JP2003271039A - イニシャル検知機構及び作像ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】部品点数を削減しつつ使用済であることを示す
目印を容易に復元することができない状態で形成し、交
換用ユニットのリサイクル処理を煩雑化、困難化するこ
となく、交換用ユニットの未使用状態と使用済状態との
判別の信頼性を向上する。 【解決手段】一部に切欠部２２ｅを形成した縁部２２ｊ
を有するカバー２２、軸体２１ｃとバネ部２１ｅと突起
２１ｆと溝部２１ｈとを有する移動体２１、駆動ギア２
３ａとリブ２３ｃとを有するシャフト体２３により構成
した。現像ユニット４の未使用状態では、突起２１ｆが
縁部２２ｊに外側から当接して軸体２１ｃの露出状態が
維持される。現像ユニット４が使用開始されて駆動ギア
２３ａに回転が伝達されるとリブ２３ｃと溝部２１ｈと
の嵌合により移動体２１が回転し、突起２１ｆが切欠部
２２ｅに対向した時にバネ部２１ｅの弾性力によって移
動体２１がシャフト体２３側に移動し、軸体２１ｃが露
出位置から退避する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、複写機やプリン
タ等の電子写真方式の画像形成を行う画像形成装置に着
脱自在に装着される作像ユニット、及び、これに適用さ
れるイニシャル検知機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子写真方式の画像形成を行う画像形成
装置では、ドラム状やベルト状の像担持体、並びに、そ
の周囲に配置される帯電部、書込部、現像部、転写部及
びクリーニング部等の一部又は全部を単一の筐体内に収
納して画像形成装置本体に対して着脱自在な作像ユニッ
トを構成したものがある。これによって、画像形成部の
メンテナンス性の向上が図られている。

【０００３】ところが、このような作像ユニットは、使
用とともに徐々に各部が劣化して経時的に破損や画像品
質の低下を生じる。このため、各部の破損や画像品質の
低下を生じる前に新たな作像ユニットと交換する必要が
ある。

【０００４】例えば、像担持体は、表面の感光層の磨耗
を考慮して寿命が定められており、この寿命を超えて使
用すると帯電不良や感度変化によって画像品質が低下
し、また、異常放電によるトナーの飛散によって装置内
を汚損する場合がある。

【０００５】このため、従来は、画像を形成した記録媒
体の枚数、又は、像担持体の回転数若しくは駆動時間等
の積算値から作像ユニットの交換時期の到来を検出して
その旨のメッセージを発生し、ユーザに対して作像ユニ
ットの交換を促すようにされていた。ユーザが新たな作
像ユニットに交換した際には、積算値をクリアして新た
に積算が開始される。

【０００６】しかし、作像ユニットの多くは、使用済状
態であるか未使用状態であるかに拘わらず画像形成装置
本体に装着可能にされており、使用中の作像ユニットを
取り外して未使用状態の作像ユニットを装着すべき交換
時期に、誤って使用済状態の作像ユニットが装着される
可能性がある。特に、装着しようとする作像ユニットが
使用済状態であるか未使用状態であるかを目視によって
確認することは困難であり、ユーザが使用済状態の作像
ユニットを誤装着する可能性は高い。

【０００７】そこで、従来より、画像形成装置本体に新
たに装着される作像ユニットが未使用状態であるか否か
を判別するための種々の構成が提案されている。このう
ち、作像ユニットに使用済状態である旨のマーキングを
行うのもでは、未使用状態への復元が容易であるために
作像ユニットのリサイクル処理には適しているが、作像
ユニットの未使用状態と使用済み状態との判別の信頼性
に欠ける。

【０００８】この点を考慮して、実開平４−１１０７５
号公報には楕円ギヤと固定爪とを用いた構成が開示され
ており、特開２０００−４７５４９公報には画像形成装
置本体側の検知手段によって作像ユニットの一部を不可
逆的に変形又は移動させるようにした構成が開示されて
おり、特開平１１−８４９８７号公報には画像形成装置
本体への装着時に作像ユニットに形成された嵌合孔を塞
ぐようにした構成が開示されている。これらの構成によ
って、作像ユニットの未使用状態と使用済状態との判別
の信頼性を向上することができるとされている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、作像ユ
ニットの未使用状態と使用済み状態との判別の信頼性の
向上を考慮した従来の構成では、作像ユニットに多数の
部品を追加する必要があり、作像ユニットのリサイクル
処理が煩雑化、困難化し、コストの上昇を招く問題があ
った。このような問題は、画像形成装置の作像ユニット
のみならず、本体装置に着脱自在にされた交換用ユニッ
トにおいて一般的に生じる問題である。

