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JP2003252869A - 3−アミノ−6−ニトロクマリンの製造方法 - Google Patents

3−アミノ−6−ニトロクマリンの製造方法

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Publication number
JP2003252869A
JP2003252869A JP2002057065A JP2002057065A JP2003252869A JP 2003252869 A JP2003252869 A JP 2003252869A JP 2002057065 A JP2002057065 A JP 2002057065A JP 2002057065 A JP2002057065 A JP 2002057065A JP 2003252869 A JP2003252869 A JP 2003252869A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitrophenoxyimino
formula
propanoic acid
group
acid ester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002057065A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Bando
誠二 坂東
Hitoshi Kano
仁志 狩野
Hirokazu Kagano
宏和 加賀野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd filed Critical Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority to JP2002057065A priority Critical patent/JP2003252869A/ja
Publication of JP2003252869A publication Critical patent/JP2003252869A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3−アミノ−6−ニトロクマリンを工業的に
安価に、かつ容易に製造する方法を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(1); (式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基
またはトシル基を表す。)で表される2−(4−ニトロ
フェノキシイミノ)プロパン酸エステルを酸の存在下で
環化することを特徴とする下記式(2); で表される3−アミノ−6−ニトロクマリンの製造方
法、および該製造方法に用いられる2−(4−ニトロフ
ェノキシイミノ)プロパン酸エステル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、新規化合物である
2−(4−ニトロフェノキシイミノ)プロパン酸エステ
ルおよびそれの製造方法、ならびに前記2−(4−ニト
ロフェノキシイミノ)プロパン酸エステルを用いた3−
アミノ−6−ニトロクマリンの製造方法に関する。3−
アミノ−6−ニトロクマリンは、反応性が高く、種々の
医薬、農薬および機能材料等の中間体として有用な化合
物である。
【0002】
【従来の技術】3−アミノ−6−ニトロクマリンを製造
する方法としては、以下のような方法が知られている
(Arch.Pharm.296(6),365−99
(1963))。この方法では、まず、サリチルアルデ
ヒドをニトロ化し、5−ニトロサリチルアルデヒドを製
造する。次いで、5−ニトロサリチルアルデヒドとグリ
シンを、酢酸ナトリウムと無水酢酸の存在下で反応させ
て、3−アセチルアミノ−6−ニトロクマリンを製造す
る。その後、硫酸と酢酸を用いて加水分解して3−アミ
ノ−6−ニトロクマリンが得られる。しかしながら、上
記方法は、まず、サリチルアルデヒドをニトロ化する工
程で、3位と5位がニトロ化されたサリチルアルデヒド
の混合物が得られるため、5−ニトロサリチルアルデヒ
ドの収率が低い。また、これら位置異性体は分離が困難
であるという問題がある。さらに、5−ニトロサリチル
アルデヒドとグリシンを、酢酸ナトリウムと無水酢酸の
存在下で反応させて、3−アセチルアミノ−6−ニトロ
クマリンを製造する工程の収率が低いという問題があ
る。このように、上記方法は、工業的に有利な方法とは
言い難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、3−アミノ
−6−ニトロクマリンを工業的に安価に、かつ容易に製
造する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、3−アミノ−
6−ニトロクマリンを製造するための出発原料として、
新規化合物である2−(4−ニトロフェノキシイミノ)
プロパン酸エステルが有用であることを見出した。そし
てこのものを酸の存在下で環化することにより、3−ア
