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JP2003230621A - 医療機器用高圧蒸気滅菌システム及びその滅菌装置、並びにその滅菌方法 - Google Patents

医療機器用高圧蒸気滅菌システム及びその滅菌装置、並びにその滅菌方法

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JP2003230621A
JP2003230621A JP2002351630A JP2002351630A JP2003230621A JP 2003230621 A JP2003230621 A JP 2003230621A JP 2002351630 A JP2002351630 A JP 2002351630A JP 2002351630 A JP2002351630 A JP 2002351630A JP 2003230621 A JP2003230621 A JP 2003230621A
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pressure steam
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chamber
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高圧蒸気滅菌を行っても、湿気による医療機器
の内部部品の劣化を防止でき、医療機器の信頼性を向上
し医療機器の寿命を延長すること。 【手段】高圧蒸気滅菌装置41は、医療機器例えば内視
鏡を収納するチャンバ42と、給蒸装置43と、真空ポ
ンプ44と、制御部45とを備え、給蒸装置43はチャ
ンバ42内に蒸気を供給し、真空ポンプ44はチャンバ
42の内部を減圧し、制御部45は給蒸装置43及び真
空ポンプ44を制御する。高圧蒸気滅菌装置41は、チ
ャンバ42内を減圧する工程を含む第1の減圧工程と、
これに続く前記チャンバ42内を加圧する高圧蒸気滅菌
工程と、これに続く前記チャンバ42内を減圧する工程
を含む第2の減圧工程とを実行し、チャンバ内に収納し
た医療機器を高圧滅菌するようになっており、高圧蒸気
滅菌を行っても、湿気による医療機器の内部部品の劣化
を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟性の外装部材を
持つ医療機器に対して高圧蒸気滅菌を行うための医療機
器用高圧蒸気滅菌システム及びその滅菌装置、並びにそ
の滅菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、挿入部を体腔内等に挿入すること
によって体腔内の深部等を観察したり、必要に応じて処
置具を用いることにより治療処置等を行なうことのでき
る内視鏡が、医療分野において広く用いられるようにな
っている。このような医療機器としての内視鏡の場合に
は、使用した内視鏡を確実に消毒滅菌することが感染症
等を防止するために必要不可欠である。
【0003】従来の消毒滅菌処理は、エチレンオキサイ
ド等のガスや消毒液に頼っていたが、煩雑な作業が要求
される。また、この消毒滅菌処理は、滅菌後に機器に付
着したガスを取り除くためのエアレーションに時間がか
かるため、滅菌後すぐに使用できないという不都合があ
る。さらに、この消毒滅菌処理は、ランニングコストが
高いという問題がある。
【0004】そこで、最近の滅菌処理では、上記のよう
な煩雑な作業を伴わず、滅菌後、すぐに使用でき、しか
もランニングコストの安いオートクレーブ滅菌(高圧蒸
気滅菌)が医療機器では主流になりつつある。
【0005】このオートクレーブ滅菌の代表的な条件と
しては、米国規格協会承認、医療機器開発協会発行の米
国規格ANSI/AAMI ST37−1992があ
り、この条件としてはプレバキュームタイプで滅菌工程
132℃、4分、またグラビティタイプで滅菌工程13
2℃、10分になっている。オートクレーブ滅菌の温度
としては、一般的に115℃〜140℃の間で設定され
ることが多い。
【0006】一般的なプレバキュームタイプのオートク
レーブ滅菌工程には、滅菌対象の医療機器を収容した滅
菌室内を滅菌前に減圧(陰圧)するプレバキューム工程
と、その後に、滅菌室内に高圧高温水蒸気を送り込んで
滅菌処理を行う滅菌工程と、滅菌処理後、内視鏡を乾燥
させるために滅菌室内を再度減圧する乾燥工程とが含ま
れている。
【0007】プレバキューム工程は、その後に行われる
滅菌工程の際に医療機器の細部にまで蒸気を浸透させる
ための工程であり、滅菌室内を減圧することによって収
容された医療機器全体に高圧高温蒸気が行き渡るように
なる。尚、このプレバキューム工程は、エチレンオキサ
イドガスを使用するガス滅菌においても採用されてい
る。
【0008】プレバキューム工程及び乾燥工程における
滅菌室内の圧力は、大気圧に対して−0.07MPa程
度である。一方、滅菌工程時の圧力は、大気圧に対して
+0.2MPa程度に設定される場合が多い。
【0009】一般に、挿入部に柔軟性を有する内視鏡や
湾曲部を有する湾曲付き内視鏡の場合は、柔軟性を有す
る挿入部や湾曲部の外装部材として、ゴム、エラストマ
ー等の柔軟な高分子材料を素材とする外皮チューブが使
用されている。また、内視鏡は、薬液浸漬を可能とする
ために全体を水密に密閉できる構造となっている。
【0010】したがって、内視鏡を水密状態を保持した
ままの状態でオートクレーブ滅菌処理を行った場合は、
プレバキューム工程等の減圧工程の際に、内視鏡の外装
の中で最も柔軟な外皮チューブが膨出し易くなり、耐久
性が損なわれる虞れがある。同様に、内視鏡を構成する
部品間の接合部の比較的弱い部分が内視鏡の内側と外側
との圧力差の影響を受けることにより、耐久性が低下し
てしまう。
【0011】このことに対応して、日本国特許公開20
01−70226号公報には、オートクレーブ滅菌前
に、内視鏡の周辺機器との接続部であるカメラコネクタ
7に逆止弁キャップを装着する技術が開示されている。
この従来の技術の場合、オートクレーブ滅菌前の減圧工
程において内視鏡内圧が相対的に上昇すると、逆止弁キ
ャップに設けた逆止弁が開放し、内圧の相対的な上昇が
防止される。また、オートクレーブ滅菌は、内視鏡内圧
よりも高い圧力下で行われるため、逆止弁が密閉され、
高圧高温水蒸気の積極的な侵入を阻止することができ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記日
本国特許公開2001−70226号公報に記載の内視
鏡では、高圧蒸気滅菌前のプレバキューム工程における
減圧による圧力と、高圧蒸気滅菌工程後の乾燥工程にお
ける減圧による圧力がほぼ同じ圧力であるため、高圧蒸
気滅菌後の内視鏡内部の圧力は、プレバキューム工程に
て減圧された圧力が保持されることになり、乾燥工程に
おける減圧時に、内視鏡内部と外部との間で圧力差がほ
とんど生じないことから、内視鏡に設けられた逆止弁は
開かないか、開いても一瞬であるため内視鏡の内部の乾
燥ができなかった。このため、高圧蒸気滅菌工程にて挿
入部の外皮樹脂やOリング等から透湿した水分が蓄積
し、内視鏡の内部部品が劣化するという不具合があっ
た。
【0013】例えば、画像処理装置等の外部装置との電
気的接続部付近に水分があると、これらに接続して使用
した際に水分により接点部がショートして、内視鏡およ
び外部装置が電気的に破壊する虞れがあった。
【0014】本発明は、上記事情に鑑み、高圧蒸気滅菌
を行っても、湿気による医療機器の内部部品の劣化など
の不具合を防止できる医療機器用高圧蒸気滅菌システム
