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JP2003343467A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

ロータリ圧縮機

Info

Publication number
JP2003343467A
JP2003343467A JP2002159406A JP2002159406A JP2003343467A JP 2003343467 A JP2003343467 A JP 2003343467A JP 2002159406 A JP2002159406 A JP 2002159406A JP 2002159406 A JP2002159406 A JP 2002159406A JP 2003343467 A JP2003343467 A JP 2003343467A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compression mechanism
rotary
rotary compression
circular piston
rotary compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002159406A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuzo Ukai
徹三 鵜飼
Katsuhiro Fujita
勝博 藤田
Hiroyuki Kobayashi
寛之 小林
Takahide Ito
隆英 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2002159406A priority Critical patent/JP2003343467A/ja
Publication of JP2003343467A publication Critical patent/JP2003343467A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮効率が高く、製作コストが安価で、構造
も単純なマルチタイプのロータリ圧縮機を提供する。 【解決手段】 一方のロータリ式圧縮機構20にて吸入
したガス冷媒を、ロータリ式圧縮機構20よりも押し退
け量の小さな他方のロータリ式圧縮機構30との協調に
よって圧縮し、さらにロータリ式圧縮機構30にて追圧
縮するロータリ圧縮機であって、ロータリ式圧縮機構2
0の容積増加行程にある圧縮室C1に連通する吸入ポー
ト24bと、ロータリ式圧縮機構20の容積減少行程に
ある圧縮室C1とロータリ式圧縮機構30の容積増加行
程にある圧縮室C2とを連通させる連通ポート39と、
ロータリ式圧縮機構30の容積減少行程にある圧縮室C
2に連通する吐出ポート36aと、吐出ポート36aか
らの吐出圧を規定する吐出弁40とを備えるロータリ圧
縮機を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空気調和装
置に具備されるロータリ圧縮機に関し、特に複数のロー
タを有し該ロータの連携により流体を圧縮する構造のロ
ータリ圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】ロータリ圧縮機は、駆動軸に偏心して設
けられた円板状のロータを、駆動軸と同心に形成された
ロータよりも大径のシリンダ内で偏心回転させ、シリン
ダの内壁面と、ロータの外周面と、シリンダ側からロー
タの外周面に出没自在に押し当てられるブレードとで仕
切られる空間(圧縮室)の容積を増減させることによ
り、シリンダ内に流体を吸入、圧縮して外部に吐出する
構造となっている。
【0003】上記のようなロータリ圧縮機のある形態と
して、ロータ、シリンダおよびブレードからなるロータ
リ式圧縮機構を複数有するものがある。例えばロータリ
式圧縮機構を2つ有するロータリ圧縮機は、それぞれの
ロータリ式圧縮機構によって独立して吸入、圧縮、吐出
を行う構造となっている(ロータの位相は異ならせ
る)。
【0004】このような、いわゆるマルチタイプのロー
タリ圧縮機においては、シングルタイプのロータリ圧縮
機に比べて主軸を駆動する際に必要なトルクが小さく変
動もが小さいので、特に低速作動時に振動が発生し難
く、静粛性の高さが評価されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような利点を有するマルチタイプのロータリ圧縮機にお
いては、次のような問題点が指摘されている。 a)シングルタイプのロータリ圧縮機にも共通するが、
上記のようなロータリ式圧縮機構では、ブレードを挟ん
でより低圧の圧縮室とより高圧の圧縮室とが隣り合うこ
とになるので、高圧側から低圧側に流体の漏れが生じて
圧縮効率を低下させてしまう。 b)それぞれのロータリ式圧縮機構に別個に流体の吸入
管が必要となるので、部品点数が増えて製作コストが嵩
む。 c)空気調和装置用に密閉型の圧縮機として構成した場
合、主軸を駆動するモータの過熱を抑える目的で蒸発器
側からロータリ式圧縮機構に冷媒を導入する手段(液イ
ンジェクションという)が採用されることがあるが、ロ
ータリ式圧縮機構のバランスを保つためにもすべてのロ
ータリ式圧縮機構に液インジェクション機能を付加しな
ければならず、構造が複雑化する。
【0006】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、圧縮効率が高く、製作コストが安価で、構造も
単純なマルチタイプのロータリ圧縮機を提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段として次のような構成のロータリ圧縮機を採用
する。すなわち請求項1記載のロータリ圧縮機は、円筒
形の空間を有するシリンダの内部で、該空間の内径より
も小径の円形ピストンを偏心回転させるかまたは自転を
阻止しつつ旋回させ、該円形ピストンの外周面と前記シ
リンダの内周面とこれら両面間に配設される仕切部材と
によって画成される圧縮室の容積を増減させることによ
って流体を吸入、圧縮するロータリ式圧縮機構をn個
(nは2以上の整数)備え、各ロータリ式圧縮機構が押
し退け量の大きい順に流体を授受しながら隣り合うもの
どうしの協調によって該流体を段階的に圧縮するロータ
リ圧縮機であって、1段目のロータリ式圧縮機構の容積
増加行程にある圧縮室に連通する吸入ポートと、k段目
(kは1からn−1までのすべての整数)のロータリ式
圧縮機構の容積減少行程にある圧縮室とk+1段目のロ
ータリ式圧縮機構の容積増加行程にある圧縮室とを隔た
りなく連通させて常時ひとつの空間とする連通ポート
と、n段目のロータリ式圧縮機構の容積減少行程にある
圧縮室に連通する吐出ポートと、該吐出ポートからの吐
