JP2003268477A - 高延性Mg合金 - Google Patents
高延性Mg合金Info
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Abstract
好な延性を示す高延性Mg合金を提供する。 【解決手段】 変形温度:200℃,歪速度:3.3×
10-4s-1で求められる伸びが200%以上である高延
性Mg合金。または、変形温度:200℃,歪速度:
3.3×10-1s-1で求められる伸びが100%以上で
ある高延性Mg合金。あるいは、変形温度:100℃,
歪速度:3.3×10-4s-1で求められる伸びが100
%以上である高延性Mg合金。
Description
関し、より詳細には、変形温度が200℃以下の低温であ
っても良好な延性を示す二次加工性に優れた高延性Mg
合金に関するものである。
て小さく、インゴットのままでは殆ど成形加工すること
ができない。そのため、複雑形状のものはもとより比較
的単純な形状の部品などであっても、鋳造と切削加工を
組み合わせた方法で成形せざるを得ず、加工コストが非
常に高価につくことから、汎用化が進んでいない。
延性Mg合金の開発を目的として幾つかの研究が進めら
れており、例えば特開2000-271631号、同2000-271693
号、同2000-271695号各公報などに開示の方法が提案さ
れている。
熱間で押出比10前後の押出加工を施した後、温間で準静
水圧加工する方法[この方法は、例えば図1の概念図
(図中、1は供試材、2はダイ、3はプランジャー、4は加
圧装置、T1,T2は熱電対をそれぞれ表している)に示
すような加工法であり、ECAP(Equal Channel Angu
lar Press)を採用することが多い(以下、この方法を
「ECAP加工」と称する場合がある)]で大きな歪を
与え、結晶組織を微細化すると共に金属間化合物の粒径
も微細化し、伸び率で220%以上といったレベルの延性
を与えるもので、難加工材であるMg合金の2次成形加
工を可能にした点で優れた技術といえる。
び率を保障する真歪を与えるのに、前記準静水圧加工に
よる導入真歪で例えば9以上といった非常に大きな歪を
与えねばならず、そのためには、例えば8回以上といっ
た多数回の繰返し剪断変形を与えねばならないので生産
性が非常に低い。また、変形温度が200℃以下の低温で
の超塑性は実現できていない。
ねてより研究を重ねており、先に「Scripta Met.」Vol.
40,No.4(1999),p477(渡辺など)や「Mat. Trans. JI
M」Vol.40,No.8(1999),p809(渡辺など)、「Mat. Sc
i & Tech.」Vol.16,Nov-Dec(2000),p1314(向井な
ど)、「J. of Mat. Sci」Vol.34(1999),p2255(久保
田など)、「Mat. Sci & Tech.」Vol.13,Oct.(1997),
p825(馬渕など)、「Superplasticity & Superplastic
Forming」(1998),p179(渡辺など)等を開示した。
定しなければならず、押出工程で生じる加工発熱によっ
てZnなどの強偏析部が液相化し、加工割れを起こし易
い、 加工発熱を抑えるため押出速度を遅くすると、生産性
が極端に低下する、 押出比が非常に大きい(例えば、押出比100の場合、
押出加工物の断面サイズは加工前の1/100になる)た
め、最終製品(素材)は小型にならざるを得ず、大型加
工品が得られ難くなる、といった難点があり、実用化の
ためには改善の必要がある。
94(1998),p257(馬渕など)には、粉末冶金法で3元系
Mg合金[AZ91(Mg−9%Al−1%Zn)やAK61
(Mg−6%Zn−1%Zr)等]を製造することによっ
て、変形温度が300℃での超塑性を実現している。しか
し、300℃よりも低温(具体的には、200℃以下)での超
塑性は実現しておらず、また、粉末冶金法では大型素材
の製造が困難であったり、製造コストが高くなる等の問
題があった。
g.」Vol.A300,(2001),p142-147(山下など)で、2元
系Mg合金(Mg−0.9%Al合金)にECAP加工を
