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JP2003257674A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子

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Publication number
JP2003257674A
JP2003257674A JP2002057534A JP2002057534A JP2003257674A JP 2003257674 A JP2003257674 A JP 2003257674A JP 2002057534 A JP2002057534 A JP 2002057534A JP 2002057534 A JP2002057534 A JP 2002057534A JP 2003257674 A JP2003257674 A JP 2003257674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chemical
chemical formula
layer
electron
organic electroluminescence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002057534A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiro Komatsuzaki
明広 小松崎
Hodaka Tsuge
穂高 柘植
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2002057534A priority Critical patent/JP2003257674A/ja
Publication of JP2003257674A publication Critical patent/JP2003257674A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】確実な正孔注入を維持しつつ電子ブロック効果
を備えた簡易な構造の有機エレクトロルミネッセンス素
子を提供する 【解決手段】陽極層10と陰極層70の両電極層とこの
両電極層間に形成される発光層40と正孔輸送層20と
を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、
正孔輸送層20を構成する正孔輸送性物質を、導電性高
分子と、この導電性高分子に対して0.1〜5モル%添
加した電子受容性化合物とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高輝度での発光が
可能な有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術】有機エレクトロルミネッセンス素子の駆
動時の安定性を確保し、駆動寿命を向上させるため、陽
極層と正孔輸送層または発光層との間に正孔注入層を設
けるものが知られている。正孔注入層の材料は、陽極層
と発光層との電気的接合を向上させて有機エレクトロル
ミネッセンス素子の駆動電圧を低下させる機能を有する
ことが求められている。
【0003】このような材料として、従来、
【0004】
【化11】
【0005】[化11]に示すカッパーフタロシアニン
(以下CuPcとも言う。)などの正孔注入性低分子
や、
【0006】
【化12】
【0007】[化12]に示すポリ(3,4)エチレン
ジオキシチオフェン(以下PEDTともいう。)などの
正孔注入性高分子が用いられている。また、特開200
0―36390号公報及び特開2000―150169
号公報により、芳香族アミン含有高分子に電子受容性化
合物を添加したものを正孔注入層の材料として用いるこ
とが知られている。このものでは、正孔輸送性高分子と
電子受容性化合物との間に電荷移動が生じて正孔が生成
し、正孔輸送性高分子と電子受容性化合物とから成る正
孔注入性物質の電気伝導度が増大し、これにより、陽極
層と発光層との電気的接合が向上する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
にして電気的接合を増大させる場合、正孔輸送性高分子
と電子受容性化合物との間の電子授受反応に依存して、
正孔注入層の電気伝導度の改善を実現しているため、電
子の移動度が増大して、電子ブロック効果が低下する。
このため、発光層における正孔と電子との再結合の機会
が抑制され、このようにして形成される有機エレクトロ
ルミネッセンス素子の発光輝度が減少することがある。
したがって、駆動電圧に対する発光輝度で定義される発
光効率が低下する恐れが生じる。
【0009】そこで、発光層の陽極層側に電子ブロック
層を積層して有機エレクトロルミネッセンス素子を構成
することが考えられるが、このような構成は素子作成の
工程が増加するという不具合が生じる。
【0010】本発明は、上記問題点に鑑み、確実な正孔
注入を維持しつつ電子ブロック効果を備えた簡易な構造
の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを
課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、陽極層及び陰極層の両電極層とこの両電
