JP2003326464A - 切断用ホイール及びその製造方法 - Google Patents
切断用ホイール及びその製造方法Info
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Abstract
合相3内にダイヤモンドやcBN等の超砥粒を分散配置
してなる砥粒層3を全周にわたって形成する。砥粒層3
には、周面全周にわたる凹部6と、凹部6によって台金
2の軸線O方向に隔てられて外周部がワークの切削に供
される複数のフランジ状凸部7とを形成する。砥粒層3
を、台金2上に形成される内周層8と、内周層8上に形
成されてこの内周層8に分散される超砥粒よりも平均粒
径の大きい超砥粒が分散されてなる外周層9とによって
構成する。各フランジ状凸部7において、内周層8は、
外周層9よりも前記軸線O方向の両側に張り出させる。
Description
半導体製品等の微小な部品の高精度な切断加工や溝入れ
加工に用いられる切断用ホイールに関する。
クのヘッドとして用いられるGMRヘッド等がある。こ
のGMRヘッドは、例えば縦1.2mm、横0.9m
m、厚さ0.3mm程度のごく微小な部品である。この
ような微小な部品は、まず複数の部品を一体の基板とし
て製作して、その後切断用ホイールによって基板のまま
各部品にまとめて溝入れ加工を施したり、基板を個々の
部品に切り分けている。この加工に用いられる切断用ホ
イールとしては、円柱形状をなす工具本体の外周に、略
薄板リング状の砥石を、互いの間にスペーサを挟み込ん
で工具本体の軸線方向に複数枚設けたものがある。この
ように複数の砥石を設けた切断用ホイールを用いること
で、基板の複数箇所で切断加工または溝入れ加工を同時
に行うことができる。
断用ホイールでは、複数の砥石及びスペーサを用いてい
るため、これら各部材の厚みのばらつき及び各部材の組
み付け精度のばらつきが累積して、組み上がりの砥石の
位置、すなわちワークの切断位置に影響する。このた
め、この切断用ホイールでは、ワークの加工精度の確保
が困難である。また、この切断用ホイールでは、各部材
間の隙間を完全に無くすことは困難なので、使用を続け
るうちにワークの加工精度が低下しやすい。さらに、近
年、ワークである基板はますます小型化されており、こ
れに伴い、基板の加工に供する切断用ホイールについて
も、より薄い砥石で正確な加工を行うという要求が強ま
っている。特に、GMRヘッドのスライダーの加工にお
いては、切断に用いる砥石の厚さが100μm以下とな
ってきている。このような寸法では、砥石の厚みのばら
つきが相対的に大きくなるので、切断用ホイールの形状
精度を維持することが一層困難である。また、ワークの
切断ピッチも狭くなってきているため、砥石間にスペー
サを入れることが困難である。
たもので、加工精度が良い切断用ホイール及びその製造
方法を提供することを目的とする。
イールは、円柱形状をなす台金の外周に、砥粒を金属結
合相中に分散配置してなる砥粒層が全周にわたって形成
される切断用ホイールであって、前記砥粒層には、周面
全周にわたる凹部と、該凹部によって前記台金の軸線方
向に隔てられて外周部がワークの切削に供される複数の
フランジ状凸部とが形成されていることを特徴としてい
る。
は、円柱形状をなす台金の外周に形成される砥粒層に、
凹部によって台金の軸線方向に隔てられる複数のフラン
ジ状凸部が形成されている。ワークの切削に作用する複
数のフランジ状凸部は、台金に設けられる砥粒層に一体
的に形成されているので、フランジ状凸部の位置精度を
高精度とすることができ、また、使用を続けることによ
るフランジ状凸部の位置のずれが生じない。ここで、砥
粒としては、例えばダイヤモンドやcBN等の超砥粒が
用いられる。
えばハードディスクのヘッドである場合、何らかの理由
でヘッドから破片が脱落した際に、この破片によってハ
ードディスクの記録面が損傷してしまう恐れがあるの
で、部品の切断面をバリやクラック等のない鏡面に加工
することが望まれている。従来は、ワークの切断と切断
面の鏡面加工を同時に行うため、砥粒を細かくした切断
用ホイールを用いてワークの切断を行っていた。しか
し、このように砥粒を細かくすると切断用ホイールの切
れ味が不良となるため、ワークに割れや加工による変質
等のダメージを与えてしまったり、ワークの加工精度が
低下してしまうという不都合があった。また、切れ味を
重視して、砥粒を粗くした切断用ホイールを用いた場合
には、ワークにチッピングやクラック等が発生しやす
く、切断面をさらに二次加工して補正する必要があっ
た。
おいて、砥粒層は、台金上に形成されて仕上げ用砥粒が
分散される内周層と、内周層上に形成されて仕上げ用砥
粒よりも平均粒径の大きい粗加工用砥粒が分散される外
周層とを有し、凹部の深さGは外周層の厚みTを超える
深さとされ、各フランジ状凸部において、内周層は、外
周層よりも軸線方向の両側に張り出している構成として
もよい。この構成では、ワークの切削に供されるフラン
ジ状凸部のうち、重切削を強いられる外周部(特に外周
部の中央部)には、平均粒径の大きい(すなわち粗い)
粗加工用砥粒が分散される外周層が形成されているの
で、切れ味が確保される。そして、内周層は、外周層よ
りも台金の軸線方向の両側に張り出しているので、外周
