JP2003327719A - 離型フィルム用ポリエステルフィルム - Google Patents
離型フィルム用ポリエステルフィルムInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 例えば偏光板製造用の離型フィルムとして用
いた際に、クロスニコル法による検査において精度ある
検査を実施できるような優れた特性を有する離型フィル
ム用ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 配向主軸の傾きが15度以下であり、か
つ下記式を満足することを特徴とする離型フィルム用
ポリエステルフィルム。 2≦Δp/Δn≦7 … (上記式中、ΔpおよびΔnは、フィルム面内の最大屈
折率をnγ、それに直交する方向の屈折率をnβ、厚さ
方向の屈折率をnαとした際に、Δn=nγ-nα、Δp
=(nγ+nβ)/2-nαとしてそれぞれ定義される)
いた際に、クロスニコル法による検査において精度ある
検査を実施できるような優れた特性を有する離型フィル
ム用ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 配向主軸の傾きが15度以下であり、か
つ下記式を満足することを特徴とする離型フィルム用
ポリエステルフィルム。 2≦Δp/Δn≦7 … (上記式中、ΔpおよびΔnは、フィルム面内の最大屈
折率をnγ、それに直交する方向の屈折率をnβ、厚さ
方向の屈折率をnαとした際に、Δn=nγ-nα、Δp
=(nγ+nβ)/2-nαとしてそれぞれ定義される)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示用途等の
フィルムにおいて重要な特性である光学特性に優れたポ
リエステルフィルムに関し、特に偏光板用の離型フィル
ムに好適に使用されるポリエステルフィルムに関するも
のである。
フィルムにおいて重要な特性である光学特性に優れたポ
リエステルフィルムに関し、特に偏光板用の離型フィル
ムに好適に使用されるポリエステルフィルムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話やパーソナルコンピュー
ターの急速な普及に伴い、従来型のディスプレイである
CRTに比べ薄型軽量化、低消費電力、高画質化が可能
である液晶ディスプレイ(LCD)の需要が著しく伸び
つつあり、LCDの大画面化についてもその技術の成長
は著しい。しかし、特に大画面化されたTFT型やST
N型のLCDにおいては、製造工程における不良率が高
く、その改善策の1つとして異物混入の低減化が必要と
なっており、LCDに使用されている偏光板について
も、いかに異物を低減化していくかが重要な課題となっ
ている。偏光板の異物混入等の欠陥検査としては、クロ
スニコル法による目視検査が一般的である。このクロス
ニコル法は2枚の偏光板をその配向主軸を直交させてそ
の間に離型フィルムを挟み込むようにし、異物や欠陥が
あればそこが輝点として現れるので、目視による欠点検
査ができるという方法であるが、検査を行う偏光板には
粘着剤層を介して離型層を設置したポリエステルフィル
ムが用いられており、離型フィルムの光学的異方性が著
しい場合には、クロスニコル法の検査の障害となり異物
の混入や欠陥を見逃しやすくなるという不具合が生じ
る。
ターの急速な普及に伴い、従来型のディスプレイである
CRTに比べ薄型軽量化、低消費電力、高画質化が可能
である液晶ディスプレイ(LCD)の需要が著しく伸び
つつあり、LCDの大画面化についてもその技術の成長
は著しい。しかし、特に大画面化されたTFT型やST
N型のLCDにおいては、製造工程における不良率が高
く、その改善策の1つとして異物混入の低減化が必要と
なっており、LCDに使用されている偏光板について
も、いかに異物を低減化していくかが重要な課題となっ
ている。偏光板の異物混入等の欠陥検査としては、クロ
スニコル法による目視検査が一般的である。このクロス
ニコル法は2枚の偏光板をその配向主軸を直交させてそ
の間に離型フィルムを挟み込むようにし、異物や欠陥が
あればそこが輝点として現れるので、目視による欠点検
査ができるという方法であるが、検査を行う偏光板には
粘着剤層を介して離型層を設置したポリエステルフィル
ムが用いられており、離型フィルムの光学的異方性が著
しい場合には、クロスニコル法の検査の障害となり異物
の混入や欠陥を見逃しやすくなるという不具合が生じ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解決しようとするものであり、その解決課題
は、例えば偏光板製造用の離型フィルムとして用いた際
に、クロスニコル法による検査において精度ある検査を
実施できるような優れた特性を有する離型フィルム用ポ
リエステルフィルムを提供することにある。
問題点を解決しようとするものであり、その解決課題
は、例えば偏光板製造用の離型フィルムとして用いた際
に、クロスニコル法による検査において精度ある検査を
実施できるような優れた特性を有する離型フィルム用ポ
リエステルフィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、特定の構成を有す
るポリエステルフィルムにより、上記課題が容易に解決
できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
を解決するために鋭意検討した結果、特定の構成を有す
るポリエステルフィルムにより、上記課題が容易に解決
できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明の要旨は、配向主軸の傾