施すことによって高延性化できないか検討した。しか
し、変形温度が200℃以下の低温における超塑性は実現
できなかった。
事情に着目してなされたものであって、その目的は、変
形温度が200℃以下の低温域であっても良好な延性を示
す高延性Mg合金を提供することにある。
のできた本発明に係る高延性Mg合金とは、変形温度:
200℃、歪速度:3.3×10-4s-1で求められる伸
びが200%以上である点に要旨を有する。
形温度:200℃、歪速度:3.3×10-1s-1で求め
られる伸びが100%以上である。
変形温度:100℃、歪速度:3.3×10-4s-1で求
められる伸びが100%以上である高延性Mg合金であ
る。
ものであって、結晶組織面からみると結晶粒径が2μm
以下であることが好ましく、合金組成面からみると、合
金元素として、Al:2〜64%(「質量%」の意味。
以下同じ)を含むものが好ましい。
るために、様々な角度から検討した。その結果、Mg合
金の結晶粒径を2μm以下に微細化すれば、変形温度が2
00℃以下の低温域でも良好な延性を示すMg合金が得ら
れることを見出し、本発明を完成した。以下、本発明の
作用効果について説明する。
合金は、幾つか提案されているが200℃以下の低温域で
高延性を示すMg合金は実現できていない。一方、本発
明のMg合金は、変形温度が200℃あるいは100℃という
低温であっても、歪速度が3.3×10-4s-1のときに200%
以上あるいは100%以上の驚異的な伸びを示す。従っ
て、本発明のMg合金は、例えば樹脂用のプレス機など
を用いて任意の形状に加工でき、Mg合金の汎用化を飛
躍的に促進できる。
0℃,歪速度:3.3×10-1s-1で求められる伸びも100%
以上の高い値を示す。従って、歪速度(加工速度)を高
めた場合でも充分な伸びを示すので、Mg合金の成形加
工性を飛躍的に向上できる。
加工する際の温度であり、「歪速度」とは、変形加工す
る際の速度で、変形速度と称する場合もある。歪速度は
加工速度を変化させることで制御できる。また、「伸
び」とは、後記実施例に示す試験片形状を有する直径10
mmのMg合金を引張試験したときの値である。
技術でも、その加工性は変形温度:300℃,歪速度:1.0
×10-3s-1で求められる伸びで高々220%程度が限度で
あり(前記特開2000-271631号公報)、本発明で規定す
るような変形温度:200℃,歪速度:3.3×10-4s-1や、
変形温度:200℃,歪速度:3.3×10-1s-1、変形温度:
100℃,歪速度:3.3×10-4s-1といった条件で充分な伸
びを示すMg合金は知られていない。よって、本発明の
Mg合金は、変形温度:200℃,歪速度:3.3×10-4s-1
で求められる伸びが200%や、変形温度:200℃,歪速
度:3.3×10-1s- 1で求められる伸びが100%、あるいは
変形温度:100℃,歪速度:3.3×10-4s-1で求められる
伸びが100%といった伸びを示す点で、従来のMg合金
と明確に区別できる。
示す理由は、該合金の結晶が非常に小さいからと考えら
れる。すなわち、Mgの結晶構造は稠密六方型であるの
で、塑性変形能が極端に小さく、インゴットのままでは
殆ど加工できないが、結晶粒径が微細でランダム方位で
あるものは滑り系が大きく、良好な塑性変形能を示すと
考えられる。この様な観点から、Mg合金の結晶粒径は
2μm以下が好ましい。結晶粒径は小さい程好ましい
が、より好ましくは1μm以下である(但し、0μmを含
まない)。Mg合金の結晶粒径を小さくする手段は特に
限定されないが、後述する方法によって効率良く結晶粒
径を小さくできる。
すると、前掲の「軽金属学会大会講演概要集」では、約
0.5〜1μm程度の結晶粒径のMg合金を得ている。しか
し、このMg合金も変形温度:300℃,歪速度:3.3×10
-2s-1で求められる伸びはせいぜい276%程度が限度で
あって、本発明の前記伸び特性を満たすものはない。し
かも、このMg合金は粉末冶金法によって製造されたも
のであって、鋳造法によって製造されたものではない。
これに対し、結晶粒径の特定された本発明のMg合金は
鋳造品から得られたものである。すなわち、Mg合金溶
湯を鋳造法によってインゴット(鋳造品)とし、該イン