極層間に形成される発光層と正孔輸送層とを有する有機
エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送層を構成する
正孔輸送性物質として、導電性高分子に、この導電性高
分子に対して0.1〜5モル%の電子受容性化合物を添
加させたものを用いる。
【0012】このものでは、導電性高分子と電子受容性
化合物との間に生じる電荷移動により、導電性高分子と
電子受容性化合物とから成る正孔輸送性物質の電気伝導
度が向上するとともに、正孔輸送層に電子ブロック効果
を具備させることができる。このため、陽極層からの正
孔の注入が確実に行われると共に、陰極層から注入され
る電子が発光層をそのまま通過することが抑制されるた
め、発光層において正孔と電子とが再結合する機会が増
大する。したがって、有機エレクトロルミネッセンス素
子を構成する薄膜層を増加させることなく、その発光輝
度を向上させることができる。
【0013】ところで、上記の導電性高分子として、
[化1]で表される繰り返し単位を有するポリフルオレ
ン化合物などを好適例として挙げることができる。
【0014】また、上記の電子受容性化合物として、臭
素、塩素、ヨウ素などのハロゲン単体や、三フッ化ホウ
素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素
などのルイス酸や、硝酸、硫酸、過塩素酸、塩酸、フッ
酸、フルオロ硫酸、三フッ化メタンスルホン酸などのプ
ロトン酸や、または三塩化鉄、五塩化モリブデン、五塩
化タングステン、四塩化スズ、五フッ化モリブデン、五
フッ化ルテニウム、五臭化タンタル、四ヨウ化スズなど
の遷移金属ハライドを用いることが可能である。これら
の化合物は酸化力が強いため優れた電子受容性を有す
る。
【0015】また、上記の電子受容性化合物として、
[化2]で示されるテトラシアノエチレン(以下TCN
Eとも言う。)、[化3]で示される7,7,8,8-
テトラシアノキノジメタン(以下TCNQとも言
う。)、[化4]で示されるテトラシアノナフトキノジ
メタン(以下TNAPとも言う。)、[化5]で示され
るヘキサシアノブタジエン(以下HCBDとも言
う。)、[化6]で示されるヘキサシアノトリメチルシ
クロプロパン(以下TCTMCPとも言う。)、[化
7]で示されるTCQQ、[化8]で示される2,3-
ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(以下
DDQとも言う。)、[化9]で示される[FeC
2]PF6などの導電性有機化合物を用いることも可能
である。
【0016】さらにまた、上記の電子受容性化合物とし
て、一般式[化10]に示される分子構造を有する化合
物を用いることも可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、発光効率の向上を目的と
して多層に積層された素子構造を有する有機エレクトロ
ルミネッセンス素子の基本構造を示す。有機エレクトロ
ルミネッセンス素子の素子構造は、図外の基板上に形成
された陽極層10に、正孔輸送層20、電子ブロック層
30、発光層40、正孔ブロック層50及び電子輸送層
60の各薄膜層が、陽極層10と陰極層70との両電極
層間で順次積層されて成る多層積層構造であり、発光層
40は、発光層ドープ剤41と発光層ホスト剤42とを
有して構成されている。
【0018】図1で示される素子構造において、陽極層
10は、例えばガラス基板のような透明絶縁性支持体に
形成された透明な導電性物質が用いられ、その材料とし
ては、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(I
TO)などの導電性酸化物、あるいは、金、銀、クロム
などの金属、よう化銅、硫化銅などの無機導電性物質、
ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電
性ポリマーなどを用いることができる。
【0019】また、陰極層70が透明な材料で形成され
ている場合には、陽極層10は不透明な材料で形成され
ても良い。
【0020】また、図1で示される素子構造において、
陰極層70には、ニオブ、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウ
ム、ストロンチウム、バリウム、硼素、アルミニウム、
銅、銀、金などの単体または合金が使用できる。さら
に、これらを積層して使用することもできる。また、テ
トラヒドロアルミン酸塩により湿式で形成することもで
きる。この場合、陰極層70に用いられるテトラヒドロ
アルミン酸塩としては、特に、水素化アルミニウムリチ
ウム、水素化アルミニウムカリウム、水素化アルミニウ
ムマグネシウム、水素化アルミニウムカルシウムを挙げ
ることができる。この中で、水素化アルミニウムリチウ
ムが、特に電子輸送層への電子注入性に優れている。
【0021】また、正孔輸送層20は、陽極層10から
注入される正孔を輸送するための層であり、正孔輸送性
有機物を含む有機層である。正孔輸送層性有機物の例と
して、[化1]に示す繰り返し単位を有するポリフルオ
レン化合物、例えば、
【0022】
【化13】
【0023】[化13]で示されるジノルマルオクチル
ポリフルオレン、
【0024】
【化14】
【0025】[化14]で表されるポリ(N−ビニルカル
