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JP2003342501A - 水性インク - Google Patents

水性インク

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Publication number
JP2003342501A
JP2003342501A JP2002153024A JP2002153024A JP2003342501A JP 2003342501 A JP2003342501 A JP 2003342501A JP 2002153024 A JP2002153024 A JP 2002153024A JP 2002153024 A JP2002153024 A JP 2002153024A JP 2003342501 A JP2003342501 A JP 2003342501A
Authority
JP
Japan
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water
carbon black
based ink
resin
self
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2002153024A
Other languages
English (en)
Inventor
Junko Morioka
淳子 森岡
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Canon Finetech Nisca Inc
Original Assignee
Canon Finetech Inc
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Publication date
Application filed by Canon Finetech Inc filed Critical Canon Finetech Inc
Priority to JP2002153024A priority Critical patent/JP2003342501A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形成される画像の定着性、耐擦過性、耐水
性、耐マーカー性を低下させることなく、ノズルやペン
先からの吐出安定性や耐目詰まり性を向上させた水性イ
ンクを提供すること。 【解決手段】 色材と樹脂と水ガラスと有機溶媒とを含
む水性インクにおいて、前記色材が、表面にアニオン性
の親水性基を持つ自己分散性カーボンブラックであり、
該カーボンブラックの粒度分布をキュムラント法で解析
して求められた多分散指数が0.2以下であることを特
徴とする水性インク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性ボールペン、
万年筆、水性サインペンなどの筆記具や、サーマルジェ
ット方式やピエゾ方式などのオンデマンドタイプのイン
クジェットプリンターに好適に使用できる水性インク
(水性記録液)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷インキの黒色色材として耐水
性や耐光性などの堅牢性に優れたカーボンブラックが広
く用いられているが、カーボンブラックを水性インクと
して用いるには、カーボンブラックを水性媒体中で分散
安定化させる必要がある。しかし、カーボンブラックは
一般的には分散性が良くないため、均一分散系を得る手
段として、水性インクに分散剤を添加してカーボンブラ
ックを水性媒体中に分散させる方法や、酸化などにより
カーボンブラック表面を親水化処理する方法が採られて
いる。
【0003】しかし、分散剤を添加して高い分散性を得
る方法では、カーボンブラックを分散安定化するために
は多量の分散剤が必要となるため、水性インクの粘性が
高くなり、水性インクの吐出安定性が悪くなる。また、
カーボンブラック表面を親水化処理する方法では、紙上
に印字した際の水性インクの定着性が悪く、得られる画
像の耐擦過性や耐マーカー性などが十分でない。
【0004】これらを改善するために、特開平10−1
83040号公報に開示されるように、表面に酸化処理
を施したカーボンブラックおよび水分散性樹脂を分散す
る方法が採られている場合では、得られる画像の耐擦過
性や耐マーカー性が十分であっても、インクの吐出安定
性の面で不安定な場合が見られた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、上記従来技術の課題を解決し、形成される画像の定
着性、耐擦過性、耐水性、耐マーカー性を低下させるこ
となく、ノズルやペン先からの吐出安定性や耐目詰まり
