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JP2003132506A - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

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Publication number
JP2003132506A
JP2003132506A JP2001324792A JP2001324792A JP2003132506A JP 2003132506 A JP2003132506 A JP 2003132506A JP 2001324792 A JP2001324792 A JP 2001324792A JP 2001324792 A JP2001324792 A JP 2001324792A JP 2003132506 A JP2003132506 A JP 2003132506A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
core layer
magnetic pole
lower core
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001324792A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Sato
清 佐藤
Toshinori Watanabe
利徳 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2001324792A priority Critical patent/JP2003132506A/ja
Priority to US10/277,528 priority patent/US6898055B2/en
Publication of JP2003132506A publication Critical patent/JP2003132506A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/31Structure or manufacture of heads, e.g. inductive using thin films
    • G11B5/3109Details
    • G11B5/3116Shaping of layers, poles or gaps for improving the form of the electrical signal transduced, e.g. for shielding, contour effect, equalizing, side flux fringing, cross talk reduction between heads or between heads and information tracks
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/31Structure or manufacture of heads, e.g. inductive using thin films
    • G11B5/3109Details
    • G11B5/313Disposition of layers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 狭トラック化においても、ギャップ近傍から
の漏れ磁界強度を安定化させて強めることができ、オー
バーライト特性等に優れた薄膜磁気ヘッド及びその製造
方法を提供することを目的する。 【解決手段】 下から下部磁極層、ギャップ層、及び上
部磁極層の順に積層された磁極部26と第1下部コア層
20との間に第2下部コア層21が形成されているが、
従来例のように、Gd決め層は設けられていない。従っ
て前記磁極部26を略矩形状で適切に形成しやすく、従
来のようにGd決め層が設けられていることによるギャ
ップ層の湾曲化の問題や、上部磁極層の体積低減の問題
等は発生しない。よってギャップ近傍での記録磁界強度
を安定化させて強くでき、狭トラック化に適切に対応可
能な薄膜磁気ヘッドを製造することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば浮上式磁気
ヘッドや接触式磁気ヘッドなどに使用される記録用の薄
膜磁気ヘッドに係り、特に高記録密度化においても狭ト
ラック化に適切に対応可能な薄膜磁気ヘッド及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高記録密度化に伴い、狭トラック
化においても特にサイドフリンジング(いわゆるトラッ
ク幅方向からの漏れ磁界)の発生を抑制できる、記録用
の薄膜磁気ヘッド(この薄膜磁気ヘッドをインダクティ
ブヘッドという)の構造が要望されている。
【0003】従来では、サイドフリンジングの発生を適
切に抑制できるインダクティブヘッドの構造として例え
ば以下のような2つの構造が考えられた。
【0004】図16は従来のインダクティブヘッドの構
造を示す部分縦断面図である。なお「縦断面」とは、図
示Y方向と図示Z方向から形成される面と平行な方向に
切断された断面を意味し、以下においてすべて同じであ
る。
【0005】符号1はNiFe系合金などで形成された
下部コア層であり、前記下部コア層1の上にレジストな
どで形成されたGd決め層2が形成されている。Gd決
め層2の縦断面は図16に示すように例えば半楕円状で
ある。前記Gd決め層2の前端面2aから「薄膜磁気ヘ
ッドの前端面」までの長さでギャップデプス(Gd)が
決定される。前記Gd決め層2を形成することで、記録
磁界をギャップ近傍で絞り込み、オーバーライト特性等
に代表される記録特性を向上させることができると考え
られていた。
【0006】図16に示す構造では、前記下部コア層1
上には前記「薄膜磁気ヘッドの前端面」からハイト方向
(図示Y方向)にGd決め層2上にかけて、下から下部
磁極層3、ギャップ層4及び上部磁極層5からなる磁極
部6が形成されている。また前記磁極部6の後端側には
ハイト方向にAl23などからなる絶縁層7が形成され
ている。
【0007】図16に示すように前記絶縁層7上にはコ
イル層8が巻回形成されており、前記コイル層8上は有
機絶縁材料層9によって覆われている。
【0008】図16に示すように前記磁極部6を構成す
る上部磁極層5上から前記有機絶縁材料層9上にかけて
磁性材料製の上部コア層10が形成されている。前記上
部コア層10の基端部10bは前記下部コア層1上に磁
気的に接続された状態になっている。
【0009】図16に示す形態のインダクティブヘッド
では、上部磁極層5のトラック幅方向(図示X方向)の
幅寸法でトラック幅Twが規制され、この幅寸法は前記
上部コア層10の先端部10aのトラック幅方向の幅寸
法より小さい。前記上部コア層10と下部コア層1間
に、トラック幅Twを規制する磁極部6を形成すること
で、サイドフリンジングの発生を適切に抑制でき、狭ト
ラック化に適切に対応できるものと考えられた。
【0010】図18は別の従来のインダクティブヘッド
の構造の部分縦断面図である。なお図16と同じ符号が
