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JP2003277421A - (メタ)アクリル酸系水溶性重合体の製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸系水溶性重合体の製造方法

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Publication number
JP2003277421A
JP2003277421A JP2003011684A JP2003011684A JP2003277421A JP 2003277421 A JP2003277421 A JP 2003277421A JP 2003011684 A JP2003011684 A JP 2003011684A JP 2003011684 A JP2003011684 A JP 2003011684A JP 2003277421 A JP2003277421 A JP 2003277421A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
acrylic acid
polymerization
light
monomer component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003011684A
Other languages
English (en)
Inventor
Naotake Shioji
尚武 塩路
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2003011684A priority Critical patent/JP2003277421A/ja
Publication of JP2003277421A publication Critical patent/JP2003277421A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘度が高く、しかも、不溶解分が抑制された
(メタ)アクリル酸系水溶性重合体を効率的に、突沸等
の制御不能な異常反応を抑制して製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸系単量体成分を含む
単量体成分、重合溶媒及び光重合開始剤を含有する反応
液の光重合工程を含んでなる(メタ)アクリル酸系水溶
性重合体の製造方法であって、該光重合工程は、光重合
に使用する(メタ)アクリル酸系単量体成分の量を10
0モル%とすると、近紫外線を照射して重合を開始せし
めた後に重合系内に(メタ)アクリル酸系単量体成分が
3〜90モル%存在しているときに光強度を低下させる
(メタ)アクリル酸系水溶性重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリル
酸系水溶性重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル系の重合体は、凝集剤
や増粘剤としての作用を発揮することが知られており、
掘削土処理剤やパップ剤用添加剤、浚渫土処理剤等に用
いられている。例えば、このような(メタ)アクリル系
の重合体を含む掘削土処理剤は、掘削工事等により発生
する含水土壌を固化して再利用するために用いられ、ま
た、パップ剤用添加剤は、パップ剤用基材に粘着性を付
与するために用いられている。このように、(メタ)ア
クリル系の重合体は、有用な用途に用いることができる
ことから、その性能を向上させるために種々検討されて
いる。
【0003】ところで、光重合により(メタ)アクリル
系の重合体を製造する方法についても検討されている。
このような技術に関し、特開昭52−47084号公報
には、不飽和水溶性モノマー又はモノマー混合液を単独
で又は重合不可能な不活性物質と混合した状態で、UV
−光を用いてラジカル重合又は共重合する方法が開示さ
れている。また、特開昭55−50002号公報には、
経過時間と共に照射紫外線の強度増加により重合過程を
調節するラジカル重合又はラジカル共重合する方法が開
示されている。更に、特開昭52−126494号公報
には、アクリルモノマー又はモノマー類の水溶液が、支
持体上に薄層として連続的に沈着され、この液状薄層に
特定の平均出力を有する活性輻射線を照射する高分子量
の水溶性アクリルポリマーの製造方法が開示されてい
る。
【0004】しかしながら、これらの技術では、光重合
が開始した後に照射する光の強度を増加させるものであ
るので、光強度の調整を適切に行うことにより、各種用
途において有用な作用を充分に発揮できるものを、安全
性を高めて製造できるようにする工夫の余地があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、粘度が高く、しかも、不溶
解分が抑制された(メタ)アクリル酸系水溶性重合体を
効率的に、突沸等の制御不能な異常反応を抑制して製造
する方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、(メタ)
アクリル酸系水溶性重合体の製造方法について種々検討
した結果、光重合させると効率よく(メタ)アクリル酸
系水溶性重合体を製造できることに着目し、光重合に使
用する(メタ)アクリル酸系単量体成分の量を100モ
ル%とすると、光重合開始後に、重合系内の(メタ)ア
クリル酸系単量体成分が特定濃度の範囲内で存在してい
るときに近紫外線の光強度を低下させたり、光強度が強
/弱(光強度が0の状態を含む)繰り返し変化するよう
に照射したりすることで、(メタ)アクリル酸系水溶性
重合体の粘度を高くすることができると共に、不溶解分
を抑制することができ、また突沸等の異常反応も抑制で
き、効率的に(メタ)アクリル酸系水溶性重合体を製造
することができることを見いだした。
