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JP2003503019A - プレプチン機能を有するペプチド - Google Patents

プレプチン機能を有するペプチド

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Publication number
JP2003503019A
JP2003503019A JP2001505563A JP2001505563A JP2003503019A JP 2003503019 A JP2003503019 A JP 2003503019A JP 2001505563 A JP2001505563 A JP 2001505563A JP 2001505563 A JP2001505563 A JP 2001505563A JP 2003503019 A JP2003503019 A JP 2003503019A
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JP
Japan
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pro
preptin
asp
thr
phe
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Application number
JP2001505563A
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English (en)
Inventor
ジェイムズ スミス クーパー,ガース
マリー ブチャナン,クリスティナ
Original Assignee
プロテミックス コーポレイション リミティド
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Publication date
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Publication of JP2003503019A publication Critical patent/JP2003503019A/ja
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    • C07K14/65Insulin-like growth factors, i.e. somatomedins, e.g. IGF-1, IGF-2
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、哺乳動物の生物活性ペプチドに関する。特に、本発明は、膵島β細胞から分泌され、そしてインスリン分泌を刺激する、プレプチンと称するペプチドに関する。特に、プレプチンのアナログ、プレプチン又はそのアナログを含有する医薬組成物、及びそれらの薬剤としての使用もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は生物活性ペプチドに関する。特に、本発明は、膵島β細胞によって分
泌される、インスリン分泌を刺激するペプチドに関する。
【0002】背景 膵島β細胞は、中間代謝に顕著な効果を示すペプチドホルモンであるインスリ
ンの分泌を主に介して、生理学的に主要な制御機能を果している(Draznin et al
. (1994))。別のβ細胞ホルモンであるアミリンもまた、インスリン分泌及び組
織のインスリン感受性に対する作用を介して、β細胞の制御機能に寄与しうる(
Cooper, G. (1994) ; Hettiarachchi et al. (1997))。
【0003】 膵島β細胞において、ホルモンは、分泌顆粒内に貯えられており、この分泌顆
粒が、シグナル、例えば燃料物質(例えばグルコース、アミノ酸)又は神経ホル
モン性刺激物に応答して、制御性の放出を受ける。これらの顆粒は、インスリン
及びZnを豊富に含む濃染中心体を有し、一方でより少量のインスリンC−ペプチ
ド、アミリン、プロインスリン、クロモグラニン由来のペプチド、プロテアーゼ
及びその他のタンパク質が、顆粒マトリックス内に認められている(Hutton, J.
(1989))。
【0004】 本発明者がここで決定したことは、膵島β細胞が更に別の制御性ペプチドを分
泌することである。本発明者は、更に、このペプチドが、グルコース仲介性のイ
ンスリン分泌を増強することを決定した。 一般的には、本発明は、多様な点で、このペプチドを対象とする。本発明者は
、このペプチドをプレプチンと称する。
【0005】発明の要旨 従って、最初の点として、本発明は、ペプチドであるプレプチン又はそのアナ
ログを提供する。 「プレプチン」とは、下記アミノ酸配列: Asp Val Ser Thr R1 R2 R3 Val Leu Pro Asp R4 Phe Pro Arg Tyr Pro Val Gly
Lys Phe Phe R5 R6 Asp Thr Trp R7 Gln Ser R8 R9 Arg Leu ただしR1はSer又はProであり; R2はGln又はProであり; R3はAla又はThrであり; R4はAsp又はAsnであり; R5はGln又はLysであり; R6はTyr又はPheであり; R7はArg又はLysであり; R8はAla又はThrであり;及び R9はGly又はGlnである、 を有する、34個のアミノ酸からなるペプチド、又はそのアナログを指す。
【0006】 一つの態様では、本発明は、下記アミノ酸配列: Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr Pro Val
Gly Lys Phe Phe Gln Tyr Asp Thr Trp Lys Gln Ser Thr Gln Arg Leu を有するヒトのプレプチンを提供する。
【0007】 別の態様では、本発明は、下記アミノ酸配列: Asp Val Ser Thr Ser Gln Ala Val Leu Pro Asp Asp Phe Pro Arg Tyr Pro Val
Gly Lys Phe Phe Lys Phe Asp Thr Trp Arg Gln Ser Ala Gly Arg Leu を有するラットのプレプチンを提供する。
【0008】 更に別の態様では、本発明は、下記アミノ酸配列: Asp Val Ser Thr Ser Gln Ala Val Leu Pro Asp Asp Phe Pro Arg Tyr Pro Val
Gly Lys Phe Phe Gln Tyr Asp Thr Trp Arg Gln Ser Ala Gly Arg Leu を有するマウスのプレプチンを提供する。 前記アミノ酸配列は、各々の哺乳動物のプロIGF-IIのE-ペプチドのAsp69-Leu1 02 に一致する。
【0009】 更に別の点では、本発明は、プレプチン又はそのアナログをコードするポリヌ
クレオチドを提供する。 更に別の点では、本発明は、プレプチン又はそのアナログをコードするポリヌ
クレオチドを含み、かつそのプレプチン又はアナログを発現することができるベ
クター又は細胞株を提供する。 また、プレプチンの塩、好ましくは生理学的に許容される塩も提供される。 更に別の点では、本発明は、更に、プレプチン又はそのアナログ、又はプレプ
チンの塩を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0010】 更に別の点では、本発明は、治療又は予防のためにインスリン分泌を刺激する
方法であって、その様な治療又は予防を必要とする患者に、有効量のプレプチン
又はそのアナログを投与する過程を含んでなる前記方法を提供する。 更に別の点では、本発明は、薬剤、特にインスリン分泌を刺激するための薬剤
の調製における、プレプチン又はそのアナログ、又はその塩の使用を提供する。
【0011】 更に別の点では、本発明は、グルコース仲介性のインスリン分泌を調節する方
法であって、患者に、有効量のプレプチン、プレプチンアナログ、プレプチンア
ゴニスト又はプレプチンアンタゴニストを投与する過程を含んでなる前記方法を
提供する。 更に別の態様では、本発明は、プレプチン又はそのアナログと結合する抗体、
前記抗体を用いる検査、並びに前記抗体を含む検査キットを提供する。 前記の要旨は完全なものではない。本発明のその他の点は、下記及び特許請求
の範囲から明白となろう。
【0012】発明の説明 前記で大まかに示した通り、本発明は、膵島β細胞の顆粒内に見い出された新
規なペプチドに関する。このペプチド、すなわちプレプチンは、グルコースによ
り誘発されるインスリン分泌を刺激することが決定された。 要約すると、一回密度勾配遠心法を用い、そして純度をマーカータンパク質の
分析により確認して、培養したマウスβTC6-F7細胞由来の分泌顆粒を精製するこ
とにより、プレプチンを同定した(図1a)。インスリンを用いて、顆粒のコアの
精製を追跡し、一方、顆粒のマトリックスに存在するアミリン(Johnson, K. (1
988))を測定して、顆粒の膜部分を確認した(図1a)。
【0013】 次に、逆相HPLCを用いて、可溶性の顆粒成分を分離した(A214;図1b)。質量
分析及びNH2 末端のアミノ酸配列決定によりペプチドを同定した。主要なピーク
には、マウスのインスリンI及びII、並びにC−ペプチドI及びIIが含まれてい
た(図1a)。非β細胞ペプチドは検出されなかった。そのアミリン:インスリン
のモル比(1:23)及びマウスインスリンI:マウスインスリンIIのモル比(1
:3)は、生理学的なβ細胞の比率(Cooper (1994) ; Linde (1989))と同等で
あった。
【0014】 インスリンIの直前に溶出された主要ピークには、従来知られていないペプチ
ドが含まれていることが分かった(図1b)。これを均一になるまで精製したとこ
ろ、その分子量は3950Daであった(図1c)。この分子を、リシン特異的プロテア
ーゼで消化し、生成したペプチドをRP-HPLC により分離し、そしてNH2 末端のタ
ンパク質配列を決定した。その完全配列から、この分子は、マウスのプロIGF-II
のE-ペプチドのAsp69-Leu102に相当する34個のアミノ酸を有することが確認され
た(図1e)。このペプチドがマウスのプレプチンである。
【0015】 プレプチンは、NH2 末端側で、認知されているArg 切断部位により、そしてCO
OH末端側で、推定上の二塩基性(Arg-Arg)切断モチーフ(Bell et al., (1985))
により挟まれている(図1e)。これらの残基は、種間で高度に保存されており、
そして翻訳後プロセスのシグナルとして機能していると思われる。 他の者が、細胞の培地及び種々の哺乳動物の生物学的な液体において、異なる
プロIGF-II のE-ペプチドに由来するペプチドの存在を明示しているが(Hylka e
