JP2003133331A - 薄膜トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
薄膜トランジスタおよびその製造方法Info
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- JP2003133331A JP2003133331A JP2002260039A JP2002260039A JP2003133331A JP 2003133331 A JP2003133331 A JP 2003133331A JP 2002260039 A JP2002260039 A JP 2002260039A JP 2002260039 A JP2002260039 A JP 2002260039A JP 2003133331 A JP2003133331 A JP 2003133331A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、レーザ結晶化多結晶シリコン薄膜
トランジスタ駆動液晶表示装置において、リーク電流の
低減を図る薄膜トランジスタおよびその製造方法の提供
を目的とする。 【解決手段】 光リーク電流低減のために設けられた遮
光金属層、絶縁膜上に形成される多結晶シリコン薄膜ト
ランジスタにおいて、ドレイン領域9の一部の下部絶縁
膜を薄膜化するために凹部を設ける。レーザ結晶化を行
なうときに、シリコン薄膜2が他の領域1、2に比べ早
く固化するため、核形成サイトとして作用し、単結晶ま
たは均一な結晶粒界からなるシリコン薄膜3を形成する
ことができる、リーク電流を低減することができる。
トランジスタ駆動液晶表示装置において、リーク電流の
低減を図る薄膜トランジスタおよびその製造方法の提供
を目的とする。 【解決手段】 光リーク電流低減のために設けられた遮
光金属層、絶縁膜上に形成される多結晶シリコン薄膜ト
ランジスタにおいて、ドレイン領域9の一部の下部絶縁
膜を薄膜化するために凹部を設ける。レーザ結晶化を行
なうときに、シリコン薄膜2が他の領域1、2に比べ早
く固化するため、核形成サイトとして作用し、単結晶ま
たは均一な結晶粒界からなるシリコン薄膜3を形成する
ことができる、リーク電流を低減することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ、セ
ンサ、プリンティングデバイスなどの機能機器や、メモ
リ、CPUなどの半導体デバイスに使用され、特に、絶
縁体上に形成された薄膜トランジスタおよびその製造方
法に関する。
ンサ、プリンティングデバイスなどの機能機器や、メモ
リ、CPUなどの半導体デバイスに使用され、特に、絶
縁体上に形成された薄膜トランジスタおよびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス基板などの絶縁基板上に薄
膜トランジスタ(適宜、TFTと略称する。)を形成す
る代表的な技術として、水素化アモルファスシリコンT
FT技術や多結晶シリコンTFT技術が開発され実用に
供されてきた。
膜トランジスタ(適宜、TFTと略称する。)を形成す
る代表的な技術として、水素化アモルファスシリコンT
FT技術や多結晶シリコンTFT技術が開発され実用に
供されてきた。
【0003】水素化アモルファスシリコンTFT技術
は、作製プロセスにおける最高温度が約300℃であ
り、移動度が約1cm2/Vsecのキャリア移動を実
現している。このため、当該技術は、アクティブマトリ
クス型液晶ディスプレイ(適宜、AM−LCDと略称す
る。)における各画素のスイッチングトランジスタとし
て用いられ、かかる場合には、薄膜トランジスタは、画
面周辺に配置されたドライバー集積回路(ICまたは単
結晶シリコン基板上に形成されたLSI)によって駆動
される。また、AM−LCDは、各画素毎にスイッチン
グ素子としてTFTが形成されているため、周辺ドライ
バ回路から液晶駆動用の電気信号を送るパッシブマトリ
クス型LCDに比べ、クロストークなどが低減され良好
な画像品質を得られるという特徴を有している。
は、作製プロセスにおける最高温度が約300℃であ
り、移動度が約1cm2/Vsecのキャリア移動を実
現している。このため、当該技術は、アクティブマトリ
クス型液晶ディスプレイ(適宜、AM−LCDと略称す
る。)における各画素のスイッチングトランジスタとし
て用いられ、かかる場合には、薄膜トランジスタは、画
面周辺に配置されたドライバー集積回路(ICまたは単
結晶シリコン基板上に形成されたLSI)によって駆動
される。また、AM−LCDは、各画素毎にスイッチン
グ素子としてTFTが形成されているため、周辺ドライ
バ回路から液晶駆動用の電気信号を送るパッシブマトリ
クス型LCDに比べ、クロストークなどが低減され良好
な画像品質を得られるという特徴を有している。
【0004】一方、多結晶シリコンTFT技術は、例え
ば、石英基板を用いた作製プロセスにおける最高温度が
約1000℃のLSIと類似した高温プロセスを用いる
ことで、移動度が約30〜100cm2/Vsecの高
いキャリア移動を実現している。このため、当該技術を
例えば液晶ディスプレイに応用した場合には、各画素を
駆動する画素TFTとその周辺駆動回路部を、同一ガラ
ス基板上に同時に形成することができる。また、液晶デ
ィスプレイの小型化、高解像度化に伴い、AM−LCD
基板と周辺ドライバー集積回路の接続ピッチが狭小化
し、タブ接続やワイヤボンディング法では対処しきれな
いといった問題があったが、この技術によって解決さ
れ、製造プロセスのコストを低減し、さらに、製品を小
型化することができた。
ば、石英基板を用いた作製プロセスにおける最高温度が
約1000℃のLSIと類似した高温プロセスを用いる
ことで、移動度が約30〜100cm2/Vsecの高
いキャリア移動を実現している。このため、当該技術を
例えば液晶ディスプレイに応用した場合には、各画素を
駆動する画素TFTとその周辺駆動回路部を、同一ガラ
ス基板上に同時に形成することができる。また、液晶デ
ィスプレイの小型化、高解像度化に伴い、AM−LCD
基板と周辺ドライバー集積回路の接続ピッチが狭小化
し、タブ接続やワイヤボンディング法では対処しきれな
いといった問題があったが、この技術によって解決さ
れ、製造プロセスのコストを低減し、さらに、製品を小
型化することができた。
【0005】ところが、多結晶シリコンTFT技術は、
上述したような高温プロセスを用いる場合、水素化アモ
ルファスシリコンTFT技術のプロセスで用いられる安
価な低軟化点ガラスを用いることができない。このた
め、多結晶シリコンTFTの作製プロセスの最高温度を
低くするために、レーザ結晶化技術を応用した多結晶シ
リコン膜の低温形成技術が研究・開発されている。
上述したような高温プロセスを用いる場合、水素化アモ
ルファスシリコンTFT技術のプロセスで用いられる安
価な低軟化点ガラスを用いることができない。このた
め、多結晶シリコンTFTの作製プロセスの最高温度を
低くするために、レーザ結晶化技術を応用した多結晶シ
リコン膜の低温形成技術が研究・開発されている。
【0006】一般に、このレーザ結晶化技術は、図11
に示す構成からなるパルスレーザ照射装置により実現さ
れる。パルスレーザ光源から照射されるエネルギービー
ムとしてのレーザ光は、ミラーや光強度の空間的な均一
化を行うビームホモジナイザなどの光学素子群によって
規定される光路を経由し、被照射体であるガラス基板5
上のシリコン薄膜に到達する。通常、レーザ光の照射範
囲は、ガラス基板より小さいため、ガラス基板は、xy
ステージを移動させることによって、任意の位置へのレ
ーザ照射が行われている。なお、xyステージの代わり
に、上述の光学素子群を移動させることや、光学素子群
とステージを双方移動させる方法も採られている。
に示す構成からなるパルスレーザ照射装置により実現さ
れる。パルスレーザ光源から照射されるエネルギービー
ムとしてのレーザ光は、ミラーや光強度の空間的な均一
化を行うビームホモジナイザなどの光学素子群によって
規定される光路を経由し、被照射体であるガラス基板5
上のシリコン薄膜に到達する。通常、レーザ光の照射範
囲は、ガラス基板より小さいため、ガラス基板は、xy
ステージを移動させることによって、任意の位置へのレ
ーザ照射が行われている。なお、xyステージの代わり
に、上述の光学素子群を移動させることや、光学素子群
とステージを双方移動させる方法も採られている。
【0007】このように、レーザ照射によって形成され
たレーザ結晶化多結晶シリコン膜は、図12に示すよう
な薄膜トランジスタに用いられる。同図に示す薄膜トラ