バゾール)(以下PVKともいう。)、
【0026】
【化15】
【0027】[化15]に示すポリ(パラ−フェニレン
ビニレン)などの高分子からなることが好ましい。
【0028】あるいは、[化11]に示すCuPc、
【0029】
【化16】
【0030】[化16]に示すカルバゾールビフェニル
(以下、CBPとも言う。)、
【0031】
【化17】
【0032】[化17]に示すN,N’−ジフェニル−
N,N’−ビス(1−ナフチル)―1,1’−ビフェニ
ル−4,4’−ジアミン(以下NPDとも言う。)、
【0033】
【化18】
【0034】[化18]に示すN,N’−ジフェニル−
N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビ
フェニル−4,4’−ジアミン(以下TPDともい
う。)、
【0035】
【化19】
【0036】[化19]に示す4,4’−ビス(10−
フェノチアジニル)ビフェニルなどの低分子を用いるこ
ともできる。
【0037】ところで、正孔輸送性物質として、導電性
高分子に電子受容性化合物をドープしたものを用いて正
孔輸送層を構成すると、導電性高分子と電子受容性化合
物との間の電子授受反応により、電荷移動が生じて正孔
が生成し、正孔輸送層の電気伝導度が向上する。このこ
とにより、陽極層と発光層との間の電気的接合をさらに
向上させることができる。
【0038】このときに、導電性高分子に対する電子受
容性化合物の添加量を0.1〜5モル%としたものを用
いると、これらから構成される正孔輸送層に電子ブロッ
ク効果を具備させることができる。このため、発光層に
おいて正孔と電子とが再結合する機会が増大して、有機
エレクトロルミネッセンス素子の発光輝度を向上させる
ことができる。
【0039】このように正孔輸送層に用いる導電性高分
子として、例えば、[化13]に示すジノルマルオクチ
ルポリフルオレン、
【0040】
【化20】
【0041】[化20]に示すポリ(2-メトキシ-5-
(2-エチルヘキシオキシ)-1,4-フェニレンビニレ
ン)(以下MEH-PPVとも言う。)などの導電性高
分子が挙げられる。
【0042】また、このように正孔輸送層に用いる電子
受容性化合物として、[化2]に示すTCNE、[化
3]に示すTCNQ、[化4]に示すTNAP、[化
5]に示すHCBD、[化6]に示すTCTMCP、
[化7]に示すTCQQ、[化8]に示すDDQ、[化
9]に示す[FeCp2]PF6
【0043】
【化21】
【0044】[化21]に示すトリス(4-ブロモフェニ
ル)アミニウムヘキサクロロアンチモネート(以下TB
PAHとも言う。)、臭素、塩素、ヨウ素などのハロゲ
ン単体、三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アン
チモン、五フッ化ヒ素などのルイス酸、硝酸、硫酸、過
塩素酸、塩酸、フッ酸、フルオロ硫酸、三フッ化メタン
スルホン酸などのプロトン酸、または三塩化鉄、五塩化
モリブデン、五塩化タングステン、四塩化スズ、五フッ
化モリブデン、五フッ化ルテニウム、五臭化タンタル、
四ヨウ化スズなどの遷移金属ハライドを挙げることがで
きる。
【0045】また、電子ブロック層30は、陰極層70
から発光層40へ注入された電子がそのまま陽極層10
へ通過してしまうことを防ぐため電子をブロックするた
めの層であり、電子ブロック性物質で構成される。電子
ブロック性物質としては、例えば、[化14]に示すP
VK、[化15]に示すポリ(パラ−フェニレンビニレ
ン)、[化16]に示すCBP、[化17]に示すNP
D、 [化18]に示すTPD、[化19]に示す4,
4’−ビス(10−フェノチアジニル)ビフェニルや、
【0046】
【化22】
【0047】[化22]に示す2,4,6−トリフェニル
−1,3,5−トリアゾール、
【0048】
【化23】
【0049】[化23]に示すフローレンなどを挙げるこ
とができる。
【0050】また、発光層40はドープ剤41とホスト
剤42とを有し、これらドープ剤41とホスト剤42と
を均一に分散させるため、バインダ高分子を添加するこ
とも可能である。ホスト剤42は、陽極層10及び陰極
層70からそれぞれ注入された正孔と電子とが発光層4
0において再結合する際に賦活されて励起子として作用
する物質であり、[化1]に示す繰り返し単位を有する
ポリフルオレン化合物(例えば[化13]で示されるジ
ノルマルオクチルポリフルオレン)や、[化14]に示
すPVK、[化16]に示すCBP、
【0051】
【化24】
【0052】[化24]に示すポリ(3-ヘキシルチオフ
ェン)、
【0053】
【化25】
【0054】[化25]に示す1,3,5−トリ(5−
(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキ
サジアゾール)フェニル(以下OXD−1ともい
う。)、
【0055】
【化26】
【0056】[化26]に示される1,3―ジ(5−
(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキ
サジアゾール)フェニル(以下OXD−7ともい
う。)、
【0057】
【化27】
【0058】[化27] に示す2−(4−ビフェニリ
ル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,
3,4−オキサジアゾール、(以下PBDともい