及びその滅菌装置、並びにその滅菌方法を提供すること
を目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明における医療機器
用高圧蒸気滅菌システムは、医療機器の内部と外部とを
連通する連通口と、この連通口に連通した前記医療機器
の内部の圧力が外部の圧力よりも一定以上高くなったと
きのみに開く逆止弁を有する圧力調整手段とが設けられ
た前記医療機器を滅菌するための高圧蒸気滅菌装置を含
む医療機器用高圧蒸気滅菌システムであって、前記高圧
蒸気滅菌装置は、この高圧蒸気滅菌装置のチャンバ内を
減圧する工程を含む第1の減圧工程と、この第1の減圧
工程に続けて前記チャンバ内を加圧する高圧蒸気滅菌工
程と、この高圧蒸気滅菌工程に続けて前記チャンバ内を
減圧する工程を含む第2の減圧工程と、を実行するよう
に構成され、前記第2の減圧工程に含まれる少なくとも
1つの減圧工程における圧力を、前記第1の減圧工程に
おける最低圧力よりも低い圧力としたことを特徴とす
る。
【0016】また、本発明における医療機器の高圧蒸気
滅菌方法は、医療機器を収納した高圧蒸気滅菌装置のチ
ャンバ内を減圧する工程を含む第1の減圧工程と、この
第1の減圧工程に続けて前記チャンバ内を加圧する高圧
蒸気滅菌工程と、この高圧蒸気滅菌装置に続けて前記チ
ャンバ内を減圧する工程を含む第2の減圧工程と、を有
する医療機器の高圧蒸気滅菌方法において、前記高圧蒸
気滅菌装置の前記第2の減圧工程に含まれる少なくとも
1つの減圧工程における圧力を、前記第1の減圧工程に
おける最低圧力よりも低い圧力としたことを特徴とす
る。
【0017】さらに、本発明における医療機器用高圧蒸
気滅菌装置は、被滅菌対象である医療機器を内部に収納
して密閉可能に構成されたチャンバと、このチャンバの
内部の圧力を減圧する真空ポンプと、前記チャンバの内
部に蒸気を供給する蒸気供給装置と、前記真空ポンプと
前記蒸気供給装置の動作を制御する制御部とが設けられ
た前記医療機器を滅菌するための高圧蒸気滅菌装置であ
って、前記制御部は、前記真空ポンプを動作させること
で前記チャンバの内部を減圧するプレバキューム工程
と、前記真空ポンプの動作を停止させて前記プレバキュ
ーム工程の終了した後に、前記蒸気供給装置を動作させ
て前記チャンバの内部に蒸気を供給させることで前記チ
ャンバの内部を加圧する高圧蒸気滅菌工程と、前記蒸気
供給装置の動作を停止させて前記高圧蒸気滅菌工程を終
了した後に、前記真空ポンプを動作させて前記チャンバ
の内部を減圧させることで前記チャンバの内部に収容さ
れた前記医療機器を乾燥させる乾燥工程とを実行し、さ
らに、前記制御部は、前記乾燥工程における最低圧力
を、前記プレバキューム工程における最低圧力よりも低
い圧力となるように前記真空ポンプの動作を制御するこ
とを特徴とする。
【0018】また、本発明における医療機器の高圧蒸気
滅菌方法は、被滅菌対象である医療機器が収納されたチ
ャンバの内部の圧力を真空ポンプで減圧するプレバキュ
ーム工程と、前記プレバキューム工程の終了後に、前記
チャンバの内部に蒸気を供給する蒸気供給装置を動作さ
せて前記チャンバの内部に蒸気を供給させることで前記
チャンバの内部を加圧して前記医療機器を滅菌する高圧
蒸気滅菌工程と、前記高圧蒸気滅菌工程の終了後に、前
記真空ポンプを動作させて前記チャンバの内部を減圧さ
せることで前記チャンバに収容された前記医療機器を乾
燥させる乾燥工程と、を有し、前記乾燥工程における最
低圧力は、前記プレバキューム工程において設定される
最低圧力よりも低い圧力となるように前記真空ポンプの
動作を制御されることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0020】(第1の実施の形態)図1ないし図7は本
発明の第1の実施の形態に係り、図1に内視鏡装置の全
体構成を示す説明図、図2は内視鏡の圧力調整部の断面
図、図3は内視鏡の電気コネクタ部の断面図、図4は内
視鏡を高圧蒸気滅菌するための高圧蒸気滅菌装置の構成
を示すブロック図、図5は高圧蒸気滅菌装置の高圧蒸気
滅菌工程における圧力制御方法を示す説明図、図6は圧
力調整部の動作を示す説明図、図7は加圧口金による圧
力調整部への加圧を示す説明図である。
【0021】(構成)図1に示すように、内視鏡装置1
は、内視鏡2と、光源装置3と、ビデオプロセッサ5
と、モニタ6とから構成されている。内視鏡2は撮像手
段を備えている。光源装置3は、内視鏡2に着脱自在に
接続されて、内視鏡2に設けられたライトガイドに照明
光を供給するようになっている。ビデオプロセッサ5
は、信号ケーブル4を介して内視鏡2と接続されて内視
鏡2の撮像手段を制御すると共に、撮像手段から得られ
た信号を処理する。モニタ6は、ビデオプロセッサ5か
ら出力される被写体像に対応する映像を表示するもので
ある。
【0022】内視鏡2は、挿入部7と、操作部8と、連
結コード9と、コネクタ部10と、電気コネクタ部11
とを有している。前記挿入部7は、可撓性を有し細長に
形成されている。前記操作部8は、挿入部7の基端側に
接続されている。連結コード9は、可撓性を有し、操作
部8の側部から延出している。コネクタ部10は、連結
コード9の端部に設けられ、前記光源装置3と着脱自在
の状態で接続されるようになっている。電気コネクタ部
11は、コネクタ部10の側部に設けられ、前記ビデオ
プロセッサ5に接続された前記信号ケーブル4が着脱自
在の状態で接続可能になっている。
【0023】電気コネクタ部11には、内視鏡2の内部
と外部とを連通する図3に後述の通気部が設けられてい
る。挿入部7と操作部8の接続部には、この接続部の急
激な曲がりを防止する弾性部材を有する挿入部側折れ止
め部材12が設けられている。操作部8と連結コード9
の接続部にも挿入部側折れ止め部材12と同様の操作部
側折れ止め部材13が設けられている。さらに、連結コ
ード9とコネクタ部10の接続部にも挿入部側折れ止め
部材12と同様のコネクタ部側折れ止め部材14が設け
られている。
【0024】前記挿入部7は、基端側から順に、可撓管
部15、湾曲部16、先端部17を連結して構成されて
いる。可撓管部15は、可撓性を有し柔軟に形成されて
いる。湾曲部16は、可撓管部15の先端側に設けら
れ、操作部8の操作により湾曲可能になっている。前記
先端部17には、空気・水送り口であるところの送気送
水ノズルと、吸引口と、送液口と、観察光学系と、照明
光学系とが設けられている。
【0025】前記送気送水ノズルは、観察光学系の外表
面の光学部材に向けて洗浄液体や気体を噴出する。吸引
口は、挿入部7に配設された処置具を挿通したり体腔内
の液体を吸引するための処置具チャンネルの先端側の開
口部である。送液口は、観察対象物に向けて開口してお
り、観察対象物に向けて液体を噴出するための開口部に
なっている。
【0026】コネクタ部10には、気体供給口金21
と、送水タンク加圧口金23と、液体供給口金24と、
吸引口金25と、注入口金26と、アース端子口金27
とが設けられている。
【0027】気体供給口金21は、光源装置3に内蔵さ
れた図示しない気体供給源と着脱自在に接続するように
なっている。送水タンク加圧口金23及び液体供給口金
24は、液体供給源である送水タンク22と着脱自在に
接続するようになっている。吸引口金25は、先端部1
7に形成した前記吸引口より吸引を行うための図示しな
い吸引源と接続するようになっている。注入口金26は
先端部17に形成した送液口より送水を行うための図示
しない送水手段と接続するようになっている。アース端
子口金27は、高周波処置等を行うことにより内視鏡2
に高周波漏れ電流が発生した場合に、漏れ電流を高周波