【００１０】この発明の目的は、交換用ユニットに追加
される部品点数を削減しつつ、使用済であることを示す
目印を容易に復元することができない状態で形成できる
ようにし、交換用ユニットのリサイクル処理を煩雑化、
困難化することなく、交換用ユニットの未使用状態と使
用済状態との判別の信頼性を向上することができるイニ
シャル検知機構、及び、このイニシャル検知機構を適用
した作像ユニットを提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するために、以下の構成を備えている。

【００１２】（１）本体装置に対して着脱自在にされた
交換用ユニットにおける外部から視認可能な露出位置に
進退自在に移動体を設け、交換用ユニットが未使用状態
であるか使用済状態であるかに応じて、本体装置に備え
られた検出手段の検出対象である移動体を露出位置に露
出した状態、又は、露出位置から退避した状態の何れか
に保持する状態切換部材を設けたことを特徴とする。

【００１３】この構成においては、交換用ユニットにお
ける外部から視認可能な露出位置に進退自在に設けられ
て本体装置の検出手段により検出される移動体が、交換
用ユニットが未使用状態であるか使用済状態であるかに
応じて、露出位置に露出した状態、又は、露出位置から
退避した状態に保持される。したがって、移動体が露出
位置において露出しているか退避しているかの目視結
果、及び、検出手段による移動体の検出結果から、交換
用ユニットが未使用状態であるか使用済状態であるかが
正確に判別される。また、移動体は露出位置おいて露出
した状態と退避した状態とに可逆的に変位する。したが
って、交換用ユニットの未使用状態に対応した状態から
使用済状態に対応した状態に変位した移動体を、交換用
ユニットのリサイクル処理時に未使用状態に対応した状
態に変位させることによって、同一の移動体を用いて交
換用ユニットが未使用状態であるか使用済状態であるか
が繰り返し識別される。

【００１４】（２）前記状態切換部材は、本体装置に対
する交換用ユニットの装着後に交換用ユニット内部に本
体装置から作用する駆動力によって移動体の露出位置に
対する状態を切り換えることを特徴とする。

【００１５】この構成においては、本体装置に装着され
た交換用ユニット内部に本体装置から作用する駆動力に
よって移動体の露出位置に対する状態が変更される。し
たがって、交換用ユニット内部に対する本体装置からの
駆動力が作用することのない本体装置への交換用ユニッ
トの装着前においては移動体が交換用ユニットの未使用
状態に対応した状態から使用済状態に対応した状態に変
位することがない。また、一旦、使用済状態に対応した
状態に変位した移動体は、リサイクル処理等における交
換用ユニット内部に対する作業によってのみ交換用ユニ
ットの使用済状態に対応した状態から未使用状態に対応
した状態に変位する。このため、未使用状態の交換用ユ
ニットが使用されない状態で移動体が使用済状態に対応
した状態に変位すること、及び、使用済状態の交換用ユ
ニットがリサイクル処理されることなく移動体が未使用
状態に対応した状態変位することがなく、移動体の状態
から交換用ユニットが未使用状態であるか使用済状態で
あるかが正確に判別される。

【００１６】（３）前記状態切換部材は、移動体を使用
済状態に対応した位置に付勢する弾性体と、移動体の一
部から移動体の進退方向に直交する方向に突出した突起
に前記進退方向に平行な軸周りの一部の範囲で当接して
移動体の使用済状態に対応した位置への移動を規制する
規制部材と、本体装置から作用する駆動力によって移動
体を前記進退方向に平行な軸周りに回転させる回転伝達
部材と、を含むことを特徴とする。

【００１７】この構成においては、本体装置から交換用
ユニット内部に駆動力が作用しない状態では、弾性体の
付勢力による使用済状態に対応した位置への移動体の変
位が、移動体の一部から突出した突起と規制部材との当
接によって規制される。したがって、未使用状態の交換
用ユニットにおいて、未使用状態に対応した移動体の状
態が維持される。一方、本体装置から交換用ユニット内
部に駆動力が作用すると、移動体が回転伝達部材によっ
て回転し、移動体の突起と規制部材との当接が解除さ
れ、移動体は弾性体の付勢力によって使用済状態に対応
した位置に変位する。したがって、使用済状態の交換用
ユニットにおいて、使用済状態に対応した移動体の状態
が維持される。