出圧を規定する吐出弁とを備えることを特徴とする。
【0008】請求項2記載のロータリ圧縮機は、請求項
1記載のロータリ圧縮機において、前記k+1段目のロ
ータリ式圧縮機構のある時点での圧縮室に対する、前記
k段目のロータリ式圧縮機構の同じ時点での圧縮室の容
積比が、定格条件における流体の圧力比をφ、比熱比を
κとするとき、(φ1/κ1/nで表されることを特徴と
する。
【0009】本発明においては、複数のロータリ式圧縮
機構を押し退け量の大きい順に使用するので、隣り合う
ロータリ式圧縮機構のうち前段のロータリ式圧縮機構の
容積減少行程にある圧縮室と後段のロータリ式圧縮機構
の容積増加行程にある圧縮室とを連通ポートで繋いで形
成した空間は、常に容積減少基調となる。そのため、1
段目のロータリ式圧縮機構の容積増加行程にある圧縮室
に吸入された流体は、1段目と2段目のロータリ式圧縮
機構に跨って形成される上記空間において圧縮され、・・
・k段目とk+1段目のロータリ式圧縮機構に跨って形
成される上記空間において圧縮され、・・・n−1段目と
n段目のロータリ式圧縮機構に跨って形成される上記空
間において圧縮され、n段目のロータリ式圧縮機構の容
積減少行程にある圧縮室において圧縮され、最後に吐出
弁を押し開いて吐出される。
【0010】このように、各ロータリ式圧縮機構が押し
退け量の大きい順に流体を授受しながら隣り合うものど
うしの協調によって該流体を段階的に圧縮するので、k
段目とk+1段目のロータリ式圧縮機構に跨って形成さ
れる上記空間と、k+1段目とk+2段目のロータリ式
圧縮機構に跨って形成される上記空間との間の圧力差が
小さくなる。そのため、従来のマルチタイプのロータリ
圧縮機と比較すると、隣接する圧縮室間の流体の漏れが
少なくなって圧縮効率の低下が防止される。また、従来
のマルチタイプロータリ圧縮機と比較すると、吸入管を
1つ接続するだけで済むので製作コストが削減される。
【0011】請求項3記載のロータリ圧縮機は、円筒形
の空間を有するシリンダの内部で、該空間の内径よりも
小径の円形ピストンを偏心回転させるかまたは自転を阻
止しつつ旋回させ、該円形ピストンの外周面と前記シリ
ンダの内周面とこれら両面間に配設される仕切部材とに
よって画成される圧縮室の容積を増減させることによっ
て流体を吸入、圧縮するロータリ式圧縮機構を2つ備
え、一方のロータリ式圧縮機構にて吸入した流体を、該
一方のロータリ式圧縮機構よりも押し退け量の小さな他
方のロータリ式圧縮機構との協調によって圧縮し、さら
に該他方のロータリ式圧縮機構にて追圧縮するロータリ
圧縮機であって、前記一方のロータリ式圧縮機構の容積
増加行程にある圧縮室に連通する吸入ポートと、前記一
方のロータリ式圧縮機構の容積減少行程にある圧縮室と
前記他方のロータリ式圧縮機構の容積増加行程にある圧
縮室とを隔たりなく連通させて常時ひとつの空間とする
連通ポートと、前記他方のロータリ式圧縮機構の容積減
少行程にある圧縮室に連通する吐出ポートと、前記吐出
ポートからの吐出圧を規定する吐出弁とを備えることを
特徴とする。
【0012】請求項4記載のロータリ圧縮機は、請求項
3記載のロータリ圧縮機において、前記他方のロータリ
式圧縮機構のある時点での圧縮室に対する、前記一方の
ロータリ式圧縮機構の同じ時点での圧縮室の容積比が、
定格条件における流体の圧力比をφ、比熱比をκとする
とき、(φ1/κ1/2で表されることを特徴とする。
【0013】本発明においては、他方のロータリ式圧縮
機構の押し退け量が一方のロータリ式圧縮機構の押し退
け量よりも小さいので、一方のロータリ式圧縮機構の容
積減少行程にある圧縮室と他方のロータリ式圧縮機構の
容積増加行程にある圧縮室とを連通ポートで繋いで形成
した空間は、常に容積減少基調となる。そのため、一方
のロータリ式圧縮機構の容積増加行程にある圧縮室に吸
入された流体が、双方のロータリ式圧縮機構に跨って形
成される空間において圧縮され、次に他方のロータリ式
圧縮機構の容積減少行程にある圧縮室において圧縮さ
れ、吐出弁を押し開いて吐出される。
【0014】このように、一方のロータリ式圧縮機構に
て吸入した流体を、該一方のロータリ式圧縮機構よりも
押し退け量の小さな他方のロータリ式圧縮機構との協調
によって圧縮し、さらに他方のロータリ式圧縮機構によ
って追圧縮するので、従来のマルチタイプのロータリ圧
縮機と比較すると、隣接する圧縮室間の流体の漏れが少
なくなって圧縮効率の低下が防止される。また、従来の
マルチタイプロータリ圧縮機と比較すると、吸入管を1
つ接続するだけで済むので製作コストが削減される。
【0015】請求項5記載のロータリ圧縮機は、請求項
3記載のロータリ圧縮機において、前記一方のロータリ
式圧縮機構と前記他方のロータリ式圧縮機構とで円形ピ
ストンの偏心量および該円形ピストンを収める空間の内
径を同じとし、前記他方のロータリ式圧縮機構の円形ピ
ストンおよび該円形ピストンを収める空間の駆動軸方向
の寸法を、前記一方のロータリ式圧縮機構の円形ピスト
ンおよび該円形ピストンを収める空間の駆動軸方向の寸
法よりも短くしたことを特徴とする。
【0016】請求項6記載のロータリ圧縮機は、請求項
3記載のロータリ圧縮機において、前記一方のロータリ
式圧縮機構と前記他方のロータリ式圧縮機構とで円形ピ
ストンおよび該円形ピストンを収める空間の駆動軸方向
の寸法を同じとし、前記他方のロータリ式圧縮機構の円
形ピストンの偏心量および該円形ピストンを収める空間
の内径を、前記一方のロータリ式圧縮機構の円形ピスト
ンの偏心量および該円形ピストンを収める空間の内径よ
りも小さくしたことを特徴とする。
【0017】請求項7記載のロータリ圧縮機は、請求項
3記載のロータリ圧縮機において、前記他方のロータリ
式圧縮機構の円形ピストンの偏心量および該円形ピスト
ンを収める空間の内径を、前記一方のロータリ式圧縮機
構の円形ピストンの偏心量および該円形ピストンを収め
る空間の内径よりも小さくし、前記他方のロータリ式圧
縮機構の円形ピストンおよび該円形ピストンを収める空
間の駆動軸方向の寸法を、前記一方のロータリ式圧縮機
構の円形ピストンおよび該円形ピストンを収める空間の
駆動軸方向の寸法よりも短くしたことを特徴とする。
【0018】本発明においては、上記請求項5ないし7
の各構成を採用することにより、他方のロータリ式圧縮
機構の押し退け量が一方のロータリ式圧縮機構の押し退
け量よりも小さくなる。
【0019】請求項8記載のロータリ圧縮機は、請求項
3記載のロータリ圧縮機において、前記他方のロータリ
式圧縮機構の圧縮室における容積増減の周期を、前記一
方のロータリ式圧縮機構の圧縮室における容積増減の周
期に対して位相差を設けて先行させることを特徴とす
る。
【0020】請求項9記載のロータリ圧縮機は、請求項
8記載のロータリ圧縮機において、前記位相差が40°
以上160°以下であることを特徴とする。
【0021】本発明においては、一方のロータリ式圧縮