処置装置に帰還させるようになっている。
【0028】操作部8には、送気送水操作ボタン28
と、吸引操作ボタン29と、湾曲操作ノブ30と、複数
のリモートスイッチ31と、処置具挿入口32とが設け
られている。
【0029】送気送水操作ボタン28は、送気操作また
は送水操作を行う場合の操作部であり、術者が押圧する
ことにより、先端部17に形成した送気送水ノズルから
送気または送水が行えるようになっている。吸引操作ボ
タン29は、吸引操作を行う場合の操作部であり、術者
が押圧することにより、先端部17に形成した吸引口に
よる吸引が行えるようになっている。
【0030】湾曲操作ノブ30は、前記湾曲部16の湾
曲操作を行うための操作部になっている。複数のリモー
トスイッチ31は、前記ビデオプロセッサ5を遠隔操作
するための操作部になっている。処置具挿入口32は前
記処置具チャンネルに連通した基端側の開口である。
【0031】また、内視鏡2の電気コネクタ部11に
は、防水キャップ33が着脱自在に接続可能である。コ
ネクタ部10には圧力調整部79が設けられている。
【0032】高圧蒸気滅菌の際には、前記内視鏡2を収
納する滅菌用収納ケース34を用いている。この収納ケ
ース34は、トレイ35と、蓋部材36から構成されて
いる。トレイ35と蓋部材36には複数の図示しない通
気孔が設けられており、この孔を通じて水蒸気が透過で
きるようになっている。
【0033】高圧蒸気滅菌の代表的な条件としては、前
述したように米国規格協会承認、医療機器開発協会発行
の米国規格ANSI/AAMI ST37−1992で
は、プレバキュームタイプの滅菌工程132 ℃で4
分、グラビティタイプの滅菌工程132 ℃で10分と
されている。
【0034】次に、図2を用いて内視鏡2のコネクタ部
10に設けられた圧力調整部79の構成について詳細に
説明する。
【0035】図2に示すように、圧力調整部79は、内
視鏡2の内部の圧力を調整する圧力調整手段となってい
る。圧力調整部79は、内視鏡2のコネクタ部10に形
成されたねじ孔91に口金本体60のねじ部92を螺入
することにより、コネクタ部10に固定されている。
【0036】圧力調整部79は、口金本体60内部に開
閉弁体61を移動可能に内嵌し、バネ62が開閉弁体6
1を図中上方向に付勢している。バネ62はバネ受け部
材63にて抜け止めが図られている。バネ受け部材63
には貫通穴64が形成されている。
【0037】開閉弁体61は、シール面65、通気溝6
6及び通気溝78を有する。口金本体60にはシール面
65と当接する当接面67が形成されている。当接面6
7にはOリング溝68が設けられている。Oリング溝6
8にはOリング69が配設されている。Oリング69は
シール面65を水密的にシールしている。
【0038】開閉弁体61の内周側には、逆止弁体70
が移動可能に内嵌し、バネ71が逆止弁体70を図中下
方に付勢している。バネ71はバネ受け部材72にて抜
け止めが図られている。開閉弁体61はシール面73を
有する。逆止弁体70には、前記シール面73と当接す
る当接面74が形成されている。当接面74にはOリン
グ溝75が設けられている。Oリング溝75にはOリン
グ76が配設されている。逆止弁体70には、通気溝7
7が設けられている。Oリング76はシール面73を水
密的にシールしている。
【0039】このような構成により、貫通穴64は内視
鏡2の内部と外部とを連通する連通口となっている。逆
止弁体70は、この連通口に連通した前記内視鏡2の内
部の圧力が外部の圧力よりも一定以上高くなったときの
みに開く逆止弁となっている。
【0040】次に、図3を用いて、内視鏡2の電気コネ
クタ部11を詳細に説明する。図3に示すように、電気
コネクタ部11は、図1の内視鏡2に検査時に接続され
る電気的接続部を具備している。即ち、電気コネクタ部
11には、電気接点38を支える絶縁部材39に内視鏡
2の内部と外部とを連通する貫通穴である連連口37が
設けられている。又、電気コネクタ部11の電気コネク
タ口金40は、この連通口37を水密的に閉塞する図1
の防水キャップ33が着脱自在に接続可能に形成されて
いる。
【0041】次に、図4を用いて内視鏡2を高圧蒸気滅
菌するための高圧蒸気滅菌装置41の構成を示す。図4
に示すように、高圧蒸気滅菌装置41は、チャンバ42
と、給蒸装置43、真空ポンプ44と、制御部45とが
設けられている。前記チャンバ42は、内部に内視鏡2
を収納して密閉可能に構成された収納手段である。前記
給蒸装置43は、前記チャンバ42の内部に蒸気を供給
するための蒸気供給手段である。真空ポンプ44はチャ
ンバ42の内部を減圧するための減圧手段である。制御
部45は、給蒸装置43及び真空ポンプ44の動作を制
御するために設けられたCPU等の制御手段である。
【0042】高圧蒸気滅菌装置41は、この高圧蒸気滅
菌装置41のチャンバ42内を減圧する工程を含む第1
の減圧工程と、これに続く前記チャンバ42内を加圧す
る高圧蒸気滅菌工程と、これに続く前記チャンバ42内
を減圧する工程を含む第2の減圧工程とを行えるように
なっている。
【0043】次に、図5を用いて高圧蒸気滅菌装置41
の高圧蒸気滅菌工程における圧力制御方法を示す。
【0044】図5の制御部45は以下のような制御を行
うよう構成されている。図5に示すように、先ず、高圧
蒸気滅菌装置41は、一般的にプレバキューム工程と呼
ばれる、第1の減圧工程を行う。このプレバキューム工
程では、真空ポンプ44によりチャンバ42内が減圧さ
れ、チャンバ42内の圧力は一般的には大気圧に対して
−0.07MPa〜−0.09MPa程度に設定され
る。本例では−0.07MPaに設定されている。
【0045】本実施の形態では、このプレバキューム工
程において、3回の減圧及び大気圧への昇圧を繰り返
し、合計3回の−0.07MPaの減圧工程を実施す
る。この工程は、後の滅菌工程時に滅菌対象機器の細部
にまで蒸気を浸透させるための工程であり、チャンバ4
2内を減圧させることによって滅菌対象機器全体に高圧
高温蒸気が行き渡るようになる。
【0046】次に、高圧蒸気滅菌装置41は、高圧蒸気
滅菌工程を行う。この高圧蒸気滅菌工程では、給蒸装置
43によりチャンバ42内に高温高圧の蒸気が供給さ
れ、かつチャンバ42内の圧力は一般的には大気圧に対
して+0.2MPa程度に設定される。尚、滅菌工程時
の温度条件については高圧蒸気滅菌装置の形式や滅菌工
程の時間によって異なるが、一般的には115℃から1
38℃程度の範囲で設定される。場合によっては、14
2℃程度に設定可能なものとしてよい。時間条件につい
ては滅菌工程の温度条件によって異なるが、一般的には
3分〜60分程度に設定される。場合によっては滅菌工
程の時間を100分程度に設定する場合もある。
【0047】次に滅菌後の滅菌対象機器を乾燥させるた
めに、滅菌工程後にチャンバ42内を再度減圧状態にす
る乾燥工程と呼ばれる第2の減圧工程を行う。この工程
では、再度真空ポンプ44によりチャンバ42内を減圧
して、滅菌室内から蒸気を排除して滅菌室内の滅菌対象
機器の乾燥を促進する。この工程における滅菌室内の圧
力は前記第1の減圧工程での圧力−0.07MPa以下
に設定されている。
【0048】本実施の形態では、この乾燥工程におい
て、3回の減圧及び大気圧までの昇圧を繰り返し、合計
3回の減圧工程を行う。
【0049】この乾燥工程における1回目の減圧工程は
−0.08MPa、2回目の減圧工程は−0.085M
Pa、3回目の減圧工程は−0.09MPaに設定され
ている。これらの圧力は第1の減圧工程における最低圧
力より低く、かつ乾燥工程内におけるその前の減圧工程
時の圧力よりも低い圧力となるようにそれぞれ設定され