きが15度以下であり、かつ下記式を満足することを
特徴とする離型フィルム用ポリエステルフィルムに存す
る。 2≦Δp/Δn≦7 … (上記式中、ΔpおよびΔnは、フィルム面内の最大屈
折率をnγ、それに直交する方向の屈折率をnβ、厚さ
方向の屈折率をnαとした際に、Δn=nγ-nα、Δp
=(nγ+nβ)/2-nαとしてそれぞれ定義される)
きが15度以下であり、かつ下記式を満足することを
特徴とする離型フィルム用ポリエステルフィルムに存す
る。 2≦Δp/Δn≦7 … (上記式中、ΔpおよびΔnは、フィルム面内の最大屈
折率をnγ、それに直交する方向の屈折率をnβ、厚さ
方向の屈折率をnαとした際に、Δn=nγ-nα、Δp
=(nγ+nβ)/2-nαとしてそれぞれ定義される)
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルとは、ジカルボン酸と、ジオ
ールとからあるいはヒドロキシカルボン酸とから重縮合
によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジ
カルボン酸としては、テレフタル酸、コハク酸、イソフ
タル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデ
カン二酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸と
しては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2
−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。
本発明でいうポリエステルとは、ジカルボン酸と、ジオ
ールとからあるいはヒドロキシカルボン酸とから重縮合
によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジ
カルボン酸としては、テレフタル酸、コハク酸、イソフ
タル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデ
カン二酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸と
しては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2
−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。
【0007】かかるポリマーの代表的なものとして、ポ
リエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6―ナフタレート等が例示され
る。これらのポリマーはホモポリマーであってもよく、
また第3成分を共重合させたものでもよい。本発明のフ
ィルムとしては、優れた強度や寸法安定性の観点から二
軸延伸フィルムが好ましく用いられるが、未延伸または
少なくとも一方に延伸されたポリエステルフィルムを用
いることもできる。
リエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6―ナフタレート等が例示され
る。これらのポリマーはホモポリマーであってもよく、
また第3成分を共重合させたものでもよい。本発明のフ
ィルムとしては、優れた強度や寸法安定性の観点から二
軸延伸フィルムが好ましく用いられるが、未延伸または
少なくとも一方に延伸されたポリエステルフィルムを用
いることもできる。
【0008】本発明におけるポリエステルフィルムは、
配向主軸の傾き(以下、配向角と略記する)が15度以
下であり、かつ下記式を満足する必要がある。なお、
ここでいう配向角とは、フィルム幅方向または縦方向に
対する主軸の傾きである。 2≦Δp/Δn≦7 … (上記式中、ΔpおよびΔnは、フィルム面内の最大屈
折率をnγ、それに直交する方向の屈折率をnβ、厚さ
方向の屈折率をnαとした際に、Δn=nγ-nα、Δp
=(nγ+nβ)/2-nαとしてそれぞれ定義される) 配向角が15度より大きいとクロスニコル法検査の際に
光漏れが大きくなり好ましくなく、Δp/Δnが2未満
あるいは7より大きい場合にも、やはりクロスニコル検
査の際の光漏れが大きくなり好ましくない。
配向主軸の傾き(以下、配向角と略記する)が15度以
下であり、かつ下記式を満足する必要がある。なお、
ここでいう配向角とは、フィルム幅方向または縦方向に
対する主軸の傾きである。 2≦Δp/Δn≦7 … (上記式中、ΔpおよびΔnは、フィルム面内の最大屈
折率をnγ、それに直交する方向の屈折率をnβ、厚さ
方向の屈折率をnαとした際に、Δn=nγ-nα、Δp
=(nγ+nβ)/2-nαとしてそれぞれ定義される) 配向角が15度より大きいとクロスニコル法検査の際に
光漏れが大きくなり好ましくなく、Δp/Δnが2未満
あるいは7より大きい場合にも、やはりクロスニコル検
査の際の光漏れが大きくなり好ましくない。
【0009】また、ポリエステルフィルムを180℃、
10分間熱処理した後、ジメチルホルムアミドより抽出
されるオリゴマー量(以下、表面OL量と略記する)は
10(mg/m2)以下であることが好ましく、さらに
は1(mg/m2)以下であることが望ましい。表面O
L量が10(mg/m2)より多い場合には、離型層設
置時の加熱工程においてフィルム表面にOLが析出し、
離型層設置工程を汚染したり、離型層を設け偏光板に貼
り合わせた際に偏光板へ異物を混入させたりする場合が
ある。さらに、ポリエステルフィルム中に存在する直径
30μm以上の異物が4個/m2以下であることが好ま
しく、1個/m2以下であることがさらに好ましい。フ
