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JP2003516343A - 分子を送達するマイクロチップ素子およびその製作方法 - Google Patents

分子を送達するマイクロチップ素子およびその製作方法

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JP2003516343A
JP2003516343A JP2001542904A JP2001542904A JP2003516343A JP 2003516343 A JP2003516343 A JP 2003516343A JP 2001542904 A JP2001542904 A JP 2001542904A JP 2001542904 A JP2001542904 A JP 2001542904A JP 2003516343 A JP2003516343 A JP 2003516343A
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reservoir
release
substrate
molecule
cap
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JP2001542904A
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アミー シー. リチャーズ,
ジョン ティー. サンティニ,
マイケル ジェイ. シーマ,
ロバート エス. ランガー,
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Massachusetts Institute of Technology
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Abstract

(57)【要約】 分子(例えば、薬剤)を保存し制御放出するために、マイクロチップ素子を製造する方法が提供されている。この方法には、圧縮成形、射出成形、熱成形、鋳造、およびこれらの技術の組合せが、単独で、または微細加工技術と組み合わせて、挙げられる。これらの方法は、材料(例えば、高分子、セラミックスおよび金属)から、能動的または受動的ないずれかの放出素子を製造するように適合されている。好ましい実施形態では、高分子素子は、(1)ダイスを高分子粉末で充填する工程;(2)該粉末を圧縮して部分的または完全に緻密な高分子プレフォームを形成する工程;(3)該プレフォームを金型内で熱圧縮成形して基板を形成する工程であって、ここで、該金型は、複数の突出部を有し、該突出部は、該基板内でレザバを形成する;および(4)放出分子を含む放出システムを該レザバに充填する工程により、製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 本発明は、小型化した薬剤送達素子に関し、さらに特定すると、放出時間およ
び放出速度を制御したマルチウェル薬剤送達素子に関する。
【0002】 多くの薬剤の効能は、それらを投与する方法に直接関係している。放出を制御
する多種多様な方法が開発されており、これらには、ポンプ、パッチ、錠剤およ
び移植片が含まれる。しかしながら、これらの方法の多くは、慢性症状を治療す
ることを考慮すると、独特の欠点がある。外部マイクロポンプおよび内部マイク
ロポンプの両方の主な欠点には、それらが可動部の確実な操作に依存しているこ
とがある。このポンプが、破損、漏れまたは目詰まりのために故障すると、患者
には悲劇的な結末となり得る。パッチは、皮膚を通って吸収され得る化学物質に
対してのみ有用である。錠剤は、広く使用されているが、消化器官を通る前の限
られた時間にわたってのみ、放出を達成できる。化学物質の拍動放出に使用する
ことが提案されている多くの高分子材料は、pHまたは温度の変化(Leeら、
J.Appl.Polym.Sci.,62:301−11(1996))、超
音波の適用(Kostら、Proc.Nat.Acad Sci.,USA,8
6:7663−66(1989);Levyら、J.Clin.Invest.
,83:2074−78(1989))、酵素の変化、または電場(Kwonら
、Nature,354:291−93(1991))または磁場(Kostら
、J.Biomed.Mater.Res.,21:1367−73(1987
))の変化に応答性である。これらの高分子システムは、1種類または少数の化
学物質の放出に限られており、また、治療する特定の疾患に対して仕立てる必要
があり得る(例えば、糖尿病に治療については、グルコース感受性のインシュリ
ンシステム(Kitanoら、J.Control.Release,19:1
62−70(1992)))。それに加えて、その刺激源は、頻繁に使用するに
は、大きいか、高価であるか、または複雑すぎ得る。さらに、移植片(例えば、
微小球体)の製作手順は、通常、複雑であり、製作中に使用する溶媒または熱は
、これらの微小球体中に含有されている薬剤の安定性に悪影響を与え得る。
【0003】 Santiniらの米国特許第5,797,898号および第6,123,8
61号は、薬剤送達用の能動および受動マイクロチップを記述している。しかし
ながら、これらの特許で記述されている製作方法は、主に、標準的なマイクロ電
子工学の加工技術に基づいている。このようなマイクロチップ素子を製造する別
の方法(好ましくは、簡単で安価な方法)を提供できれば、有利となる。また、
これらの分子の放出を誘発し制御する新しい方法を開発すれば、有利となる。
【0004】 PCT WO 99/03684は、硬化可能材料または重合可能材料をプラ
スチック基板上にスクリーン印刷した後にこの材料を硬化または重合する低価格
プロセスを使用して、ウェルまたはチャンネルの表面微細構造を有する素子を製
造する方法を開示している。この素子は、何百ものウェルを含むことができ、マ
イクロタイタープレートアレイとして使用でき、対象試薬を保持するが、任意の
種類の制御した放出機能または送達機能を提供するようには設計されていない。
【0005】 従って、本発明の目的は、薬剤および他の分子の制御放出用のマルチウェルマ
イクロチップ素子を製造する(特に、低価格で製造する)種々の技術を提供する
ことにある。
【0006】 本発明の他の目的は、種々の構成材料を使用して拍動様式または連続様式のい
ずれかで薬剤または他の分子を送達できる素子、およびこれらの分子の放出を誘
発し制御する方法を提供することにある。
【0007】 (発明の要旨) 分子(例えば、薬剤)を保存し制御放出するマイクロチップ素子を製造する方
法が提供されている。この方法には、圧縮成形、射出成形、熱成形、鋳造、およ
びこれらの技術の組合せが、単独でまたは微細加工技術と組み合わせて、挙げら
れる。これらの方法は、材料(例えば、高分子、セラミックスおよび金属)から
、能動的または受動的ないずれかの放出素子を製造するように適合されている。
好ましい実施形態では、高分子素子は、(1)ダイスを高分子粉末で充填する工
程;(2)該粉末を圧縮して部分的または完全に緻密な高分子プレフォームを形
成する工程;(3)該プレフォームを金型内で熱圧縮成形して基板を形成する工
程であって、ここで、該金型は、複数の突出部を有し、該突出部は、該基板内で
レザバを形成する;および(4)放出分子を含む放出システムを該レザバに充填
する工程により、製造される。あるいは、セラミック素子は、セラミック粉末ま
たはそれらのスラリーから形成され、これは、金型で鋳造されて、該基板を形成
し、また、ここで、該金型は、複数の突出部を有し、該突出部は、該基板内でレ
ザバを形成する。
【0008】 各充填したレザバは、必要に応じて、放出を制御するレザバキャップを含むこ
とができる。任意の基板材料の素子では、レザバキャップを形成する方法は、適
当なレザバ寸法の選択に依存して、毛管作用を利用できる。
【0009】 これらの製作方法は、好ましくは、さらに、前記基板を切断することにより、
該基板を平面化することにより、またはこれらの技術の組合せにより、成形後ま
たは鋳造後、前記レザバの末端を露出する(すなわち、開く)工程を包含する。
【0010】 前記放出システムは、純粋形状の放出分子だけから形成され得るか、または該
分子は、放出制御成分(例えば、高分子マトリックス)と組合され得、該成分は
、その分解、溶解、膨潤または崩壊により、その放出速度および放出時間に影響
を与える。該放出システムはまた、このようなプロセスを受けない材料を含み得
るが、該材料を通る該分子の拡散によって、該分子の放出速度に影響を与える。
活性放出システムの1実施形態では、前記レザバは、キャップを備え付けており
、該キャップは、該レザバを覆い、そして適用した外部刺激(例えば、適用した
電圧または電位)、または該素子またはレザバの局所環境の変化に直接応答し、
これは、該外部刺激(例えば、局所pH変化または該レザバ内またはその近くの
電極への電圧または電位の適用による電場の発生)により、誘発される。好まし
い実施形態では、能動放出素子は、前記レザバ内、該レザバの近く、または該レ
ザバを部分的に覆って位置している電極を備え付けており、その結果、該電極を
横切って電位または電流を適用すると、前記放出システムは、(1)局所pH変
化のために分解するか、または(2)溶液中のイオンをイオン結合活性物質と交
換して、それにより、該放出システムから該分子を放出する、例えば、該放出シ
ステムは、生体分解性マトリックスであり得る。他の実施形態では、該電極は、
該電極を横切って電流を適用すると、該放出システムから荷電分子を追い払う。
【0011】 (発明の詳細な説明) 患者の要求または実験システムに従って、規定した速度および時間で正確な量
の分子を正しく送達できるマイクロチップ素子が提供されている。本明細書中で
使用する「マイクロチップ」との用語は、形成方法、例えば、圧縮成形法、射出
成形法、熱成形法、または他の方法(これらは、Tadmor & Gogos
,Principles of Polymer Processing,(J
ohn Wiley & Sons,New York 1979)で記述され
ている)、微量注入法、マイクロコンタクトプリンティング、標準マイクロ電子
工学プロセシング法(例えば、光食刻法、エッチング、蒸着)、およびスパッタ
リング(これは、例えば、Wolf & Tauber,Silicon Pr
ocessing for the VLSI Era,Volume I −
Process Technology(Lattice Press,Su
nset Beach,Cal.1986);Jaeger,Introduc
tion to Microelectronic Fabrication,
Volume V in The Modular Series on So
lid State Devices(Addison−Wesley,Rea
ding,Mass.1988);およびCampbell,The Scie
nce and Engineering of Microelectron
ic Fabrication(Oxford University Pre
ss,New York 1996)で記述されている);微細加工法(これは
、例えば、Madou,Fundamentals of Microfabr
ication(CRC Press,1997)で記述されている);および
これらの方法の組合せとして、定義される。これらのマイクロチップは、これら
の分子を放出する速度だけでなく、放出が開始する時間も制御する。
【0012】 本明細書中で記述した製作方法は、典型的には、数センチメートル、好ましく
は、数ミリメートルまたはそれより小さい主要寸法(正方形または長方形の素子
の側面の長さ、または丸い素子の直径)を有する素子を製作するのに使用され得
る。素子寸法は、その用途に依存して変わり得る。そのレザバの数および容量は
、この素子寸法と共に変わる。インビボ用途のための素子は、種々の粘膜に移植
、注入、経口投与または付着するのに十分に小さい。
【0013】 分子の放出は、能動的、受動的、またはそれらの組合せにより、制御できる。