機構の容積減少行程にある圧縮室と他方のロータリ式圧
縮機構の容積増加行程にある圧縮室との連係が非常に重
要となる。そこで、双方のロータリ式圧縮機構の圧縮室
における容積増減の周期に上記のごとく位相差を設ける
ことにより、一方のロータリ式圧縮機構の容積減少行程
にある圧縮室と他方のロータリ式圧縮機構の容積増加行
程にある圧縮室とを連通ポートで繋いで形成した空間に
よる圧縮を、より小さな動力で効率良く行わせることが
可能となる。
【0022】請求項10記載のロータリ圧縮機は、請求
項8または9記載のロータリ圧縮機において、前記一方
のロータリ式圧縮機構の円形ピストンと前記他方のロー
タリ式圧縮機構の円形ピストンとが該円形ピストンの偏
心回転または旋回する方向に位相差なく設けられ、前記
一方のロータリ式圧縮機構の仕切部材が、前記他方のロ
ータリ式圧縮機構の仕切部材よりも前記円形ピストンの
偏心回転または旋回する方向にずらして配置されている
ことを特徴とする。
【0023】請求項11記載のロータリ圧縮機は、請求
項8または9記載のロータリ圧縮機において、前記一方
のロータリ式圧縮機構の仕切部材と前記他方のロータリ
式圧縮機構の仕切部材とが前記円形ピストンの偏心回転
または旋回する方向に位相差なく設けられ、前記他方の
ロータリ式圧縮機構の円形ピストンが、前記一方のロー
タリ式圧縮機構の円形ピストンよりも前記円形ピストン
の偏心回転または旋回する方向にずらして配置されてい
ることを特徴とする。
【0024】請求項12記載のロータリ圧縮機は、請求
項8または9記載のロータリ圧縮機において、前記一方
のロータリ式圧縮機構の仕切部材が、前記他方のロータ
リ式圧縮機構の仕切部材よりも前記円形ピストンの偏心
回転または旋回する方向にずらして配置され、前記他方
のロータリ式圧縮機構の円形ピストンが、前記一方のロ
ータリ式圧縮機構の円形ピストンよりも前記円形ピスト
ンの偏心回転または旋回する方向にずらして配置されて
いることを特徴とする。
【0025】本発明においては、上記請求項10ないし
12の各構成を採用することにより、他方のロータリ式
圧縮機構の圧縮室における容積増減の周期を、一方のロ
ータリ式圧縮機構の圧縮室における容積増減の周期に対
して位相差を設けて先行させることが可能である。
【0026】請求項13記載のロータリ圧縮機は、請求
項3記載のロータリ圧縮機において、前記他方のロータ
リ式圧縮機構における前記連通ポートと前記仕切部材と
の間に、前記シリンダの内周面に沿って凹部が形成され
ていることを特徴とする。
【0027】他方のロータリ式圧縮機構の円形ピストン
の外周面とシリンダの内周面との当接点が円形ピストン
の偏心回転または旋回によって移動し、仕切部材を通過
して連通ポートに至る間では、圧縮室が容積;0の状態
から外部との連通を断たれた状態で容積を拡大させるこ
とになり、真空状態に陥って円形ピストンやシリンダ、
仕切部材に無理な負担をかけることになりかねない。そ
こで本発明においては、連通ポートと仕切部材との間
に、シリンダの内周面に沿って凹部を形成することによ
り、該凹部を通じて、容積;0の状態から容積を拡大さ
せる圧縮室に連通ポートから流体が流れ込み、圧縮室が
真空状態に陥ることなく円滑に次の吸入動作に入る。
【0028】請求項14記載のロータリ圧縮機は、請求
項3記載のロータリ圧縮機において、前記一方のロータ
リ式圧縮機構の仕切部材、および前記他方のロータリ式
圧縮機構の仕切部材が、いずれも前記吐出弁を経て吐出
された流体の圧力によって前記円形ピストンに向けて付
勢されるものとし、前記他方のロータリ式圧縮機構の仕
切部材が、前記一方のロータリ式圧縮機構の仕切部材よ
りも密度の低い材料からなることを特徴とする。
【0029】請求項15記載のロータリ圧縮機は、請求
項14記載のロータリ圧縮機において、前記他方のロー
タリ式圧縮機構の仕切部材にカーボン系材料を使用する
ことを特徴とする。
【0030】本発明においては、低圧の流体を一方のロ
ータリ式圧縮機構に吸入し、吸入された低圧の流体を一
方のロータリ式圧縮機構と他方のロータリ式圧縮機構と
の協調によって中間圧まで圧縮し、さらにこの中間圧の
流体を他方のロータリ式圧縮機構によって高圧まで追圧
縮することになる。一方のロータリ式圧縮機構の仕切部
材は、高圧の流体と低圧の流体との圧力差に比例する比
較的強い力で付勢されるので、円形ピストンに押される
ことで作用する慣性力に打ち勝って円形ピストンの外周
面に押し付けられるが、他方のロータリ式圧縮機構の仕
切部材は、高圧の流体と中間圧の流体との圧力差に比例
する比較的弱い力で付勢されるので、円形ピストンに押
されることで発生する慣性力に影響されて円形ピストン
の外周面から離間する可能性がある。そこで、他方のロ
ータリ式圧縮機構の仕切部材を一方のロータリ式圧縮機
構の仕切部材よりも密度の低い材料、例えばカーボン系
材料で軽く製作することにより、円形ピストンに押され
ることで発生する慣性力が小さく抑えられ、仕切部材が
比較的弱い力で付勢されていても円形ピストンの外周面
から離間することはない。
【0031】請求項16記載のロータリ圧縮機は、請求
項3記載のロータリ圧縮機において、前記他方のロータ
リ式圧縮機構の圧縮室に連通するインジェクションポー
トを設け、該インジェクションポートを通じて液インジ
ェクションを行うことを特徴とする。
【0032】液インジェクションとは前述の通りである
が、本発明のロータリ圧縮機を空気調和装置の冷媒圧縮
用とする場合、他方のロータリ式圧縮機構の圧縮室は容
積が増加/減少のいずれの行程にあっても吸入ポートに
連通することなく下流側に閉じた状態にあるので、他方
のロータリ式圧縮機構だけに液インジェクション機能を
付加するだけでよい。そして、他方のロータリ式圧縮機
構の圧縮室に連通するインジェクションポートを通じて
液インジェクションを行うようにすれば、冷媒の吸入量
を液インジェクションした分の冷媒でロスすることがな
く、圧縮効率が低下することはない。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明に係るロータリ圧縮機を空
気調和装置の冷媒圧縮に構成した場合の実施形態を図1
ないし図11に示して説明する。ロータリ圧縮機は、図
1に示すように、円筒形のハウジング11と、ハウジン
グ11内に配設されたモータ12と、モータ12によっ
て駆動されてガス冷媒(流体)を圧縮する2つのロータ
リ式圧縮機構20,30とを備えて構成されている。
【0034】ハウジング11は、筒状の本体11aの上
下にそれぞれ蓋部11bと底部11cとが溶接された密
閉型の中空円筒形状をなしている。本体11aには、前
段のロータリ式圧縮機構20に低圧のガス冷媒を供給す
る吸入管14が、貫通状態に配設され、蓋部11bに
は、高圧のガス冷媒を冷媒配管で繋がれた熱交換器等の
機器に供給する吐出管15が貫通状態に配設されてい
る。
【0035】モータ12は、固定子16がハウジング1