t al. (1985), Daughaday et al. (1992)及びLiu et al. (1993))、誰も、プ
レプチンと同等のものを同定していない。
【0016】 マウスプレプチンのアミノ酸配列は以下の通りである: Asp Val Ser Thr Ser Gln Ala Val Leu Pro Asp Asp Phe Pro Arg Tyr Pro Val
Gly Lys Phe Phe Gln Tyr Asp Thr Trp Arg Gln Ser Ala Gly Arg Leu。 ヒト及びラットのプレプチンの等価なアミノ酸配列は、各々以下の通りである
: Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr Pro Val
Gly Lys Phe Phe Gln Tyr Asp Thr Trp Lys Gln Ser Thr Gln Arg Leu;及び Asp Val Ser Thr Ser Gln Ala Val Leu Pro Asp Asp Phe Pro Arg Tyr Pro Val
Gly Lys Phe Phe Lys Phe Asp Thr Trp Arg Gln Ser Ala Gly Arg Leu。
【0017】 プレプチンは、以下のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドによってコ
ードされている: gacgtgtcgacccctccgaccgtgcttccggacaacttccccagataccccgtgggcaagttcttccaatat
gacacctggaagcagtccacccagcgcctg(ヒト); gacgtgtctacctctcaggccgtacttccggacgacttccccagataccccgtgggcaagttcttcaaattc
gacacctggagacagtccgcgggacgcctg(ラット); gacgtgtctacctctcaggccgtacttccggacgacttccccagataccccgtgggcaagttcttccaatag
acacctggagacagtccgcgggacgcctg(マウス)。
【0018】 プレプチンを、合成法又は組換え法により作製しうる。例えば、合成法により
調製するためには、任意の市販の固相による技法、例えばMerryfieldの固相合成
法を用いて、アミノ酸を連続的に成長中のアミノ酸鎖に付加することにより、プ
レプチンを合成しうる(Merryfield, J. Am. Soc. 85 : 2146-2149 (1963) 参照
)。また、ペプチド自動合成装置が供給業者、例えばPerkin Elmer/Applied Bio
systems, Inc. から販売されており、製造業者の取扱説明書に従ってそれを操作
しうる。
【0019】 また、プレプチンをコードするポリヌクレオチド(通常はDNA)配列を発現ベク
ターに挿入し、そして適当な宿主中でそのペプチドを発現させることにより、プ
レプチンを組換え法により生産しうる。当業者に知られている種々の任意の発現
ベクターを用いうる。この組換えペプチドをコードするDNA 分子を含有する発現
ベクターにより形質転換又は形質導入した任意の適当な宿主細胞において、発現
を行いうる。適当な宿主細胞には、原核細胞、酵母及びより高等な真核細胞が含
まれる。
【0020】 組換え法による標準的な生産技術は、例えばManiatis et al, Molecular Clon
ing - A Laboratory Manual, Cold Spring Harbour Laboratories, Cold Spring
Harbour, New York (1989) に記載されている。 プレプチンを発現するベクター及び/又は細胞株は、それら自体の権利におい
て用いられ、そしてまた本発明を構成する。 プレプチンのアナログ及びそのコードポリヌクレオチドのアナログもまた本発
明の範囲に含まれる。この様なアナログには、プレプチン及びそのポリヌクレオ
チドの機能的等価物が含まれる。
【0021】 プレプチン自体に関する機能的等価物には、免疫学的にプレプチンとの交差反
応性を有し、かつそれと実質的に同一の機能を有する全てのタンパク質が含まれ
る。この様な等価物は、例えば、6〜33個のアミノ酸(通常はC末端の短縮であ
る)を有し、かつプレプチンの活性部位を含んでいるプレプチン断片、プレプチ
ンの置換、付加又は欠失変異体、あるいは、プレプチン又はその断片又はその変
異体とその他のアミノ酸との融合体である。
【0022】 最小の断片を形成する6個のアミノ酸は、それらが当該配列上連続しており、
かつ機能上の条件を満たすならば、当該配列の任意の部分であってよい。当然、
当該生物活性ペプチドは、この様なヘキサペプチドのいずれかを含み、あるいは
当該配列に由来するヘプタペプチド、オクタペプチド、ノナペプチド又はデカペ
プチド自体であるか、又はそれらを含むことも可能である(そして明かに考慮さ
れる)。 ヒトプレプチンに由来するヘキサペプチド、ヘプタペプチド、オクタペプチド
、ノナペプチド又はデカペプチド、又はそれらを含むペプチドが特に好ましい。
【0023】 当該ペプチドに含まれる残基の変異もまた可能であり、そして考慮される。例
えば、通常の技術により、配列中のアミノ酸を等価のアミノ酸により置換するこ
とが可能である。標準的に等価であることが知られているアミノ酸のグループは
以下の通りである: (a) Ala Ser Thr Pro Gly; (b) Asn Asp Glu Gln; (c) His Arg Lys; (d) Met Glu Ile Val;及び (e) Phe Tyr Trp。
【0024】 生成したペプチドが、免疫学的にプレプチンとの交差反応を示し、かつプレプ
チンと実質的に同一の機能を有する限り、アミノ酸の付加及び/又は欠失を行っ
てもよい。 等価なポリヌクレオチドには、前記のプレプチンに等価なタンパク質をコード
する核酸配列が含まれる。また、等価なポリヌクレオチドには、核酸コードの縮
重のために天然のポリヌクレオチドとは異なるが、対応するアミノ酸配列には影
響しない様な核酸配列も含まれる。
【0025】 ある特定のポリヌクレオチド又はポリペプチドが、前記に挙げたものに等価で
あるかどうかの予想は相同性に依存しうる。ポリヌクレオチド又はポリペプチド
配列を整列し、そして特定の領域内の同一ヌクレオチドの割合を、公的に利用で
きるコンピューターアルゴリズムを用いて、もう一方の配列に対して決定しうる
。ポリヌクレオチド配列を整列し、そしてそれらの類似性を同定するための典型
的な2つのアルゴリズムは、BLASTN及びFASTA アルゴリズムである。ポリペプチ
ド配列の類似性を、BLASTPアルゴリズムによって調べうる。
【0026】 BLASTN及びBLASTPの両ソフトウェアは、NCBIの匿名FTP サーバー(ftp://ncbi
.nlm.nih.gov)上で/blast/executables/の下で利用可能である。BLASTNアルゴ
リズム、バージョン2.0.4(Feb-24-1998)が、このアルゴリズムの説明書に記載
され、かつそれと共に配布されているデフォルトのパラメーター設定下で、本発
明の変異体の決定に用いるために好ましい。BLAST ファミリーのアルゴリズム、
例えばBLASTN及びBLASTP、の使用が、NCBIのウェブサイトに、すなわちURL とし
てhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/newblast.html に、及び文献Altschul,
Stephen F, et al. (1997),“Gapped BLAST and PSI-BLAST : a new generation
of protein database search programs”, Nucleic Acids Res. 25 : 3389-340
2に記載されている。
【0027】 コンピュータアルゴリズムFASTA は、インターネット上のftp サイト、ftp://
ftp.virginia.edu.pub/fasta/で利用可能である。そのバージョン2.0u4(1996年
2月)が、このアルゴリズムの説明書に記載され、かつそれと共に配布されてい
るデフォルトのパラメータ設定下で、本発明の変異体の決定に用いるために好ま
しい。FASTA アルゴリズムの使用が、W.R. Pearson and D.J. Lipman,“Improve
d Tools for Biological Sequence Analysis,”Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85
: 2444-2448 (1988) 及びW.R. Pearson,“Rapid and Sensitive Sequence Comp
arison with FASTP and FASTA,”Methods in Enzymology 183 : 63-98 (1990)
に記載されている。
【0028】 また、本発明のアナログは、ヒト、ラット又はマウス以外の種に由来するプレ
プチンの相同物も含む。この様な相同物を、例えば、ヒト、ラット及びマウスの
プレプチンをコードするポリヌクレオチドの保存領域に基づく核酸プローブを用
いて、容易に同定することができる。
【0029】 また、プレプチン又はそのアナログは、種々の純度で存在しうる。好ましくは
、プレプチン/アナログ成分は、調製品の重量に対して、少くとも50重量%、よ
り好ましくは少くとも80重量%、更により好ましくは少くとも90重量%、更によ
り好ましくは少くとも95重量%、そして更により好ましくは少くとも99重量%を
占める。しかし、一般的には、医薬的な投与のために、プレプチン/アナログは
、純粋な形又は実質的に純粋な形で存在することが好ましい。
【0030】 患者に投与するために、プレプチン又はプレプチンアナログを、この様な純粋
な又は実質的に純粋な化合物として用いることが可能である。しかしまた、プレ
プチン又はプレプチンアナログは、医薬組成物としても存在しうる。この様な組
成物は、プレプチン又はプレプチンアナログを、これに適した1又は複数の医薬
上容認される担体と共に、そして場合により、希望に応じて、その他の治療成分
と共に含みうる。
【0031】 前記の担体は、プレプチン又はプレプチンアナログとの相溶性を有し、かつ治
療する患者に有害でないという意味で容認されうるものでなければならない。望
ましくは、当該組成物は、ペプチドとの不相溶性が知られている物質を含むべき
ではない。 当該組成物は、単位投与形で存在することが都合良く、そしてこれを医薬分野
で周知な任意の方法により調製しうる。これらの全ての方法には、当該活性成分
を、1又は複数の補助成分を含んでいる担体と混合する過程が含まれる。
【0032】 当該組成物がとりうる正確な剤形は、大きくは、選択した投与経路に依存する
だろう。例えば、プレプチン又はプレプチンアナログを、腸管外に、例えば治療