ている。
【0050】まず、本実地の形態の要部となる部分の作
用及び効果について以下に説明する。 (作用)内視鏡2を高圧蒸気滅菌する際には、電気コネ
クタ部11に防水キャップ33を取り付け、連通口37
が塞がれて、内視鏡2の内部は外部と水密的に閉塞され
る。
【0051】第1の減圧工程としてのプレバキューム工
程では、制御部45の制御により真空ポンプ44が駆動
されてチャンバ42内が減圧される。この際、内視鏡2
の内外の圧力差に応じて図6に示すように、コネクタ部
10に設けられた圧力調整部79の逆止弁体70に水密
状態の内視鏡2の内部から外部に向けた力が作用し、逆
止弁体70はバネ71の付勢力に抗して図中上方に、口
金本体60に当接するまで移動し、Oリング76がシー
ル面73から離れて、通気溝77,78を介して、内視
鏡2の内部と外部が連通する。これにより内視鏡2の内
部とチャンバ42に大きな圧力差が生じるのを防ぐ。こ
のことにより、内視鏡2の湾曲部16を被覆する軟性薄
肉の被覆部材等の外装部材が、内部と外部の圧力差によ
って破損することがない。
【0052】内視鏡2の内外の圧力が略等しくなった所
で、バネ71の付勢力によって逆止弁体70は移動し
て、Oリング76によってシール面73の内部側と外部
側の間が閉塞される。この際、内視鏡2の内部はプレバ
キューム工程の減圧力−0.07MPaと略同じに保た
れる。但し、内視鏡2の内部の圧力とプレバキューム工
程の減圧力の間にはバネ71の付勢力分の差がある。 次に、高圧蒸気滅菌工程が行われる。給蒸装置43によ
り、チャンバ42内に高温高圧の蒸気が供給され、チャ
ンバ42内は、大気圧に対して+0.2MPa程度に加
圧される。この際、図2において逆止弁体70は図中下
方に付勢され、開閉弁体61はバネ62の付勢力により
図中上方に付勢され、Oリング76、Oリング69によ
り内視鏡2の内部は水密にシールされる。内視鏡2の内
部はプレバキューム工程による−0.07MPaに保た
れる。
【0053】次に、第2の減圧工程としての乾燥工程が
行われる。1回目の減圧工程では、制御部45の制御に
より真空ポンプ44が駆動されて、チャンバ42内が−
0.08MPaまで減圧される。この圧力は、この時点
で保たれている内視鏡2の内部圧力である−0.07P
aよりも低い。このため、前述のプレバキューム工程と
同様の作用にて、逆止弁体70が開き、内視鏡2の内部
の気体が内視鏡2の外部に放出される。そして、内視鏡
2の内外の圧力が略等しくなった所で、逆止弁体70が
閉じる。この際内視鏡2の内部は−0.08MPaと略
同じに保たれる。次に大気圧までチャンバ42内は昇圧
する。
【0054】2回目の減圧工程では、制御部45の制御
により真空ポンプ44が駆動されて、チャンバ42内が
−0.085MPaまで減圧される。
【0055】上記と同様により、逆止弁体70が開き内
視鏡2内部の気体が外部に放出される。そして、内視鏡
2の内外の圧力が略等しくなった所で、逆止弁体70が
閉じる。この際内視鏡2の内部は−0.085MPaと
略同じに保たれる。次にチャンバ42内は大気圧まで昇
圧する。
【0056】3回目の減圧工程では、制御部45の制御
により真空ポンプ44が駆動されて、チャンバ42内が
−0.09MPaまで減圧される。
【0057】上記と同様により、逆止弁体70が開き内
視鏡2の内部の気体が外部に放出される。そして、内視
鏡2の内外の圧力が略等しくなった所で、逆止弁体70
が閉じる。この際内視鏡2の内部は−0.09MPaと
略同じに保たれる。
【0058】高圧蒸気滅菌工程にて内視鏡2の内部に侵
入した湿気は、乾燥工程において逆止弁体70が開くこ
とで、内視鏡2の外部へ放出され、内視鏡2の内部の乾
燥が行われる。乾燥工程では、繰り返し逆止弁体70が
開くことで、内視鏡2の内部の湿気の放出と内部の乾燥
が繰り返し行われる。以上により高圧蒸気滅菌を終了す
る。
【0059】(効果)このような第1の実施の形態によ
れば、高圧蒸気滅菌工程の後の第2の減圧工程に含まれ
る少なくとも1つの減圧工程における圧力を、高圧蒸気
滅菌工程の前の前記第1の減圧工程における最低圧力よ
りも低い圧力としたので、第2の減圧工程に含まれる少
なくとも1つの減圧工程において、前記内視鏡2の内部
の圧力を外部の圧力よりも一定以上高くでき、これによ
り逆止弁体70を確実に開くことができ、この逆止弁体
70を介して内視鏡2の内部の乾燥を行うので、高圧蒸
気滅菌を行っても、湿気による内視鏡2の内部部品の劣
化を防止できる。これにより、繰り返し高圧蒸気滅菌を
行っても、内視鏡2の内部に湿気が蓄積されず、湿気に
よる内部部品の劣化がない、高圧蒸気滅菌方法、高圧蒸
気滅菌装置及び内視鏡装置が提供できる。これにより、
内視鏡の信頼性を向上し内視鏡の寿命を延長できる。
尚、前記第2の減圧工程における複数回の減圧工程は1
回のみでも良い。又、高圧滅菌をする医療機器としては
内視鏡に限らず、圧力調整部79を設ければ、軟性の外
装部材を持ついかなる医療機器に適用しても良いもので
ある。
【0060】次に、第1の実施の形態の残りの作用及び
効果について以下に説明する。 (作用)また、第1の実施の形態では、内視鏡2を検査
に使用する前には、電気コネクタ部11から防水キャッ
プ33を取り外す。これにより連通口37によって内視
鏡2の内部と外部が連通して、内視鏡2の内部の減圧状
態が解除され内視鏡2の外装体にかかっていた負荷がな
くなる。これにより長期間にわたって内視鏡2の外装体
に負荷がかかり続けることがない。
【0061】また、第1の実施の形態では、検査時に必
ず内視鏡2に接続する外部機器である信号ケーブル4、
ビデオプロセッサ5との接続部である電気コネクタ部1
1に連通口37を設ける構成としたため防水キャップ3
3を取り外すことを忘れることがなく、確実に内視鏡2
の内部の減圧状態が解除される。これにより、外装体が
破損することがない。即ち、検査中は必ず内視鏡2の内
部と外部が連通し、内視鏡2の内部の乾燥が確実に行え
る。また、湾曲部16に設けられた軟性の湾曲被覆ゴム
に負荷がかかっていないため、湾曲操作に影響を与えな
い。
【0062】また、第1の実施の形態では、圧力調整部
79が内視鏡2に一体に形成されているため、高圧蒸気
滅菌時に圧力調整部79を取り付け忘れることがなく、
減圧工程による内視鏡2の破損を確実に防止できる。ま
た、第1の実施の形態では、検査が終了し、内視鏡2を
洗浄する前に内視鏡2に破損がないかを調べるためのリ
ーク検査を行う。この際、電気コネクタ部11に防水キ
ャップ33を取り付け連通口37を閉塞する。そして図
7に示すように図示しない加圧源に接続された加圧口金
47を圧力調整部79に接続する。加圧口金47を圧力
調整部79に接続すると、押圧部材48が、バネ62の
付勢力に抗して逆止弁体70及び開閉弁体61を図中下
方に押し下げる。これによりシール面65がOリング6
9から離れて通気溝77、通気溝66を介して内視鏡2
の内部と加圧口金47とが連通して内視鏡2内の加圧が
行える。作業者はこのように加圧した内視鏡2を水没し
てリーク検査を行う。
【0063】このように、内視鏡2のコネクタ部10に
は、リーク検査時に内視鏡2の内部を加圧するため開閉
弁(開閉弁体61)と、高圧蒸気滅菌時に内視鏡2内部
より外部の圧力が低いときに開く圧力調整弁(逆止弁体
70)とを一体に設けたことで、リーク検査時に逆止弁
体70が開かなくするような特別な構成や操作が不要と
なる。
【0064】リーク検査の際に防水キャップ33を取り
付け忘れると、連通口37から加圧した気体が漏れて防
水キャップ33の付け忘れに気付く。これにより、高圧
蒸気滅菌前に連通口37を閉塞するための部材を取り付