性を向上させた水性インクを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達成される。すなわち、本発明は、色材と樹
脂と水ガラスと有機溶媒とを含む水性インクにおいて、
前記色材が、表面にアニオン性の親水性基を持つ自己分
散性カーボンブラックであり、該カーボンブラックの粒
度分布をキュムラント法で解析して求められた多分散指
数が0.2以下であることを特徴とする水性インクを提
供する。
【0007】また、本発明は、前記色材と前記樹脂との
質量比率が、固形分比で1:0.01〜1:2である前
記の水性インク;前記樹脂と前記水ガラスの質量比率
が、固形分比で1:0.001〜1:1である前記の水
性インク;前記樹脂が水溶性または水分散性ポリエステ
ル樹脂、若しくは水分散性ポリウレタン樹脂である前記
の水性インク;およびインクジェットプリンター用であ
る前記の水性インクを提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明をさらに詳細に説明する。本発明で色材として使
用するカーボンブラックは、表面にアニオン性の親水性
基(カルボキシル基やスルホン酸基など)を持つ自己分
散性カーボンブラックであり、該カーボンブラックとし
ては、過硫酸塩などの公知の酸化剤を用いてカーボンブ
ラックの表面を酸化処理したカーボンブラックまたはア
ニオン性の親水性基を表面に付与したカーボンブラック
であることが好ましい。
【0009】本発明において水性インクの色材として上
記の如き自己分散性カーボンブラックを用いることによ
り、本発明の水性インク中に添加する顔料分散剤などの
添加量を減少させても、或いは分散剤を添加しなくて
も、上記カーボンブラックは水性インク中で安定に分散
しており、その結果として上記した分散剤の使用量の減
少または分散剤を不要とする効果に加えて、ノズルやペ
ン先からの水性インクの吐出安定性や耐目詰まり性も良
好となる。
【0010】上記本発明で使用する自己分散性カーボン
ブラックは、その粒度分布をキュムラント法で解析して
求められた多分散指数が0.2以下である。ここでいう
「多分散指数」とは、電気泳動光散乱法で求められる値
であり、u/G2の計算式から得られる値である。uと
はキュムラント法の2次の係数の値であり、Gとはキュ
ムラント法の減衰定数を表す。多分散指数が0.2を超
えると自己分散性カーボンブラックの粒子径分布が広
く、粒子径の大きなカーボンブラックが水性インク中に
存在することになり、水性インクの吐出安定性が悪くな
る傾向にあるために好ましくない。
【0011】また、レーザーゼータ電位計にて測定した
上記の自己分散型カーボンブラックの表面のゼータ電位
が−100〜−30mVの範囲であることが好ましい。
ゼータ電位が−30mVより大きい場合、水性インク中
で自己分散性カーボンブラックの沈降を生じるなどの欠
点が生じる場合がある。また、ゼータ電位が−100m
Vより小さいと、形成された画像の耐水性が劣るなどの
欠点が生じる場合がある。
【0012】また、レーザー粒径解析システムにて測定
した上記のカーボンブラックの平均粒子径が、20〜2
00nmの範囲であることが好ましい。平均粒子径が小
さすぎると、水性インクによって形成される画像の画像
濃度が低下し、一方、平均粒子径が大きすぎると、ノズ
ルやペン先からの水性インクの吐出安定性や耐目詰まり
性が低下する場合がある。
【0013】以上の如き自己分散性カーボンブラック
は、従来公知の方法で水中で製造して水分散液とし、こ
の分散液の状態またはプレスケーキの状態で使用するこ
とが好ましい。また、市販品を使用する場合にも分散液
またはプレスケーキの状態で使用することが好ましい。
これらの分散液またはプレスケーキを一旦乾燥して粉末
にすると、自己分散性カーボンブラックの粒子が凝集し
てしまい、再度の微分散が容易ではないことによる。
【0014】本発明で使用する樹脂は、水性インクが紙
などの記録材に付与された後は、記録材に対して自己分
散性カーボンブラックを固着させる作用をするものであ
り、例えば、水溶性または水分散性のアクリル系樹脂、
エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂などの樹脂が使用可
能である。さらに水溶性または水分散性ポリエステル樹
脂およびポリウレタン樹脂が特に好ましい。
【0015】これらのポリエステル樹脂は、分子量が
3,000〜100,000、さらに好ましくは4,0
00〜50,000であり、ガラス転移温度(Tg)が
−20〜100℃、さらに好ましくは−15〜80℃で
あり、熱分解温度が150℃以上、さらに好ましくは2
00℃以上である樹脂が好ましい。例えば、プラスコー
トRZ105(互応化学工業(株)社製)やポリエスタ
ーWR961、WR905(日本合成(株)社製)やM