ミノ−6−ニトロクマリンを工業的に安価に、かつ容易
に製造することを見出した。さらに、前記2−(4−ニ
トロフェノキシイミノ)プロパン酸エステルは、2−
(ヒドロキシイミノ)プロパン酸エステルと4−ハロゲ
ノニトロベンゼンとを、極性溶媒中、アルカリ金属化合
物の存在下に反応させることにより製造できることを見
出した。
【0005】すなわち、本発明は、下記一般式(1);
【0006】
【化9】 (式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基
またはトシル基を表す。)
【0007】で表される2−(4−ニトロフェノキシイ
ミノ)プロパン酸エステルを酸の存在下で環化すること
を特徴とする、下記式(2);
【0008】
【化10】
【0009】で表される3−アミノ−6−ニトロクマリ
ンの製造方法に関する。
【0010】本発明は、また、下記一般式(3);
【0011】
【化11】 (式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基
またはトシル基を表す。)
【0012】で表される2−(ヒドロキシイミノ)プロ
パン酸エステルと下記一般式(4);
【0013】
【化12】 (式中、Xはハロゲン原子を表す。)
【0014】で表される4−ハロゲノニトロベンゼンと
を、極性溶媒中、アルカリ金属化合物の存在下に反応さ
せることを特徴とする下記一般式(1);
【0015】
【化13】 (式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基
またはトシル基を表す。)
【0016】で表される2−(4−ニトロフェノキシイ
ミノ)プロパン酸エステルの製造方法に関する。
【0017】本発明は、さらに、下記一般式(1);
【0018】
【化14】 (式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基
またはトシル基を表す。)
【0019】で表される2−(4−ニトロフェノキシイ
ミノ)プロパン酸エステルに関する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の3−アミノ−6−ニトロ
クマリンの製造方法は、下記一般式(1);
【0021】
【化15】
【0022】で表される2−(4−ニトロフェノキシイ
ミノ)プロパン酸エステルを酸の存在下で環化すること
を特徴とする。
【0023】式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、
フェニル基またはトシル基を表す。
【0024】上記炭素数1〜4のアルキル基としては、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ
る。
【0025】本発明に用いられる酸としては、硫酸、塩
酸等の鉱酸;トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホ
ン酸;トリフルオロ酢酸等のフルオロ酢酸等が挙げられ
る。これらの中でも、鉱酸が好適に用いられ、とりわけ
硫酸がさらに好適に用いられる。
【0026】酸の使用量は、2−(4−ニトロフェノキ
シイミノ)プロパン酸エステルに対して、0.5〜50
倍モル、好ましくは1〜20倍モルであることが望まし
い。酸の使用量が0.5倍モル未満の場合、充分に反応
が進行せず、収率が低下するおそれがある。また、酸の
使用量が50倍モルを超える場合、使用量に見合う効果
がなく経済的でないおそれがある。
【0027】2−(4−ニトロフェノキシイミノ)プロ
パン酸エステルを酸の存在下で環化する際の反応温度
は、0〜150℃、好ましくは25〜100℃であるこ
とが望ましい。反応温度が0℃未満の場合、反応速度が
遅く、反応に長時間を要するおそれがある。また、反応
温度が150℃を超える場合、不純物が生成するおそれ
がある。反応時間は、反応温度により異なるが、通常、
1〜30時間であることが望ましい。
【0028】反応終了後、3−アミノ−6−ニトロクマ
リンを含む反応溶液を水に添加して、析出した固体を濾
過し、水で洗浄し乾燥することにより、3−アミノ−6
−ニトロクマリンを単離することができる。
【0029】かくして得られる3−アミノ−6−ニトロ
クマリンは、下記式(2);
【0030】
【化16】
【0031】で表される化合物である。3−アミノ−6
−ニトロクマリンは、反応性が高く、種々の医薬、農薬
および機能材料等の中間体として有用な化合物である。
【0032】本発明の3−アミノ−6−ニトロクマリン
の製造方法において用いられる下記一般式(1);
【0033】
【化17】 (式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基
またはトシル基を表す。)
【0034】で表される2−(4−ニトロフェノキシイ
ミノ)プロパン酸エステルについては、特に限定されな
いが、例えば、下記一般式(3);
【0035】
【化18】 (式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基
またはトシル基を表す。)
【0036】で表される2−(ヒドロキシイミノ)プロ
パン酸エステルと下記一般式(4);