ィルム中の異物個数が4個/m2より多い場合には、偏
光板の欠陥検査の際に偏光板中の異物との分類が困難
で、結果として不良品と見なされて、偏光板の歩留まり
低下を引き起こすことがある。
10分間熱処理した後、ジメチルホルムアミドより抽出
されるオリゴマー量(以下、表面OL量と略記する)は
10(mg/m2)以下であることが好ましく、さらに
は1(mg/m2)以下であることが望ましい。表面O
L量が10(mg/m2)より多い場合には、離型層設
置時の加熱工程においてフィルム表面にOLが析出し、
離型層設置工程を汚染したり、離型層を設け偏光板に貼
り合わせた際に偏光板へ異物を混入させたりする場合が
ある。さらに、ポリエステルフィルム中に存在する直径
30μm以上の異物が4個/m2以下であることが好ま
しく、1個/m2以下であることがさらに好ましい。フ
ィルム中の異物個数が4個/m2より多い場合には、偏
光板の欠陥検査の際に偏光板中の異物との分類が困難
で、結果として不良品と見なされて、偏光板の歩留まり
低下を引き起こすことがある。
【0010】また、本発明のフィルムは、色差計を用い
て透過光により測定されるb値が−2.0〜2.0の範
囲内であることが好ましい。b値がこの範囲を外れる場
合には、ポリエステルフィルム上に離型層を設置した離
型フィルムロールにおいて、その端面の色調が極端に黄
色い場合や青い場合があり、実用上問題の生じる場合が
ある。さらに本発明のフィルムは、180℃の雰囲気下
で5分間保持したときの加熱収縮率が4%以下であるこ
とが好ましい。加熱収縮率が4%より大きい場合には、
離型層を設置する工程や、離型フィルムを偏光板に貼り
合わせる工程にある加熱処理工程において、フィルムの
平面性が損なわれてしまう場合がある。
て透過光により測定されるb値が−2.0〜2.0の範
囲内であることが好ましい。b値がこの範囲を外れる場
合には、ポリエステルフィルム上に離型層を設置した離
型フィルムロールにおいて、その端面の色調が極端に黄
色い場合や青い場合があり、実用上問題の生じる場合が
ある。さらに本発明のフィルムは、180℃の雰囲気下
で5分間保持したときの加熱収縮率が4%以下であるこ
とが好ましい。加熱収縮率が4%より大きい場合には、
離型層を設置する工程や、離型フィルムを偏光板に貼り
合わせる工程にある加熱処理工程において、フィルムの
平面性が損なわれてしまう場合がある。
【0011】本発明のポリエステルフィルムには、作業
性を良好にする目的でフィルム中にフィラーを添加し、
フィルムの滑り性を向上させることが好ましく、添加す
るフィラーとしては、例えばシリカ、炭酸カルシウム、
カオリン、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウ
ム、ゼオライト等の無機粒子、またはシリコーン樹脂、
架橋ポリスチレン、アクリル樹脂等の有機粒子を単独ま
たは混合体でフィルム中に配合させることが挙げられ
る。この場合、使用する粒子の平均粒径、添加量、さら
に粒径分布は、本発明の要旨を逸脱しない限り特に限定
されるものではないが、平均粒径は0.1〜4.0μ
m、添加量は0.01〜3.0重量%であることが好ま
しい。また、本発明のポリエステルフィルムは、本発明
の要旨を越えない限り単層フィルムであっても複数の層
が積層された多層フィルムであってもよい。
性を良好にする目的でフィルム中にフィラーを添加し、
フィルムの滑り性を向上させることが好ましく、添加す
るフィラーとしては、例えばシリカ、炭酸カルシウム、
カオリン、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウ
ム、ゼオライト等の無機粒子、またはシリコーン樹脂、
架橋ポリスチレン、アクリル樹脂等の有機粒子を単独ま
たは混合体でフィルム中に配合させることが挙げられ
る。この場合、使用する粒子の平均粒径、添加量、さら
に粒径分布は、本発明の要旨を逸脱しない限り特に限定
されるものではないが、平均粒径は0.1〜4.0μ
m、添加量は0.01〜3.0重量%であることが好ま
しい。また、本発明のポリエステルフィルムは、本発明
の要旨を越えない限り単層フィルムであっても複数の層
が積層された多層フィルムであってもよい。
【0012】以下、本発明のフィルムの製造方法に関し
て具体的に説明するが、本発明の構成を満足する限り、
本発明は以下の例示に特に限定されるものではない。公
知の手法により乾燥したポリエステルチップを溶融押出
装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温
度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをダイ
から押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の
温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配
向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させ
るため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めるこ
とが好ましく、本発明においては静電印加密着法および
/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
て具体的に説明するが、本発明の構成を満足する限り、
本発明は以下の例示に特に限定されるものではない。公
知の手法により乾燥したポリエステルチップを溶融押出
装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温