D−1930(東洋紡(株)社製)などの商品名で入手
して本発明で使用することができる。また、水分散性ポ
リウレタン樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が−50〜
100℃、さらに好ましくは−30〜80℃であり、平
均粒子径が10〜200nm、さらに好ましくは15〜
80nmである樹脂が好ましい。このような水分散性ポ
リウレタン樹脂は、例えば、ネオステッカー400(日
華化学(株)社製)などの商品名で入手して本発明で使
用することができる。
【0016】以上の自己分散性カーボンブラックと樹脂
との水性インク中における質量比率は、固形分比で1:
0.01〜1:2であることが好ましい。樹脂量が少な
すぎると、本発明の水性インクによって形成される画像
の耐擦過性、耐水性、耐マーカー性など、水性インクの
記録材への定着性が十分でない場合があり、また、樹脂
量が多すぎると、水性インクの粘性が高くなり、水性イ
ンクの吐出安定性や耐目詰まり性が低下する場合があ
る。
【0017】本発明の目的は、水ガラスを使用すること
で、水性インクによって形成される画像の耐擦過性、耐
水性、耐マーカー性などを低下させることなく、水性イ
ンクの吐出性や耐目詰まり性を向上させることである。
本発明で使用する水ガラス(珪酸ナトリウム溶液)はN
2・nSiO2で表され、ケイソウ比(SiO2/Na
O比(n))がn=2〜4であるものであり(参考文
献:化学大辞典 共立出版(株)社製 昭和38年9月
15日発行)、例えば、キシダ化学(株)社製などから
入手して本発明で使用することができる。
【0018】以上の樹脂と水ガラスとの水性インク中に
おける質量比率は、固形分比で1:0.001〜1:1
であることが好ましい。水ガラスの量が少なすぎると、
水性インクの吐出安定性や耐目詰まり性が十分でない場
合があり、また、水ガラスの量が多すぎると、水性イン
クの粘性が高くなり、水性インクの吐出安定性や耐目詰
まり性が低下する場合がある。
【0019】本発明の水性インクは、前記のカーボンブ
ラック、樹脂および水ガラスを分散または溶解させる液
媒体が必要であり、該液媒体は少なくとも水溶性の有機
溶剤を含むことが必要である。好ましくは水と水溶性有
機溶剤との混合溶剤を水性インクの液媒体として使用す
る。本発明において水性インク全質量に占める水溶性有
機溶剤の割合は、例えば、5〜50質量%、さらには5
〜40質量%であることが好ましい。
【0020】上記水溶性有機溶剤は、本発明の水性イン
クに、ノズルやペン先部分での乾燥による水性インクの
固化を防止するために使用するものであって、具体的に
は、炭素数1から4のアルキルアルコール類(例えば、
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコ
ール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルア
ルコールなど)、ケトンまたはケトアルコール類(例え
ば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど
のアミド類、アセトン、ジアセトンアルコールなど)、
エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン
など)、ポリアルキレングリコール類(例えば、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、
アルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレング
リコール類(例えば、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコ
ール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコールな
ど)、多価アルコールなどのアルキルエーテル類(例え
ば、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリ
コールエチルエーテル、トリエチレンモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルな
ど)、さらにはN−メチル−2−ピロリドン、2−ピロ
リドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなど
が挙げられる。
【0021】特に好ましい水溶性有機溶媒は、グリセリ
ン、多価アルコール(例えば、ジエチレングリコールや
エチレングリコールなど)であり、グリセリン以外の多
価アルコールとしては、例えば、ジエチレングリコー
ル、エチレングリコール、ポリエチレングリコールやプ
ロピレングリコールなどが挙げられる。水性インク中に