受動素子は、これらの変化を引き起こす刺激源を適用する必要がない。受動素子
用の代表的な放出方法(すなわち、誘発機構)には、レザバキャップの崩壊、ま
たは純粋な放出分子または分子と賦形材料(これは、放出速度および/または放
出時間に影響を与える)との混合物を含む放出システムからの拡散が挙げられる
【0014】 他に明示されていなければ、レザバキャップまたは放出システムマトリックス
に関連して本明細書中で使用する「崩壊する」または「崩壊」との用語は、任意
の機構(これには、例えば、物理的破砕、破裂または変形、化学的または酵素的
な分解、および溶解が挙げられるが、これらに限定されない)による構造的な完
全性の喪失を意味する。これには、このレザバキャップ、放出システムまたは両
方の膨潤に起因するレザバキャップの破裂が挙げられる。
【0015】 本明細書中で使用される「放出システム」との用語は、それらの純粋な形状(
例えば、固体、液体またはゲル)の分子だけでなく、これらの分子の放出速度お
よび/または放出時間に影響を与える材料と組み合わせた分子も含む。これらの
他の材料は、例えば、生体分解性材料から形成されたマトリックス、またはこの
マトリックスの拡散または崩壊により含入分子を放出する材料であり得る。「放
出システム」とは、これらの分子の異なる形状(例えば、固体、液体および/ま
たはゲル)の混合物だけでなく、これらの分子と種々の賦形剤または放出制御材
料(これは、崩壊する)との混合物を含む。放出システムはまた、上記プロセス
のいずれも受けないがそこを通って拡散するにつれて分子の放出速度に影響を与
える材料を含み得る。
【0016】 能動素子は、マイクロプロセッサ、遠隔操作またはバイオセンサで制御され得
る。典型的な制御方法には、電位制御法およびpH制御法が挙げられる。1実施
形態では、電流または電位を適用することにより、電気化学反応が起こり、これ
は、このレザバキャップまたは放出システムの崩壊または他の変化を誘発し、放
出速度および放出時間の両方に影響を与えることができる。あるいは、適用した
電位または電流は、レザバキャップまたは放出システムの周りでの局所環境のp
Hを変えることができ、レザバキャップまたは放出システム材料の変化を引き起
こし、これはまた、この放出速度および/または放出時間に影響を与えることが
できる。放出方法の例には、電気化学反応によるレザバキャップの溶解、レザバ
にある放出システムからの分子の電気泳動送達、イオン交換によるレザバからの
分子の放出、またはレザバキャップを破裂させてそれによりレザバから分子を放
出させる放出システムの膨潤が挙げられる。
【0017】 (I.素子成分および材料) これらのマイクロチップ素子は、「受動素子」または「能動素子」として記述
できる。両方のタイプは、これらの分子の放出速度または放出時間を制御する。
【0018】 各マイクロチップ素子は、受動であろうと能動であろうと、基板、複数のレザ
バおよび放出システムを含み、Santiniらの米国特許第5,797,89
8号および第6,123,861号で記述されたものと類似している。これらの
レザバは、必要に応じて、レザバキャップ、電極、またはそれらの両方を含む。
【0019】 (基板) この受動および能動マイクロチップ素子の基板は、本明細書中で記述した方法
により製作できる任意の適当な材料により、構成できる。代表的な材料には、重
合体、例えば、ポリ(エチレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン)および他の
フッ化重合体、シリコーン(ポリ(シロキサン))、およびそれらの共重合体が
挙げられる。好ましい生体分解性重合体には、例えば、ポリ(エステル)、ポリ
ホスファゼン(polyphosphazenes)、擬似ポリ(アミノ酸)、
およびポリ(エステル)(例えば、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)およ
びポリ(ラクトン)、およびそれらの共重合体)が挙げられる。他の代表的な構
成材料には、金属;半導体(例えば、ケイ素);およびセラミック材料(例えば
、アルミナ(酸化アルミニウム)、窒化アルミニウム、二酸化ケイ素、窒素ケイ
素、および他の種々の窒化物および酸化物)が挙げられる。
【0020】 インビボ用途には、この基板は、生体適合性材料と共に形成できるかまたはそ
れで被覆できる。インビトロ用途(例えば、医学診断領域)には、この基板は、
生体適合性材料または非生体適合性材料から構成できる。
【0021】 (レザバキャップおよび放出システム) これらのレザバは、必要に応じて、レザバキャップを含む。レザバキャップは
、崩壊により、またはレザバキャップ材料によって分子の拡散に影響を与えるこ
とにより、これらの分子の放出時間(ある場合には、放出速度)を制御する。こ
れらのレザバキャップおよび放出システムの両方の組み合わせは、これらの分子
に対する所望の放出時間および放出速度を達成するように使用され得る。図1お
よび2は、レザバキャップを備えた(図1)およびレザバキャップを有しない(
図2)受動放出素子の例を図示している。
【0022】 能動素子に対する追加放出機構は、レザバキャップを含み、これは、対象レザ
バを覆い、そして直接適用した刺激(例えば、適用した電圧または電位)に応答
性であるか、または素子またはレザバの局所環境の変化に応答性であり、これは
、刺激(例えば、局所pH変化または該レザバ内またはその近くの電極への電圧
または電位の適用による電場の発生)により、誘発される。この応答を誘発する
のに適用できる刺激の他の代表的な例には、熱、光(例えば、レーザー)および
磁場が挙げられる。図3は、レザバを電気的に応答性のキャップで覆った能動マ
イクロチップ素子の1実施形態を図示している。能動素子の他の放出機構には、
これらの刺激応答性キャップ(すなわち、能動キャップ)と1個またはそれ以上
の追加レザバキャップ(能動または受動のいずれかであり、この刺激応答性キャ
ップ(例えば、このレザバの内側)の下に位置しており、これは、この能動キャ
ップが取り外されるか浸透性になった後、崩壊する)との組合せが挙げられる。
【0023】 短時間にわたって分子を放出するのが望ましい素子(受動および能動の両方)
の実施形態について、レザバキャップまたは放出システム(例えば、マトリック
ス)は、例えば、以下の迅速崩壊材料から製作され得る:高いグリコリド含量を
含むポリ(ラクチド−co−グリコリド)共重合体、分解時間が速いポリ(ラク
トン)共重合体、ある種のポリ(無水物)、ヒドロゲル、オリゴ糖、多糖類、お
よび圧延した金属箔が挙げられる)、または蒸着、スパッタリングまたは化学蒸
着した(CVD)薄膜(例えば、銅薄膜)。長い使用時間が望ましい用途には、
レザバキャップおよび放出システムは、崩壊に時間がかかる材料から製作できる
。例には、再吸収可能な生体材料(例えば、コレステロール、他の脂質および脂
肪、脂質二重層、重合体(例えば、ポリ(カプロラクトン)またはある種のポリ
(無水物)および乳酸含量が高いPLGA共重合体))が挙げられる。放出分子
が放出システムマトリックス、レザバキャップおよび/または放出システムを通
って拡散しなければならない構造には、材料は、無傷のままであるかまたは崩壊
し得る。
【0024】 能動装置には、レザバキャップは、非導電性材料(例えば、上記重合体)また
は導電性重合体(これには、例えば、ポリアニリンまたはポリピロールが挙げら
れる)から製作できる。電気的に腐食性の重合体(例えば、ポリ(エチルオキサ
ゾリン)およびポリ(メタクリル酸)の錯体)は、放出システムの成分として(
Kwonら、Nature,354:291−93(1991))、またはレザ
バキャップとして、使用できる。導電性重合体(例えば、ポリピロール)は、化
学物質と混合でき、そして電気泳動によってこの化学物質を送達するのに使用で
きる(Miller,Mol.Cryst.Liq.Cryst.,160:2
97〜301(1988))。電極、回路網、および導電性レザバキャップ(こ
れは、これらのレザバを覆う)は、例えば、以下を含めた材料から製作できる:
導電性重合体(例えば、ポリアニリンまたはポリピロール)および金属(例えば
、銅、金、白金および銀)。非導電性の応答性レザバキャップは、pH、電場ま
たは他の環境条件に感受性の重合体のような材料から製造できる。
【0025】 ある実施形態では、この放出システムは、分解するか、または溶液に由来のイ
オンと重合体にイオン結合した活性試薬とを交換するか、いずれかにより、電流
の適用に応答する。このような放出システム用の材料の例には、ポリ(エチルオ
キサゾリン)およびポリ(メタクリル酸)の共重合体があり、これらは、電流を
適用すると分解することが明らかになっている。他の例には、電流を適用した際
の2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸およびメタクリル
酸n−ブチルの共重合体を使用するイオン交換機構による塩化エドロフォニウム
(正に荷電した分子)の放出またはポリ(N−メチルピロール)−ポリ(スチレ
ンスルホネート)の複合重合体からのドーパミンの放出が挙げられる。
【0026】 (電極) 好ましい実施形態では、このマイクロチップ素子は、1個またはそれ以上の電
極を含み、これらは、(レザバキャップのように)レザバを密封しない。むしろ
、これらの電極は、レザバの内側;レザバの外側の表面上であるがこれらの電極
を起動したとき(すなわち、電極に電流または電位を適用したとき)にその放出
システム(またはレザバキャップ(もし、存在しているなら))の変化を生じる
のに十分にレザバの近く;またはレザバ(およびレザバキャップ(もし、存在し
ているなら))を部分的に覆っているか、またはそれらの組合せで位置している
【0027】 これらの電極は、典型的には、導電性金属またはドープ処理した半導体の薄膜
である。
【0028】 (放出分子) このマイクロチップ素子には、多種多様な分子が含有でき、また、そこから放
出できる。これらの分子の例には、薬剤、診断試薬、芳香物、染料または着色剤
、甘味料および他の香味料、および組織培養物で使用される化合物(例えば、細
胞成長因子)が挙げられる。
【0029】 このマイクロチップ素子から放出する分子は、固体形状、液体形状またはゲル
形状であり得、そして純粋な形状であり得るか、または、例えば、相を形成する
ことによりまたは拡散障壁を設けることにより、その放出速度および/または放
出時間に影響を与える他の材料であり得る。分子は、固体混合物(例えば、非晶
質および結晶質の混合粉末、モノリシック固体混合物、および固体相互貫入ネッ
トワーク)の形状;液体混合物(これには、例えば、溶液、乳濁液、コロイド状
懸濁液およびスラリーが挙げられる)の形状;およびゲル混合物(例えば、ヒド
ロゲル)の形状であり得る。
【0030】 インビボ用途には、これらの分子は、好ましくは、治療剤、予防剤または診断
剤である。例には、化学療法剤、ホルモンおよび鎮痛剤が挙げられる。非常に少
量で有効な生物活性分子(例えば、ホルモンおよびステロイド)を送達すること
は、特に有利である。
【0031】 マイクロチップに設置できる材料の量は、このマイクロチップ素子の容量およ
びその構成に大きく依存している。基板にある各四角錐形状のレザバの典型的な
容量は、数ナノリットル(nlまたはnL)〜数マイクロリットル(μlまたは
μL)の範囲にできる。従って、それより大きい素子(例えば、6cm×6cm
×2.5cm)は、数グラムの物質(例えば、薬剤)を保存し放出できるのに対
して、それより小さい素子(2mm×2mm×0.3mm)は、望ましい程度に
少ない材料(例えば、ナノグラム以下の量)しか保存し放出できない。任意の基
板材料、装置の構成、レザバの形状およびサイズ、および送達分子に対して、類
似の計算が利用できる。例えば、300μm厚の基板に50μm×50μmの開
口部1個および500μm×500μmの開口部1個を有する四角錐のレザバな
ら、約26nlの容量を有する。もし、このレザバに設置する放出システムに対
して、1g/cmの密度が想定されるなら、このレザバは、およそ26μgの
放出システムを保持する。
【0032】 高分子基板を有する1実施形態では、この基板は、円形であり、直径が約0.