度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをダイ
から押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の
温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配
向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させ
るため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めるこ
とが好ましく、本発明においては静電印加密着法および
/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0013】本発明においては、このようにして得られ
たシートを2軸方向に延伸してフィルム化することが好
ましい。延伸条件について具体的に述べると、前記未延
伸シートを好ましくは縦方向に70〜145℃で2〜6
倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に9
0〜160℃で2〜6倍延伸を行い、150〜240℃
で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらに
この際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理
出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/また
は横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。ま
た、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも
可能である。本発明のポリエステルフィルムは、本発明
の効果を損なわない範囲であれば、その要求特性に応じ
て必要な特性、例えば帯電防止性、耐候性および表面硬
度の向上のため、必要に応じて縦延伸終了後、横延伸の
テンター入口前にコートをしてテンター内で乾燥するい
わゆるインラインコートを行ってもよい。また、フィル
ム製造後にオフラインコートで各種のコートを行っても
よい。このようなコートは片面、両面のいずれでもよ
い。コーティングの材料としては、オフラインコーティ
ングの場合は水系および/または溶媒系のいずれでもよ
いが、インラインコーティングの場合は水系または水分
散系が好ましい。
たシートを2軸方向に延伸してフィルム化することが好
ましい。延伸条件について具体的に述べると、前記未延
伸シートを好ましくは縦方向に70〜145℃で2〜6
倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に9
0〜160℃で2〜6倍延伸を行い、150〜240℃
で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらに
この際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理
出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/また
は横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。ま
た、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも
可能である。本発明のポリエステルフィルムは、本発明
の効果を損なわない範囲であれば、その要求特性に応じ
て必要な特性、例えば帯電防止性、耐候性および表面硬
度の向上のため、必要に応じて縦延伸終了後、横延伸の
テンター入口前にコートをしてテンター内で乾燥するい
わゆるインラインコートを行ってもよい。また、フィル
ム製造後にオフラインコートで各種のコートを行っても
よい。このようなコートは片面、両面のいずれでもよ
い。コーティングの材料としては、オフラインコーティ
ングの場合は水系および/または溶媒系のいずれでもよ
いが、インラインコーティングの場合は水系または水分
散系が好ましい。
【0014】また、本発明のポリエステルフィルムに
は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の熱可
塑性樹脂、例えばポリエチレンナフタレート、ポリトリ
メチレンテレフタレート等を混合することができる。ま
た、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔料、蛍
光増白剤等を混合することができる。本発明のポリエス
テルフィルムに離型層を設置する場合、離型層を構成す
る材料は離型性を有するものであれば特に限定されるも
のではなく、硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイ
プでも良いし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッ
ド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリ
コーンタイプ等を使用してもよい。それらの中でも、硬
化型シリコーン樹脂を主成分とした場合に離型性が良好
な点で良い。硬化型シリコーン樹脂の種類としては溶剤
付加型・溶剤縮合型・溶剤紫外線硬化型、無溶剤付加
型、無溶剤縮合型、無溶剤紫外線硬化型、無溶剤電子線
硬化型等いずれの硬化反応タイプでも用いることができ
る。