はこれらの水性有機溶媒を2種類以上混合して用いても
よい。
【0022】本発明の水性インクは上記水溶性有機溶剤
とともに水を含有する。水性インク全質量に占める水の
割合としては、一般的には20〜95質量%、特には4
0〜95質量%、さらには60〜95質量%であること
が好ましい。また、水としては純水またはイオン交換水
を用いることが好ましい。
【0023】本発明の水性インクは、上記の成分を混合
して、自己分散性カーボンブラックを水性媒体中に十分
に分散させ、該カーボンブラックの粒度分布がキュムラ
ント法で解析して求められた多分散指数が0.2以下に
なるようにする。分散方法としては、自己分散性カーボ
ンブラックの分散液中に他の成分を添加して混合する方
法でよい。必要であれば従来公知の分散装置が使用で
き、また、必要に応じて遠心分離や濾過方法などによ
り、水性インク中に残っている可能性のある粗大粒子を
除去することが好ましい。
【0024】本発明の水性インク中における自己分散性
カーボンブラックの水性インク全質量に占める割合は、
例えば、0.1〜20質量%、さらには1〜10質量%
であることが好ましい。自己分散性カーボンブラックの
量が0.1質量%未満では印字画像に十分な画像濃度が
得られず、該カーボンブラックの量が20質量%を超え
ると、ノズルやペン先における目詰りなどの吐出安定性
が低下するだけで、画像の濃度が特別向上するわけでも
ない。
【0025】また、本発明の水性インク中における前記
樹脂の水性インク全質量に占める割合は、一般的には
0.001〜20質量%、さらには0.01〜10質量
%であることが好ましい。前記樹脂の量が0.001質
量%未満では得られる画像の耐擦過性、耐マーカ性など
が低下し、一方、前記樹脂の量が20質量%を超える
と、水性インクの粘性が高くなり、ノズルやペン先にお
ける水性インクの目詰りなどの吐出安定性が低下する。
【0026】また、本発明の水性インク中における前記
水ガラスの水性インク全質量に占める割合は、一般的に
は0.00001〜10質量%、さらには0.0001
〜5質量%であることが好ましい。前記水ガラスの量が
0.00001質量%未満では吐出安定性が不安定であ
り、一方、前記水ガラスの量が10質量%を超えると、
水性インクの粘性が高くなり、ノズルやペン先における
水性インクの目詰りなどの吐出安定性が低下する。
【0027】なお、本発明の水性インクには、前記成分
以外にも、例えば、界面活性剤、pH調整剤、酸化防止
剤、防黴剤などの各種の添加剤を添加してもよい。ま
た、本発明の水性インクの粘度は25℃において1.0
〜5.0m・Pasであることが好ましい。
【0028】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えな
い限り、下記実施例により限定されるものではない。な
お、以下の記載で「部」または「%」とあるものは特に
断らない限り質量基準である。
【0029】また、以下の実施例において平均粒子径
は、動的光散乱法(商品名:レーザー粒径解析システム
PAR−III;大塚電子(株)社製を使用)を、ゼータ
電位は電気泳動光散乱法(商品名:レーザーゼータ電位
計ELS−6000;大塚電子(株)社製を使用)を用
いて測定した値である。
【0030】また、樹脂の有効成分はメーカー値を採用
し、分子量はGPC(検出器RI−8012(東ソー
(株)社製)、カラムPlgel MIXED−B(エ
ーエムアール(株)社製))を用い、ガラス転移温度
(Tg)および熱分解温度は示差熱熱重量同時測定装置
(TG/DTA220(セイコーインスツルメンツ
(株)社製)を用いて測定を行った。なお、ポリエスタ
ーWR961の分子量とTg、およびスーパーフレック
ス420のTgはメーカー値を採用した。
【0031】まず、実施例および比較例に使用する自己
分散型カーボンブラックの分散液CB−1およびCB−
2の作成方法を説明する。 (CB−1)市販のカーボンブラック「MA8」[三菱
化学社製]250gをイオン交換水(以下水と記載す
る)1,000mlによく混合および分散した後、これ
にペルオキソ二硫酸アンモニウムを1,000g投入し
て、60〜70℃で8時間攪拌した。得られたスラリー
を分画分子量10000の限外濾過膜[東洋濾紙社製]
で濾過し、濾液の電導度が0.5ms/cm以下まで脱
塩した。さらに、固形分濃度を20%まで濃縮し、25
%の水酸化カリウムを20g滴下し、分散液のpHを8
に調整した。最終的には水を加えて15%の固形分濃度
に調整した。得られた分散液中のカーボンブラックは、
平均粒子径85nm、多分散指数0.15、ゼータ電位
−50mVであった。
【0032】(CB−2)キャボット社製自己分散型カ
ーボンブラックCAB−O−JET200(固形分濃度
20%、表面親水性基としてはスルホン酸基を有する)
を使用した。平均粒子径は130nm、多分散指数0.