5インチ(1.3cm)である。その厚さは、(例えば、研磨の程度に依存して
)変えることができ、各レザバの容量は、典型的には、この基板の厚さと共に変
わる。この実施形態では、これらのレザバは、各々、約70°の内角を有する円
錐形状である。この円錐の基部は、直径が約728μmであり、この円錐の高さ
は、約1000μmである。この実施形態は、36個のレザバを有し、6個×6
個の正方形のアレイ(約6.8mm×6.8mm)で、約500μmの間隔を置
いて配置されている(すなわち、この円錐開口部の基部間は、約500μmであ
る)。直径が300μmのレザバ開口部(円錐の小末端)については、この基板
は、588μm厚であり、そしてレザバの容量は、129nLである。直径50
μmのレザバ開口部については、この基板は、931μm厚であり、そしてレザ
バの容量は、131nLである。例えば、特定の用途に適するようにまたは製造
要件に基づいて、必要なレザバの数、配置および外形(サイズおよび形状)を容
易に変えることができることは、明らかである。
【0033】 (II.素子を製作する方法) このマイクロチップ素子は、単独で、またはSantiniらの米国特許第5
,797,898号および第6,123,861号(その内容は、本明細書中で
参考として援用されている)で記述した方法と組み合わせて、下記の方法を使用
して製造できる。
【0034】 (基板およびレザバの製作) 好ましい製作方法では、高分子粉末は、低温(この高分子のTより低い温度
)で、部分的に緻密なプレフォームに圧縮成形される(例えば、図4を参照)。
このプレフォームは、引き続いて、この高分子のT±10℃とその分解温度と
の間の温度で、圧縮成形される。この圧縮工程は、この基板にレザバを作成する
ために、このプレフォームを圧子プレート上で成形すること、金属、セラミック
または他の適当な剛性材料から製作することを包含する(図5を参照)。この圧
子プレートに成形する前に、このプレフォームを緻密にするために、中間圧縮成
形工程が包含され得る。あるいは、このプレフォームは、その圧入工程および緻
密化工程を組み合わせて、この圧子プレートに直接成形され得る。この基板の完
全な緻密化は、殆どの用途で望ましいが、この素子へのまたはそこからの分子の
拡散が望ましい用途には、多孔性が残留しているのが有用であり得る。
【0035】 他の形成方法(例えば、射出成形、熱成形、鋳造、および当業者に公知の他の
方法)は、高分子、他の材料(例えば、金属)、またはそれらの組合せから基板
を形成するのに使用できる。
【0036】 他の有用な製作方法では、セラミック粉末は、圧子を有する金型で鋳造され、
それにより、この金型中のスラリーを乾燥することによって、予備レザバ含有基
板が形成される。この予備基板(グリーン部分)は、次いで、この部分を緻密に
するために、焼かれる。
【0037】 最初に製作したレザバは、圧縮成形に使用する圧子プレートの種類、または他
の形成方法に使用する金型の形状に依存して、この基板を完全に貫通し得るかま
たは貫通し得ない。製作したレザバが最初は基板を完全には貫通しない製作方法
については、これらのレザバ末端は、いくつかの方法の1つにより露出され得る
が、これらには、この基板を、レーザー、水噴射またはノコギリで切断すること
;研磨(図6を参照)または化学エッチングまたはプラズマエッチングのような
方法による基板の平面化;またはスパッタリングのような材料の物理的除去が挙
げられる。
【0038】 (受動素子または能動素子用のレザバキャップの製作) 好ましい製作方法では、レザバキャップ(導電性または非導電性のいずれか)
は、そのキャップ材料を溶媒中に含有する溶液の微量注入(図7を参照)、また
は非溶媒中にキャップ材料を含有する懸濁液またはスラリーの微量注入によって
、形成される。これらのレザバキャップまたは障壁を製作するさらに他の方法は
、純粋な液体形状で、そのキャップ材料を微量注入することにある。この方法は
、融点が低い材料(これは、簡単に液化できる)および/または一旦、これらの
レザバに注入すると、液体形状またはゲル形状でとどまる材料(例えば、レザバ
上にヒドロゲルキャップを有することが望ましい場合)に適用できる。
【0039】 これらのレザバキャップの形成はまた、これらのレザバに、このキャップ材料
の溶液またはスラリーまたは純粋なキャップ材料をインクジェット印刷すること
により、達成できる。レザバキャップはまた、この基板上でそのキャップ材料を
回転塗装することにより、または基板をその純粋な形状または溶液または懸濁液
で液体容量のキャップ材料に浸けることにより(Jackmanら、Anal.