は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の熱可
塑性樹脂、例えばポリエチレンナフタレート、ポリトリ
メチレンテレフタレート等を混合することができる。ま
た、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔料、蛍
光増白剤等を混合することができる。本発明のポリエス
テルフィルムに離型層を設置する場合、離型層を構成す
る材料は離型性を有するものであれば特に限定されるも
のではなく、硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイ
プでも良いし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッ
ド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリ
コーンタイプ等を使用してもよい。それらの中でも、硬
化型シリコーン樹脂を主成分とした場合に離型性が良好
な点で良い。硬化型シリコーン樹脂の種類としては溶剤
付加型・溶剤縮合型・溶剤紫外線硬化型、無溶剤付加
型、無溶剤縮合型、無溶剤紫外線硬化型、無溶剤電子線
硬化型等いずれの硬化反応タイプでも用いることができ
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、種々の諸物性、
特性は以下のように測定、または定義されたものであ
る。
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、種々の諸物性、
特性は以下のように測定、または定義されたものであ
る。
【0016】(1)配向角の測定
カールツァイス社製偏光顕微鏡を用いて、ポリエステル
フィルムの配向を観察し、ポリエステルフィルム面内の
主配向軸の方向がポリエステルフィルムの幅方向に対し
て何度傾いているかを測定し配向角とした。この測定を
得られたフィルムの中央部と両端の計3カ所について実
施し、3カ所の内で最も大きい配向角の値を最大配向角
とした。
フィルムの配向を観察し、ポリエステルフィルム面内の
主配向軸の方向がポリエステルフィルムの幅方向に対し
て何度傾いているかを測定し配向角とした。この測定を
得られたフィルムの中央部と両端の計3カ所について実
施し、3カ所の内で最も大きい配向角の値を最大配向角
とした。
【0017】(2)屈折率の測定
アタゴ光学社製アッベ式屈折計を用い、フィルム面内の
屈折率の最大値nγ、それに直角の方向の屈折率nβ、
およびフィルムの厚さ方向の屈折率nαを測定し、次式
によりΔn、Δpを求めΔp/Δnを算出した。なお、
屈折率の測定は、ナトリウムD線を用い、23℃で行っ
た。また上記屈折率の測定は、得られたフィルムの中央
部と両端の計3カ所を測定し、それぞれの箇所のΔp/
Δnを算出し、3点の最大値と最小値を求めた。 Δn=nγ-nα Δp=(nγ+nβ)/2 − nα
屈折率の最大値nγ、それに直角の方向の屈折率nβ、
およびフィルムの厚さ方向の屈折率nαを測定し、次式
によりΔn、Δpを求めΔp/Δnを算出した。なお、
屈折率の測定は、ナトリウムD線を用い、23℃で行っ
た。また上記屈折率の測定は、得られたフィルムの中央
部と両端の計3カ所を測定し、それぞれの箇所のΔp/
Δnを算出し、3点の最大値と最小値を求めた。 Δn=nγ-nα Δp=(nγ+nβ)/2 − nα
【0018】(2)表面OL量の測定
ポリエステルフィルムを180℃で10分間加熱処理し
た後、上部が開放され、底辺の面積が250cm2とな
るように、熱処理後のポリエステルフィルムを折って、
四角の箱を作成する。塗布層を設けている場合は、塗布
層面が内側となるようにする。次いで、上記の方法で作
成した箱の中にDMF10mlを入れ3分間放置後DM
Fを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィ
ー(島津LC−7A)に供給してDMF中のオリゴマー
量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積
で割って、フィルム表面オリゴマー量(mg/m2)と
する。DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積
と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対
検量線法)。標準試料の作成は、予め分取したオリゴマ
ー(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDM
Fに溶解して作成した。標準試料の濃度は、0.001
mg/ml〜0.01mg/mlの範囲が好ましい。液
体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。 移動相A:アセトニトリル 移動相B:2%酢酸水溶液 カラム:三菱化学(株)製 MCI GEL ODS
1HU カラム温度:40℃ 流速:1ml/分 検出波長:254nm
た後、上部が開放され、底辺の面積が250cm2とな
るように、熱処理後のポリエステルフィルムを折って、
四角の箱を作成する。塗布層を設けている場合は、塗布
層面が内側となるようにする。次いで、上記の方法で作
成した箱の中にDMF10mlを入れ3分間放置後DM
Fを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィ
ー(島津LC−7A)に供給してDMF中のオリゴマー
量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積
で割って、フィルム表面オリゴマー量(mg/m2)と