【0007】すなわち本発明は、(メタ)アクリル酸系
単量体成分を含む単量体成分、重合溶媒及び光重合開始
剤を含有する反応液の光重合工程を含んでなる(メタ)
アクリル酸系水溶性重合体の製造方法であって、上記光
重合工程は、光重合に使用する(メタ)アクリル酸系単
量体成分の量を100モル%とすると、近紫外線を照射
して重合を開始せしめた後に重合系内に(メタ)アクリ
ル酸系単量体成分が3〜90モル%存在しているときに
光強度を低下させる(メタ)アクリル酸系水溶性重合体
の製造方法である。以下に本発明を詳述する。
【0008】本発明の(メタ)アクリル酸系水溶性重合
体の製造方法は、光重合工程を含んでなるが、この光重
合工程は、(1)光重合に使用する(メタ)アクリル酸
系単量体成分の量を100モル%とすると、近紫外線を
照射して重合を開始せしめた後に重合系内に(メタ)ア
クリル酸系単量体成分が3〜90モル%存在していると
きに光強度を低下させる形態、又は、(2)近紫外線を
照射して重合を開始せしめた後に重合の開始時よりも近
紫外線の光強度が弱い強度と該弱い強度よりも強い強度
とが繰り返されるように照射する形態において行われる
ことになる。このとき光強度は、連続的に変化させて
も、段階的に変化させてもよい。
【0009】上記近紫外線の波長領域としては、300
nm以上であることが好ましく、また、500nm以下
であることが好ましい。この範囲の波長を有する紫外線
を反応液に照射することにより、光重合が開始し、適切
な速度で重合反応が進行することになる。
【0010】上記(1)の形態において、近紫外線を照
射して重合を開始せしめた後に光強度を低下させるとき
の重合系内における(メタ)アクリル酸系単量体成分の
存在濃度としては、上述したように3〜90モル%であ
るが、3モル%未満であっても90モル%を超えても、
重合の行き過ぎや暴走をコントロールすることが困難と
なる。好ましくは、5モル%以上であり、また、85モ
ル%以下である。より好ましくは10モル%以上であ
り、また、80モル%以下である。より好ましくは、3
0モル%以上である。このように重合の終期ではなく、
重合状態を維持でき、かつ、充分に(メタ)アクリル酸
系単量体成分が残存している状態で光強度を低下させ
て、余分な光をあてないことや余分な光を少なくするこ
とにより、好ましく重合をさせることができることにな
る。
【0011】上記(1)の形態において、重合を開始さ
せるための近紫外線の光強度としては、0.1W/m
以上であり、100W/m以下であることが好まし
い。0.1W/m未満であると、重合が良好に開始さ
れず、効率的に製造できないおそれがある。100W/
を超えると、重合反応が急激に進行し、突沸等の異
常反応が発生するおそれがある。より好ましくは1W/
以上であり、更に好ましくは3W/m以上であ
る。また、より好ましくは50W/m以下であり、更
に好ましくは30W/m以下である。また、重合開始
後に光強度を低下させた場合の近紫外線の強度として
は、10W/m以下とすることが好ましい。10W/
を超えると、反応が制御できないおそれがある。よ
り好ましくは7W/m以下であり、更に好ましくは5
W/m以下である。
【0012】上記(1)の形態において、近紫外線の照
射開始から重合開始後に光強度を低下させるまでの時間
としては、1秒以上が好ましく、また、5分以下が好ま
しい。より好ましくは10秒以上であり、更に好ましく
は30秒以上であり、また、より好ましくは3分以下で
あり、更に好ましくは2分以下である。
【0013】上記(1)の形態では、重合開始後に光強
度を徐々に低下させる形態において、光強度を最終的に
0W/mにして光照射を止めるようにしてもよい。こ
の場合、光強度を低下させ始めてから光強度が0W/m
になるまでの時間としては、10秒以上が好ましく、
また、60分以下が好ましい。より好ましくは20秒以
上であり、更に好ましくは30秒以上であり、また、よ
り好ましくは45分以下であり、更に好ましくは30分
以下である。
【0014】上記(2)の形態において、光強度を強に
した場合の近紫外線の光強度としては、0.1W/m
以上であり、100W/m以下であることが好まし
い。0.1W/m未満であると、重合がうまく進行せ
ず、効率よく製造できないおそれがある。100W/m
を超えると、突沸等の異常反応が発生するおそれがあ
る。より好ましくは1W/m以上であり、更に好まし
くは3W/m以上である。また、より好ましくは50
W/m以下であり、更に好ましくは30W/m以下
である。また、光強度を弱にした場合の近紫外線の強度
としては、10W/m以下であることが好ましい。1
0W/mを超えると、反応が制御できないおそれがあ
る。より好ましくは7W/m以下であり、更に好まし
くは5W/m 以下である。
【0015】上記(2)の形態において、光強度を強/
弱(光強度が0の状態を含む)繰り返し変化させる回
数、すなわち光強度が強から弱となる回数を1回とする
ときの回数としては、重合時の濃度や光強度等により適
宜設定されることになるが、1回以上が好ましく、より
好ましくは2回以上、更に好ましくは3回以上である。
また、上記光強度が強である時間、及び、弱(光強度が
0の状態を含む)である時間としては、それぞれ1秒以
上が好ましく、また、3分以下が好ましい。より好まし
くは10秒以上であり、また、1分以下である。
【0016】上記(2)の形態における光強度を強/弱
(光強度が0の状態を含む)繰り返し変化させる方法と
しては、(2−1)近紫外線発生部位と反応液の間に遮
光版を挿入したり取り去ったりすることで、反応液に照
射される近紫外線の光強度を強/弱(光強度が0の状態
を含む)繰り返し変化させる方法、(2−2)反応液を
連続的に稼働しているベルト上に展開し、この反応液上
面と近紫外線発生部位との間の少なくとも一箇所に強遮
光版及び/又は弱遮光版を設け、その上部より一定強度
の近紫外線を連続的に照射することで、反応液に照射さ
