JP2003230792A

JP2003230792A - ドラム式洗濯機

Info

Publication number: JP2003230792A
Application number: JP2002030769A
Authority: JP
Inventors: Koji Kuno; 功二久野
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 2002-02-07
Filing date: 2002-02-07
Publication date: 2003-08-19

Abstract

(57)【要約】【課題】脱水運転の起動時のみならず定常回転時に
も、振動減衰機構により支持された被支持構造物の振幅
を小さく抑え得るようにする。【解決手段】外箱１の内部に振動減衰機構３３により
支持して配設された、水槽３４や、ドラム、及びモータ
等から成る被支持構造物３２に、これの重量バランスを
とるバランスウェイト５５を弾性体５７により支持して
取付けた。これにより、脱水運転の定常回転時の外力
が、主振動系である、振動減衰機構３３により支持され
た被支持構造物３２を通過してバランスウェイト５５を
励振することになり、このバランスウェイト５５に作用
する力は、弾性体５７の弾性により、外力を打ち消す逆
向きの振動となるから、これによって被支持構造物３２
の振動抑制が可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、外箱に振動減衰機
構により支持された水槽を初めとする被支持構造物の重
量バランスをとるバランスウェイトを有するドラム式洗
濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ドラム式洗濯機においては、
図９に示すように、水槽１と、これの内部に横軸状のド
ラム軸２を介して回転可能に配設されたドラム３と、こ
のドラム３を前記ドラム軸２を介して回転駆動するモー
タ４等を具備する被支持構造物５が、外箱６の内部に、
振動減衰機構７により支持されて配設されている。振動
減衰機構７は、詳しくは図示しないが、スプリング及び
ダンパを具えており、被支持構造物５の振動を減衰する
働きをする。

【０００３】又、外箱６の前面部には洗濯物出入口８が
形成され、これと、水槽１の前面部に形成された接続口
９とが、ベローズ１０により接続されている。なお、洗
濯物出入口８は、扉１１によって開閉されるようになっ
ている。このほか、１２は乾燥装置を示しており、その
中で、１３，１４は水槽１内の空気を循環させるための
ダクト、１５は温風生成用のヒータ、１６は送風機、１
７は除湿器を示している。更に、１８は水槽１内の水を
排出するための排水弁、１９は排水ホースを示してい
る。

【０００４】しかして、このような構成のものにおいて
は、振動減衰機構７により支持された被支持構造物５の
中で、モータ４やドラム軸２等の重量物が、水槽１の前
後方向の中心線Ｏよりも後方に位置しており、このた
め、振動減衰機構７により支持された被支持構造物５の
重心は、その中心線Ｏよりも後方に位置している。この
振動減衰機構７により支持された被支持構造物５の重心
が水槽１の中心線Ｏよりも後方側へ寄るほど、ドラム３
の回転に伴う被支持構造物５の前部の振動幅が大きくな
り、ベローズ１０から外箱６の前面部に伝達する力も大
きく、外箱６から脚２０、脚２０から床２１への伝達力
も大きくなる。

【０００５】そこで、このような構成のものにおいて
は、振動減衰機構７により支持された被支持構造物５の
重心を水槽１の前後方向の中心に近付けて被支持構造物
５の重量バランスを良くするために、水槽１の前部にお
ける下部にバランスウェイト２２を取付けている。

【０００６】図１０は、このバランスウェイト２２を取
付けるための構造を示しており、取付板２３に、例えば
複数枚の単位ウェイト２２ａから成るバランスウェイト
２２が、複数のリベット２４によって取付けられてお
り、この構成で、図１１に示すように、バランスウェイ
ト２２が、取付板２３を介して被支持構造物５、中でも
水槽１の前部における下部の左右両側に、複数のボルト
２５によって取付けられている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上述の、取付板２３に
複数のリベット２４によって取付けられてその取付板２
３を介し被支持構造物５に複数のボルト２５によって取
付けられたバランスウェイト２２は、被支持構造物５
に、要するに剛体取付けされたものであり、その重量に
より、静止時の被支持構造物５の重量バランスを良くで
きることによって、ドラム３を回転させて行う脱水運転
の起動時における被支持構造物５の振幅を抑えるのに効
果を奏する。

