であるかまたは閉塞材
料のオーバー層と組み合わせて使用される。
【0047】 「水酸化物放出剤」とは、水性流体の存在下で遊離水酸化物イオンを放出する
化学化合物である。この水性流体は、皮膚表面における天然の水分であり得るか
、または使用されるパッチもしくは組成物が、添加される水を含有し得、そして
/または閉鎖バッキングと組み合わせて使用され得る。同様に、使用される液体
または半固体の任意の処方物は、好ましくは、水性であるか、または閉鎖材料の
オーバー層と組み合わせて使用される。
【0048】 任意のヒドロキシド放出剤が使用され得るが、ただし、この化合物は、水性流
体の存在下で遊離ヒドロキシドイオンを放出する。適切なヒドロキシド放出剤の
例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:無機水酸化物、無機酸
化物、および弱酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩。無機水酸化物と
しては、例えば、水酸化アンモニウム、水酸化アルカリ金属および水酸化アルカ
リ土類金属(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、
水酸化マグネシウムなど)が挙げられる。無機酸化物としては、例えば、酸化マ
グネシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどが挙げられる。弱酸の金属
塩としては、例えば、酢酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム(三塩基性)、リ
ン酸ナトリウム(二塩基性)、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、クエン酸カリ
ウム、酢酸カリウム、リン酸カリウム(二塩基性)、リン酸カリウム(三塩基性
)、リン酸アンモニウム(二塩基性)などが挙げられる。好ましいヒドロキシド
放出剤は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムのような金属水酸化物である
【0049】 任意のパッチまたは処方物中のヒドロキシド放出剤の量を、皮膚の損傷のいず
れの可能性をも最小化した上で、身体表面を通る薬物の流用を増加するように最
適化することが重要である。一般に、このことは、本発明の処方物または薬物送
達系と接触する身体表面(すなわち、身体表面と、薬物または送達系との間の界
面)のpHが、約8.0〜13、好ましくは約8.0〜11.5、より好ましく
は約8.5〜11.5の範囲であるべきことを意味する。しかしこのことは、代
表的には、送達系に含まれる処方物または薬物組成物のpHが、約8.0〜13
、好ましくは約8.0〜11.5、より好ましくは約8.5〜11.5の範囲で
あることを必ずしも意味するわけではない。
【0050】 無機水酸化物について、ヒドロキシド放出剤の量は、局所的に適用された処方
物または薬物送達系の薬物レザバ、または「パッチ」の、代表的には約0.5重
量%〜4.0重量%、好ましくは約0.5重量%〜3.0重量%、より好ましく
は約0.75重量%〜2.0重量%、そして最適には約1.0重量%である。上
述の量が処方物およびパッチに適用され、ここでこの活性因子は、(1)無電荷
の分子(すなわち、このフェニルプロパノールアミンは、非イオン化の遊離塩基
の形態)であり、そして(2)この処方物またはパッチ中に、この無機水酸化物
と反応し得るかまたはこの無機水酸化物によって中和され得るさらなる種は存在
しない。このフェニルプロパノールアミンが酸付加塩の形態であり、そして/ま
たはヒドロキシド放出剤によって中和され得るかまたはこのヒドロキシド放出剤
と反応し得るさらなる種(すなわち、酸不活性成分)がこの処方物または系中に
存在する、処方物またはパッチについて、無機水酸化物の量は、(1)酸付加塩
および/または他の塩基で中和可能な種を中和するのに必要な量、および(2)
この処方物または薬物レザバの、約0.5重量%〜4.0重量%、好ましくは約
0.5重量%〜3.0重量%、より好ましくは約0.75重量%〜2.0重量%
、そして最適には約1.0重量%、の合計である。すなわち、フェニルプロパノ
ールアミンの酸付加塩について、この無機水酸化物は、皮膚または粘膜組織を通
る薬物の流用を増大するために、この塩を中和するために十分なちょうどの量お
よびさらなる量(すなわち、約0.5重量%〜4.0重量%、好ましくは約0.
5重量%〜3.0重量%、より好ましくは約0.75重量%〜2.0重量%、そ
して最適には約1.0重量%)で存在するべきである。パッチについて、上述の
パーセンテージは、処方物成分および接着剤、ゲルまたは液体レザバの合計乾燥
重量に関して与えられる。
【0051】 無機酸化物および弱酸の金属塩のような他のヒドロキシド放出剤について、こ
の処方物または薬物送達系におけるヒドロキシド放出剤の量は、実質的には20
重量%ほど高く、いくつかの場合、25重量%以上高くあり得るが、一般的には
約2重量%〜20重量%の範囲である。
【0052】 さらに多量のヒドロキシド放出剤は、好ましくは薬物送達期間の間に、ヒドロ
キシド放出剤の放出の速度および/または量を制御することによって、使用され
得る。
【0053】 しかし、本明細書中の全てのヒドロキシド放出剤について、任意の特定の因子
の最適量は、この処方物またはパッチ中の塩基の強さまたは弱さ、塩基の分子量
、および任意の他の酸性種に依存する。すべての場合において、適用の間に身体
表面を所望のpHに達するように、約8.0〜13の範囲、好ましくは約8.0
〜11.5の範囲、より好ましくは約8.5〜11.5の範囲の皮膚表面のpH
を提供するために処方物または薬物送達系が十分であるべきことを確実にするこ
とによって、当業者は任意の特定のヒドロキシド放出剤の最適量を容易に決定し
得る。これは、今度は身体表面への損傷の可能性が排除されるかまたは少なくと
も実質的に最小化された上で、増大の程度が最適化されることが保証される。
【0054】 他のエンハンサーは、このヒドロキシド放出剤の代替として、またはこのヒド
ロキシド放出剤に加えて、使用され得る。これらのエンハンサーとしては、例え
ば以下が挙げられる:ジメチルスルホキシド(DMSO)およびデシルメチルス
ルホキシド(C10MSO)のようなスルホキシド;ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル(Transcutol(登録商標)として市販)およびジエチ
レングリコールモノメチルエーテルのようなエーテル;ラウリン酸ナトリウム、
ラウリル硫酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンズアル
コニウムクロリド、Poloxamer(231、182、184)、Twee
n(20、40、60、80)およびレシチン(米国特許第4,783,450
号)のような界面活性剤;1−置換アザシクロへプタン−2−オン(特に、1−
n−ドデシルシクラザシクロヘプタン(dodecylcyclazacycl
oheptan)−2−オン(Azone(登録商標)の商標でNelson
Research&Development Co.,Irvine,Cali
f.から入手可能;米国特許第3,989,816号、同第4,316,893
号、同第4,405,616号および同第4,557,934号を参照のこと)
;エタノール、プロパノール、オクタノール、ベンジルアルコールなどのような
アルコール;ラウリン酸、オレイン酸および吉草酸のような脂肪酸;ミリスチン
酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、およびオレ
イン酸エチルのような脂肪酸エステル;プロピレングリコール、エチレングリコ
ール、グリセロール、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、およびポリエ
チレングリコールモノラウレート(PEGML;米国特許第4,568,343
号を参照のこと)のようなポリオールおよびそのエステル;尿素、ジメチルアセ
トアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)、2−ピロリドン、1−
メチル−2−ピロリドン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエ
タノールアミンのようなアミドおよび他の窒素性化合物;テルペン;アルカノン
;および有機酸(特に、サリチル酸およびサリチレート、クエン酸ならびにコハ
ク酸)。本明細書中で先に記載したように、Percutaneous Pen
etration Enhances,Smithら偏(CRC Press,
1995)は、この分野の優れた概要および本発明と組合せて使用するための、
可能な第2のエンハンサーに関するさらなる情報を提供する。
【0055】 しかし、任意の他の浸透エンハンサーを用いることなく、ヒドロキシド放出剤
が浸透エンハンサーとして使用されることが好ましい。
【0056】 さらに、本発明の処方物または薬物送達系と接触する身体表面(すなわち、身
体表面と、この処方物または薬物送達系との間の界面)のpHが、約8.0〜1
3、好ましくは約8.0〜11.5、最も好ましくは約8.5〜11.5の範囲
にあることが好ましい。同様に、送達系に含まれる処方物または薬物組成物のp
Hが、約8.0〜13、好ましくは約8.0〜11.5、最も好ましくは約8.