層による切断面は、より平均粒径の小さい(すなわち細
かい)仕上げ用砥粒が分散される内周層によって仕上げ
切削される。すなわち、この切断用ホイールでは、一度
の切削加工でワークに粗加工と仕上げ加工との両方が施
される。
いて、砥粒層は、前記凹部及び前記フランジ状凸部が形
成されて粗加工用砥粒が分散される砥粒層本体と、砥粒
層本体のフランジ状凸部の側面に設けられて粗加工用砥
粒よりも平均粒径の小さい仕上げ用砥粒が分散される側
面砥粒層とを有している構成としてもよい。この構成で
は、ワークの切削に供されるフランジ状凸部のうち、重
切削を強いられる外周部の中央部には、平均粒径の大き
い粗加工用砥粒が分散された砥粒層本体が露出している
ので、切れ味が確保される。そして、フランジ状凸部の
側面には、より平均粒径の小さい仕上げ用砥粒が分散さ
れた側面砥粒層が形成されているので、ワークの切断面
が側面砥粒層によって仕上げ切削される。すなわち、こ
の切断用ホイールにおいても、一度の切削加工でワーク
に粗加工と仕上げ加工との両方が施される。
ルにおいては、仕上げ用砥粒の平均粒径D1が25μm
よりも大きいと、ワークにチッピングやクラック等が生
じやすくなり、切断面の仕上がりが悪くなってしまう。
また、平均粒径D1が1.6μmよりも小さいと、切れ
味が不良であるため、ワークにダメージを与えたり、加
工精度が低下してしまう。一方、粗加工用砥粒の平均粒
径D2が50μmよりも大きいと、ワークに大きなチッ
ピングやクラック等が生じやすくなり、その後の内周層
による切断面の仕上げに大きな負担が生じることとな
る。また、平均粒径D2が5μmよりも小さいと、切れ
味が不良であるため、ワークにダメージを与えたり、加
工精度が低下してしまう。このため、本発明にかかる切
断用ホイールにおいては、仕上げ用砥粒の平均粒径D1
は25μm〜1.6μmの範囲内とし、粗加工用砥粒の
平均粒径D2は、50μm〜5μmの範囲内とすること
が好ましい。
ルにおいては、粗加工用砥粒の平均粒径D2が、仕上げ
用砥粒の平均粒径D1の1.3倍よりも小さいと、内周
層と外周層の双方の効果(または砥粒層本体と側面砥粒
層の双方の効果)が小さくなってしまう。一方、平均粒
径D2が平均粒径D1の3倍よりも大きいと、ワークに
クラックやチッピングが発生し、その後の内周層(また
は側面砥粒層)による切削によってもクラックやチッピ
ングが除去できなくなってしまう。このため、粗加工用
砥粒の平均粒径D2は、仕上げ用砥粒の平均粒径D1の
1.3倍〜3倍の範囲内とすることが好ましい。
本発明の第一の実施の形態にかかる切断用ホイールにつ
いて、図1から図3を用いて説明する。図1は本実施形
態にかかる切断用ホイールを示す図であって、(a)は
平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図、図2は本
実施形態にかかる切断用ホイールの製造工程を概略的に
示す図、図3は本実施形態にかかる切断用ホイールによ
るワークの切断の様子を概略的に示す図である。本実施
の形態にかかる切断用ホイール1は、円柱形状をなす台
金2の外周に、砥粒層3が全周にわたって形成されるも
のである。台金2としては、例えばS45C等の鋼材が
用いられ、砥粒層3は、金属結合相内に、人工または天
然ダイヤモンドやcBN等の超砥粒を分散配置して形成
されるものである。
と、凹部6によって台金2の軸線O方向に隔てられて外
周部がワークの切削に供される複数のフランジ状凸部7
とが形成されている。フランジ状凸部7は、砥粒層3に
おいて台金2の軸線Oに略直交させて形成されている。
ここで、一つのワークから得られる部品の数を多くする
ために、ワークの切断代は極力小さくすることが望まし
い。このため、フランジ状凸部の前記軸線方向の幅W1
は、0.3mm以内とすることが好ましい。また、本実
施の形態では、凹部6の軸線O方向の幅W2は、ワーク
から切り出される部材の幅の二倍としている。ここで、
図1(b)は砥粒層3の概略形状を示すためのものであ
って、各部の正確な寸法比を示すものではない。
用砥粒が分散される内周層8と、内周層8上に形成され
て仕上げ用砥粒よりも平均粒径の大きい粗加工用砥粒が
分散されてなる外周層9とを有している。ここで、凹部
6の深さGは、外周層9の厚みTを超える深さとされて
いる。内周層8及び外周層9は、例えば超砥粒が分散さ
れたメタル焼結体によって構成される他、めっき等によ
って超砥粒が分散された状態で形成されるNi(ニッケ
ル)、Cu(銅)、Co(コバルト)、Cr(クロム)
等の金属層、またはこれらの合金からなる金属層によっ
て構成されてもよい。
層8は、外周層9よりも前記軸線O方向の両側に張り出
している。本実施の形態では、フランジ状凸部7は、外
周層9の外周面から内周部8の外周部にかけて、径方向
内側に向かうにつれて漸次軸線O方向の幅が広げられる
テーパー形状に形成している。ここで、フランジ状凸部
7の側面において、テーパー形状とされる部分よりも径
方向内側の部分は、軸線Oに略垂直に交差する平面とさ
れている。
粒径D1は25μm〜1.6μmの範囲内とされ、外周
層9に分散される粗加工用砥粒の平均粒径D2は、50
μm〜5μmの範囲内とされている。また、粗加工砥粒
の平均粒径D2は、仕上げ用砥粒の平均粒径D1の1.