う。)、
【0059】
【化28】
【0060】[化28]で示されるN-フェニルポリカ
ルバゾール、
【0061】
【化29】
【0062】[化29]に示すバソキュプロイン(以下B
CPともいう。)、
【0063】
【化30】
【0064】[化30]に示すトリス(8−ヒドロキシ
キノリナート)アルミニウム(以下Alq3ともい
う。)などが挙げられる。
【0065】一方、発光層40のドープ剤41は、励起
子たるホスト剤42の励起エネルギーにより燐光を放射
する物質であり、
【0066】
【化31】
【0067】[化31]に示すトリ(2フェニルピリジ
ン)イリジウム錯体(以下Ir(ppy)3とも言
う。)、
【0068】
【化32】
【0069】
【化33】
【0070】
【化34】
【0071】
【化35】
【0072】
【化36】
【0073】
【化37】
【0074】(化学式[化37]中、acacは、
【0075】
【化38】
【0076】[化38]で示される官能基を示す。下記
[化39]乃至[化43]に示す化学式において同じ。)
【0077】
【化39】
【0078】
【化40】
【0079】
【化41】
【0080】
【化42】
【0081】
【化43】
【0082】[化32]乃至[化37]、[化39]乃至[化
43]で示されるイリジウム錯体化合物、
【0083】
【化44】
【0084】[化44]に示す2,3,7,8,12,
13,17,18−オクタエチル−21H,23H−白
金(II)ポルフィン(以下PtOEPとも言う。)、
【0085】
【化45】
【0086】[化45]に示す3-(2’-ベンゾチアゾ
リル)-7-ジエチルアミノクマリン(以下、クマリン6
とも言う。)
【0087】
【化46】
【0088】[化46]に示す(2-メチル-6-(2-
(2,3,6,7-テトラハイドロ-1H、5H-ベンゾ
(ij)クイノリジン-9-イル)エテニル)-4H-ピラ
ン-4-イリデン)プロパン-ジニトリル(以下DCM2
とも言う。)などを挙げることができる。
【0089】また、発光層40に添加可能なバインダ高
分子の例として、ポリスチレン、ポリビニルビフェニ
ル、ポリビニルフェナントレン、ポリビニルアントラセ
ン、ポリビニルペリレン、ポリ(エチレン−co−ビニ
ルアセテート)、ポリブタジエンのcisとtran
s、ポリ(2−ビニルナフタレン)、ポリビニルピロリ
ドン、ポリスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、
ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(2−ビニルピリジン
−co−スチレン)、ポリアセナフチレン、ポリ(アク
リロニトリル−co−ブタジエン)、ポリ(ベンジルメ
タクリレート)、ポリ(ビニルトルエン)、ポリ(スチ
レン−co−アクリロニトリル)、ポリ(4−ビニルビ
フェニル)、ポリエチレングリコールなどが挙げられ
る。
【0090】また、正孔ブロック層50は、陽極層10
から発光層40へ注入された正孔がそのまま陰極層70
へ通過してしまうことを防ぐため正孔をブロックするた
めの層であり、正孔ブロック性物質で構成される。正孔
ブロック性物質としては、例えば、[化25]に示すOX
D−1、[化27] に示すPBD、 [化29]に示すBC
P、[化30]に示すAlq3、
【化47】
【0091】[化47]に示す3−(4−ビフェニリ
ル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フ
ェニル−1,2,4−トリアゾール(以下、TAZとも
いう。)、
【0092】
【化48】
【0093】[化48]に示す4,4’−ビス(1,1
−ジフェニルエテニル)ビフェニル(以下にDPVBi
ともいう。)、
【0094】
【化49】
【0095】[化49]に示す2,5−ビス(1−ナフ
チル)−1.3.4−オキサジアゾール(以下にBND
ともいう。)
【0096】
【化50】
【0097】[化50]に示される4,4’−ビス
(1,1−ビス(4−メチルフェニル)エテニル)ビフ
ェニル(以下DTVBiとも言う。)、
【0098】
【化51】
【0099】[化51]に示される2,5−ビス(4−
ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾール(以下
BBDともいう。)、
【0100】
【化52】
【0101】[化52]に示すようなポリビニルオキサ
ジアゾール系高分子化合物(以下PV-OXDとも言
う。)などを挙げることができる。
【0102】また、電子輸送層60は、陰極層70から
注入される電子を輸送するための層であり、電子輸送剤
を含む。電子輸送剤は、電子輸送性高分子で構成され、
さらに電子輸送性低分子を含む構成が可能である。
【0103】ここで、電子輸送性低分子の例として、
[化26]に示されるOXD−7、[化27]に示すP
BD、[化29]に示すBCP、[化30]に示すAlq
3、[化47]に示すTAZ、[化48]に示すDPV
Bi、[化49]に示すBND、[化50]に示すDT
VBi、[化51]に示すBBD、
【0104】
【化53】
【0105】[化53]で示される2,5-ジフェニル-
1,3,4-オキサジアゾール(以下PPDとも言
う。)などがある。
【0106】また、電子輸送性高分子の例として、[化
52]に示すPV-OXDなどが挙げられる。