5〜11.5の範囲にあることが好ましい。
【0057】 (活性因子:) 投与される活性因子は、ラセミのフェニルプロパノールアミン(すなわち、フ
ェニルプロパノールアミンの4つの異性体(これは、上記のように、(+)−ノ
ルエフェドリン、(−)−ノルエフェドリン、(+)−ノルプソイドエフェドリ
ン、および(−)−ノルプソイドエフェドリンである)のうちの、任意の2つ以
上の混合物)でありる。普通は、この活性因子は(±)−フェニルプロパノール
アミン(すなわち、(−)−ノルエフェドリンおよび(+)−ノルエフェドリン
のラセミ混合物)である。
【0058】 所望の場合、このラセミのフェニルプロパノールアミンは、多くの他の活性因
子のいずれかと同時投与され得る。これらのさらなる活性因子としては、皮膚を
含む身体表面および膜を通して通常送達される化合物の広いクラスが含まれる。
一般に、これらとしては、以下が挙げられる:鎮痛剤;麻酔剤;抗関節炎剤;呼
吸剤(ぜん息治療剤を含む);抗癌剤(抗腫瘍剤を含む);コリン作用抑制剤;
鎮痙薬;抗うつ薬;抗糖尿病剤;下痢止め剤;駆虫薬;抗ヒスタミン薬;抗高脂
血症剤;抗高血圧剤;抗生物質および抗ウイルス剤のような抗感染剤;抗炎症剤
;抗偏頭痛製剤;制嘔吐剤;抗腫瘍剤;抗パーキンソン病剤;かゆみ止め;抗精
神病薬;解熱剤;鎮痙薬;抗結核剤;抗潰瘍剤;抗ウイルス剤;抗不安薬;食欲
抑制剤;注意欠陥障害(ADD)および注意欠陥過活動性障害(ADHD)剤;
心臓血管製剤(カルシウムチャネルブロッカー、CNS剤を含む);βブロッカ
ーおよび抗不整脈剤;中枢神経系刺激剤;咳および感冒製剤(うっ血除去薬を含
む);利尿薬;遺伝物質;薬草療法剤;ホルモン溶解剤(hormonolyt
ics);催眠薬;低血糖;免疫抑制剤;ロイコトリエン阻害剤;有糸分裂阻害
剤;筋肉弛緩剤;麻酔拮抗薬;ニコチン;栄養剤(例えば、ビタミン、必須アミ
ノ酸および脂肪酸);眼薬(例えば、抗緑内障剤);副交感神経遮断剤;ペプチ
ド薬物;神経刺激薬;鎮静剤;ステロイド;交感神経作用剤;精神安定薬;およ
び血管弛緩薬(一般に冠状、末端、大脳を含む) 本発明の系および方法を用いる、フェニルプロパノールアミンと同時投与のた
めに好ましい活性因子のクラスは、フェニルプロパノールアミンのような、食欲
抑制薬ならびにアレルギーおよび感冒製剤において通常使用される薬物である。
フェニルプロパノールアミンとの同時投与のための好ましい活性因子の特定の例
としては、マレイン酸ブロムフェニルアミン、マレイン酸クロルフェニラミン、
フマル酸クレマスチン、アセトアミノフェン、アスピリン、グアイフェネシン、
塩酸フェニレフリン、および臭化水素酸デキストロメトルファンが挙げられるが
これらに限定されない。
【0059】 (処方物) ラセミ化合物のフェニルプロパノールアミンの送達方法は、種々であり得るが
、所望の局所的または全身的効果を提供するのに十分な時間の間、皮膚または他
の組織の所定領域に水酸化物放出剤を含む処方物または薬物送達系の適用を必ず
含む。この方法は、軟膏、ゲル、クリームなどとして組成物の直接的な局所適用
を含み得るか、または薬物送達デバイスの使用を含み得る。いずれの場合におい
ても、水酸化物放出剤が水酸化物イオンを生成し、患者の体表面を通る活性薬剤
の流動を増強するために、水が存在しなければならない。従って、処方物または
薬物レザバは、水性であり得る(すなわち水を含み得る)かまたは非水性であり
得、体表面から蒸発する水分が薬物投与の間、処方物内または経皮システム内に
維持されるように閉鎖性のオーバー層(occlusive overlaye
r)と組み合わせて使用され得る。しかし、いくつかの場合(例えば、閉鎖性ゲ
ル)において、非水性処方物は、閉鎖性層とともにまたは伴わないで使用され得
る。
【0060】 適切な処方物としては、軟膏、クリーム、ゲル、ローション、ペーストなどが
挙げられる。軟膏は、薬学的処方物の分野で周知なように、代表的にはペトロラ
タムまたは他のペトロラタム誘導体に基づく半固体調製物である。使用される特
定の軟膏基剤は、当業者によって理解されるように、最適な薬物送達を提供し、
好ましくは、他の所望の特性(例えば、軟化性など)も同様に提供する。他のキ
ャリアまたはビヒクルと同様に、軟膏基剤は、不活性で、安定であり、非刺激性
でそして非感作性であるべきである。Remington:The Scien
ce and Practice of Pharmacy,l9th Ed.
(Easton,PA:Mack Publishing Co.,1995)
,1399−1404頁に説明されるように、軟膏基剤は、4つのクラス(油性
基剤;乳化可能な基剤;エマルジョン基剤;および水溶性基剤)に分類され得る
。油性軟膏基剤には、例えば、植物油、動物から得られる脂肪、および石油から
得られる半固体炭化水素が挙げられる。乳化可能軟膏基剤(吸収性軟膏基剤とし
ても公知)は、ほとんどまたは全く水を含まず、例えば、ヒドロキシステアリン
スルフェート、無水ラノリンおよび親水性ペトロラタムを含む。エマルジョン軟
膏基剤は、油中水滴型(W/O)エマルジョンまたは水中油滴型(O/W)エマ
ルジョンのいずれかであり、例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリ
セリル、ラノリンおよびステアリン酸が挙げられる。好ましい水溶性軟膏基剤は
、種々の分子量のポリエチレングリコールから調製される;再び、さらなる情報
について、Remington:The Science and Pract
ice of Pharmacyを参照のこと。
【0061】 クリームは、当該分野で周知であるように、水中油滴型または油中水滴型のい
ずれかで、粘稠性の液体または半固体エマルジョンである。クリーム基剤は、水
洗浄可能であり、油相、乳化剤および水相を含む。油相(「内」相とも呼ばれる
)は、一般的に、ペトロラタムおよびセチルアルコールまたはステアリルアルコ
ールのような脂肪族アルコールから構成される。水相は、通常、必ずしもではな
いが、油相の容積を越え、そして一般的に湿潤剤を含む。クリーム処方物中の乳
化剤は、一般的に、非イオン性、アニオン性、カチオン性、または両性界面活性
剤である。
【0062】 薬学処方物の当業者に理解されるように、ゲルは、半固体、懸濁液型の系であ
る。単相ゲルは、キャリア液体中にわたって実質的に均一に分散した有機高分子
を含む。このキャリア液体は、代表的には、水性であるが、好ましくは、アルコ
ール、必要に応じて油を含む。好ましい「有機高分子」(すなわち、ゲル化剤)
は、架橋アクリル酸ポリマー(例えば、Carbopol(登録商標)商標下で
市販で得られ得るカルボキシポリアルキレンのような「カルボマー」ファミリー
のポリマー)である。ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン−ポリオキシ
プロピレンコポリマーおよびポリビニルアルコールのような親水性ポリマー;ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース フタレート、およ
びメチルセルロースのようなセルロースポリマー;トラガカントおよびキサンタ
ンガムのようなガム;アルギン酸ナトリウム;およびゼラチンが好ましい。均一
なゲルを調製するために、アルコールまたはグリセリンのような分散剤が加えら
れ得るか、またはゲル化剤が、粉砕、機械的混合または攪拌あるいはこれらの組
み合わせによって分散され得る。
【0063】 ローションは、当該分野で公知のように、摩擦なしに皮膚表面に適用される調
製物であり、代表的には、固体粒子(活性薬剤を含む)が水またはアルコール基
剤中に存在する液体または半流動性調製物である。ローションは、通常、固体の
懸濁液であり、好ましくは、本発明の目的のために、水中油型の液体油状エマル
ジョンを含む。ローションは、本明細書中で、より多くの流体組成物を適用する
のが容易であるので、大きな体の面積を処置するために好ましい処方物である。
ローション中の不溶性物体が細かく分割されることが一般的に必要である。ロー
ションは、代表的に、より良い分散を作り出すための懸濁剤、ならびに例えば、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのような、活性
薬剤を皮膚と接触させて局在化させて保持するのに有用な化合物を含む。
【0064】 ペーストは、活性薬剤が適切な基剤に懸濁される半固体投薬形態である。基剤