1の内側に固定され、回転子17を固定された駆動シャ
フト18の下端を下方に位置する2つのロータリ式圧縮
機構20,30に向けて延出させている。
【0036】2つのロータリ式圧縮機構20,30は、
ロータリ式圧縮機構20に画成される圧縮室C1に低圧
のガス冷媒を吸入し、圧縮室C1とロータリ式圧縮機構
30に画成される圧縮室C2との協調によって圧縮し、
さらに圧縮室C2単独で追圧縮するしくみとなってい
る。
【0037】まず、前段のロータリ式圧縮機構20は、
駆動シャフト18の下部に偏心して取り付けられた断面
円形の偏心シャフト21と、偏心シャフト21の外周に
嵌め合わされた環状のロータ22と、円筒形のシリンダ
ホール(空間)24aを有しこのシリンダホール24a
に偏心シャフト21およびロータ22によって構成され
る円形ピストン23を配置した状態でハウジング11の
本体11aに固定されたシリンダ24と、シリンダ24
の下面に固定されて円形ピストン23の下方で駆動シャ
フト18を回転自在に支持するとともにシリンダホール
24aを下側から区画する下部軸受25と、シリンダ2
4の上面およびハウジング11の本体11aに固定され
てシリンダホール24aを上側から区画する中間壁部2
6と、シリンダ24からシリンダホール24aに出没可
能に支持されたブレード27(仕切部材;図1には不図
示、図2参照)とを備えている。
【0038】シリンダ24には、一部を穿って貫通しシ
リンダホール24aに連通する吸入ポート24bが設け
られており、この吸入ポート24bに吸入管14が接続
されている。
【0039】円形ピストン23は、ロータ22の外周面
をシリンダホール24aの内周面に1点(実際にはシリ
ンダ24の厚みにほぼ等しい長さの線分)で当接させて
おり、その当接点は駆動シャフト18の回転に伴って円
形ピストン23が偏心回転することにより周方向に移動
する。円形ピストン23の外周面、シリンダ24の内周
面、下部軸受25、中間壁部26およびブレード27に
よって画成される空間は、円形ピストン23の偏心回転
に伴って容積を増減させ、吸入ポート24bを通じてガ
ス冷媒を吸入、圧縮する圧縮室C1として機能する。
【0040】シリンダ24には、図2に示すように、ブ
レード27を収めるスロット孔24cが設けられてい
る。スロット孔24cはシリンダホール24aの半径方
向に向けて開設されている。スロット孔24cに嵌挿さ
れたブレード27の後方にはバネ体28が介装されると
ともにロータリ式圧縮機構20,30によって昇圧され
た高圧のガス冷媒を導入する経路(図示略)が設けられ
ており、ブレード27はガス圧を主力、バネ体28を補
助力としてその先端を円形ピストン23の外周面に当接
させるべく内向きに付勢されている。
【0041】後段のロータリ式圧縮機構30は、ロータ
リ式圧縮機構20の偏心シャフト21よりも高い位置で
駆動シャフト18に偏心して取り付けられた断面円形の
偏心シャフト31と、偏心シャフト31の外周に嵌め合
わされた環状のロータ32と、円筒形のシリンダホール
(空間)34aを有しこのシリンダホール34aに偏心
シャフト31およびロータ32によって構成される円形
ピストン33を配置した状態でハウジング11の本体1
1aに固定されたシリンダ34と、シリンダホール34
aを下側から区画する前述の中間壁部25と、シリンダ
34の上面に固定されてシリンダホール34aを上側か
ら区画する上部軸受36と、シリンダ34からシリンダ
ホール34aに出没可能に支持されたブレード37(仕
切部材;図1には不図示、図3参照)とを備えている。
【0042】上部軸受36には、その一部を穿って貫通
し、シリンダホール34aに連通する吐出ポート36a
が設けられている。吐出ポート36aの出口側には、後
段のロータリ式圧縮機構30からのガス冷媒の吐出圧を
規定する吐出弁40が設置されている。また、上部軸受
36の上部には吐出弁40を覆うようにしてカバー41
が被着されており、カバー41の内側は吐出弁40から
吐き出されるガス冷媒の脈動を緩和させるマフラ室とな
る。
【0043】円形ピストン33は、円形ピストン23と
同様に、ロータ32の外周面をシリンダ34の内周面に
1点(実際にはシリンダ34の厚みにほぼ等しい長さの
線分)で当接させており、その当接点は駆動シャフト1
8の回転に伴って円形ピストン33が偏心回転すること
により周方向に移動する。円形ピストン33の偏心量は
円形ピストン23の偏心量と同じであり、駆動シャフト
18に対する偏心の位置も位相差なく一致して設けられ
ている。円形ピストン33の外周面、シリンダ34の内
周面、中間壁部26、上部軸受36およびブレード37
によって画成される空間は、円形ピストン33の偏心回
転に伴って容積を増減させ、ガス冷媒を圧縮し、吐出ポ
ート36aを通じて吐出する圧縮室C2として機能す
る。
【0044】シリンダ34にも、シリンダ24と同様に
ブレード37を出没させる機構が設けられている。図3
に示すように、シリンダ34にもスロット孔34bが設
けられており、このスロット孔34bにブレード37が
嵌挿されている。スロット孔34bに嵌挿されたブレー
ド27の後方にはバネ体38が介装されるとともにロー
タリ式圧縮機構20,30によって昇圧された高圧のガ
ス冷媒を導入する経路(図示略)が設けられており、ブ
レード37はガス圧を主力、バネ体38を補助力として
その先端を円形ピストン33の外周面に当接させるべく
内向きに付勢されている。なお、ブレード37は、ブレ
ード27に対して駆動シャフト18の回転方向逆方向に
60°の位相差を設けた位置に設置されている。
【0045】ロータリ式圧縮機構20のシリンダホール
24aと、ロータリ圧縮機構30のシリンダホール34
aとは、シリンダ24の上面の一部に形成された切欠部
24d(図2参照)と、該切欠部24dに連通するよう
に中間壁部26に形成された貫通孔39a(図1参照)
と、該貫通孔39aに連通するようにシリンダ34の下
面の一部に形成された切欠部34c(図3参照)とを組
み合わせて形成された連通ポート39によって隔たりな
く常時連通した状態に置かれている。貫通孔39aは、
中間壁部26を駆動シャフト18が挿通される穴等と同
様に軸方向に形成されている。
【0046】これらロータリ圧縮機構20,30につい
ては、ロータリ式圧縮機構30の押し退け量が、ロータ
リ式圧縮機構20の押し退け量よりも小さくなるように
設定されている。この設定は、円形ピストン33および
シリンダホール34aの駆動シャフト18方向の寸法
を、円形ピストン23およびシリンダホール24aの駆
動シャフト18方向の寸法よりも短くすることによって
実現されている。また、ロータリ式圧縮機構30のある
時点での圧縮室C2に対する、ロータリ式圧縮機構20
の同じ時点での圧縮室C1の容積比(圧縮室C1/圧縮
室C2)は、このロータリ圧縮機の定格条件におけるガ