れる近紫外線の光強度を強/弱(光強度が0の状態を含
む)繰り返し変化させる方法等が好適であり、中でも
(2−2)の方法が好ましい。
【0017】上記近紫外線発生部位、すなわち、近紫外
線を反応液に照射する装置としては、高圧水銀ランプ、
低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、蛍光ケミカル
ランプ、蛍光青色ランプ等が好適である。
【0018】上記(2−2)の方法における、強遮光版
及び/又は弱遮光版を設ける位置としては、ベルトの稼
働速度、反応液に照射する光強度等により適宜設置すれ
ばよいが、ベルト上の反応液と近紫外線発生部位との間
に、複数枚を等間隔に設置することが好ましい。
【0019】図1は、一定間隔の遮光版を設ける形態で
あり、連続基材ベルト1と紫外線ランプ2との間に、遮
光版3が一定間隔で設置されている。この場合、ベルト
1を稼働させることで、反応液が遮光版3の下部を移動
していくことになる。ここに紫外線ランプ2により一定
強度の近紫外線を照射すると、遮光版3が設置されてい
ない部分を移動するときはこの一定強度の近紫外線が反
応液に照射され、遮光版3が設置されている部分を移動
するときは反応液に照射される近紫外線の光強度が低下
することになる。従って、反応液をベルト1によって移
動させ、遮光版3が設けられた部分と設けられていない
部分を交互に通過させることで、遮光版を移動させるこ
となく、光強度を強/弱繰り返し変化させることが可能
となる。すなわち、上記の一定間隔の遮光版3によっ
て、ベルト1の重合用組成物に、光が断続的に照射さ
れ、光照射の強/弱繰り返しが実現される。
【0020】図2は、強遮光版と弱遮光版とを連続して
設ける形態であり、連続基材ベルト1と紫外線ランプ2
との間に、強遮光版4と弱遮光版5が連続して等間隔に
設置されている。この場合にも、光強度を強/弱繰り返
し変化させることが可能となる。また、上記の遮光版
3、強遮光版4及び弱遮光版5の設置の間隔であるが、
紫外線が基材に照射されているときと、遮断や光強度が
低下できるように設置されていればよく、特に一定間隔
でなくてもかまわない。
【0021】上記(2−2)の方法における実生産機の
ベルトの形状としては、船型が好適である。図3は、図
1において連続基材ベルト1として船型ベルト8を用い
た形態であり、図4は、図1において連続基材ベルト1
として船型ベルト8を用いた形態である。また、図5
(a)は、図3及び図4における船型ベルト8の概念図
であり、図5(b)は、図5(a)のX−X′における
断面概念図を示す。
【0022】ベルト形状としての上記の船型であるが、
船型であると単量体及び連鎖移動剤及び重合溶媒を含む
本発明における反応液をベルト上に展開しても保持しや
すい形態であるので本発明では好ましい実施形態であ
る。上記の船型以外の形状であっても、ベルト上に当該
反応液を保持できる形態であれば本発明における光重合
時に使用するベルトとして適応可能である。また、ベル
トの進行方向に対してのベルトの端部に堰が設けられて
いてもよい。
【0023】上記(2−2)の方法における実生産機の
ベルトの長さとしては、1m以上が好ましく、50m以
下が好ましい。より好ましくは2m以上であり、更に好
ましくは3m以上であり、また、より好ましくは40m
以下であり、更に好ましくは30m以下である。上記ベ
ルトの稼働速度としては、3cm/min以上が好まし
く、また、2m/min以下が好ましい。より好ましく
は4cm/min以上であり、更に好ましくは5cm/
min以上であり、また、より好ましくは1.5m/m
in以下であり、更に好ましくは1m/min以下であ
る。
【0024】上記(2−2)の方法において、強遮光版
とは、遮光量が比較的多いものであり、この強遮光版に
は光を全く透過させない遮光版も含まれる。また、弱遮
光版とは、遮光量が比較的少ないものである。これら遮
光版は1種又は2種以上を用いることができる。また、
遮光版の枚数としては、強/弱繰り返し変化させる回
数、ベルトの稼働速度、反応液に照射する光強度等にも
よるが、1枚以上が好ましく、また、100枚以下が好
ましい。より好ましくは5枚以上であり、更に好ましく
は10枚以上であり、また、より好ましくは70枚以下
であり、更に好ましくは50枚以下である。
【0025】上記(2−2)の方法において、遮光版の
ベルト進行方向側の幅としては、1cm以上が好まし
く、また、5m以下が好ましい。より好ましくは2cm
以上であり、更に好ましくは2.5cm以上であり、ま
た、より好ましくは3m以下であり、更に好ましくは2
m以下である。また、設置される遮光版と遮光版との間
隙としては、上述した遮光版の幅と同様の範囲内である
ことが好ましく、より好ましくは設置される遮光版の幅
と同じ長さである。
【0026】上記光重合工程における重合方法として
は、重合溶媒に水を含有する水溶性の形態である水溶液
重合による方法が好ましい。水溶液重合においては、窒
素ガスをバブリングする等の方法により、水溶液中に溶
解している溶存酸素を予め除去した状態で重合を行うこ
とが好ましい。また、重合操作方法としては、回分式で
も連続式でもよいが、静置重合による方法が好ましい。
【0027】上記光重合工程における重合条件として
は、後述する(メタ)アクリル酸系単量体成分を含む単
量体成分の組成、光重合開始剤や連鎖移動剤の種類や使
用量等に応じて適宜設定すればよいが、重合開始時にお
ける(メタ)アクリル酸系単量体成分を含む単量体成分
の反応液中の濃度(単量体濃度)としては、20質量%
以上であり、また、99質量%以下であることが好まし
いが、より好ましくは、30質量%以上であり、更に好
ましくは、40質量%以上であり、最も好ましくは、5
0質量%以上である。単量体濃度が高い方が重合体の基
本性能を向上させるために分子量を高くしたり、生産性
を向上したりする面で有利である。
【0028】上記光重合工程における、近紫外線の照射