【0107】発光効率のさらなる向上や構造の簡素化の
ため、図1に示す有機エレクトロルミネッセンス素子の
基本構造に変更を加えたものとして、図2乃至図5に示
す素子構造が可能である。
【0108】図2で示される有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の素子構造は、本発明による有機エレクトロル
ミネッセンス素子の第1の実施形態を示す。図1で示す
素子構造において、電子ブロック層30を省略し、陽極
層10と正孔輸送層20との間に正孔注入層21を形成
したものである。
【0109】正孔注入層21は、陽極層と発光層との電
気的接合を向上させるための層であり、正孔注入層21
を構成する正孔注入性物質としては、例えば、[化11]
に示すCuPcなどの金属フタロシアニン、[化12]
に示すPEDT、[化24]に示すポリ(3-ヘキシルチ
オフェン)や、
【0110】
【化54】
【0111】[化54]で示される、ポリ(3,4)エチ
レンジオキシチオフェン/ポリスチレンサルフォネート
(以下PEDT/PSSともいう。)などが挙げられ
る。
【0112】図3で示される有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の素子構造は、図1の電子ブロック層30を省
略したものである。
【0113】図4で示される有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の素子構造は、図1で示す素子構造において、
電子ブロック層30と電子輸送層60とを省略し、陽極
層10と正孔輸送層20との間に正孔注入層21を形成
したものである。
【0114】図5で示される有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の素子構造は、図1で示す素子構造において、
電子ブロック層30と正孔ブロック層50とを省略し、
陽極層10と正孔輸送層20との間に正孔注入層21を
形成したものである。
【0115】次に、本発明の第2の実施形態たる図3に
示す素子構造を用いて、有機エレクトロルミネッセンス
素子の製造方法を説明する。
【0116】まず、基板(図示せず)となる透明絶縁性
支持体、例えばガラス基板上に陽極層10を蒸着法また
はスパッタ法にて形成する。
【0117】次に、導電性高分子に電子受容性化合物を
ドープしたものを溶媒に溶解または分散した第1の溶液
を作成する。ここで、第1の溶液に、さらにバインダ高
分子を溶解または分散することも可能である。そして、
第1の溶液を用いた湿式法によって、陽極層10上に、
正孔輸送層20を形成する。
【0118】そして、その後に、陽極層10上の正孔輸
送性物質に対して、100℃で20時間程度加熱するな
どして不溶化処理を行うと、ドープ剤たる電子受容性化
合物と導電性高分子またはバインダ高分子との電子の授
受反応が促進される。
【0119】さらに、発光層40のドープ剤41とホス
ト剤42とを溶媒に溶解または分散した第2の溶液を作
成する。ここで、第2の溶液に、さらにバインダ高分子
を溶解または分散することも可能である。そして、その
第2の溶液を用いた湿式法によって、上記正孔輸送層2
0上に発光層40を形成する。
【0120】さらに、正孔ブロック性物質を溶媒に溶解
または分散した第3の溶液を作成する。ここで、第3の
溶液に、さらにバインダ高分子を溶解または分散するこ
とも可能である。その第3の溶液を用いた湿式法によっ
て、発光層40上に正孔ブロック層50を形成する。
【0121】その後、電子輸送性高分子または電子輸送
性低分子を溶媒に溶解または分散した第4の溶液を作成
する。ここで、第4の溶液に、さらにバインダ高分子を
溶解または分散することも可能である。その第4の溶液
を用いた湿式法によって、正孔ブロック層50上に電子
輸送層60を形成する。
【0122】このとき、第2の溶液に用いた溶媒の溶解
度パラメータは、発光層40の成膜温度において、正孔
輸送層20に含まれる物質(導電性高分子と電子受容性
化合物など)に対して可溶範囲外を示す値を有し、ま
た、正孔輸送性物質に対して不溶化処理を行っているこ
とと相俟って、このような溶媒を用いた、湿式法による
発光層40の形成において、下層の正孔輸送層20に含
まれる有機物を溶解することがない。
【0123】同様にして、第3の溶液に用いた溶媒の溶
解度パラメータは、正孔ブロック層50の成膜温度にお
いて、発光層40に含まれる物質(ドープ剤41とホス
ト剤42と導電性高分子とバインダ高分子など)に対し
て可溶範囲外を示す値を有し、第4の溶液に用いた溶媒
の溶解度パラメータは、電子輸送層60の成膜温度にお
いて、正孔ブロック層50に含まれる物質(正孔ブロッ
ク性物質とバインダ高分子など)に対して可溶範囲外を
示す値を有するので、湿式法による正孔ブロック層50
と電子輸送層60との形成において、それぞれ下層の発
光層40と正孔ブロック層50に含まれる有機物を溶解
することがない。
【0124】このとき上記の第1乃至第4の溶液に用い
る溶媒は自然乾燥によって蒸発することにより、正孔輸
送層20と発光層40と正孔ブロック層50と電子輸送
層60とが形成される。この場合、加熱、紫外線の照射
による重合、硬化等の処理を行う必要がなく、従って製
造工程が簡単であり生産効率を向上させることができ
る。
【0125】本発明で使用される湿式法には、たとえば