ス冷媒の圧力比をφ、比熱比をκとすると、 (φ1/κ1/シリンダ数 で表される(この場合のシリンダ数は2)。
【0047】ロータリ圧縮機構20,30については、
ロータリ式圧縮機構20の圧縮室C1における容積増減
の周期が、ロータリ式圧縮機構30の圧縮室C2におけ
る容積増減の周期に対して60°の位相差を設けて先行
するように設定されている。この設定は、ロータリ式圧
縮機構20の円形ピストン23とロータリ式圧縮機構3
0の円形ピストン33とを、両者が偏心回転する方向に
位相差なく設けるとともに、ロータリ式圧縮機構20の
ブレード27を、ロータリ式圧縮機構30のブレード3
7よりも円形ピストン23,33の偏心回転する方向に
ずらして配置することによって実現されている。
【0048】さらに、ロータリ圧縮機構20,30につ
いては、ロータリ式圧縮機構30のブレード37が、ロ
ータリ式圧縮機構20のブレード27よりも密度の低い
材料によって形成されている。具体的には、ブレード2
7にはアルミニウムやステンレス等の金属材料が使用さ
れ、ブレード37にはカーボン系の材料が使用されてい
る。
【0049】また、連通ポート39を構成するロータリ
式圧縮機構30側の切欠部34cとブレード37との間
に、シリンダ34の内周面に沿って溝(凹部)34dが
形成されている。溝34dは、切欠部34cとブレード
37のスロット孔34bとに連通し、周方向に延在して
形成されている。
【0050】駆動シャフト18は、下部軸受25から下
端を突出させて支持されており、中空の内部には油ポン
プとして機能する螺旋状の羽根部50が設けられてい
る。ハウジング11の底部には潤滑油の油溜まり11d
が形成されており、羽根部50はこの油溜まり11dか
ら潤滑油を吸い上げるようになっている。
【0051】吸入管14の上流側には、熱交換器等の機
器を流通する過程で外部に対して仕事をしてきたガス冷
媒から、その中に微量に含まれる潤滑油のミスト成分を
分離するアキュムレータ51が設置されている。
【0052】ロータリ式圧縮機構30には、圧縮室C2
に連通するインジェクションポート52が設けられてお
り、このインジェクションポート52を通じて液インジ
ェクションを行うようになっている。インジェクション
ポート52は、圧縮機本体を挟んでアキュムレータ51
の反対側に、シリンダ34を穿って形成されている。
【0053】上記のように構成されたロータリ圧縮機を
作動させ、流体としてガス冷媒を圧縮する行程を図4な
いし図9を参照して説明する。まず、モータ12を作動
させると駆動シャフト18に偏心して取り付けられた円
形ピストン23,33が同時に偏心回転運動を開始す
る。前段のロータリ式圧縮機構20では、円形ピストン
23とシリンダ24の内周面との当接点がブレード27
を過ぎると、円形ピストン23の外周面、シリンダ24
の内周面およびブレード27の一側面によって画成され
た圧縮室C1が容積を拡大させ、吸入ポート24bを通
じて低圧のガス冷媒を吸入する(図4参照)。
【0054】円形ピストン23とシリンダ24の内周面
との当接点がほぼ1周し、ブレード27をシリンダ24
に没入させた時点で圧縮室C1は容積最大となる(図5
参照)。円形ピストン23とシリンダ24の内周面との
当接点がブレード27を過ぎると、圧縮室C1は容積を
縮小させ始め、内部に閉じ込めたガス冷媒を連通ポート
39を通じて後段のロータリ式圧縮機構30に押し出す
(図6参照)。これと同時進行的に、圧縮室C1の後方
には円形ピストン23とシリンダ24の内周面との当接
点を隔てて次の圧縮室が画成されてガス冷媒の吸入を開
始する。
【0055】後段のロータリ式圧縮機構30では、円形
ピストン33の外周面、シリンダ34の内周面およびブ
レード37の一側面によって画成された圧縮室C2が、
ロータリ式圧縮機構20の圧縮室C1の縮小にわずかに
先行して(位相差60°)容積を拡大させ始め、連通ポ
ート39を通じて圧縮室C1から押し込まれてくるガス
冷媒を吸入する(同じく図6参照)。円形ピストン33
とシリンダ34との当接点がほぼ1周し、ブレード37
をシリンダ34に没入させた時点で圧縮室C2は容積最
大となる。一方、圧縮室C1は容積を減少させて消失目
前となる(図7参照)。
【0056】ここで、圧縮室C2が画成されてから容積
最大となる期間において圧縮室C2が単位時間当たりに
増加させる容積は、同じ時間軸上で圧縮室C1が単位時
間当たりに減少させる容積よりも小さい。そのためこの
期間では、連通状態にある圧縮室C1、連通ポート39
および圧縮室C2の3つの空間の容積の和は漸次減少し
続けるので、この3つの空間に閉じ込められたガス冷媒
は低圧からある圧力(吐出弁40によって規定される圧
力よりも低い圧力。ここでは"中間圧"とする)にまで昇
圧されることになる。
【0057】円形ピストン33の外周面とシリンダ34
の内周面との当接点がブレード37を過ぎると、圧縮室
C1が消失するとともに圧縮室C2が容積を縮小させ始
め、内部に閉じ込めた中間圧のガス冷媒の追圧縮を開始
する(図8参照)。圧縮室C2があるところまで縮小
し、内部に閉じ込めたガス冷媒が、吐出弁40が規定す
る圧力(ここでは"高圧"とする)にまで昇圧されると、
高圧のガス冷媒が吐出弁40を押し開き、吐出ポート3
6aを通じてハウジング11の内部に吐出され(図9参
照)、吐出管15を通じて熱交換器等の機器に供給され
る。
【0058】上記のように構成されたロータリ圧縮機に
おいては、低圧のガス冷媒を蓄える圧縮室C1と、これ
に先行して低圧から中間圧に昇圧されるガス冷媒を蓄え
る連結圧縮室(圧縮室C1、連通ポート39および圧縮
室C2を隔たりなく繋いだ空間)との間、さらにこの連
結圧縮室と、これに先行して中間圧から高圧に昇圧され
るガス冷媒を蓄える圧縮室C2との間では、低圧から高
圧に一気に昇圧する従来のマルチタイプロータリ圧縮機
の場合と比較して圧力差が小さいので、隣接する圧縮室
間のガス冷媒の漏れが少なくなる。これにより、ガス冷
媒の圧縮効率を高めることができる。
【0059】なお、上記のロータリ圧縮機においては、
ロータリ式圧縮機構30の押し退け量をロータリ式圧縮
機構20の押し退け量よりも小さく設定するために、円
形ピストン33およびシリンダホール34aの駆動シャ
フト18方向の寸法を、円形ピストン23およびシリン
ダホール24aの駆動シャフト18方向の寸法よりも短
く設定しているが、以下のようにしても同様の設定が可
能である。
【0060】すなわち、円形ピストン33およびシリン
ダホール34aの駆動シャフト18方向の寸法は、円形
ピストン23およびシリンダホール24aの駆動シャフ
ト18方向の寸法と同じとし、円形ピストン33の偏心
量およびシリンダホール34aの内径を、円形ピストン
23の偏心量およびシリンダホール24aの内径よりも
小さくする。
【0061】これ以外にも、円形ピストン33およびシ
リンダホール34aの駆動シャフト18方向の寸法を、
円形ピストン23およびシリンダホール24aの駆動シ