付けられた層は図16と同じ層を示している。
【0011】図18に示す構造では、前記下部コア層1
上に「薄膜磁気ヘッドの前端面」からハイト方向(図示
Y方向)にかけて第2下部コア層11が形成されてい
る。前記第2下部コア層11のハイト方向後方には絶縁
層7が形成され、前記第2下部コア層11上から絶縁層
7上にかけてAl23などの絶縁材料で形成されたギャ
ップ層12が形成されている。
【0012】前記ギャップ層12上には前記「薄膜磁気
ヘッドの前端面」からハイト方向(図示Y方向)にかけ
て所定の長さ寸法で第2上部コア層13が形成されてお
り、前記第2上部コア層13のハイト方向後方にはAl
23などで形成された絶縁層14が形成されている。図
18に示すように、前記第2上部コア層13の後端面1
3aは、前記第2下部コア層11の後端面11aよりも
ハイト方向(図示Y方向)に位置し、前記第2下部コア
層11の「薄膜磁気ヘッドの前端面」から後端面11a
までのハイト方向への長さ寸法でギャップデプス(G
d)が決定される。上記のように、第2上部コア層13
の後端面13aを、前記第2下部コア層11の後端面1
1aよりハイト方向後方に位置させていた理由は、これ
により前記第2上部コア層13と上部コア層10との接
触面積を大きくでき磁束効率を良好にできる等の理由か
らである。
【0013】図18に示すように、前記絶縁層14上に
は、コイル層8が巻回形成されており、前記コイル層8
は有機絶縁材料層9によって覆われている。
【0014】図18に示すように、前記第2上部コア層
13上から有機絶縁材料層9上にかけて上部コア層10
が形成され、前記上部コア層10の基端部10bは、前
記下部コア層1上に磁気的に接続された状態になってい
る。
【0015】図18に示す形態のインダクティブヘッド
では、適切にサイドフリンジングを防止すべく以下のよ
うな処理がなされている。
【0016】図19(図18に示すインダクティブヘッ
ドを「薄膜磁気ヘッドの前端面」側から見た部分正面
図)に示すように(あるいは図18の一点鎖線に示すよ
うに)、前記第2下部コア層11のトラック幅方向(図
示X方向)における両側端面11cをまず、下部コア層
1表面に対しほぼ垂直方向Aからのイオンミリング(こ
れをデプストリミングと呼ぶ。以下同じ)で削り込み、
これによって前記第2下部コア層11に第2上部コア層
13側に突出する突出部11bを形成し、その後、前記
第2上部コア層13等のトラック幅方向(図示X方向)
における両側端面13bに付着した再付着物の除去及び
さらなる狭トラック化のために前記下部コア層1表面の
垂直方向に対し斜めに傾いた方向Bからのイオンミリン
グ(これをサイドトリミングと呼ぶ。以下同じ)を施
す。これによって前記第2下部コア層11の両側端面1
1cは、前記突出部11bの基端からトラック幅方向
(図示X方向)に離れるにしたがって、徐々に前記第2
下部コア層11の膜厚が薄くなる傾斜面で形成される。
【0017】図18及び図19に示す形態のインダクテ
ィブヘッドでは、前記第2上部コア層13のトラック幅
方向(図示X方向)の幅寸法でトラック幅Twが規制さ
れ、前記第2下部コア層11には前記第2上部コア層1
3と対向する位置に突出部11bが形成されており、こ
れにより図18及び図19に示す形態のインダクティブ
ヘッドは、サイドフリンジングの発生を適切に抑制でき
る狭トラック化に対応可能な構造であると考えられた。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、狭トラック
化を適切に実現するには、上記したサイドフリンジング
の発生の抑制はもとより、ギャップ近傍での記録磁界の
強度が強く、さらにその強度が安定した強さでなけれ
ば、オーバーライト特性等の記録特性は悪化し、効果的
に狭トラック化に対応可能な高記録密度化に優れた薄膜
磁気ヘッドの製造を実現できない。
【0019】しかしながら、上記した2つの構造のイン
ダクティブヘッドには、それぞれ以下のような課題が発
生し、共にギャップ近傍での記録磁界の強さ、あるいは
その安定度に問題があることがわかった。
【0020】図17は図16に示すインダクティブヘッ
ドの磁極部6付近の構造を拡大した部分拡大縦断面図で
あり、前記磁極部6を形成する際の一工程を示した図で
ある。
【0021】図17に示すように、前記下部コア層1上
にレジストなどからなるGd決め層2を形成した後、前
記Gd決め層2上の途中から前記下部コア層1上にかけ
て露光現像によりパターン形成されたレジスト層15を
形成する。
【0022】そして前記レジスト層15に形成されたパ
ターン内に、下から下部磁極層3、ギャップ層4及び上
部磁極層5を連続してメッキ形成するのであるが、この
とき、前記Gd決め層2はレジストなどの絶縁材料であ
るため、前記下部磁極層3の前記Gd決め層2上に乗る
後端3a付近は、適切にメッキ成長せず、前記下部磁極
層3の後端3a付近は膜厚が極端に薄くなる。従って前
記下部磁極層3の表面は湾曲して形成されてしまう。
【0023】よって前記下部磁極層3上にメッキ形成さ
れるギャップ層4の後端4aも湾曲して形成されてしま
う。
【0024】本来、前記ギャップ層4は、下部コア層1
表面と平行な方向に平坦化形状で形成されるべきである
が、Gd決め層2を有する図16の構造であると、ギャ
ップ層4は湾曲形成されやすく、これによって記録特性
の不安定化が問題となる。
【0025】さらに図17に示すように、前記ギャップ
層4よりもさらにハイト方向(図示Y方向)後方のGd
決め層2上にまで延びて形成される上部磁極層5も、そ
の後端5aは、前記Gd決め層2上に形成されるから、
前記上部磁極層5の後端5aを適切な膜厚でメッキ成長
させることができず、前記後端5aでの膜厚は非常に薄
いものになる。
【0026】またこれによって図17に示すように前記
上部磁極層5の前記後端5aとレジスト層15との間に
隙間5bが形成されやすく、これによって前記上部コア
層10の先端部10aと接触すべき前記上部磁極層5の
上面5cの面積は小さくなり、ギャップ近傍から漏れる
記録磁界の強度の低下を招きやすい。
【0027】以上のように、図17の工程の際に、ギャ
ップデプスを決定すべきGd決め層2を設けると、ギャ
ップ層4の湾曲化や、さらには前記上部磁極層5の後端
5a側の膜厚が薄くなることで前記磁極層が磁気飽和に
達しやすくなり、また上部磁極層5と上部コア層10と
の接触面積が小さくなるなどの要因により、ギャップ近
傍での記録磁界の強度の低下や不安定化が問題となり、
オーバーライト特性等の諸特性が低下しやすくなってい
た。
【0028】また例えば、前記上部磁極層5の体積を所
定の大きさに確保するためには、図17に示すレジスト
層15の膜厚を厚く形成し、前記レジスト層15に形成
されるパターンを深いものとすれば、そのパターン内に
形成される上部磁極層5の膜厚を厚く形成できるが、か
かる場合、前記レジスト層15に磁極部6のパターンを
形成する際のパターン精度が低下し、前記パターンのト
ラック幅方向の幅が広がりやすく、適切に狭トラック化
に対応可能なインダクティブヘッドを形成できないとい
った問題が発生した。
【0029】次に図18に示すインダクティブヘッドの
構造の課題について説明する。図19に示すように、図