13、ゼータ電位−70mVであった。
【0033】実施例1〜5および比較例1〜8 水性インクの作成方法としては、実施例1〜5では、上
記のようにして準備した自己分散型カーボンブラック分
散体と各樹脂と水ガラスとを、各固形分が表1−1およ
び表1−2に示す割合になるように30分間攪拌した
後、ジエチレングリコール20%およびアセチレノール
EH0.15%を添加し、最終的に水性インク中の自己
分散型カーボンブラックの固形分が5%になるように水
を加え、1時間攪拌を行った。さらに得られた水性イン
クを3μmのメンブランフィルター[東洋濾紙社製]を
用いて減圧濾過を行い、実施例1〜5の水性インクを調
製した。
【0034】比較例1および2では、自己分散型カーボ
ンブラック分散体(樹脂および水ガラス共になし)に、
ジエチレングリコール20%およびアセチレノールEH
0.15%を添加し、最終的に水性インク中の自己分散
型カーボンブラックの固形分が5%になるように水を加
え、1時間攪拌を行った。さらに得られた水性インクを
3μmのメンブランフィルター[東洋濾紙社製]を用い
て減圧濾過を行い、比較例1および2の水性インクを調
製した。
【0035】比較例3〜6では、自己分散型カーボンブ
ラック分散体および樹脂(水ガラスなし)に、ジエチレ
ングリコール20%およびアセチレノールEH0.15
%を添加し、最終的に水性インク中の自己分散型カーボ
ンブラックの固形分が5%になるように水を加え、1時
間攪拌を行った。さらに得られた水性インクを3μmの
メンブランフィルター[東洋濾紙社製]を用いて減圧濾
過を行い、比較例3〜6の水性インクを調製した。
【0036】比較例7では、自己分散型カーボンブラッ
ク分散体および樹脂(水ガラスなし)に、ジエチレング
リコール20%およびアセチレノールEH0.15%を
添加し、最終的に水性インク中の自己分散型カーボンブ
ラックの固形分が5%になるように水を加え、1時間攪
拌を行った。さらに得られた水性インクを3μmのメン
ブランフィルター[東洋濾紙社製]を用いて減圧濾過を
行い、比較例7の水性インクを調製した。
【0037】比較例8では、自己分散型カーボンブラッ
ク分散体および水ガラス(樹脂なし)、ジエチレングリ
コール20%およびアセチレノールEH0.15%を添
加し、最終的に水性インク中の自己分散型カーボンブラ
ックの固形分が5%になるように水を加え、1時間攪拌
を行った。さらに得られた水性インクを3μmのメンブ
ランフィルター[東洋濾紙社製]を用いて減圧濾過を行
い、比較例8の水性インクを調製した。なお、表1−2
に示すC.B/樹脂/水ガラスは、得られた水性インク
の最終固形分濃度を表している。
【0038】
【0039】
【0040】前記実施例および比較例の水性インクを用
いて、市販コピー用紙(普通紙)NP−PB[日本製紙
社製]および光沢紙PR101[キヤノン社製]に記録
を行った。画像形成(印字)は、水性インクジェットプ
リンターF660[キヤノン社製]を用いて行った。印
字物の評価は以下のように行った。
【0041】(耐擦過性)印字から12時間以上放置
後、印字した紙上にキムワイプを載せ、さらにその上に
500g/12.56cm2の重りを載せ、5往復した
ときの白紙部の汚れや、黒べた画像、文字印字部の擦れ
具合から目視にて観察した。評価基準は下記の通りとし
て、評価結果を下記表2に示す。 ○:白紙部に汚れがなく、黒べた画像、文字印字部の擦
れなし。 △:白紙部にやや汚れがあり、黒べた画像および文字印
字部にやや擦った跡がある。 ×:白紙部に汚れがあり、黒べた画像および文字印字部
の一部が擦り取られている。 ××:白紙部の汚れがひどく、黒べた画像および文字印