開始から重合の終了までの時間としては、1分以上であ
ることが好ましく、また、90分以下であることが好ま
しいが、より好ましくは、60分以下であり、更に好ま
しくは、30分以下である。
【0029】上記光重合工程における重合温度として
は、−5℃以上であり、また、120℃以下であること
が好ましいが、重合を開始する温度としては、50℃以
下であることが好ましい。より好ましくは、30℃以下
であり、更に好ましくは、20℃以下である。重合温度
が低い方が突沸等の異常反応の危険がなくなり、生産性
の面で有利である。
【0030】本発明の製造方法においては、光重合工程
で得られる重合物を50℃〜150℃で乾燥させること
により、乾燥物である(メタ)アクリル酸系水溶性重合
体を得ることができる。重合物を乾燥させる方法として
は、乾燥しやすいように、重合物を切断する等の方法に
より重合物の表面積を大きくしたり、減圧乾燥したりす
ることが好ましい。乾燥温度が50℃よりも低いと、重
合物を充分に乾燥させることができないおそれがあり、
150℃よりも高いと、重合物の熱架橋が起こり、不溶
解分が多くなるおそれがある。また、180℃よりも高
い場合には、重合物の主鎖や架橋点の切断が起こり、品
質が低下するおそれがある。なお乾燥時間としては、重
合物に含まれる水分量や乾燥温度等に応じて適宜設定す
ればよい。
【0031】以下に上記反応液について説明する。この
反応液は、(メタ)アクリル酸系単量体成分を含む単量
体成分、重合溶媒及び光重合開始剤を必須として含有す
るものである。(メタ)アクリル酸系単量体成分を含む
単量体成分は、(メタ)アクリル酸系単量体成分と必要
によりそれ以外の単量体成分を含むものである。(メ
タ)アクリル酸系単量体成分は、(メタ)アクリル酸系
単量体のみを含む単量体成分であり、また、(メタ)ア
クリル酸系単量体成分以外の単量体成分としては、酸型
単量体やその他の単量体が挙げられる。
【0032】上記(メタ)アクリル酸系単量体とは、
(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸塩で
あるが、(メタ)アクリル酸塩としては、(メタ)アク
リル酸を1価金属、2価金属、アンモニア、有機アミン
等で中和してなる中和物、すなわち(メタ)アクリル酸
ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)ア
クリル酸マグネシウム、(メタ)アクリル酸カルシウ
ム、(メタ)アクリル酸アンモニウム等が好適である。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。これらの中でも、(メタ)アクリル酸ナトリウムが
好ましい。より好ましくは、アクリル酸ナトリウムであ
る。
【0033】上記(メタ)アクリル酸系単量体成分の反
応液中の濃度は50質量%以上であることが好ましく、
また、95質量%以下であることが好ましい。(メタ)
アクリル酸系単量体成分の反応液中の濃度が高濃度にな
ればなるほど突沸等の異常反応が起こり、反応制御が困
難になる。特に本願発明の効果が現れる(メタ)アクリ
ル酸系単量体成分の反応液中の濃度は上記範囲である。
【0034】上記酸型単量体としては、α−ヒドロキシ
アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸系単
量体;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸等の不飽和ジカルボン酸系単量体;ビニルスルホン
酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレン
スルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパン
スルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スル
ホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシスル
ホプロピル(メタ)アクリレート、スルホエチルマレイ
ミド等の不飽和スルホン酸系単量体;(メタ)アクリル
アミドメタンホスホン酸、2−(メタ)アクリルアミド
−2−メチルプロパンホスホン酸等の不飽和ホスホン酸
系単量体等が好適である。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0035】上記その他の単量体としては、上記酸型単
量体を1価金属、2価金属、アンモニア、有機アミン等
で中和してなる中和物;(メタ)アクリルアミド、t−
ブチル(メタ)アクリルアミド等のアミド系単量体;
(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、2−メチルス
チレン、酢酸ビニル等の疎水性単量体;3−メチル−2
−ブテン−1−オール(プレノール)、3−メチル−3
−ブテン−1−オール(イソプレノール)、2−メチル
−3−ブテン−2−オール(イソプレンアルコール)、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールモノイソプレノールエーテル、ポリプロピ
レングリコールモノイソプレノールエーテル、ポリエチ
レングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレング
リコールモノアリルエーテル、グリセロールモノアリル
エーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グ
リセロールモノ(メタ)アクリレート、ビニルアルコー
ル等の水酸基を有する不飽和単量体;ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート等のカチオン性単量体;(メタ)