する。DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積
と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対
検量線法)。標準試料の作成は、予め分取したオリゴマ
ー(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDM
Fに溶解して作成した。標準試料の濃度は、0.001
mg/ml〜0.01mg/mlの範囲が好ましい。液
体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。 移動相A:アセトニトリル 移動相B:2%酢酸水溶液 カラム:三菱化学(株)製 MCI GEL ODS
1HU カラム温度:40℃ 流速:1ml/分 検出波長:254nm
【0019】(3)フィルム内異物個数の測定
幅700mm、長さ10m(面積7m2)のサイズのポ
リエステルフィルムを、クロスニコル法を用いた目視に
よる異物検査を行い、検出された全異物の大きさを光学
顕微鏡により測定し、30μm以上の大きさの異物個数
をカウントした後、単位面積あたりの30μm以上の異
物個数を算出した。
リエステルフィルムを、クロスニコル法を用いた目視に
よる異物検査を行い、検出された全異物の大きさを光学
顕微鏡により測定し、30μm以上の大きさの異物個数
をカウントした後、単位面積あたりの30μm以上の異
物個数を算出した。
【0020】(4)b値の測定
日本電色工業(株)製分光色色差計 SE−2000型
を用いて、JIS Z−8722の方法に準じて透過法
によるb値を測定した。 (5)加熱収縮率の測定 離型フィルムの横方向に15mm幅×150mm長の短
冊状にサンプルを切り出し、無張力状態にて180℃に
設定されたオーブン(田葉井製作所製:熱風循環炉)中
で5分間の加熱処理を行い、加熱処理前後の長さを測微
計により測定し、下記式にて熱収縮率を求めた。 加熱収縮率(%)=[(a−b)/a]×100 (上記式中、aは加熱前のフィルム長さ(mm),bは
加熱後のフィルム長さ(mm)である)
を用いて、JIS Z−8722の方法に準じて透過法
によるb値を測定した。 (5)加熱収縮率の測定 離型フィルムの横方向に15mm幅×150mm長の短
冊状にサンプルを切り出し、無張力状態にて180℃に
設定されたオーブン(田葉井製作所製:熱風循環炉)中
で5分間の加熱処理を行い、加熱処理前後の長さを測微
計により測定し、下記式にて熱収縮率を求めた。 加熱収縮率(%)=[(a−b)/a]×100 (上記式中、aは加熱前のフィルム長さ(mm),bは
加熱後のフィルム長さ(mm)である)
【0021】(6)クロスニコル下での目視検査性
得られたポリエステルフィルムを用いて硬化型シリコー
ン樹脂(信越化学製「KS−779H」)100部、硬
化剤(信越化学製「CAT−PL−8」)1部、メチル
エチルケトン(MEK)/トルエン混合溶媒系2200
部より成る離型剤を塗工量が0.1g/mm2になるよ
うに塗布し、170℃で10秒間の乾燥を行って離型フ
ィルムを得た後、離型フィルムの幅方向が偏光フィルム
の配向軸と平行となるように、粘着剤を介して離型フィ
ルムを偏光フィルムに密着させて偏光板とし、密着させ
た離型フィルム上に配向軸がフィルム幅方向と直交する
ように検査用の偏光板を重ね合わせ、偏光板側より白色
光を照射し、検査用の偏光板より目視にて観察し、クロ
スニコル下での目視検査性を下記基準に従い評価した。
なお測定の際には、得られたフィルムの中央部と両端部
の計3カ所のフィルムを用いて評価し、最も不良であっ
た評価結果をそのフィルムの目視検査性とした。
ン樹脂(信越化学製「KS−779H」)100部、硬
化剤(信越化学製「CAT−PL−8」)1部、メチル
エチルケトン(MEK)/トルエン混合溶媒系2200
部より成る離型剤を塗工量が0.1g/mm2になるよ
うに塗布し、170℃で10秒間の乾燥を行って離型フ
ィルムを得た後、離型フィルムの幅方向が偏光フィルム
の配向軸と平行となるように、粘着剤を介して離型フィ
ルムを偏光フィルムに密着させて偏光板とし、密着させ
た離型フィルム上に配向軸がフィルム幅方向と直交する
ように検査用の偏光板を重ね合わせ、偏光板側より白色
光を照射し、検査用の偏光板より目視にて観察し、クロ
スニコル下での目視検査性を下記基準に従い評価した。
なお測定の際には、得られたフィルムの中央部と両端部
の計3カ所のフィルムを用いて評価し、最も不良であっ
た評価結果をそのフィルムの目視検査性とした。
【0022】<クロスニコル下での目視検査性 判定基
準> ○:光干渉性無く検査可能 △:光干渉性はあるが検査可能 ×:光干渉性があり検査不能 上記基準中、○および△は実用上問題のないレベルであ
る。
準> ○:光干渉性無く検査可能 △:光干渉性はあるが検査可能 ×:光干渉性があり検査不能 上記基準中、○および△は実用上問題のないレベルであ
る。
【0023】(7)離型層設置後の平面性検査
ポリエステルフィルム上に硬化型シリコーン樹脂(信越
化学製「KS−779H」)100部、硬化剤(信越化
学製「CAT−PL−8」)1部、メチルエチルケトン
(MEK)/トルエン混合溶媒系2200部より成る離
型剤を塗工量が0.1g/mm2になるように塗布して
170℃で10秒間の乾燥を行い離型フィルムとし、得
られた離型フィルムの平面性を目視にて検査した。 ○:極めて平面性がよく実用性に富んでいる △:やや平面性に欠けるが実用的である ×:平面性悪く実用性に欠ける。
化学製「KS−779H」)100部、硬化剤(信越化
学製「CAT−PL−8」)1部、メチルエチルケトン