3倍〜3倍の範囲内とされている。本実施の形態では、
粗加工用砥粒の平均粒径D2は11μmとされており、
仕上げ用砥粒の平均粒径D1は7μmとされている。
イール1の製造工程について説明する。
に、砥粒層3を構成する内周層8を形成する。本実施の
形態では、内周層8は、仕上げ用砥粒が分散されたメタ
ル焼結体によって構成している。このような内周層8
は、台金2の外周に、Cu−Sn系のメタル焼結体原料
をマトリックスとして平均粒径D1の超砥粒を分散させ
てこれを焼結することによって形成される。
に、砥粒層3を構成する外周層9を形成する。本実施の
形態では、内周層8の外周にめっき処理によって粗加工
用砥粒が分散されたニッケルまたはニッケル基合金層を
形成し、これを外周層9としている。このような外周層
9は、例えば図2に概略的に示す砥粒層製造装置10を
用いて製造される。砥粒層製造装置10は、攪拌機が配
設されためっき槽11を有している。めっき槽11内に
は、めっき槽11の内面から離間させ、かつ電源の陰極
が接続された状態で、内周層8が形成された台金2が設
置される。めっき槽11中には、台金2の内周層8の外
周面と対向させてニッケル製の陽極板12が配置されて
いる。
に、めっき液として、超砥粒であるダイヤモンド粉末
(平均粒径はD2)が分散されためっき液Mを入れ、め
っき液Mを攪拌機によって攪拌しながら通電する。台金
2の表面及び内周層8の外周面を除く他の表面にはマス
キングが施されており、内周層8の外周面にのみ、超砥
粒を含む所定の厚さの砥粒層を析出させて、この砥粒層
を外周層9とする。
られた砥粒層3に整形を施して、凹部6とフランジ状凸
部7を形成する。凹部6は、例えば型彫り放電加工機や
ワイヤ放電加工機等の放電加工機によって砥粒層3の外
周部の一部を除去することによって形成される。このよ
うにして砥粒層3の外周部に凹部6を形成することで、
砥粒層3において凹部6によって台金2の軸線O方向に
隔てられる部分が、フランジ状凸部7をなす。また、こ
の砥粒層整形工程では、凹部6の形成に加えて、さらに
フランジ状凸部7の外周部の整形も行う。すなわち、フ
ランジ状凸部7を、外周層9の外周面から内周部8の外
周部にかけて、径方向内側に向かうにつれて漸次軸線O
方向の幅が広げられるテーパー形状に形成する。このよ
うにして砥粒層3の整形を行うことで、本発明にかかる
切断用ホイール1を得る。
ない駆動軸に対して同軸にして固定し、この状態で駆動
軸の軸線まわりに回転駆動させ、砥粒層3のフランジ状
凸部7の外周部でワークを切断(研削)加工する。この
切断用ホイール1においては、フランジ状凸部7のう
ち、まず外周部によってワークWの切削が行われる。こ
のように重切削を強いられる外周部(特に外周部の中央
部)には、平均粒径の大きい(粗い)粗加工用砥粒が分
散される外周層9が形成されているので、切れ味が確保
される。このとき、ワークWには若干のチッピングが生
じてもよい。
O方向の両側に張り出しているので、図3に示すよう
に、切り込み量が大きくなるにつれて、または切断用ホ
イール1が送り方向に移動するにつれて、外周層9によ
る切断面は、より平均粒径の小さい(細かい)仕上げ用
砥粒が分散される内周層8によって仕上げ切削される。
このとき、外周層9の切削によってワークWにチッピン
グが生じていても、外周層9によって切削が行われた領
域は内周層8による切削によって除去されて、鏡面に仕
上げられる。すなわち、この切断用ホイール1によれ
ば、一度の切削加工で粗加工と仕上げ加工の両方が行わ
れる。ここで、この切断加工の際に、ワークWの切断面
全体を内周層8によって鏡面に仕上げるため、切断用ホ
イール1のワークWに対する切り込み深さは、少なくと
もフランジ状凸部7の側面において軸線Oに垂直な部分
がワークWの裏面側まで達する深さに設定される。
なわちワークの切断に作用するフランジ状凸部7間の距
離がワークの切断に作用する部材の幅と同一とすると、
ワークを切断した際にフランジ状凸部7間に部材を挟み
込んでしまう恐れがある。このため、本実施の形態で
は、凹部6の軸線O方向の幅W2は、ワークから切り出
される部材の幅の二倍としている。この場合には、まず
一度目の切断加工では、互いに凹部6によって隔てられ
る各フランジ状凸部7によって、ワークにおいて切断す
べきラインを一本おきに切断する。そして、二度目の切
断加工では、各フランジ状凸部7によって、切断すべき
ラインのうち、一度目の切断加工で切断したラインから