アクリロニトリル等のニトリル系単量体等が好適であ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
【0036】上記(メタ)アクリル酸系単量体成分以外
の単量体成分としては、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸(塩)及び/又は3−アリロキシ
−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(塩)を含有する
ことが好ましい。これにより、重合体の基本性能を向上
させたり、不溶解分をより少なくしたりすることができ
る。これらの単量体の含有量としては、(メタ)アクリ
ル酸系単量体成分を含む単量体成分すべてを100モル
%とすると、1〜50モル%とすることが好ましい。よ
り好ましくは、2〜15モル%である。
【0037】上記重合溶媒としては、水が好適に用いら
れる。また、水以外にも有機溶媒等を適宜併用してもよ
い。有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のア
ルコール類;トルエン、キシレン等の炭化水素類;メチ
ルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン
類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類;(ジ)エチレングリコールジメチルエーテル等のエ
ーテル類等が好適である。
【0038】上記光重合開始剤としては、2,2′−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)、2,2′−アゾビス
(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,
2′−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン
−2−イル)プロパン]、1,1′−アゾビス(1−ア
ミジノ−1−シクロプロピルエタン)、2,2′−アゾ
ビス(2−アミジノ−4−メチルペンタン)、2,2′
−アゾビス(2−N−フェニルアミノアミジノプロパ
ン)、2,2′−アゾビス(1−イミノ−1−エチルア
ミノ−2−メチルプロパン)、2,2′−アゾビス(1
−アリルアミノ−1−イミノ−2−メチルブタン)、
2,2′−アゾビス(2−N−シクロへキシルアミジノ
プロパン)、2,2′−アゾビス(2−N−ベンジルア
ミジノプロパン)及びその塩酸、硫酸、酢酸塩等、4,
4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)及びそのアルカリ
金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、2−(カルバモイ
ルアゾ)イソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(イ
ソブチルアミド)、2,2′−アゾビス[2−メチル−
N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、
2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(1,1′−ビ
ス(ヒドロキシメチル)エチル)プロピオンアミド]、
2,2′−アゾビス[2−メチル−N−1,1′−ビス
(ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等のアゾ系光
重合開始剤、
【0039】2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニル
エタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−
フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シク
ロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184)
とベンゾフェノンとの共融混合物、1−[4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプ
ロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ
−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフ
ォリノフェニル)−ブタノン−1(イルガキュア36
9)と2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン
−1−オン(イルガキュア651)との3:7の混合
物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェ
ニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキ
シベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフ
ォスフィンオキサイド(CGI403)と2−ヒドロキ
シ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン
(ダロキュア1173)との1:3の混合物、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
メチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(CGI40
3)と1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケ
トン(イルガキュア184)との1:3の混合物、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
メチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(CGI40
3)と1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケ
トン(イルガキュア184)との1:1の混合物、2,
4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフ
ィンオキサイドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニル−プロパン−1−オン(ダロキュア1173)と
の1:1の液状混合物、ビス(η−2,4−シクロペ
ンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−
3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニ
ウム、
【0040】オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノ
ン]、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンと4−メ
チルベンゾフェノンとの共融混合物、4−メチルベンゾ
フェノンとベンゾフェノンとの液状混合物、2,4,6
−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシ
ドとオリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−
(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]とメチル
ベンゾフェノン誘導体との液状混合物、1−[4−(4
−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−
メチル−2−(4−メチルフェニルスルファニル)プロ
パン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、
α−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、エチ
ル4−ジメチルアミノベンゾエート、アクリル化アミン
シナジスト、ベンゾイン(iso−及びn−)ブチルエ
ステル、アクリルスルホニウム(モノ、ジ)ヘキサフル
オロリン酸塩、2−イソプロピルチオキサントン、4−
ベンゾイル−4′−メチルジフェニルスルフィド、2−
ブトキシエチル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、
エチル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、
【0041】ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテ
ル、ベンゾインヒドロキシアルキルエーテル、ジアセチ
ル及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、ジ
フェニルジスルフィド及びその誘導体、ベンゾフェノン
及びその誘導体、ベンジル及びその誘導体等が好適であ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。これらの中でも、アゾ系光重合開始剤を用いる
ことが好ましく、2,2′−アゾビス−2−アミジノプ
ロパン2塩酸塩等の水溶性アゾ系光重合開始剤が好適に
用いられる。
【0042】上記光重合開始剤の使用量としては、(メ
タ)アクリル酸系単量体成分を含む単量体成分1モルに
対して、0.0001g以上が好ましく、また、1g以
下が好ましい。これにより、(メタ)アクリル酸系水溶
性重合体の分子量や重合率を充分なものとすることがで
きる。より好ましくは、0.001g以上であり、ま
た、0.5g以下である。
【0043】上記反応液は、更に連鎖移動剤を含有して
もよく、この連鎖移動剤としては、チオグリコール酸、
チオ酢酸、メルカプトエタノール等の含硫黄化合物;亜
燐酸、亜燐酸ナトリウム等の亜燐酸系化合物;次亜燐
酸、次亜燐酸ナトリウム等の次亜燐酸系化合物;メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール等のアルコール類等が好適で
ある。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。これらの中でも、次亜燐酸系化合物が好まし
い。より好ましくは、次亜燐酸ナトリウムである。上記
連鎖移動剤の使用量としては、重合濃度や光重合開始剤
との組み合わせ等により適宜設定すればよいが、(メ
タ)アクリル酸系単量体成分を含む単量体成分1モルに
対して、0.0001g以上が好ましく、また、0.2
g以下が好ましい。0.001g以上で0.1g以下が
更に好ましく、0.005g以上で0.05g以下が特
に好ましい。
【0044】本発明の(メタ)アクリル酸系水溶性重合
体の製造方法は、上述のような構成であるので、粘度が
高く、しかも、不溶解分が抑制された(メタ)アクリル
酸系水溶性重合体を効率的に、突沸等の異常反応を抑制
して製造することが可能であり、また、この製造方法に
より得られる(メタ)アクリル酸系水溶性重合体は、掘
削土処理剤やパップ剤用添加剤、浚渫土処理剤等に用い
ることができるものである。
【0045】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0046】実施例1 容量500mlのステンレス製容器にアクリル酸20
3.8g、イオン交換水68.35gを入れ、冷却下、
水酸化ナトリウム48%水溶液23.6gを添加し、ア
クリル酸部分中和塩水溶液を得た。上記アクリル酸部分
中和塩水溶液を窒素バブリングすることにより溶存酸素