けるのを忘れることがなく、内視鏡2の内部に蒸気が入
って内視鏡2が破損するのを確実に防止できる。
【0065】また、第1の実施の形態では、リーク検査
や、洗浄や、高圧蒸気滅菌の際に防水することが必要な
電気接点38を有する電気コネクタ部11に連通口37
を設けたことで、これらの際に連通口37を閉塞するた
めの部材と電気コネクタ部11を閉塞するための部材と
を兼ねることができる。又、内視鏡2は、同様の外部機
器と接続される高圧蒸気滅菌対応でない内視鏡と同一の
防水キャップ33を共用することができる。 (効果)第1の実施の形態によれば、高圧蒸気滅菌の際
に圧力調整部79の取り付け忘れがなく、高圧蒸気滅菌
の際に連通口37を閉塞する防水キャップ33の取り付
け忘れがなく、高圧蒸気滅菌の後に防水キャップ33の
取り外し忘れがなく、リーク検査の際に圧力調整部79
を閉塞しておくための操作が不要であり、高圧蒸気滅
菌、洗浄、リーク検査の際に電気コネクタ部11の閉塞
と連通口37の閉塞が同時に行える。よって、第1の実
施の形態によれば、作業性の良い内視鏡が提供できる。
【0066】また、第1の実施の形態によれば、同様の
外部機器と接続される高圧蒸気滅菌対応でない内視鏡と
同一の防水キャップ33を共用することで互換性の良い
内視鏡を提供できる。
【0067】尚、前記連通口37は内視鏡2の光源装置
3との接続部近傍や、操作部8に設けて連通口37を閉
塞するための防水キャップ33のような閉塞部材を取り
付け可能にしても良い。光源装置3との接続部近傍に設
けた場合にも検査時に光源装置3と内視鏡2とを接続す
るために確実に閉塞部材は外されることになるし、操作
部8に設けた場合にも術者が操作部8を把持して操作を
行うために閉塞部材は確実に外されるため、確実に内視
鏡2内部の減圧状態が解除される。
【0068】図8は図1乃至図7に示した内視鏡の内部
を強制的に換気する換気手段を示す説明図である。 (構成)図8に示すように、内視鏡2の圧力調整部79
には換気手段50が着脱自在に接続可能である。換気手
段50は、接続口金51、チューブ52、三方活栓53
及びシリンジ54から形成されている。前記三方活栓5
3の一端の開口部55は大気に開放している。接続口金
51は、前記加圧口金47と同様の構造で、圧力調整部
79に着脱自在で、圧力調整部79に接続時に内視鏡2
の内部と連通する構成である。
【0069】(作用)内視鏡2の内部を強制的に換気す
る際には、内視鏡2の電気コネクタ部11に防水キャッ
プ33を取り付けて連通口37を閉塞する。次に、圧力
調整部79に接続口金51を接続し、内視鏡2の内部と
連通させる。次に、三方活栓53により接続口金51と
シリンジ54を連通させる。次に、三方活栓53を矢印
Aに切り替えて、シリンジ54により内視鏡2内の気体
を吸引する。次に、三方活栓53を矢印Bに切り替え
て、接続口金51と開口部55を連通させる。これによ
り、減圧されている内視鏡2の内部に開口部55から大
気が流入して内視鏡2の内部が換気される。この作業を
繰り返して内視鏡2の内部を換気する。
【0070】(効果)換気手段50によれば、容易に内
視鏡2の内部を換気でき、高圧蒸気滅菌後に内視鏡2の
内部に溜まった湿気を除去できる。
【0071】図9は図8に示した換気手段50の第1の
変形例を示す説明図である。図9に示すように、換気手
段50bは開口部55に前述したリーク検査に用いる送
気ポンプ49等の加圧源を接続している。この構成の場
合には、シリンジ54により内視鏡2内の気体を吸引し
た後、三方活栓53を矢印Bに切り替えて、送気ポンプ
49にて内視鏡2内に外気を強制的に流入させ、内視鏡
2の内部を換気する。
【0072】このような換気手段50bによれば、図9
に示した換気手段50と同様の効果が得られるととも
に、送気ポンプ49にて内視鏡2内に外気を強制的に流
入させるので、内視鏡2の内部の換気効率がさらに向上
する。
【0073】図10は図8に示した換気手段50の第2
の変形例を示す説明図である。図10に示すように、換
気手段50cは、チューブ52aに気体の圧送、吸引動
作が切り替え可能なローラーポンプ49bを接続してい
る。この構成の場合には、ローラーポンプ49bにより
内視鏡2内の気体の吸引と、外気の内視鏡2内への圧送
を繰り返して内視鏡2の内部を換気する。このような換
気手段50bによれば、図9に示した換気手段50aと
同様の効果が得られる。
【0074】(第2の実施の形態)図11は本発明の第2
の実施の形態に係る内視鏡及び内視鏡の内部を強制的に
換気する換気手段を示す説明図である。図11の説明に
おいては、図1ないし図7に示した第1の実施の形態と
同様の構成要素には同じ符号を付して説明を省略してい
る。
【0075】(構成)図11に示すように、第1の実施
の形態における圧力調整部79は内視鏡102の操作部
108に設けられている。第2の実施の形態では、圧力
調整部79はコネクタ部110に設けていない。内視鏡
102の挿入部107の内部には換気チューブ56が挿
入されている。圧力調整部79には換気チューブ56の
基端側が接続されている。換気チューブ56は、挿入部
107の先端部に開口部56aを有している。
【0076】(作用)内視鏡102の内部を強制的に換
気する際には、内視鏡102の電気コネクタ部11から
防水キャップ33を取り外して連通口37を開放した状
態とする。次に、圧力調整部79に前記加圧源に接続さ
れた加圧口金47を接続する。次に、加圧源により内視
鏡102の内部に気体を圧送する。圧送された気体は圧
力調整部79、換気チューブ56を介して挿入部107
の先端部に送られた後、挿入部107、操作部8、連結
コード9、コネクタ部110の内部を通り、電気コネク
タ部11の連通口37より内視鏡102の外部に放出さ
れる。これにより内視鏡102の内部が換気される。
【0077】(効果)このような第2の実施の形態によ
れば、開口部56aと連通口37をそれぞれ離して、そ
れぞれ内視鏡102の一方及び他方の端部に設けている
ため、容易に内視鏡102の内部全体を確実かつ早く換
気でき、高圧蒸気滅菌後に内視鏡102の内部に溜まる
湿気を除去でき、内視鏡102の耐久性が向上する。
【0078】尚、圧力調整部79に加圧源のかわりに吸
引ポンプを設けて、内視鏡102の内部の気体を吸引し
つつ連通口37から外気を導入して、内視鏡102の内
部を換気する構成としても良い。
【0079】(第3の実施の形態)図12は本発明の第3
の実施の形態に係る内視鏡及び内視鏡の内部を強制的に
換気する換気手段を示す説明図である。図12の説明に
おいては、図11に示した第2の実施の形態と同様の構
成要素には同じ符号を付して説明を省略している。
【0080】(構成)図12に示すように、吸引ポンプ
57には、構成が防水キャップ33に類似で、前記電気
コネクタ部11に着脱可能に接続可能な接続口金58が
設けられている。
【0081】(作用)内視鏡102の内部を強制的に換
気するには、電気コネクタ部11に接続口金58を接続
する。この後、吸引ポンプ57により連通口37から内
視鏡102内部の気体を吸引するとともに、加圧源より
内視鏡102内部に外気を圧送して内視鏡102の内部
を換気する。 (効果)このような変形例によれば、吸引ポンプ57を
用いることで、さらに容易に内視鏡102の内部を換気
でき、高圧蒸気滅菌後に内視鏡102の内部に溜まる湿
気を除去でき、内視鏡102の耐久性が向上する。
【0082】尚、内視鏡102に排気口を複数設けて、
これらの位置の中間部分に送気口を設け、送気口に送気
源または吸引源を接続して送気又は吸引を行い、排気口
から排気若しくは気体を導入する構成としても良い。こ
の場合は換気の時間が短縮される。