一本ずれたラインを切断する。これによって、フランジ
状凸部7間に部材を挟み込んでしまうことなく、ワーク
から部材を所望の幅で切り出すことができる。
よれば、ワークの切削に作用する複数のフランジ状凸部
7は、台金2に設けられる砥粒層3に一体的に形成され
ているので、フランジ状凸部7の位置精度を高精度とす
ることができ、また、使用を続けることによるフランジ
状凸部7の位置のずれが生じない。このように、本実施
の形態にかかる切断用ホイール1によれば、加工精度を
良好にすることができる。
クの切削に供されるフランジ状凸部7のうち、重切削を
強いられる外周部(特に外周部の中央部)に平均粒径の
大きい粗加工用砥粒が用いられる外周層9が形成されて
いるので、切れ味が確保される。そして、内周層8は、
外周層9よりも台金2の軸線O方向の両側に張り出して
いるので、外周層9による切断面は、より平均粒径の小
さい仕上げ用砥粒が用いられる内周層8によって仕上げ
切削される。すなわち、この切断用ホイール1では、一
度の切削加工でワークに粗加工と仕上げ加工との両方が
施されるので、一度の切削加工で、切断面をバリ等のな
い鏡面に加工することが可能となり、加工精度と切削加
工の効率とを双方とも向上させることができる。
ンジ状凸部7を、外周層9の外周面から内周部8の外周
部にかけて、径方向内側に向かうにつれて漸次軸線O方
向の幅が広げられるテーパー形状に形成した例を示した
が、これに限らず、フランジ状凸部7の形状は、各フラ
ンジ状凸部7において、内周層8が外周層9よりも前記
軸線O方向の両側に張り出している形状とされていれば
よい。例えば、フランジ状凸部7は、図4(a)に示す
ように、内周層8及び外周層9を四角形断面形状に形成
してもよく、また図4(b)に示すように、内周層8の
外周部も含めた外周層9の表面を曲面状に形成してもよ
い。
第二の実施の形態にかかる切断用ホイールについて、図
5から図7を用いて説明する。図5は本実施形態にかか
る切断用ホイールを示す断面図、図6は本実施形態にか
かる切断用ホイールの製造工程を概略的に示す図、図7
は本実施形態にかかる切断用ホイールによるワークの切
断の様子を概略的に示す図である。本実施の形態にかか
る切断用ホイール21は、第一の実施の形態に示す切断
用ホイール1と同様に、円柱形状をなす台金2の外周
に、凹部6及びフランジ状凸部7が形成される砥粒層3
が全周にわたって形成されるものであって、砥粒層3を
内周層8及び外周層9によって構成する代わりに、砥粒
層基部22及び側面砥粒層23によって構成したもので
ある。
砥粒層本体22は、前記粗加工用砥粒が分散されるもの
であって、その外周には、凹部6及びフランジ状凸部7
が形成されている。また、本実施の形態において砥粒層
3を構成する側面砥粒層23は、砥粒層本体22のフラ
ンジ状凸部7の側面に形成されるものであって、前記仕
上げ用砥粒が分散されている。ここで、砥粒層本体22
及び側面砥粒層23は、例えば超砥粒が分散されたメタ
ル焼結体によって構成される他、めっき等によって超砥
粒が分散された状態で形成されるNi(ニッケル)、C
u(銅)、Co(コバルト)、Cr(クロム)等の金属
層、またはこれらの合金からなる金属層によって構成さ
れてもよい。この切断用ホイール21において、フラン
ジ状凸部7の外周部の形状は任意である。本実施の形態
では、フランジ状凸部7の外周部は、断面視略四角形状
としている。
イール21の製造工程について説明する。
周に、砥粒層3を構成する砥粒層本体22を形成する。
本実施の形態では、砥粒層本体22は、超砥粒が分散さ
れたメタル焼結体によって構成している。
で得られた砥粒層本体22に整形を施して、図6(a)
に示すように、凹部6とフランジ状凸部7を形成する。
凹部6は、例えば型彫り放電加工機やワイヤ放電加工機
等の放電加工機によって砥粒層本体22の外周部の一部
を除去することによって形成される。このようにして砥
粒層本体22の外周部に凹部6を形成することで、砥粒
層本体22において凹部6によって台金2の軸線O方向
に隔てられる部分が、フランジ状凸部7をなす。
に示すように、砥粒層本体22においてフランジ状凸部
7の側面に、砥粒層3を構成する側面砥粒層23を形成
する。本実施の形態では、砥粒層本体22の外周にめっ
き処理によって仕上げ用砥粒が分散されたニッケルまた
はニッケル基合金層Nを形成し、このうちフランジ状凸
部7の側面に形成される部分を側面砥粒層23としてい
る。このような側面砥粒層23は、第一の実施の形態に