を除去した。次いで、この水溶液を10℃に温度調整し
た後、光重合開始剤であるV−50(和光純薬工業社
製、アゾ系光重合開始剤、化学名2,2′−アゾビス−
2−アミジノプロパン2塩酸塩)の2%水溶液1.41
g及び連鎖移動剤である次亜燐酸ナトリウムの2%水溶
液2.83gを添加し均一混合した。
【0047】この反応液中には、単量体としてアクリル
酸とアクリル酸ナトリウムが含まれ、全単量体中の塩型
単量体(アクリル酸ナトリウム)の割合、つまり中和度
は10モル%であった。また、反応液中の単量体(アク
リル酸とアクリル酸ナトリウム)濃度は70質量%であ
った。V−50の添加量は単量体1モルに対して0.0
1gであった。次亜燐酸ナトリウムの添加量は単量体1
モルに対して0.02gであった。
【0048】実施例で用いた重合容器は、上部と下部に
より構成されるものであり、これを図6に概念図により
示した。(a)は重合容器の上部10の平面図、(b)
は重合容器の上部10の側面図、(c)は重合容器の下
部11の平面図、(d)は重合容器の下部11の側面図
である。この重合容器はステンレス(SUS304)製
であって、重合容器の下部11には、冷却水等を導入す
るためのソケット12及び排出するためのソケット13
を有し、冷却水等が下側のソケット12より入り、上側
のソケット13より排出されるような構造となってい
る。実施例においては、上部10を下部11にかぶせる
ようにして合わせ、ボルト・ナットで8ヶ所固定して使
用した。なお、上記重合容器の図6であるが、重合容器
の上部10と下部11とをかぶせたときのフランジに相
当する部分の厚みはそれぞれ8mmであり、図中(8)
で示した。また、重合容器の上部10の高さは52mm
で図中(52)で示した。また重合容器の下部11の高
さは77mmであり、図中(77)と示した。またそれ
ぞれの重合容器であるが、上部10の重合容器部分の内
部直径は300mm、上部11の重合容器部分の内部直
径は350mmであった。
【0049】このような重合容器の下部11にソケット
12から10℃の冷水を導入し、ソケット13から排出
すると共に、重合容器の下部11をサランラップで覆っ
て反応液が導入される空間部分を窒素置換した。次いで
反応液を重合容器に導入した後、波長範囲、300〜4
50nmの近紫外線をブラックライト水銀ランプ(東芝
社製、形名H400BL−L)を用いて強度30W/m
で30秒間照射した。照射開始後、直ちに重合が開始
した。次いで、水銀ランプの真下に光が全く透過しない
遮光版を挿入し30秒保持した。この時点における反応
生成物の少量をサンプリングして臭素付加法で残留モノ
マーを測定した結果、残留モノマーは全単量体に対して
56モル%であった。この操作を8回繰り返した後、遮
光版を完全に外して7分間保持した。次に、ソケット1
2から導入している冷水の温度を80℃に昇温して5分
間保持することにより重合を完結した。この間、重合は
極めてスムーズに進行し突沸などの異常反応は認められ
なかった。このようにしてゲル状の重合体を得た。
【0050】ゲル状重合体中の使用した原料単量体に対
する残留単量体を臭素付加法で測定した結果、0.8モ
ル%であった。次に、ゲル状重合体をハサミで細かく裁
断した後、80℃で減圧乾燥し、卓上粉砕機で粉砕した
後、40メッシュパスとなるように分級してポリアクリ
ル酸部分中和塩からなる重合体(1)を得た。この重合
体(1)をイオン交換水にその濃度が0.2%となるよ
うにジャーテスターを用いて100rpmで30分間攪
拌することにより溶解させた。この水溶液の30℃にお
けるB型粘度は190mPa・sであり、未溶解物は殆
ど認められなかった。
【0051】実施例2 実施例1で用いたアクリル酸203.8gの代わりにア
クリル酸157.1g及びメタクリル酸46.96g、
イオン交換水68.35gの代わりに69.15g、水
酸化ナトリウム48%水溶液23.6gの代わりに2
2.7g、2%V−50水溶液1.42gの代わりに
1.36g、2%次亜燐酸ナトリウム水溶液2.83g
の代わりに2.73gをそれぞれ用い反応液を調製し
た。
【0052】この反応液中の単量体中和度は10モル%
であった。また、単量体濃度は70質量%であった。V
−50の添加量は単量体1モルに対して0.01gであ
った。次亜燐酸ナトリウムの添加量は単量体1モルに対
して0.02gであった。実施例1と同様にしてゲル状
の重合体を得た。
【0053】ゲル状重合体中の残留単量体を臭素付加法
で測定した結果、1.1モル%であった。また、このゲ
ル状の重合体を実施例1と同様に処理してアクリル酸/
メタクリル酸(モル比80/20)部分中和物からなる
重合体(2)を得た。重合体(2)の0.2%水溶液粘
度は143mPa・sで極少量の未溶解物が認められ
た。
【0054】実施例3 幅15cm、長さ150cm、材質SUS304製のベ
ルトを備えたベルト重合機のフードに窒素ガスを連続的
に通気しながら、しかもベルト上面が30W/m の光
強度となるように近紫外線を照射した。
【0055】上記ベルト重合機は、ベルト上面に反応液
を保持するための高さ1.5cmの堰と、窒素ガスが通
気でき、かつ、ベルト上面部を覆う構造のフードとを有
している。このフードには、波長範囲300〜450n
mの近紫外線ランプが、ベルトの長軸方向に3個取り付
けてある。また、堰の上部に近接するように幅2.5c
mで長さ15cmの遮光版が間隔2.5cmとなるよう
に反応液供給部位より順次20枚、均等間隔に取り付け
てある。更に、ベルト下面より冷水又は温水により反応
液を冷却又は加熱できる構造となっている。
【0056】次いで、予め溶存酸素が除去してある実施
例1で用いた反応液をベルト上面に供給した。供給開始
と同時にベルトを5cm/minの速度で連続的に動か
した。これにより、反応液に30W/mの近紫外線を
30秒おきに20分間照射した。この間、ベルト下部よ
り温度5℃の冷水をシャワー状に散布して反応液を冷却