示A方向からのデプストリミングや図示B方向からのサ
イドトリミング工程によって、前記第2上部コア層13
の両側端面13b、13bは平坦化形成されずにうねっ
て形成されやすく、また前記両側端面13bにはAl 2
3などで形成された絶縁層7の再付着膜7aが依然と
して残りやすい。
【0030】上記した第2上部コア層13の両側端面1
3bのうねりによってトラック幅Twは所定寸法で形成
されず不安定化した。
【0031】上記した、前記トラック幅Twの不安定形
成の問題は、図18に示すように第2上部コア層13の
後端面13aが、第2下部コア層11の後端面11aよ
りハイト方向後方に延びて形成される点が要因であると
考えられる。
【0032】ここで図20は、デプストリミング及びサ
イドトリミングを施すときの工程を示す部分斜視図であ
るが、図20に示すように前記第2上部コア層13の後
端側はレジスト層16で覆っておき、前記レジスト層1
6に覆われていない露出した前記第2上部コア層13の
両側のギャップ層12及びその下の第2下部コア層11
の一部を、図示A方向からのデプストリミングで掘り込
んで、前記第2下部コア層11に突出部11bを形成す
る。
【0033】ところが、前記第2上部コア層13の後端
面13aは、第2下部コア層11の後端面11aよりも
ハイト方向後方にまで延びて形成されているから、上記
したデプストリミングの際、前記第2下部コア層11の
後端に広がる絶縁層7の後端領域7aが、前記レジスト
層16に覆われずに露出するため、上記デプストリミン
グによって、この絶縁層7の後端領域7aも削り込ま
れ、このとき飛来する絶縁層7の元素が、前記第2上部
コア層13の両側端面13bに前記絶縁材料製の膜7a
として付着し、またその付着量は前記第2上部コア層1
3の両側端面13b全体に一定量ではなく、部分的に付
着量が変化し、トラック幅形状が不安定化する。
【0034】そして図示B方向からのサイドトリミング
によってトラック幅Twを狭める工程において、前記付
着膜7aを前記サイドトリミングで削り取る際、付着膜
7aが一定膜厚で付着していないから、前記付着膜7a
が薄い部分は厚い部分よりも早く除去され、第2上部コ
ア層13の両側端面13bまでも上記のサイドトリミン
グの影響を受けやすくなる。特に前記付着膜7aは絶縁
材料製でありミリングレートが磁性材料に比べて遅く、
この付着膜7aを有効に前記第2上部コア層13から除
去するためには、ミリング時間を長くしたり、高エネル
ギーのイオンミリングを使用しなければならず、よって
サイドトリミングの際、第2上部コア層13の両側端面
13bが部分的に強いイオンミリングの影響を受けて、
前記両側端面13bが削り込まれてうねり、またサイド
トリミングの際に、露出している絶縁層7の後端領域7
aもまた削り込まれるので、再び、絶縁層7の再付着膜
7aが前記第2上部コア層13の両側端面13b全体に
付着するなどして、結局、所定寸法のトラック幅Tw形
状を形成できないといった問題があった。
【0035】所定のトラック幅Twで形成されないこと
で、ギャップ付近での記録磁界強度が製品毎に不安定化
し、品質の向上を図ることができず、狭トラック化に適
切に対応可能なインダクティブヘッドを製造することが
できなかった。
【0036】そこで本発明は上記従来の課題を解決する
ためのものであり、特に狭トラック化においても、ギャ
ップ近傍からの漏れ磁界強度を安定化させて強めること
ができ、オーバーライト特性等に優れた薄膜磁気ヘッド
及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
は、第1下部コア層と、前記第1下部コア層上に薄膜磁
気ヘッドの前端面からハイト方向に所定の長さで形成さ
れた第2下部コア層と、前記第2下部コア層のハイト方
向後方に形成された絶縁層と、前記第2下部コア層上、
あるいは前記第2下部コア層上及び絶縁層上に、前記前
端面からハイト方向後方に所定の長さ寸法で形成され、
下から下部磁極層、ギャップ層、及び上部磁極層の順、
又は下からギャップ層及び上部磁極層の順に積層された
磁極部と、前記上部磁極層の上に形成された上部コア層
とを有してなることを特徴とするものである。
【0038】上記した第1の本発明では、磁極部が、例
えば下部磁極層、ギャップ層及び上部磁極層の3層構造
であるが、図16に示す従来例のように、Gd決め層は
設けられていない。
【0039】従って、この発明では、磁極部を略矩形状
で適切に形成しやすく、従来のようにGd決め層が設け
られていることによるギャップ層の湾曲化の問題や、上
部磁極層の体積低減による磁気飽和の問題等は発生しな
い。
【0040】さらにこの発明では、図16に示す従来例
と異なって磁極部の下には第2下部コア層が設けられて
おり、下部磁極層側での磁気飽和を適切に解消すること
ができる構造となっている。
【0041】また上記した磁極部構造では、図18に示
す従来例と異なって、そもそもデプストリミングは必要
なく、トラック幅形状を安定化して形成しやすいといっ
た利点もある。
【0042】よって上記した第1の本発明では、ギャッ
プ近傍での記録磁界強度を安定化して強くでき、狭トラ
ック化に適切に対応可能な薄膜磁気ヘッド(インダクテ
ィブヘッド)を製造することが可能である。
【0043】また本発明では、前記磁極部の後端面は、
前記第2下部コア層表面に対して垂直方向に延びた垂直
面で形成されていることが好ましい。
【0044】また本発明では、前記磁極部の後端面は、
前記第2下部コア層の後端面よりも前記前端面側に形成
されていることが好ましい。
【0045】また本発明における薄膜磁気ヘッドは、第
1下部コア層と、前記第1コア層上であって薄膜磁気ヘ
ッドの前端面からハイト方向に所定の長さで形成された
第2下部コア層と、前記第2下部コア層のハイト方向後
方に形成された絶縁層と、前記第2下部コア層上に形成
されたギャップ層と、前記ギャップ層上に前記前端面か
らハイト方向後方に所定の長さ寸法で形成された第2上
部コア層と、前記第2上部コア層の上に形成された第1
上部コア層とを有し、前記第2上部コア層の後端面は、
前記第2下部コア層の後端面よりも前記前端面側に位置
していることを特徴とするものである。
【0046】この発明では前記第2上部コア層の後端面
は、前記第2下部コア層の後端面よりも薄膜磁気ヘッド
の前端面側に位置している。このため、例えば図18に
示す従来例と同様に、前記第2上部コア層及び第2下部
コア層に対してデプストリミング及びサイドトリミング
を施す工程において、前記第2上部コア層のトラック幅
方向の両側端面に、従来のように絶縁材料製の付着膜が
付着するといった不具合は発生しにくく、したがってト
ラック幅形状を所定形状で形成しやすく、ギャップ近傍
からの記録磁界強度が安定して強い狭トラック化に優れ
た薄膜磁気ヘッド(インダクティブヘッド)を製造する
ことができる。
【0047】また本発明では、前記第2上部コア層の後
端面は、前記第2下部コア層層表面に対して垂直方向に
延びた垂直面で形成されていることが好ましい。
【0048】また本発明では、前記磁極部あるいは第2
上部コア層は、前記前端面からハイト方向にかけてトラ
ック幅方向に所定の幅寸法で形成された先端部と、この
先端部の基端からハイト方向にかけて、前記トラック幅
方向への幅寸法が広がる後端部とで構成されていること