キャスティング法、ブレードコート法、浸漬塗工法、ス
ピンコート法、スプレイコート法、ロール塗工法、イン
クジェット塗工法などの通常の塗工法が含まれる。
【0126】最後に、電子輸送層60上に、蒸着法など
を用いて陰極層70を形成し、本発明による有機エレク
トロルミネッセンス素子が得られる。
【0127】なお、溶解度パラメータSPは、モル蒸発
熱ΔH、モル体積Vの液体の絶対温度Tにおいて、 SP={(ΔH−RT)/V}1/2 で定義される。ただし、上記式中、SPは溶解度パラメ
ータ(単位:(cal/cm31/2)であり、ΔHはモ
ル蒸発熱(単位:cal/mol)であり、Rは気体定
数(単位:cal/(mol・K))であり、Tは絶対
温度(単位:K)であり、Vはモル体積(単位:cm3
/mol)である。
【0128】また、図2は、本発明による有機エレクト
ロルミネッセンス素子の第1の実施形態であり、上記図
3で示される素子構造の製造工程中、正孔輸送層20を
形成する前に、陽極層10上に、正孔注入層21を形成
し、その後、正孔注入層21上に、図3の素子と同様に
正孔輸送層20と発光層40と正孔ブロック層50と電
子輸送層60と陰極層70とを順次形成する製造工程を
経て得られる。
【0129】そして、図4は、本発明による有機エレク
トロルミネッセンス素子の第3の実施形態であり、上記
図2で示される素子構造の製造工程中、正孔ブロック層
50を形成した後に、該正孔ブロック層50上に陰極層
70を形成する製造工程を経て得られる。
【0130】さらに、図5は、本発明による有機エレク
トロルミネッセンス素子の第4の実施形態であり、上記
図2で示される素子構造の製造工程中、発光層40を形
成した後に、該発光層40上に電子輸送層60と陰極層
70とを順次形成する製造工程を経て得られる。
【0131】
【実施例】[実施例1]ダウンフロー式のプラズマ装置
にて、1.25KW、酸素流量150cc/min、処
理時間1分の条件でO2プラズマ処理を行ったITOガ
ラス基板(市販ITO、旭硝子社製:20Ω/□)上
に、圧力条件10-3Pa、蒸着速度0.1nm/sec
で[化11]に示すCuPcを蒸着して40nmの膜厚
の正孔注入層を形成した。
【0132】さらに、ゲルパーエイションクロマトグラ
フィーにより測定したポリスチレン換算重量平均量(以
下分子量と言う。)として60,000の[化13]に
示すジノルマルオクチルポリフルオレン5mgと、[化
21]に示すTBPAHとして0.28mg(ジノルマ
ルオクチルポリフルオレンに対して2.6mol%)と
を、テトラヒドロフラン1mlに溶解させて作成した溶
液1を用いて、正孔注入層上に1000rpmで1秒間
スピンコートを行って55nmの膜厚の正孔輸送層を形
成した。
【0133】さらに、圧力条件10-3Paにおいて、蒸
着速度0.092nm/secで[化16]に示すCB
Pと、蒸着速度0.008nm/secで[化31]に
示すIr(ppy)3とを共蒸着し、正孔輸送層上に1
8nmの膜厚の発光層を形成した。
【0134】そして、圧力条件10-3Pa、蒸着速度
0.1nm/secで、[化29]に示すBCPを蒸着
して、発光層上に20nmの膜厚の正孔ブロック層を形
成した。
【0135】さらに、圧力条件10-3Pa、蒸着速度
0.1nm/secで[化30]に示すAlq3を蒸着
し、正孔ブロック層上に、6nmの膜厚の電子輸送層を
形成した。
【0136】さらに、蒸着速度0.01nm/secで
0.5nmの膜厚でフッ化リチウムを、蒸着速度1nm
/secで50nmの膜厚でアルミニウムを蒸着して陰
極を形成し、図2に示す素子を作製したところ、電流密
度1mA/cm2、駆動電圧3.9Vで、輝度380c
d/m2の発光が得られた。
【0137】[比較例1][化21]に示すTBPAH
をドープせずに、[化13]に示すジノルマルオクチル
ポリフルオレンのみで、正孔輸送層を形成した以外は、
[実施例1]と同様にして図2に示す素子を作製したと
ころ、 電流密度1mA/cm2、駆動電圧は4.3V
で、輝度350cd/m2の発光が得られた。
【0138】[比較例2][化13]に示すジノルマル
オクチルポリフルオレンと[化21]に示すTBPAH
との替りに、[化17]に示すNPDを用いて圧力条件
10 -3Pa、蒸着速度0.1nm/secで蒸着して、
40nmの膜厚の正孔輸送層を形成した以外は[実施例
1]と同様にして図2に示す素子を作製したところ、電
流密度1mA/cm2、駆動電圧4.4Vで、輝度35
0cd/m2の発光が得られた。
【0139】[実施例1]と[比較例1]とにより、電
子受容性化合物をドープすると発光に要する駆動電圧が
低下することが分る。また、[実施例1]と[比較例
2]とにより、本発明の素子は、従来の燐光素子より小
さい駆動電圧で発光できることが分る。
【0140】[実施例2〜5][比較例3、4]:[化
21]に示すTBPAHのドープ濃度(mol%)を下
記[表1]に示すように変更した以外は[実施例1]と
同様にして図2に示す素子を作製したところ、[表1]
に示す発光効率の発光が得られた。
【0141】
【表1】
【0142】[表1]より、ドープ剤濃度が0.1mol
%未満の場合、発光に要する駆動電圧が高くなり、5mo
l%より大きい場合、発光輝度が低下することが分る。
【0143】[実施例6〜30][化21]に示すTB
PAHの替りに、下記[表2]に示すドープ剤を用い
て、正孔輸送層を形成した以外は、[実施例1]と同様