【００１８】（４）本体装置である電子写真方式の画像
形成装置に対して着脱自在にされた作像ユニットであっ
て、（１）〜（３）の何れかに記載のイニシャル検知機
構を設けたことを特徴とする。

【００１９】この構成においては、本体装置である電子
写真方式の画像形成装置に対して着脱自在にされた作像
ユニットに、（１）〜（３）の何れかに記載のイニシャ
ル検知機構が設けられる。したがって、移動体が露出位
置において露出しているか退避しているかの目視結果、
及び、検出手段による移動体の検出結果から、作像ユニ
ットが未使用状態であるか使用済状態であるかが正確に
判別される。また、作像ユニットの未使用状態に対応し
た状態から使用済状態に対応した状態に変位した移動体
を、作像ユニットのリサイクル処理時に未使用状態に対
応した状態に変位させることによって、同一の移動体を
用いて作像ユニットが未使用状態であるか使用済状態で
あるかが繰り返し識別される。

【００２０】

【発明の実施の形態】図１は、この発明の実施形態に係
るイニシャル検知機構を適用した作像ユニットが装着さ
れる画像形成装置の概略の構成を示す図である。この発
明の本体装置である画像形成装置１００は、内部の略中
央部に像担持体である感光体ドラム１を矢印方向に回転
自在に備え、この感光体ドラム１の周囲に、帯電器２、
書込ユニット３、現像ユニット４、転写器５、分離器６
及びクリーナ７を、感光体ドラム１の回転方向に沿って
この順に配置している。

【００２１】感光体ドラム１の表面には光導電作用を有
する感光層が形成されており、帯電器２は感光体ドラム
１の表面に所定の電荷を均一に帯電させる。書込ユニッ
ト３は、画像データによって変調されたレーザ光等の画
像光を感光体ドラム１の表面に照射し、帯電電荷を選択
的に除去して感光体ドラム１の表面に静電潜像を形成す
る。この発明の交換用ユニットである現像ユニット４
は、感光体ドラム１の表面に現像剤を供給して静電潜像
を現像剤像に可視像化する。転写器５は、感光体ドラム
１の表面に担持された現像剤像を用紙上に転写する。分
離器６は、現像剤像が転写された用紙を感光体ドラム１
の表面から剥離する。クリーナ７は、現像剤像の転写を
終了した感光体ドラム１の表面から残留している現像剤
や紙粉等を除去する。

【００２２】画像形成装置１００の一方の側面には、給
紙カセット８ａ〜８ｃが装着されている。給紙カセット
８ａ〜８ｃは、それぞれ、単一のサイズの複数枚の用紙
を収納している。この給紙カセット８ａ〜８ｃのそれぞ
れに収納されている用紙の最上面に対向する位置にピッ
クアップローラ９ａ〜９ｃが設けられている。また、各
給紙カセット８ａ〜８ｃから感光体ドラム１と転写器５
との間に至る用紙搬送経路中に、給紙ローラ１０ａ〜１
０ｃ、搬送ローラ１１及びレジストローラ１２が配置さ
れている。

【００２３】ピックアップローラ９ａ〜９ｃは、給紙カ
セット８ａ〜８ｃに収納されている用紙を最上部に位置
するものから繰り出す。給紙ローラ１０ａ〜１０ｃは、
繰り出された用紙を１枚ずつ用紙搬送経路内に導く。搬
送ローラ１１は、用紙搬送経路における用紙の搬送を継
続する。レジストローラ１２は、搬送された用紙を感光
体ドラム１の回転に同期したタイミングで感光体ドラム
１と転写器５との間に導く。これによって、用紙上の適
正な位置に現像剤像が転写される。現像剤像が転写され
た用紙は、搬送ベルト１３によって定着装置１４に導か
れ、定着装置１４内で加熱及び加圧されて現像剤像が熱
定着する。