する患者の静脈血流内に注射しうる。しかし、当業者には、投与経路は変動しう
ること、そしてそれは、静脈内、皮下、筋肉内、腹腔内、腸内、経皮、経粘膜、
徐放性ポリマー組成物(例えばラクチドポリマー又はコポリマー微小顆粒又はイ
ンプラント)、点滴、肺内(吸入)、経鼻、経口などでありうることが容易に認
識されよう。
【0033】 現在、腸管外投与、そして特に、静脈内投与に適する組成物が好ましい。この
様な組成物は、都合良くは、プレプチン又はプレプチンアナログの無菌水溶液を
含んでなる。好ましくは、この溶液は、治療する患者の血液と等張である。この
様な組成物を、都合良くは、プレプチン又はアナログを水中に溶解して水溶液を
作り、そしてこの溶液を無菌化することにより、調製しうる。次に、この組成物
を、単位容器又は複数回投与用容器、例えば密閉したアンプル又はバイアルに入
れうる。 1つの特に好ましい組成物は、注射に適する生理学的緩衝溶液中のプレプチン
である。
【0034】 徐放的な腸管外投与に適する組成物(例えば生物分解性ポリマー調合剤)もま
た当分野に周知である。例えば、米国特許 3,773,919及び 4,767,628、並びに国
際公開WO94/15587を参照のこと。 プレプチンを塩の形に変換することもまた都合が良い。この様な塩は、一般的
には生理学的に容認されうるものであり、そしてこれを、任意の好適な標準的方
法により形成することができる。
【0035】 プレプチンと有機酸の陰イオンとの組合せにより形成したペププチン塩が特に
好ましい。この様な塩には、限定でなく、リンゴ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸
、オキサロ酢酸、クエン酸、イソクエン酸、α−ケトグルタル酸、コハク酸、フ
マル酸及びトリフルオロ酢酸の塩が含まれる。 また、この様に形成した塩を、望ましい場合には、治療投与用の医薬組成物に
調合することもできる。
【0036】 本発明の各点を、以下の非限定的な実験例を参考にして説明する。実験 セクションA 方法及び材料 細胞培養: 49〜60回継代したβTC6-F7マウス膵島β細胞を、三重フラスコ内で、15%熱非
活性化ウマ血清及び 2.5%ウシ胎児血清を補充したnDMEM(Gibco)中で、37℃か
つO2:CO2 95:5(v/v)で培養した。そして5日毎に、PBSによる洗浄、それに
続くトリプシン処理(2.5%トリプシン-EDTA)により継代培養した。各フラスコ
から、70%密集度で約2.0×108細胞を得た。
【0037】 顆粒の精製: 55〜60回継代したβ細胞を、8〜12個の三重フラスコから、トリプシン処理に
より集めて、平均2.5〜4.0ml の純粋な細胞(1.6〜2.4×109)を得た。次にこれ
を濃縮し(1700g,5分)、PBS により2回洗浄し、そしてホモジナイズ用溶液
(0.3Mスクロース/10mM MES K (Sigma) /1mM K2EGTA/1mM Mg2SO4/pH6.5)に
より1回洗浄し、それから同溶液中で、1:5(v/v)の割合で、氷上でホモジナ
イズした。その細胞懸濁液を、ボール付きホモジナイザー(クリアランス7.87×
10-5cm)に20回通すことによりホモジナイズし、そして遠心(400g,10分)によ
り上清を得た。その沈殿物を一度再びホモジナイズし、そして遠心して、これら
の上清を混合した(最終容量20ml)。
【0038】 13%及び31%(v/v)の OptiPrepTM (Nycomed) 溶液を、ホモジナイズ用溶液に
よる希釈により調製し、そして6本の超透明チューブ(Beckman)内に、10mlの連
続勾配(31%−13% OptiPrep)液を注入した(Auto Densi-Flow II, Haakebuch
ler)。沈殿物を上部又は下部に層状に積載し、そして超遠心した(SW40Ti/1600
00g/16時間/4℃)。RIが1.363〜1.368である、最高純度の分泌顆粒を含んで
いる分画を集めた。一方、ミトコンドリア及びリソゾームは、RI>1.371 の分画
に分離された。顆粒調製の完全性を、インスリン(結晶性顆粒コア)及びアミリ
ン(顆粒マトリックス)の放射性免疫検査により、純度を、アリールスルファタ
ーゼ(リソゾーム)及びクエン酸シンターゼ(ミトコンドリア)の機能検査によ
り、そして総タンパク質含量を、ビシンコニニック(Bicinchoninic)酸(Pierc
e)により測定した。
【0039】 RP-HPLC: 顆粒タンパク質を、2回連続のRP-HPLCにより精製した(A:0.08%TFA v/v;
B:80%アセトニトリルと20%のA;Applied Biosystems 140B/785A/112A シス
テム;Jupiter C18 RPカラム、250×2.0mm(Phenomonex);250〜300μl/分;A 214 )。負荷する前に、先ず分泌顆粒物を遠心した(16000g,20分)。最初に、
15分間のイソクラティック溶離を行い、そして注入の19分後から、連続的に30秒
間ずつ分画を収集した。タンパク質を精製するために、連続的に、少し異なった
勾配を用いた。1回目に、顆粒タンパク質を半精製し、2回目に、分解能と純度
を高めるために、少しより平端な勾配で精製した。
【0040】 ペプチド配列分析: 精製したペプチドを、N末端配列決定(自動化エドマン法;ABI ProciseTM)と
、MALDI-TOF 質量分析(MS)による正確な質量測定との組合せにより同定した。
完全配列の確認のために、精製したマウスプレプチン単離品をLys-C (Boehringe
r Mannheim) により切断し、そして生じたペプチド断片を再びRP-HPLC により精
製した。
【0041】 MALDI-TOF質量分析: 500MHzのデジタルオシロスコープ(G2030AA, LeCroy)を装備したMALDI-TOF M
S (Hewlett-Packard G2025A;337nm 放射窒素レーザー/150μJ 最大出力/3n
秒パルス幅/30kVイオン加速能)により、組換えヒトインスリン(Novo Nordisk
;M+H+,5808.66Da;M+2H+,2904.83)及びソマトスタチン(Bachem;M+H+ ,1638.91,M+Na+,1660.90)を基準質量としてα−CHCマトリックスを用いて、
ペプチドの分子量を決定した。高真空下(<1.0μTorr)で質量分析を行い、そし
て「シングルショット」モードでの外部質量較正により、データを得た(Chem S
tation;0〜20PS法、0〜20kDa 範囲における正極性)。精製したペプチドの正
確な分子量を、外部質量基準による内挿法により確認した。
【0042】 ラットプレプチンの化学合成: ラット及びヒトのプレプチンの配列を、既知の予測されたIGF-II配列との比較
により決定した。その予測された配列に従って、Advanced Chem Tech 396ロボッ
ト式ペプチド合成機(Robotics Peptide Syuthesiser)において、FmocLeu-Wang
樹脂を用いて、Fmoc化学方法により、ラットプレプチンを化学的に合成した(Au
spep Pty, Australia)。そのペプチドを脱保護化し、そして92.5% TFA:2.5%
水:2.5%トリイソプロピルシラン:2.5%ジチオスレイトールの溶液により、3
時間で樹脂から切断した。そのペプチドを、ジイソプロピルエーテルの添加によ
り、前記TFA 溶液から沈殿させ、その沈殿物を30%アセトニトリル:水の中に溶
解し、凍結乾燥し、そしてRP-HPLCにより精製した。分析的なRP-HPLCにより、そ
の純度が99%超であると確認された(ラットプレプチンは47%のBで溶出される
)。一方、MALDI-TOF質量分析により、その質量が3932.4Da±0.026%であると確
認された。
【0043】 プレプチンの放射性免疫検査: 単一過程のグルタルアルデヒド法をpH7.0 で行って、合成ラットプレプチンを
、担体であるオボアルブミンに結合し、それを用いて、NZW ウサギにポリクロー
ナル抗血清を作らせた。クロラミン-T法により、プレプチンを125Iで放射性標識
し、その〔125I〕プレプチン(362μCi/μg)をSephadex G-10クロマトグラフィ
ー(50mMリン酸緩衝液、pH7.5)により精製した。次に、PEG補助付きの二次抗体
(ヤギ抗ウサギ方法)によるB/F 分離を用いて、プレプチンのための最適化され
たRIA(放射性免疫検査)を開発した。このRIA では、抗血清の最終希釈は1:1000
0(最終検査希釈は1:30000)であり、そのR/T 値は0.30であり、トレーサーは80
00cpm/チューブであり、インキュベーション時間は24時間+72時間であり、その
結果、EC20値は344pM プレプチンであり、EC80は39pMであり、最小検出濃度は11
.2±9.8pM であり、そして齧歯類(ラット/マウス)のインスリン及びアミリン
との交差性はなかった。
【0044】 細胞のプレプチン分泌: 特に言及しない限り前記の通りに、24ウェルプレート上で、4×105 細胞/ウ
ェルで培養したβTC6-F7細胞(継代数52)において、プレプチン分泌を調べた。
3日間増殖させた後、密集度80%でプレプチン分泌刺激を行った。分泌測定を始
める前に、細胞を、HEPES 緩衝KRB 液で2回洗浄し、次に、ウェルあたり1mlの
インキュベーション緩衝液(0mMグルコース、0.1%(w/w)第V分画BSA(sigma
)、HEPES-KRB 中に溶解した)中で1時間プレインキュベーションし、次にウェ
ルあたり500ml を取り除き、そして種々の濃度のグルコースを含んでいる等量の
新しいインキュベーション緩衝液により置換した。2時間インキュベーション(
37℃)した後、インキュベーション液を取り除き、細胞をPBS で3回洗浄し、そ
して溶解液により溶解した。前記のRIA により、インキュベーションの上清及び
細胞溶解液におけるインスリン及びプレプチンを検査した。別の実験で、時間依
存的なホルモン分泌も測定した。
【0045】 分泌されたプレプチン様免疫反応性物質(PLIM)の分析: プレプチンは、IGF-IIのE-ペプチドの切断産物であり、しかも同様な領域から
のその他の切断産物が、過去に、血清から単離されているので(Hylka (1985) ;
Daughaday (1992) ; Liu (1993))、プレプチンRIA による定量は、分泌され、
そして循環しているペプチドの性質を評価するためには不十分であった。従って
、PLIMを更に分析するために、RP-HPLC/プレプチンRIAの組合せ法を開発した。
2mlのヒト供与者から分離した血漿及びβTC6-F7の条件づけ培地を、4M酢酸 0
.1mlにより酸性化し、そして10mlの 100%メタノールと20mlの4%(v/v) 酢酸に
より予め平衡化したC-18 Sep Pak (Waters、容量1ml)に添加した。
【0046】 そのSep Pakを20mlの4%酢酸により洗浄した後、結合した成分を、2mlの 0.