【０００８】しかしながら、脱水運転の起動後、ドラム
３の回転速度が上昇して定常回転状態となり、特に１０
００〔ｒｐｍ〕以上の高速回転状態となれば、被支持構
造物５のベローズ１０による振れ回り振動系の共振周波
数が、被支持構造物５の前部に付加した重量物（バラン
スウェイト２２）のために下がり、脱水回転速度に近付
くことによって、被支持構造物５の前側の振幅が急激に
増加する。そのために、ドラム３内の洗濯物の片寄り
（アンバランス）によっては、ベローズ１０から伝播さ
れる加振力により、振動減衰機構７により支持された被
支持構造物５が加振され、異常音や、ベローズ１０の擦
れ、摩耗等が発生することが考えられる。

【０００９】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
であり、従ってその目的は、主として、脱水運転の起動
時のみならず定常回転時にも、振動減衰機構により支持
された被支持構造物の振幅を小さく抑え得、異常音や、
ベローズの擦れ、摩耗等の発生をもなくし得るドラム式
洗濯機を提供するにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のドラム式洗濯機は、外箱の内部に、水槽
と、これの内部に横軸状のドラム軸を介して回転可能に
配設したドラムと、このドラムを前記ドラム軸を介して
回転駆動するモータとを具備する被支持構造物を、振動
減衰機構により支持して配設すると共に、この被支持構
造物の重量バランスをとるバランスウェイトを具備する
ものにおいて、そのバランスウェイトを、弾性体により
支持して前記被支持構造物に取付けたことを特徴とする
（請求項１の発明）。

【００１１】このものによれば、バランスウェイトを弾
性体により支持して被支持構造物に取付けたことで、脱
水運転の定常回転時の外力は、主振動系である、振動減
衰機構により支持された被支持構造物を通過してバラン
スウェイトを励振することになる。このバランスウェイ
トに作用する力は、弾性体の弾性により、外力を打ち消
す逆向き（逆位相）の振動となり、これによって被支持
構造物の振動抑制が可能となる。

【００１２】この場合、弾性体の弾性係数を、バランス
ウェイトを弾性体で支持した振動系の固有振動数が脱水
時のドラムの定常回転速度とほゞ等しくなる数値に設定
すると良い（請求項２の発明）。このものでは、振動減
衰機構により支持された被支持構造物を通過してバラン
スウェイトに作用する力が、外力を全く打ち消す逆向き
（逆位相で周期もほゞ一致）の振動となり、被支持構造
物の振動抑制に最も効果が出る。

【００１３】又、バランスウェイトは、弾性体に圧縮力
が加わる構成で取付けると良い（請求項３の発明）。こ
のものでは、弾性体に圧縮方向の荷重のみが加わって、
引張り方向の荷重が加わらないため、弾性体に亀裂や破
断を生じるストレスがかかることがなく、寿命、信頼性
が高く得られる。

【００１４】更に、バランスウェイトは、被支持構造物
の重心から前後方向に離間した位置に取付けると良く
（請求項４の発明）、被支持構造物の重心から左右の両
方向に離間した位置にそれぞれ取付けるのも良い（請求
項５の発明）。これらのものでは、被支持構造物の重量
バランスが一層良くなる上に、該被支持構造物の重心周
りの慣性モーメントが増し、被支持構造物の振幅を一層
低減できる効果が得られる。

【００１５】そして、外箱にも、それ用のバランスウェ
イトを弾性体により支持して取付けると良い（請求項６
の発明）。このものでは、請求項１の発明と同様の原理
で、外箱の振動をも抑制できる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の第１実施例につ
き、図１ないし図６を参照して説明する。まず、図１及
び図２には、ドラム式洗濯機全体の構成を示しており、
外箱３１の内部、特には底板３１ａ上に、被支持構造物
３２を振動減衰機構３３により支持して配設している。

【００１７】被支持構造物３２は、詳細には、水槽３４
と、これの内部に図２に示す横軸状のドラム軸３５を介
して回転可能に配設したドラム３６と、このドラム３６
を上記ドラム軸３５を介して回転駆動すべく水槽３４の
背部に取付けたモータ３７を具備して成っている。