ンジスタは、基板コート層19でカバーされたガラス基
板5上に、チャネル領域7,ソース領域8,ドレイン領
域9及びLDD(Lightly doped dra
in)領域14が形成され、ゲート絶縁膜を介してゲー
ト電極10が形成されている。そして、さらに、二酸化
シリコン4を積層し、コンタクトホールに形成された金
属11によって配線される。
たレーザ結晶化多結晶シリコン膜は、図12に示すよう
な薄膜トランジスタに用いられる。同図に示す薄膜トラ
ンジスタは、基板コート層19でカバーされたガラス基
板5上に、チャネル領域7,ソース領域8,ドレイン領
域9及びLDD(Lightly doped dra
in)領域14が形成され、ゲート絶縁膜を介してゲー
ト電極10が形成されている。そして、さらに、二酸化
シリコン4を積層し、コンタクトホールに形成された金
属11によって配線される。
【0008】この薄膜トランジスタは、多結晶シリコン
半導体中の結晶粒界に存在する高密度のトラップ準位に
よって、キャリアが移動しオフリーク電流が流れること
を、オフセットゲート領域としてのLDD領域14を形
成することによって防止している。
半導体中の結晶粒界に存在する高密度のトラップ準位に
よって、キャリアが移動しオフリーク電流が流れること
を、オフセットゲート領域としてのLDD領域14を形
成することによって防止している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したレ
ーザ結晶化多結晶シリコン薄膜は、照射するレーザの強
度、パルス幅、パルス数などに応じて結晶粒径が数n
(ナノ)m〜数μmの結晶粒径を有する膜となり、これ
らの結晶粒を所望の場所にかつ均一に形成することは困
難であった。特にエキシマレーザを用いたレーザ結晶化
法では、レーザの吸収による加熱再結晶化過程におい
て、結晶核発生がナノ秒オーダの極めて短い時間に生じ
るため、結晶粒を所望の場所にかつ均一に形成すること
は非常に困難であった。なお、レーザ結晶化多結晶シリ
コン薄膜に限らず、固相成長による多結晶シリコン薄膜
や、直接ガラス基板上に多結晶シリコン薄膜を堆積形成
するような方法においても同様である。
ーザ結晶化多結晶シリコン薄膜は、照射するレーザの強
度、パルス幅、パルス数などに応じて結晶粒径が数n
(ナノ)m〜数μmの結晶粒径を有する膜となり、これ
らの結晶粒を所望の場所にかつ均一に形成することは困
難であった。特にエキシマレーザを用いたレーザ結晶化
法では、レーザの吸収による加熱再結晶化過程におい
て、結晶核発生がナノ秒オーダの極めて短い時間に生じ
るため、結晶粒を所望の場所にかつ均一に形成すること
は非常に困難であった。なお、レーザ結晶化多結晶シリ
コン薄膜に限らず、固相成長による多結晶シリコン薄膜
や、直接ガラス基板上に多結晶シリコン薄膜を堆積形成
するような方法においても同様である。
【0010】このため、各薄膜トランジスタは、結晶粒
界の状態が均一でないために、各オフリーク電流がばら
つき、LDD領域によって均一にオフセットしても、各
薄膜トランジスタのオフリーク電流のばらつきは改善さ
れず、結果的にオフリーク電流を精度良く低減すること
ができないといった問題があった。
界の状態が均一でないために、各オフリーク電流がばら
つき、LDD領域によって均一にオフセットしても、各
薄膜トランジスタのオフリーク電流のばらつきは改善さ
れず、結果的にオフリーク電流を精度良く低減すること
ができないといった問題があった。
【0011】なお、上記課題に関連する技術として、特
許2525707号にて開示された、チャネル領域に低
濃度のオフセットゲート領域(LDD領域)を設けるこ
とにより、オフリーク電流を低減することのできる薄膜
トランジスタを有する半導体集積回路が提案されてい
る。この技術は、上述したように、各薄膜トランジスタ
の結晶粒界の状態が均一でないために、オフリーク電流
を精度良く低減することができず、特に、エキシマレー
ザを用いたレーザ結晶化法では、結晶化過程において発
生する結晶核の状態をコントロールすることはできず、
上記課題を解決することはできない。
許2525707号にて開示された、チャネル領域に低
濃度のオフセットゲート領域(LDD領域)を設けるこ
とにより、オフリーク電流を低減することのできる薄膜
トランジスタを有する半導体集積回路が提案されてい
る。この技術は、上述したように、各薄膜トランジスタ
の結晶粒界の状態が均一でないために、オフリーク電流
を精度良く低減することができず、特に、エキシマレー
ザを用いたレーザ結晶化法では、結晶化過程において発
生する結晶核の状態をコントロールすることはできず、
上記課題を解決することはできない。
【0012】同じく、上記課題に関連する技術として、
特開平9−293870号にて開示された、ガラス基板
と電気絶縁性を有するアルカリ金属イオン阻止膜との間
に、熱伝導率の高い電気伝導膜が形成された半導体装置
が提案されている。この技術は、溶融シリコンがほぼ均
一に冷却固化し、特定の方位を持つ結晶核の多結晶シリ
コンを得ることによって、高い移動度の薄膜トランジス
タを製造することができる技術であるものの、オフリー
ク電流の低減および結晶核の位置制御を精度良く行なう
ことはできず、上記課題を解決することはできない。
特開平9−293870号にて開示された、ガラス基板
と電気絶縁性を有するアルカリ金属イオン阻止膜との間
に、熱伝導率の高い電気伝導膜が形成された半導体装置
が提案されている。この技術は、溶融シリコンがほぼ均
一に冷却固化し、特定の方位を持つ結晶核の多結晶シリ
コンを得ることによって、高い移動度の薄膜トランジス
タを製造することができる技術であるものの、オフリー
ク電流の低減および結晶核の位置制御を精度良く行なう
ことはできず、上記課題を解決することはできない。
【0013】なお、この技術は、TFTの積層構成が、
・・・熱伝導率の高い電気伝導膜/絶縁膜/ゲート電極
/絶縁膜/シリコン膜・・・としてあり、本発明の構成
(・・・熱伝導率の高い電気伝導膜/絶縁膜/シリコン
膜/絶縁膜/ゲート電極・・・)と異なっており、さら
に、本発明と目的および効果も異なっている。
・・・熱伝導率の高い電気伝導膜/絶縁膜/ゲート電極
/絶縁膜/シリコン膜・・・としてあり、本発明の構成
(・・・熱伝導率の高い電気伝導膜/絶縁膜/シリコン
膜/絶縁膜/ゲート電極・・・)と異なっており、さら
に、本発明と目的および効果も異なっている。
【0014】本発明は、上記の問題を解決すべくなされ
たものであり、結晶粒界のトラップ準位によるオフリー
ク電流を、シリコン薄膜の単結晶化によって結晶粒界を
排除することにより根本的に低減するとともに、これら
の結晶粒を所望の場所にかつ均一に形成することによ
り、各薄膜トランジスタのオフリーク電流のばらつきを
低減し、より精度良くオフリーク電流を低減する薄膜ト
ランジスタおよびその製造方法の提供を目的とする。
たものであり、結晶粒界のトラップ準位によるオフリー
ク電流を、シリコン薄膜の単結晶化によって結晶粒界を
排除することにより根本的に低減するとともに、これら
の結晶粒を所望の場所にかつ均一に形成することによ
り、各薄膜トランジスタのオフリーク電流のばらつきを
低減し、より精度良くオフリーク電流を低減する薄膜ト
ランジスタおよびその製造方法の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における請求項1記載の薄膜トランジスタ
は、基板上に絶縁体を介して形成された薄膜トランジス
タにおいて、前記基板と前記絶縁体との間に、前記絶縁
体より熱伝導性の高い材料からなる冷却膜を備え、この
冷却膜は、前記絶縁体上に形成されたドレイン領域,チ
ャネル領域及びソース領域の少なくとも一つの領域と局
所的に接近した構成としてある。
に、本発明における請求項1記載の薄膜トランジスタ
は、基板上に絶縁体を介して形成された薄膜トランジス
タにおいて、前記基板と前記絶縁体との間に、前記絶縁
体より熱伝導性の高い材料からなる冷却膜を備え、この
冷却膜は、前記絶縁体上に形成されたドレイン領域,チ
ャネル領域及びソース領域の少なくとも一つの領域と局
所的に接近した構成としてある。
【0016】これにより、薄膜トランジスタは、絶縁体
上に形成されたシリコン薄膜に、エキシマレーザを照射
して結晶性シリコン薄膜を製作する場合に、冷却膜と局
所的に接近した半導体の活性領域(ドレイン領域,チャ
ネル領域及びソース領域)の一部に結晶核が形成され、
この結晶核を中心に再結晶化が始まり、冷却が遅れた部
分に向かって固化が進行する。したがって、結晶核近傍
にシリコン薄膜をエピタキシャル成長させることによ
り、単結晶または均一の結晶粒界からなるシリコン薄膜