にして図2に示す素子を作製したところ、[表2]に示
す発光効率の発光が得られた。なお、ドープ剤の添加量
は、[化13]に示すジノルマルオクチルポリフルオレ
ンに対していずれも2.6mol%とした。
【0144】
【表2】
【0145】[実施例31]ダウンフロー式のプラズマ
装置にて、1.25KW、酸素流量150cc/mi
n、処理時間1分の条件でO2プラズマ処理を行ったI
TOガラス基板(市販ITO、旭硝子社製:20Ω/
□)上に、分子量10,000の[化13]に示すジノ
ルマルオクチルポリフルオレン10mgと、[化21]
に示すTBPAHとして0.56mg(ジノルマルオク
チルポリフルオレンに対して2.6mol%)とを、テ
トラヒドロフラン1mlに溶解させて作成した溶液1を
用いて、陽極層上に1000rpmで1秒間スピンコー
トを行って55nmの膜厚の正孔輸送層を形成した。
【0146】さらに、圧力条件10-3Paにおいて、蒸
着速度0.092nm/secで[化16]に示すCB
Pと、蒸着速度0.008nm/secで[化31]に
示すIr(ppy)3とを共蒸着し、正孔輸送層上に1
8nmの膜厚の発光層を形成した。
【0147】そして、圧力条件10-3Pa、蒸着速度
0.1nm/secで、[化29]に示すBCPを蒸着
して、発光層上に20nmの膜厚の正孔ブロック層を形
成した。
【0148】さらに、圧力条件10-3Pa、蒸着速度
0.1nm/secで[化30]に示すAlq3を蒸着
し、正孔ブロック層上に、6nmの膜厚の電子輸送層を
形成した。
【0149】さらに、蒸着速度0.01nm/secで
0.5nmの膜厚でフッ化リチウムを、蒸着速度1nm
/secで50nmの膜厚でアルミニウムを蒸着して陰
極を形成し、図3に示す素子を作製したところ、電流密
度1mA/cm2、駆動電圧3.9Vで、輝度380c
d/m2の発光が得られた。
【0150】[実施例32]ダウンフロー式のプラズマ
装置にて、1.25KW、酸素流量150cc/mi
n、処理時間1分の条件でO2プラズマ処理を行ったI
TOガラス基板(市販ITO、旭硝子社製:20Ω/
□)上に、[化54]で示されるPEDT/PSS(バ
イエル社製)の水分散液を溶液1としてスロープ100
0rpm/sにおいて回転数1500rpmで60秒間
スピンコートを行った後、200℃で5分間加熱して、
60nmの膜厚の正孔注入層を形成した。
【0151】さらに、分子量60,000の[化13]
に示すジノルマルオクチルポリフルオレン5mgと、
[化21]に示すTBPAHとして0.28mg(ジノ
ルマルオクチルポリフルオレンに対して2.6mol
%)とを、テトラヒドロフラン1mlに溶解させて作成
した溶液2を用いて、正孔注入層上に1000rpmで
1秒間スピンコートを行った後に、100℃で20時間
加熱し上層積層溶媒に不溶化し、55nmの膜厚の正孔
輸送層を形成した。
【0152】さらに、[化16]に示すCBPとして3
mgと、ドープ剤たる[化31]に示すIr(ppy)
3として0.24mgとをジクロロエタン1mlに溶解
させて作成した溶液3を用いて、正孔輸送層上に、10
00rpmで1秒間スピンコートを行って20nmの膜
厚の発光層を形成した。
【0153】さらに、[化52]に示すPV−OXDと
して5mgをシクロヘキサン1mlに溶解させて作成し
た溶液4を用いて、発光層上に、1000rpmで1秒
間スピンコートを行って、27nmの膜厚の正孔ブロッ
ク層を作成した。
【0154】さらに、蒸着速度0.01nm/secで
0.5nmの膜厚でフッ化リチウムを、蒸着速度1nm
/secで50nmの膜厚でアルミニウムを蒸着して陰
極を形成し、図4に示す素子を作製したところ、電流密
度1mA/cm2、駆動電圧3.6Vで、輝度370c
d/m2の発光が得られた。
【0155】[比較例5][化21]に示すTBPAH
をドープせずに、[化13]に示すジノルマルオクチル
ポリフルオレンのみで、正孔輸送層を形成した以外は、
[実施例32]と同様にして図4に示す素子を作製した
ところ、発光層成膜時に、正孔輸送層が溶解した為、素
子作成できなかった。これに対して、[実施例32]の
素子は、加熱により不溶化処理を行った為素子は作製で
きた。
【0156】[実施例33〜36][比較例6、7]:
[化21]に示すTBPAHのドープ濃度(mol%)
を下記[表3]に示すように変更した以外は[実施例3
2]と同様にして図4に示す素子を作製したところ、
[表3]に示す発光効率の発光が得られた。
【0157】
【表3】
【0158】[表3]により、ドープ剤濃度が0.1m
ol%未満の場合、駆動電圧が高くなり、5mol%よ
り大きくなる場合、発光輝度が低下することが分る。
【0159】[実施例37〜61][化21]に示すT
BPAHの替りに、下記[表4]に示すドープ剤を用い
て、正孔輸送層を形成した以外は、[実施例32]と同
様にして図4に示す素子を作製したところ、[表4]に
示す発光効率の発光が得られた。なお、ドープ剤の添加
量は、[化13]に示すジノルマルオクチルポリフルオ
レンに対していずれも2.6mol%とした。
【0160】
【表4】
【0161】[実施例62]ダウンフロー式のプラズマ
装置にて、1.25KW、酸素流量150cc/mi
n、処理時間1分の条件でO2プラズマ処理を行ったI
TOガラス基板(市販ITO、旭硝子社製:20Ω/
□)上に、圧力条件10-3Pa、蒸着速度0.1nm/