【００１８】更に詳細には、この場合、水槽３４は、前
記振動減衰機構３３によって図１に示す支持板３８を介
し、その軸方向が前後（図２では左右）となる横軸状
で、しかも、前上がり（図２では右上がり）の傾斜状に
支持しており、これに合わせて、ドラム軸３５及びドラ
ム３６も、それと同様の状態に支持している。なお、こ
れら水槽３４、ドラム軸３５、及びドラム３６を前上が
りの傾斜状に支持するのは、専らドラム３６に対する洗
濯物の出し入れ性を良くするためであるが、それに限ら
れず、それら水槽３４、ドラム軸３５、及びドラム３６
は水平状に支持するようにしても良い。

【００１９】又、この場合、モータ３７は、例えばアウ
ターロータ形の特には直流ブラシレスモータから成って
おり、そのロータ３７ａにドラム軸３５を取付け、ひい
ては該ドラム軸３５を介しドラム３６を取付けている。
従って、本構成のものの場合、ドラム軸３５からドラム
３６をモータ３７により直接回転駆動するダイレクトド
ライブ構造となっている。なお、ドラム軸３５は、水槽
３４の背部の中心部に取付けた軸受ハウジング３９によ
り回転可能に支承している。

【００２０】このほか、水槽３４の外下部には、洗濯水
を加熱するためのヒータ４０を内設したヒータケース４
１や、水槽３４内の水を排出するための排水弁４２を取
付けており、排水弁４２には機外に排水するための排水
ホース４３を接続している。外箱３１の外下面の四隅部
には、それぞれ脚４４を設けており、一方、外箱３１の
前面部には洗濯物出入口４５を形成していて、これと、
水槽３４の前面部に形成した接続口４６とを、ベローズ
４７により接続している。洗濯物出入口４５は、扉４８
によって開閉されるようにしている。

【００２１】加えて、４９は水槽３４の前面部から上面
部そして背面部にかけて配設した乾燥装置を示してお
り、その中で、５０，５１は水槽３４内の空気を循環さ
せるためのダクト、５２は温風生成用のヒータ、５３は
送風機、５４は除湿器を示している。

【００２２】これらに対し、振動減衰機構３３は、詳し
くは図示しないが、スプリング及びダンパを具えた例え
ば左右２組のサスペンションであり、被支持構造物３２
の振動を減衰する働きをする。

【００２３】しかして、このような振動減衰機構３３に
より支持した被支持構造物３２の中で、モータ３７や、
軸受ハウジング３９、ドラム軸３５、除湿器５４、及び
排水弁４２等の重量物は、水槽３４の前後方向の中心線
Ｏよりも後方に位置しており、これによって、振動減衰
機構３３により支持した被支持構造物３２の重心が、そ
の中心線Ｏよりも後方に位置するため、被支持構造物３
２の重心を水槽３４の前後方向の中心に近付けて被支持
構造物３２の重量バランスを良くするために、被支持構
造物３２の前部における下部にバランスウェイト５５を
取付けている。このバランスウェイト５５を取付けた後
の被支持構造物３２の重心を、図２にＧで示す。

【００２４】図３は、そのバランスウェイト５５を示し
ており、この場合、厚みのある鉄板もしくは板状のコン
クリートブロックから成る単位ウェイト５５ａを必要枚
数積み重ねて成るもので、それを例えば鉄板製の取付板
５６に弾性体５７により支持して取付けている。

【００２５】詳細には、図４にも示すように、必要枚数
積み重ねた単位ウェイト５５ａを四隅でそれぞれタッピ
ンねじ５８により４個の弾性体５７に締め付けて取付
け、その上で、弾性体５７を、その各上部にあらかじめ
植え込んで設けたスタッドボルト５９により、取付板５
６の４か所にそれぞれ下方より挿通してナット６０締め
することにより取付けている。弾性体５７は円柱状部品
で、例えばゴム等から成っており、中でも減衰係数の大
きい材料から成っている。