(MEK)/トルエン混合溶媒系2200部より成る離
型剤を塗工量が0.1g/mm2になるように塗布して
170℃で10秒間の乾燥を行い離型フィルムとし、得
られた離型フィルムの平面性を目視にて検査した。 ○:極めて平面性がよく実用性に富んでいる △:やや平面性に欠けるが実用的である ×:平面性悪く実用性に欠ける。
【0024】実施例1
(ポリエステルチップの製造法)ジメチルテレフタレー
ト100部、エチレングリコール70部、および酢酸カ
ルシウム一水塩0.07部を反応器にとり、加熱昇温す
ると共にメタノール留去させエステル交換反応を行い、
反応開始後、約4時間半を要して230℃に昇温し、実
質的にエステル交換反応を終了した。次に燐酸0.04
部および三酸化アンチモン0.035部を添加し、常法
に従って重合した。すなわち、反応温度を徐々に上げ
て、最終的に280℃とし、一方、圧力は徐々に減じ
て、最終的に0.05mmHgとした。4時間後、反応
を終了し、常法に従い、チップ化して固有粘度が0.6
5であるポリエステルAを得た。上記ポリエステルAを
用いて公知の方法にて固相重合し、固有粘度が0.78
となるポリエステルBを得た。さらに、上記ポリエステ
ルAを製造する際、平均一次粒径2.4μmの非晶質シ
リカを10000ppm添加し、ポリエステルCを得
た。また、上記ポリエステルAを製造する際、平均一次
粒径60nmのδ型の酸化アルミニウムを20000p
pm添加し、ポリエステルDを得た。さらには、上記ポ
リエステルAを製造する際、平均一次粒径0.7μmの
炭酸カルシウムを20000ppm添加し、ポリエステ
ルEを得た。
ト100部、エチレングリコール70部、および酢酸カ
ルシウム一水塩0.07部を反応器にとり、加熱昇温す
ると共にメタノール留去させエステル交換反応を行い、
反応開始後、約4時間半を要して230℃に昇温し、実
質的にエステル交換反応を終了した。次に燐酸0.04
部および三酸化アンチモン0.035部を添加し、常法
に従って重合した。すなわち、反応温度を徐々に上げ
て、最終的に280℃とし、一方、圧力は徐々に減じ
て、最終的に0.05mmHgとした。4時間後、反応
を終了し、常法に従い、チップ化して固有粘度が0.6
5であるポリエステルAを得た。上記ポリエステルAを
用いて公知の方法にて固相重合し、固有粘度が0.78
となるポリエステルBを得た。さらに、上記ポリエステ
ルAを製造する際、平均一次粒径2.4μmの非晶質シ
リカを10000ppm添加し、ポリエステルCを得
た。また、上記ポリエステルAを製造する際、平均一次
粒径60nmのδ型の酸化アルミニウムを20000p
pm添加し、ポリエステルDを得た。さらには、上記ポ
リエステルAを製造する際、平均一次粒径0.7μmの
炭酸カルシウムを20000ppm添加し、ポリエステ
ルEを得た。
【0025】(ポリエステルフィルムの製造)上記ポリ
エステルA〜Eを、下記表1に示す配合比でA層、B層
用の混合原料とし、2台の押出機に各々を供給し、各々
285℃で溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を
中間層として、B層の厚みが全厚みの75%の厚みとな
るように2種3層の層構成で20℃に冷却したキャステ
ィングドラム上に共押出し冷却固化させて無配向シート
を得た。次いで、125℃にて縦方向に2.8倍延伸し
た後、テンター内で予熱工程を経て100℃で4.2倍
の横延伸を施した後、205℃で10秒間の熱処理を行
い、その後180℃で幅方向に20%の弛緩を加え、幅
2000mm、厚み38μmのポリエステルフィルムを
得た。得られたフィルムは、目視検査性が良好であり、
表面OL量、異物個数も少なく実用性の高いポリエステ
ルフィルムであった。さらに、このようにして得られた
ポリエステルフィルム上に離型層を塗布して離型フィル
ムを得た後、離型フィルムの平面性を検査した結果、平
面性についても良好であった。
エステルA〜Eを、下記表1に示す配合比でA層、B層
用の混合原料とし、2台の押出機に各々を供給し、各々
285℃で溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を
中間層として、B層の厚みが全厚みの75%の厚みとな
るように2種3層の層構成で20℃に冷却したキャステ
ィングドラム上に共押出し冷却固化させて無配向シート
を得た。次いで、125℃にて縦方向に2.8倍延伸し
た後、テンター内で予熱工程を経て100℃で4.2倍
の横延伸を施した後、205℃で10秒間の熱処理を行
い、その後180℃で幅方向に20%の弛緩を加え、幅
2000mm、厚み38μmのポリエステルフィルムを
得た。得られたフィルムは、目視検査性が良好であり、
表面OL量、異物個数も少なく実用性の高いポリエステ
ルフィルムであった。さらに、このようにして得られた
ポリエステルフィルム上に離型層を塗布して離型フィル
ムを得た後、離型フィルムの平面性を検査した結果、平
面性についても良好であった。
【0026】実施例2
原料配合および製膜条件を表1記載のようにした以外は
実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを
得た。得られたポリエステルフィルムは、表1に示した
ような結果となり、いずれも実用性の高いフィルムであ
った。また、実施例2で得られたポリエステルフィルム
を用いて実施例1と同様にして離型フィルムを得、離型
フィルムの平面性を検査したところ、平面性についても
良好であった。
実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを
得た。得られたポリエステルフィルムは、表1に示した