ャフト18方向の寸法よりも短く設定するとともに、円
形ピストン33の偏心量およびシリンダホール34aの
内径を、円形ピストン23の偏心量およびシリンダホー
ル24aの内径よりも小さくすることで上記と同様の設
定が可能である。
【0062】上記のロータリ圧縮機においては、ロータ
リ式圧縮機構20の圧縮室C1における容積増減の周期
を、ロータリ式圧縮機構30の圧縮室C2における容積
増減の周期に対して60°の位相差を設けて先行させる
ことにより、両圧縮機構を駆動する駆動シャフト18の
駆動トルクのピークを小さく抑えて少ない消費電力で駆
動することが可能である。図10には、上記のロータリ
圧縮機を駆動するために必要な駆動トルクと、これと同
じ仕事をする従来型のロータリ圧縮機(シングルタイ
プ)を駆動するために必要な駆動トルクとを比較してい
る。
【0063】図10において、上記のロータリ圧縮機を
駆動するために必要な駆動トルクは、ロータリ圧縮機構
20,30をそれぞれ駆動するために必要な駆動トルク
の和で表されるが、ロータリ式圧縮機構20,30それ
ぞれの容積増減の周期に上記のごとく位相差を設けてい
るため、それぞれの駆動トルクのピークが重ならずに分
かれて存在することになり、駆動トルクの和のピークが
抑えられる。これに対し従来型のロータリ圧縮機を駆動
するために必要な駆動トルクは、ひとつのロータリ式圧
縮機構で低圧から高圧まで一気に圧縮するために駆動ト
ルクのピークが非常に大きくなる。
【0064】このように、上記のロータリ圧縮機におい
ては、駆動トルクのピークが抑えられることから、モー
タ12に従来型のロータリ圧縮機の電動機よりも出力の
小さなものを使用することが可能であり、消費電力を抑
えて少ないエネルギーで効率よくガス冷媒の圧縮を行う
ことができる。
【0065】ところで、上記のロータリ圧縮機において
は、ロータリ式圧縮機構20,30それぞれの容積増減
の周期の位相差を60°としたが、この位相差は40°
以上160°以下であれば、駆動トルクのピークを抑え
て効率よくガス冷媒の圧縮を行うことができる。図11
には、ロータリ式圧縮機構20,30それぞれの容積増
減の周期の位相差を0°から変化させたときの駆動トル
クの変化率(位相差;0°を基準とする駆動トルクの比
率)を示している。
【0066】図11に示すように、駆動トルクの変化率
は40°以上160°以下の範囲で大きく変化し、その
前後と比較すると非常に低い値を示しており、特に60
°以上130°以下の範囲で際だって低い値を示してい
る。上記のロータリ圧縮機においては、ロータリ式圧縮
機構20,30それぞれの容積増減の周期の位相差を4
0°以上160°以下、さらに望ましくは60°以上1
30°以下の範囲に設定することが特に効果的である。
【0067】なお、上記のロータリ圧縮機においては、
ロータリ式圧縮機構20の圧縮室C1における容積増減
の周期を、ロータリ式圧縮機構30の圧縮室C2におけ
る容積増減の周期に対して60°の位相差を設けて先行
させるために、ロータリ式圧縮機構20の円形ピストン
23とロータリ式圧縮機構30の円形ピストン33と
を、両者が偏心回転する方向に位相差なく設けるととも
に、ロータリ式圧縮機構20のブレード27を、ロータ
リ式圧縮機構30のブレード37よりも円形ピストン2
3,33の偏心回転する方向にずらして配置している
が、以下のようにしても同様の配置が可能である。
【0068】すなわち、ブレード27,37を円形ピス
トン23,33の偏心回転する方向に位相差なく設ける
とともに、円形ピストン33を、円形ピストン23より
も両者の偏心回転する方向にずらして配置する。
【0069】これ以外にも、ブレード27を、ブレード
37よりも円形ピストン23,33の偏心回転する方向
にずらして配置するとともに、円形ピストン33を、円
形ピストン23よりも両者の偏心回転する方向にずらし
て配置することで上記と同様の配置が可能である。
【0070】上記のロータリ圧縮機においては、低圧の
ガス冷媒をロータリ式圧縮機構20に吸入し、吸入され
た低圧のガス冷媒を2つのロータリ式圧縮機構20,3
0の協調によって中間圧まで圧縮し、さらにこの中間圧
のガス冷媒をロータリ式圧縮機構30によって高圧まで
追圧縮している。ここで、ロータリ式圧縮機構20のブ
レード27は、ブレード27の後方に導入される高圧の
ガス冷媒と圧縮室C1内部の低圧のガス冷媒との圧力差
に比例する比較的強い力で付勢されるので、円形ピスト
ン23に押されることで発生する慣性力に打ち勝って円
形ピストン23の外周面に押し付けられる。ところが、
ロータリ式圧縮機構30のブレード37は、ブレード3
7の後方に導入される高圧のガス冷媒と圧縮室C2内部
の中間圧のガス冷媒との圧力差に比例する比較的弱い力
で付勢されるので、円形ピストン33に押されることで
発生する慣性力に影響されて円形ピストン33の外周面
から離間する可能性がある。
【0071】そこで上記のロータリ圧縮機においては、
ロータリ式圧縮機構30のブレード37に、ロータリ式
圧縮機構20のブレード27よりも密度の低い材料を使
用してブレード37を軽量に仕上げることにより、円形
ピストン33に押されることでブレード37に発生する
慣性力が小さく抑えられ、ブレード37が比較的弱い力
で付勢されていても円形ピストン33の外周面から離間
することがないので、ロータリ式圧縮機構30において
隣接する圧縮室間のガス冷媒の漏れが少なくなる。これ
により、ガス冷媒の圧縮効率を高めることができる。
【0072】上記のロータリ圧縮機においては、ロータ
リ式圧縮機構30の円形ピストン33の外周面とシリン
ダ34の内周面との当接点が円形ピストン33の偏心回
転によって移動し、ブレード37を通過して連通ポート
39に至る間では、圧縮室C2が容積;0の状態から外
部との連通を断たれた状態で容積を拡大させることにな
り、真空状態に陥って円形ピストン33やシリンダ3
4、ブレード37に無理な負担をかけることになりかね
ない。
【0073】そこで上記のロータリ圧縮機においては、
ブレード37と連通ポート39との間に、シリンダ34
の内周面に沿って溝34dを形成することにより、この
溝34dを通じて、容積;0の状態から容積を拡大させ
る圧縮室C2に連通ポート39からガス冷媒が流れ込
み、圧縮室C2が真空状態に陥ることなく円滑に次の吸
入動作に入る。これにより、円形ピストン33やシリン
ダ34、ブレード37に無理な負担がかからず、圧縮動
作が安定する。なお、溝34dにかえて、切欠部34c
とブレード37のスロット孔34bとに連通しない単な
る凹部を設けても同様の効果が得られる。
【0074】上記のロータリ圧縮機においては、ロータ
リ式圧縮機構30の圧縮室C2は容積が増加/減少のい
ずれの行程にあっても吸入ポート24bに連通すること
なく下流側に閉じた状態にあるので、ロータリ式圧縮機
構30の圧縮室C2に連通するインジェクションポート