【００２６】そして、図１に示すように、バランスウェ
イト５５を、取付板５６を介して、被支持構造物３２の
前部における下部の左右両側にて、前記水槽３４の前部
の下部にそれぞれ複数のボルト５８によって取付けてい
る。かくして、本構成のものの場合、バランスウェイト
５５を、被支持構造物３２の重心Ｇから前後方向（前記
モータ３７など重量物が水槽３４の後側に位置する本構
成においては前方）に離間した位置に取付けており、な
お且つ、被支持構造物３２の重心Ｇから左右の両方向に
離間した位置にそれぞれ取付けている。

【００２７】さて、上述のごとく構成したものの場合、
洗濯（洗い、すすぎ）時には、洗濯物出入口４５からド
ラム３６内に図示しない洗濯物を収容した状態で、ドラ
ム３６内に図示しない給水弁を通じて給水がなされ、こ
の状態で、ドラム３６がモータ３７により低速で正逆両
方向に回転されることにより、洗濯が行われる。次い
で、脱水時には、ドラム３６がモータ３７により高速で
一方向に回転されることにより、脱水が行われる。更
に、乾燥時には、ドラム３６がモータ３７により低速で
正逆両方向に回転されると共に、乾燥装置４９が働くこ
とにより、乾燥が行われる。

【００２８】これらに対して、バランスウェイト５５
は、静止時の被支持構造物５の重量バランスを良くする
ものであり、それによって、特に、ドラム３６を上述の
ごとく高速回転させて行う脱水運転の起動時における被
支持構造物３２の振幅を抑えるのに効果を奏する。

【００２９】そして、本構成のものの場合、バランスウ
ェイト５５は弾性体５７により支持して被支持構造物３
２に取付けている。これにより、脱水運転の起動後、ド
ラム３６の回転速度が上昇して定常回転状態となったと
きの外力は、主振動系である、振動減衰機構３３により
支持した被支持構造物３２を通過してバランスウェイト
５５を励振することになる。このバランスウェイト５５
に作用する力は、弾性体５７の弾性により、外力を打ち
消す逆向き（逆位相）の振動となり、これによって被支
持構造物３２の振動抑制ができる。よって、振動減衰機
構３３により支持した被支持構造物３２がベローズ４７
から伝播される加振力により加振されることもなくな
り、異常音や、ベローズ４７の擦れ、摩耗等の発生をな
くし得て、静音化、信頼性の向上を実現できる。

【００３０】図５は、被支持構造物３２とこれを外箱３
１の底板３１ａ上に支持した振動減衰機構３３（被支持
構造物３２を振動減衰機構３３により支持した振動系
Ａ）、並びにバランスウェイト５５とこれを被支持構造
物３２に垂下支持した弾性体５７（バランスウェイト５
５を弾性体５７により支持した振動系Ｂ）を、略図にて
表している。又、この図において、ＭA は被支持構造物
３２の質量を表しており、ＫA は振動減衰機構３３のス
プリングのばね定数（弾性係数）、ＣA はダンパの減衰
係数をそれぞれ表している。更に、ＭB はバランスウェ
イト５５の質量を表しており、ＫB は弾性体５７の弾性
係数、ＣB は弾性体５７の粘弾性による減衰係数をそれ
ぞれ表している。

【００３１】図６は、上述の振動系Ａと振動系Ｂの、振
動数を横軸に、応答倍率（振幅）を縦軸にとって、これ
らの関係を表している。このうち、ロの曲線は、弾性体
５７の粘弾性による減衰係数ＣB が無限大（ＣB ＝∞）
であったときの特性を表しており、振動系Ｂにおけるバ
ランスウェイト５５を剛体取付けした従来のものがこれ
である。この場合、振動系は、振動系Ａにバランスウェ
イト５５の質量ＭB を加えただけの１つとなり、これの
共振振動数ｆ3 に近い振動数を持つ外力が作用すること
で、振幅が大幅に増加してしまうことを表している。

【００３２】これに対して、イの曲線は、弾性体５７の
粘弾性による減衰係数ＣB がなし（ＣB ＝０）であった
ときの特性を表しており、振動系Ｂにおけるバランスウ
ェイト５５を弾性体５７の粘弾性なしで取付けたものが
これである。この場合、振動系は、振動系Ａ，Ｂの２つ
に分かれ（図中右側のイの曲線が振動系Ａの特性、左側
のイの曲線が振動系Ｂの特性を表している）、その各共
振振動数ｆ2 ，ｆ1に近い振動数を持つ外力が作用する
ことで、それぞれ振幅が大幅に増加してしまうことを表
している。