おいて切断用ホイール1の外周層を形成する際と同様
に、図2に示す砥粒層製造装置10を用いて、砥粒層本
体22の外周にめっき処理を施すことによって製造され
る。ここで、フランジ状凸部7の外周面にニッケルまた
はニッケル基合金層Nが形成されないよう、フランジ状
凸部7の外周面にマスクを施した状態でこのめっき処理
を行ってもよい。
本体22の外周に形成したニッケルまたはニッケル基合
金層Nのうち、フランジ状凸部7の外周面に位置する部
分を研磨等によって除去してフランジ状凸部7の外周部
で砥粒層本体22を露出させることで、本発明にかかる
切断用ホイール21を得る。ここで、めっき処理の際に
フランジ状凸部7の外周面にマスクを施していた場合に
は、フランジ状凸部7の外周面にはニッケルまたはニッ
ケル基合金層Nは形成されないので、めっき処理後にニ
ッケルまたはニッケル基合金層Nを除去する作業は不要
であり、めっき処理後に前記マスクを除去することで、
フランジ状凸部7の外周部で砥粒層本体22が露出され
た切断用ホイール21を得る。
しない駆動軸に対して同軸にして固定し、この状態で駆
動軸の軸線まわりに回転駆動させ、砥粒層3のフランジ
状凸部7の外周部でワークを切断(研削)加工する。こ
の切断用ホイール21においては、フランジ状凸部7の
うち、まず外周部によってワークWの切削が行われる。
このように重切削を強いられる外周部の中央部には、平
均粒径の大きい粗加工用砥粒が用いられる砥粒層本体2
2が露出されており、この荒切削用砥粒がワークの切削
に作用するので、切れ味が確保される。
部7の側面には、砥粒層本体22よりも平均粒径の小さ
い側面砥粒層23が形成されているので、ワークWの切
断面は、より細かい超砥粒が用いられる側面砥粒層23
によって仕上げ切削される。このとき、ワークWにおい
て砥粒層本体22によって切削される領域にチッピング
が生じていても、ワークWの切断面は側面砥粒層23に
よる仕上げ切削によって、鏡面に仕上げられる。すなわ
ち、この切断用ホイール21によれば、一度の切削加工
で粗加工と仕上げ加工の両方が行われる。
7の側面に設けられる側面砥粒層23を、超砥粒が分散
されるニッケルまたはニッケル基合金からなる金属結合
相によって形成している。この金属結合相からなる側面
砥粒層23は硬度が高く、磨耗が進行しにくいので、フ
ランジ状凸部7の形状を長期にわたって維持することが
でき、寿命を向上させることができる。また、この金属
結合相は剛性が高いので、フランジ状凸部7はこの金属
結合相からなる側面砥粒層23により補強されることと
なって、ワークWの切削の際に応力を受けてもフランジ
状凸部7にたわみや変形が生じにくくなり、ワークWの
切断精度が向上するとともに、フランジ状凸部7の折損
等が生じにくくなる。
イールにおいて、ワークの仕上げ切削に供される内周層
8または側面砥粒層23に分散される仕上げ用砥粒の平
均粒径D1が25μmよりも大きいと、ワークにチッピ
ングやクラック等が生じやすくなり、切断面の仕上がり
が悪くなってしまう。また、平均粒径D1が1.6μm
よりも小さいと、切れ味が不良であるため、ワークにダ
メージを与えたり、加工精度が低下してしまう。一方、
ワークの粗加工に供される外周層9または砥粒層本体2
1に分散される粗加工用砥粒の平均粒径D2が50μm
よりも大きいと、ワークに大きなチッピングやクラック
等が生じやすくなり、その後の内周層8または側面砥粒
層23による切断面の仕上げに大きな負担が生じること
となる。また、平均粒径D2が5μmよりも小さいと、
切れ味が不良であるため、ワークにダメージを与えた
り、加工精度が低下してしまう。このため、本発明にか
かる切断用ホイールにおいては、仕上げ用砥粒の平均粒
径D1は25μm〜1.6μmの範囲内とし、粗加工用
砥粒の平均粒径D2は、50μm〜5μmの範囲内とす
ることが好ましい。
散される超砥粒の平均粒径D2が、内周層8または側面
砥粒層23に分散される超砥粒の平均粒径D1の1.3
倍よりも小さいと、これらの粒径の差が小さくなりすぎ
て、内周層8と外周層9との間、または砥粒層本体22
と側面砥粒層23との間で分散される超砥粒の粒径を変
えたことによる効果が小さくなってしまう。一方、平均
粒径D2が平均粒径D1の3倍よりも大きいと、ワーク
にクラックやチッピングが発生し、その後の内周層8や
側面砥粒層23による切削によってもクラックやチッピ
ングが除去できなくなってしまう。このため、外周層9
または砥粒層本体22に分散される超砥粒の平均粒径D