1M酢酸の70%メタノール溶液により溶出し、溶出液の最終容量を、回転式蒸発
法により 150μlに減量した。次に、その溶出液を、前記の通りにRP-HPLCにかけ
、複数回の運転から得た対応する分画を混合した。プレプチン及びインスリンを
含んでいると思われる分画をMALDI-TOF質量分析にかけた。次に、全ての分画を
、プレプチン検査用緩衝液により容量350μlに調整し、そしてプレプチンRIA及
びインスリンRIAにより分析した。これらの分泌物の免疫反応性の様子を、顆粒
内の様子(図1b)と比較するために、最初のRP-HPLCの顆粒分画からのサンプル1
0μlを、プレプチンRIA用緩衝液により最終容量610μlに希釈し、それもまた、
インスリン及びプレプチンに関して検査した。
【0047】 単離したラット骨格筋における炭水化物の代謝速度: β細胞ホルモンであるアミリン及びインスリンは、末梢組織、例えば骨格筋に
おける炭水化物の利用性を調節する。モデル組織として、単離し、皮ははがし、
培養したひらめ筋を用いて、グルコースの取込み及び筋グリコーゲンへの組込み
を変化させるプレプチンの能力を調べた。全ての動物実験は、研究所内の動物倫
理委員会の適切な許可の下に行った。Wister系雄ラット(200±20g)を、管理
した条件下(20℃、12時間明暗周期)で飼育し、そして標準的なラット用飼料(
Diet 86, NRM Tegel, Auckland)と水を自由に与えた。18時間断食させたラット
を麻酔し(45mg/kgペントバルビトンナトリウム)、そして断頭により殺し、O2 :CO295:5(v/v) により飽和した(carboxgenated)KHB下でひらめ筋を切り出
し、そして種々の濃度のインスリン及びプレプチンを補充したnDMEM中でインキ
ュベーションした。
【0048】 筋肉を縦方向に、最終的に約1.5mmの半径を有する3つの等しい細片に裂いた
。〔(U)14C〕D(+)-グルコース(1mCi/ml, Amersham)を、70%エタノール中に1
:20(v/v) に希釈して、終濃度0.5μCi/10μlを得た。Actrapid(登録商標)組換
えヒトインスリン(100U/ml, Novo Nordisk)を、10mlのnDMEM中に1/1000に希釈
した。60μgのラットプレプチンを、1526μlのnDMEM中に溶解して、濃度10μMに
した。更に、これをnDMEM中に希釈して、1μM,100nM, 10nM, 100pM及び1pMの
保存溶液を得た。2種類の実験方法を用いて、プレプチンが、(i) グルコースの
グリコーゲンへの組込み速度を刺激するか、又は(ii)インスリン刺激によるグル
コースのグリコーゲンへの組込みのアンタゴニストとして作用するかを決定した
【0049】 プレプチンアンタゴニスインキュベーション実験法: 4つの筋肉片をそれぞれ9つのフラスコに移した。各フラスコには、酸素95%
二酸化炭素5%により飽和したnDMEM 10mlが入っており、それぞれは、無添加(
コントロール)であるか、又は最大効果のインスリン(23.7nM)及び種々の濃度
のプレプチン(10fM, 100fM, 1pM, 0, 10pM, 100pM, 1nM 又は10nM)が含まれて
いる。次に、フラスコを、振とう水槽中で平衡化し(30℃、20分)、その後、厳
密に 1.5分間隔で10μl (0.5μCi)のD-[(U)14C]グルコースを加えた。そして筋
肉片を、120分間、30℃でカーボゲン(carbogen)下でインキュベーションした。
インキュベーション後、各フラスコから 1.5分間隔で筋肉片を取り出し、そして
吸い取りにより乾燥した。次にそれらを、液体N2中で瞬間凍結し、予め重量測定
したチューブ中で24時間凍結乾燥し、そして筋肉片の乾燥重量を決定した。次に
、筋肉片を250μlの60% KOH中で溶解し、70℃で45分間インキュベーションし、
次に冷却し、そして氷冷エタノール中で−20℃で一晩沈澱を生じさせた。次に、
グリコーゲンペレットを、遠心(9000g, 15分間、0℃)により形成し、そのペレ
ットを再び懸濁し、そして再び2回沈澱させ、その後、最終的に上清を吸引し、
そしてグリコーゲンペレットを70℃で2時間乾燥し、そしてシンチレーション計
数により14C の組込みを定量した。
【0050】 プレプチンアゴニスト実験法: 筋肉片をインスリン非在下で(ただしポジティブコントロールの場合のみ23.7
nMインスリン)かつプレプチン終濃度 0, 0.1, 1, 10及び 100nMでインキュベー
ションすること以外は、全ての方法を前記の通りに行った。
【0051】 インスリン分泌に対するプレプチンの効果: インスリン及びアミリンは、おそらく自己分泌機構を介して、β細胞のインス
リン分泌を調節することが知られている。従って、β細胞の分泌刺激剤を用いた
方法により、インスリン分泌に対するプレプチンの効果を検査した。βTC6-F7細
胞を、継代数52で、24ウェルプレート上で、4×105 細胞/ウェルでサブ培養し
た。細胞を、nDMEM 中で密集度80%になるまで3日間増殖させ、そしてKRB-HEPE
S により2回洗浄した。プレプチン保存液を、10mMのD(+)グルコースを含有する
インキュベーション培養液により連続的に希釈して、終濃度150, 75, 25, 5, 1
及び0.1nM を調製した。次に細胞を洗浄し、各ウェルに、ウェルあたり1mlの、
10mMグルコース及び種々の終濃度のプレプチンを含有するインキュベーション培
養液を加えた。細胞を37℃で2時間インキュベーションしてから、培養液を取り
除いた。細胞をPBS により3回洗浄し、そして500μlの溶解緩衝液により溶解し
た。前記のインキュベーション培養液を遠心(16000g、3分間)し、その上清を
沈澱残査から分離した。次に、インキュベーション培養液及び溶解液におけるイ
ンスリン、プレプチン及びタンパク質を前記通りに分析した。
【0052】結果 前記の結果を図1,2及び3に示す。考察 マウスプレプチンは、マウスのプロIGF-IIのE-ペプチドのAsp69-Leu102に対応
する34個のアミノ酸のペプチドである。 RP-HPLC のピーク領域の積分により決定したところ、プレプチンは、顆粒内に
、1:8の対インスリン比で、しかし2:1の対アミリン比(mol/mol)で存在
した。プレプチンは、そのNH2末端で、認知されたArg切断部位により、そしてCO
OH末端で、推定上の二塩基性(Arg-Arg)切断モチーフ(Bell (1984))により挟
まれている(図1e)。これらの残基は、おそらく、翻訳後プロセシングのシグナ
ルとして機能し、そして種間で高度に保存されている。多くのプロホルモン前駆
体は、しばしば組織特異的である異なるタンパク質分解プロセシングにより、2
つ以上のホルモンを組み込んでいる(Martinez (1989))。前記の結果は、プロIG
F-IIが、2つ以上のペプチドホルモン産物を有するプロホルモンであることを示
した。
【0053】 IGF-IIは、細胞増殖、分化及び代謝を制御するインスリンファミリーに属する
(De Chiara et al. (1990))。これは、プロIGF-IIのBCA 及びDドメインに由来
する単一ポリペプチド鎖であり(図1e参照)、胎児及び成人の組織において広く
合成されている。一方、インスリンの発現は、ほとんど完全にβ細胞に限定され
ている。哺乳動物のゲノムでは、IGF-II遺伝子はインスリン遺伝子に隣接してお
り(Bell (1985))、そして最近のヒトでの研究から、INS 及びIGF-II遺伝子の上
流にVNTR多型が同定されており、これが、両遺伝子の異なる制御に寄与している
らしい(Ong (1999))。
【0054】 プレプチンの放射性免疫検査(RIA) (図2a)、及びプレプチンRIA による図1a
の顆粒精製プロファイルの再分析から、プレプチンと、インスリン及びアミリン
との共精製が示された。このことから、プレプチンが実際に顆粒成分であること
が確認された。精製した顆粒及びβTC6-F7の条件付け培地におけるRP-HPLC/RIA
により、プレプチン様の免疫反応物質(PLIM)を分析した。顆粒内PLIM及び細胞
外PLIMの両方の主要な形態がRP-HPLC において共溶離された(図26)。
【0055】 βTC6-F7細胞に由来するPLIMのピークに対応する、HPLCにより精製された物質
の質量分析から、マウスプレプチンと同一の分子量を有する単一種の存在が示さ
れた。また、RP-HPLCからも、ヒト及びラットの血漿に由来するPLIMの主要な形
態が、顆粒内のマウスプレプチンと共に共溶離されることが示された。プレプチ
ンは、グルコース刺激に応答して、βTC6-F7細胞からインスリンと共に共分泌さ
れ(図2d)、その最大レベルは1mM超に達した。 これらの結果から、プレプチンは、膵島β細胞において合成され、そして分泌
顆粒内に封入されることが確認される。更に、これは、グルコース依存的にイン
スリンと共に共分泌される。
【0056】 インスリン分泌が、膵島β細胞ホルモン、例えばインスリン(Kulkarni (1999
) ; Elahi (1982) ; Argoud (1987))、アミリン(Waggoner et al (1993) ; Si
lvestre (1996) ; Degano et al (1993))、及びパンクレアスタチン(Tatemoto
(1986))によって制御されうるという証拠が存在する。これらは、自己分泌性ネ
ガティブフィードバック回路により、細胞表面の特異的受容体との結合を介して
作用すると考えられる。そこで、インスリン分泌に対するプレプチンの効果を調
べた。得られた結果から、合成ラットプレプチンが、培養したβTC6-F7細胞から
の、グルコース(10mM)刺激によるインスリン分泌を、濃度依存的かつ飽和的に
増強することが示された(図3a)。
【0057】 コントロール(プレプチン無添加)と比べて、プレプチンの有意な効果が、0.