【0037】
【化19】 (式中、Xはハロゲン原子を表す。)
【0038】で表される4−ハロゲノニトロベンゼンと
を、極性溶媒中、アルカリ金属化合物の存在下に反応さ
せることにより得られるものが好ましく用いられる。
【0039】本発明は、また、下記一般式(3);
【0040】
【化20】 (式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基
またはトシル基を表す。)
【0041】で表される2−(ヒドロキシイミノ)プロ
パン酸エステルと下記一般式(4);
【0042】
【化21】 (式中、Xはハロゲン原子を表す。)
【0043】で表される4−ハロゲノニトロベンゼンと
を、極性溶媒中、アルカリ金属化合物の存在下に反応さ
せることを特徴とする下記一般式(1);
【0044】
【化22】 (式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基
またはトシル基を表す。)
【0045】で表される2−(4−ニトロフェノキシイ
ミノ)プロパン酸エステルの製造方法に関する。
【0046】本発明に用いられる2−(ヒドロキシイミ
ノ)プロパン酸エステルは、下記一般式(3);
【0047】
【化23】
【0048】で表される化合物である。
【0049】式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、
フェニル基またはトシル基を表す。
【0050】上記炭素数1〜4のアルキル基としては、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ
る。
【0051】上記2−(ヒドロキシイミノ)プロパン酸
エステルの具体例としては、2−(ヒドロキシイミノ)
プロパン酸メチル、2−(ヒドロキシイミノ)プロパン
酸エチル、2−(ヒドロキシイミノ)プロパン酸−n−
プロピル、2−(ヒドロキシイミノ)プロパン酸イソプ
ロピル、2−(ヒドロキシイミノ)プロパン酸−n−ブ
チル、2−(ヒドロキシイミノ)プロパン酸−tert
−ブチル、2−(ヒドロキシイミノ)プロパン酸フェニ
ル、2−(ヒドロキシイミノ)プロパン酸トシル等が挙
げられる。これらの中でも、安価な原料から製造するこ
とができる観点から、2−(ヒドロキシイミノ)プロパ
ン酸メチル、2−(ヒドロキシイミノ)プロパン酸エチ
ルが好適に用いられる。
【0052】本発明に用いられる4−ハロゲノニトロベ
ンゼンは下記一般式(4);
【0053】
【化24】
【0054】で表される化合物である。
【0055】式中、Xはハロゲン原子を表す。
【0056】上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0057】上記4−ハロゲノニトロベンゼンの具体例
としては、4−フルオロニトロベンゼン、4−クロロニ
トロベンゼン、4−ブロモニトロベンゼン、4−ニトロ
ヨードベンゼン等が挙げられる。これらの中でも、安価
で容易に入手できる観点より、4−クロロニトロベンゼ
ンが好適に用いられる。
【0058】4−ハロゲノニトロベンゼンの使用量は、
2−(ヒドロキシイミノ)プロパン酸エステルに対し
て、0.9〜2倍モル、好ましくは1〜1.2倍モルで
あることが望ましい。4−ハロゲノニトロベンゼンの使
用量が0.9倍モル未満の場合、充分に反応が進行せ
ず、収率が低下するおそれがある。また、4−ハロゲノ
ニトロベンゼンの使用量が2倍モルを超える場合、使用
量に見合う効果がなく経済的でないおそれがある。
【0059】アルカリ金属化合物としては、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸
化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;ナト
リウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエ
トキシド、カリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコ
キシド等が挙げられる。これらの中でもアルカリ金属炭
酸塩、とりわけ炭酸カリウムが好適に用いられる。
【0060】アルカリ金属化合物の使用量は、2−(ヒ
ドロキシイミノ)プロパン酸エステルに対して、0.5
〜5倍モル、好ましくは0.8〜1.5倍モルであるこ
とが望ましい。アルカリ金属化合物の使用量が0.5倍
モル未満の場合、充分に反応が進行せず、収率が低下す
るおそれがある。また、アルカリ金属化合物の使用量が
5倍モルを超える場合、使用量に見合う効果がなく経済
的でないおそれがある。
【0061】極性溶媒としては、例えば、ジメチルスル
ホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ア
セトン、スルホラン、トリエチルアミン等が挙げられ
る。
【0062】極性溶媒の使用量は、2−(ヒドロキシイ
ミノ)プロパン酸エステルに対して、0.1〜30倍重
量、好ましくは1〜10倍重量であることが望ましい。
極性溶媒の使用量が0.1倍重量未満の場合、攪拌が困
難になるおそれがある。また、極性溶媒の使用量が30
倍重量を超える場合、容積効率が悪化するおそれがあ