【００２４】図２は、この発明の実施形態に係るイニシ
ャル検知機構を適用した作像ユニットである現像ユニッ
トの上面方向からの外観図である。現像ユニット４は、
現像剤を貯留する現像槽が形成された中空容器のケーシ
ング４ａ内に、現像ローラ４ｂをスポンジローラ及び攪
拌ローラとともに軸支し、かつ、現像ローラ４ｂの周面
における現像剤の層厚を規制するドクタブレードを固定
しており、さらに、現像ローラ４ｂに外部の駆動モータ
からの回転力を伝達する駆動ギアを備えている。スポン
ジローラは、現像槽の上部において現像ユニット４の上
面に装着されるホッパに収納された現像剤を現像槽内に
供給する。攪拌ローラは、現像槽内の現像剤を攪拌しつ
つ現像ローラ４ｂに搬送する。現像ローラ４ｂは、周面
の一部をケーシング４ａから感光体ドラム１側に露出し
ており、ドクタブレードによって規制された層厚で周面
に層状に付着した現像剤を感光体ドラム１に供給する。

【００２５】図３は、この発明の実施形態に係るイニシ
ャル検知機構の構成を示す組立図である。また、図４
は、同イニシャル検知機構の現像ユニットにおける取付
状態を示す部分断面図である。この実施形態に係るイニ
シャル検知機構２０は、何れも樹脂を素材として成型さ
れた移動体２１、カバー２２及びシャフト体２３を含
む。

【００２６】移動体２１は、一方の側面２１ａにおいて
開放し、他方の側面２１ｂの中心部から軸体２１ｃが突
出した中空円筒形状を呈している。移動体２１の周面に
おける側面２１ａ側端部には、１８０度の回転間隔の２
箇所から、支持部２１ｄが移動体２１の半径方向に突出
しており、この支持部２１ｄに一端を連続させたバネ部
２１ｅが側面２１ｂ側に向かって弧を描いて延出してい
る。バネ部２１ｅは、この発明の弾性体であり、開放端
である他端が移動体２１の軸方向に沿って側面２１ａ側
に向かって変位する状態で弾性的に変形する。また、軸
体２１ｃの周面には、１８０度の回転間隔の２箇所か
ら、突起２１ｆが突出して形成されている。さらに、移
動体２１の側面２１ｂには、１２０度の回転間隔の３箇
所に孔部２１ｇが形成されている。各孔部２１ｇは、移
動体２１の内周面に形成された軸方向の溝部２１ｈ（図
示せず。）に連続している。なお、この溝部２１ｈは、
移動体２１の周面の軸方向の全幅にわたって形成されて
おり、側面２１ａに開放している。

【００２７】カバー２２は、一方の側面２２ａにおいて
開放し、他方の側面２２ｂの中心部からボス部２２ｃが
突出する中空円筒形状を呈している。カバー２２の内径
は支持部２１ｄ及びバネ部２１ｅを含む移動体２１の外
径に略等しくされており、カバー２２の内部に移動体２
１が嵌入する。側面２２ｂの中心部には移動体２１の軸
体２１ｃが嵌入する孔部２２ｄが形成されており、この
孔部２２ｄの縁部２２ｊにおける１８０度の回転間隔の
位置には移動体２１の突起２１ｆが貫通する切欠部２２
ｅが形成されている。この縁部２２ｊが、この発明の規
制部材に相当する。また、カバー２２の周面の一部には
２箇所の空間２２ｆに挟まれた爪体２２ｇが形成されて
いる。さらに、カバー２２の周面の他の一部は、直線状
に切り欠かれて平面部２２ｈにされている。加えて、カ
バー２２の周面における側面２２ｂ側端部には、突起２
２ｉが突出して形成されている。

【００２８】シャフト体２３は、駆動ギア２３ａの一方
の側面の中央から円筒状のスリーブ２３ｂを突出させた
ものである。図２及び図４に示すように、イニシャル検
知機構２０は、駆動ギア２３ａが現像ユニット４に内蔵
されている現像ローラ４ｂの駆動ギア４ｃに噛合する状
態で、現像ユニット４内に取り付けられる。スリーブ２
３ｂの外径は少なくとも移動体２１の内径よりも小さく
されており、スリーブ２３ｂにおける駆動ギア２３ａと
は反対側の一部が移動体２１の内部に収納される。スリ
ーブ２３ｂの周面における１２０度の回転間隔の３箇所
には、リブ２３ｃがスリーブ２３ｂの半径方向に突出し
て形成されている。このリブ２３ｃのそれぞれは、スリ
ーブ２３ｂの一部が移動体２１の内部に収納された際
に、移動体２１の溝部２１ｈ及び孔部２１ｇに嵌合す
る。