【0083】尚又、第1乃至第3の実施の形態の換気手
段である送気ポンプや吸引ポンプと、これらと内視鏡と
を接続する手段を高圧蒸気滅菌装置に内蔵して、装置内
にて高圧蒸気滅菌後に内視鏡の内部を強制的に換気する
動作を自動的に行う制御をするよう構成しても良い。
【0084】(第4の実施の形態)図13ないし図16は
本発明の第4の実施の形態に係り、図13は内視鏡装置
の全体構成を示す説明図、図14は電気コネクタ部の正
面図、図15電気コネクタ部の断面図、図16は湿度制
御部の制御を示すフローチャートである。図13ないし
図16の説明においては、図1ないし図7に示した第1
の実施の形態と同様の構成要素には同じ符号を付して説
明を省略している。
【0085】(構成)以下、図13ないし図15を用い
て、内視鏡202の電気コネクタ部211が乾燥されて
いない場合にビデオプロセッサ205から内視鏡202
への通電を防止する構成を示す。図13に示すように、
信号ケーブル204の電気コネクタ部211との接続部
204aには、電気コネクタ部211に接続された際
に、電気コネクタ部211内に突出する湿度センサ59
が設けられている。
【0086】ビデオプロセッサ205は湿度センサ59
に接続された湿度制御部20を有する。
【0087】図14及び図15に示すように、電気コネ
クタ部211には電気コネクタ部211と信号ケーブル
204とを接続した状態における鉛直下方に凹部86が
設けられている。湿度センサ59はこの凹部86に配置
される。
【0088】ビデオプロセッサ205の湿度制御部20
の制御を図16を参照して以下に説明する。図16に示
すように、湿度制御部20は、検査時に電気コネクタ部
211と信号ケーブル204が接続され、ステップS1
において、ビデオプロセッサ205の電源が投入される
と、ステップS2において、湿度センサ59に電気コネ
クタ部211内部の湿度を検出させてステップS3の処
理に移行する。
【0089】ステップS3において、湿度制御部20
は、湿度センサ59の検出値が一定値以下で、通電が可
能な乾燥状態であると判断した場合には、ステップS4
において、内視鏡202へ通電を行う。これにより、内
視鏡202は通常の検査が行える状態となる。ステップ
S3において、湿度制御部20は、湿度センサ59の検
出値が一定値を超えて、電気コネクタ部211内部が濡
れている状態もしくは湿度が非常に高い状態であると判
断される場合には、ステップS5において、モニタ6に
警告を表示すると共に、内視鏡202への通電を行わな
い。
【0090】(作用)第4の実施の形態では、電気コネ
クタ部211内部が濡れている場合、若しくは湿度が非
常に高い状態の場合には内視鏡202に通電を行わない
ため、電気コネクタ部211内部の電気接点38がショ
ートすることがなく、内視鏡202の撮像回路やリモー
トコントロール回路が破損しない。また、電気コネクタ
部211内部が濡れている場合、若しくは湿度が非常に
高い状態の場合には、このことをモニタ6の警告表示で
ユーザが認知することができる。
【0091】(効果)第4の実施の形態によれば、洗浄
や高圧蒸気滅菌等により電気コネクタ部211が濡れて
いた場合でも、内視鏡202を破損することがない内視
鏡装置を提供できる。
【0092】(第5の実施の形態)図17及び図18は本
発明の第5の実施の形態に係り、図17は内視鏡装置の
全体構成を示す説明図、図18は湿度制御部の制御を示
すフローチャートである。図17及び図18の説明にお
いては、図13ないし図16に示した第4の実施の形態
と同様の構成要素には同じ符号を付して説明を省略して
いる。
【0093】(構成)図17に示すように、信号ケーブ
ル304の接続部304aには、湿度センサ59が設け
られている。湿度センサ59はビデオプロセッサ305
の湿度制御部320に接続されている。前記ビデオプロ
セッサ305には湿度制御部320に接続された送気ポ
ンプ80が設けられている。信号ケーブル304には送
気ポンプ80に接続された送気チューブ82と排気チュ
ーブ83が設けられている。送気チューブ82と排気チ
ューブ83の一端は、電気コネクタ部211との接続部
304aに開口している。排気チューブ83の他端は大
気に開放している。
【0094】ビデオプロセッサ305の湿度制御部32
0の制御を図18を参照して以下に説明する。図18に
示すように、湿度制御部320のステップS11からS
15の制御は、図16に示した湿度制御部220のステ
ップS1からS5の制御と同様である。第5の実施の形
態で異なるのは、ステップS15においてモニタ6に警
告を表示すると共に、内視鏡202への通電を行わない
ようにした後に、ステップS16において湿度制御部3
20は送気ポンプ80に送気を行わせステップS12の
処理に戻るようにしたことである。
【0095】このような湿度制御部320の処理によ
り、一定時間毎、例えば30秒毎に、湿度センサ59が
湿度を検出し、送気ポンプ80により一定値以下になる
まで送気を行う。一定値以下になると送気ポンプ80は
送気を中止し、ビデオプロセッサ305は内視鏡302
へ通電を行い、モニタ6の警告表示を消す。
【0096】(作用)第5の実施の形態では、送気ポン
プ80により圧送された気体は送気チューブ82を介し
て電気コネクタ部211内部に導入され、排気チューブ
83より大気に開放される。これにより電気コネクタ部
211内部の湿気を乾燥させる。
【0097】(効果)第5の実施の形態によれば、第4
の実施の形態の効果に加え、電気コネクタ部211の乾
燥も自動的に行える。尚、湿度センサ59は信号ケーブ
ル304ではなくて内視鏡202の電気コネクタ部21
1に設けて、電気コネクタ部211と信号ケーブル30
4を接続した際に内視鏡202とビデオプロセッサ30
5の湿度制御部20とが回路的に接続される構成として
も良い。
【0098】又、内視鏡202と光源装置3との電気的
な接続部がある場合は光源装置3に設けても良い。又、
光源装置3とビデオプロセッサ305とが一体の場合は
この装置に設けても良い。
【0099】(第6の実施の形態)図19は本発明の第
6の実施の形態に係る内視鏡の要部の断面図である。図
19に示す部分以外の内視鏡装置の構成は図1ないし図
7に示した第1の実施の形態と同様になっている。
【0100】第6の実施の形態の内視鏡402では、コ
ネクタ部410に、リーク検査時に内視鏡302の内部
を加圧するため開閉弁85と、高圧蒸気滅菌時に内視鏡
302内部より外部の圧力が低いときに開く圧力調整部
84とを別々に設けている。
【0101】前記圧力調整部84は、口金本体60a、
逆止弁体70a、バネ71a、バネ受け部材72a、O
リング溝75a及びOリング76aから構成されてい
る。前記口金本体60aは、逆止弁体70aを移動可能
に内嵌し、バネ71aが逆止弁体70aを図中下方向に
付勢している。バネ71aはバネ受け部材72aにて抜
け止めが図られている。口金本体60aには、シール面
73aを有する。
【0102】逆止弁体70aには、前記シール面73a
と当接する当接面74aが形成されている。当接面74
aにはOリング溝75aが設けられている。Oリング溝
75aにはOリング76aが配設されている。
【0103】ここで、逆止弁体70aの開く圧力をP、
リーク検査時の加圧時の圧力をP1、高圧蒸気滅菌での
減圧工程において内視鏡302の外部から内部にかかる
圧力をP2とすると、バネ71aは、そのバネの力量設
定が、P1<P<P2となるように設定されている。本
実施の形態においてはP1=0.05MPa、P2=
0.07MPaに対してP=0.06MPaに設定され
ている。
【0104】(作用)第6の実施の形態では、リーク検
査の際に、加圧口金47により開閉弁85から加圧され