Chem.70(11):2280−87(1998))、形成できる。
【0040】 微量注入またはインクジェット印刷によるキャップ形成のために、毛細管圧力
は、この液体をレザバの小さい末端に引き出す。ヤング−ラプラス等式は、一旦
、この液体をレザバに注入すると、何が起こるのかの物理的な説明を与える。図
10で示した構成については、ヤング−ラプラス等式は、以下である: ΔP=γ(2/R−2/R) 等式1 ここで、ΔP=この界面の2面間の圧力差(これは、その応力に比例している)
であり、γ=この液体の表面張力であり、そしてRおよびRは、このレザバ
中の小滴の曲率半径である(図10を参照)。この液体の曲率半径がレザバの狭
い末端に触れる側で小さいので、この液体をその方向で引っ張る対応圧力または
応力が存在している。それゆえ、毛管作用は、この液体をレザバの狭い末端へと
引きずり、その中でキャップを形成させる。
【0041】 ある環境で溶解する金属製キャップを備えた受動素子には、圧力および/また
は接着剤を適用することにより、この基板には、所望金属の薄い箔が付着できる
。電子線蒸着、スパッタリング、化学蒸着、または薄膜または薄層の製作に使用
される他の方法によって、この基板上には、金属の薄膜または薄層もまた形成さ
れ得る。
【0042】 一部の能動素子には、微量注入またはインクジェット印刷によって形成される
レザバキャップは、外部の刺激応答性キャップが形成される支持構造体として供
され得る。これらの内部支持キャップは、引き続いて、この外部応答性キャップ
が形成された後、取り外される。あるいは、1レザバあたり1個より多いキャッ
プ(例えば、外部電気応答性キャップと拡散を受動的に制御する内部キャップ)
を付けるのが望ましいなら、微量注入によって形成されるキャップは、この外部
キャップを形成した後、適当な位置にとどまり得る。次いで、この外部キャップ
を取り外したとき、この内部キャップは、このレザバからの拡散を制御すること
により、これらの分子のレザバからの放出速度を制御する。多層または多成分キ
ャップの他の実施形態は、任意数の崩壊可能材料および崩壊不可能材料を組み合
わせることにより、製造できる。
【0043】 (受動素子または能動素子用の放出システムの製作) このレザバキャップについて上で記述した同じ方法によって、放出システムが
形成されレザバに堆積され得る。すなわち、この放出システム材料の微量注入ま
たはインクジェット印刷は、純粋な液体形状、ゲル形状、溶液、懸濁液、乳濁液
またはスラリーである。これには、液体賦形剤+固体放出分子=マトリックスス
ラリー;固体賦形剤+液体放出分子=マトリックススラリー;固体賦形剤+固体
放出分子+溶媒=マトリックス材料の溶液;固体賦形剤+固体放出分子+非溶媒
=マトリックススラリー;液体賦形剤+液体放出分子=純粋な液体マトリックス
のような組合せが挙げられる。
【0044】 放出システムはまた、この基板を、純粋な形状で、混合物として、または溶液
、乳濁液、スラリーまたは懸濁液として、この放出材料で回転塗装することによ
って、または基板を、純粋形状、溶液形状または懸濁液形状の放出材料の液体容
量に浸けることによって、形成され堆積され得る(Jackmanら、Anal
.Chem.70(11):2280−87(1998)に記述されている非連
続デウェッティング(dewetting))。
【0045】 (能動素子用のレザバキャップおよび回路網の製作) 好ましい実施形態では、この素子の表面のレザバおよび回路網上にキャップを
形成するために、この素子の表面上の導電性材料(例えば、高分子または金属)
を所望形状にパターン化するのに、標準的な光食刻法が使用される。この素子の
表面上にレザバキャップだけでなく回路網を形成するために、電子線蒸着、スパ
ッタリング、化学蒸着、金属食刻(Chouら、Science,272:85
〜87(1996))または他の蒸着法が使用され得る。
【0046】 この素子の表面にあるレザバキャップおよび導電性回路網もまた、例えば、Y
anら、J.Amer.Chem.Soc.,120:6179−80(199
8);Xiaら、Adv.Mater.,8(12):1015−17(199
6);Gormanら、Chem.Mater.,7:52〜59(1995)
;Xiaら、Annu.Rev.Mater.Sci.,28:153−84(
1998); およびXiaら、Angew.Chem.Int.Ed.,37
:550−75(1998)で記述されているように、マイクロコンタクトプリ
ンティングおよびソフト食刻法を使用して製作できる。
【0047】 好ましい実施形態では、受動放出素子は、このレザバ内またはその近くに位置
している電極を備え付けており、その結果、これらの電極間またはそれらを横切
って電位または電流を適用すると、この放出システム(例えば、生体分解性重合
体マトリックスを含むもの)は、(1)局所pH変化のために分解するか、また
は(2)溶液中のイオンをイオン結合活性物質と交換して、それにより、この放
出システムから分子を放出する。これらの電極は、標準的な微細加工法(例えば
、スパッタリング)を使用して、この基板上に導電性材料(例えば、金属)を堆
積させることに続いて、この電極の形状で金属上に光食刻的にパターン化したフ
ォトレジストにより、次いで、マスクしていない金属を湿潤エッチングにより食
刻することにより、形成される。これらの微細加工技術は、例えば、Santi
niらの米国特許第5,797,898号および第6,123,861号で記述
されている。
【0048】 図11および12は、これらの電極がレザバの1個またはそれ以上の表面で製
作される1形状を図示している。図13a〜cは、これらの電極間に電位を適用
するかまたはそこに電流を通すと、いかにして、このような素子がこの放出シス
テムから分子を放出するように起動されるかを図示している。図13bは、高分
子/活性剤マトリックスを示し、ここで、この高分子は、これらの電極を通って
電流を適用すると、分解する。図13cは、高分子/活性剤マトリックスを示し
、ここで、この高分子は、この電流を適用すると、イオン交換を受ける。
【0049】 (活性素子からのレザバキャップの取り外し) 一部の形状の活性素子には、微細加工またはインクジェット印刷によって形成
される(内部)レザバキャップは、(外部)刺激応答性レザバキャップが形成さ
れる支持構造体として、供され得る。これらの内部レザバキャップは、必要に応
じて、これらの外部レザバキャップの形成に続いて、取り外しできる。あるいは
、これらの内部レザバキャップは、支持構造体および放出制御構造体の両方とし
て供され得、これらは、外部レザバキャップが形成された後、レザバ内に留まる
。これらの内部レザバキャップは、外部レザバキャップが取り外されるか浸透性
となった後、崩壊または拡散により、これらの分子の放出プロフィールを制御で
きる。
【0050】 これらの導電性キャップの下からレザバキャップを取り外すのが望ましい用途
には、このキャップは、一般に、このレザバに放出分子を充填する前に、完成し
なければならない。このキャップまたは障壁層の取り外しは、例えば、イオンビ
ームまたは反応性イオンプラズマのいずれかにより、または化学エッチングによ
り、達成され得る。
【0051】 (レザバの充填) 送達用の分子を含有する放出システムは、注入(微量注入)またはインクジェ
ット印刷により、このレザバの開口部の1個に挿入される。各レザバは、異なる
分子および/または異なる投薬量を含有できる。同様に、各レザバ内の分子の放
出動力学は、レザバキャップの形状および材料の選択および放出システムの組成
により、変えることができる。それに加えて、この放出動力学を特定の用途の要
求に合わせるために、放出システムおよびキャップ材料の混合または層化が使用
できる。
【0052】 送達分子を含む放出システムを充填したレザバのマイクロチップにわたる分布
は、患者の医療上の要求またはシステムの他の要件に依存して、変えることがで
きる。例えば、薬剤送達用途には、その列の各々にある薬剤は、互いから拡散で
きる。また、この放出システムまたは放出システムを構成する材料は、この薬剤
を異なるレザバから異なる速度および時間で放出するために、各列内で異なり得
る。それらの投薬量もまた、各列内で変えることができる。レザバ装填の差は、
異なる量の材料を各レザバに直接注入またはインクジェット印刷することにより
、達成できる。注入およびインクジェット印刷は、レザバを充填する好ましい方
法であるものの、各レサバは、毛管作用により、真空または他の圧力勾配を使用
してレザバに材料を引き出すか押し入れることにより、材料をレザバに溶融する
ことにより、遠心分離および関連した工程により、レザバに固形物を手で詰める
ことにより、回転塗装により、またはこれらの技術または類似のレザバ充填技術
のいずれかの組合せにより、個々に充填できることが分かる。図8は、微量注入
によって放出システムを備えたレザバを充填することを図示している。
【0053】 (素子の包装、制御回路網および電源) これらのレザバに放出分子を挿入した後、この素子の裏面(レザバのうち、開
放末端を備えた側であって、そこには、これらの放出システムおよび分子が設置
される)は、周囲の媒体に不浸透性の材料または材料の組合せで密封される。こ
れらの材料の例には、防水性で熱硬化可能または紫外線硬化可能なエポキシド;
スプレー接着剤;ガラス製顕微鏡用スライドおよびカバーガラス;シリコン;セ
ラミックス;ゴム;および高分子材料(例えば、ポリ(テトラフルオロエチレン
)またはポリ(カプロラクトン))が挙げられる。図9は、インビボ用途のため
に、接着剤スプレーで固定したマイクロスライドガラスカバーを使用してマイク
ロチップを密封することを図示している。密封方法の他の例もまた、図9で図示
されている。この素子全体が生物分解性である実施形態には、その密封材料は、
分解した密封材料を通る分子の用量ダンピング(dose dumping)ま
たは漏れを防止するために、その素子内の分子の最も長い放出時間よりも長い分
解時間を有しなければならない。
【0054】 これらの受動素子からの分子の放出速度および放出時間の制御は、この素子の
設計および製作(例えば、このレザバキャップの材料および厚さ、放出システム
の組成、またはレザバ開口部のサイズ)に基づいている。それゆえ、これらの受
動素子には、制御回路網または電源は必要ではない。
【0055】 これらの能動素子用の包装、制御回路網および電源に関するそれ以上の詳細は
、Santiniらの米国特許第5,797,898号および第6,123,8
61号で記述されている。
【0056】 1実施形態では、このマイクロチップ素子は、当該技術分野で公知の技術を使
用して、所望の機能性を与える(例えば、生体適合性または生体癒着性(bio
adhesion)を向上させる)ために、表面変性(例えば、被覆)される。
一般に、このマイクロチップ素子の放出機構(すなわち、これらのレザバからの
放出)は、この表面変性によっても変わらないことが好ましい。
【0057】 (III.マイクロチップ素子を使用する用途) 受動素子および能動素子は、非常に多くのインビボ用途、インビトロ用途およ
び商業的な診断用途を有する。これらのマイクロチップは、正確に計量した量の
分子を送達でき、それゆえ、インビトロ用途(例えば、分析化学用および医療用
の診断)だけでなく、生体用途(例えば、因子(例えば、成長因子および制御因
子)の細胞培養物への送達)に有用である。他の用途では、これらの素子は、芳
香物、染料、試薬または他の有用な化学物質の放出を制御するのに使用される。
【0058】 1実施形態では、これらのマイクロチップ素子は、ヒトおよび動物に薬剤を送
達するために、インビボで使用できる。これらのマイクロチップは、その薬剤を
送達する正確な量、速度および/または時間を制御するのが望ましい薬剤療法で