字部が全体的に擦り取られている。
【0042】(耐水性)印字から12時間以上放置後、
印字物を5分間水道水中に静置し、水を乾燥させた後の
画像の反射濃度を測定し、耐水性試験前と耐水性試験後
の反射濃度の残存率を求め、耐水性の尺度とした。評価
基準は下記の通りとして、評価結果を下記表2に示す。 ○:画像濃度の残存率が90%以上。 △:画像濃度の残存率が80%以上90%未満。 ×:画像濃度の残存率が70%以上80%未満。 ××:画像濃度の残存率が70%未満。
【0043】(耐マーカー性)文字印字後12時間以上
放置した後に、ZEBRA社製イエロー蛍光ペンを用い
て、文字部を通常の筆圧で一度マークし、耐マーカー性
を下記の評価基準で評価した。評価結果を下記表2に示
す。 ○:印字部に滲みや白字部分の汚れが認められず、ペン
先も汚れていない。 △:白字部分にやや汚れがあり、印字部の滲みもややあ
る。 ×:白字部分に汚れ、印字部の滲みがある。
【0044】(吐出性)印字画像の状態および印字後の
インクヘッドのヒーター面を観察し、下記の評価基準で
評価した。 ○:黒べた画像部分、文字印字部が十分きれいに印字で
き、ヒーター面に堆積物が殆ど見られない。 △:黒べた画像部分、文字印字部が十分きれいに印字で
きるが、ヒーター面に堆積物がややある。 ×:黒べた画像部分、文字印字部がかすれ、ヒーター面
に堆積物が多くみられる。
【0045】
【0046】以上の実施例および比較例から明らかなよ
うに、樹脂および水ガラスを添加した実施例の水性イン
クによる画像は、樹脂のみまたは水ガラスのみを添加し
た比較例のインク、およびどちらも含まない比較例のイ
ンクによる画像に比較すると、耐擦過性、耐水性、耐マ
ーカー性、吐出性が優れるものであった。
【0047】
【発明の効果】本発明の水性インクは、普通紙のみなら
ず、光沢紙において画像を形成した場合でも、耐擦過
性、耐水性、耐マーカー性に優れ、また、目詰まりがな
く画像形成ができたことから、ノズルでの吐出安定性の
良好な水性インクである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材と樹脂と水ガラスと有機溶媒とを含
    む水性インクにおいて、前記色材が、表面にアニオン性
    の親水性基を持つ自己分散性カーボンブラックであり、
    該カーボンブラックの粒度分布をキュムラント法で解析
    して求められた多分散指数が0.2以下であることを特
    徴とする水性インク。
  2. 【請求項2】 前記色材と前記樹脂との質量比率が、固
    形分比で1:0.01〜1:2である請求項1に記載の
    水性インク。
  3. 【請求項3】 前記樹脂と前記水ガラスの質量比率が、
    固形分比で1:0.001〜1:1である請求項1に記
    載の水性インク。
  4. 【請求項4】 前記樹脂が、水溶性または水分散性ポリ
    エステル樹脂である請求項1〜3の何れか1項に記載の
    水性インク。
  5. 【請求項5】 前記樹脂が、水分散性ポリウレタン樹脂
    である請求項1〜3の何れか1項に記載の水性インク。
  6. 【請求項6】 インクジェットプリンター用である請求
    項1〜5の何れか1項に記載の水性インク。
JP2002153024A 2002-05-27 2002-05-27 水性インク Withdrawn JP2003342501A (ja)

Priority Applications (1)

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