【００３３】そして、ハの曲線は、弾性体５７の粘弾性
による減衰係数ＣB が適正に大きく選定されたときの特
性を表している。この場合も、振動系は、振動系Ａ．Ｂ
の２つに分かれ（図中右側の“山”が振動系Ａの特性、
左側の“山”が振動系Ｂの特性を表している）、振動外
力に応じてピークが２つ現れるものの、それぞれ振幅が
大幅に抑止されて低減できることを表している。

【００３４】この振幅を大幅に抑止し低減するために
は、今一つ、弾性体５７の弾性係数ＫB （せん断方向）
を、振動系Ｂの固有振動数が脱水時のドラム３６の定常
回転速度とほゞ等しくなる数値に設定すると良い。この
場合、弾性体５７の弾性係数ＫB は、下記の式で求めら
れる。

【００３５】Ｋｄ＝（２πｆ）^２×Ｌ／ｎ …（１）Ｋｄ：弾性体５７の動的弾性係数ｆ：振動周波数＝脱水時のドラム３６の定常回転速度／
６０Ｌ：バランスウェイト５５の重量ｎ：弾性支持数ＫB ＝Ｋｄ／α α：１．２

【００３６】脱水時、ドラム３６が定常回転していると
きの振動数は、ドラム３６の定常回転速度と等しい。か
くして、本構成のものの場合、バランスウェイト５５の
弾性係数を、弾性体５７で支持した振動系の固有振動数
が脱水時のドラム３６の定常回転速度とほゞ等しくなる
数値に設定したことにより、振動減衰機構により支持し
た被支持構造物３２を通過してバランスウェイト５５に
作用する力が、外力を全く打ち消す逆向き（逆位相で周
期もほゞ一致）の振動となり、被支持構造物３２の振動
抑制に最も効果が出る。

【００３７】更に、バランスウェイト５５は、被支持構
造物３２の重心Ｇから前後方向に離間した位置に取付け
ている。これにより、被支持構造物３２の重量バランス
が一層良くなる上に、該被支持構造物３２の重心周りの
慣性モーメントが増し、被支持構造物３２の振幅を一層
低減することができる。

【００３８】加えて、バランスウェイト５５は、被支持
構造物３２の重心Ｇから左右の両方向に離間した位置に
も取付けている。これによっても、被支持構造物３２の
重量バランスが一層良くなる上に、該被支持構造物３２
の重心周りの慣性モーメントが増し、被支持構造物３２
の振幅を一層低減することができる。

【００３９】以上に対して、図７及び図８は本発明の第
２及び第３実施例を示すもので、それぞれ、第１実施例
と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、異
なる部分についてのみ述べる。

【００４０】［第２実施例］図７に示す第２実施例にお
いては、バランスウェイト５５を被支持構造物３２に弾
性体６１により支持して取付けるだけでなく、特には、
その弾性体６１に圧縮力が加わる構成で取付けるように
している。

【００４１】詳細には、弾性体６１に例えばゴム製の円
筒状部品を用い、これを前述の弾性体５７に代わって取
付板５６上に配置し、一方、取付板５６下に、スペーサ
カラー６２を介して、必要枚数積み重ねた単位ウェイト
５５ａ（バランスウェイト５５）を配置し、そして、下
方からバランスウェイト５５、スペーサカラー６２、取
付板５６、弾性体６１、及びワッシャ６３に、ボルト６
４を通して、ナット６５締めすることにより、弾性体６
１に圧縮力が加わる構成とし、この構成で、バランスウ
ェイト５５を取付板５６を介し被支持構造物３２に取付
けるようにしている。

【００４２】このようにすることにより、弾性体６１に
は圧縮方向の荷重のみが加わって、引張り方向の荷重が
加わらない。従って、弾性体６１に亀裂や破断を生じる
ストレスがかかることがなく、寿命、信頼性を高く得る
ことができる。