の性質に依存して、ペーストは、脂肪ペーストまたは単相の水性ゲルから作製さ
れるものとの間で分けられる。脂肪ペーストの基剤は一般的に、ペトロラタムま
たは親水性ペトロラタムなどである。単相水性ゲルから作製されるペーストは、
一般的に、カルボキシメチルセルロースなどを基剤として組み込む。
【0065】 処方物はまた、リポソーム、ミセル、および微粒子を用いて調製され得る。リ
ポソームは、脂質二重層を含む脂質壁を有する微視的小胞であり、そして本明細
書中で同様に薬物送達系として使用され得る。本発明における使用のためのリポ
ソーム調製物としては、カチオン性(陽性に荷電した)、アニオン性(陰性に荷
電した)および中性の調製物が挙げられる。カチオン性のリポソームは、容易に
入手可能である。例えば、N[1−2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N
,N,N−トリエチルアンモニウム(DOTMA)リポソームが、商標Lipo
fectin(登録商標)(GIBCO BRL、Grand Island、
NY)下で入手可能である。同様に、アニオン性および中性リポソームは、同様
に、例えば、Avanti Polar Lipids(Birmingham
、AL)から容易に入手可能であるか、あるいは容易に入手可能な物質を使用し
て容易に調製され得る。このような物質としては、とりわけ、ホスファチジルコ
リン、コレステロール、ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスフ
ァチジルコリン(DOPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DO
PG)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)が挙げられ
る。これらの物質はまた、適切な比でDOTMAと混合され得る。これらの物質
を用いてリポソームを作製するための方法は、当該分野において周知である。
【0066】 ミセルは、極性の頭部が外側球状殻を形成し、一方、疎水性炭化水素鎖が球の
中心に向かって配向し、コアを形成するように配置された界面活性剤分子から構
成され、当該分野で公知である。ミセルは、ミセルが自然に生じるように十分高
い濃度で界面活性剤を含む水溶液中で形成される。ミセルを形成するのに有用な
界面活性剤としては、限定しないが、ラウリン酸カリウム、ナトリウムオクタン
スルホネート、ナトリウムデカンスルホネート、ナトリウムドデカンスルホネー
ト、ナトリウムラウリルスルフェート、ドキュセートナトリウム、デシルトリメ
チルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テ
トラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラデシルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ドデシルアンモニウムクロライド、ポリオキシル8ドデシル
エーテル、ポリオキシル12ドデシルエーテル、ノンオキシノール10およびノ
ンオキシノール30が挙げられる。ミセル処方物は、局所または経皮送達系の容
器にかあるいは体表面に適用される処方物に組み込むことのいずれかにより、本
発明と組み合わせて使用され得る。
【0067】 微粒子は、同様に、本発明の処方物および薬物送達系に組み込まれ得る。リポ
ソームおよびミセルと同様に、微粒子は、基本的に、薬物または薬物含有処方物
をカプセル化する。これらは、一般的に、必ずではないが、脂質(好ましくは、
リン脂質のような荷電脂質)から形成される。脂質性微粒子の調製は、当該分野
において周知であり、関連するテキストおよび文献に記載される。
【0068】 当業者に公知の種々の添加剤が、フェニルプロパノールアミン化合物に含まれ
得る。例えば、比較的少量のアルコールを含む溶媒は、この薬剤の可溶化を促進
するために使用され得る。他の任意の添加剤としては、乳白剤、抗酸化剤、芳香
剤、着色剤、ゲル化剤、濃化剤、安定化剤などが挙げられる。他の薬剤(例えば
、抗菌剤)はまた、貯蔵時にだめになることを防ぐために、すなわち酵母および
カビのような微生物の増殖を防ぐために加えられ得る。適切な抗菌剤は、代表的
には、p−ヒドロキシ安息香酸のメチルおよびプロピルエステル(すなわち、メ
チルおよびプロピルパラベン)、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、イミドウレ
ア、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0069】 処方物中の活性因子の濃度は、非常に変化し得、そして、種々の因子(処置さ
れる疾患または状態、所望の効果、その意図される標的に達するための活性因子
の能力およびスピード、ならびに患者および医師の特定の知識内の他の因子を含
む)に依存する。好ましい処方物は、代表的に、ラセミ化合物のフェニルプロパ
ノールアミンを約10wt%〜30wt%、必要に応じて、約15wt%〜25
wt%のオーダーで含む。
【0070】 (経皮送達系) ラセミ化合物のフェニルプロパノールアミンを経皮的に投与するための代替的
かつ好ましい方法は、薬物送達系(例えば、局所的または経皮性「パッチ」)の
使用を含み、ここで、活性因子は、皮膚に貼られるラミネート構造内に含まれる
。このような構造において、薬物組成物は、層、すなわち上部のバッキング層の
基礎を成す「リザーバ」に含まれる。ラミネート構造は、単一のリザーバを含ん
でもよいし、または複数のリザーバを含んでもよい。
【0071】 1つの実施形態において、リザーバは、薬物送達間に系を皮膚に貼るために機
能する薬学的に受容可能な接着剤材料の重合体マトリックスを含み;代表的には
、接着剤材料は、長期の皮膚接触について適切な圧力感受性接着剤(PSA)で
あり、これは、活性因子と、水酸化物放出因子、および任意のキャリア、ビヒク
ルまたは存在する他の添加物と、物理的および化学的に適合性であるべきである
。適切な接着剤材料の例としては、以下を含むがこれらに限定されない:ポリエ
チレン;ポリシロキサン;ポリイソブチレン;ポリアクリレート;ポリアクリル
アミド;ポリウレタン;可塑化エチレンビニルアセテートコポリマー;ならびに
ポリイソブテン、ポリブタジエン、ポリスチレン−イソプレンコポリマー、ポリ
スチレン−ブタジエンコポリマー、およびネオプレン(ポリクロロプレン)のよ
うな粘着性ゴム。好ましい接着剤は、ポリイソブチレンである。
【0072】 バッキング層は、経皮系の主要な構造エレメントとして機能し、可撓性および
好ましくは閉鎖性を有するデバイスを提供する。バッキング層のために使用され
る材料は、不活性であり、薬物、水酸化物放出因子またはデバイス内に含まれる
処方物の成分を吸収し得ない。好ましくは、このバッキングは、パッチの上部表
面を通る伝達を介した薬物および/またはビヒクルの喪失を防止するための保護
カバーとして有用である可撓性エラストマー材料から構成され、好ましくは、系
に対してある程度の閉鎖性を与え、その結果、パッチによってカバーされた体表
面の領域は、使用の間に水分補給される。バッキング層について使用される材料
は、デバイスが皮膚の輪郭に従うのを可能とすべきであり、そして、曲げの関節
または他の部分におけるような皮膚の領域上に快適に着用され、皮膚およびデバ
イスの可撓性または弾力における差異に起因して皮膚からデバイスがはがれる可
能性がほとんどないかまたは全くない、機械的圧力に通常供される。バッキング
層として使用される材料は、閉鎖性バッキングが好ましいが、上記のように閉鎖
性または浸透性であり、そして一般的に合成ポリマーに由来する(例えば、ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプレピレン、ポリウレタン、ポリビニリジンクロ
ライド、およびポリエステルアミド)、天然のポリマー(例えば、セルロース性
材料)、またはマクロ多孔性織物材料および非織物材料のいずれかである。
【0073】 貯蔵の間および使用の前に、ラミネート構造は、放出ライナーを含む。使用の
直前に、この層をデバイスから取り出し、その結果、系は皮膚に貼られる。放出
ライナーは、薬物/ビヒクル不浸透性材料から作製されるべきであり、そして適
用の前にデバイスを保護するためだけに有用な使い捨てエレメントである。代表