を形成することができ、このシリコン薄膜を薄膜トラン
ジスタに用いることによって、薄膜トランジスタは、結
晶粒界のトラップ準位によるオフリーク電流を根本的に
低減するとともに、各薄膜トランジスタのオフリーク電
流をより精度良く低減することができる。
上に形成されたシリコン薄膜に、エキシマレーザを照射
して結晶性シリコン薄膜を製作する場合に、冷却膜と局
所的に接近した半導体の活性領域(ドレイン領域,チャ
ネル領域及びソース領域)の一部に結晶核が形成され、
この結晶核を中心に再結晶化が始まり、冷却が遅れた部
分に向かって固化が進行する。したがって、結晶核近傍
にシリコン薄膜をエピタキシャル成長させることによ
り、単結晶または均一の結晶粒界からなるシリコン薄膜
を形成することができ、このシリコン薄膜を薄膜トラン
ジスタに用いることによって、薄膜トランジスタは、結
晶粒界のトラップ準位によるオフリーク電流を根本的に
低減するとともに、各薄膜トランジスタのオフリーク電
流をより精度良く低減することができる。
【0017】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の薄膜トランジスタにおいて、前記ドレイン領域,チャ
ネル領域及びソース領域の少なくとも一つの領域、また
は前記冷却膜の少なくともいずれか一方が、他方に接近
した構成としてある。
の薄膜トランジスタにおいて、前記ドレイン領域,チャ
ネル領域及びソース領域の少なくとも一つの領域、また
は前記冷却膜の少なくともいずれか一方が、他方に接近
した構成としてある。
【0018】このように、薄膜トランジスタは、冷却膜
および半導体の活性領域(ドレイン領域,チャネル領域
及びソース領域)の構造についての選択肢が多いので、
設計の自由度が大きくなり、最適設計を行なうことがで
きる。
および半導体の活性領域(ドレイン領域,チャネル領域
及びソース領域)の構造についての選択肢が多いので、
設計の自由度が大きくなり、最適設計を行なうことがで
きる。
【0019】請求項3記載の発明は、上記請求項1記載
の薄膜トランジスタにおいて、前記チャネル領域上にゲ
ート電極が形成されるとともに、前記ドレイン領域が前
記冷却膜と接近した構成としてある。
の薄膜トランジスタにおいて、前記チャネル領域上にゲ
ート電極が形成されるとともに、前記ドレイン領域が前
記冷却膜と接近した構成としてある。
【0020】これにより、薄膜トランジスタは、ドレイ
ン領域の近傍、つまり、チャネル領域に単結晶または均
一の結晶粒界が形成されるので、効果的にオフリーク電
流を低減することができる。具体的には、薄膜トランジ
スタのドレイン端付近に単結晶シリコンが形成されるよ
うに設計することで、多結晶シリコンに特有なドレイン
領域におけるフリーク電流を低減することができる。
ン領域の近傍、つまり、チャネル領域に単結晶または均
一の結晶粒界が形成されるので、効果的にオフリーク電
流を低減することができる。具体的には、薄膜トランジ
スタのドレイン端付近に単結晶シリコンが形成されるよ
うに設計することで、多結晶シリコンに特有なドレイン
領域におけるフリーク電流を低減することができる。
【0021】請求項4記載の発明は、上記請求項1〜請
求項3のいずれかに記載の薄膜トランジスタにおいて、
前記冷却膜が遮光性を有する構成としてある。
求項3のいずれかに記載の薄膜トランジスタにおいて、
前記冷却膜が遮光性を有する構成としてある。
【0022】これにより、薄膜トランジスタは、光照射
条件下においてもシリコン中の光キャリアの発生を抑
え、誤動作を防ぐことができる。具体的には、例えば、
強光に曝される液晶プロジェクタに用いられるライトバ
ルブ、特に、液晶画素を駆動する薄膜トランジスタにお
いてその効果が大きく好適である。
条件下においてもシリコン中の光キャリアの発生を抑
え、誤動作を防ぐことができる。具体的には、例えば、
強光に曝される液晶プロジェクタに用いられるライトバ
ルブ、特に、液晶画素を駆動する薄膜トランジスタにお
いてその効果が大きく好適である。
【0023】請求項5記載の薄膜トランジスタの製造方
法の発明は、基板上に、熱伝導性の高い冷却膜を形成す
る工程と、この冷却膜上に、冷却膜より熱伝導率の小さ
い絶縁体膜を形成する工程と、この絶縁体膜を局所的に
薄膜化する工程と、この局所的に薄膜化された絶縁体膜
上に、半導体薄膜を形成する工程と、この半導体薄膜に
エネルギービームを照射する工程とを含む方法としてあ
る。
法の発明は、基板上に、熱伝導性の高い冷却膜を形成す
る工程と、この冷却膜上に、冷却膜より熱伝導率の小さ
い絶縁体膜を形成する工程と、この絶縁体膜を局所的に
薄膜化する工程と、この局所的に薄膜化された絶縁体膜
上に、半導体薄膜を形成する工程と、この半導体薄膜に
エネルギービームを照射する工程とを含む方法としてあ
る。
【0024】このように、本発明における薄膜トランジ
スタの製造方法は、冷却膜を形成し、この冷却膜を用い
てシリコン薄膜を局所的に冷却することによって、単結
晶または均一の結晶粒界からなるシリコン薄膜を形成す
ることができ、このシリコン薄膜を薄膜トランジスタに
用いることによって、薄膜トランジスタは、結晶粒界の
トラップ準位によるオフリーク電流を根本的に低減する
とともに、各薄膜トランジスタのオフリーク電流をより
精度良く低減することができる。
スタの製造方法は、冷却膜を形成し、この冷却膜を用い
てシリコン薄膜を局所的に冷却することによって、単結
晶または均一の結晶粒界からなるシリコン薄膜を形成す
ることができ、このシリコン薄膜を薄膜トランジスタに
用いることによって、薄膜トランジスタは、結晶粒界の
トラップ準位によるオフリーク電流を根本的に低減する
とともに、各薄膜トランジスタのオフリーク電流をより
精度良く低減することができる。
【0025】請求項6記載の薄膜トランジスタの製造方
法の発明は、基板上に半導体薄膜を形成する工程と、こ
の半導体薄膜上に、半導体薄膜よりも熱伝導性の高い冷
却膜を形成しパターン化する工程と、前記半導体薄膜お
よび冷却膜にエネルギービームを照射する工程と、前記
冷却膜の少なくとも一部を除去する工程とを含む方法と
してある。
法の発明は、基板上に半導体薄膜を形成する工程と、こ
の半導体薄膜上に、半導体薄膜よりも熱伝導性の高い冷
却膜を形成しパターン化する工程と、前記半導体薄膜お
よび冷却膜にエネルギービームを照射する工程と、前記
冷却膜の少なくとも一部を除去する工程とを含む方法と
してある。
【0026】このように、薄膜トランジスタは、シリコ
ン薄膜の上方に冷却膜を形成しパターン化することによ
っても、単結晶または均一の結晶粒界からなるシリコン
薄膜を形成することができ、オフリーク電流を根本的に
かつ精度良く低減することができる。
ン薄膜の上方に冷却膜を形成しパターン化することによ
っても、単結晶または均一の結晶粒界からなるシリコン
薄膜を形成することができ、オフリーク電流を根本的に
かつ精度良く低減することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態および
各実施例に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法につ
いて、図面を参照して説明する。先ず、本発明の第一実
施形態に係る薄膜トランジスタについて説明する。 [第一実施形態]図1は、第一実施形態に係る薄膜トラ
ンジスタの概略図であり、(a)は途中工程における概
略上面図を、(b)はA−A断面における概略断面図
を、(c)は最終工程後の概略断面図を示している。
各実施例に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法につ
いて、図面を参照して説明する。先ず、本発明の第一実
施形態に係る薄膜トランジスタについて説明する。 [第一実施形態]図1は、第一実施形態に係る薄膜トラ
ンジスタの概略図であり、(a)は途中工程における概
略上面図を、(b)はA−A断面における概略断面図
を、(c)は最終工程後の概略断面図を示している。
【0028】同図(a)において、薄膜トランジスタ
は、途中工程としてシリコン薄膜1〜3が形成してあ
り、具体的には、同図(b)に示すように、ガラス基板
5上に、冷却膜であるタングステンシリサイド6,絶縁
体である二酸化シリコン4及びシリコン薄膜1〜3を順
次積層してある。
は、途中工程としてシリコン薄膜1〜3が形成してあ
り、具体的には、同図(b)に示すように、ガラス基板
5上に、冷却膜であるタングステンシリサイド6,絶縁
体である二酸化シリコン4及びシリコン薄膜1〜3を順
次積層してある。
【0029】タングステンシリサイド6は、二酸化シリ
コン4よりも熱伝導率の大きい材料であり、ガラス基板