が好ましい。
【0049】また前記ギャップ層は、非磁性導電材料で
形成されることが好ましく、また前記ギャップ層は、N
iP、NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、R
h、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上からな
ることが好ましい。
【0050】また本発明では、前記絶縁層にはコイル形
成溝が形成され、前記コイル形成溝内にコイル層が設け
られ、前記コイル層の表面と、前記磁極部あるいは第2
上部コア層の表面とは同一平面で形成されることが好ま
しい。
【0051】また本発明における薄膜磁気ヘッドの製造
方法は、以下の工程を有することを特徴とするものであ
る。 (a)第1下部コア層上に、薄膜磁気ヘッドの前端面か
らハイト方向にかけて所定長さの第2下部コア層をメッ
キ形成する工程と、(b)前記第2下部コア層の後端面
からハイト方向にかけて前記第1下部コア層上に絶縁層
を形成する工程と、(c)前記第2下部コア層上に、前
記前端面からハイト方向にかけて下から下部磁極層、ギ
ャップ層及び上部磁極層の順で、あるいは下からギャッ
プ層及び上部磁極層の順で各層を連続メッキ形成して磁
極部を形成し、このとき前記磁極部の後端面を前記第2
下部コア層の後端面より前記前端面側に位置させる工程
と、(d)前記磁極部よりもハイト方向後方に位置する
絶縁層上にコイル層を形成し、前記コイル層上を第2絶
縁層で覆う工程と、(e)前記上部磁極層上からハイト
方向後方に上部コア層を形成する工程。
【0052】上記した(a)工程から(e)工程までを
施すことで、第2下部コア層を有し、しかも磁極部の後
端面が、前記第2下部コア層の後端面よりも薄膜磁気ヘ
ッドの前端面側に位置する薄膜磁気ヘッドを容易に且つ
適切に製造することができる。
【0053】上記した工程から成る薄膜磁気ヘッドであ
れば、ギャップ近傍での記録磁界強度が安定して強く、
狭トラック化に適切に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造
することができる。
【0054】なお本発明では、前記(c)工程で、前記
磁極部の後端面を第2下部コア層表面から垂直面として
形成することが好ましい。
【0055】また本発明では、前記(d)工程にかえて
以下の工程を有することが好ましい。 (f)前記磁極部よりもハイト方向後方に位置する絶縁
層にコイル形成溝を形成する工程と、(g)前記コイル
形成溝上にコイル層を形成し、前記コイル層上をコイル
絶縁層で覆う工程と、(h)前記磁極部表面、およびコ
イル層表面が同じ平坦化面になるまで、前記磁極部、コ
イル層、およびコイル絶縁層表面を削る工程。
【0056】また本発明では、前記ギャップ層を非磁性
導電材料で形成することが好ましい。具体的には本発明
では前記ギャップ層を、NiP、NiPd、NiW、N
iMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1
種または2種以上からなる非磁性導電材料で形成するこ
とが好ましい。
【0057】これにより下部磁極層、ギャップ層及び上
部磁極層の各層を連続してメッキ形成することができ
る。
【0058】
【発明の実施の形態】図1は、本発明における薄膜磁気
ヘッドの構造を示す部分縦断面図(ハイト方向断面)で
ある。
【0059】図1に示す薄膜磁気ヘッドは、記録用のイ
ンダクティブヘッドであるが、本発明では、このインダ
クティブヘッドの下に、磁気抵抗効果を利用した再生用
ヘッド(MRヘッド)が積層されていてもよい。
【0060】図1に示す符号20は、例えばパーマロイ
などの磁性材料で形成された第1下部コア層である。な
お、前記第1下部コア層20の下側に再生用ヘッドが積
層される場合、前記第1下部コア層20とは別個に、巨
大磁気抵抗効果素子(GMR素子)、異方性磁気抵抗効
果素子(AMR素子)あるいはトンネル型磁気抵抗効果
素子(TMR素子)の磁気抵抗効果素子をノイズから保
護するシールド層を設けてもよいし、あるいは、前記シ
ールド層を設けず、前記第1下部コア層20を、前記再
生用ヘッドの上部シールド層として機能させてもよい。
【0061】図1に示すように、第1下部コア層20の
上には、「薄膜磁気ヘッドの前端面」(「薄膜磁気ヘッ
ドの前端面」とは図1に示すように記録媒体Dと対向す
る面のことを指す。)からハイト方向(図示Y方向)に
かけてNiFe系合金等の磁性材料製の第2下部コア層
21が形成されている。前記第2下部コア層21はハイ
ト方向に所定の長さ寸法L1で形成される。
【0062】前記第1下部コア層20上にはさらにハイ
ト方向(図示Y方向)に離れた位置に磁性材料製の第1
バックギャップ層23が形成されている。前記第1バッ
クギャップ層23は前記第2下部コア層21と同じ材質
の磁性材料で且つ同じ工程時に形成されている方が製造
工程を簡略化できて好ましいが、異なる材質あるいは異
なる工程時に形成されていてもよい。
【0063】図1に示すように前記第2下部コア層21
の後端面21aからハイト方向後方(図示Y方向)には
Al23やSiO2などの絶縁材料で形成された絶縁材
料層22が形成されている。前記絶縁材料層22の前端
部22a表面は、前記第2下部コア層21表面と同一平
面で形成されるが、前記絶縁材料層22表面には前記第
2下部コア層21からハイト方向(図示Y方向)に離れ
た位置で、コイル形成溝22bが形成され、このコイル
形成溝22bが形成された部分での前記絶縁材料層22
の膜厚は、前記絶縁材料層22の前端部22aでの膜厚
より薄くなっている。
【0064】図1に示すように、前記コイル形成溝22
b上には、第1コイル層24が、巻回形成されている。
前記第1コイル層24は例えばCuなどの非磁性導電材
料で形成される。
【0065】図1に示すように、前記第1コイル層24
の各導体部間には、レジストなどの有機絶縁材料または
Al23、SiO2などの無機絶縁材料で形成されたコ
イル絶縁層25が形成されている。
【0066】図1に示すように、前記第2下部コア層2
1上には、前記「薄膜磁気ヘッドの前端面」からハイト
方向(図示Y方向)にかけて磁極部26が形成されてい
る。前記磁極部26は下から下部磁極層27、ギャップ
層28及び上部磁極層29の順に積層形成されている。
【0067】図1に示す実施形態では前記磁極部26の
後端面26aは、前記第2下部コア層21の後端面21
aよりも前記「薄膜磁気ヘッドの前端面」側に位置して
いる。また図4(図1に示す薄膜磁気ヘッドを前記前端
面側から見た部分正面図)に示すように、前記磁極部2
6のトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法は、前記第
2下部コア層21のトラック幅方向の幅寸法T1よりも
小さく形成され、前記磁極部26の上部磁極層29のト
ラック幅方向における幅寸法でトラック幅Twが規制さ
れる。
【0068】また図1に示す実施形態では、前記第1バ
ックギャップ層23上には磁性材料製の第2バックギャ
ップ層31が形成されている。前記第2バックギャップ
層31の図示X−Y平面の断面積は、第1バックギャッ
プ層23の図示X−Y平面の断面積に比べて小さく形成