的には、この放出ライナーは、薬理学的に活性な因子および水酸化物放出因子に
対して不浸透性材料から形成されており、これは、使用の前に経皮パッチから容
易にはがされる。
【0074】 代替的な実施形態において、接着剤はリザーバの基礎をなし、薬物含有リザー
バおよび皮膚接触接着剤は、分離した別個の層として存在し得る。このような場
合では、リザーバは、上記のように重合体マトリックスであり得る。あるいは、
リザーバは、閉鎖された区分、すなわち「ポーチ」に含まれる液体または半流動
処方物から構成され得るか、または、ヒドロゲルリザーバであり得るか、もしく
は、いくらか他の形態を取り得る。ヒドロゲルリザーバは、本明細書中において
特に好ましい。当業者によって理解されるように、ヒドロゲルは、水を吸収する
マクロ分子ネットワークであり、従って、肥大するが水中で溶解しない。すなわ
ち、ヒドロゲルは、水吸収を提供する親水性官能基を含むが、ヒドロゲルは、水
不溶性を生じる架橋ポリマーから構成される。次いで、一般的に、ヒドロゲルは
、ポリウレタン、ポリビリルアルコール、ポリアクリル酸、ポリオキシエチレン
、ポリビニルピロリドン、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)(ポリ(H
EMA))のような架橋親水性ポリマー、またはそれらのコポリマーもしくは混
合物から構成される。特に好ましい親水性ポリマーは、HEMAおよびポリビリ
ルピロリドンのコポリマーである。
【0075】 さらなる層(例えば、中間構造層および/または速度制御膜)はまた、これら
の薬物送達系のいずれかに存在し得る。構造層は、このデバイスの組立てを容易
にするために使用され得、一方、速度制御膜は、成分がこのデバイスの外へ浸透
する速度を制御するために使用され得る。この成分は、薬物、ヒドロキシド放出
剤、さらなる促進剤、またはこの薬物送達系に含まれるいくつかの他の成分であ
り得る。
【0076】 速度制御膜は、存在する場合、薬物レザバのうちの1つ以上の皮膚側で、この
系に含まれる。このような膜を形成するために使用される材料は、薬物処方物に
含まれる1つ以上の成分の流量を制限するように選択される。速度制御膜の形成
のために有用な代表的な材料としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン
およびポリプロピレン)、ポリアミド、ポリエステル、エチレン−エタクリレー
トコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−ビニル酢酸メチル
コポリマー、エチレン−ビニル酢酸エチルコポリマー、エチレン−ビニル酢酸プ
ロピルコポリマー、ポリイソプレン、ポリアクリロニトリル、エチレン−プロピ
レンコポリマーなどが挙げられる。
【0077】 一般に、経皮デバイスの基礎をなす表面(すなわち、皮膚接触領域)は、約5
cm〜200cm、好ましくは5cm〜100cm、より好ましくは2
0cm〜60cmの範囲の領域を有する。これらの領域は、当然のことなが
ら、送達される薬物の量、および体表面を介する薬物の流量で変化する。より大
きなパッチは、より多量の薬物を収容する必要があり、一方、より小さなパッチ
は、より少量の薬物および/または比較的高い浸透速度を示す薬物について使用
され得る。
【0078】 このような薬物送達系は、従来のコーティングおよび当該分野で公知のラミネ
ート技術を使用して作製され得る。例えば、接着性マトリックス系は、接着剤、
薬物およびビヒクルの流体混合物のバッキング層へのキャスティング、続いて剥
離ライナーの積層によって調製され得る。同様に、この接着性混合物は、剥離ラ
イナー上にキャスティングされ、続いてバッキング層に積層され得る。あるいは
、この薬物レザバは、薬物または賦形剤の非存在下で調製され得、次いで薬物/
ビヒクル混合物への「浸漬」によって充填される。一般に、本発明の経皮系は、
溶媒のエバポレーション、フィルムのキャスティング、溶融押出し、薄いフィル
ムの積層、打抜きなどによって作製される。ヒドロキシド放出剤は、一般に、こ
のデバイスの調製の後ではなく、パッチ製造の間にこのデバイスに組み込まれる
。従って、塩基性薬物の酸付加塩について(例えば、フェニルプロパノールアミ
ン塩酸塩のようなアミン薬物の塩酸塩)、このヒドロキシド放出剤は、この薬物
送達系の製造の間にこの薬物を中和し、浸透促進剤として役立つための過剰のヒ
ドロキシド放出剤と共に、この薬物が非イオン化された中性の形態で存在する最
終的な薬物送達系を生じる。非イオン化酸性薬物について、このヒドロキシド放
出剤は、このような薬物を塩形態のイオン化薬物に変換することによって中和す
る。
【0079】 好ましい送達系において、この送達系のバッキング層としてまた役立つ接着性
オーバー層(overlayer)は、このパッチを体表面により確実に固定す
るために使用される。このオーバー層は、このオーバー層が薬物レザバを超えて
伸長し、このオーバー層上の接着剤が体表面に接触するようにサイズ決めされる
。この接着剤/薬物レザバ層は、水和に起因して適用の数時間後にその接着性を
失い得るので、このオーバー層は有用である。このような接着性オーバー層を組
み込むことによって、この送達系は、必要な期間適切な場所にとどまる。
【0080】 経皮薬物送達系の他の型および他の構成もまた、本発明の方法(すなわち、経
皮薬物送達の分野の当業者に理解されるように、浸透促進剤としてのヒドロキシ
ド放出剤の使用)と関連して使用され得る。例えば、Ghosh,Transd
ermal and Topical Drug Delivery Syst
ems(Interpharm Press,1997),特にChapter
2および8を参照のこと。
【0081】 上記の節で議論される本発明の処方物を用いる場合、これらの積層系の薬物レ
ザバ内に薬物およびラセミ体のフェニルプロパノールアミンを含む組成物は、多
くの成分を含み得る。いくつかの場合、この薬物およびヒドロキシド放出剤は、
「ニート」、すなわちさらなる液体の非存在下で送達され得る。しかし、ほとん
どの場合、この薬物は、適切な薬学的に受容可能なビヒクルに溶解、分散、また
は懸濁され、代表的には溶液またはゲルである。存在し得る他の成分としては、
保存剤、安定剤、界面活性剤などが挙げられる。
【0082】 (有用性および投与) 本発明の処方物および送達システムは、フェニルプロパノールアミンの投与に
対して応答性である任意の状態、疾患または障害を処置するためのラセミ体のフ
ェニルプロパノールアミンの経皮投与のために有用である。典型的には、本発明
の処方物および送達システムは、食欲抑制剤(すなわち、食欲抑制のため)とし
て、うっ血除去剤として、抗不安薬として、または疲労および混乱状態を軽減す
るため、フェニルプロパノールアミンを投与するために使用される。最も一般的
には、この薬物は、この薬物は、食欲抑制剤またはうっ血除去剤のいずれかとし
て使用される。
【0083】 一日あたりの投与される投薬量は、もちろん、患者の障害または状態、その症
状の重篤度、被験体の年齢、体重および一般的な条件、および処方する医師の判
断に依存して変化する。経皮薬物送達に特異的な他の因子としては、薬物送達シ
ステム中のキャリアおよび接着層の溶解度および透過性、および使用した場合に
は、このようなデバイスを皮膚または他の身体表面に装着するためにかかる時間
が挙げられる。一般的に、本発明の処方物および送達システムを使用するラセミ
体のフェニルプロパノールアミンの一日の投薬量は、約10mg/日〜約250
mg/日、好ましくは、約25mg/日〜約200mg/日の範囲である。
【0084】 従って、本発明は、ヒトまたは動物の身体表面(皮膚または粘膜組織)を介し
てラセミ体のフェニルプロパノールアミンを投与するための新規かつ高効率の手
段を提供する。驚くべきことに、基本的なエンハンサーの投与によって達成され
る浸透の増加は、いずれの顕著な組織損傷、刺激または感作によっても達成され
ない。従って、本発明は、経皮薬物送達の分野において重要な進歩を提供する。
【0085】 本発明の実施は、他に示されない限り、薬物処方(特に局所的および経皮薬物
処方)の従来の技術を用い、これらの技術は当業者の範囲内である。このような
技術は、文献に十分に説明されている。前出のRemington:The S
cience and Practice of Pharmacy、ならびに
Goodman&GilmanのThe Pharmacological B