ゴット(鋳造品)に温間加工等を施して結晶を微細化す
る方法が採用される。但し、鋳造法によって得られる鋳
造品(Mg合金)の結晶粒径は粗大(例えば、小さいも
のでも10〜20μm程度)であり、前述した従来法では結
晶粒径を充分に小さくできない。
元素として適量のAlを添加し、且つ鋳造後の加工条件
を工夫することで、鋳造品(Mg合金)であっても結晶
粒径を2μm以下に微細化することができ、それにより
従来技術では到底得ることのできない卓越した伸びを得
ることができた。
(Mg合金)であるか、粉末冶金法で製造されたMg合
金であるかは、これら合金をアルキメデス法を用いて空
隙率や真密度を算出することで容易に区別できる。すな
わち、鋳造法で製造されたMg合金(鋳造品)の空隙率
は一般にほぼ0%であり、例えば純Mgの真密度は1.74
程度であるが、粉末冶金法で製造されたMg合金の空隙
率は一般に2%以上であり、例えば純Mgの真密度は1.7
0以下程度である。
または断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子
顕微鏡(TEM)などで観察して算出すれば良く、算出
方法の詳細は後述する。
保するには、まず成分組成の面から、合金元素としてA
lを2〜64%含有する2元系Mg合金であることが好まし
い。
り、結晶を小さくランダム方位にすることによって高延
性を実現できる。その効果を得るにはAlを2%以上含
有させることが好ましい。より好ましくは4%以上であ
り、一層好ましくは6%以上である。
は飽和し、金属間化合物の生成等によってかえって超塑
性現象による延びが小さくなるといった問題が表れてく
るので、含有量の上限は64%とすることが好ましい。但
し、多量のAlをMg中に含有させ、且つ、Mg結晶の
微細化を行うには、かなり急速の冷却を行える鋳造設備
が必要となるので、現状一般的なレベルの鋳造設備で安
定して本発明のMg合金を製造しようとするのであれ
ば、Alを含有させる上限は16%にすることが推奨され
る。より好ましくは13%以下、一層好ましくは11%以下
である。
g合金はMg−Alの2元系Mg合金であり、3元系Mg
合金[例えば、Mg−Al−Zn系(AZ系)やMg−
Zn−Zr系(ZK系)など]ではその他の合金元素の
含有量が多すぎるため、高延性を実現することが困難で
あることを本発明者らは確認している。すなわち、Zn
やZrの如き析出物形成元素を第三元素として含有させ
ることによっても、Mg合金の結晶成長抑制効果は期待
できるけれども、1%以上含有させると延性はかえって
低下してくる。よって、本発明においてこれらの元素を
含有させるときは、1%未満、より好ましくは0.5%未満
に抑えることが望ましい。
組成は上記の通りであるが、本発明で意図するレベルの
生産加工性(伸び)を得るにはこうした化学成分の要件
に加えて、以下に示すような加工法を採用することが推
奨される。
塑性変形能の小さい結晶構造を有しているため、インゴ
ットのままでは殆ど加工性がない。そこで、Mg合金に
加工性を与えるための手段として、中間工程で準静水圧
温間加工を施し、ランダム方位の再結晶組織とし滑り系
を増大することで塑性変形能を発現させる。そして、ラ
ンダム方位を持った微細結晶粒の大型Mg合金素材を工
業的に生産性よく製造する為の手段として、第1工程で
押出比15以上、70以下の温間加工を行った後、第2工程
で準静水圧温間加工を施すことにより、0.5以上、3以下
の真歪を与える方法が挙げられ、この手法を採用すれば
本発明で意図する高延性Mg合金を容易に得ることがで
きる。
上と定めたのは、該温間加工でランダム方位の微細結晶
粒を得るには最低限15以上の押出比を与えねばならない
からである。ランダム微細結晶粒の確保という観点から
すると、該第1工程の温間加工時における押出比の上限
は特に制限されないが、押出比が大きくなるほど押出原
料素材に対する押出品のサイズは小さくなり、大型部材
の製造ができなくなるので、大型素材の製造を可能にし
製品としてのサイズの自由度を高めるには、押出比を高
くとも70以下に抑えるのがよい。ランダム方位微細結晶
の確保と大型素材の生産を両立させる上でより好ましい
第1工程の押出比は、25以上、40以下である。