を通じて液インジェクションを行うようにしたことによ
り、ガス冷媒の吸入量を液インジェクションした分の冷
媒でロスすることがなく、圧縮効率が高く保たれる。
【0075】上記のロータリ圧縮機は、ロータリ式圧縮
機構20において、ブレード27をシリンダ24に出没
可能に支持して円形ピストン23とは別個に設けている
が、図12に示すようにブレード27をロータ22と一
体に形成し、シリンダ24側には円形ピストン23の偏
心回転によって変化するブレード27の角度を許容する
べくブレード27とともに角度を変化させるブレード支
持部53を設けても構わない。同様の構造はロータリ式
圧縮機構30にも適用できる。
【0076】また、上記のロータリ圧縮機は、2つのロ
ータリ式圧縮機構20,30によって構成されている
が、本発明のロータリ圧縮機は、ロータリ式圧縮機構を
2個以上の複数個備え、各ロータリ式圧縮機構が押し退
け量の大きい順に流体を授受しながら隣り合うものどう
しの協調によって該流体を段階的に圧縮するものとして
構成することが可能である。この場合は、すべてのロー
タリ式圧縮機構について、下流側のロータリ式圧縮機構
の容積減少行程にある圧縮室と上流側のロータリ式圧縮
機構の容積増加行程にある圧縮室とを連通ポートで連通
させる必要がある。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るロー
タリ圧縮機によれば、各ロータリ式圧縮機構が押し退け
量の大きい順に流体を授受しながら隣り合うものどうし
の協調によって該流体を段階的に圧縮するので、隣接す
る圧縮室間のガス冷媒の漏れが少なくなる。これによ
り、ガス冷媒の圧縮効率を高めることができる。また、
従来のマルチタイプロータリ圧縮機と比較すると、吸入
管を1つ接続するだけで済むので製作コストを削減する
ことが可能である。
【0078】本発明に係るロータリ圧縮機によれば、他
方のロータリ式圧縮機構だけに液インジェクション機能
を付加するだけでよく、非常に単純な構成ながら、冷媒
の吸入量を液インジェクションした分の冷媒でロスする
ことがなく、圧縮効率が低下することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るロータリ圧縮機の実施形態を示
す側断面図である。
【図2】 図1におけるII−II線矢視断面図である。
【図3】 図1におけるIII−III線矢視断面図である。
【図4】 図1のロータリ圧縮機を作動させてガス冷媒
を圧縮する行程を説明するための図であって、各ロータ
リ式圧縮機構における各部の配置を示す状態説明図であ
る。
【図5】 同じく、図1のロータリ圧縮機を作動させて
ガス冷媒を圧縮する行程を説明するための状態説明図で
ある。
【図6】 同じく、図1のロータリ圧縮機を作動させて
ガス冷媒を圧縮する行程を説明するための状態説明図で
ある。
【図7】 同じく、図1のロータリ圧縮機を作動させて
ガス冷媒を圧縮する行程を説明するための状態説明図で
ある。
【図8】 同じく、図1のロータリ圧縮機を作動させて
ガス冷媒を圧縮する行程を説明するための状態説明図で
ある。
【図9】 同じく、図1のロータリ圧縮機を作動させて
ガス冷媒を圧縮する行程を説明するための状態説明図で
ある。
【図10】 (a)は図1のロータリ圧縮機を駆動する
ために必要な駆動トルクを示すグラフ、(b)は同じ仕
事をする従来型のロータリ圧縮機を駆動するために必要
な駆動トルクを示すグラフである。
【図11】 図1のロータリ圧縮機の2つのロータリ式
圧縮機構それぞれの容積増減の周期の位相差を0°から
変化させたときの駆動トルクの変化率を示すグラフであ
る。
【図12】 本発明に係るロータリ圧縮機の他の実施形
態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
20,30 ロータリ式圧縮機構 C1,C2 圧縮室 24a,34a シリンダホール(空間) 23,33 円形ピストン 24,34 シリンダ 26 中間壁部 27,37 ブレード(仕切部材) 24b 吸入ポート 36a 吐出ポート 39 連通ポート 34d 溝(凹部) 40 吐出弁 51 アキュムレータ 52 インジェクションポート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 寛之 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 (72)発明者 伊藤 隆英 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 Fターム(参考) 3H029 AA05 AA09 AA13 AB03 AB08 BB43 BB52 CC23 CC25 CC54 CC82 CC87

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形の空間を有するシリンダの内部
    で、該空間の内径よりも小径の円形ピストンを偏心回転
    させるかまたは自転を阻止しつつ旋回させ、該円形ピス
    トンの外周面と前記シリンダの内周面とこれら両面間に
    配設される仕切部材とによって画成される圧縮室の容積
    を増減させることによって流体を吸入、圧縮するロータ
    リ式圧縮機構をn個(nは2以上の整数)備え、各ロー
    タリ式圧縮機構が押し退け量の大きい順に流体を授受し
    ながら隣り合うものどうしの協調によって該流体を段階
    的に圧縮するロータリ圧縮機であって、 1段目のロータリ式圧縮機構の容積増加行程にある圧縮
    室に連通する吸入ポートと、 k段目(kは1からn−1までのすべての整数)のロー
    タリ式圧縮機構の容積減少行程にある圧縮室とk+1段
    目のロータリ式圧縮機構の容積増加行程にある圧縮室と
    を隔たりなく連通させて常時ひとつの空間とする連通ポ
    ートと、 n段目のロータリ式圧縮機構の容積減少行程にある圧縮
    室に連通する吐出ポートと、 該吐出ポートからの吐出圧を規定する吐出弁とを備える
    ことを特徴とするロータリ圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記k+1段目のロータリ式圧縮機構の
    ある時点での圧縮室に対する、前記k段目のロータリ式
    圧縮機構の同じ時点での圧縮室の容積比が、定格条件に
    おける流体の圧力比をφ、比熱比をκとするとき、(φ
    1/κ1/nで表されることを特徴とする請求項1記載の
    ロータリ圧縮機。
  3. 【請求項3】 円筒形の空間を有するシリンダの内部
    で、該空間の内径よりも小径の円形ピストンを偏心回転
    させるかまたは自転を阻止しつつ旋回させ、該円形ピス
    トンの外周面と前記シリンダの内周面とこれら両面間に
    配設される仕切部材とによって画成される圧縮室の容積