【００２９】なお、イニシャル検知機構２０は、現像ユ
ニット４のケーシング４ａにおける背面側の開口部４ｄ
から内部に向かって軸方向に挿入することにより、所定
の位置に取り付けられる。この時、カバー２２の平面部
２２ｈ及び突起２２ｉをケーシング４ａの図示しない平
面部及び凹部に対向させることにより、イニシャル検知
機構２０の現像ユニット４に対する回転位置が決定され
る。また、イニシャル検知機構２０がケーシング４ａの
内部における所定の位置まで挿入された時に、カバー２
２の爪体２２ｇがケーシング４ａに形成された図示しな
い段部に係合し、ケーシング４ａに対するイニシャル検
知機構２０の軸方向の位置が決定される。この爪体２２
ｇの段部に対する係合状態は爪体２２ｇを作業者の手指
により又は工具を介して解除することができ、爪体２２
ｇの段部に対する係合状態を解除することによってイニ
シャル検知機構２０をケーシング４ａから取り外すこと
ができる。

【００３０】以上の構成において、移動体２１のバネ部
２１ｅ及び溝部２１ｈ、カバー２２の縁部２２ｊ、並び
に、シャフト体２３のリブ２３ｃがこの発明の状態切換
部材を構成しており、このうち、移動体２１の溝部２１
ｈ及びシャフト体２３のリブ２３ｃが同じく回転伝達部
材を構成している。

【００３１】図５及び図６は、上記イニシャル検知機構
による現像ユニットの未使用状態及び使用済状態の表示
方法を説明する図である。未使用状態の現像ユニット４
においては、イニシャル検知機構２０は、図５（Ａ）及
び（Ｂ）に示すように、移動体２１の軸体２１ｃを除く
全体がカバー２２内に収納される。この時、移動体２１
の軸体２１ｃは、カバー２２の孔部２２ｄをカバー２２
の内側から貫通してボス部２２ｃよりも外側に露出し、
露出位置に位置している。また、移動体２１のバネ部２
１ｅは、開放端がカバー２２の内側面との当接により圧
縮され、移動体２１の軸方向について支持部２１ｄ側に
収縮した状態に弾性変形を生じている。

【００３２】この状態では、移動体２１には弾性変形を
生じているバネ部２１ｅの復元力が矢印Ｆ方向に作用し
ており、移動体２１はカバー２２から離間する方向に付
勢されている。しかし、移動体２１の軸体２１ｃの周面
から突出した突起２１ｆが、カバー２２における孔部２
２ｄとボス部２２ｃの内周面との間の縁部２２ｊにカバ
ー２２の外側から当接することにより、カバー２２内に
移動体２１の軸体２１ｃを除く全体が収納された図５に
示す状態が維持される。

【００３３】即ち、カバー２２内に移動体２１を収納す
る際には、先ず、移動体２１の軸体２１ｃがカバー２２
の孔部２２ｄに対向するように移動体２１とカバー２２
との回転軸に直交する平面における相対位置を決定する
とともに、移動体２１の突起２１ｆがカバー２２の切欠
部２２ｅに対向するように移動体２１とカバー２２との
回転位置を決定し、この状態でバネ部２１ｅの弾性力に
抗してカバー２２内に移動体２１を挿入していく。移動
体２１の軸体２１ｃがカバー２２の孔部２２ｄを貫通
し、突起２１ｆがカバー２２の縁部２２ｊの外側に露出
すると、移動体２１をカバー２２に対して１８０度以外
の回転角度で回転させることにより、突起２１ｆが縁部
２２ｊにカバー２２の外側から当接する。この状態で、
移動体２１は、縁部２２ｊに対する突起２１ｆの当接に
より、カバー２２に対する矢印Ｆ方向の移動を規制され
ているが、カバー２２に対する回転動作は何ら拘束され
ていない。