の押出比を必要最小限に抑えることで、押出加工時の加
工発熱も抑えられ、好適押出温度範囲も充分に保障され
ると共に、大型素材の製造も可能となる。
後、第2工程では準静水圧温間加工を施して歪を与え、
それにより伸び(延性)を高めることによって高レベル
の成形加工性を付与する。この工程で、本発明で意図す
るレベルの塑性変形能、即ち成形加工性を与えるには、
真歪で少なくとも0.5以上の歪を与えるのがよく、より
好ましくは累積歪で1以上を与えることが望ましい。
び)は高まるが、本発明で用いるMg合金では、第2工
程の準静水圧温間加工で付与される歪による延性改善効
果は、約3の累積歪でほぼ飽和し、それ以上に累積歪を
増大しても延性は殆ど向上しなくなり、準静水圧温間加
工回数の無為の増大により生産性を低下させるだけに過
ぎなくなる。よって生産性の両立を考えると、累積歪は
3以下、より実用的には2以下に抑えることが望ましい。
は、形状の拘束は受けるが断面形状は変化させずに変形
させる加工をいい、具体的には上述したECAP加工を
採用すれば良い。また、「準静水圧温間加工」とは、該
準静水圧加工を温間で行うことを言う。
間加工および準静水圧温間加工を行う際の「温間」の温
度は、用いるMg合金の鋳造組織を破壊すると共に結晶
粒や金属間化合物の粗大化を防止するため、用いるMg
合金の再結晶温度以上に設定すべきであり、具体的な温
度は250〜360℃、より一般的には300〜350℃の範囲であ
る。
るが、前掲の従来技術では、Mg−Zn−Al系(AZ
系)やMg−Zn−Zr系(ZK系)のMg合金が使用
されており、これらは何れも合金添加量が多いため、第
1工程で再結晶を適切に進めるのに押出比を例えば100程
度の高い値に設定したり、第2工程での準静水圧温間加
工による累積歪みを9以上といった非常に高い値に設定
せざるを得なかったものと推定される。
てMg−Alの2元系Mg合金を選択しているため、前
述の如く第1工程、第2工程ともに工業的に汎用性の高い
条件設定が可能になったものと考えている。
を選択し、第1工程の温間加工で相対的に低めの押出比
を採用し、且つ第2工程の準静水圧温間加工(ECAP
加工)では、0.5〜3といった従来技術に比べて少ない累
積歪を与えるだけで高レベルの延性を与えることがで
き、相対的に大きいサイズのものであっても、高延性で
優れた成形加工性を有するMg合金を少ない工程数で生
産性よく製造することができる。
ている軽量で比強度が高い、振動吸収能が高い、
電磁波遮蔽性が良好である、といった多くの特徴を有し
ているので、これらの特徴を活かし、例えばノートパソ
コンやポータブルMDプレイヤー、ビデオ一体カメラな
どを始めとして、軽量で高剛性が要求される各種部品の
素材として幅広く有効に活用できる。
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変
更して実施することも可能であり、それらはいずれも本
発明の技術的範囲に含まれる。
を製造した。 (1)純Mgまたは成分組成がMg−0.9%Alのイン
ゴットを鋳造法で製造し、機械加工で直径10mmの丸棒
に直接仕上げた。 (2)成分組成がMg−9%Alのインゴットを鋳造法
で製造し、直径45mmの丸棒に機械加工した後、第1工
程として押出温度350℃で直径10mmの丸棒に温間押出
加工した。押出比は20.25である。 (3)成分組成がMg−0.6%Zrインゴットを鋳造法
で製造し、直径60mmの丸棒に機械加工した後、第1工
程として押出温度350℃で直径10mmの丸棒に温間押出
加工した。押出比は36である。 (4)成分組成がMg−9%Al−0.6%Zrのインゴッ
トを鋳造法で製造し、直径45mmの丸棒に機械加工した
後、第1工程として押出温度350℃で直径10mmの丸棒に
温間押出加工した。押出比は20.25である。
(合金素材)を、第2工程として表1に示す温度で準静
水圧温間加工(90°剪断)を1〜4回行い純MgまたはM
g合金(金属種a〜n)を製造した。その時に与えられ
る真歪(加工歪)は1回当たり約1である。表1には準静
水圧温間加工で与えられる真歪の総量(累積歪)を示し
た。
電子顕微鏡(TEM)(日立製作所製、商品名「H810
0」)を用いて15000倍で観察し、観察視野内における9