【００４３】［第３実施例］図８に示す第３実施例にお
いては、外箱３１にも、それ用のバランスウェイト７１
を、弾性体７２により支持して底板３１ａ上に取付板７
３を介して取付けている。この場合も、バランスウェイ
ト７１は、厚みのある鉄板もしくは板状のコンクリート
ブロックから成る単位ウェイト７１ａを必要枚数積み重
ねて成るもので、それを、取付板７３上に固着して設け
た複数（例えば４個）の弾性体７２の上に固着した上
で、取付板７３を介し外箱３１の底板３１ａ上に取付け
ている。弾性体７１は例えばゴム製の円柱状部品から成
っている。

【００４４】このものでは、第１実施例と同様の原理
で、外箱３１の振動をも抑制できる。すなわち、この場
合には、ドラム式洗濯機の全体が振動系Ａ（主振動系）
となり、バランスウェイト７１とこれを外箱２１に支持
した弾性体７２が振動系Ｂとなって、第１実施例と同様
の作用により、外箱３１の振動をも抑制できる。

【００４５】なお、この場合の、外箱３１の共振点は、
外箱３１の剛性や、脚４４に使用する弾性体の硬度より
決定され、機種によって多少変化するが、実質的にドラ
ム３６の回転で６００〜８００〔ｒｐｍ〕付近である。
従って、弾性体７２のばね係数（せん断方向）を、バラ
ンスウェイト７１を弾性体７２で支持した振動系Ｂが外
箱３１の左右振動の共振点で共振するよう、すなわち、
振動系Ｂの固有振動数が外箱３１の左右振動の脱水起動
時の振動数とほゞ等しくなる数値に設定することによ
り、特に脱水運転の起動時（６００〜８００〔ｒｐｍ〕
付近）で生じやすい外箱３１の左右方向の振動の抑制が
効果的にできる。このほか、本発明は上記し且つ図面に
示した実施例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸
脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。

【００４６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のドラム式
洗濯機によれば、脱水運転の起動時のみならず定常回転
時にも、振動減衰機構により支持された被支持構造物の
振幅を小さく抑えることができ、異常音や、ベローズの
擦れ、摩耗等の発生をもなくすことができて、静音化、
信頼性の向上を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示すドラム式洗濯機全体
の縦断正面図

【図２】ドラム式洗濯機全体の破断側面図

【図３】バランスウェイト部分の拡大破断正面図

【図４】バランスウェイト部分の拡大下面図

【図５】主要部分の概略正面図

【図６】特性図

【図７】本発明の第２実施例を示す図３相当図

【図８】本発明の第３実施例を示す図２相当図

【図９】従来例を示す図２相当図

【図１０】図３相当図

【図１１】図１相当図

【符号の説明】

３１は外箱、３２は被支持構造物、３３は振動減衰機
構、３４は水槽、３５はドラム軸、３６はドラム、３７
はモータ、５５はバランスウェイト、５７は弾性体、６
１は弾性体、７１はバランスウェイト、７２は弾性体を
示す。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】外箱の内部に、水槽と、これの内部に横軸状のドラム軸を介して回転可
能に配設したドラムと、このドラムを前記ドラム軸を介
して回転駆動するモータとを具備する被支持構造物を、
振動減衰機構により支持して配設すると共に、この被支持構造物の重量バランスをとるバランスウェイ
トを具備するものにおいて、そのバランスウェイトを、弾性体により支持して前記被
支持構造物に取付けたことを特徴とするドラム式洗濯
機。
【請求項２】弾性体の弾性係数を、バランスウェイト
を弾性体で支持した振動系の固有振動数が脱水時のドラ
ムの定常回転速度とほゞ等しくなる数値に設定したこと
を特徴とする請求項１記載のドラム式洗濯機。
【請求項３】バランスウェイトを、弾性体に圧縮力が
加わる構成で取付けたことを特徴とする請求項１記載の
ドラム式洗濯機。
【請求項４】バランスウェイトを、被支持構造物の重
心から前後方向に離間した位置に取付けたことを特徴と
する請求項１記載のドラム式洗濯機。
【請求項５】バランスウェイトを、被支持構造物の重
心から左右の両方向に離間した位置にそれぞれ取付けた
ことを特徴とする請求項１記載のドラム式洗濯機。
【請求項６】外箱にも、それ用のバランスウェイトを
弾性体により支持して取付けたことを特徴とする請求項
１記載のドラム式洗濯機。