2は、内周層8または側面砥粒層23に分散される超砥
粒の平均粒径D1の1.3倍〜3倍の範囲内とすること
が好ましい。
内周層8や砥粒層本体22を、超砥粒が分散されたメタ
ル焼結体によって構成し、外周層9や側面砥粒層23
を、超砥粒が分散された状態で形成される金属層または
合金層をめっき処理によって形成した例を示したが、こ
れに限られることなく、内周層8や砥粒層本体22をめ
っき処理によって形成してもよく、また外周層9や側面
砥粒層23をメタル焼結体やレジン焼結体によって構成
してもよい。
とする)と、性能の比較のために本発明において砥粒層
3を単層構造とした切断用ホイール(以下、比較例とす
る)とを用意し、これら切断用ホイールのそれぞれにつ
いて、ワークの切削試験を行い、ワークの切断面の状態
の比較と、その寿命とを比較した。
断用ホイールとして、第一の実施の形態で示すように、
砥粒層3を、内周層8と外周層9とによって構成したも
のを用いている(以下、この切断用ホイールを本発明1
とする)。本発明1及び比較例1、2は、いずれも台金
2として、内径40mm、外径65mm、幅12mmの
S45C材を用いている。本発明1は、この台金2の外
周に、砥粒層3を構成する内周層8を形成している。内
周層8を形成した時点での砥粒層3の外径は74.7m
mとした。ここでは、内周層8は、Cu−Sn系のメタ
ル焼結体原料中に平均粒径4.5μmのダイヤモンド粒
を25vol%の割合で分散したものを焼結してなる構
成としている。そして、この内周層8の外周面に、外径
が75mmとなるように、平均粒径8.2μmのダイヤ
モンド粒を分散した金属結合相をめっき処理によって形
成し、外周層9とした。すなわち、外周層9の厚みは
0.15mmである。ここで、外周層9を形成するめっ
き処理では、めっき液としてスルファミン酸Ni液を用
い、3Aの電流で5時間のダイヤモンド分散めっき処理
を行った。さらに、型彫り放電加工機やワイヤー放電加
工機によって砥粒層3に凹部6を形成して、台金2の軸
線O方向に離間される5つのフランジ状凸部7を形成し
た。ここで、フランジ状凸部7の幅は、0.2mmとし
た。
本発明1における内周層8の形成方法と同じ方法によっ
て、平均粒径8.2μmのダイヤモンド粒を25vol
%の割合で分散してなる砥粒層を形成した。ここで、こ
の砥粒層の外径は、本発明1の外径と同じく75mmと
した。さらに、本発明と同様に、型彫り放電加工機、ワ
イヤー放電加工機によって砥粒層に凹部を形成して、台
金2の軸線O方向に離間される5つのフランジ状凸部を
形成した。ここで、フランジ状凸部の幅は、0.2mm
とした。
本発明1における内周層8の形成方法と同じ方法によっ
て、平均粒径4.5μmのダイヤモンド粒を25vol
%の割合で分散してなる砥粒層を形成した。ここで、こ
の砥粒層の外径は、本発明1の外径と同じく75mmと
した。さらに本発明1と同様に、型彫り放電加工機、ワ
イヤー放電加工機によって砥粒層に凹部を形成して、台
金2の軸線O方向に離間される5つのフランジ状凸部を
形成した。ここで、フランジ状凸部の幅は、0.2mm
とした。
について、以下の切削試験を行った。ここでは、ワーク
として、縦50mm、横50mm、厚さ1.0mmのA
l2O3−TiC(アルミナ−チタンカーバイド)を用い
た。このワークは、図8に示すように、上面に複数本の
溝16aが切削方向に並行に形成される櫛歯状冶具16
に対してワックスを用いて固定している。以下に、この
切削試験の切削条件を示す。これら切断用ホイールが装
着される切断機として、不二越社製マイクログラインダ
ーを用い、切断用ホイールの回転数は9000回転/m
in、送り速度は100mm/min、切り込み量は
1.5mm(フルカット)とし、切削方向はダウンカッ
トとし、クーラントとして、エマルジョンタイプの水溶
性クーラントを1.5L/min供給した。この切削試
験の結果を、以下の表1に示す。
a、及びチッピングの大きさについては、本発明1と比
較例2とが同程度となっており、比較例1のみが、切断
面の表面粗さRa及びチッピング量が大きくなってい
る。これは、比較例1では、全ての切削を、平均粒径の
大きい砥粒によって行っているために、ワークにチッピ
ングやクラック等が発生しやすくなっていると思われ
る。
本発明1と比較例1とが1000ライン以上の切断が可
能であるが、比較例2は、380ラインで磨耗量が大き
くなりすぎてワークの切断が不能となってしまった。こ
れは、比較例2では、全ての切削を、平均粒径の小さい