cm×12cmの領域にある結晶の粒径(円相当径)を測
定し、その平均値を求めた。結果を表1に合わせて示し
た。なお、円相当径とは、該当する組織の個々の結晶粒
について、その面積が等しくなるように想定した円の直
径を意味する。
図2に示す形状の供試体(供試体の中央部には長さ5m
m、幅3mmの平行部分があり、供試体の厚さは2m
m。)を切り出し、表2に示す変形温度で、歪速度3.3
×10-4〜3.3×10-1s-1の範囲で引張試験を行って伸び
(%)を測定した。測定結果を表2に示す。
については、変形温度を変化させたときの歪速度(変形
速度)と伸びの関係を図3にプロットした。尚、図中の
プロット点は下記の通りである。 [第1工程のみ(表1の金属種k)] ○:変形温度200℃、△:変形温度250℃、□:変形温度
300℃ [第1工程+第2工程(表1の金属種l)] ●:変形温度200℃、▲:変形温度250℃、■:変形温度
300℃
きる。
り、歪速度が小さく低速であっても室温(15℃)での伸
びは悪い。
例であり、変形温度200℃での伸びが悪い。また、No.12
〜14からは、変形速度を高くすると延性がさらに劣悪に
なることが分かる。さらに、No.15〜24からは、変形温
度を高めても延性は殆ど向上しないことが分かる。
る実施例であり、200℃といった低温でも高延性を示し
ている。この例では、第1工程および第2工程における加
工量を従来例に比べて格段に少なくできる。また、No.2
6〜No.29から明らかな様に、本発明のMg合金は、変形
温度200℃で歪速度を変えても良好な伸びが得られる。
さらに、No.31〜No.40から明らかな様に、変形温度を高
めても伸びが良好である。但し、金属は一般的に変形温
度が高温である程延性に優れているけれども、本発明の
Mg合金は変形温度が300℃よりも低温側の方が伸びは
良好である。この理由は、本発明のMg合金は結晶粒径
が非常に微細であり、加工時の温度や加工に伴う発熱に
よって結晶粒径の粗大化が起こり、伸びが相対的に悪く
なったと考えられる。
3×10-4s-1の例であり、本発明のMg合金は、この条
件であっても100%以上の優れた伸びを示す。
変形温度と歪速度が等しい)と比較すると延性に乏しい
ことが分かる。
の例であり、Zrの含有量が1%未満なので本発明の効
果を損なうことなく優れた伸びを示している。
きの結晶粒径の変化を電子顕微鏡で観察した。焼きなま
し温度は、200℃、250℃、300℃である。図4は焼きな
まし後の合金表面を観察したときのミクロ組織を示す図
面代用写真である。図中(a)は焼きなまし温度が200
℃であり、1時間経過後でも微細な結晶を保持してい
る。(b)の焼きなまし温度は250℃、(c)の焼きな
まし温度は300℃であり、焼きなまし温度が高くなるほ
ど合金の結晶は粗大化していることが分かる。従って、
本発明のMg合金は低温の方が延性に優れることが明ら
かとなった。
程度の低温であっても良好な延性を示すので、合金の加
工性を飛躍的に向上させることができ、また、歪速度が
高くても良好な延性を示すので、生産性も大幅に向上で
きる。
する断面概念図である。
である。
関係を示すグラフである。
クロ組織を示す図面代用写真である。
Claims (5)
- 【請求項1】 変形温度:200℃、歪速度:3.3×
10-4s-1で求められる伸びが200%以上であること
を特徴とする高延性Mg合金。 - 【請求項2】 変形温度:200℃、歪速度:3.3×
10-1s-1で求められる伸びが100%以上であること
を特徴とする高延性Mg合金。 - 【請求項3】 変形温度:100℃、歪速度:3.3×
10-4s-1で求められる伸びが100%以上であること
を特徴とする高延性Mg合金。 - 【請求項4】 Mg合金が鋳造品から得られたものであ
り、結晶粒径が2μm以下である請求項1〜3のいずれ
かに記載の高延性Mg合金。 - 【請求項5】 合金元素として、Al:2〜64質量%
を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の高延
性Mg合金。
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