した。次工程の加熱ゾーンでは30W/mの近紫外線
を連続的に10分間照射した。この間、ベルト下部より
温度80℃の温水をシャワー状に散布して反応物(ゲ
ル)を加熱した。ベルト出口から反応物(ゲル)をスク
レーパーによりかきとってゲル状の重合体を得た。
【0057】ゲル状重合体中の残留単量体を臭素付加法
で測定した結果、1.4モル%であった。また、このゲ
ル状の重合体を実施例1と同様に処理してポリアクリル
酸部分中和物からなる重合体(3)を得た。重合体
(3)の0.2%水溶液粘度は188mPa・sで極少
量の未溶解物が認められた。
【0058】実施例4 実施例3でベルト重合機を図3及び図4で示したふね型
(船型ベルト)にかえて、あとは実施例3と同様に重合
を行った。得られたゲル状の重合体物性は、実施例3と
同等であった。
【0059】比較例1 近紫外線の照射方法として、遮光版を用いずに、最初か
ら強度30W/mの光を連続して15分間照射した以
外は、実施例1と同様にして重合した。照射開始して4
5秒後に重合液が突沸し、少量のゲル状物がサランラッ
プに付着した。重合完結後のゲル中の残留単量体を実施
例1と同様に測定した結果、4.6%であった。また、
この重合完結後のゲルを実施例1と同様に処理してポリ
アクリル酸部分中和塩からなる比較重合体(1)を得
た。比較重合体(1)の0.2%水溶液粘度は33mP
a・sで多量の未溶解物が認められた。
【0060】比較例2 近紫外線の照射方法として、遮光版を用いずに、最初か
ら強度12W/mの光を連続して15分間照射した以
外は、実施例1と同様にして重合した。重合はスムーズ
に進行し突沸などの異常反応は認められなかった。重合
完結後のゲル中の残留単量体は実施例1と同様に測定し
た結果、2.7モル%であった。また、この重合完結後
のゲルを実施例1と同様に処理してポリアクリル酸部分
中和塩からなる比較重合体(2)を得た。比較重合体
(2)の0.2%水溶液粘度は83mPa・sで少量の
未溶解物が認められた。
【0061】
【発明の効果】本発明の(メタ)アクリル酸系水溶性重
合体の製造方法は、上述のような構成であるので、粘度
か高く、しかも、不溶解分が抑制された(メタ)アクリ
ル酸系水溶性重合体を効率的に、突沸等の異常反応を抑
制して製造することができる方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の(メタ)アクリル酸系水溶性重合体の
製造方法の実施の一形態を示す概念図である。
【図2】本発明の(メタ)アクリル酸系水溶性重合体の
製造方法の実施の他の一形態を示す概念図である。
【図3】本発明の(メタ)アクリル酸系水溶性重合体の
製造方法の実施の一形態を示す概念図である。
【図4】本発明の(メタ)アクリル酸系水溶性重合体の
製造方法の実施の他の一形態を示す概念図である。
【図5】(a)は、本発明の(メタ)アクリル酸系水溶
性重合体の製造方法の実施の一形態において用いられる
船型ベルトを示す概念図であり、(b)は船型ベルトの
断面概念図である。
【図6】本発明の(メタ)アクリル酸系水溶性重合体の
実施例で用いられた重合容器を示す概念図であって、
(a)は重合容器の上部10の平面図、(b)は重合容
器の上部10の側面図、(c)は重合容器の下部11の
平面図、(d)は重合容器の下部11の側面図である。
なお、(b)、(c)及び(d)において、括弧内の数
値は、重合容器のサイズを表す。
【符号の説明】
1 連続基材ベルト 2 紫外線ランプ 3 遮光版 4 強遮光版 5 弱遮光版 6 光照射方向 7 ベルト運転方向 8 連続基材ベルト(船型ベルト) 9 反応液 10 重合容器の上部 11 重合容器の下部 12、13 ソケット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸系単量体成分を含む
    単量体成分、重合溶媒及び光重合開始剤を含有する反応
    液の光重合工程を含んでなる(メタ)アクリル酸系水溶
    性重合体の製造方法であって、該光重合工程は、光重合
    に使用する(メタ)アクリル酸系単量体成分の量を10
    0モル%とすると、近紫外線を照射して重合を開始せし
    めた後に重合系内に(メタ)アクリル酸系単量体成分が
    3〜90モル%存在しているときに光強度を低下させる
    ことを特徴とする(メタ)アクリル酸系水溶性重合体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 (メタ)アクリル酸系単量体成分を含む
    単量体成分、重合溶媒及び光重合開始剤を含む反応液の
    光重合工程を含んでなる(メタ)アクリル酸系水溶性重
    合体の製造方法であって、該光重合工程は、近紫外線を
    照射して重合を開始せしめた後に重合の開始時よりも近
    紫外線の光強度が弱い強度と該弱い強度よりも強い強度
    とが繰り返されるように照射して重合せしめることを特
    徴とする(メタ)アクリル酸系水溶性重合体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記光重合工程は、前記反応液を連続的
    に稼働しているベルト上に展開し、該反応液上面と近紫
    外線発生部位との間の少なくとも一箇所に強遮光版及び
    /又は弱遮光版を設け、その上部より一定強度の近紫外
    線を連続的に照射して重合させることを特徴とする請求
    項2記載の(メタ)アクリル酸系水溶性重合体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記反応液は、(メタ)アクリル酸系単
    量体成分の濃度が50〜95質量%であることを特徴と
    する請求項1、2又は3記載の(メタ)アクリル酸系水
    溶性重合体の製造方法。
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