【００３４】イニシャル検知機構２０は、図５に示すよ
うに、移動体２１の軸体２１ｃを除く全体がカバー２２
内に収納され、軸体２１ｃがカバー２２のボス部２２ｃ
よりも外側に露出した状態で、未使用状態の現像ユニッ
ト４に装着される。したがって、未使用状態の現像ユニ
ット４では、ケーシング４ａの背面側においてカバー２
２のボス部２２ｃから軸体２１ｃが露出した状態が視認
される。

【００３５】なお、上述のように、シャフト体２３は、
スリーブ２３ｂの一部を移動体２１の内部に挿入された
際に、スリーブ２３ｂの周面に形成されたリブｃが移動
体２１の内周面に形成された溝部２１ｈに嵌入してい
る。このため、移動体２１及びシャフト体２３は、周方
向について互いに回転を拘束されているが、軸方向につ
いては互いに移動自在にされている。

【００３６】図５に示すように軸体２１ｃがボス部２２
ｃよりも外側に露出した未使用状態の現像ユニット４を
画像形成装置１００の所定の位置に装着すると、図５
（Ａ）に示すように画像形成装置１００に取り付けられ
たセンサ２５に軸体２１ｃの先端部が当接し、センサ２
５がオンして未使用状態の現像ユニット４が装着された
ことが、画像形成装置１００において検出される。な
お、センサ２５は、この発明の検出手段である。

【００３７】この状態で、画像形成装置１００が動作を
開始し、画像形成装置１００に設けられた駆動モータの
回転力が現像ユニット４内の駆動ギア４ｃに伝達される
と、駆動ギア４ｃに噛合する駆動ギア２３ａを介してシ
ャフト体２３が駆動ギア４ｃとともに回転する。このシ
ャフト体２３の回転は、互いに周方向の回転動作を拘束
された移動体２１に伝達され、現像ユニット４のケーシ
ング４ａに対する軸方向の移動及び周方向の回転が規制
されたカバー２２に対して移動体２１がシャフト体２３
とともに回転する。この回転にともなって移動体２１の
突起２１ｆがカバー２２の縁部２２ｊにおける切欠部２
２ｅに対向する位置まで回転すると、突起２１ｆが縁部
２２ｊに当接しなくなる結果、バネ部２１ｅの弾性力
（復元力）により付勢されていた移動体２１の矢印Ｆ方
向への移動に対する規制が無くなり、図６に示すよう
に、移動体２１は、溝部２１ｈに対するリブ２３ｃの摺
動によってカバー２２内に収納された状態から駆動ギア
２３ａに近接する方向に移動して、一部をカバー２２内
から露出し、移動体２１の軸体２１ｃは、カバー２２の
ボス部２２ｃから外部に露出しなくなる。

【００３８】このように、軸体２１ｃがボス部２２ｃか
ら外部に露出しない状態は、移動体２１のバネ部２１ｅ
の開放端とカバー２２の内側面との当接により、使用済
状態の現像ユニット４において維持される。したがっ
て、未使用状態の現像ユニット４では、ケーシング４ａ
の背面側においてカバー２２のボス部２２ｃから軸体２
１ｃが露出しない状態が視認される。

【００３９】また、図６に示すように軸体２１ｃの殆ど
がボス部２２ｃの内側に退避した使用済状態の現像ユニ
ット４を画像形成装置１００の所定の位置に装着する
と、図６（Ａ）に示すように画像形成装置１００に取り
付けられたセンサ２５に軸体２１ｃの先端部が当接せ
ず、センサ２５がオフして使用済状態の現像ユニット４
が装着されていることが、画像形成装置１００において
検出される。

【００４０】以上のようにして、この実施形態に係るイ
ニシャル検知機構２０では、ケーシング４ａの背面側に
おいてカバー２２のボス部２２ｃから軸体２１ｃが露出
しているか否かによって、現像ユニット４が未使用状態
であるか使用済状態であるかが正確に識別される。しか
も、バネ部２１ｅの弾性力による移動体２１の移動をカ
バー２２の縁部２２ｊに対する移動体２１の突起２１ｆ
の当接によって規制する一方、この規制を移動ギア４ｃ
に噛合する駆動ギア２３ａの回転に伴う移動体２１の回
転によって解除することにより、カバー２２のボス部２
２ｃから軸体２１ｃが露出している状態と露出していな
い状態とが確実に維持されるため、現像ユニット４の未
使用状態と使用済状態とが簡単な構成で常に正確に識別
される。