asis of Therapeutics,9th Ed.(New Yor
k:McGraw−Hill,1996)を参照のこと。
【0086】 本発明は、好ましい特定の実施形態、上記の記載、ならびに以下の実施例(本
発明の範囲を例示することを意図するが、限定することを意図しない)と組合せ
て記載されることが、理解されるべきである。他の局面、利点および改変は、本
発明の関する当業者に理解される。
【0087】 以下の実施例は、本発明の化合物の作成および使用の方法の完全な開示および
記載を当業者に提供するために表され、そしてこの実施例は、本発明者が本発明
であるとみなす範囲を限定するようには意図されない。数(例えば、量、温度な
ど)についての正確さを確実にするための努力がなされたが、ある程度の誤差お
よび偏位が考慮されるべきである。他に示されない限り、部は重量部であり、温
度は℃であり、そして圧力は大気圧または大気圧付近である。
【0088】 (実施例1) インビトロでの皮膚浸透研究を、4つのフェニルプロパノールアミンヒドロク
ロリド(PPA−HCl)経皮系を使用して行った。これらの系を調製するため
に使用した処方を表1に列挙し、この表は、この処方物の各成分の重量および重
量パーセントを含む。水酸化ナトリウムの重量は、処方物#PPA−N7、−N
1、−N2、および−N5について、それぞれ0g、0.0165g、および0
.195gであった。各処方物を剥離ライナー上にコーティングし、そしてオー
ブン中55℃で2時間乾燥させて、水および他の溶媒を除去した。乾燥した接着
剤中薬物/剥離ライナーフィルムを、バッキングフィルムに積層した。次いで、
このバッキング層/接着剤中薬物/剥離ライナー積層物を、11/16インチの
直径を有するディスクに切断した。乾燥後の、各成分の理論重量パーセント(乾
燥の間に全ての揮発性成分が完全に除去されたと想定して算出した)を表2に示
す。
【0089】 これらのディスクからの、ヒト死体の皮膚を通るフェニルプロパノールアミン
ヒドロクロリド(PPA−HCl)のインビトロ浸透を、1cmの拡散面積の
Franz型拡散セルを用いて行った。レシーバ溶液の容量は8mlであった。
ヒト死体の皮膚を適切なサイズに切り、そして角質層側を上にして平坦な面に置
いた。剥離ライナーをディスク積層体からはがした。接着剤側が角質層を向くよ
うにしてこのバッキング層/接着剤中薬物フィルムを皮膚上に置き、そして押し
付けた。この皮膚/接着剤/バッキング層積層体を、この皮膚側がレシーバ溶液
を向くようにして、ドナーと拡散セルのレシーバチャンバとの間をクランプした
。3つの拡散セルを、各処方物について用いた。
【0090】 このセルを、DI水の溶液で満たした。このレシーバ溶液を完全に取り除き、
そして各時点で新鮮なDI水で置換した。採取したサンプルをHPLCによって
分析し、レシーバ溶液中のPPA−HClの濃度を決定した。ヒト死体の皮膚を
通って浸透したPPA−HClの累積量を、測定したレシーバ溶液中のPPA−
HCl濃度を用いて算出し、これを時間に対してプロットし、そして図1に示し
た。
【0091】 PPA−HClは、遊離塩基の酸付加塩であるので、NaOHと反応する。こ
の反応後の系中のNaOHの濃度は、添加したPPA−HClの量に完全に依存
した。この反応後に残ったNaOHの濃度は、上記の実施例において説明される
ように計算された「過剰NaOH濃度」として規定される。3つのPPA−HC
l系(#PPA−N7、−N1,−N2および−N5)に関する過剰NaOH濃
度が、計算され、そして表3に列挙した。
【0092】 パッチのpHを、以下の手順を用いて測定した。2.5cmの円形パッチを
打ち出した。10mlの精製水をガラスのバイアル中にピペットで取り、そして
攪拌棒を入れた;パッチからライナーを除去し、そしてパッチと共にバイアルに
入れた。次いで、このバイアルを攪拌プレート上に置き、そして水/パッチ/ラ
イナー混合物を5分間攪拌し、そしてこの時点でライナーをバイアルから除去し
て廃棄した。このバイアルを再び攪拌プレート上に置き、そして攪拌をさらに1
8時間続けた。18時間後、この攪拌棒をバイアルから除去し、そしてこの溶液
のpHを較正pHメーターを用いて決定した。PPA−HCl経皮系について測
定したpHを、表3に列挙する。
【0093】 (表1) (4つのPPA−HCl経皮系に関する、各成分の重量および重量%(全溶液
に基づく))
【0094】
【表1】
【0095】 (表2) (4つのPPA−HCl経皮系に関する、乾燥フィルム中の各成分の重量およ
び理論重量%)
【0096】
【表2】
【0097】 (表3) (4つのPPA−HCl経皮系に関する、過剰なNaOH濃度およびpH)
【0098】
【表3】
【0099】 パッチ#PPA−N1が6.3% NaOH(表2)を含む場合、この処方物
(1.35mg/cm、図1)から、24時間でヒトの死体を浸透するPPA
−HClの累積量は、NaOH(PPA−N7、0.56mg/cm)を含ま
ない処方物の累積量よりもわずかに高いのみであった。このことは、NaOHと
PPA−HClとの間の反応による、NaOHの消費に起因し得、これにより、
NaOHの濃度が、表3に示される過剰なNaOHの濃度の場合の唯一0.20
%まで減少した。この結果により、PPA−HClの浸透が、過剰のNaOH濃
度で、0.20%程度の低さで増強していることを示した。
【0100】 ヒト死体の皮膚を横切るPPA−HClの累積量は、乾燥パッチ中の算出した
水酸化ナトリウム濃度が0.20%から2.62%に増加した場合、24時間で
1.35mg/cmから5.99mg/cmに増加した。1.33%の過剰
のNaOH濃度(PPA−N2、5.2mg/cm)を含む処方物から24時
間でヒト死体の皮膚を横切るPPA−HClの累積量は、0.20%の過剰なN
aOH濃度(PPA−N1、1.35mg/cm)を含む処方物からの累積量
の約5倍高かった。
【0101】 PPA−HClパッチのpHは、乾燥パッチ中の算出した水酸化ナトリウム濃
度が0.20%から2.62%に増加した場合に、10.08〜10.88に増
加した。皮膚の照射は、過剰なNaOHに依存して、パッチのpHに関連し得る
【0102】 (実施例2) インビトロでの皮膚浸透研究を、フェニルプロパノールアミンヒドロクロリド
(PPA−HCl)経皮系を用いて行った。これらの系を調製するために使用し
た処方を表4に列挙し、この表は、処方物の各成分の重量および重量パーセント
を含む。炭酸ナトリウム(NaCO)の重量は、処方物#PPA−PC1、
−PC2、−PC3、および−PC4について、それぞれ0g、0.29g、0
.44g、および0.74gであった。この基質のパッチを調製し、そして上記
実施例3と同一の手順を使用して評価した。乾燥後の、各成分の理論重量パーセ
ント(乾燥の間に全ての揮発性成分が完全に除去されたと想定して算出した)を
表5に示す。ヒト死体の皮膚を通るPPA−HClのインビトロ浸透を、レシー
バ溶液中で測定したPPA−HClの濃度を使用して計算し、これを、表6およ
び図2に示す。
【0103】 PPA−HClは遊離酸であるため、これはNaCOと反応する。反応後
のこの系中のNaCOの濃度は、添加したPPA−HClの量に完全に依存
する。反応完了後の残余NaCO濃度は、「過剰のNaCO濃度」とし
て規定され、これは以下の式によって算出される。
【0104】 [NaCO3過剰]=[NaCO3全量]−[NaCO3中和に 必要 ] 4つのPPA−HCl系、#PPA−PC1、−PC2、−PC3、および−P
C4についての過剰なNaCO濃度を算出し、表7に示した。
【0105】 各パッチのpHを、実施例1の手順を使用して測定した。この結果をまた、表
7に示す。
【0106】 (表4) (4つのPPA−HCl経皮系に関する、各成分の重量および重量%(全溶液
に基づく)
【0107】
【表4】
【0108】 (表5) (4つのPPA−HCl経皮システムについての乾燥フィルム中の各成分の重
量および理論上の重量パーセント)
【0109】
【表5】 (表6) (PPA−HCl経皮システムについてのヒト死体皮膚を横切るPPA−HC
lの推定量(μg/cm))
【0110】
【表6】 (表7) (4つのPPA−HCl経皮システムの過剰NaCO濃度およびpH)
【0111】
【表7】 パッチ#PPA−PC2は、13.2%のNaCOを含んだが(表5)、
24時間でヒト死体皮膚を横切って浸透したPPA−HClの推定量(410.