ても、逆止弁体70aは開かないのでリーク検査ができ
る。また、第6の実施の形態では、高圧蒸気滅菌時や減
圧工程時に−0.07MPaで減圧されると、逆止弁体
70aが開くので、内視鏡302の内外に大きな圧力差
が生じるのを防ぐことができ、内視鏡302の外装体の
破損が防止される。
【0105】(効果)第6の実施の形態によれば、リー
ク検査の際に逆止弁体70aを閉塞する特別な構成や作
業が不要となるので、作業性が良く、構造が簡単な内視
鏡装置が提供できる。
【0106】以上、本発明の実施の態様につて説明した
が、前記実施の態様に限定されるものではなく、本発明
の精神を逸脱しない範囲で幾多の変化ができることは当
然である。
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
圧蒸気滅菌を行っても、湿気による医療機器の内部部品
の劣化を防止でき、医療機器の信頼性を向上し医療機器
の寿命を延長できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡装置の
全体構成を示す説明図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡の圧力
調整部の断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡の電気
コネクタ部の断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡を高圧
蒸気滅菌するための高圧蒸気滅菌装置の構成を示すブロ
ック図。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る高圧蒸気滅菌
装置の高圧蒸気滅菌工程における圧力制御方法を示す説
明図。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る圧力調整部の
動作を示す説明図。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る加圧口金によ
る圧力調整部への加圧を示す説明図。
【図8】図1乃至図7に示した内視鏡の内部を換気する
換気手段を示す説明図。
【図9】図8に示した換気手段の第1の変形例を示す説
明図。
【図10】図8に示した換気手段の第2の変形例を示す
説明図。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る内視鏡及び
換気手段を示す説明図。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る内視鏡及び
換気手段を示す説明図。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係る内視鏡装置
の全体構成を示す説明図。
【図14】本発明の第4の実施の形態に係る電気コネク
タ部の正面図。
【図15】本発明の第4の実施の形態に係る電気コネク
タ部の断面図。
【図16】本発明の第4の実施の形態に係る湿度制御部
の制御を示すフローチャート。
【図17】本発明の第5の実施の形態に係る内視鏡装置
の全体構成を示す説明図。
【図18】本発明の第5の実施の形態に係る湿度制御部
の制御を示すフローチャート。
【図19】本発明の第6の実施の形態に係る内視鏡の要
部の断面図。
【符号の説明】
1…内視鏡装置 2…内視鏡 3…光源装置 4…信号
ケーブル 5…ビデオプロセッサ 6…モニタ 7…挿入部 8…
操作部 9…連結コード 10…コネクタ部 11…電気コネク
タ部 15…可撓管部 16…湾曲部 17…先端部 33…
防水キャップ 34…滅菌用収納ケース 35…トレイ 36…蓋部材 41…高圧蒸気滅菌装置 42…チャンバ 43…給蒸
装置 44…真空ポンプ 45…制御部 60…口金本体 6
1…開閉弁体 64…貫通穴 70…逆止弁体 71…バネ 72…バ
ネ受け部材 73…シール材 76…Oリング 79…圧力調整部

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】医療機器の内部と外部とを連通する連通口
    と、この連通口に連通した前記医療機器の内部の圧力が
    外部の圧力よりも一定以上高くなったときのみに開く逆
    止弁を有する圧力調整手段とが設けられた前記医療機器
    を滅菌するための高圧蒸気滅菌装置を含む医療機器用高
    圧蒸気滅菌システムであって、 前記高圧蒸気滅菌装置は、 この高圧蒸気滅菌装置のチャンバ内を減圧する工程を含
    む第1の減圧工程と、 この第1の減圧工程に続けて前記チャンバ内を加圧する
    高圧蒸気滅菌工程と、 この高圧蒸気滅菌工程に続けて前記チャンバ内を減圧す
    る工程を含む第2の減圧工程と、を実行するように構成
    され、 前記第2の減圧工程に含まれる少なくとも1つの減圧工
    程における圧力を、前記第1の減圧工程における最低圧
    力よりも低い圧力としたことを特徴とする医療機器用高
    圧蒸気滅菌システム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の医療機器用高圧蒸気滅菌
    システムにおいて、 前記第2の減圧工程は、複数の減圧及び加圧工程を含
    み、このうち少なくとも一つの減圧工程の圧力は、この
    減圧工程の前に行われる他の減圧工程における圧力より
    も低い圧力としたことを特徴とする。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の医療機器用高圧蒸気滅菌
    システムにおいて、 前記医療機器は、該医療機器の内部と外部とを隔てる柔
    軟性を有する材料で形成された外装部材を具備すること
    を特徴とする。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の医療機器用高圧蒸気滅菌
    システムにおいて、 前記医療機器は、被検体内に挿入される挿入部の先端側
    に湾曲可能に設けられた湾曲部と、この湾曲部を被覆す
    る柔軟性を有する材料で形成された外装部材とを有する
    内視鏡であることを特徴とする。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の医療機器用高圧蒸気滅菌
    システムにおいて、 前記医療機器は、前記連通口を前記第二の減圧工程の終
    了後に強制的に連通可能に形成されていることを特徴と
    する。
  6. 【請求項6】医療機器を収納した高圧蒸気滅菌装置のチ
    ャンバ内を減圧する工程を含む第1の減圧工程と、 この第1の減圧工程に続けて前記チャンバ内を加圧する
    高圧蒸気滅菌工程と、 この高圧蒸気滅菌装置に続けて前記チャンバ内を減圧す
    る工程を含む第2の減圧工程と、 を有する医療機器の高圧蒸気滅菌方法において、 前記高圧蒸気滅菌装置の前記第2の減圧工程に含まれる
    少なくとも1つの減圧工程における圧力を、前記第1の
    減圧工程における最低圧力よりも低い圧力としたことを
    特徴とする医療機器の高圧蒸気滅菌方法。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の医療機器の高圧蒸気滅菌
    方法において、 前記医療機器は、その内部と外部とを連通する連通口
    と、この連通口に連通した前記医療機器の内部の圧力が
    外部の圧力よりも一定以上高くなったときのみに開く逆
    止弁を有する圧力調整手段とを有し、前記第1及び第2