砥粒によって行っているために、切断用ホイールの切れ
味が不良となっているためと思われる。
断用ホイールを、第二の実施の形態で示すように、砥粒
層3を、砥粒層本体22と側面砥粒層23とによって構
成したものを用いている(以下、この切断用ホイールを
本発明2とする)。本発明2及び比較例3、4は、いず
れも台金2として、内径40mm、外径80mm、幅1
5mmのS45C材を用いている。本発明2では、この
台金2の外周に、砥粒層3を構成する砥粒層本体22を
形成し、その外径を90mmとした。ここでは、砥粒層
本体22は、Cu−Sn系のメタル焼結体原料中に平均
粒径11.5μmのダイヤモンド粒を25vol%の割
合で分散したものを焼結してなる構成としている。そし
て、この砥粒層本体22の外周に、型彫り放電加工機や
ワイヤー放電加工機によって凹部6を形成して、台金2
の軸線O方向に離間される7つのフランジ状凸部7を形
成した。ここで、フランジ状凸部7の幅は0.1mm、
フランジ状凸部7間の間隔は1mmとした。さらに、こ
の砥粒層本体22の外周に、平均粒径7.2μmのダイ
ヤモンド粒を分散した金属結合相をめっき処理によって
形成し、砥粒層本体22の外周を露出させる処理を経
て、フランジ状凸部7の側面に側面砥粒層23を形成し
た。これにより、フランジ状凸部7の幅と側面砥粒層2
3の厚みとの合計(すなわち刃厚)は0.13mmとし
た。ここで、外周層9を形成するめっき処理では、めっ
き液としてスルファミン酸Ni液を用い、2Aの電流で
1時間のダイヤモンド分散めっき処理を行った。
本発明2における砥粒層本体22の形成方法と同じ方法
によって、平均粒径11.5μmのダイヤモンド粒を2
5vol%の割合で分散してなる砥粒層を形成した。こ
こで、この砥粒層の外径は、本発明2の外径と同じく9
0mmとした。さらに、本発明2と同様に、型彫り放電
加工機、ワイヤー放電加工機によって砥粒層に凹部を形
成して、台金2の軸線O方向に離間される7つのフラン
ジ状凸部を形成した。ここで、フランジ状凸部の幅は
0.1mm、フランジ状凸部間の間隔は1mmとした。
本発明2における砥粒層本体22の形成方法と同じ方法
によって、平均粒径7.2μmのダイヤモンド粒を25
vol%の割合で分散してなる砥粒層を形成した。ここ
で、この砥粒層の外径は、本発明2の外径と同じく90
mmとした。さらに本発明2と同様に、型彫り放電加工
機、ワイヤー放電加工機によって砥粒層に凹部を形成し
て、台金2の軸線O方向に離間される5つのフランジ状
凸部を形成した。ここで、フランジ状凸部の幅は0.1
mm、フランジ状凸部間の間隔は1mmとした。
について、以下の切削試験を行った。ここでは、ワーク
として、縦80mm、横80mm、厚さ5.0mmのフ
ェライトを用た。このワークは、クランプを用いて作業
台に固定している。この切削試験では、このワークに対
して溝入れ加工を行い、500ライン切断後の刃部の形
状から、これら切断用ホイールの寿命を評価した。以下
に、この切削試験の切削条件を示す。これら切断用ホイ
ールが装着される切断機として、不二越社製マイクログ
ラインダーを用い、切断用ホイールの回転数は6000
回転/min、送り速度は600mm/min、切り込
み量は3mmとし、切削方向はダウンカットとし、クー
ラントとして、エマルジョンタイプの水溶性クーラント
を1.5L/min供給した。この切削試験の結果を、
以下の表2に示す。
ングの大きさについては、本発明2と比較例4とが同程
度となっており、比較例3のみが、チッピング量が大き
くなっている。これは、比較例3では、全ての切削を、
平均粒径の大きい砥粒によって行っているために、ワー
クにチッピングやクラック等が発生しやすくなっている
と思われる。
幅)は、本発明2と比較例3とが同程度となっており、
比較例4のみが、カーフ幅が大きくなっている。これ
は、比較例4では、全ての切削を、平均粒径の小さい砥
粒によって行っているために、切れ味が不良となってい
るためと思われる。
ついて、500ライン切断後の刃部の形状を比較した。
ここでは、これら切断用ホイールの刃部において、刃部
の先端からR形状となっている範囲を比較した。表2に
示すように、比較例3では刃部の先端から0.10mm
の範囲がR形状となっているのに対して、比較例4では
刃部の先端から0.15mmの範囲がR形状となってお
り、比較例3に比べて比較例4では刃部の磨耗が進行し
ていることがわかる。一方、本発明2では、範囲は0.