る。
【0063】反応温度は、使用する極性溶媒により異な
るが、−10〜150℃、好ましくは0〜80℃である
ことが望ましい。反応温度が−10℃未満の場合、反応
速度が遅く、反応に長時間を要するおそれがある。ま
た、反応温度が150℃を超える場合、不純物が生成す
るおそれがある。反応時間は、反応温度により異なる
が、通常、1〜150時間であることが望ましい。
【0064】反応終了後、反応液に水およびトルエン等
の水不溶性有機溶媒を添加して分液し、有機層を得る。
得られた有機層から蒸留などの方法により容易に2−
(4−ニトロフェノキシイミノ)プロパン酸エステルを
単離することができる。
【0065】なお、上記一般式(3)で表される2−
(ヒドロキシイミノ)プロパン酸エステルの製造方法と
しては、特に限定されず、例えば、ピルビン酸エステル
と硫酸ヒドロキシルアンモニウムを反応させることによ
り製造することができる。
【0066】上記のようにして得られる一般式(1);
【0067】
【化25】
【0068】で表される2−(4−ニトロフェノキシイ
ミノ)プロパン酸エステルは、新規化合物である。
【0069】式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、
フェニル基またはトシル基を表す。
【0070】上記炭素数1〜4のアルキル基としては、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ
る。
【0071】上記2−(4−ニトロフェノキシイミノ)
プロパン酸エステルの具体例としては、2−(4−ニト
ロフェノキシイミノ)プロパン酸メチル、2−(4−ニ
トロフェノキシイミノ)プロパン酸エチル、2−(4−
ニトロフェノキシイミノ)プロパン酸−n−プロピル、
2−(4−ニトロフェノキシイミノ)プロパン酸イソプ
ロピル、2−(4−ニトロフェノキシイミノ)プロパン
酸−n−ブチル、2−(4−ニトロフェノキシイミノ)
プロパン酸−tert−ブチル、2−(4−ニトロフェ
ノキシイミノ)プロパン酸フェニル、2−(4−ニトロ
フェノキシイミノ)プロパン酸トシル等が挙げられる。
これらの中でも、安価な原料から製造することができる
観点から、2−(4−ニトロフェノキシイミノ)プロパ
ン酸メチル、2−(4−ニトロフェノキシイミノ)プロ
パン酸エチルが好ましい。
【0072】
【実施例】以下、参考例および実施例によって本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
り何ら限定されるものではない。
【0073】参考例 攪拌機、温度計、滴下漏斗および冷却管を備え付けた2
00mL容の4つ口フラスコに、硫酸ヒドロキシルアン
モニウム18.1g(0.11モル)と水30gを仕込
み、20℃で30重量%水酸化ナトリウム水溶液29.
3gを滴下した。その後、ピルビン酸メチル20.4g
(0.20モル)を24℃で1.5時間かけて滴下し、
40℃で4時間反応させた。
【0074】反応終了後、tert−ブチルメチルエー
テル50gと水20gを添加し、分液して有機層を得
た。有機層を濃縮し、2−(ヒドロキシイミノ)プロパ
ン酸メチル22.1g(0.19モル)を得た。ピルビ
ン酸メチルに対する収率は95%であった。
【0075】実施例1 攪拌機、温度計および冷却管を備え付けた500mL容
の4つ口フラスコに、参考例と同様の方法で得られた2
−(ヒドロキシイミノ)プロパン酸メチル5.9g
(0.05モル)、炭酸カリウム6.9g(0.05モ
ル)、ジメチルスルホキシド30gを仕込み、30℃で
30分間攪拌した。次いで、p−クロロニトロベンゼン
7.9g(0.05モル)を添加し同温度でさらに72
時間反応させた。
【0076】反応終了後、トルエン40g、水60gを
添加し、分液してトルエン層を得た。得られたトルエン
層を濃縮して、2−(4−ニトロフェノキシイミノ)プ
ロパン酸メチルの粗結晶を得た。カラムクロマトグラフ
ィーにより精製し、2−(4−ニトロフェノキシイミ
ノ)プロパン酸メチル9.2g(0.039モル)を得
た。2−(ヒドロキシイミノ)プロパン酸メチルに対す
る収率は78%であった。
【0077】得られた2−(4−ニトロフェノキシイミ
ノ)プロパン酸メチルは、以下の物性を有することか
ら、同定することができた。
【0078】H−NMR:δ=2.3(3H, s),δ=3.
9(3H, s),δ=7.4(2H, d),δ=8.3(2H, d) 元素分析値:C 50.21%, H 4.33%, N 11.78%(計算値 C
50.42%, H 4.23%, N11.76%) 融点:118〜120℃
【0079】実施例2 実施例1において2−(ヒドロキシイミノ)プロパン酸
メチルの代わりに、2−(ヒドロキシイミノ)プロパン
酸エチル6.6g(0.05モル)を用いた以外は実施
例1と同様にして2−(4−ニトロフェノキシイミノ)
プロパン酸エチル9.0g(0.036モル)を得た。
2−(ヒドロキシイミノ)プロパン酸エチルに対する収
率は72%であった。
【0080】得られた2−(4−ニトロフェノキシイミ
ノ)プロパン酸エチルは、以下の物性を有することか
ら、同定することができた。
【0081】H−NMR:δ=1.4(3H, t),δ=2.