されているが、大きく形成されていてもよい。
【0069】図1に示すように前記磁極部26の後端面
26aからハイト方向後方(図示Y方向)にかけてAl
23やSiO2などで形成された絶縁層30が形成さ
れ、この絶縁層30表面は、前記磁極部26表面と同一
平面で形成されている。さらに図1に示す実施形態で
は、前記第1コイル層24及びコイル絶縁層25の表面
もまた前記磁極部26表面と同一平面で形成されてい
る。
【0070】図1に示すように前記コイル絶縁層25上
及び第1コイル層24上にはレジストなどの有機絶縁材
料で形成された有機絶縁層32が形成され、この有機絶
縁層32上に第2コイル層33が形成されている。前記
第2コイル層33の各導体部間はレジストなどで形成さ
れた有機絶縁層34によって埋められ、また前記第2コ
イル層33上は前記有機絶縁層34によって覆われてい
る。
【0071】図1に示すように、前記磁極部26を構成
する上部磁極層29上から前記有機絶縁層34上にかけ
て磁性材料製の上部コア層35が例えばフレームメッキ
法にて形成される。前記上部コア層35の先端部35a
は、前記上部磁極層29上に磁気的に接続されている。
この実施形態では、前記先端部35aは前記「薄膜磁気
ヘッドの前端面」よりハイト方向後方(図示Y方向)に
形成されているが、前記先端部35aは前記前端面と同
一平面状に形成されていてもよい。
【0072】また前記上部コア層35の基端部35b
は、前記第2バックギャップ層31上に磁気的に接続さ
れており、図1に示す実施形態では、上部磁極層29−
上部コア層35−第2バックギャップ層31−第1バッ
クギャップ層23−第1下部コア層20−第2下部コア
層21−下部磁極層27を経る磁路が形成される。
【0073】図示されていないが、前記「薄膜磁気ヘッ
ドの前端面」にはダイヤモンドライクカーボン(DL
C)などの保護層が形成されている。
【0074】図1に示す本発明における薄膜磁気ヘッド
の構造の特徴点について説明する。図1に示す薄膜磁気
ヘッドでは、磁極部26が下から下部磁極層27、ギャ
ップ層28及び上部磁極層29の順で積層された3層構
造で形成されている。
【0075】この実施形態では、図16に示す従来例の
ように、磁極部26の下にGd決め層2は形成されてい
ない。このため前記磁極部26を構成する各層のメッキ
下地層となる第2下部コア層21上全面(あるいはメッ
キ下地層は別に設けても良い)から適切にメッキ成長さ
せることができ、各層を略矩形状にあるいは略平板状に
適切に形成することができる。すなわち従来のように、
前記磁極部26を構成する下部磁極層27及び上部磁極
層29の各層の後端面26a側の膜厚が薄くなることは
なく、前記磁極層27、29の体積を所定の大きさで形
成でき、前記磁極層27、29が磁気飽和に達し難い構
造とすることができる。
【0076】また磁極部26の下側にGd決め層2が形
成されていないため、磁極層27、29及びギャップ層
28の表面を、下部コア層20表面と平行な(図示X−
Y平面と平行な)平坦化形状で形成でき、従来のように
前記ギャップ層28の後端側が湾曲形成されるといった
不具合は発生せず、前記ギャップ層28を適切に略平板
形状で形成することができる。
【0077】さらに本発明では、前記上部磁極層29は
略矩形状で形成され、前記上部磁極層29の上面は適切
に平坦化形成されるので、前記上部コア層35と前記上
部磁極層29との接触面積を効果的に大きくすることが
できる。
【0078】以上のように図1に示す実施形態では、前
記磁極部26の下側にGd決め層を形成しないことで、
前記磁極部26を所定の体積を有する略矩形状で形成で
きるようになり磁気飽和が起き難くでき、またギャップ
層28表面の湾曲化を防ぐことができ、よって狭トラッ
ク化においてもギャップ近傍での記録磁界の強度を安定
して強めることができ、オーバーライト特性に代表され
る種々の記録特性に優れた薄膜磁気ヘッドを製造するこ
とが可能である。
【0079】また図1のように、磁極部26の下側にG
d決め層を設けない実施形態であると、狭トラック化に
適切に対応すべく前記磁極部26の膜厚を薄く形成して
も、前記磁極部26の体積が、Gd決め層を設ている場
合に比べて極端に小さくなるといったことはない。
【0080】図16、17に示す従来例であると、Gd
決め層2が存在することで、特に上部磁極層5の体積が
小さくなって磁気飽和に達しやすくなるという問題か
ら、磁極部6の形成をするためのフレームとなるレジス
ト層15を厚く形成して深いパターンを形成し、これに
よって上部磁極層5の体積を所定の大きさに保つことが
できるようにしていたが、前記レジスト層15を厚く形
成すると、前記レジスト層15に露光現像によって磁極
部6を形成するためのパターンを形成するとき、パター
ン精度の低下から、前記パターンのトラック幅寸法が広
く形成されやすくなる。このため図16、17に示す従
来例では、適切に狭トラック化に対応可能な薄膜磁気ヘ
ッドを製造できなかったが、本発明では前記磁極部26
の下側にGd決め層を設けないことで、磁極部26を所
定形状に適切にメッキ成長させることが容易になり、よ
って前記磁極部26の全体膜厚を従来より薄くしても、
前記磁極部26を構成する上部磁極層29の体積を所定
の大きさに保ちやすい。
【0081】従って本発明では、前記磁極部26を形成
する際のレジスト層の膜厚を薄く形成でき、露光現像の
際のパターン精度を適切に向上させることができ、よっ
て幅方向にパターンが広がることなく狭トラック化に適
切に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することが可能に
なる。
【0082】なお本発明では前記磁極部26の膜厚は
1.5μm以上で3.0μm以下であることが好まし
い。
【0083】次に本発明では前記磁極部26の下側には
第2下部コア層21が設けられている。本発明では、こ
の第2下部コア層21を設けることで、下部磁極層27
側の磁気飽和を適切に防止することが可能になる。
【0084】上記したように、本発明では、従来のよう
にGd決め層を設けないことで前記磁極部26の全体膜
厚を薄く形成してもなお上部磁極層29の体積を所定の
大きさに保ちやすい。しかしこのとき前記磁極部26を
構成する下部磁極層27の体積が極端に小さくなりすぎ
ると、この下部磁極層27が磁気飽和しやすくなり好ま
しくない。
【0085】このため本発明では、前記磁極部26の下
側に第2下部コア層21を設けたのである。前記第2下
部コア層21は第1下部コア層20上に部分的に形成さ
れ、この第1下部コア層20の上に下部磁極層27が形
成され、前記下部磁極層27での磁気飽和が前記第2下
部コア層21の形成によって緩和されるようになってい
る。
【0086】前記第2下部コア層21は図4に示すよう
に、トラック幅方向(図示X方向)の幅寸法T1が、前
記下部磁極層27のトラック幅方向(図示X方向)の幅
寸法より大きく、第1下部コア層20のトラック幅方向
の幅寸法より小さい。
【0087】また前記第2下部コア層21は図1に示す
ように、ハイト方向(図示Y方向)への長さ寸法L1
が、下部磁極層27のハイト方向への長さ寸法に比べて
大きく、第1下部コア層20のハイト方向への長さ寸法
に比べて小さい。
【0088】また前記第2下部コア層21の膜厚は0.