4μg/cm、表6)は、NaCOを含まない処方物からの量(PPA−
PC1、545.1μg/cm)よりも低かった。これは、NaCOとP
PA−HClとの間の反応によるNaCOの消費に起因し得、これは、Na CO濃度を、過剰のNaCO濃度として0.4%のみまでに減少した(
表7)。
【0112】 乾燥パッチ中の計算された過剰NaCO濃度を、0.4%から16.7%
までさらに増加した場合、24時間でヒト死体皮膚を横切って浸透したPPA−
HClの推定量は、410.4μg/cmから1147.5μg/cmに増
加された。この結果は、必要とされる過剰NaCO濃度がNaOHの濃度よ
りも高い場合でも、PPA−HClの浸透は、NaCOによって増強され得
たことを示した。NaCOは、NaOHと比較してより弱い塩基であり、そ
してNaCOの分子量は、NaOHの分子量よりも高いので、より多い量の
NaCOが必要とされ得る。
【0113】 上記に列挙した手順を使用して測定したPPA−HClパッチのpHは、乾燥
パッチ中の計算された過剰NaCO濃度を0.4%から16.7%まで増加
した場合に、9.81から10.17に増加した。
【0114】 (実施例3) インビトロ皮膚浸透研究を、4つの塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA
−HCl)経皮システムを使用して行った。これらのシステムを調製するために
使用される処方物を、表8に列挙し、これは、それらの処方物中の各成分の重量
および重量パーセントを示す。リン酸三カリウム(KPO)の重量は、処方
物#PPA−PK1、−PK2、−PK3および−PK4について、それぞれ、
0g、0.57g、0.6gおよび0.66gであった。これらのマトリクスパ
ッチを調製して、そして実施例1に示した同じ手順を使用して評価した。乾燥後
の各成分についての理論上の重量パーセント(全ての揮発性成分は、乾燥中に完
全に除去されると仮定して計算した)を、表9に示す。ヒト死体皮膚を横切るP
PA−HClの推定量を、レシーバー溶液中の測定されたPPA−HCl濃度を
使用して計算し、これらを、表10および図3に示した。
【0115】 PPA−HClは、遊離塩基の塩であるので、これは、KPOと反応する
。反応が完了した後のこのシステム中のKPOの濃度は、添加されたPPA
−HClの量に依存する。反応が完了した後の残存するKPO濃度を、「過
剰KPO濃度」として定義し、以下の等式によって計算される: [KPO4過剰]=[KPO4全]−[KPO4中和に必要とされる
4つのPPA−HCLシステム、#PPA−PK1、−PK2、−PK3および
−PK4についての過剰KPO濃度を計算し、そして表8に列挙した。
【0116】 パッチのpHを、実施例1の手順を使用して決定し、そしてそれらの結果を、
表11に列挙した。
【0117】 (表8) (4つのPPA−HCl経皮システムについての各成分の重量および重量パー
セント(総溶液重量の基づく))
【0118】
【表8】 (表9) (4つのPPA−HCl経皮システムについての乾燥フィルム中の各成分の重
量および理論上の重量パーセント)
【0119】
【表9】 (表10) (PPA−HCl経皮システムについてのヒト死体皮膚を横切るPPA−HC
lの推定量(μg/cm))
【0120】
【表10】 (表11) (4つのPPA−HCl経皮システムの過剰NaCO濃度およびpH)
【0121】
【表11】 0.2%の計算された過剰KPO濃度を有するPPA−PK2についての
、24時間でヒト死体皮膚を横切って浸透したPPA−HClの推定量(205
5.2μg/cm、表10)は、KPOを含まない処方物からの量(PP
A−PKl、680.5μg/cm)よりも3倍高かった。この結果は、PP
A−HClのの浸透が、0.2%程度の低い過剰KPO濃度で増強され得た
ことを示した。
【0122】 乾燥パッチ中の過剰KPO濃度を、0.2%から3.2%まで増加した場
合、24時間でヒト死体皮膚を横切って浸透したPPA−HClの推定量は、ほ
ぼ同じままであった。
【0123】 上記に列挙した手順を使用して測定したPPA−HClパッチのpHは、乾燥
パッチ中のKPO濃度を0%から19.9%(すなわち、0.2%の過剰K PO濃度、表9および11)まで増加した場合に、6.75から9.68に
増加した。しかし、乾燥パッチ中の過剰KPO濃度を、0.2%から3.2
%までさらに増加した場合、このPPA−HClパッチのpHは、ほぼ同じまま
であった(表11)。
【0124】 (実施例4) インビトロでの皮膚透過研究を、4つの塩酸フェニルプロパノールアミン(P
PA−HCl)経皮系を用いて行った。これらの系を調製するために用いられる
処方物を、表12に列挙する。この表は、この処方物中の各成分の重量および重
量%を含む。三塩基のリン酸カルシウム(KPO)の重量は、処方物番号P
PA−PK1R、PPA−PK2R、PPA−PK5、およびPPA−PK6に
ついて、それぞれ、0g、0.57g、0.73gおよび1.05gであった。
マトリクスパッチを、実施例1に記載の示すのと同じ手順を用いて、調製および
評価した。乾燥後の各成分についての理論重量%(全ての揮発性成分は、乾燥の
間に完全に除去されると仮定して計算した)を、表13に列挙する。ヒト死体皮
膚を横切るPPA−HClの累積量を、レシーバ溶液中の測定したPPA−HC
l濃度を用いて計算した。これを表14および図4に示した。
【0125】 4つのPPA−HCl系(番号PPA−PK1R、PPA−PK2R、PPA
−PK5、およびPPA−PK6)についての過剰のKPO濃度を、実施例
3の手順を用いて計算し、そしてその結果を表26に列挙する。各パッチのpH
を、実施例1の手順を用いて決定し、そして結果を表15に列挙する。
【0126】
【表12】
【0127】
【表13】
【0128】
【表14】
【0129】
【表15】 0.2%の計算上の過剰KPO濃度を含むPPA−PK2R(2378.