3(3H, s),δ=4.4(2H, q),δ=7.4(2H, d),δ
=8.2(2H, d) 元素分析値:C 52.43%, H 4.91%, N 11.25%(計算値 C
52.38%, H 4.80%, N11.11%) 融点:79〜81℃
【0082】実施例3 攪拌機、温度計および冷却管を備え付けた100mL容
の4つ口フラスコに、濃硫酸46.0g(0.45モ
ル)を仕込み、50℃に昇温した。次いで、実施例1と
同様の方法で得られた2−(4−ニトロフェノキシイミ
ノ)プロパン酸メチル10.2g(0.043モル)を
20分間かけて添加し、同温度で6時間反応させた。
【0083】反応終了後、反応液を20℃に冷却し、別
のフラスコに用意した氷水100gへ添加した。析出し
た固体を濾別し、水30gで洗浄、乾燥し、3−アミノ
−6−ニトロクマリンの粗結晶を得た。カラムクロマト
グラフィーにて精製し、3−アミノ−6−ニトロクマリ
ン6.6g(0.032モル)得た。2−(4−ニトロ
フェノキシイミノ)プロパン酸メチルに対する収率は7
4%であった。
【0084】実施例4 攪拌機、温度計および冷却管を備え付けた100mL容
の4つ口フラスコに、濃硫酸46.0g(0.45モ
ル)を仕込み、50℃に昇温した。次いで、実施例2と
同様の方法で得られた2−(4−ニトロフェノキシイミ
ノ)プロパン酸エチル5.6g(0.043モル)を2
0分間かけて添加し、同温度で6時間反応させた。
【0085】反応終了後、反応液を20℃に冷却し、別
のフラスコに用意した氷水100gへ添加した。析出し
た固体を濾別し、水30gで洗浄、乾燥し3−アミノ−
6−ニトロクマリンの粗結晶を得た。カラムクロマトグ
ラフィーにて精製し、3−アミノ−6−ニトロクマリン
5.8g(0.028モル)得た。2−(4−ニトロフ
ェノキシイミノ)プロパン酸エチルに対する収率は65
%であった。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、反応性が高く、種々の
医薬、農薬および機能材料等の中間体として有用な3−
アミノ−6−ニトロクマリンを工業的に安価に、かつ容
易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C062 EE18 4H006 AA01 AA02 AB84 AC59 BA92 BB42 BE10 BE12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1); 【化1】 (式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基
    またはトシル基を表す。)で表される2−(4−ニトロ
    フェノキシイミノ)プロパン酸エステルを酸の存在下で
    環化することを特徴とする下記式(2); 【化2】 で表される3−アミノ−6−ニトロクマリンの製造方
    法。
  2. 【請求項2】酸が、鉱酸である請求項1記載の3−アミ
    ノ−6−ニトロクマリンの製造方法。
  3. 【請求項3】2−(4−ニトロフェノキシイミノ)プロ
    パン酸エステルが、下記一般式(3); 【化3】 (式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基
    またはトシル基を表す。)で表される2−(ヒドロキシ
    イミノ)プロパン酸エステルと下記一般式(4); 【化4】 (式中、Xはハロゲン原子を表す。)で表される4−ハ
    ロゲノニトロベンゼンとを、極性溶媒中、アルカリ金属
    化合物の存在下に反応させることにより得られたもので
    ある請求項1または2に記載の3−アミノ−6−ニトロ
    クマリンの製造方法。
  4. 【請求項4】下記一般式(3); 【化5】 (式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基
    またはトシル基を表す。)で表される2−(ヒドロキシ
    イミノ)プロパン酸エステルと下記一般式(4); 【化6】 (式中、Xはハロゲン原子を表す。)で表される4−ハ
    ロゲノニトロベンゼンとを、極性溶媒中、アルカリ金属
    化合物の存在下に反応させることを特徴とする下記一般
    式(1); 【化7】 (式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基
    またはトシル基を表す。)で表される2−(4−ニトロ
    フェノキシイミノ)プロパン酸エステルの製造方法。
  5. 【請求項5】下記一般式(1); 【化8】 (式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基
    またはトシル基を表す。)で表される2−(4−ニトロ
    フェノキシイミノ)プロパン酸エステル。
  6. 【請求項6】一般式(1)で表される2−(4−ニトロ
    フェノキシイミノ)プロパン酸エステルが、2−(4−
    ニトロフェノキシイミノ)プロパン酸メチルまたは2−
    (4−ニトロフェノキシイミノ)プロパン酸エチルであ
    る請求項5記載の化合物。
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