5〜1.5μmであることが好ましい。
【0089】以上のように図1に示す薄膜磁気ヘッドの
構造は、前記磁極部26が下部磁極層27、ギャップ層
28及び上部磁極層29の3層構造であり、且つ前記磁
極部26の下に第2下部コア層21が形成されている点
に特徴があり、これにより前記磁極部26を所定形状で
形成でき、しかも各磁極層での磁気飽和を抑制でき、ギ
ャップ近傍から漏れる記録磁界強度を安定して強めるこ
とができ、オーバーライト特性等の記録特性を適切に向
上させることができ、狭トラック化に適切に対応可能な
薄膜磁気ヘッドを製造することが可能である。
【0090】次に図1の薄膜磁気ヘッドの構造のその他
の特徴点について説明する。前記磁極部26の後端面2
6aは、前記第2下部コア層21表面に対して垂直方向
(図示Z方向)に延びた垂直面として形成されているこ
とが好ましい。これによって前記上部磁極層29は略矩
形状で形成され、前記上部磁極層29の表面は平坦化面
となり、前記上部磁極層29の上部コア層35との接触
面積を大きくすることが可能である。なお本発明におい
て前記磁極部26の後端面26aを前記第2下部コア層
21表面に対して垂直面として形成できる理由は、前記
磁極部26の下側にGd決め層が形成されていないから
である。前記Gd決め層が形成されていると、前記Gd
決め層上に乗って形成される磁極部の部分は極端に膜厚
が薄くなり、前記磁極部の表面は湾曲してしまうが(図
17を参照されたい)、本発明では、前記Gd決め層が
形成されていないから磁極部26を適切にメッキ成長さ
せることができ、よって従来のような不具合は発生せ
ず、前記磁極部26の後端面26aを前記第2下部コア
層21表面に対し垂直方向(図示Z方向)に延びる垂直
面として形成することができるのである。
【0091】次に前記磁極部26は、図1に示す実施形
態では、下部磁極層27、ギャップ層28及び上部磁極
層29の3層構造であるが、前記磁極部26はギャップ
層28及び上部磁極層29の2層構造であってもかまわ
ない。しかしかかる場合は、前記ギャップ層28のトラ
ック幅方向の両側に広がる第2下部コア層21を削り込
み(デプストリミング)、前記第2下部コア層21にギ
ャップ層28方向に突出する突出部を形成し、サイドフ
リンジングの発生を適切に抑制できるようにすることが
狭トラック化に適切に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造
できて好ましい。
【0092】また本発明では、前記磁極部26の各層は
連続メッキ形成される。前記下部磁極層27は、前記第
2下部コア層21上からメッキ形成されるので前記第2
下部コア層21表面が前記下部磁極層27をメッキ成長
させる場合のメッキ下地層となっている。ただしメッキ
下地層は別途設けてもかまわない。例えばNiFe合金
などからなる薄い膜のメッキ下地層を前記第2下部コア
層21上にスパッタ法などで成膜し、その上に前記下部
磁極層27をメッキ成長させる。
【0093】本発明では、前記ギャップ層28もメッキ
形成するため前記ギャップ層28は非磁性導電材料で形
成されることが好ましい。本発明では前記ギャップ層2
8を、NiP、NiPd、NiW、NiMo、Au、P
t、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上
からなる非磁性導電材料で形成することが好ましい。
【0094】なお本発明における具体的な実施形態とし
て前記ギャップ層28にはNiPが使用される。NiP
で前記ギャップ層28を形成することで前記ギャップ層
28を適切に非磁性状態にできるからである。
【0095】前記磁極部26を構成する上部磁極層29
及び下部磁極層27は1層構造であってもよいし、複数
の磁性層からなる多層構造であってもよい。多層構造で
ある場合、各磁性層は同一材料で形成されても異なる磁
性材料で形成されてもどちらでもよい。異なる磁性材料
で形成される場合、あるいは同一材料で形成される場合
でも組成比を各磁性層毎で変える場合、ギャップ層28
に近い磁性層ほど飽和磁束密度Bsが高くなるようにす
ることが、ギャップ近傍から漏れる記録磁界強度を強め
ることができて好ましい。また飽和磁束密度Bsは、第
1下部コア層20より第2下部コア層21の方が高いか
あるいは同じであることが好ましく、また第2下部コア
層21よりも下部磁極層27の方が高いことが好まし
い。また前記飽和磁束密度Bsは上部コア層35よりも
上部磁極層29の方が高いことが好ましい。ギャップ近
傍に磁束を適切に集中させることができ、高記録密度化
の促進を図ることができる。
【0096】次に図1に示す実施形態では、前記磁極部
26の後端面26aが前記第2下部コア層21の後端面
21aよりも「薄膜磁気ヘッドの前端面」側(図示Y方
向とは逆方向側)に形成されている。
【0097】図1に示すように、前記磁極部26の後端
面26aを前記第2下部コア層21の後端面21aより
前記前端面側に形成することで、以下の効果を期待する
ことができる。
【0098】すなわち前記磁極部26の両側端面26b
をサイドトリミングする工程において、図4に示す磁極
部26の両側端面26b、26bに絶縁膜が付着しない
ようにでき、前記磁極部26を構成する上部磁極層29
のトラック幅方向の形状を所定形状で形成することがで
きる。
【0099】図6は、第1下部コア層20、第2下部コ
ア層21及び磁極部26の部分のみを示す部分斜視図で
ある。図6に示すように前記磁極部26を形成した後、
前記磁極部26の両側端面26b、26bを図示Z方向
に対して斜めに傾いた方向Cからイオンミリング(サイ
ドトリミング)し、前記磁極部26のトラック幅方向
(図示X方向)の幅寸法をさらに小さくし適切に狭トラ
ック化に対応可能な薄膜磁気ヘッドとする工程を施す。
【0100】本発明では、前記磁極部26の後端面26
aは、前記第2下部コア層21の後端面21aよりも
「薄膜磁気ヘッドの前端面」側(図示Y方向とは逆方向
側)に位置しているから、前記第2下部コア層21の後
端面21aよりハイト側(図示Y方向側)に形成された
絶縁材料層22は、上記したサイドトリミングのとき、
レジスト層などのマスク層50で覆われており、従って
前記サイドトリミングのときに前記絶縁材料層22がイ
オンミリングによって削られることを適切に防止するこ
とができる。従って本発明では前記サイドトリミングに
よって前記磁極部26の両側端面26bに前記絶縁材料
層22が削られて飛来する絶縁元素の付着膜が付着する
といった問題は発生しない。
【0101】よって本発明では、従来のように(図19
を参照されたい)、前記磁極部26の両側端面26bに
絶縁元素の付着膜が付くことで、前記磁極部26のトラ
ック幅形状が不安定化するといったこともなく、所定の
形状で且つ所定のトラック幅Twを有する磁極部26を
形成することが可能である。磁極部26の両側端面26
bは図4に示すように、第2下部コア層21表面から垂
直方向(図示Z方向)に延びて形成されていることが好
ましいが、若干、図示Z方向に向うにしたがってトラッ
ク幅方向の幅寸法が広がる形状等であってもかまわな
い。本発明では図19に示す従来例のように、磁極部の
両側端面がうねらないようにできればよい。なお前記ト
ラック幅Twは、0.1μm以上で0.5μm以下であ
ることが好ましい。
【0102】なお図4及び図6に示すように、前記下部
磁極層27の基端からトラック幅方向(図示X方向)に
向けて形成される前記第2下部コア層21の両側端面2
1bは、前記下部磁極層27からトラック幅方向に離れ