05mmと、比較例3よりもさらに磨耗が抑えられてお
り、切削性能が維持されていることがわかる。
かる切断用ホイールは、切断面の状態を良好にしてワー
クの切断が可能であり、また長寿命であることがわか
る。
断用ホイールによれば、ワークの切削に作用する複数の
フランジ状凸部が、台金に設けられる砥粒層に一体的に
形成されているので、フランジ状凸部の位置精度を高精
度とすることができ、また、使用を続けることによるフ
ランジ状凸部の位置のずれが生じない。このため、本発
明にかかる切断用ホイールでは、ワークの加工精度を良
好にすることができる。
いて、砥粒層を、台金上に形成される内周層と、内周層
上に形成されてこの内周層に分散される砥粒よりも平均
粒径の大きい砥粒が分散されてなる外周層とを有し、凹
部の深さGは外周層の厚みTを超える深さとされ、各フ
ランジ状凸部において、内周層は、外周層よりも前記軸
線方向の両側に張り出している構成とすることで、ワー
クの切削に供されるフランジ状凸部のうち、重切削を強
いられる外周部(特に外周部の中央部)に、粗い砥粒が
用いられる外周層が形成されているので切れ味が確保さ
れる。そして、内周層は、外周層よりも前記軸線方向の
両側に張り出しているので、外周層による切断面は、よ
り細かい砥粒が用いられる内周層によって仕上げ切削さ
れる。すなわち、この切断用ホイールによれば、一度の
切削加工で粗加工と仕上げ加工との両方を行うことがで
き、効率的にワークの加工を行うことができる。
いて、砥粒層を、前記凹部及び前記フランジ状凸部が形
成されて粗加工用砥粒が分散される砥粒層本体と、砥粒
層本体のフランジ状凸部の側面に設けられて粗加工用砥
粒よりも平均粒径の小さい仕上げ用砥粒が分散される側
面砥粒層とを有している構成とすることで、ワークの切
削に供されるフランジ状凸部のうち、重切削を強いられ
る外周部の中央部には、平均粒径の大きい粗加工用砥粒
が分散された砥粒層本体が露出しているので、切れ味が
確保される。そして、フランジ状凸部の側面には、より
平均粒径の小さい仕上げ用砥粒が分散された側面砥粒層
が形成されているので、ワークの切断面が側面砥粒層に
よって仕上げ切削される。すなわち、この切断用ホイー
ルにおいても、一度の切削加工でワークに粗加工と仕上
げ加工との両方が施される。
イールを示す図であって、(a)は平面図、(b)は
(a)のA−A矢視断面図である。
イールを製造する工程を示す図である。
ールによるワークの切断の様子を概略的に示す図であ
る。
ルのフランジ状凸部の形状の他の例を示す断面図であ
る。
イールを示す断面図である。
イールの製造工程を概略的に示す図である。
イールによるワークの切断の様子を概略的に示す図であ
る。
断用ホイールの切削試験の様子を示す斜視図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 円柱形状をなす台金の外周に、砥粒を金
属結合相中に分散配置してなる砥粒層が全周にわたって
形成される切断用ホイールであって、 前記砥粒層には、周面全周にわたる凹部と、該凹部によ
って前記台金の軸線方向に隔てられて外周部がワークの
切削に供される複数のフランジ状凸部とが形成されてい
ることを特徴とする切断用ホイール。 - 【請求項2】 前記砥粒層は、前記台金上に形成されて
仕上げ用砥粒が分散される内周層と、該内周層上に形成
されて前記仕上げ用砥粒よりも平均粒径の大きい粗加工
用砥粒が分散される外周層とを有し、 前記凹部の深さGは前記外周層の厚みTを超える深さと
され、 前記各フランジ状凸部において、前記内周層は、前記外
周層よりも前記軸線方向の両側に張り出していることを
特徴とする請求項1記載の切断用ホイール。 - 【請求項3】 前記砥粒層は、前記凹部及びフランジ状
凸部が形成されて粗加工用砥粒が分散される砥粒層本体
と、 該砥粒層本体の前記フランジ状凸部の側面に設けられて
前記粗加工用砥粒よりも平均粒径の小さい仕上げ用砥粒
が分散される側面砥粒層とを有していることを特徴とす
る請求項1記載の切断用ホイール。 - 【請求項4】 前記仕上げ用砥粒の平均粒径D1は25
μm〜1.6μmの範囲内とされ、 前記粗加工用砥粒の平均粒径D2は、50μm〜5μm
の範囲内とされていることを特徴とする請求項2または
3に記載の切断用ホイール。 - 【請求項5】 前記粗加工用砥粒の平均粒径D2は、前
記仕上げ用砥粒の平均粒径D1の1.3倍〜3倍の範囲
内とされていることを特徴とする請求項2から4のいず
れかに記載の切断用ホイール。 - 【請求項6】 請求項2記載の切断用ホイールの製造方
法であって、 前記台金の外周に、前記内周層を形成する内周層形成工
程と、 該内周層の外周に前記外周層を形成する外周層形成工程
と、 これら内周層、外周層に整形を施して、これら内周層、
外周層の周面全周にわたる前記凹部と、該凹部によって
前記台金の軸線方向に隔てられる複数の前記フランジ状
凸部とを形成する砥粒層整形工程とを有していることを
特徴とする切断用ホイールの製造方法。 - 【請求項7】 請求項3記載の切断用ホイールの製造方
法であって、 前記台金の外周に、前記砥粒層本体を形成する砥粒層本
体形成工程と、 該砥粒層本体に整形を施して、該砥粒層本体の周面全周
にわたる凹部と、該凹部によって前記台金の軸線方向に
隔てられる複数のフランジ状凸部とを形成する砥粒層本
体整形工程と、 該砥粒層本体の前記フランジ状凸部の側面に、前記側面
砥粒層を形成する側面砥粒層形成工程とを有しているこ
とを特徴とする切断用ホイールの製造方法。
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