5の上面のほぼ全面に積層してある。このため、タング
ステンシリサイド6は、シリコン薄膜1〜3にレーザ光
を照射して結晶化させる際、効率良くこの熱を伝達し冷
却効果を発揮する。なお、タングステンシリサイド6
は、冷却膜としての一例であり、冷却膜をタングステン
シリサイド6に限定するものではない。
コン4よりも熱伝導率の大きい材料であり、ガラス基板
5の上面のほぼ全面に積層してある。このため、タング
ステンシリサイド6は、シリコン薄膜1〜3にレーザ光
を照射して結晶化させる際、効率良くこの熱を伝達し冷
却効果を発揮する。なお、タングステンシリサイド6
は、冷却膜としての一例であり、冷却膜をタングステン
シリサイド6に限定するものではない。
【0030】二酸化シリコン4は、タングステンシリサ
イド6の上面のほぼ全面に積層してあり、また、上面に
は、底面がほぼ正方形の凹部が形成してある。このた
め、凹部の底面は、冷却膜であるタングステンシリサイ
ド6との距離が凹部を除く上面より接近しているので、
レーザ光の照射終了後、熱が効率良くタングステンシリ
サイド6に伝達され早く冷える。
イド6の上面のほぼ全面に積層してあり、また、上面に
は、底面がほぼ正方形の凹部が形成してある。このた
め、凹部の底面は、冷却膜であるタングステンシリサイ
ド6との距離が凹部を除く上面より接近しているので、
レーザ光の照射終了後、熱が効率良くタングステンシリ
サイド6に伝達され早く冷える。
【0031】シリコン薄膜1〜3は、二酸化シリコン4
の上面のほぼ全面に、また、凹部については、凹部を覆
うように薄膜状に形成されている。このような構造を有
するガラス基板5に、エキシマレーザをシリコン層1〜
3が溶融するような条件で照射すると、シリコン層1〜
3が再結晶化する際に、熱伝導率の大きいタングステン
シリサイド6に近接する領域から順に固化する。つま
り、凹部に積層されたシリコン薄膜2は、冷却膜である
タングステンシリサイド6に最も近いので、レーザ光の
照射終了後、熱が効率良くタングステンシリサイド6に
伝達され、他のシリコン薄膜1、3より早く冷え早く固
化する。
の上面のほぼ全面に、また、凹部については、凹部を覆
うように薄膜状に形成されている。このような構造を有
するガラス基板5に、エキシマレーザをシリコン層1〜
3が溶融するような条件で照射すると、シリコン層1〜
3が再結晶化する際に、熱伝導率の大きいタングステン
シリサイド6に近接する領域から順に固化する。つま
り、凹部に積層されたシリコン薄膜2は、冷却膜である
タングステンシリサイド6に最も近いので、レーザ光の
照射終了後、熱が効率良くタングステンシリサイド6に
伝達され、他のシリコン薄膜1、3より早く冷え早く固
化する。
【0032】より具体的には、凹部底面に積層されたシ
リコン薄膜2は、周辺に比べ早く冷却されるためインキ
ュベーションタイムt1、核発生密度n1で固化し、第一の
多結晶シリコン領域を形成する。そして、シリコン薄膜
3は、この第一の多結晶シリコン領域で固化(結晶化)
を開始したシリコン薄膜2が核となり、凹部の側面およ
び外周へ向かって結晶成長する。
リコン薄膜2は、周辺に比べ早く冷却されるためインキ
ュベーションタイムt1、核発生密度n1で固化し、第一の
多結晶シリコン領域を形成する。そして、シリコン薄膜
3は、この第一の多結晶シリコン領域で固化(結晶化)
を開始したシリコン薄膜2が核となり、凹部の側面およ
び外周へ向かって結晶成長する。
【0033】このときの結晶成長距離は、インキュベー
ションタイムt2(t1<t2)、核発生密度n2(n1n2)で固化す
る第二の多結晶シリコン領域の結晶化領域1と衝突する
点で決まる(結晶成長時間:t3=t2-t1)。したがって、
シリコン薄膜3は、第一の多結晶シリコン領域2を核と
して結晶生長し、第二の多結晶シリコン領域の結晶化領
域(シリコン薄膜1)と衝突するまでに、単結晶シリコ
ンとして形成される。
ションタイムt2(t1<t2)、核発生密度n2(n1n2)で固化す
る第二の多結晶シリコン領域の結晶化領域1と衝突する
点で決まる(結晶成長時間:t3=t2-t1)。したがって、
シリコン薄膜3は、第一の多結晶シリコン領域2を核と
して結晶生長し、第二の多結晶シリコン領域の結晶化領
域(シリコン薄膜1)と衝突するまでに、単結晶シリコ
ンとして形成される。
【0034】このように、薄膜トランジスタは、エキシ
マレーザによる再結晶化工程において、シリコン薄膜1
〜3が均一に冷却され、所定のインキュベーション時間
を経た後、ランダムに結晶核が形成され、この核を中心
に結晶粒がランダムに成長し、結晶粒界がランダムに発
生することを防止することができる。つまり、薄膜トラ
ンジスタは、再結晶化工程において特定の場所(凹部の
底面)から固化(再結晶化)させ、冷却が遅れた部分に
向かって固化を進行させることができるので、結晶が、
凹部の底面を核として外周方向にエピタキシャル成長
し、単結晶として成長する。
マレーザによる再結晶化工程において、シリコン薄膜1
〜3が均一に冷却され、所定のインキュベーション時間
を経た後、ランダムに結晶核が形成され、この核を中心
に結晶粒がランダムに成長し、結晶粒界がランダムに発
生することを防止することができる。つまり、薄膜トラ
ンジスタは、再結晶化工程において特定の場所(凹部の
底面)から固化(再結晶化)させ、冷却が遅れた部分に
向かって固化を進行させることができるので、結晶が、
凹部の底面を核として外周方向にエピタキシャル成長
し、単結晶として成長する。
【0035】このように形成されるシリコン薄膜1〜3
を薄膜トランジスタ(TFT)に用いた場合のTFT構
造を図1(C)に示す。薄膜トランジスタは、引き続い
て、チャネル領域7、ソース領域8、ドレイン領域9、
がそれぞれ形成され、ゲート絶縁膜12を介してゲート
10、金属11配線、層間絶縁膜13がそれぞれ形成し
てある。
を薄膜トランジスタ(TFT)に用いた場合のTFT構
造を図1(C)に示す。薄膜トランジスタは、引き続い
て、チャネル領域7、ソース領域8、ドレイン領域9、
がそれぞれ形成され、ゲート絶縁膜12を介してゲート
10、金属11配線、層間絶縁膜13がそれぞれ形成し
てある。
【0036】ここで、ドレイン領域9をシリコン薄膜2
の位置に合わせて形成することにより、チャネル領域7
は、単結晶層で形成される。ここで、シリコン薄膜3
は、凹部底面の各辺から結晶成長し対角線上に結晶粒界
が発生する場合が考えられるが、ドレイン領域,チャネ
ル領域及びソース領域を、幅の狭い長方形状とすること
により、結晶粒界を含まないようにすることができる。
の位置に合わせて形成することにより、チャネル領域7
は、単結晶層で形成される。ここで、シリコン薄膜3
は、凹部底面の各辺から結晶成長し対角線上に結晶粒界
が発生する場合が考えられるが、ドレイン領域,チャネ
ル領域及びソース領域を、幅の狭い長方形状とすること
により、結晶粒界を含まないようにすることができる。
【0037】このため、薄膜トランジスタは、チャネル
領域7の粒界数が削減されているので、多結晶シリコン
特有の粒界トラップによるリーク電流を低減することが
できる。このように、インキュベーションタイムt2、t1
を調整し、結晶成長時間(t3=t2-t1)を長くして、シリ
コン薄膜3を大きく成長させることにより、単結晶から
なる(結晶粒界の存在しない)チャネル領域7を形成す
ることができる。
領域7の粒界数が削減されているので、多結晶シリコン
特有の粒界トラップによるリーク電流を低減することが
できる。このように、インキュベーションタイムt2、t1
を調整し、結晶成長時間(t3=t2-t1)を長くして、シリ
コン薄膜3を大きく成長させることにより、単結晶から
なる(結晶粒界の存在しない)チャネル領域7を形成す
ることができる。
【0038】上述したように、第一実施形態における薄
膜トランジスタは、シリコン層であるドレイン領域,チ
ャネル領域及びソース領域の一部が、熱伝導率の大きい
材料からなる冷却膜と局所的に接近しているので、レー
ザ光による加熱後再結晶化する際に、その部分が核とな
って周辺に向かって単結晶として結晶が成長する。これ
により、薄膜トランジスタは、粒界トラップによるリー
ク電流を根本的に低減することができる。
膜トランジスタは、シリコン層であるドレイン領域,チ
ャネル領域及びソース領域の一部が、熱伝導率の大きい
材料からなる冷却膜と局所的に接近しているので、レー
ザ光による加熱後再結晶化する際に、その部分が核とな
って周辺に向かって単結晶として結晶が成長する。これ
により、薄膜トランジスタは、粒界トラップによるリー
ク電流を根本的に低減することができる。
【0039】また、薄膜トランジスタは、エキシマレー
ザを用いたレーザ結晶化法による加熱再結晶化過程にお