secで[化11]に示すCuPcを蒸着して40nm
の膜厚の正孔注入層を形成した。さらに、分子量60,
000の[化20]に示すMEH-PPVとして5mgと
[化21]に示すTBPAHとして0.3mg(MEH
−PPVに対して1.7mol%)とをキシレン1ml
に溶解させて作成した溶液1を用いて、正孔注入層上
に、1000rpmで1秒間スピンコートを行って、5
5nmの膜厚の正孔輸送層を形成した。
【0162】さらに、圧力条件10-3Paにおいて、蒸
着速度0.098nm/secで[化30]に示すAl
q3を、蒸着速度0.002nm/secで[化45]
に示すクマリン6を共蒸着して、正孔輸送層上に20n
mの膜厚の発光層を形成した。
【0163】さらに、圧力条件10-3Pa、蒸着速度
0.1nm/secで[化30]に示すAlq3を蒸着
し、発光層上に30nmの膜厚の電子輸送層を形成し
た。
【0164】さらに、蒸着速度0.01nm/secで
0.5nmの膜厚でフッ化リチウムを、蒸着速度1nm
/secで50nmの膜厚でアルミニウムを蒸着して陰
極を形成し、図5に示す素子を作製したところ、電流密
度2mA/cm2、駆動電圧5.2Vで、輝度390c
d/m2の発光が得られた。
【0165】[比較例8]圧力条件10-3Pa、蒸着速
度0.098nm/secで、[化17]に示すNPD
を蒸着して、55nmの膜厚の正孔輸送層を形成した以
外は[実施例62]と同様に図5に示す素子を作製した
ところ、電流密度2mA/cm2、駆動電圧5.5V
で、輝度400cd/m2の発光が得られた。
【0166】[実施例62]と[比較例8]とにより、
燐光でなく蛍光発光のみの素子においても、導電性高分
子に電子受容性化合物をドープした正孔輸送層を用いた
場合、発光に要する駆動電圧が下がる事が分る。
【0167】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
による有機エレクトロルミネッセンス素子は、これを構
成する正孔輸送層が、導電性高分子に電子受容性化合物
を添加して形成されるので電気電導性を備えると共に、
電子受容性化合物の添加量を制御することにより電子ブ
ロック効果をも備えることができる。このため、陽極層
から発光層へ正孔が確実に注入できて電気的接合が向上
し、また、発光層における正孔と電子との再結合の機会
が増大して発光輝度を向上させることができる。このよ
うな有機エレクトロエレクトロルミネッセンス素子は、
電子ブロック層を新たに形成することなく簡易な構造
で、良好な発光効率を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機エレクトロルミネッセンス素子の素子構造
【図2】本発明の素子構造の第1の実施形態
【図3】本発明の素子構造の第2の実施形態
【図4】本発明の素子構造の第3の実施形態
【図5】本発明の素子構造の第4の実施形態
【符号の説明】
10 陽極層 20 正孔輸送層 40 発光層 70 陰極層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極層及び陰極層の両電極層と該両電極層
    間に形成される発光層と正孔輸送層とを有する有機エレ
    クトロルミネッセンス素子において、前記正孔輸送層を
    構成する正孔輸送性物質が、導電性高分子に、該導電性
    高分子の0.1〜5モル%の電子受容性化合物を添加し
    て成ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス
    素子。
  2. 【請求項2】前記導電性高分子が、 【化1】 (一般式[化1]中、Rは水素、脂肪族炭化水素基、芳
    香族炭化水素基、エーテル基及び複素環基のいずれかを
    示す。) 一般式[化1]で表される繰り返し単位を有するポリフル
    オレン化合物から成ることを特徴とする請求項1に記載
    の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】前記電子受容性化合物が、ハロゲン単体、
    ルイス酸、プロトン酸または遷移金属ハライドのいずれ
    かから成ることを特徴とする請求項1または2に記載の
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 【請求項4】前記電子受容性化合物が、 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 構造式[化2]乃至[化9]のいずれかで示される導電
    性有機化合物から成ることを特徴とする請求項1または
    2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 【請求項5】前記電子受容性化合物が、 【化10】 (一般式[化10]中、Xはハロゲン原子を、環A、環
    B及び環Cは、それぞれ独立に脂肪族炭化水素基、芳香
    族炭化水素基、エーテル基及び複素環基のいずれかから
    成る置換基を有してもよいベンゼン環を示す。) 一般式[化10]に示される分子構造を有することを特
    徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子。
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