るにしたがって徐々に前記第2下部コア層21の膜厚が
小さくなる傾斜面、あるいは湾曲面で形成される。この
傾斜面あるいは湾曲面は、図6に示すC方向からのサイ
ドトリミングを施すことによって形成されるものであ
る。
【0103】以上のように本発明では磁極部26を所定
のトラック幅形状で形成できることから製品毎にギャッ
プ近傍から漏れる漏れ磁界の強さが不安定化するといっ
た品質上の問題は発生せず、ギャップ近傍からの記録磁
界の強さが安定している薄膜磁気ヘッドを歩留まり良く
形成することができる。
【0104】また図1のように、前記磁極部26の後端
面26aが前記第2下部コア層21の後端面21aより
前記前端面側に位置すると、第1下部コア層20、第2
下部コア層21及び下部磁極層27の順に各層の後端面
が、前記前端面側に近づく構造にできるから、第1下部
コア層20から前記下部磁極層27に導かれる記録磁界
を、前記第1下部コア層20側から前記下部磁極層27
側にかけて適切に絞り込むことができ、前記ギャップ近
傍から漏れる記録磁界の強度を適切に強めることができ
る。
【0105】また図1のように、磁極部26の後端面2
6aが前記第2下部コア層21の後端面21aより前記
前端面側に位置するとき、ギャップデプス(Gd)は、
前記磁極部26の前記前端面から後端面26aまでの長
さ寸法で設定される。前記磁極部26の後端面26aを
第2下部コア層21の後端面21aよりも前端面側に位
置させると、前記第2下部コア層21の後端面21aよ
りハイト側に位置させる場合に比べて、前記上部磁極層
29と上部コア層35との接触面積は小さくなるように
思えるが、本発明では上記したように、磁極部26の後
端面26aを第2下部コア層21表面から垂直方向に延
びる垂直面で形成でき、前記上部磁極層29の表面を適
切な平坦化面で形成できること、また以下に説明するよ
うな磁極部26形状を形成することで、前記上部磁極層
29と上部コア層35間の接触面積を減らすこと無く、
前記上部コア層35から上部磁極層29へ適切に記録磁
界を導くことができ、ギャップ近傍から漏れる記録磁界
の強度を強めることが可能になるのである。
【0106】前記磁極部26の平面形状について図6を
参照しながら以下に説明する。図6に示すように、前記
磁極部26は前記「薄膜磁気ヘッドの前端面」からハイ
ト方向(図示Y方向)にかけてトラック幅方向(図示X
方向)の幅寸法が所定の幅寸法で形成された先端部26
cと、この先端部26cの基端26c1からハイト方向
後方(図示Y方向)に向けて、前記トラック幅方向(図
示X方向)の幅寸法が広がる後端部26dとで構成され
ている。なお前記先端部26cの幅寸法は全ての領域に
おいて一律の寸法でなくてもよく、例えば前記前端面か
らハイト方向に向うにしたがって若干、幅寸法が広がる
ような形状であってもかまわない。
【0107】図6の実施形態では、前記磁極部26の
「薄膜磁気ヘッドの前端面」から後端面26aまでのハ
イト方向(図示Y方向)への長さ寸法でギャップデプス
(Gd)が決定されており、この実施形態では、このギ
ャップデプス内に前記磁極部26のストレート部となる
先端部26cが形成されている。
【0108】例えば図16に示す従来例ように、磁極部
6の下側にGd決め層2が形成される場合は、ギャップ
デプス(Gd)は前記Gd決め層2の前端面2aから
「薄膜磁気ヘッドの前端面」までの長さ寸法で決定さ
れ、前記磁極部6に図6のようなストレート部となる先
端部が設けられている場合、この先端部の基端は、前記
Gd決め層2の前端面2aの位置と図示Z方向にて同じ
位置か、あるいは前記先端部の基端は、Gd決め層2の
前端面2aよりハイト方向後方(図示Y方向)に位置し
ていた。すなわち従来では、磁極部におけるストレート
部の長さ≧ギャップデプス(Gd)の関係になってい
た。
【0109】これに対し本発明では、Gd決め層を前記
磁極部26の下側に形成せず、この磁極部26のハイト
方向(図示Y方向)への長さ寸法でギャップデプス(G
d)を規定することができることで、前記磁極部26の
ストレート部となる先端部26cの基端26c1を、前
記ギャップデプスの後端よりも「薄膜磁気ヘッドの前端
面」側に位置させることが可能になる。前記ストレート
部となる先端部26cのハイト方向(図示Y方向)への
長さ寸法L2は0.3μm以上で1.2μm以下である
ことが好ましい。
【0110】上記のように前記ギャップデプスの後端よ
りもストレート部となる先端部26cの基端26c1が
「薄膜磁気ヘッドの前端面」側にあると、磁気飽和が生
じ難い磁極部26を形成でき、オーバーライト特性等の
諸特性の向上を図りやすくなる。
【0111】なおストレート部となる先端部26cを上
記した寸法値内に短く形成し、これによって、より適切
に磁気飽和を抑制できる。
【0112】また図6に示すように、前記磁極部26の
後端部26dは、トラック幅方向(図示X方向)の幅寸
法がハイト方向(図示Y方向)に向けて漸次的に広がる
形状であり、例えば前記後端部26dのトラック幅方向
(図示X方向)における両側端面26eは湾曲面であっ
たり傾斜面で形成される。
【0113】これによって前記後端部26dの上面の面
積を大きくすることができ、上部コア層35との接触面
積を大きくすることができる。
【0114】ところで図1に示す実施形態のように、磁
極部26が下部磁極層27、ギャップ層28及び上部磁
極層29の3層構造で且つ第2下部コア層21を有する
構造の場合、図2(本発明における第2実施形態の薄膜
磁気ヘッドの部分縦断面図)に示すように、前記磁極部
26の後端面26aが、前記第2下部コア層21の後端
面21aよりハイト側(図示Y方向)に形成されていて
もよい。かかる場合、図1の場合に比べて、磁極部26
の両側端面26bに、前記絶縁材料層22がサイドトリ
ミングの際に一部削られたことによって飛来する絶縁元
素の付着膜が付着しやすくなるが、その付着膜の膜の厚
さは非常に薄く、後で説明する図3の構造の場合に比べ
て、前記付着膜の付着によるトラック幅形状の不安定化
は小さく、狭トラック化を適切に促進させることができ
るものと考えられる。
【0115】その理由は、図1や図2のように磁極部2
6を下部磁極層27、ギャップ層28及び上部磁極層2
9の3層構造でメッキ形成すると、従来例の図18ない
し図20で説明した矢印A方向からのデプストリミング
は必要なく、サイドトリミングだけで、トラック幅形状
を形成できるからである。
【0116】サイドトリミングは図6で説明したように
図示Z方向に対し斜め方向からミリングを行うから、図
示Z方向とほぼ同じ方向からミリングするデプストリミ
ングに比べて、前記磁極部26の後方に広がる絶縁材料
層22が前記サイドトリミングの影響を受けて削られ難
く、よって前記サイドトリミングによって削られる前記
絶縁材料層22の量は、デプストリミングの場合に比べ
て少ない。
【0117】従ってサイドトリミングしか行わない図2
の場合、前記磁極部26の後端面26aが、第2下部コ
ア層21の後端面21aよりもハイト側(図示Y方向
側)に位置していても、前記磁極部26の両側端面26
bに付着する絶縁材料層22の付着量は少なく、所定の
形状で且つ所定のトラック幅Twでトラック幅形状を形
成しやすいのである。
【0118】ただし当然に、図1のように前記磁極部2
6の後端面26aを第2下部コア層21の後端面21a
より「薄膜磁気ヘッドの前端面」側に位置させる方が、
より所定の形状且つ所定のトラック幅Twでトラック幅
形状を形成でき、狭トラック化に適切に対応可能な薄膜