1nM 超の濃度で検出され、そして75nMで最大に達した。この濃度は、アミリンが
インスリン分泌の阻害を誘起する濃度と同等である(Degano et al. (1993))。
これらのプレプチン濃度は、βTC6-F7細胞から分泌される濃度に類似しており、
従って、生理学的な膵島においてβ細胞膜に隣接してその場で発生しうるであろ
う。プレプチンによる、インスリン分泌の、濃度依存的かつ飽和的な刺激の証明
から、これらの効果が、プレプチンと細胞表面受容体との結合により誘起される
ことが示唆される。
【0058】 単離した灌流ラット膵臓において、グルコース(20mM)刺激によるインスリン
分泌に対する、注入した合成ラットプレプチンの効果を、プレプチンの最大有効
濃度(75nM)により測定した。プレプチンは、コントロール(プレプチン無添加
)に比べて、インスリン分泌の二次相を有意に増強した(30%ほど;P=0.03、曲
線下面積の両側t検定)(図3b)。これらの事実は、βTC6-F7細胞から得られた
事実と合致する(図3a)。これらのことから、プレプチンは、インスリン分泌の
生理学的な制御因子であること、そしてこれは、新しく認識されたフィードフォ
ワード式の自己分泌回路により作用して、グルコース刺激によるインスリン分泌
を増強すること、そしてインスリン分泌に対するその他のβ細胞ホルモンによる
阻害効果を相殺する様に機能しうることが示唆される。
【0059】 従って、本発明者は、プレプチンは、局所的にβ細胞のグルコース応答活性を
増加し、初期化し、及び協調する様に作用し、そしてβ細胞器官に対するグルコ
ースにより誘起されたシグナルを増幅すると考えている。この作用は、血小板に
おいて、トロンビンにより誘起されたトロンボキサンA2放出により実現されるフ
ィードフォワード機構に類似しているであろう(Barritt (1992))。
【0060】 新しい膵島β細胞ホルモンが、グルコースにより仲介されるインスリン分泌を
増幅するという、従来には知られていなかった機構の存在から、プレプチンの生
物学が、インスリン分泌の複雑な障害により特徴づけられる2型糖尿病において
重要であろうことが示唆される(De Fronzo et al. (1992))。プレプチンの合成
、分泌又は作用の欠陥は、この症状においてグルコース仲介性インスリン分泌の
欠陥に寄与しうるであろう。そしてプレプチン投与は、2型糖尿病、又はβ細胞
のインスリン分泌の低下に関連するその他の障害を治療するために有利であろう
。注意すべきことは、ヒトにおいて、隣接するインスリン(INS)及びIGF-II遺伝
子の上流の直列反復配列変数(VNTR)の多型が、両遺伝子の発現を制御すること
、そしてそれが2型糖尿病及び多嚢胞性卵巣症候群になる性向の増加に関連して
いることである。
【0061】セクションB プレプチンは、膵島組織内にインスリンと共に封入されている: プレプチンの生理学を調べるために、プレプチン特異的抗血清を用いて、正常
なマウス膵臓の免疫組織化学的な研究を行った。前記通りに調製した合成ラット
プレプチン(Auspep Pty Ltd)を、pH7.0 での単一過程のグルタルアルデヒド法
(Harlow and Lane)によりオボアルブミンに結合した。そのラットプレプチン結
合体に対するポリクローナル抗血清を作るために、ニュージーランド白ウサギを
用いた。
【0062】 正常な成熟マウス(FVB/n)の膵臓の連続切片を、ヘマトキシリンにより、及び
特異的な抗プレプチン又は抗インスリン抗血清(全て最終希釈1:40 (v/v)で)と
、免疫ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギ二次抗体とにより染色した。プレプチ
ン免疫染色の特異性を証明するために、切片に加える前に、プレプチン(1又は
5mg/ml)を、抗プレプチン抗血清と予め30分間インキュベーションした。
【0063】 プレプチン様免疫反応性物質(PLIM)及びインスリン様免疫反応性物質は、膵
島β細胞に共局在した。競合実験から、PLIMの染色は、プレプチン抗血清と合成
プレプチンとの事前インキュベーションにより、濃度依存的に抑制された(図4b
-d)。これらの研究から、プレプチンは、生理学的な膵島β細胞に存在すること
が示唆される。
【0064】 PLIMは正常な膵島組織に存在する: 正常な膵島組織内のPLIMの存在を確立するために、単離したラット膵島からの
酸エタノール抽出物に対して、RP-HPLC/RIA を行った。膵島を正常な成熟雄Wist
ar系ラットから単離し、そして公開された方法(Wollheim and Sharp (1981), R
omanus (1988))の改変方法に従って、酸エタノールによりその内容物を抽出した
。 その結果を図5に示す。
【0065】 プレプチンレベルは、βTC6-F7細胞に比べてかなり低かったが、PLIMの主ピー
クは、顆粒内プレプチンと共に共溶離された。このことは、プレプチンが、正常
な膵島においてPLIMの優勢な生理学的な成分であることを示す(図5)。これら
のデータから、βTC6-F7細胞から精製されたプレプチンは、精製中のタンパク質
分解に帰因した単なる人工産物であったのではなく、βTC6-F7細胞及び正常なラ
ット組織の両方にこの形態で存在し、かつ両者から分泌されることが確認される
【0066】 プレプチンは、グルコース刺激に応答してインスリンと共に共分泌される: β細胞の分泌顆粒内にプレプチン及びインスリンが共局在しているとすれば、
プレプチン及びインスリンが制御的に共分泌されるかどうかを決定するために実
験を行った。βTC6-F7細胞(Efrat et al. (1993), Knaack et al. (1994))及び
単離したラット膵島(Gotoh et al. (1987))の両方を用いて、公開されている方
法に従って、グルコース刺激によるペプチド分泌を調べた。プレプチン及びイン
スリンの濃度を、特異的なRIA により測定した。
【0067】 これらの結果を図6に示す。これらの結果から、βTC6-F7細胞は、生理学的濃
度未満のグルコース(<5mM)に応答したが(S. Efrat、私信)、βTC6-F7細胞(
図6a)及び正常ラット膵島(図6b)の両方から、インスリン/プレプチンの共分
泌の明確なパターンが認められることが分かった。膵島組織から分泌されたプレ
プチンの量(プレプチン:インスリン1:500)は、βTC6−F7細胞から分泌される
量(プレプチン:インスリン 1:8)よりもかなり少かった。この観察は、生理学
的組織におけるプレプチンレベルが、培養β細胞におけるレベルよりもかなり低
いことを示したHPLC/RIAの結果を支持した。生理学的な膵島におけるプレプチン
レベルはかなり低いが、前記の両モデルから、明かに、生理学的な膵島β細胞か
らプレプチンが、グルコース刺激に応答してインスリンと共に共分泌されること
が示された。
【0068】 内在性プレプチンの除去により、単離灌流したラット膵臓からのインスリン分泌
が有意に低下する: 内在性の膵臓プレプチンがインスリン分泌において果たしうる役割を決定する
ために、以下の通りに、単離し、灌流した膵臓モデル内に抗プレプチン抗体を注
入することにより、内在性プレプチンの作用を取り除いた。
【0069】 4%デキストラン、0.5% BSA、3mMアルギニン及び 5.5mMグルコース(最終濃
度)を補充したKHB により膵臓を灌流した。灌流液に95% O2/5% CO2 混合物を
通気し、そして再循環せずに、蠕動ポンプにより 2.7ml/分で注入した。膵臓を
20分間灌流及び平衡化してから、各々を70分間灌流した。10分の時点で、抗プレ
プチンγグロブリン又は非免疫ウサギγグロブリンを、側方の注入管を介して実
験系に導入した(灌流液におけるγグロブリンの最終濃度:35μg/ml担体緩衝
液(0.1% BSA/0.9% NaCl))。更に、25分の時点から、グルコースを20分間注入
した(灌流液における最終測定濃度:20mM)。連続的に1分間の分画を氷上で集
め、そしてそれらのインスリンを検査(RIA)した。
【0070】 その他の血清成分による潜在的な影響を低減するために、ウサギ抗ラットプレ
プチンγグロブリン又はコントロール(非免疫ウサギの)γグロブリンを、プロ
テインA親和性クロマトグラフィー(Pharmacia-Biotech, Hi-Trap ProteinA Te
ch. Rep. (Wikstroms, Sweden (1999)) により精製した。その2つの異なるγグ
ロブリン分画の組成をMALDI-TOF 質量分析により確認し(図7a, b)、そして前記
の抗体灌流実験を模擬する条件下で、その2つの異なるγグロブリン分画の結合
容量を決定した。灌流膵臓実験の条件下で、抗プレプチンγグロブリンが完全に
結合するプレプチンの最大量は20ng/分であった(図7c)。
【0071】 単離灌流した膵臓に、抗プレプチン又はコントロールγグロブリンを注入し、
そして20mMグルコースによる矩形波刺激を与えた(図7d)。抗プレプチンγグロ
ブリンにより第一及び第二の両相におけるインスリン分泌が有意に低下した(第
一相:コントロールに比べ平均29%阻害、P=0.02、片側t検定;第二相:コント
ロールに比べて平均26%阻害、P=0.03、曲線下面積(AUC)の片側t検定)。この
実験において、本発明者は、内在性の循還プレプチンを除去することにより、グ
ルコース仲介性のインスリン分泌を有意に減少させうることを示した。
【0072】 プレプチンが、生理学的な膵島にかなり低濃度で存在している(インスリンに
比べて約 500倍少い)と推定され、それでもなお、インスリン分泌に対して有意
な効果を示しうるとすれば、前記の結果は益々興味深い。これらの実験は、生理
学的濃度の膵臓プレプチンが、グルコース仲介性のインスリン分泌を高めるため
に、自己分泌的な機能を果たすという前提に合致する。この作用は、血小板にお