いて、結晶核発生がナノ秒オーダの極めて短い時間に生
じるが、結晶核を凹部の底面に形成し、この結晶核の周
辺に、単結晶または均一の結晶粒界からなるシリコン薄
膜を形成することができ、薄膜トランジスタのオフリー
ク電流をより精度良く低減することができる。
ザを用いたレーザ結晶化法による加熱再結晶化過程にお
いて、結晶核発生がナノ秒オーダの極めて短い時間に生
じるが、結晶核を凹部の底面に形成し、この結晶核の周
辺に、単結晶または均一の結晶粒界からなるシリコン薄
膜を形成することができ、薄膜トランジスタのオフリー
ク電流をより精度良く低減することができる。
【0040】また、本発明の第一実施形態における薄膜
トランジスタの説明は、その製造方法についても説明し
たものであり、この薄膜トランジスタの製造方法は、冷
却膜を形成することによって、単結晶または均一の結晶
粒界からなるシリコン薄膜を形成し、結晶粒界のトラッ
プ準位によるオフリーク電流を根本的に低減するととも
に、各薄膜トランジスタのオフリーク電流をより精度良
く低減することができる。
トランジスタの説明は、その製造方法についても説明し
たものであり、この薄膜トランジスタの製造方法は、冷
却膜を形成することによって、単結晶または均一の結晶
粒界からなるシリコン薄膜を形成し、結晶粒界のトラッ
プ準位によるオフリーク電流を根本的に低減するととも
に、各薄膜トランジスタのオフリーク電流をより精度良
く低減することができる。
【0041】また、第一実施形態における薄膜トランジ
スタは、ドレイン領域,チャネル領域及びソース領域の
一部を、熱伝導率の高い材料からなる冷却膜と局所的に
接近させる構造において、上述した構造に限定するもの
ではなく、様々な構造とすることができる。次に、これ
らの構造について、第一実施形態における応用例とし
て、図面を参照して説明する。
スタは、ドレイン領域,チャネル領域及びソース領域の
一部を、熱伝導率の高い材料からなる冷却膜と局所的に
接近させる構造において、上述した構造に限定するもの
ではなく、様々な構造とすることができる。次に、これ
らの構造について、第一実施形態における応用例とし
て、図面を参照して説明する。
【0042】[第一応用例]図2は、第一応用例に係る
薄膜トランジスタの概略図であり、(a)は途中工程に
おける概略断面図を、(b)は最終工程後の概略断面図
を示している。同図(a)において、薄膜トランジスタ
は、途中工程として、ガラス基板5上に、冷却膜である
タングステンシリサイド6,絶縁体である二酸化シリコ
ン4及びシリコン薄膜1〜3を順次積層してある。ここ
で、二酸化シリコン4の上面には、溝部が形成されてお
り、溝部の底面には、シリコン薄膜2が積層されてい
る。したがって、シリコン薄膜2は、タングステンシリ
サイド6に最も近いので、冷却効率が高くなっている。
薄膜トランジスタの概略図であり、(a)は途中工程に
おける概略断面図を、(b)は最終工程後の概略断面図
を示している。同図(a)において、薄膜トランジスタ
は、途中工程として、ガラス基板5上に、冷却膜である
タングステンシリサイド6,絶縁体である二酸化シリコ
ン4及びシリコン薄膜1〜3を順次積層してある。ここ
で、二酸化シリコン4の上面には、溝部が形成されてお
り、溝部の底面には、シリコン薄膜2が積層されてい
る。したがって、シリコン薄膜2は、タングステンシリ
サイド6に最も近いので、冷却効率が高くなっている。
【0043】このような構造を有するガラス基板5に、
エキシマレーザをシリコン層1〜3が溶融するような条
件で照射すると、シリコン層1〜3が再結晶化する際
に、第一実施形態の薄膜トランジスタと同様に、タング
ステンシリサイド6に近いシリコン薄膜2から固化し、
単結晶または均一の結晶粒界からなるシリコン薄膜3を
形成する。
エキシマレーザをシリコン層1〜3が溶融するような条
件で照射すると、シリコン層1〜3が再結晶化する際
に、第一実施形態の薄膜トランジスタと同様に、タング
ステンシリサイド6に近いシリコン薄膜2から固化し、
単結晶または均一の結晶粒界からなるシリコン薄膜3を
形成する。
【0044】引き続いて、薄膜トランジスタは、この単
結晶シリコン薄膜3の領域内に、チャネル領域7,ソー
ス領域8及びドレイン領域9がそれぞれ形成され、絶縁
性を有する二酸化シリコン4を介してゲート10、配線
としての金属11がそれぞれ形成してある。
結晶シリコン薄膜3の領域内に、チャネル領域7,ソー
ス領域8及びドレイン領域9がそれぞれ形成され、絶縁
性を有する二酸化シリコン4を介してゲート10、配線
としての金属11がそれぞれ形成してある。
【0045】これにより、薄膜トランジスタは、ドレイ
ン領域9およびその近傍(チャネル領域7)に単結晶ま
たは均一の結晶粒界が形成されるので、多結晶シリコン
に特有なドレイン領域9におけるフリーク電流を効果的
に低減することができる。ここで、好ましくは、チャネ
ル領域7の両端にLDD領域14を形成すると良い。こ
のようにすることにより、各チャネル領域7に、例え
ば、二、三本の結晶粒界が均一に発生している場合に、
この分をオフセットすることにより、非常に精度良くリ
ーク電流の発生を防止することができる。その他の構造
および作用は、第一実施形態における薄膜トランジスタ
と同様としてある。
ン領域9およびその近傍(チャネル領域7)に単結晶ま
たは均一の結晶粒界が形成されるので、多結晶シリコン
に特有なドレイン領域9におけるフリーク電流を効果的
に低減することができる。ここで、好ましくは、チャネ
ル領域7の両端にLDD領域14を形成すると良い。こ
のようにすることにより、各チャネル領域7に、例え
ば、二、三本の結晶粒界が均一に発生している場合に、
この分をオフセットすることにより、非常に精度良くリ
ーク電流の発生を防止することができる。その他の構造
および作用は、第一実施形態における薄膜トランジスタ
と同様としてある。
【0046】このように、第一応用例における薄膜トラ
ンジスタは、ドレイン領域9,チャネル領域7及びソー
ス領域8が単結晶層で形成されるため、多結晶シリコン
特有の粒界トラップによるリーク電流を精度良く低減す
ることができる。
ンジスタは、ドレイン領域9,チャネル領域7及びソー
ス領域8が単結晶層で形成されるため、多結晶シリコン
特有の粒界トラップによるリーク電流を精度良く低減す
ることができる。
【0047】[第二応用例]図3は、第二応用例に係る
薄膜トランジスタの概略図であり、(a)は途中工程に
おける概略断面図を、(b)は最終工程後の概略断面図
を示している。同図(a)において、薄膜トランジスタ
は、途中工程として、ガラス基板5上に、冷却膜である
タングステンシリサイド6,絶縁体である二酸化シリコ
ン4及びシリコン薄膜1〜3を順次積層してある。ここ
で、二酸化シリコン4の上面には、ストライプ状に二本
の溝部が形成されており、この二本の溝部を含む二酸化
シリコン4上に、シリコン薄膜1〜3が積層されてい
る。したがって、この溝部底面は、タングステンシリサ
イド6に最も近いので、冷却効率が高くなっている。
薄膜トランジスタの概略図であり、(a)は途中工程に
おける概略断面図を、(b)は最終工程後の概略断面図
を示している。同図(a)において、薄膜トランジスタ
は、途中工程として、ガラス基板5上に、冷却膜である
タングステンシリサイド6,絶縁体である二酸化シリコ
ン4及びシリコン薄膜1〜3を順次積層してある。ここ
で、二酸化シリコン4の上面には、ストライプ状に二本
の溝部が形成されており、この二本の溝部を含む二酸化
シリコン4上に、シリコン薄膜1〜3が積層されてい
る。したがって、この溝部底面は、タングステンシリサ
イド6に最も近いので、冷却効率が高くなっている。
【0048】このような構造を有するガラス基板5に、
エキシマレーザをシリコン層1〜3が溶融するような条
件で照射すると、シリコン層1〜3が再結晶化する際
に、第一実施形態と同様に、タングステンシリサイド6
に近い溝部底面に積層されたシリコン薄膜2から固化
し、単結晶または均一の結晶粒界からなるシリコン薄膜
3を形成する。ここで、好ましくは、各溝部に挟まれた
凸部上面の幅を狭くすると良い。このようにすることに
より、多結晶からなるシリコン薄膜1が形成される前
に、各溝から成長形成するシリコン薄膜3が凸部上面で
衝突すると、結晶粒界の少ないチャネル領域7を形成す
ることができる。
エキシマレーザをシリコン層1〜3が溶融するような条
件で照射すると、シリコン層1〜3が再結晶化する際
に、第一実施形態と同様に、タングステンシリサイド6
に近い溝部底面に積層されたシリコン薄膜2から固化
し、単結晶または均一の結晶粒界からなるシリコン薄膜
3を形成する。ここで、好ましくは、各溝部に挟まれた