ような結果となり、いずれも実用性の高いフィルムであ
った。また、実施例2で得られたポリエステルフィルム
を用いて実施例1と同様にして離型フィルムを得、離型
フィルムの平面性を検査したところ、平面性についても
良好であった。
【0027】比較例1
原料配合および製膜条件を表1記載のようにする以外は
実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを
得た。得られたポリエステルフィルムは目視検査性に劣
っており実用性に欠けたフィルムであった。 比較例2〜5 原料配合および製膜条件を表1記載のようにする以外は
実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを
得た。得られたポリエステルフィルムは表1に示す結果
であり、いずれも目視検査性に劣っており、表面OL
量、異物個数、b値、離型フィルムとした際の平面性の
いずれかの特性についても劣っており、実用性に欠けた
フィルムであった。なお、比較例2では加熱収縮率の測
定の際に、収縮が大きすぎて加熱処理後のフィルム長さ
の測定が不能であった。また、離型層を設置する工程に
おいてもフィルム幅方向の著しい収縮により安定した離
型層塗布ができず、離型フィルムが得られなかった。
実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを
得た。得られたポリエステルフィルムは目視検査性に劣
っており実用性に欠けたフィルムであった。 比較例2〜5 原料配合および製膜条件を表1記載のようにする以外は
実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを
得た。得られたポリエステルフィルムは表1に示す結果
であり、いずれも目視検査性に劣っており、表面OL
量、異物個数、b値、離型フィルムとした際の平面性の
いずれかの特性についても劣っており、実用性に欠けた
フィルムであった。なお、比較例2では加熱収縮率の測
定の際に、収縮が大きすぎて加熱処理後のフィルム長さ
の測定が不能であった。また、離型層を設置する工程に
おいてもフィルム幅方向の著しい収縮により安定した離
型層塗布ができず、離型フィルムが得られなかった。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、偏光板のクロスニコル
法による検査において精度ある検査を実施でき、優れた
特性を有する離型フィルム用ポリエステルフィルムを提
供することができ、本発明の工業的価値は高い。
法による検査において精度ある検査を実施でき、優れた
特性を有する離型フィルム用ポリエステルフィルムを提
供することができ、本発明の工業的価値は高い。
Claims (6)
- 【請求項1】 配向主軸の傾きが15度以下であり、か
つ下記式を満足することを特徴とする離型フィルム用
ポリエステルフィルム。 2≦Δp/Δn≦7 … (上記式中、ΔpおよびΔnは、フィルム面内の最大屈
折率をnγ、それに直交する方向の屈折率をnβ、厚さ
方向の屈折率をnαとした際に、Δn=nγ-nα、Δp
=(nγ+nβ)/2-nαとしてそれぞれ定義される) - 【請求項2】 加熱処理後にフィルム表面より抽出され
るオリゴマー量が10(mg/m2)以下であることを
特徴とする請求項1記載の離型フィルム用ポリエステル
フィルム。 - 【請求項3】 ポリエステルフィルム中に存在する直径
30μm以上の異物が4個/m2以下であることを特徴
とする請求項1記載の離型フィルム用ポリエステルフィ
ルム。 - 【請求項4】 色差計を用いて透過光により測定される
b値が−2.0〜2.0の範囲であることを特徴とする
請求項1記載の離型フィルム用ポリエステルフィルム。 - 【請求項5】 180℃の雰囲気下で5分間保持したと
きの加熱収縮率が4%以下であることを特徴とする請求
項1記載の離型フィルム用ポリエステルフィルム。 - 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載のポリエス
テルフィルムの片面に離型層を有することを特徴とする
離型フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002133773A JP2003327719A (ja) | 2002-05-09 | 2002-05-09 | 離型フィルム用ポリエステルフィルム |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003327719A true JP2003327719A (ja) | 2003-11-19 |
Family
ID=29696635
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Cited By (7)
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---|---|---|---|---|
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WO2010023891A1 (ja) * | 2008-08-26 | 2010-03-04 | 三菱樹脂株式会社 | 二軸延伸ポリエステルフィルム |
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-
2002
- 2002-05-09 JP JP2002133773A patent/JP2003327719A/ja active Pending
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