、特に有用である。これらの素子のサイズが小さいために、好ましい薬剤送達用
途には、それらの素子内に保存され得る分子の量が比較的に少ないので、強力な
化合物(例えば、ホルモン、ステロイド、化学療法薬物、遺伝子治療化合物およ
びベクター、およびある種の強力な鎮痛剤)が挙げられる。これらのマイクロチ
ップは、外科的処置または注射によって移植でき、または飲み込むことができ、
また、速度および時間を変えて、多くの異なる薬剤を送達できる。
【0059】 本発明は、以下の非限定的な実施例を参照して、さらに理解できる。
【0060】 (実施例1:コレステロールレザバキャップを有する高分子マイクロチップ
素子の製作) 受動放出用のコレステロールレザバキャップを有する高分子マイクロチップ素
子を作製するのに、以下の手順を使用した。
【0061】 (1)ポリ(乳酸−co−グリコール酸)粉末(分子量約25,000の粉末
)0.4gを秤量した(図4aを参照)。
【0062】 (2)直径1.27cm(1/2インチ)の鋼鉄製の円錐ダイスに、底部ピス
トンを挿入し、工程(1)の高分子粉末を充填し、そしてダイスに上部ピストン
を挿入した(図4bを参照)。
【0063】 (3)粉末を備えたダイスを、Carver Laboratory Pre
ss,model Cに入れた。室温で、1分30秒間にわたって、約69×1
Pa(10,000psi)でプレスすると、円筒形高分子プレフォームが
得られた(図4cを参照)。
【0064】 (4)このダイスから円筒形高分子プレフォームを取り外した(図4dを参照
)。
【0065】 (5)円筒形高分子プレフォームを、アルミニウムダイプレート(アルミニウ
ムシート、約3mm(すなわち、1/8インチ)厚、この高分子プレフォームと
ほぼ同じ直径の穴を備えている)に入れた。ダイプレートを、約1.6mm厚(
1/16インチ)のテフロン(登録商標)シートに載せ、そして上部を、3mm
(すなわち、1/8インチ)厚の他のアルミニウムプレートで覆った(図4eを
参照)。
【0066】 (6)(5)のアセンブリを、104℃(220°F)で、Carver L
aboratory Press,model Cに入れた。加熱したプラテン
の温度を、約54℃(130°F)に設定した。この高分子プレフォームが溶融
するにつれて、これらのプラテンを、ゆっくりと合体した。その装填圧力は、0
Nと4448N(1000ポンドの力)の間のままにした。このアセンブリを、
これらのプラテンが54℃(130°F)に冷却されるまで、約1時間〜1時間
半にわたって、この実験室プレス内に残した。
【0067】 (7)このアセンブリを、この実験室プレスから取り外した。このアセンブリ
を、冷却水を流すことにより、さらに冷却した(図4fを参照)。
【0068】 (8)アルミニウム圧子プレート(これは、この高分子基板にレザバを形成す
るための圧子のアレイを含む)の上部に、アルミニウムダイプレートを(その中
の緻密化した高分子プレフォームと共に)設置した。このアルミニウムダイプレ
ートの上部を、3mm厚の他のアルミニウムプレートで覆った(図5を参照)。
【0069】 (9)このアセンブリを、54℃(130°F)で、Carver Labo
ratory Press,model Cに入れた。高分子プレフォームが溶
融するにつれて、それらのプラテンが合体し、圧力ゲージの読みが11120N
と13344N(2500ポンドおよび3000ポンドの力)になるまで、ゆっ
くりと圧力を加えた。このようにして、数分間にわたって、このプレフォームを
ホットプレスして、この高分子基板にレザバを形成した。この圧子プレートの側
面に、穴を機械切削して、この高分子プレフォームの近くの温度をモニターした
。Omega HH21マイクロプロセッサ温度計に接続したT型熱電対を使用
した。
【0070】 (10)このアセンブリをLab Pressから取り出し、外気で約32℃
(90°F)まで冷却した。
【0071】 (11)凹みを付けた高分子プレフォーム(すなわち、基板)を、アルミニウ
ム圧子およびダイプレートから取り外した。
【0072】 (12)この凹みを付けた高分子プレフォームを、接着剤を使用して、適当な
マウントに付着した。両面テープを使用して、この凹みを付けた高分子プレフォ
ームを円筒形黄銅ブロック(直径約3.81cm(1・1/2インチ)および高
さ約1.27〜3.81cm(1/2インチ〜1・1/2インチ))に固着した
(図6aを参照)。このプレフォームの凹んだ側が、確実に、このマウントに面
するようにした。あるいは、市販のものと類似した複数マウント研磨取付具を使
用して、研磨中に、それらの試料を保持した。
【0073】 (13)Buehler Ecomet IV Rotary Polish
erを使用して、レザバの末端が露出するまで、この基板を研磨した(図6bお
よび6cを参照)。この研磨の進行をモニターするために、基板を頻繁に検査し
た。典型的な研磨手順は、研磨時間の範囲と共に、表1に示す。
【0074】
【表1】 (14)この基板を、このマウントから取り外した。溶媒を使用して、この接
着剤を緩め、このマウントからの基板の取り外しを助け得る。黄銅ブロック上に
両面テープを取り付けた基板については、この基板をエタノールで5〜20分間
すすぐと、この接着剤を緩めることが分かった。
【0075】 (15)レザバキャップを形成するために、所望の溶液を混合した(例えば、
コレステロールの5、10、15および20重量%クロロホルム溶液を使用した
)。この溶液を、電磁攪拌プレートおよび電磁攪拌棒で、少なくとも5分間にわ
たって、穏やかに混合した。コレステロールは、インビボで、生体適合性、溶解
性および再吸収性であることが知られているので、コレステロールを使用した。
【0076】 (16)Becton−Dickinsonの1mLプラスチック製注射器(
品目#309602)に、所望のキャップ溶液を充填した。
【0077】 (17)World Precision Instruments Mic
roFil(登録商標)Flexible針(品目#MF34G−5)を注射器
に装着した。
【0078】 (18)MicroFil(登録商標)針を、Unimetricsの10μ
L Lure Lockガラス製注射器(World Precision I
nstrumentsの品目#14392)の末端(プランジャと反対側)に挿
入した。
【0079】 (19)1mLプラスチック製注射器にプランジャーを押し下げて、10μL
ガラス製注射器にキャップ溶液を充填した。
【0080】 (20)ガラス製注射器からMicroFil(登録商標)針を取り外した。
【0081】 (21)Hamilton instrumentsの32ゲージ針(品目#
91032)のレザバ末端に、MicroFil(登録商標)針を入れた。針レ
ザバにキャップ溶液を満たすために、プラスチック製1mL注射器にプランジャ
ーを押し下げたが、針をガラス製注射器に装着したとき、気泡の形成を最小にし
た。
【0082】 (22)32ゲージ針を10μLガラス製注射器に装着した。
【0083】 (23)World Precision Instrumentsの微量注
入器(品目#UMP−G)に、10μLガラス製注射器アセンブリを入れた。
【0084】 (24)この基板を、ガラス製スライドアセンブリに注入するように置き、レ
ザバの一端は、上に向け、その素子の縁部は、これらのガラス製スライド上に載
せた。反対側のレザバの末端は、確実に、表面上に載らないようにした。テープ
を使用して、基板をガラススライド上の適当な位置に保持した。
【0085】 (25)所望の全注入容量および容量流速を、World Precisio
n Instruments Micro 1(登録商標)Microsyri
nge Pump Controllerに入力した(典型的な容量は、20n
L/秒の流速で、約20nLと200nLの間である)。
【0086】 (26)微量注入アセンブリを傾け、針先端をレザバの列に揃えた(図7aを
参照)。
【0087】 (27)微調整ノブを使用して、キャップ溶液を注入するレザバに、針先端を
入れた。
【0088】 (28)「Run」ボタンを押して、所望容量をレザバに注入した。
【0089】 (29)微量注入器にある微調整ノブを使用して、レザバから針を取り出し、
注入する次のレザバに移動した。
【0090】 (30)所望の全てのレザバにキャップ溶液を充填するまで、工程(26)〜
(29)を繰り返した(図7bを参照)。
【0091】 (31)微量注入器から、10μLのガラス製注射器を取り外した。
【0092】 (32)〜(47)放出システムについて、工程(15)〜(30)を繰り返
した(純粋な液状分子または分子と賦形剤の混合物)(図8aおよび8bを参照
)。ここで、使用した放出システムは、約10mMの濃度のフルオレセインナト
リウム塩および約20容量%のポリ(エチレングリコール)(分子量200を有
する)を含有する脱イオン水であった。このフルオレセインを放出するのが望ま
しい各レザバに、20nL/sの注入速度で、約20nLのこの溶液を注入した
。混入を避けるために、キャップ溶液および放出システム溶液には、別個の注射
器を使用した。
【0093】 (48)マイクロカバーガラス(VWR Brand Micro Cove
r Glass,Square,No.1、22mm平方×0.13〜0.17
mm厚、VWR品目#48366−067)に、3M Super 77 Sp
ray Adhesiveをスプレーした。接着剤が粘着性となるまで待った(
図9を参照)。
【0094】 (49)毛抜きを使用して、高分子素子をマイクロカバーガラス(または他の
適当な被覆材料)上に置いた。この基板の注入側は、このカバーと接触し、これ
らのレザバキャップをアクセス可能のままにし、それにより、このマイクロチッ
プ素子を密封した。
【0095】 (50)この接着剤を乾燥させた。次いで、このマイクロチップ素子を使用で
きる状態にした(図9を参照)。
【0096】 (実施例2:コレステロール/レシチンレザバキャップを有する高分子マイ
クロチップ素子の製作) 受動素子用のコレステロール/レシチンレザバキャップを有する高分子マイク
ロチップ素子を作製するのに、以下の代替手順を使用した。
【0097】 (1)〜(4)実施例1で記述した工程(1)〜(4)に従って、高分子プレ
フォームを形成した。
【0098】 (5)円筒形高分子プレフォームを、アルミニウムダイプレート(アルミニウ
ムシート、約3mm(すなわち、1/8インチ)厚、この高分子プレフォームと
ほぼ同じ直径の穴を備えている)に入れた。ダイプレートを、円錐圧子を有する
アルミニウムプレートに載せ、そして上部を、3mm(すなわち、1/8インチ
)厚の他のアルミニウムプレートで覆った。
【0099】 (6)(5)のアセンブリを、54℃(130°F)で、Carver La
boratory Press,model Cに入れた。加熱したプラテンの
温度を、54℃(130°F)に設定した。その装填圧力は、約8896N(2
000ポンドの力)のままにした。このアセンブリを、約10分間にわたって、
この実験室プレス内に残した。この圧子プレートの側面に、穴を機械切削して、
この高分子プレフォームの近くの温度をモニターした。Omega HH21マ
イクロプロセッサ温度計に接続したT型熱電対を使用した。
【0100】 (7)このアセンブリを、この実験室プレスから取り外した。このアセンブリ
を、冷却水を流すことにより、さらに冷却した。
【0101】 (8)凹みを付けた高分子プレフォーム(すなわち、基板)を、アルミニウム
圧子およびダイプレートから取り外した。
【0102】 (9)この凹みを付けた高分子プレフォームを、接着剤を使用して、適当なマ
ウントに付着した。両面テープを使用して、この凹みを付けた高分子プレフォー
ムを円筒形高分子ブロック(直径約2.54cm(1インチ)および高さ約2.