いてトロンビンにより誘起されるトロンボキサンA2の放出により起こるフィード
フォワード機構(Barrit (1992))に類似している様である。
【0073】総合結論 要約すると、プレプチンは、従来知られていない膵島β細胞のホルモンである
。これは、プロIGF-IIのE-ペプチドから生産され、制御的にインスリンと共に共
分泌され、グルコース刺激によるインスリン分泌を促進し、そしてフィードフォ
ワード自己分泌回路により、おそらくβ細胞表面受容体との結合を介して作用し
うる。
【0074】産業への利用 前記の通り、本発明は、プレプチン(ヒト、ラット及びマウスのプレプチンを
含む)及びプレプチンのアナログを提供する。プレプチン及びそのアナログは、
グルコースにより誘発されるインスリン分泌の刺激において生理学的な役割を果
す。 従ってまた、本発明は、グルコースにより誘発されるインスリン分泌を調節す
ることができる方法を提供する。この様な調節は、通常、前記のプレプチン及び
そのアナログの投与により行われるだろう。しかしまた、プレプチンのアゴニス
ト及びアンタゴニストの使用によっても、調節を行うことができる。
【0075】 プレプチンアゴニストは、インスリン分泌に対するプレプチンの効果を強める
、又は高める化合物である。対照的に、プレプチンアンタゴニストは、インスリ
ン分泌に対するプレプチンの効果を抑制又は減弱するために、プレプチンと競合
する、又はプレプチンと相互作用する化合物である。 プレプチンのアゴニスト及びアンタゴニストを、検査化合物の存在下又は非存
在下でインスリン分泌に対するプレプチンの効果を測定する検査系により同定す
ることができる。
【0076】 プレプチンのアゴニスト又はアンタゴニストを、インスリン分泌の調節に用い
ることを望む場合、そのアゴニスト/アンタゴニストを、純粋な化合物として投
与するか、又は前記のプレプチンのための医薬組成物として製剤化することがで
きる。 また本発明は、プレプチンと結合する免疫学的試薬を提供する。この様な試薬
(ポリクローナル抗体を含む)を、当分野の標準的な方法、例えば実験セクショ
ンで記載した方法により作ることができる。
【0077】 モノクローナル抗体もまた提供されうる。この抗体を、典型的には、標準的な
方法により、例えばHarlow and Lane, 1988 に記載された通りに作りうる。簡単
に述べると、適当な動物を選択し、そして望ましい免疫化方法を施す。適当な期
間の後、その動物の脾臓を切り出し、そして個々の脾臓細胞を、適当な選別条件
下で、典型的には不死化したミエローマ細胞に融合する。その後、それらの細胞
を単一クローンに分離し、そして各クローンの上清において、免疫抗原の望まし
い領域に特異的な適当な抗体の生産を調べる。
【0078】 抗体を調製するその他の適切な方法は、インビトロでリンパ球を抗原に露出す
ること、あるいはファージ又はサルウイルスによる抗体ライブラリーを選択する
ことを含んでなる。例えばHuse et al. 1989を参照のこと。 また、当技術分野に既知の方法により、組換え抗体を生産しうる。例えば米国
特許第4,816,567 を参照のこと。
【0079】 当該抗体を、修飾して、又は修飾せずに用いうる。しばしば、検出可能なシグ
ナルを呈する物質を共有結合又は非共有結合的に連結することにより、抗体を標
識しうる。多種類の標識及び結合方法が知られており、多くの文献に報告されて
いる。 従って、前記のプレプチンに対する抗体を用いて、患者において、又はプレプ
チンの定量検査においてプレプチンの存在を検出することができる。この様な検
査では、都合の良い免疫学的な手法を用いることができる。この様な手法には、
免疫組織化学検査、RIA, IRMA 及びELISA が含まれる。
【0080】 当該検査を、プレプチンを含有する、又は含有しうる任意の生物学的液体にお
いて行うことができる。この様な液体には、血液、血清、血漿、尿及び脳脊髄液
が含まれる。 当該抗体を、検査キットの中に組み込むこともできる。この様なキットは、更
に、いくつかの任意の、しかし通常の成分を含みうる。それらの選択は当業者に
とって通常のことである。しかし、この様な追加成分には、一般的に、プレプチ
ンの参照基準品が含まれ、そしてこれはプレプチン自身又はそのアナログ(例え
ば断片)でよい。
【0081】 また、場合により、前記の抗体は、プレプチンに結合して、プレプチン活性を
部分的又は完全に妨げることにより、プレプチンアンタゴニストとして機能しう
ることが分かるであろう。 前記に示唆した通り、本発明者によるプレプチンに関する発見は診断にも関係
する。例えば、プレプチンの生産量が、適当なレベルのインスリン分泌を誘導す
るために必要な量よりも少ない個体、又は低活性又は無活性な(変異)プレプチ
ンを生産する個体は治療を必要とするだろう。従って診断方法又は予知方法は本
発明の範囲内に含まれる。
【0082】 一つの特定の態様では、診断又は予知方法は、プレプチン/プレプチン分泌機
構をコードする遺伝子の変異の検出を含んでなるだろう。当分野のいくつかの標
準な方法のいずれか、例えば一本鎖確認分析(Single Stranded Confirmation A
nalysis) (Orita et al. (1989))又は欧州特許出願公開0 332 435 に記載の増幅
不応性変異系(Amplification Refractory Mutation System (ARMS))により、検
出を行うことができる。
【0083】 変異が検出された場合、矯正的な方法が可能となる。これらには、限定でなく
、遺伝子治療が含まれる。やはり、当分野の標準的技術が用いられるだろう。 その他のプレプチンの関連事項及び適用は当業者に明白であろう。前記載は、
本発明の限定ではなく、説明のためにのみ供される。
【0084】
【表1】
【表2】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、プレプチンの精製及びその特性分析を示す。a) βTC6-F7 細胞由来の
オルガネラのOptiPrep連続勾配内の位置を示すマーカータンパク質検査。顆粒コ
ア(インスリン)、顆粒マトリックス(アミリン)、リソゾーム(アリールスル
ファターゼ)、ミトコンドリア(クエン酸シンターゼ)。b) RP-HPLCにより精製
した顆粒タンパク質。指示したピーク(斜線)を集めて、更に精製した。c) MAL
DI-TOF質量分析による、斜線ピークからの主要ペプチドの純度及び質量(M+H+
の確認。d) 斜線ピークから精製したペプチドのLys-C消化物の、RP-HPLC による
分離パターン。1:NH2 末端断片;2:COOH末端断片;3:末梢化ペプチド。e)
(d) において得られたLys-C消化ペプチドの配列決定により決定されたマウスプ
レプチンの構造、及びマウスのプロIGF-IIのE-ペプチドの領域内の位置。NH2
端断片:通常の字体;COOH末端断片:イタリック字体。プロIGF-IIのドメイン(B
,C,A,D,E)を示す。Arg68 の認識された切断部位を太線で示し、一方、推定され
る二塩基性モチーフを破線で示す。
【図2】 図2は、細胞のプレプチン分泌を示す。a) プレプチンRIAの基準曲線。b) βT
C6-F7の24時間条件付け培地のRP-HPLC分画、及び図1bの顆粒分画における、プレ
プチン様免疫反応性物質(PLIM)のRIA分析。c) βTC6-F7細胞から分泌された主
要PLIMを含有する分画のMALDI-TOF 質量分析。ピークは、誤差0.07%でマウスプ
レプチン(M+H+)に一致する。
【図3】 図3は、インスリン分泌に対するプレプチンの効果を示す。a) βTC6-F7 細胞
からの、プレプチンにより仲介されるインスリン分泌。このグラフは、ベース(
プレプチン無添加)を超えるインスリン濃度の増加を表す。b) 単離灌流したラ
ット膵臓からの、プレプチンにより仲介されるインスリン分泌。各点は平均±se
m である(2回分析;各曲線に付き4個の膵臓)。曲線下面積(第二相のインス
リン分泌、P=0.03、対応のない両側t検定)。
【図4】 図4は、マウス膵臓の免疫組織化学を示す。成熟FVB/n マウスから採取した膵
臓の切片を作り、そしてヘマトキシリン、及びポリクローナルウサギ抗血清と免
疫ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギ二次抗体とにより染色した。各パネルは以
下の通りである。a:抗インスリン抗血清(1:40);b:抗プレプチン抗血清(
1:40);c,d:1mg/ml(c)及び5mg/ml(d)の合成ラットプレプチンと
共に予め30分間インキュベーションした抗プレプチン抗血清(1:40)。
【図5】 図5は、ラット膵島のRP-HPLC分画又はβTC6-F7の顆粒分画(基準;図1b)に
おけるプレプチン様免疫反応性物質(PLIM)のRIA 分析を示す。
【図6】 図6は、βTC6-F7及び単離したラット膵島からのプレプチン及びインスリンの
共分泌を示す。a,b:βTC6-F7(a)及び単離したラット膵島(b)からの、
グルコースにより仲介されるプレプチンとインスリンの共分泌。
【図7】 図7は、インスリン分泌に対するプレプチンの効果を示す。a,b:精製した
ウサギ抗ラットプレプチンγグロブリン(a)及び非免疫ウサギγグロブリン(
b)の純度及び質量。1:軽鎖1gG, M+H+;2:全IgG, M+4H+;3:重鎖IgG, M
+H+;4:全IgG, M+2H+;全IgG, M+H+。c:抗体灌流実験の接触時間、希釈率、
温度及びpHを模擬するために、35μg/ml、37℃、pH7.4で、灌流する抗プレプチ
ンγグロブリンの1分間のプレプチン結合量。d:グルコース刺激した(20mM、
矩形波)単離灌流したラット膵臓からのインスリン分泌に対する、抗プレプチン
γグロブリン又はコントロール(非免疫ウサギ)γグロブリンの注入の効果。各