    の減圧工程時において前記連通口を強制的に前記医療機
    器の外部と連通させる工程をさらに含むことを特徴とす
    る。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の医療機器の高圧蒸気滅菌
    方法において、 前記医療機器は、該医療機器の内部と外部とを隔てる柔
    軟性を有する材料で形成された外装部材とを具備するこ
    とを特徴とする。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の医療機器の高圧蒸気滅菌
    方法において、 前記医療機器は、被検体内に挿入される挿入部の先端側
    に湾曲可能に設けられた湾曲部と、この湾曲部を被覆す
    る柔軟性を有する材料で形成された外装部材とを有する
    内視鏡であることを特徴とする。
  10. 【請求項10】請求項7に記載の医療機器の高圧蒸気滅
    菌方法において、 前記医療機器は、前記第2の減圧工程の終了後に、前記
    連通口を前記医療機器の外部と強制的に連通可能に形成
    されていることを特徴とする。
  11. 【請求項11】請求項6に記載の医療機器の高圧蒸気滅
    菌方法において、 前記第2の減圧工程は、複数の減圧及び加圧工程を含
    み、このうち少なくとも一つの減圧工程の圧力は、この
    減圧工程の前に行われる他の減圧工程における圧力より
    も低い圧力としたことを特徴とする。
  12. 【請求項12】被滅菌対象である医療機器を内部に収納
    して密閉可能に構成されたチャンバと、このチャンバの
    内部の圧力を減圧する真空ポンプと、前記チャンバの内
    部に蒸気を供給する蒸気供給装置と、前記真空ポンプと
    前記蒸気供給装置の動作を制御する制御部とが設けられ
    た前記医療機器を滅菌するための高圧蒸気滅菌装置であ
    って、 前記制御部は、 前記真空ポンプを動作させることで前記チャンバの内部
    を減圧するプレバキューム工程と、 前記真空ポンプの動作を停止させて前記プレバキューム
    工程の終了した後に、前記蒸気供給装置を動作させて前
    記チャンバの内部に蒸気を供給させることで前記チャン
    バの内部を加圧する高圧蒸気滅菌工程と、 前記蒸気供給装置の動作を停止させて前記高圧蒸気滅菌
    工程を終了した後に、前記真空ポンプを動作させて前記
    チャンバの内部を減圧させることで前記チャンバの内部
    に収容された前記医療機器を乾燥させる乾燥工程とを実
    行し、 さらに、前記制御部は、 前記乾燥工程における最低圧力を、前記プレバキューム
    工程における最低圧力よりも低い圧力となるように前記
    真空ポンプの動作を制御することを特徴とする医療機器
    用高圧蒸気滅菌装置。
  13. 【請求項13】請求項12に記載の医療機器用高圧蒸気
    滅菌装置において、 前記医療機器は、その内部と外部とを連通する連通口
    と、この連通口に連通した前記医療機器の内部の圧力が
    外部の圧力よりも一定以上高くなったときのみに開く逆
    止弁を有する圧力調整手段とを有するものであり、 前記乾燥工程は複数回の減圧工程を含む、各減圧工程の
    たびに前記医療機器の前記連通口を強制的に前記医療機
    器の外部と連通させる工程をそれぞれ含むことを特徴と
    する。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の医療機器用高圧蒸気
    滅菌装置において、 前記医療機器は、該医療機器の内部と外部とを隔てる柔
    軟性を有する材料で形成された外装部材を具備すること
    を特徴とする。
  15. 【請求項15】請求項14に記載の医療機器用高圧蒸気
    滅菌装置において、 前記医療機器は、被検体内に挿入される挿入部の先端側
    に湾曲可能に設けられた湾曲部と、この湾曲部を被覆す
    る柔軟性を有する材料で形成された外装部材とを有する
    内視鏡であることを特徴とする。
  16. 【請求項16】請求項12に記載の医療機器用高圧蒸気
    滅菌装置において、 前記制御部は、前記乾燥工程において複数回の減圧及び
    加圧工程を実行させ、且つ、このうちの少なくとも1回
    の減圧工程における最低圧力がこの減圧工程以前に行わ
    れた他の減圧工程における最低圧力よりも低い圧力とな
    るように前記真空ポンプの動作を制御することを特徴と
    する。
  17. 【請求項17】請求項12に記載の医療機器用高圧蒸気
    滅菌装置において、 前記医療機器は、前記連通口を前記乾燥工程の終了後に
    強制的に前記医療機器の外部と連通可能に形成されてい
    ることを特徴とする。
  18. 【請求項18】被滅菌対象である医療機器が収納された
    チャンバの内部の圧力を真空ポンプで減圧するプレバキ
    ューム工程と、 前記プレバキューム工程の終了後に、前記チャンバの内
    部に蒸気を供給する蒸気供給装置を動作させて前記チャ
    ンバの内部に蒸気を供給させることで前記チャンバの内
    部を加圧して前記医療機器を滅菌する高圧蒸気滅菌工程
    と、 前記高圧蒸気滅菌工程の終了後に、前記真空ポンプを動
    作させて前記チャンバの内部を減圧させることで前記チ
    ャンバに収容された前記医療機器を乾燥させる乾燥工程
    と、 を有し、 前記乾燥工程における最低圧力は、前記プレバキューム
    工程において設定される最低圧力よりも低い圧力となる
    ように前記真空ポンプの動作を制御されることを特徴と
    する医療機器の高圧蒸気滅菌方法。
  19. 【請求項19】請求項18に記載の医療機器の高圧蒸気
    滅菌方法において、 前記医療機器は、その内部と外部とを連通する連通口
    と、この連通口に連通した前記医療機器の内部の圧力が
    外部の圧力よりも一定以上高くなったときのみに開く逆
    止弁を有する圧力調整手段とを有するものであり、 前記乾燥工程は複数回の減圧工程を含み、各減圧工程の
    たびに前記医療機器の前記連通口を強制的に前記医療機
    器の外部と連通させる工程をそれぞれ含むことを特徴と
    する。
  20. 【請求項20】請求項19に記載の医療機器の高圧蒸気
    滅菌方法において、 前記医療機器は、該医療機器の内部と外部とを隔てる柔
    軟性を有する材料で形成された外装部材を具備すること
    を特徴とする。
  21. 【請求項21】請求項20に記載の医療機器の高圧蒸気
    滅菌方法において、 前記医療機器は、被検体内に挿入される挿入部の先端側
    に湾曲可能に設けられた湾曲部と、この湾曲部を被覆す
    る柔軟性を有する材料で形成された外装部材とを有する
    内視鏡であることを特徴とする。
  22. 【請求項22】請求項18に記載の医療機器の高圧蒸気
    滅菌方法において、 前記乾燥工程は、複数回の減圧及び加圧工程をさらに有
    し、且つ、このうちの少なくとも1回の減圧工程におけ
    る最低圧力がこの減圧工程以前に行われた他の減圧工程
    における最低圧力よりも低い圧力となる工程を具備する
    ことを特徴とする。
  23. 【請求項23】請求項19に記載の医療機器の高圧蒸気
    滅菌方法において、 前記医療機器の前記連通口を、前記乾燥工程の終了後に
    強制的に前記医療機器の外部と連通させる工程を含むこ
    とを特徴とする。
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