54cm(1インチ))に固着した。このプレフォームの凹んだ側が、確実に、
このマウントに面するようにした。
【0103】 (10)取り付けた基板に、複数の試料ホルダーを装填した(Buehler
品目60−5160、Controlled Material Remova
l Accessory)を装填し、そして除去する材料の所望厚さまで、ダイ
ヤモンド製ストップを設置した(典型的には、1.32mm、すなわち、0.0
52インチ)。
【0104】 (11)Buehler Ecomet IV Rotary Polish
erに、試料ホルダーを装填し、レザバの末端が露出され試料の表面がダイヤモ
ンドストップと水平になるまで、基板を研磨した。この研磨の進行をモニターす
るために、基板を頻繁に検査した。典型的な研磨手順は、研磨時間の範囲と共に
、表2に示す。
【0105】
【表2】 (12)実施例1で記述した工程(14)に従って、この基板を、このマウン
トから取り外した。
【0106】 (13)レザバキャップを形成するために、所望の溶液を混合した(例えば、
クロロホルムおよびエタノールの混合液中のコレステロール2重量%およびレシ
チン(これは、コレステロールの結晶化阻害剤である)3重量%の溶液)。この
溶液を、電磁攪拌プレートおよび電磁攪拌棒で、少なくとも5分間にわたって、
穏やかに混合した。
【0107】 (14)〜(29)実施例1で記述した工程(16)〜(31)に従って、レ
ザバキャップを形成した。
【0108】 (30)〜(45)放出システムについて、工程(14)〜(29)を繰り返
した(純粋な液状分子または分子と賦形剤の混合物)。この場合、使用した放出
システムは、約13mMの濃度のフルオレセインナトリウム塩を含む脱イオン水
であった。このフルオレセインを放出するのが望ましい各レザバに、205nL
/sの注入速度で、約20nLのこの溶液を注入した。混入を避けるために、キ
ャップ溶液および放出システム溶液には、別個の注射器を使用した。
【0109】 (46)使用法に従って、Master Bond EP30HTFエポキシ
を混合した。
【0110】 (47)つま楊枝を使用して、ゴム製Oリング(Greene Rubber
Company,品目#2−001 N0674−70 BUNA−N O−
RING)の一面をエポキシで被覆し、そしてOリングを基板の表面(マイクロ
チップ素子のうちレザバキャップと反対側)に置いた。放出システムを充填した
各レザバについて、工程を繰り返した。
【0111】 (48)少なくとも4時間にわたって、エポキシを乾燥させた。
【0112】 (49)使用法に従って、他のバッチのMaster Bond EP30H
TFを混合し、次いで、Oリングの外側の全領域にわたって、マイクロチップ素
子の裏面にエポキシの薄層を被覆した。
【0113】 (50)少なくとも4時間にわたって、エポキシを乾燥させた。
【0114】 (51)使用法に従って、さらに他のバッチのMaster Bond EP
30HTFを混合し、Oリングの上面にエポキシの薄層を被覆し、そしてOリン
グの上部にガラス製顕微鏡用スライドを固着し、このマイクロチップ素子を密封
した。
【0115】 (52)少なくとも24時間(好ましくは、48時間)にわたって、このエポ
キシを乾燥させた。次いで、このマイクロチップ素子を使用できる状態にした。
【0116】 (実施例3:高分子レザバキャップを有する高分子マイクロチップ素子の製
作) 受動放出用のポリエステルレザバキャップを有する高分子マイクロチップ素子
を作製するのに、以下の手順を使用した。
【0117】 (1)所望量の高分子粉末を秤量した(図4aを参照)。ここで、0.4gの
ポリ(乳酸)(MWは、約100,000)を使用した。
【0118】 (2)直径1.27cm(1/2インチ)の鋼鉄製の円錐ダイスに、底部ピス
トンを挿入し、工程(1)の高分子粉末を充填し、そしてダイスに上部ピストン
を挿入した(図4bを参照)。
【0119】 (3)粉末を備えたダイスを、Carver Laboratory Pre
ss,model Cに入れた。室温で、1分30秒間にわたって、約69×1
Pa(10,000psi)でプレスすると、円筒形高分子プレフォームが
得られた(図4cを参照)。
【0120】 (4)このダイスから円筒形高分子プレフォームを取り外した(図4dを参照
)。
【0121】 (5)高分子プレフォームを、アルミニウムダイプレート(これは、この高分
子基板にレザバを形成するための圧子のアレイを含む)に入れた。その中に直径
1.27cm(1/2インチ)の穴を備えた3mm厚のアルミニウムプレートを
、この高分子プレートがこのプレートの穴に入るように、この圧子プレートの上
部に置いた。このアルミニウムプレートの上部を、3mm厚の他のアルミニウム
プレートで覆った(図5を参照)。
【0122】 (6)このアセンブリを、182℃(360°F)で、Carver Lab
oratory Press,Model Cに入れた。プラテンを合体し、圧
力ゲージの読みが14448Nと8896N(1000ポンドおよび2000ポ
ンドの力)になるまで、ゆっくりと圧力を加えた。このようにして、15分間に
わたって、このプレフォームをホットプレスして、この高分子基板にレザバを形
成した。この圧子プレートの側面に、穴を機械切削して、この高分子プレフォー
ムの近くの温度をモニターした。Omega HH21マイクロプロセッサ温度
計に接続したT型熱電対を使用した。
【0123】 (7)このアセンブリをLab Pressから取り出し、外気で約32℃(
90°F)まで冷却した。
【0124】 (8)凹みを付けた高分子プレフォーム(すなわち、基板)を、アルミニウム
圧子およびダイプレートから取り外した。
【0125】 (9)この凹みを付けた高分子プレフォームを、接着剤を使用して、適当なマ
ウントに付着した。両面テープを使用して、この凹みを付けた高分子プレフォー
ムを円筒形高分子ブロック(直径約2.54cm(1インチ)および高さ約2.