凸部上面の幅を狭くすると良い。このようにすることに
より、多結晶からなるシリコン薄膜1が形成される前
に、各溝から成長形成するシリコン薄膜3が凸部上面で
衝突すると、結晶粒界の少ないチャネル領域7を形成す
ることができる。
【0049】引き続いて、薄膜トランジスタは、この単
結晶シリコン薄膜3の領域内に、チャネル領域7,ソー
ス領域8及びドレイン領域9がそれぞれ形成され、絶縁
性を有する二酸化シリコン4を介してゲート10、金属
11配線がそれぞれ形成してある。
結晶シリコン薄膜3の領域内に、チャネル領域7,ソー
ス領域8及びドレイン領域9がそれぞれ形成され、絶縁
性を有する二酸化シリコン4を介してゲート10、金属
11配線がそれぞれ形成してある。
【0050】このようにすることにより、薄膜トランジ
スタは、単結晶シリコン3領域内に、ソース領域8とド
レイン領域9を形成し、チャネル領域7は単結晶を含む
均一な結晶粒界からなるシリコン薄膜3を形成するた
め、例えば、液晶ディスプレイの画素駆動素子として用
いた場合においても、多結晶シリコン特有の粒界トラッ
プによるリーク電流がなくなり、コントラストが向上す
る。その他の構造および作用は、第一応用例における薄
膜トランジスタと同様としてある。
スタは、単結晶シリコン3領域内に、ソース領域8とド
レイン領域9を形成し、チャネル領域7は単結晶を含む
均一な結晶粒界からなるシリコン薄膜3を形成するた
め、例えば、液晶ディスプレイの画素駆動素子として用
いた場合においても、多結晶シリコン特有の粒界トラッ
プによるリーク電流がなくなり、コントラストが向上す
る。その他の構造および作用は、第一応用例における薄
膜トランジスタと同様としてある。
【0051】[第三応用例]図4は、第三応用例に係る
薄膜トランジスタの概略図であり、(a)は途中工程に
おける概略断面図を、(b)は最終工程後の概略断面図
を示している。同図(a)において、薄膜トランジスタ
は、途中工程として、ガラス基板5上に、冷却膜である
タングステンシリサイド6,絶縁体である二酸化シリコ
ン4及びシリコン薄膜1〜3を順次積層してある。ここ
で、二酸化シリコン4の上面には、一本の溝部が形成さ
れており、この一本の溝部を含む二酸化シリコン4上
に、シリコン薄膜1〜3が積層されている。したがっ
て、この溝部底面は、タングステンシリサイド6に最も
近いので、冷却効率が高くなっている。
薄膜トランジスタの概略図であり、(a)は途中工程に
おける概略断面図を、(b)は最終工程後の概略断面図
を示している。同図(a)において、薄膜トランジスタ
は、途中工程として、ガラス基板5上に、冷却膜である
タングステンシリサイド6,絶縁体である二酸化シリコ
ン4及びシリコン薄膜1〜3を順次積層してある。ここ
で、二酸化シリコン4の上面には、一本の溝部が形成さ
れており、この一本の溝部を含む二酸化シリコン4上
に、シリコン薄膜1〜3が積層されている。したがっ
て、この溝部底面は、タングステンシリサイド6に最も
近いので、冷却効率が高くなっている。
【0052】このような構造を有するガラス基板5に、
エキシマレーザをシリコン層1〜3が溶融するような条
件で照射すると、シリコン層1〜3が再結晶化する際
に、第一実施形態と同様に、タングステンシリサイド6
に近い溝部底面に積層されたシリコン薄膜2から固化
し、溝部の両側に、単結晶または均一な結晶粒界からな
るシリコン薄膜3を形成する。ここで、好ましくは、溝
部の幅を狭くすると良い。このようにすることにより、
多結晶からなるシリコン薄膜1が形成される領域を減少
させ、単結晶または均一な結晶粒界からなるシリコン薄
膜3を増加させるので、結果的に、結晶粒界の少ないチ
ャネル領域7を形成することができる。
エキシマレーザをシリコン層1〜3が溶融するような条
件で照射すると、シリコン層1〜3が再結晶化する際
に、第一実施形態と同様に、タングステンシリサイド6
に近い溝部底面に積層されたシリコン薄膜2から固化
し、溝部の両側に、単結晶または均一な結晶粒界からな
るシリコン薄膜3を形成する。ここで、好ましくは、溝
部の幅を狭くすると良い。このようにすることにより、
多結晶からなるシリコン薄膜1が形成される領域を減少
させ、単結晶または均一な結晶粒界からなるシリコン薄
膜3を増加させるので、結果的に、結晶粒界の少ないチ
ャネル領域7を形成することができる。
【0053】引き続いて、薄膜トランジスタは、この単
結晶シリコン薄膜3の領域内に、チャネル領域7、ソー
ス領域8、ドレイン領域9がそれぞれ形成され、絶縁性
を有する二酸化シリコン4を介してゲート10、金属1
1配線がそれぞれ形成してある。その他の構造および作
用は、第一応用例における薄膜トランジスタと同様とし
てある。
結晶シリコン薄膜3の領域内に、チャネル領域7、ソー
ス領域8、ドレイン領域9がそれぞれ形成され、絶縁性
を有する二酸化シリコン4を介してゲート10、金属1
1配線がそれぞれ形成してある。その他の構造および作
用は、第一応用例における薄膜トランジスタと同様とし
てある。
【0054】[第四応用例]図5は、第四応用例に係る
薄膜トランジスタを用いた相補型MOS(CMOS)の
概略図であり、(a)は途中工程における概略断面図
を、(b)は最終工程後の概略断面図を示している。同
図(a)において、CMOSは、途中工程として、スト
ライプ状に凸部を形成したガラス基板5上に、厚さが一
定のタングステンシリサイド6,上面が平坦な二酸化シ
リコン4及びシリコン薄膜1〜3を順次積層してある。
したがって、この凸部上方のシリコン薄膜2は、タング
ステンシリサイド6に最も近いので、冷却効率が高くな
っている。
薄膜トランジスタを用いた相補型MOS(CMOS)の
概略図であり、(a)は途中工程における概略断面図
を、(b)は最終工程後の概略断面図を示している。同
図(a)において、CMOSは、途中工程として、スト
ライプ状に凸部を形成したガラス基板5上に、厚さが一
定のタングステンシリサイド6,上面が平坦な二酸化シ
リコン4及びシリコン薄膜1〜3を順次積層してある。
したがって、この凸部上方のシリコン薄膜2は、タング
ステンシリサイド6に最も近いので、冷却効率が高くな
っている。
【0055】ここで、この凸部は、予め、ガラス基板に
段差を設け、その段差を覆うようにタングステンシリサ
イド6を形成する。なお、この凸部は、基板材料自体の
加工に限定するものではなく、酸化膜、窒化膜などの膜
を堆積した後に、パターニングしても良いし、タングス
テンシリサイド6に凸部を設けても良い。
段差を設け、その段差を覆うようにタングステンシリサ
イド6を形成する。なお、この凸部は、基板材料自体の
加工に限定するものではなく、酸化膜、窒化膜などの膜
を堆積した後に、パターニングしても良いし、タングス
テンシリサイド6に凸部を設けても良い。
【0056】このような構造を有するガラス基板5に、
エキシマレーザをシリコン層1〜3が溶融するような条
件で照射すると、シリコン層1〜3が再結晶化する際
に、第一実施形態と同様に、タングステンシリサイド6
に近い凸部上面に積層されたシリコン薄膜2から固化
し、シリコン薄膜2の両側に単結晶または均一な結晶粒
界からなるシリコン薄膜3を形成することができる。
エキシマレーザをシリコン層1〜3が溶融するような条
件で照射すると、シリコン層1〜3が再結晶化する際
に、第一実施形態と同様に、タングステンシリサイド6
に近い凸部上面に積層されたシリコン薄膜2から固化
し、シリコン薄膜2の両側に単結晶または均一な結晶粒
界からなるシリコン薄膜3を形成することができる。
【0057】次に、このように形成されるシリコン薄膜
1〜3を用いるCMOSは、図6に示すように、ゲート
絶縁膜12、ゲート電極10を形成した後、イオン注入
により、チャネル領域7,ソース領域8及びドレイン領
域9が形成される。また、レジストを用いることによっ
て、リンとホウ素を注入し分けることにより、n+領域1
5とp+領域16を作り分け、相補型MOS(CMOS)
回路を形成してある。そして、図5(b)に示すよう
に、層間絶縁膜13を形成し、コンタクトホールを形成
した後に、金属層11により配線する。なお、n+領域1
5とp+領域16が接する部分は多結晶で構成されている
が、単結晶の方が好ましいことは、勿論である。
1〜3を用いるCMOSは、図6に示すように、ゲート
絶縁膜12、ゲート電極10を形成した後、イオン注入
により、チャネル領域7,ソース領域8及びドレイン領
域9が形成される。また、レジストを用いることによっ
て、リンとホウ素を注入し分けることにより、n+領域1
5とp+領域16を作り分け、相補型MOS(CMOS)
回路を形成してある。そして、図5(b)に示すよう
に、層間絶縁膜13を形成し、コンタクトホールを形成