    を増減させることによって流体を吸入、圧縮するロータ
    リ式圧縮機構を2つ備え、一方のロータリ式圧縮機構に
    て吸入した流体を、該一方のロータリ式圧縮機構よりも
    押し退け量の小さな他方のロータリ式圧縮機構との協調
    によって圧縮し、さらに該他方のロータリ式圧縮機構に
    て追圧縮するロータリ圧縮機であって、 前記一方のロータリ式圧縮機構の容積増加行程にある圧
    縮室に連通する吸入ポートと、 前記一方のロータリ式圧縮機構の容積減少行程にある圧
    縮室と前記他方のロータリ式圧縮機構の容積増加行程に
    ある圧縮室とを隔たりなく連通させて常時ひとつの空間
    とする連通ポートと、 前記他方のロータリ式圧縮機構の容積減少行程にある圧
    縮室に連通する吐出ポートと、 前記吐出ポートからの吐出圧を規定する吐出弁とを備え
    ることを特徴とするロータリ圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記他方のロータリ式圧縮機構のある時
    点での圧縮室に対する、前記一方のロータリ式圧縮機構
    の同じ時点での圧縮室の容積比が、定格条件における流
    体の圧力比をφ、比熱比をκとするとき、(φ1/κ
    1/2で表されることを特徴とする請求項3記載のロータ
    リ圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記一方のロータリ式圧縮機構と前記他
    方のロータリ式圧縮機構とで円形ピストンの偏心量およ
    び該円形ピストンを収める空間の内径を同じとし、 前記他方のロータリ式圧縮機構の円形ピストンおよび該
    円形ピストンを収める空間の駆動軸方向の寸法を、前記
    一方のロータリ式圧縮機構の円形ピストンおよび該円形
    ピストンを収める空間の駆動軸方向の寸法よりも短くし
    たことを特徴とする請求項3記載のロータリ圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記一方のロータリ式圧縮機構と前記他
    方のロータリ式圧縮機構とで円形ピストンおよび該円形
    ピストンを収める空間の駆動軸方向の寸法を同じとし、 前記他方のロータリ式圧縮機構の円形ピストンの偏心量
    および該円形ピストンを収める空間の内径を、前記一方
    のロータリ式圧縮機構の円形ピストンの偏心量および該
    円形ピストンを収める空間の内径よりも小さくしたこと
    を特徴とする請求項3記載のロータリ圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記他方のロータリ式圧縮機構の円形ピ
    ストンの偏心量および該円形ピストンを収める空間の内
    径を、前記一方のロータリ式圧縮機構の円形ピストンの
    偏心量および該円形ピストンを収める空間の内径よりも
    小さくし、 前記他方のロータリ式圧縮機構の円形ピストンおよび該
    円形ピストンを収める空間の駆動軸方向の寸法を、前記
    一方のロータリ式圧縮機構の円形ピストンおよび該円形
    ピストンを収める空間の駆動軸方向の寸法よりも短くし
    たことを特徴とする請求項3記載のロータリ圧縮機。
  8. 【請求項8】 前記他方のロータリ式圧縮機構の圧縮室
    における容積増減の周期を、前記一方のロータリ式圧縮
    機構の圧縮室における容積増減の周期に対して位相差を
    設けて先行させることを特徴とする請求項3記載のロー
    タリ圧縮機。
  9. 【請求項9】 前記位相差が40°以上160°以下で
    あることを特徴とする請求項8記載のロータリ圧縮機。
  10. 【請求項10】 前記一方のロータリ式圧縮機構の円形
    ピストンと前記他方のロータリ式圧縮機構の円形ピスト
    ンとをひとつの駆動軸の長さ方向に離間してかつ該円形
    ピストンを偏心回転または旋回させる方向にずらすこと
    なく一致させて設け、 前記一方のロータリ式圧縮機構の仕切部材を、前記他方
    のロータリ式圧縮機構の仕切部材よりも前記円形ピスト
    ンの偏心回転または旋回する方向にずらして設けること
    で前記位相差が設けられていることを特徴とする請求項
    8または9記載のロータリ圧縮機。
  11. 【請求項11】 前記一方のロータリ式圧縮機構の円形
    ピストンと前記他方のロータリ式圧縮機構の円形ピスト
    ンとをひとつの駆動軸の長さ方向に離間してかつ該円形
    ピストンを偏心回転または旋回する方向にずらして設
    け、 前記一方のロータリ式圧縮機構の仕切部材と前記他方の
    ロータリ式圧縮機構の仕切部材とを前記円形ピストンの
    偏心回転または旋回する方向にずらすことなく一致させ
    て設けることで前記位相差が設けられていることを特徴
    とする請求項8または9記載のロータリ圧縮機。
  12. 【請求項12】 前記一方のロータリ式圧縮機構の円形
    ピストンと前記他方のロータリ式圧縮機構の円形ピスト
    ンとをひとつの駆動軸の長さ方向に離間してかつ該円形
    ピストンを偏心回転または旋回する方向にずらして設
    け、前記一方のロータリ式圧縮機構の仕切部材を、前記
    他方のロータリ式圧縮機構の仕切部材よりも前記円形ピ
    ストンの偏心回転または旋回する方向にずらして設ける
    ことで前記位相差が設けられていることを特徴とする請
    求項8または9記載のロータリ圧縮機。
  13. 【請求項13】 前記他方のロータリ式圧縮機構におけ
    る前記連通ポートと前記仕切部材との間に、前記シリン
    ダの内周面に沿って凹部が形成されていることを特徴と
    する請求項3記載のロータリ圧縮機。
  14. 【請求項14】 前記一方のロータリ式圧縮機構の仕切
    部材、および前記他方のロータリ式圧縮機構の仕切部材
    が、いずれも前記吐出弁を経て吐出された流体の圧力に
    よって前記円形ピストンに向けて付勢されるものとし、 前記他方のロータリ式圧縮機構の仕切部材が、前記一方
    のロータリ式圧縮機構の仕切部材よりも密度の低い材料
    からなることを特徴とする請求項3記載のロータリ圧縮
    機。
  15. 【請求項15】 前記他方のロータリ式圧縮機構の仕切
    部材にカーボン系材料を使用することを特徴とする請求
    項14記載のロータリ圧縮機。
  16. 【請求項16】 前記他方のロータリ式圧縮機構の圧縮
    室に連通するインジェクションポートを設け、該インジ
    ェクションポートを通じて液インジェクションを行うこ
    とを特徴とする請求項3記載のロータリ圧縮機。
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