点は平均±s.e.m.である(2回実験;曲線毎に5個の膵臓)。曲線下面積AUC(
第二相のインスリン分泌;p=0.03、対応のない片側t検定)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/10 A61P 43/00 111 4H045 5/50 C07K 7/06 43/00 111 7/08 C07K 7/06 14/47 7/08 16/18 14/47 C12N 1/15 16/18 1/21 C12N 1/15 G01N 33/53 D 1/21 33/577 B 5/10 C12P 21/08 G01N 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/577 5/00 A // C12P 21/08 A61K 37/24 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA04 DA02 DA05 DA06 DA11 DA12 EA02 EA04 GA11 HA12 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA01 4B065 AA01X AA57X AA72X AA90X AA90Y AB01 BA02 CA25 CA44 CA46 4C076 AA11 BB11 CC21 CC30 DD41 DD42 DD43 FF11 4C084 AA02 AA06 AA07 AA17 BA01 BA08 BA17 BA18 BA19 CA18 CA23 CA53 DB33 DB36 DB70 MA17 MA66 NA14 ZC03 ZC35 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA14 BA15 BA16 BA17 BA18 CA40 DA76 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (53)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレプチン機能を有する単離された生物活性ペプチド。
  2. 【請求項2】 アミノ酸配列が下記の通りである生物活性ペプチド: Asp Val Ser Thr R1 R2 R3 Val Leu Pro Asp R4 Phe Pro Arg Tyr Pro Val Gly
    Lys Phe Phe R5 R6 Asp Thr Trp R7 Gln Ser R8 R9 Arg Leu ただしR1はSer又はProであり; R2はGln又はProであり; R3はAla又はThrであり; R4はAsp又はAsnであり; R5はGln又はLysであり; R6はTyr又はPheであり; R7はArg又はLysであり; R8はAla又はThrであり;及び R9はGly又はGlnである、 又はそのアナログ。
  3. 【請求項3】 下記アミノ酸配列: Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr Pro Val
    Gly Lys Phe Phe Gln Tyr Asp Thr Trp Lys Gln Ser Thr Gln Arg Leu を有するヒトのプレプチン、又はそのアナログ。
  4. 【請求項4】 下記アミノ酸配列: Asp Val Ser Thr Ser Gln Ala Val Leu Pro Asp Asp Phe Pro Arg Tyr Pro Val
    Gly Lys Phe Phe Lys Phe Asp Thr Trp Arg Gln Ser Ala Gly Arg Leu を有するラットのプレプチン、又はそのアナログ。
  5. 【請求項5】 下記アミノ酸配列: Asp Val Ser Thr Ser Gln Ala Val Leu Pro Asp Asp Phe Pro Arg Tyr Pro Val
    Gly Lys Phe Phe Gln Tyr Asp Thr Trp Arg Gln Ser Ala Gly Arg Leu を有するマウスのプレプチン、又はそのアナログ。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれかに記載のヒト、ラット又はマウスの
    プレプチンに対する哺乳動物の相同体。
  7. 【請求項7】 請求項2〜5のいずれかに記載の配列の中の6〜33アミノ酸
    を含み、かつプレプチン機能を保持している、プレプチンアナログ。
  8. 【請求項8】 請求項3に記載のヒトプレプチンに由来するヘキサペプチド
    、ヘプタペプチド、オクタペプチド、ノナペプチド又はデカペプチドであるか、
    又はそれを含む、プレプチンアナログ。
  9. 【請求項9】 下記アミノ酸を有するヒトプレプチン: Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr Pro Val
    Gly Lys Phe Phe Gln Tyr Asp Thr Trp Lys Gln Ser Thr Gln Arg Leu 又は下記に挙げるそのアナログ: (i) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr Pr
    o Val Gly Lys Phe Phe Gln Tyr Asp Thr Trp Lys Gln Ser Thr Gln Arg; (ii) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr P
    ro Val Gly Lys Phe Phe Gln Tyr Asp Thr Trp Lys Gln Ser Thr Gln; (iii) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr
    Pro Val Gly Lys Phe Phe Gln Tyr Asp Thr Trp Lys Gln Ser Thr; (iv) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr P
    ro Val Gly Lys Phe Phe Gln Tyr Asp Thr Trp Lys Gln Ser; (v) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr Pr
    o Val Gly Lys Phe Phe Gln Tyr Asp Thr Trp Lys Gln; (vi) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr P
    ro Val Gly Lys Phe Phe Gln Tyr Asp Thr Trp Lys; (vii) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr
    Pro Val Gly Lys Phe Phe Gln Tyr Asp Thr Trp; (viii) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr Pro Val Gly Lys Phe Phe Gln Tyr Asp Thr; (ix) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr P
    ro Val Gly Lys Phe Phe Gln Tyr Asp; (x) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr Pr
    o Val Gly Lys Phe Phe Gln Tyr; (xi) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr P
    ro Val Gly Lys Phe Phe Gln; (xii) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr
    Pro Val Gly Lys Phe Phe; (xiii) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr Pro Val Gly Lys Phe; (xiv) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr
    Pro Val Gly Lys; (xv) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr P
    ro Val Gly; (xvi) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr
    Pro Val; (xvii) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Tyr Pro; (xviii) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg Ty