4μg/cm、表14)について24時間でヒト死体皮膚を横切って浸透した
PPA−HClの累積量は、KPO(PPA−PK1R、1324.0μg
/cm)を用いない処方物由来の累積量よりも約2倍高かった。この結果は、
PPA−HClの浸透は、0.2%と同じ程度低い過剰KPO濃度を用いて
増大され得ることを示した。
【0130】 24時間でヒトの死体の皮膚を横切って浸透するPPA−HClの累積量は、
乾燥パッチ中の過剰KPO濃度が、0.2%から6.2%に増加した場合に
、ほぼ同じだった(表14および15)。乾燥パッチ中の過剰のKPO濃度
が、6.2%から16.4%にさらに増加した場合(表15)、24時間でヒト
死体皮膚を横切るPPA−HClの累積量は、2222.7μ/cmから16
28.0μ/cmに減少した。この流動(flux)における減少は、高濃度
のKPOが、接着マトリクスをより疎水性にし、そして皮膚の表面上の少量
の水により溶解され得るKPOの量を減少させたからであり得る。
【0131】 上記に列挙した手順を用いて測定したPPA−HClパッチのpHは、乾燥パ
ッチ中のKPO濃度が、0%から23%(または0.2%の過剰のKPO 濃度、表13および15)に増加した場合に、7から9.72に増加した。P
PA−HClパッチのpHは、乾燥パッチ中の過剰KPO濃度が、0.2%
から16.4%にさらに増加した場合に、9.72から10.44に増加した(
表15)。
【0132】 (実施例5) インビトロでの皮膚浸透に関する研究を、4つの塩酸フェニルプロパノールア
ミン(PPA−HCl)経皮系を用いて行った。これらの系を調製するために用
いた処方物を表16に列挙する。表16には、処方物中の各成分の重量および重
量パーセントが含まれる。酸化マグネシウム(MgO)の重量は、処方物#PP
A−PM1、−PM2、−PM3、および−PM4に対してそれぞれ0g、0.
11g、0.26g、および0.50gであった。マトリクスパッチを調製し、
そして実施例1に示すものと同様の手順を用いて評価した。乾燥後の各成分につ
いての理論上の重量パーセント(乾燥中に揮発性成分はすべて完全に除去された
と仮定して計算した)を表17に列挙する。ヒト死体の皮膚を通過したPPA−
HClの累積量を、レシーバー溶液中のPPA−HCl濃度の測定値を用いて算
出した。これを表18および図5に示した。
【0133】 PPA−HClは遊離塩基の塩なので、MgOと反応する。この系の反応終了
後のMgO濃度は、追加されたPPA−HClの量に依存する。反応終了後の残
存MgO濃度は、「過剰のMgO濃度」と定義され、次の等式により計算される
: [MgO過剰]=[MgO総量]−[MgO中和に必要とされた量] 4つのPPA−HCl系、#PPA−PM1、−PM2、−PM3、および−P
M4の過剰なMgO濃度を計算し、そして表19に列挙した。
【0134】 パッチのpHは実施例1の手順を用いて決定し、その結果を表19に列挙する
【0135】
【表16】
【0136】
【表17】
【0137】
【表18】
【0138】
【表19】 0.1%の計算上の過剰MgO濃度を用いてPPA−PM2(801.9μg
/cm、表18)について24時間でヒト屍体皮膚を横切って浸透したPPA
−HClの累積量は、MgO(PPA−PM1、129.8μg/cm)を用
いない処方物由来の累積量よりも約6倍高い。この結果は、PPA−HClの浸
透が、0.1%と同じ程度低い過剰MgO濃度を用いて増大させ得ることを示し
た。
【0139】 24時間で屍体の皮膚を横切るPPA−HClの累積量は、乾燥パッチ中の過
剰MgO濃度が、0.1%〜7.0%に増加した場合に、801.9〜2533
.4に増加した(表18および19)。乾燥パッチ中の過剰のMgO濃度が、7
.0%から16.2%にさらに増加した場合(表19)、24時間でヒト屍体皮
膚を横切るPPA−HClの累積量は、2533.4〜1831.3μg/cm に減少した。フラックス(flux)における減少は、高濃度のMgOが、接
着マトリクスをより疎水性にし、そして皮膚の表面上の少量の水により溶解され
得るMgOの量を減少させたからである。
【0140】 上記に列挙した手順を用いて測定したPPA−HClパッチのpHは、乾燥パ
ッチ中のMgO濃度が、0%〜5.4%(または0.1%の過剰MgO濃度、表
17および19)に増加した場合に、7.89%〜9.60%に増加した。PP
A−HClパッチのpHは、乾燥パッチ中の過剰MgO濃度が、0.1%〜16
.2%にさらに増加した場合に、ほぼ同じだった(表19)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例1に記載されるマトリックスパッチから浸透するラセミフェニ
ルプロパノールアミンの累積量を示すグラフである。
【図2】 図2は、実施例2に記載されるマトリックスパッチから浸透するラセミフェニ
ルプロパノールアミンの累積量を示すグラフである。
【図3】 図3は、実施例3に記載されるマトリックスパッチから浸透するラセミフェニ
ルプロパノールアミンの累積量を示すグラフである。
【図4】 図4は、実施例4に記載されるマトリックスパッチから浸透するラセミフェニ
ルプロパノールアミンの累積量を示すグラフである。
【図5】 図5は、実施例5に記載されるマトリックスパッチから浸透するラセミフェニ
ルプロパノールアミンの累積量を示すグラフである。
【手続補正書】
【提出日】平成14年6月20日(2002.6.20)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】 PPA−HClは、遊離塩基の酸付加塩であるので、NaOHと反応する。こ
の反応後の系中のNaOHの濃度は、添加したPPA−HClの量に完全に依存
した。この反応後に残ったNaOHの濃度は、上記の実施例において説明される
ように計算された「過剰NaOH濃度」として規定される。つのPPA−HC
l系(#PPA−N7、−N1,−N2および−N5)に関する過剰NaOH濃
度が、計算され、そして表3に列挙した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0098】
【表3】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0102】 (実施例2) インビトロでの皮膚浸透研究を、フェニルプロパノールアミンヒドロクロリド
(PPA−HCl)経皮系を用いて行った。これらの系を調製するために使用し
た処方を表4に列挙し、この表は、処方物の各成分の重量および重量パーセント
を含む。炭酸ナトリウム(NaCO)の重量は、処方物#PPA−PC1、
−PC2、−PC3、および−PC4について、それぞれ0g、0.29g、0
.44g、および0.74gであった。この基質のパッチを調製し、そして上記
実施例と同一の手順を使用して評価した。乾燥後の、各成分の理論重量パーセ
ント(乾燥の間に全ての揮発性成分が完全に除去されたと想定して算出した)を
表5に示す。ヒト死体の皮膚を通るPPA−HClのインビトロ浸透を、レシー
バー溶液中で測定したPPA−HClの濃度を使用して計算し、これを、表6お
よび図2に示す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0111】
【表7】 パッチ#PPA−PC2は、13.2%のNaCOを含んだが(表5)、
24時間でヒト死体皮膚を横切って浸透したPPA−HClの推定量(410.
4μg/cm、表6)は、NaCOを含まない処方物からの量(PPA−
PC1、545.1μg/cm)よりも低かった。これは、NaCOとP
PA−HClとの間の反応によるNaCOの消費に起因し得、これは、Na CO濃度を、過剰のNaCO濃度として0.4%のみまでに減少した(
表7)。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0121
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0121】
【表11】 0.2%の計算された過剰KPO濃度を有するPPA−PK2についての
、24時間でヒト死体皮膚を横切って浸透したPPA−HClの推定量(205
5.2μg/cm、表10)は、KPOを含まない処方物からの量(PP
A−PKl、680.5μg/cm)よりも3倍高かった。この結果は、PP
A−HClのの浸透が、0.2%程度の低い過剰KPO濃度で増強され得た
ことを示した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0125
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0125】 4つのPPA−HCl系(番号PPA−PK1R、PPA−PK2R、PPA
−PK5、およびPPA−PK6)についての過剰のKPO濃度を、実施例
3の手順を用いて計算し、そしてその結果を表15に列挙する。各パッチのpH
を、実施例1の手順を用いて決定し、そして結果を表15に列挙する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0129
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0129】
【表15】 0.2%の計算上の過剰KPO濃度を含むPPA−PK2R(2378.