54cm(1インチ))に固着した。このプレフォームの凹んだ側が、確実に、
このマウントに面するようにした。
【0126】 (10)取り付けた基板に、複数の試料ホルダーを装填した(Buehler
品目60−5160、Controlled Material Remova
l Accessory)を装填し、そして除去する材料の所望厚さまで、ダイ
ヤモンド製ストップを設置した(典型的には、1.32mm、すなわち、0.0
52インチ)。
【0127】 (11)Buehler Ecomet IV Rotary Polish
erに、試料ホルダーを装填し、レザバの末端が露出され試料の表面がダイヤモ
ンドストップと水平になるまで、基板を研磨した。この研磨の進行をモニターす
るために、基板を頻繁に検査した。典型的な研磨手順は、研磨時間の範囲と共に
、表3に示す。
【0128】
【表3】 (12)この基板を、このマウントから取り外した。溶媒を使用して、この接
着剤を緩め、このマウントからの基板の取り外しを助け得る。黄銅ブロック上に
両面テープを取り付けた基板については、この基板をエタノールで5〜20分間
すすぐと、この接着剤を緩めることが分かった。
【0129】 (13)レザバキャップを形成するために、所望の溶液を混合した(例えば、
ポリ(L−乳酸−co−グリコール酸)(分子量約25,000)の5〜10容
量%ジクロロメタン溶液)。この溶液を、電磁攪拌プレートおよび電磁攪拌棒で
、少なくとも5分間にわたって、穏やかに混合した。
【0130】 (14)Becton−Dickinsonの1mLプラスチック製注射器(
品目#309602)に、所望のキャップ溶液を充填した。
【0131】 (15)World Precision Instruments Mic
roFil(登録商標)Flexible針(品目#MF34G−5)を注射器
に装着した。
【0132】 (16)MicroFil(登録商標)針を、Unimetricsの50μ
L Lure Lockガラス製注射器(World Precision I
nstrumentsの品目#15895)の末端(プランジャと反対側)に挿
入した。
【0133】 (17)1mLプラスチック製注射器にプランジャーを押し下げて、50μL
ガラス製注射器にキャップ溶液を充填した。
【0134】 (18)ガラス製注射器からMicroFil(登録商標)針を取り外した。
【0135】 (19)Hamilton instrumentsの32ゲージ針(品目#
91032)のレザバ末端に、MicroFil(登録商標)針を入れた。針レ
ザバにキャップ溶液を満たすために、プラスチック製1mL注射器にプランジャ
ーを押し下げたが、針をガラス製注射器に装着したとき、気泡の形成を最小にし
た。
【0136】 (20)32ゲージ針を50μLガラス製注射器に装着した。
【0137】 (21)World Precision Instrumentsの微量注
入器(品目#UMP−G)に、50μLガラス製注射器アセンブリを入れた。
【0138】 (22)この基板を、ガラス製スライドアセンブリに注入するように置き、レ
ザバの一端は、上に向け、その素子の縁部は、これらのガラス製スライド上に載
せた。反対側のレザバの末端は、確実に、表面上に載らないようにした。テープ
を使用して、基板をガラススライド上の適当な位置に保持した。
【0139】 (23)所望の全注入容量および容量流速を、World Precisio
n Instruments Micro 1(登録商標)Microsyri
nge Pump Controllerに入力した(典型的には、100〜2
00nLの複数回の注入は、205nL/秒の流速で行われる)。
【0140】 (24)微量注入アセンブリを傾け、針先端をレザバの列に揃えた(図7aを
参照)。
【0141】 (25)微調整ノブを使用して、キャップ溶液を注入するレザバに、針先端を
入れた。
【0142】 (26)「Run」ボタンを押して、所望容量をレザバに注入した。
【0143】 (27)微量注入器にある微調整ノブを使用して、レザバから針を取り出し、
注入する次のレザバに移動した。
【0144】 (28)所望の全てのレザバにキャップ溶液を充填するまで、工程(25)〜
(27)を繰り返した(図7bを参照)。
【0145】 (29)微量注入器から、50μLのガラス製注射器を取り外した。
【0146】 (30)〜(45)放出システムについて、工程(13)〜(28)を繰り返
した(純粋な液状分子または分子と賦形剤の混合物)(図8aおよび8bを参照
)。ここで、使用した放出システムは、約13mMの濃度のフルオレセインナト
リウム塩を含有する脱イオン水であり、フルオレセインを放出するのが望ましい
各レザバに、205nL/sの注入速度で、約20nLのこの溶液を注入した。
混入を避けるために、キャップ溶液および放出システム溶液には、別個の注射器
を使用した。
【0147】 (46)使用法に従って、Master Bond EP30HTFを混合し
た。
【0148】 (47)つま楊枝を使用して、ゴム製Oリング(Greene Rubber
Company,品目#2−001 N0674−70 BUNA−N O−
RING)の一面をエポキシで被覆し、そしてOリングを基板の表面(マイクロ
チップ素子のうちレザバキャップと反対側)に置いた。放出システムを充填した
各レザバについて、工程を繰り返した。
【0149】 (48)少なくとも4時間にわたって、エポキシを乾燥させた。
【0150】 (49)使用法に従って、他のバッチのMaster Bond EP30H
TFを混合し、次いで、Oリングの外側の全領域にわたって、マイクロチップ素
子の裏面にエポキシの薄層を被覆した。
【0151】 (50)少なくとも4時間にわたって、エポキシを乾燥させた。
【0152】 (51)使用法に従って、さらに他のバッチのMaster Bond EP
30HTFを混合し、Oリングの上面にエポキシの薄層を被覆し、そしてOリン
グの上部にガラス製顕微鏡用スライドを固着し、このマイクロチップ素子を密封
した。
【0153】 (52)少なくとも24時間(好ましくは、48時間)にわたって、このエポ
キシを乾燥させた。次いで、このマイクロチップ素子を使用できる状態にした。
【0154】 (実施例4:コレステロールレザバキャップを有するセラミックマイクロチ
ップ素子の製作) 以下の手順は、受動放出用のコレステロールレザバキャップを有するセラミッ
クマイクロチップ素子を作製するのに使用できる手順である。
【0155】 (1)所望量のセラミック粉末を秤量するか、または所望量のセラミック含有
スラリーを測定する。
【0156】 (2)このセラミック粉末を圧縮成形するか、このスラリーを、室温で、圧子
プレートで鋳造して、部分的に緻密なレザバ含有基板を形成する。
【0157】 (3)高温で焼結することによって、工程(2)の基板を緻密化する。
【0158】 (4)〜(6)実施例1の工程(12)〜(14)で記述したようにして、こ
の基板を研磨する。研磨粒度、研磨速度および研磨時間を、実施例1の高分子素
子で使用したものから変える。
【0159】 (7)〜(23)実施例1の工程(15)〜(31)で記述したようにして、
キャップ溶液を微量注入することによって、レザバキャップを形成する。
【0160】 (24)〜(39)実施例1の工程(32)〜(47)で記述したようにして
、微量注入によって、レザバに放出システムを充填する。
【0161】 (40〜46)実施例2の工程(46)〜(52)で記述したようにして、マ
イクロチップを密封する。
【0162】 (実施例5:微量注入および光食刻法を使用する能動放出用の高分子マイクロ
チップ素子の製作) 能動放出用の高分子マイクロチップ素子を作製するのに、以下の手順が使用で
きる。
【0163】 (1)〜(31)実施例1の工程(1)〜(31)に従って、レザバおよびレ
ザバキャップを有する高分子基板を形成する。
【0164】 (32)標準的な微細加工技術を使用して、電気的に腐食性の重合体(例えば
、ポリ(エチルオキサゾリン)およびポリ(メタクリル酸)の錯体)のレザバキ
ャップ材料を、この基板の所望領域(これは、そのレザバ開口部を覆う領域が含
まれる)にパターン化する。これは、典型的には、以下の工程を包含する: (a)この高分子およびフォトレジストを回転塗装する工程; (b)光食刻して、このフォトレジストを露出し現像する工程; (c)化学エッチング、プラズマエッチングまたはイオンビームエッチングの
ような方法によって、この基板表面の特定の領域(フォトレジストで保護した領
域を除く)からこの重合体を取り出す工程; (d)このフォトレジストを、この基板の残りの領域から取り出す工程;およ
び (e)必要に応じて、化学エッチング、プラズマエッチングまたはイオンエッ
チングによって、この基板の裏面を食刻することにより、この内部レザバキャッ
プ(この導電性高分子キャップの下)を取り出す工程。
【0165】 (33)〜(48)これらのレザバに、実施例1の工程(15)〜(30)で
記述したようにして、放出分子を充填する。
【0166】 (49)〜(55)実施例2の工程(46)〜(52)で記述したようにして
、このマイクロチップ素子を密封する。
【0167】 (実施例6:微量注入および光食刻法を使用する能動放出用の高分子マイク
ロチップ素子の製作) 以下の手順は、能動放出用のセラミックマイクロチップ素子を作製するのに使
用できる手順である。
【0168】 (1)〜(6)実施例4の工程(1)〜(6)に従って、このセラミック基板
を形成し研磨する。
【0169】 (7)〜(22)実施例1の工程(32)〜(47)で記述したようにして、
微量注入によって、レザバキャップを製作する。
【0170】 (23)実施例5の工程(32)で記述したようにして、導電性の材料をパタ
ーン化して、レザバの上に電気回路および導電性キャップを形成する。
【0171】 (24)〜(39)実施例1の工程(32)〜(47)で記述したようにして
、微量注入によって、レザバに放出システムを充填する。
【0172】 (40)〜(46)実施例2の工程(46)〜(52)で記述したようにして
、マイクロチップ素子を密封する。
【0173】 (実施例7:微量注入およびマイクロコンタクトプリンティングを使用する
能動放出用の高分子マイクロチップ素子の製作) 以下は、能動放出用の高分子マイクロチップ素子を作製するのに使用できる他
の手順である。
【0174】 (1)〜(30)実施例1の工程(1)〜(30)に従って、レザバおよび内
部レザバキャップを有する高分子基板を形成する。
【0175】 (31)標準的なマイクロコンタクトプリンティング法を使用して、内部レザ
バキャップ上に、導電性回路網および外部レザバキャップをパターン化する。例
えば、Gormanら、Chem.Mater.,7:526〜529(199
5);Xiaら、Adv.Mater.,8:1015:1017(1996)
;Yanら、J.Am.Chem.Soc.,120:6179〜6180(1
998);Marzolinら、Thin Solid Films,315:
9〜12(1998)を参照。
【0176】 (32)もし望ましいなら、実施例5の工程(32e)で記述したエッチング
方法を使用して、外部レザバキャップの下から内部レザバキャップを取り出す。
【0177】 (33)〜(48)実施例1の工程(32)〜(47)で記述したようにして
、これらのレザバに放出分子を充填する。
【0178】 (49)〜(55)実施例2の工程(46)〜(52)で記述したようにして
、このマイクロチップ素子を密封する。
【0179】 (実施例8:微量注入およびマイクロコンタクトプリンティングを使用する
能動放出用の高分子マイクロチップ素子の製作) 以下は、能動放出用の高分子マイクロチップ素子を作製するのに使用できる他
の手順である。
【0180】 (1)〜(6)実施例4の工程(1)〜(6)に従って、このセラミック基板
を形成し研磨する。
【0181】 (7)〜(23)実施例1の工程(15)〜(31)で記述したようにして、
微量注入によって、レザバキャップを製作する。
【0182】 (24)標準的なマイクロコンタクトプリンティング法を使用して、内部レザ
バキャップ上に、導電性回路網および外部レザバキャップをパターン化する。
【0183】 (25)もし望ましいなら、実施例5の工程(32e)で記述したエッチング
方法を使用して、外部レザバキャップの下から内部レザバキャップを取り出す。
【0184】 (26)〜(41)実施例1の工程(32)〜(47)で記述したようにして
、これらのレザバに放出分子を充填する。
【0185】 (42)〜(48)実施例2の工程(46)〜(52)で記述したようにして