した後に、金属層11により配線する。なお、n+領域1
5とp+領域16が接する部分は多結晶で構成されている
が、単結晶の方が好ましいことは、勿論である。
【0058】このように、第一実施形態における薄膜ト
ランジスタを用いたCMOS回路は、チャネル領域7が
単結晶領域に形成することができるので、リーク電流を
低減することができ、結果的に、消費電流を低減するこ
とができる。
ランジスタを用いたCMOS回路は、チャネル領域7が
単結晶領域に形成することができるので、リーク電流を
低減することができ、結果的に、消費電流を低減するこ
とができる。
【0059】各応用例を挙げて上述したように、本発明
における薄膜トランジスタは、冷却膜および半導体の活
性領域(ドレイン領域,チャネル領域及びソース領域)
の構造についての選択肢が多いので、設計の自由度が大
きくなり、最適設計を行なうことができ、結果的に、優
れた性能の薄膜トランジスタを提供することができる。
における薄膜トランジスタは、冷却膜および半導体の活
性領域(ドレイン領域,チャネル領域及びソース領域)
の構造についての選択肢が多いので、設計の自由度が大
きくなり、最適設計を行なうことができ、結果的に、優
れた性能の薄膜トランジスタを提供することができる。
【0060】また、本発明における薄膜トランジスタの
製造方法は、上述した薄膜トランジスタの製造方法の応
用例として、半導体薄膜の上方に冷却膜を形成およびパ
ターン化して、半導体薄膜および冷却膜にエネルギービ
ームを照射し、冷却膜の下方の半導体薄膜に結晶核を先
に形成する製造方法とすることもできる。この薄膜トラ
ンジスタの製造方法によっても、薄膜トランジスタは、
同様の作用(単結晶または均一な結晶粒界からなるシリ
コン薄膜3を形成する。)を得ることができ、オフリー
ク電流を根本的にかつ精度良く低減することができる。
製造方法は、上述した薄膜トランジスタの製造方法の応
用例として、半導体薄膜の上方に冷却膜を形成およびパ
ターン化して、半導体薄膜および冷却膜にエネルギービ
ームを照射し、冷却膜の下方の半導体薄膜に結晶核を先
に形成する製造方法とすることもできる。この薄膜トラ
ンジスタの製造方法によっても、薄膜トランジスタは、
同様の作用(単結晶または均一な結晶粒界からなるシリ
コン薄膜3を形成する。)を得ることができ、オフリー
ク電流を根本的にかつ精度良く低減することができる。
【0061】また、本発明の薄膜トランジスタは、様々
な電子機器に広く使用される。例えば、本発明の薄膜ト
ランジスタは、図7に示すように半導体メモリに用いる
ことができる。この半導体メモリは、2n×2mビット
のメモリセルからなり、メモリセルに薄膜トランジスタ
が形成されている。
な電子機器に広く使用される。例えば、本発明の薄膜ト
ランジスタは、図7に示すように半導体メモリに用いる
ことができる。この半導体メモリは、2n×2mビット
のメモリセルからなり、メモリセルに薄膜トランジスタ
が形成されている。
【0062】また、例えば、本発明の薄膜トランジスタ
は、図8に示すように液晶ディスプレイ(適宜、液晶ラ
イトバルブと略称する。)に用いることができ、図9に
液晶ライトバルブを応用したプロジェクタの概略構成を
示している。図8において、周辺駆動回路(データドラ
イバ、ゲートドライバ)によりアクティブマトリクスア
レイに接続された液晶の画素が駆動される。ここで、薄
膜トランジスタは、データドライバ,ゲートドライバ及
び画素に用いられている。図9において、プロジェクタ
は、ハロゲンランプにより生成された光が、ダイクロイ
ックミラーを介してライトバルブに入射し、その映像が
投影レンズを介してスクリーンに投影される。ここで、
光の赤成分、緑成分、青成分にそれぞれ対応したライト
バルブが用いられる。
は、図8に示すように液晶ディスプレイ(適宜、液晶ラ
イトバルブと略称する。)に用いることができ、図9に
液晶ライトバルブを応用したプロジェクタの概略構成を
示している。図8において、周辺駆動回路(データドラ
イバ、ゲートドライバ)によりアクティブマトリクスア
レイに接続された液晶の画素が駆動される。ここで、薄
膜トランジスタは、データドライバ,ゲートドライバ及
び画素に用いられている。図9において、プロジェクタ
は、ハロゲンランプにより生成された光が、ダイクロイ
ックミラーを介してライトバルブに入射し、その映像が
投影レンズを介してスクリーンに投影される。ここで、
光の赤成分、緑成分、青成分にそれぞれ対応したライト
バルブが用いられる。
【0063】さらにまた、例えば、図10に示すよう
に、本発明の薄膜トランジスタは、携帯型スキャナに用
いることができ、具体的には、アモルファスシリコンフ
ォトダイオードの駆動に用いられている。イメージセン
サは、アモルファスシリコンフォトダイオードと主走査
方向を制御する薄膜トランジスタで構成されるシフトレ
ジスタ、および読み出しスイッチで構成される。
に、本発明の薄膜トランジスタは、携帯型スキャナに用
いることができ、具体的には、アモルファスシリコンフ
ォトダイオードの駆動に用いられている。イメージセン
サは、アモルファスシリコンフォトダイオードと主走査
方向を制御する薄膜トランジスタで構成されるシフトレ
ジスタ、および読み出しスイッチで構成される。
【0064】携帯型スキャナは、光源,イメージセンサ
及びファイバーアレイプレートを備え、イメージセンサ
背面から証明された原稿表面画像を、ファイバーアレイ
プレートを用いて画像読みとりする。そして、この読み
取られた画像信号は、ローラーとエンコーダーにより副
走査方向への移動位置読みとりがなされ、読み出した画
像信号はプリント基板上に形成された外部回路を介し
て、コンピュータや記録装置に出力される。ここでは上
記のような携帯型スキャナを例示したが、フラットベッ
ド型スキャナ、ファクシミリ、デジタル複写機などのイ
メージセンサ、あるいは二次元センサにも応用可能であ
る。
及びファイバーアレイプレートを備え、イメージセンサ
背面から証明された原稿表面画像を、ファイバーアレイ
プレートを用いて画像読みとりする。そして、この読み
取られた画像信号は、ローラーとエンコーダーにより副
走査方向への移動位置読みとりがなされ、読み出した画
像信号はプリント基板上に形成された外部回路を介し
て、コンピュータや記録装置に出力される。ここでは上
記のような携帯型スキャナを例示したが、フラットベッ
ド型スキャナ、ファクシミリ、デジタル複写機などのイ
メージセンサ、あるいは二次元センサにも応用可能であ
る。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の薄膜トラ
ンジスタは、絶縁体上に形成されたシリコン薄膜に、エ
キシマレーザを照射して結晶性シリコン薄膜を製作する
場合に、冷却膜と局所的に接近した半導体の活性領域
(ドレイン領域,チャネル領域及びソース領域)の一部
に結晶核が形成され、この結晶核を中心に再結晶化が始
まり、冷却が遅れた部分に向かって固化が進行する。
ンジスタは、絶縁体上に形成されたシリコン薄膜に、エ
キシマレーザを照射して結晶性シリコン薄膜を製作する
場合に、冷却膜と局所的に接近した半導体の活性領域
(ドレイン領域,チャネル領域及びソース領域)の一部
に結晶核が形成され、この結晶核を中心に再結晶化が始
まり、冷却が遅れた部分に向かって固化が進行する。
【0066】このため、結晶核近傍にシリコン薄膜をエ
ピタキシャル成長させることにより、単結晶または均一
の結晶粒界からなるシリコン薄膜を形成することがで
き、このシリコン薄膜を薄膜トランジスタに用いること
によって、薄膜トランジスタは、結晶粒界のトラップ準
位によるオフリーク電流を根本的に低減するとともに、
各薄膜トランジスタのオフリーク電流をより精度良く低
減することができる。
ピタキシャル成長させることにより、単結晶または均一
の結晶粒界からなるシリコン薄膜を形成することがで
き、このシリコン薄膜を薄膜トランジスタに用いること
によって、薄膜トランジスタは、結晶粒界のトラップ準
位によるオフリーク電流を根本的に低減するとともに、
各薄膜トランジスタのオフリーク電流をより精度良く低
減することができる。
【図1】 図1は、第一実施形態に係る薄膜トランジス
タの概略図であり、(a)は途中工程における概略上面
図を、(b)はA−A断面における概略断面図を、
(c)は最終工程後の概略断面図を示している。
タの概略図であり、(a)は途中工程における概略上面
図を、(b)はA−A断面における概略断面図を、
(c)は最終工程後の概略断面図を示している。
【図2】 図2は、第一応用例に係る薄膜トランジスタ
の概略図であり、(a)は途中工程における概略断面図
を、(b)は最終工程後の概略断面図を示している。