4μg/cm、表14)について24時間でヒト死体皮膚を横切って浸透した
PPA−HClの累積量は、KPO(PPA−PK1R、1324.0μg
/cm)を用いない処方物由来の累積量よりも約2倍高かった。この結果は、
PPA−HClの浸透は、0.2%と同じ程度低い過剰KPO濃度を用いて
増大され得ることを示した。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0138
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0138】
【表19】 0.1%の計算上の過剰MgO濃度を用いてPPA−PM2(801.9μg
/cm、表18)について24時間でヒト屍体皮膚を横切って浸透したPPA
−HClの累積量は、MgO(PPA−PM1、129.8μg/cm)を用
いない処方物由来の累積量よりも約6倍高い。この結果は、PPA−HClの浸
透が、0.1%と同じ程度低い過剰MgO濃度を用いて増大させ得ることを示し
た。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0139
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0139】 24時間で屍体の皮膚を横切るPPA−HClの累積量は、乾燥パッチ中の過
剰MgO濃度が、0.1%〜7.0%に増加した場合に、801.9〜2533
.4μg/cm に増加した(表18および19)。乾燥パッチ中の過剰のMg
O濃度が、7.0%から16.2%にさらに増加した場合(表19)、24時間
でヒト屍体皮膚を横切るPPA−HClの累積量は、2533.4〜1831.
3μg/cmに減少した。フラックス(flux)における減少は、高濃度の
MgOが、接着マトリクスをより疎水性にし、そして皮膚の表面上の少量の水に
より溶解され得るMgOの量を減少させたからである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/02 A61K 47/02 47/30 47/30 47/46 47/46 // A61P 9/00 A61P 9/00 11/02 11/02 (31)優先権主張番号 09/738,393 (32)優先日 平成12年12月14日(2000.12.14) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/738,410 (32)優先日 平成12年12月14日(2000.12.14) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ルオ, エリック シー. アメリカ合衆国 テキサス 75024, プ ラノ, セイント ローレンス ストリー ト 6833 Fターム(参考) 4C076 AA09 AA11 AA16 AA72 BB31 CC10 CC11 DD30 DD38 EE04 EE32 4C206 FA10 MA01 MA04 MA05 MA36 MA43 MA48 MA52 MA83 NA10 ZA34 ZA36

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェニルプロパノールアミンの投与に応答性である状態、障
    害または疾患を罹患するかまたはその疑いのある個体を処置するための方法であ
    って、該方法は、治療有効量のラセミフェニルプロパノールアミンを、有効浸透
    促進量の水酸化物放出剤と組合せて、ヒト患者の体表面の局所領域に投与する工
    程を包含し、該水酸化物放出剤が無機水酸化物、無機酸化物およびそれらの混合
    物からなる群から選択される、方法。
  2. 【請求項2】 前記ラセミフェニルプロパノールアミンが、(+)−ノルエ
    フェドリン、(−)−ノルエフェドリン、(+)−ノルプソイドエフェドリン、
    および(−)−ノルプソイドエフェドリンのうちの2以上の混合物である、請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記ラセミフェニルプロパノールアミンが、(+)−ノルエ
    フェドリンおよび(−)−ノルエフェドリンの混合物である、請求項2に記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 前記ラセミフェニルプロパノールアミンの少なくとも約50
    %が、非荷電の、遊離塩基形態で存在する、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ラセミフェニルプロパノールアミンが、浸透促進剤と共
    に投与される、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記水酸化物放出剤が、投与間に、前記体表面の局在領域に
    おいて、約8.0〜13の範囲のpHを提供するに有効な量で適用される、請求
    項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記pHが、約8.0〜11.5の範囲にある、請求項6に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記フェニルプロパノールアミンおよび前記水酸化物放出剤
    が、単一の薬学的処方物において、同時に前記体表面に適用される、請求項1に
    記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記処方物が水性である、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記処方物が、約8.0〜13の範囲のpHを有する、請
    求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記水性処方物が、クリーム、ゲル、ローションおよびペ
    ーストからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記水酸化物放出剤が、活性薬剤の投与の前に、前記体表
    面の局在領域に投与され、ここで、前記水酸化物放出剤が、約8.0〜13の範
    囲のpHを有するプロトン性溶媒を含む溶液中にある、請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記水酸化物放出薬剤が、無機水酸化物である、請求項1
    に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記水酸化物放出薬剤が、無機酸化物である、請求項1に
    記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記処方物中の前記無機水酸化物の量が、(a)該処方物
    中の任意の塩および酸性種を中和するのに必要とされる量、および(b)該処方
    物中の約0.5重量%〜4.0重量%に等しい量の合計である、請求項13に記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 前記フェニルプロパノールアミンが酸性付加塩の形態であ
    り、そして(a)の前記量が、前記処方物中の該酸性付加塩および任意の他の酸
    性種を中和するのに必要とされる量である、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 活性薬剤および水酸化物放出剤が、前記患者の体表面の局
    在領域に薬物送達デバイスを適用し、それによって体表面−送達デバイス界面を
    形成することによって投与され、該デバイスが、薬物および該水酸化物放出剤を
    含み、そして使用の間に該デバイスの外部表面として機能する外部バッキング層
    を有する、請求項1に記載の方法。
  18. 【請求項18】 活性薬剤および前記水酸化物放出剤が、任意のさらなる浸
    透促進剤を伴うことなく投与される、請求項1に記載の方法。
  19. 【請求項19】 ラセミフェニルプロパノールアミンの体表面を介する送達
    のために有用な組成物であって、該組成物は、以下: (a)治療有効量のラセミフェニルプロパノールアミン; (b)該体表面を通る薬物の流れを該体表面への損傷を引き起こすことなく増
    大するに有効な量の水酸化物放出剤であって、ここで、該水酸化物放出剤は、無
    機水酸化物、無機酸化物、およびそれらの混合物からなる群より選択される、水
    酸化物放出剤;ならびに (c)経皮薬物投与に適切な、薬学的に受容可能なキャリア、 の水性処方物を含む、組成物。
  20. 【請求項20】 ラセミフェニルプロパノールアミンの経皮投与のための系
    であって、該系は、以下: (a)少なくとも1つの薬物レザバであって、該レザバは、ラセミフェニルプ
    ロパノールアミンおよび水酸化物放出剤を含み、該水酸化物放出剤は、体表面を
    通る薬物の流れを該体表面への損傷を引き起こすことなく促進するに有効な量で
    あり、ここで、該水酸化物放出剤が、無機水酸化物、無機酸化物およびそれらの
    混合物からなる群より選択される、少なくとも1つの薬物レザバ; (b)該体表面への薬物および促進剤の透過関係に該系を維持するための手段
    ;ならびに (c)使用の間にデバイスの外部表面として機能するバッキング層、 を備える、系。
  21. 【請求項21】 前記ラセミフェニルプロパノールアミンが、(+)−ノル
    エフェドリン、(−)−ノルエフェドリン、(+)−ノルプソイドエフェドリン
    、および(−)−ノルプソイドエフェドリンのうちの2以上の混合物である、請
    求項20に記載の系。
  22. 【請求項22】 前記ラセミフェニルプロパノールアミンが、(+)−ノル
    エフェドリンおよび(−)−ノルエフェドリンの混合物である、請求項21に記
    載の系。
  23. 【請求項23】 前記薬物レザバが、ポリマー性接着剤を含む、請求項20
    に記載の系。
  24. 【請求項24】 前記薬物レザバが、ヒドロゲルを含む、請求項20に記載
    の系。
  25. 【請求項25】 前記薬物レザバが、液体処方物または半固体処方物中に前
    記薬物および前記水酸化物放出剤を含む密封袋を含む、請求項20に記載の系。
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