、このマイクロチップ素子を密封する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、放出システムを充填したレザバおよびレザバキャップを有する受動送
達素子の1実施形態を図示している概略図である。
【図2】 図2は、放出システムを充填したレザバを有しレザバキャップを有しない受動
送達素子の1実施形態を図示している概略図である。
【図3】 図3は、放出システムを充填したレザバおよび電気的に応答性のレザバキャッ
プを有する能動送達素子の1実施形態を図示している概略図である。
【図4】 図4a〜fは、部分的に緻密(4d)および完全に緻密(4f)な高分子プレ
フォームを変性する好ましい方法を図示している。
【図5】 図5は、高分子素子でレザバを形成する成形工程の1実施形態を図示している
【図6】 図6a〜cは、一面にレザバを形成した基板のレザバ末端を露出する研磨工程
の1実施形態を図示している。
【図7】 図7a〜bは、微量注入によってこの基板にレザバキャップを形成する方法の
1実施形態を図示している。
【図8】 図8a〜bは、微量注入によってこの基板に放出システムを形成する方法の1
実施形態を図示している。
【図9】 図9a〜fは、この素子のレザバを密封する方法の1実施形態を図示している
【図10】 図10は、毛細管圧力を使用してこの基板にレザバキャップを形成する方法の
1実施形態を図示している。
【図11】 図11は、レザバの側壁に電極を有する能動送達装置の1実施形態を図示して
いる概略図である。
【図12】 図12は、レザバ側壁に電極を有する能動素子の1実施形態の上面図(12a
)および断面側面図(12b)である。
【図13】 図13a〜cは、その電極を通って電流を適用すると分解する高分子用(13
b)および電流を適用するとイオン交換を受ける高分子用(13c)のレザバ含
有高分子/活性剤マトリックス(13a)の側壁に電極を有する能動素子の1実
施形態の断面側面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 リチャーズ, アミー シー. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02142, ケンブリッジ, ピー.オー. ボックス ジー, アメス ストリート 3 (72)発明者 サンティニ, ジョン ティー. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02478, ベルモント, ウィンズロウ ロード 64 (72)発明者 シーマ, マイケル ジェイ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01890, ウィンチェスター, ミスティ ック バレー パークウェイ 184 (72)発明者 ランガー, ロバート エス. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02458, ニュートン, ロンバード ス トリート 77 Fターム(参考) 4C053 BB32 HH02 4C076 AA36 AA53 AA95 BB01 DD29H EE03H EE24H EE27H FF31 FF68 GG26 4C167 AA71 BB13 BB24 BB31 BB32 BB40 BB42 BB44 BB47 BB48 CC01 EE08 FF10 GG02 GG03 GG04 GG06 GG08 GG16 GG21 GG26

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子の放出用の-マイクロチップ素子を製作する方法であっ
    て、該方法は、以下の工程を包含する: 金型中で、材料を成形または鋳造して、マイクロチップ素子で使用する基板を
    形成する工程であって、ここで、該金型の表面は、複数の突出部を有し、該突出
    部は、該基板内で、レザバを形成する;および 放出分子を含む放出システムを該レザバに充填する工程。
  2. 【請求項2】 前記材料が、金属または高分子のプレフォームであり、そし
    て前記成形が、圧縮成形である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記材料が、前記金型で鋳造されるセラミック粉末である、
    請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 さらに、前記基板を焼いて、それを緻密にする工程を包含す
    る、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 さらに、前記基板を切断するか、該基板の表面を平面化する
    か、またはそれらの組合せにより、前記レザバの末端を該基板の表面に露出する
    工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記平面化が、研磨、化学エッチングおよびプラズマエッチ
    ングからなる群から選択される方法により実行される、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記切断が、レーザー、水噴射またはノコギリを使用して行
    われる、請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 さらに、前記レザバをレザバキャップ材料でキャップ形成す
    る工程を包含し、該レザバキャップ材料が、前記分子に対して選択的に浸透性に
    されるか浸透性にできるか、崩壊して該分子を放出するか、またはそれらの組合
    せである、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 さらに、前記レザバをレザバキャップ材料でキャップ形成し
    て該レザバの一端にてレザバキャップを形成する工程、および該レザバの他端を
    密封する工程を包含する、請求項5に記載の方法。
  10. 【請求項10】 分子の放出用の-マイクロチップ素子を製作する方法であ
    って、該方法は、以下の工程を包含する: マイクロチップ素子で使用する基板を提供する工程; 該基板に、複数のレザバを形成する工程; 該基板の一面またはそれ以上の面で、導電性材料の薄膜を堆積して、該レザバ
    近く、該レザバ内または該レザバを部分的に覆って、電極を形成する工程;およ
    び 放出分子を含む放出システムを該レザバに充填する工程。
  11. 【請求項11】 前記放出システムが、前記電極を横切って電位または電流
    を適用すると、 (a)局所pH変化のために、前記分子を崩壊するかまたは該分子に対して浸
    透性となるか、または (b)溶液中のイオンをイオン結合活性物質と交換して、それにより、該分子
    を放出する、 請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記放出システムが、高分子マトリックスを含む、請求項
    11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 さらに、レザバキャップを形成する工程を包含し、該レザ
    バキャップが、前記レザバにある前記放出システム上に位置している、請求項1
    0に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記レザバキャップが、前記電極を横切って電位または電
    流を適用すると、 (a)局所pH変化のために、前記分子を崩壊するかまたは該分子に対して浸
    透性となるか、または (b)溶液中のイオンをイオン結合活性物質と交換して、それにより、該分子
    を放出する、 請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 分子を放出するマイクロチップ素子であって、該素子は、
    以下の部分を含む: 基板であって、該基板は、複数のレザバを有し、該レザバは、放出用の分子を
    含む放出システムを含有する;および 1個またはそれ以上の電極であって、該電極は、(i)該レザバの1個または
    それ以上の内側、(ii)該レザバの外側で該基板の表面上であるが該レザバの
    該放出システムで変化を生じるのに十分に該レザバの少なくとも1個の近く、ま
    たは(iii)該レザバの1個またはそれ以上を部分的に覆っているがそれらを
    密封しないで位置しており、ここで、該電極は、制御して適用された刺激を引き
    起こすように動作可能である、 ここで、該放出システムは、(a)該刺激による該放出システムの直接刺激、
    または(b)該素子またはレザバの局所環境の変化に応答して、該分子を放出し
    、ここで、該変化は、該刺激により誘発される、 素子。
  16. 【請求項16】 前記刺激が、適用された電位または電流である、請求項1
    5に記載のマイクロチップ素子。
  17. 【請求項17】 前記放出システムが、前記電極を横切って電位または電流
    を適用すると、該電位または電流により誘発された局所pH変化のために崩壊す
    る、請求項16に記載のマイクロチップ素子。
  18. 【請求項18】 前記放出システムが、前記電極を横切って電位または電流
    を適用すると、溶液中のイオンを該放出システム中のイオン結合活性物質と交換
    して、それにより、該分子を放出する、請求項16に記載のマイクロチップ素子
  19. 【請求項19】 前記局所環境の前記変化が、前記電極への電位または電流
    の適用により生じる電場または磁場の発生である、請求項15に記載のマイクロ
    チップ素子。
  20. 【請求項20】 前記放出システムが、高分子マトリックスを含む、請求項
    15に記載のマイクロチップ素子。
  21. 【請求項21】 前記刺激が、光および磁場からなる群から選択される、請
    求項15に記載のマイクロチップ素子。
  22. 【請求項22】 分子を放出するマイクロチップ素子であって、該素子は、
    以下の部分を含む: 基板であって、該基板は、複数のレザバを有し、該レザバは、放出用の分子を
    含む放出システムを含有する;および 1個またはそれ以上の電極であって、該電極は、(i)該レザバの1個または
    それ以上の内側、(ii)該レザバの外側で該基板の表面上であるが該レザバの
    該放出システムで変化を生じるのに十分に該レザバの少なくとも1個の近く、ま
    たは(iii)該レザバの1個またはそれ以上を部分的に覆っているがそれらを
    密封しないで位置しており、ここで、該電極は、制御して適用された刺激を引き
    起こすように動作可能である; レザバキャップであって、該レザバキャップは、非導電性材料から形成され、
    そして該放出システム上に位置しており、 ここで、該レザバキャップは、(a)該刺激による直接刺激、または(b)該
    素子またはレザバの局所環境の変化に応答して、該分子を放出可能にし、ここで
    、該変化は、該刺激により誘発される、 素子。
  23. 【請求項23】 前記レザバキャップが、外部レザバキャップであり、そし
    て前記素子が、さらに、内部レザバキャップを含み、該内部レザバキャップが、
    前記レザバにおいて、該外部レザバキャップの下に位置している、請求項22に
    記載のマイクロチップ素子。
  24. 【請求項24】 分子を送達する方法であって、該方法は、以下の工程を包
    含する: 該分子を送達する部位で、請求項16に記載のマイクロチップ素子を提供する
    工程;および 前記電極を横切って電位または電流を適用して、局所pH変化のために該放出
    システムを崩壊させるか、または該放出システムに溶液中のイオンを該放出シス
    テム中のイオン結合活性物質と交換させて、それにより、該部位で該分子を放出
    する工程。
  25. 【請求項25】 分子を送達する方法であって、該方法は、以下の工程を包
    含する: 該分子を送達する部位で、請求項22に記載のマイクロチップ素子を提供する
    工程であって、ここで、前記刺激は、適用された電位または電流である;および 前記電極を横切って電位または電流を適用して、局所pH変化のために該レザ
    バキャップを崩壊させるか、または該放出システムに溶液中のイオンを該放出シ
    ステム中のイオン結合活性物質と交換させて、それにより、該部位で該分子を放
    出する工程。
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