の概略図であり、(a)は途中工程における概略断面図
を、(b)は最終工程後の概略断面図を示している。
【図3】 図3は、第二応用例に係る薄膜トランジスタ
の概略図であり、(a)は途中工程における概略断面図
を、(b)は最終工程後の概略断面図を示している。
の概略図であり、(a)は途中工程における概略断面図
を、(b)は最終工程後の概略断面図を示している。
【図4】 図4は、第三応用例に係る薄膜トランジスタ
の概略図であり、(a)は途中工程における概略断面図
を、(b)は最終工程後の概略断面図を示している。
の概略図であり、(a)は途中工程における概略断面図
を、(b)は最終工程後の概略断面図を示している。
【図5】 図5は、第四応用例に係る薄膜トランジスタ
を用いた相補型MOS(CMOS)の概略図であり、
(a)は途中工程における概略断面図を、(b)は最終
工程後の概略断面図を示している。
を用いた相補型MOS(CMOS)の概略図であり、
(a)は途中工程における概略断面図を、(b)は最終
工程後の概略断面図を示している。
【図6】 図6は、第四応用例に係る薄膜トランジスタ
を用いた相補型MOS(CMOS)の途中工程における
概略断面図を示している。
を用いた相補型MOS(CMOS)の途中工程における
概略断面図を示している。
【図7】 図7は、本発明に係る薄膜トランジスタを用
いた半導体メモリの概略構成図を示している。
いた半導体メモリの概略構成図を示している。
【図8】 図8は、本発明に係る薄膜トランジスタを用
いた液晶ライトバルブの概略構成図を示している。
いた液晶ライトバルブの概略構成図を示している。
【図9】 図9は、本発明に係る薄膜トランジスタを用
いたプロジェクタの概略構成図を示している。
いたプロジェクタの概略構成図を示している。
【図10】 図10は、本発明に係る薄膜トランジスタ
を用いた携帯型スキャナの要部の概略図であり、(a)
は内部の斜視図を、(b)は拡大断面図を示している。
を用いた携帯型スキャナの要部の概略図であり、(a)
は内部の斜視図を、(b)は拡大断面図を示している。
【図11】 図11は、パルスレーザ照射装置の概略構
成図を示している。
成図を示している。
【図12】 図12は、従来技術における薄膜トランジ
スタの概略断面図を示している。
スタの概略断面図を示している。
1 シリコン薄膜
2 シリコン薄膜
3 シリコン薄膜
4 二酸化シリコン
5 ガラス基板
6 タングステンシリサイド
7 チャネル領域
8 ソース領域
9 ドレイン領域
10 ゲート電極
11 金属
12 ゲート絶縁膜
13 層間絶縁膜
14 LDD領域
15 n+領域
16 p+領域
19 基板コート層
フロントページの続き
Fターム(参考) 5F052 AA02 BB07 DA01 EA11 FA02
FA04 FA16 FA17 JA01 JA04
5F110 AA06 BB01 BB02 BB04 BB05
BB10 CC02 DD02 DD12 DD13
DD17 DD21 DD25 FF02 GG02
GG13 GG22 HJ01 HJ13 HL02
HM02 HM15 NN02 NN23 NN43
NN46 PP03 PP24 PP36
Claims (9)
- 【請求項1】 基板上に絶縁体を介して形成された薄膜
トランジスタにおいて、前記基板と前記絶縁体との間
に、前記絶縁体より熱伝導性の高い材料からなる冷却膜
を備え、 この冷却膜は、前記絶縁体上に形成されたドレイン領
域,チャネル領域及びソース領域の少なくとも一つの領
域と局所的に接近し、前記ドレイン領域、チャネル領域
及びソース領域からなる部分は、前記局所的に接近した
部分より成長した半導体膜であることを特徴とする薄膜
トランジスタ。 - 【請求項2】 上記請求項1に記載の薄膜トランジスタ
において、 前記ドレイン領域,チャネル領域及びソース領域の少な
くとも一つの領域、または前記冷却膜の少なくともいず
れか一方が、他方に接近したことを特徴とする薄膜トラ
ンジスタ。 - 【請求項3】 上記請求項1または2に記載の薄膜トラ
ンジスタにおいて、 前記チャネル領域上にゲート電極が形成されるととも
に、前記ドレイン領域が前記冷却膜と接近したことを特
徴とする薄膜トランジスタ。 - 【請求項4】 上記請求項1〜請求項3のいずれかに記
載の薄膜トランジスタにおいて、 前記冷却膜が遮光性を有することを特徴とする薄膜トラ
ンジスタ。 - 【請求項5】 基板上に、熱伝導性の高い冷却膜を形成
する工程と、 この冷却膜上に、冷却膜より熱伝導率の小さい絶縁体膜
を形成する工程と、 この絶縁体膜を局所的に薄膜化する工程と、 この局所的に薄膜化された絶縁体膜上に、半導体薄膜を
形成する工程と、 この半導体薄膜にエネルギービームを照射する工程とを
含むことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 【請求項6】 絶縁体上に形成されたシリコン薄膜に、
エキシマレーザを照射して結晶性シリコン薄膜を製作す
る工程において、早く冷える場所から固化させ、冷却が
遅れた部分に向かって固化を進行させることを特徴とす
る薄膜トランジスタの製造方法。 - 【請求項7】 絶縁体上に形成されたシリコン薄膜に、
エキシマレーザを照射して結晶性シリコン薄膜を製作す
る工程を含む薄膜トランジスタの製造方法において、 薄膜トランジスタのドレイン領域,チャネル領域及びソ
ース領域の少なくとも一部に結晶核が形成され、この結
晶核を中心に再結晶化が始まり、冷却が遅れた部分に向
かって固化が進行する工程を含むことを特徴とする薄膜
トランジスタの製造方法。 - 【請求項8】 基板上に、熱伝導性の高い冷却膜を形成
する工程と、 この冷却膜上に、冷却膜より熱伝導率の小さい絶縁体膜
を形成する工程と、 この絶縁体膜を局所的に薄膜化する工程と、 この局所的に薄膜化された絶縁体膜上に、半導体薄膜を
形成する工程と、 この半導体薄膜にエネルギービームを照射する工程とを
含む薄膜トランジスタの製造方法において、 ドレイン領域,チャネル領域及びソース領域を、幅の狭
い長方形状とすることにより、結晶粒界を含まないよう
にすることを特徴とする薄膜トランジスの製造方法。 - 【請求項9】 基板上に、熱伝導性の高い冷却膜を形成
する工程と、 この冷却膜上に、冷却膜より熱伝導率の小さい絶縁体膜
を形成する工程と、 この絶縁体膜を局所的に少なくとも2箇所薄膜化する工
程と、 この局所的に薄膜化された絶縁体膜上に、半導体薄膜を
形成する工程と、 この半導体薄膜にエネルギービームを照射する工程とを
含む薄膜トランジスタの製造方法において、 局所的に薄膜化された各箇所から成長形成する半導体薄
膜を衝突させることを特徴とする薄膜トランジスの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002260039A JP2003133331A (ja) | 2002-09-05 | 2002-09-05 | 薄膜トランジスタおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002260039A JP2003133331A (ja) | 2002-09-05 | 2002-09-05 | 薄膜トランジスタおよびその製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26363599A Division JP3645755B2 (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | 薄膜トランジスタおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003133331A true JP2003133331A (ja) | 2003-05-09 |
Family
ID=19196721
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002260039A Pending JP2003133331A (ja) | 2002-09-05 | 2002-09-05 | 薄膜トランジスタおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003133331A (ja) |
-
2002
- 2002-09-05 JP JP2002260039A patent/JP2003133331A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
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