【００４１】なお、上記の実施形態では、現像ユニット
４の未使用状態において軸体２１ｃを露出位置に露出さ
せてセンサ２５により検出されるようにし、現像ユニッ
ト４の使用済状態において軸体２１ｃを露出位置から退
避させてセンサ２５により検出されないようにしたが、
これとは逆に、現像ユニット４の使用済状態において軸
体２１ｃを露出位置に露出させてセンサ２５により検出
されるようにし、現像ユニット４の未使用状態において
軸体２１ｃを露出位置から退避させてセンサ２５により
検出されないようにするものであってもよい。また、セ
ンサ２５は、軸体２１ｃが露出位置から退避した状態で
オンし、軸体２１ｃが露出位置に露出した状態でオフす
るものであってもよい。

【００４２】また、使用済状態の現像ユニット４をリサ
イクル処理して未使用状態の現像ユニット４として再使
用する場合には、ケーシング４ａからイニシャル検知機
構２０を取り外した後に、移動体２１の軸体２１ｃをカ
バー２２の孔部２２ｄに対向させることによる移動体２
１とカバー２２との回転軸に直交する平面における相対
位置の決定、移動体２１の突起２１ｆをカバー２２の切
欠部２２ｅに対向させることによる移動体２１とカバー
２２との回転位置の決定、バネ部２１ｅの弾性力に抗し
たカバー２２内への移動体２１の挿入、カバー２２に対
する１８０度以外の回転角度での移動体２１の回転を順
次行うことにより、突起２１ｆを縁部２２ｊにカバー２
２の外側から当接させてイニシャル検知機構２０を未使
用状態にすることができる。このため、現像ユニット４
のリサイクル時に、簡単な作業によってイニシャル検知
機構２０を繰り返し使用することができ、コストパフォ
ーマンスを向上することができる。

【００４３】さらに、上記の実施形態では、画像形成装
置１００に着脱される現像ユニット４にこの発明のイニ
シャル検知機構を適用した場合を例にあげて説明した
が、この発明はこれに限らず、本体装置に対する交換ユ
ニットの装着時にイニシャル検知機構に回転力を供給で
きることを条件として、他の交換用ユニットにも同様に
適用することができる。

【００４４】

【発明の効果】この発明によれば、以下の効果を奏する
ことができる。

【００４５】（１）交換用ユニットにおける外部から視
認可能な露出位置に進退自在に設けられて本体装置の検
出手段により検出される移動体を、交換用ユニットが未
使用状態であるか使用済状態であるかに応じて、露出位
置に露出した状態、又は、露出位置から退避した状態に
保持することにより、移動体が露出位置において露出し
ているか退避しているかの目視結果、及び、検出手段に
よる移動体の検出結果から、交換用ユニットが未使用状
態であるか使用済状態であるかを正確に判別することが
できる。また、移動体を露出位置おいて露出した状態と
退避した状態とに可逆的に変位するようにしたことによ
り、交換用ユニットの未使用状態に対応した状態から使
用済状態に対応した状態に変位した移動体を、交換用ユ
ニットのリサイクル処理時に未使用状態に対応した状態
に変位させることによって、同一の移動体を用いて交換
用ユニットが未使用状態であるか使用済状態であるかを
繰り返し識別することができる。

【００４６】これによって、交換用ユニットに追加され
る部品点数を削減しつつ、使用済であることを示す目印
を容易に復元することができない状態で形成できるよう
にし、交換用ユニットのリサイクル処理を煩雑化、困難
化することなく、交換用ユニットの未使用状態と使用済
状態との判別の信頼性を向上することができる。

【００４７】（２）本体装置に装着された交換用ユニッ
ト内部に本体装置から作用する駆動力によって移動体の
露出位置に対する状態を変更することにより、交換用ユ
ニット内部に対する本体装置からの駆動力が作用するこ
とのない本体装置への交換用ユニットの装着前において
は移動体が交換用ユニットの未使用状態に対応した状態
から使用済状態に対応した状態に変位しないようにする
ことができる。また、一旦、使用済状態に対応した状態
に変位した移動体を、リサイクル処理等における交換用
ユニット内部に対する作業によってのみ交換用ユニット
の使用済状態に対応した状態から未使用状態に対応した
状態に変位させることができる。これによって、未使用
状態の交換用ユニットが使用されない状態で移動体が使
用済状態に対応した状態に変位すること、及び、使用済
状態の交換用ユニットがリサイクル処理されることなく
移動体が未使用状態に対応した状態変位することを確実
に防止でき、移動体の状態から交換用ユニットが未使用
状態であるか使用済状態であるかを正確に判別すること
ができる。