    r; (xix) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro Arg; (xx) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe Pro; (xxi) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn Phe; (xxii) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp Asn; (xxiii) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro Asp; (xxiv) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu Pro; (xxv) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val Leu; (xxvi) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr Val; (xxvii) Asp Val Ser Thr Pro Pro Thr;及び (xxviii) Asp Val Ser Thr Pro Pro の中から選択されるペプチド。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のプレプチン又はそのアナ
    ログをコードする、単離されたポリヌクレオチド。
  11. 【請求項11】 ヒトプレプチンをコードし、かつ下記ヌクレオチド配列:
    gacgtgtcgacccctccgaccgtgcttccggacaacttccccagataccccgtgggcaagttcttccaatat
    gacacctggaagcagtccacccagcgcctg を含んでなる、単離されたポリヌクレオチド。
  12. 【請求項12】 ラットプレプチンをコードし、かつ下記ヌクレオチド配列
    : gacgtgtctacctctcaggccgtacttccggacgacttccccagataccccgtgggcaagttcttcaaattc
    gacacctggagacagtccgcgggacgcctg を含んでなる、単離されたポリヌクレオチド。
  13. 【請求項13】 マウスプレプチンをコードし、かつ下記ヌクレオチド配列
    : gacgtgtctacctctcaggccgtacttccggacgacttccccagataccccgtgggcaagttcttccaatat
    gacacctggagacagtccgcgggacgcctg を含んでなる、単離されたポリヌクレオチド。
  14. 【請求項14】 請求項11〜13のいずれかのヌクレオチド配列を有するポリ
    ヌクレオチドを含み、かつプレプチン機能を有するペプチドを発現することがで
    きる、ベクター又は細胞株。
  15. 【請求項15】 請求項11のヌクレオチド配列を含んでいる、請求項14に
    記載のベクター又は細胞株。
  16. 【請求項16】 請求項1〜9のいずれかに記載のプレプチン又はそのアナ
    ログを含んでなる、医薬組成物。
  17. 【請求項17】 請求項1〜9のいずれかに記載の哺乳動物のプレプチン又
    はそのアナログを、人間への投与に適する生理学的な緩衝溶液と組合せて、含ん
    でなる、投与製剤。
  18. 【請求項18】 注射による投与のための、請求項17に記載の投与製剤。
  19. 【請求項19】 前記プレプチンが、請求項3,8及び9のいずれかに記載
    のヒトプレプチン又はそのアナログである、請求項17又は18に記載の投与製剤。
  20. 【請求項20】 請求項1〜9のいずれかに記載の哺乳動物のプレプチン又
    はそのアナログの調合剤であって、前記プレプチン又はアナログが少くとも50重
    量%の量で存在する、前記調合剤。
  21. 【請求項21】 前記プレプチン又はアナログが、前記調合剤の重量に対し
    て少くとも80重量%である、請求項20に記載の調合剤。
  22. 【請求項22】 前記プレプチン又はアナログが、前記調合剤の重量に対し
    て少くとも90重量%である、請求項20に記載の調合剤。
  23. 【請求項23】 前記プレプチン又はアナログが、前記調合剤の重量に対し
    て少くとも95重量%である、請求項20に記載の調合剤。
  24. 【請求項24】 前記プレプチン又はアナログが、前記調合剤の重量に対し
    て少くとも99重量%である、請求項20に記載の調合剤。
  25. 【請求項25】 前記プレプチン又はアナログが実質的に純粋である、請求
    項20に記載の調合剤。
  26. 【請求項26】 前記プレプチン又はアナログが純粋である、請求項20に記
    載の調合剤。
  27. 【請求項27】 前記プレプチン又はアナログがヒトのプレプチン又はその
    アナログである、請求項20に記載の調合剤。
  28. 【請求項28】 請求項1〜9のいずれかに記載の哺乳動物のプレプチン又
    はそのアナログの塩。
  29. 【請求項29】 生理学的に容認される塩である、請求項28に記載の塩。
  30. 【請求項30】 前記プレプチン又はアナログを、有機酸の陰イオンと組合
    せることによって調製した、請求項29に記載の塩。
  31. 【請求項31】 前記の塩が、リンゴ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オキ
    ザロ酢酸、クエン酸、イソクエン酸、α−ケトグルタル酸、コハク酸、フマル酸
    及びトリフルオロ酢酸の塩の中から選択される、請求項30に記載の塩。
  32. 【請求項32】 請求項29〜31のいずれかに記載の塩を含んでいる医薬組成
    物。
  33. 【請求項33】 患者を治療的又は予防的に処置する方法であって、有効量
    の、請求項1〜9のいずれかに記載のプレプチン又はそのアナログ、あるいは請
    求項29〜31のいずれかに記載の塩を、前記患者に投与する過程を含んでなる、前
    記方法。
  34. 【請求項34】 治療又は予防のためにインスリン分泌を刺激する方法であ
    って、有効量の、請求項1〜9のいずれかに記載のプレプチン又はそのアナログ
    、あるいは請求項29〜31のいずれかに記載の塩を、この治療又は予防を必要とす
    る患者に投与する過程を含んでなる、前記方法。
  35. 【請求項35】 2型糖尿病を治療する方法であって、有効量の、請求項1
    〜9のいずれかに記載のプレプチン又はそのアナログ、あるいは請求項29〜31の
    いずれかに記載の塩を、患者に投与する過程を含んでなる、前記方法。
  36. 【請求項36】 インスリンの合成、分泌又は作用の低下に至る、又はそれ
    に関わる症状を治療する方法であって、有効量の、請求項1〜9のいずれかに記
    載のプレプチン又はそのアナログ、あるいは請求項29〜31のいずれかに記載の塩
    を、患者に投与する過程を含んでなる、前記方法。
  37. 【請求項37】 薬剤の調製における、請求項1〜9のいずれかに記載のプ
    レプチン又はそのアナログの使用。
  38. 【請求項38】 インスリン分泌を刺激するための薬剤の調製における、請
    求項1〜9のいずれかに記載のプレプチン又はそのアナログの使用。
  39. 【請求項39】 薬剤の調製における、請求項29〜31のいずれかに記載の塩
    の使用。
  40. 【請求項40】 インスリン分泌を刺激するための薬剤の調製における、請
    求項29〜31のいずれかに記載の塩の使用。
  41. 【請求項41】 請求項1〜9のいずれかに記載のプレプチン又はそのアナ
    ログと結合する抗体。
  42. 【請求項42】 請求項1〜9のいずれかに記載のプレプチン又はそのアナ
    ログと結合するモノクローナル抗体。
  43. 【請求項43】 請求項3,8及び9のいずれかに記載のヒトのプレプチン
    又はそのアナログと結合するモノクローナル抗体。
  44. 【請求項44】 請求項41〜43のいずれかに記載の抗体を用いる、免疫学的
    検査法。
  45. 【請求項45】 生物学的液体中に存在するプレプチンを定量的に測定する
    、請求項44に記載の検査法。
  46. 【請求項46】 前記の生物学的液体が血液、血清、血漿、尿又は脳脊髄液
    (CSF)である、請求項45に記載の検査法。
  47. 【請求項47】 請求項41〜43のいずれかに記載の抗体を用いる、RIA, IRM
    A又はELISA のいずれかの免疫学的検査法。
  48. 【請求項48】 請求項41〜43のいずれかに記載の抗体を含んでいる検査キ
    ット。
  49. 【請求項49】 請求項41〜43のいずれかに記載の抗体及びプレプチンの参
    照用基準品を含んでなる、請求項48に記載の検査キット。
  50. 【請求項50】 前記の参照用基準品が、請求項1〜9のいずれかに記載の
    プレプチン又はそのアナログである、請求項49に記載の検査キット。
  51. 【請求項51】 プレプチンアゴニストを同定する方法であって、 アゴニスト候補の存在下及び非存在下で、予め決定した濃度の、請求項1に記載
    のプレプチンによって誘導されるインスリン分泌の程度を検査する過程、及び、
    プレプチンによって媒介されるインスリン分泌の増加をもたらす任意の化合物を
    、アゴニストとして同定する過程、 を含んでなる、前記方法。
  52. 【請求項52】 プレプチンアンタゴニストを同定する方法であって、 アンタゴニスト候補の存在下及び非存在下で、予め決定した濃度の、請求項1に
    記載のプレプチンによって誘導されるインスリン分泌の程度を検査する過程、及
    び、 プレプチンによって媒介されるインスリン分泌の減少をもたらす任意の化合物を
    、アンタゴニストとして同定する過程、 を含んでなる、前記方法。
  53. 【請求項53】 グルコースによって媒介されるインスリン分泌を調節する
    方法であって、有効量のプレプチンアゴニスト又はプレプチンアンタゴニストを
    患者に投与する過程を含んでなる、前記方法。
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