【００４８】（３）本体装置から交換用ユニット内部に
駆動力が作用しない状態では、弾性体の付勢力による使
用済状態に対応した位置への移動体の変位を、移動体の
一部から突出した突起と規制部材との当接によって規制
することにより、未使用状態の交換用ユニットにおい
て、未使用状態に対応した移動体の状態を確実に維持す
ることができる。一方、本体装置から交換用ユニット内
部に駆動力が作用した後には、移動体が回転伝達部材に
よって回転し、移動体の突起と規制部材との当接が解除
され、移動体を弾性体の付勢力によって使用済状態に対
応した位置に変位させることにより、使用済状態の交換
用ユニットにおいて、使用済状態に対応した移動体の状
態を確実に維持することができる。

【００４９】（４）移動体が露出位置において露出して
いるか退避しているかの目視結果、及び、検出手段によ
る移動体の検出結果から、作像ユニットが未使用状態で
あるか使用済状態であるかを正確に判別することができ
る。また、作像ユニットの未使用状態に対応した状態か
ら使用済状態に対応した状態に変位した移動体を、作像
ユニットのリサイクル処理時に未使用状態に対応した状
態に変位させることによって、同一の移動体を用いて作
像ユニットが未使用状態であるか使用済状態であるかを
繰り返し識別することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施形態に係るイニシャル検知機構
を適用した作像ユニットが装着される画像形成装置の概
略の構成を示す図である。

【図２】この発明の実施形態に係るイニシャル検知機構
を適用した作像ユニットである現像ユニットの上面方向
からの外観図である。

【図３】この発明の実施形態に係るイニシャル検知機構
の構成を示す組立図である。

【図４】同イニシャル検知機構の現像ユニットにおける
取付状態を示す部分断面図である。

【図５】上記イニシャル検知機構による現像ユニットの
未使用状態の表示方法を説明する図である。

【図６】上記イニシャル検知機構による現像ユニットの
使用済状態の表示方法を説明する図である。

【符号の説明】

４−現像ユニット（交換用ユニット、作像ユニット） ２０−イニシャル検知機構 ２１−移動体 ２１ｅ−バネ部（弾性体） ２１ｆ−突起 ２１ｈ−溝部（回転伝達部材） ２２−カバー ２２ｊ−縁部（規制部材） ２３−シャフト体 ２３ｃ−リブ（回転伝達部材）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 雄 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 大越 俊秀 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Ｆターム(参考） 2H171 FA02 FA04 GA04 GA14 GA40 JA43 LA01 XA16

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体装置に対して着脱自在にされた交換用
   ユニットにおける外部から視認可能な露出位置に進退自
   在に移動体を設け、交換用ユニットが未使用状態である
   か使用済状態であるかに応じて、本体装置に備えられた
   検出手段の検出対象である移動体を露出位置に露出した
   状態、又は、露出位置から退避した状態の何れかに保持
   する状態切換部材を設けたことを特徴とするイニシャル
   検知機構。
2. 【請求項２】前記状態切換部材は、本体装置に対する交
   換用ユニットの装着後に交換用ユニット内部に本体装置
   から作用する駆動力によって移動体の露出位置に対する
   状態を切り換えることを特徴とする請求項１に記載のイ
   ニシャル検知機構。
3. 【請求項３】前記状態切換部材は、移動体を使用済状態
   に対応した位置に付勢する弾性体と、移動体の一部から
   移動体の進退方向に直交する方向に突出した突起に前記
   進退方向に平行な軸周りの一部の範囲で当接して移動体
   の使用済状態に対応した位置への移動を規制する規制部
   材と、本体装置から作用する駆動力によって移動体を前
   記進退方向に平行な軸周りに回転させる回転伝達部材
   と、を含むことを特徴とする請求項２に記載のイニシャ
   ル検知機構。
4. 【請求項４】本体装置である電子写真方式の画像形成装
   置に対して着脱自在にされた作像ユニットであって、請
   求項１〜３の何れかに記載のイニシャル検知機構を設け
   たことを特徴とする作像ユニット。