磁気ヘッドを形成できて好ましいことは言うまでもな
い。
【0119】なお図2のように、前記磁極部26の後端
面26aが、前記第2下部コア層21の後端面21aよ
りハイト方向後方(図示Y方向)に位置している場合、
ギャップデプス(Gd)は、前記第2下部コア層21の
「薄膜磁気ヘッドの前端面」から後端面21aまでの長
さ寸法で決定されるが、かかる場合でも、前記磁極部2
6に形成されたストレート部からなる先端部26cの基
端26c1は、前記ギャップデプス(Gd)の後端より
も前記前端面側に位置することが好ましい。
【0120】次に図1に示す第1コイル層24の形成位
置について以下に説明する。図1に示すように前記絶縁
材料層22にはコイル形成溝22bが形成され、このコ
イル形成溝22b上に第1コイル層24が形成されてい
る。このようにコイル形成溝22bを形成してその上に
第1コイル層24を形成することの利点は、前記第1コ
イル層24の各導体部の体積を大きくすることができる
からである。
【0121】上記したように本発明では、従来のように
Gd決め層が設けられていないから磁極部26の全体膜
厚を従来に比べて薄く形成しても前記磁極部26を構成
する上部磁極層29の体積を所定の大きさに保つことが
できる。
【0122】しかし前記磁極部26の膜厚を薄くする
と、絶縁材料層22にコイル形成溝22bが形成されて
いない場合、表面が前記磁極部26の表面と同一平面上
で形成される第1コイル層24の膜厚もまた薄くなり、
前記第1コイル層24の各導体部の体積は小さくなって
しまう。このため本発明では前記絶縁材料層22上にコ
イル形成溝22bを形成し、前記第1コイル層24の各
導体部の体積を大きくできるようにしたのである。これ
により所定の大きさの記録磁界を発生させることができ
る。
【0123】ただし前記コイル形成溝22bが形成され
ておらず、絶縁材料層22は一定の膜厚で形成され、そ
の前記絶縁材料層22上に第1コイル層24が形成され
た形態であってもかまわない。
【0124】また図1では前記第1コイル層24の表面
は、磁極部26表面と同一平面状で形成されているが、
前記第1コイル層24表面が前記磁極部26表面より低
い位置に形成され、前記第1コイル層24上を覆う絶縁
層表面と前記磁極部26表面とが同一平面状で形成され
ていてもよい。
【0125】図3は図1に示す実施形態とは異なる構造
の第3実施形態の薄膜磁気ヘッドの縦断面図である。
【0126】図3に示す薄膜磁気ヘッドは図1に示す薄
膜磁気ヘッドと異なり、前記第2下部コア層21上から
ハイト方向後方(図示Y方向)の絶縁材料層22上に長
く延ばされたギャップ層41が形成され、このギャップ
層41の上に第2上部コア層42が形成されている。前
記第2上部コア層42上には上部コア層(第1上部コア
層)35の先端部25aが磁気的に接続された状態にあ
る。
【0127】前記ギャップ層41は、例えばAl23
SiO2等の絶縁材料から形成されいるが、図1で説明
したギャップ層28と同様に非磁性導電材料で形成され
ていてもよい。前記ギャップ層41がAl23などの絶
縁材料で形成される場合には、前記ギャップ層41はス
パッタ法や蒸着法などによって形成される。
【0128】図3に示す薄膜磁気ヘッドでは、前記第2
上部コア層42の後端面42aが、前記第2下部コア層
21の後端面21aよりも「薄膜磁気ヘッドの前端面」
側に形成されており、ギャップデプス(Gd)が前記第
2上部コア層42の前記前端面から前記後端面42aま
での長さ寸法で決定される。
【0129】図3に示す実施形態では、前記第2上部コ
ア層42を(メッキ)形成した後に、デプストリミング
及びサイドトリミングを施す。その工程は図7(図3に
示す薄膜磁気ヘッドの部分斜視図)に示されている。図
7に示すように、前記第2上部コア層42の後端面42
aよりハイト方向後方(図示Y方向)は、レジストなど
によるマスク層50によって覆われている。上記したよ
うに前記第2上部コア層42の後端面42aは、第2下
部コア層21の後端面21aよりも「薄膜磁気ヘッドの
前端面」側に位置しているから、前記第2上部コア層4
2の後端面42aよりハイト側(図示Y方向側)を前記
マスク層50で覆うことによって前記第2下部コア層2
1よりもハイト側に広がっている絶縁材料層22の後方
領域22cは前記マスク層50で完全に覆われることに
なる。
【0130】このため、前記第2上部コア層42のトラ
ック幅方向(図示X方向)の両側に露出するギャップ層
41及び第2下部コア層21の一部を、前記第1下部コ
ア層20表面に対しほぼ垂直方向(図示Z方向)からの
ミリング方向Dを有するイオンミリングによって削り込
み、前記第2下部コア層21に前記第2上部コア層42
側に突出する突出部21cを形成するデプストリミング
工程、および前記第2上部コア層42の両側端面42b
を前記第1下部コア層20表面の垂直方向に対し斜めに
傾いたミリング方向Eを有するイオンミリングによって
削り、前記第2上部コア層42のトラック幅方向の幅寸
法をさらに小さくして狭トラック化の適正化を図るため
のサイドトリミング工程においても、前記絶縁材料層2
2の後方領域22cは上記したイオンミリング工程で削
られることがなく、よって従来のように、前記後方領域
22cがイオンミリングで削られたことによって飛来し
た絶縁元素の付着膜が前記第2上部コア層42の両側端
面42bに付着するといった不具合は発生しない。
【0131】このため本発明では、前記第2上部コア層
42のトラック幅形状を所定の形状且つ所定の幅寸法で
形成することができ、ギャップ近傍から漏れる記録磁界
の強さを安定した強いものにでき、狭トラック化におい
ても適切に高記録密度化を図ることが可能な薄膜磁気ヘ
ッドを製造することができる。図3に示す薄膜磁気ヘッ
ドを「薄膜磁気ヘッドの前端面」(正面)側から見た図
5では、前記第2上部コア層42の両側端面42bは、
第1下部コア層20表面から垂直方向(図示Z方向)に
延びる垂直面として形成されているが、前記両側端面4
2bは、第1上部コア層35の先端部35aに向うにし
たがって徐々にトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法
が広がる傾斜面あるいは湾曲面で形成されていてもかま
わない。本発明では図19に示す従来例のように第2上
部コア層の両側端面がうねって形成されないように、前
記両側端面42bを形成できればよい。
【0132】なお図5及び図7に示すように、前記第2
下部コア層21に形成された突出部21cの基端21c
1からトラック幅方向(図示X方向)に向けて形成され
る前記第2下部コア層21の両側端面21bは、前記突
出部21cからトラック幅方向に離れるにしたがって徐
々に前記第2下部コア層21の膜厚が小さくなる傾斜
面、あるいは湾曲面で形成される。この傾斜面あるいは
湾曲面は、図7に示すE方向からのサイドトリミングを
施すことによって形成されるものである。
【0133】またこの実施形態では、図7に示すよう
に、前記第2上部コア層42及びその下に形成されてい
るギャップ層41、突出部21cは「薄膜磁気ヘッドの
前端面」からハイト方向(図示Y方向)にかけてトラッ
ク幅方向(図示X方向)の幅寸法が所定の幅寸法で形成
された先端部42cと、この先端部42cの基端42c
1からハイト方向後方(図示Y方向)に向けて、前記ト
ラック幅方向(図示X方向)の幅寸法が広がる後端部4
2dとで構成されている。なお前記先端部42cの両側
端面42bは、前記前端面からハイト方向に向けてトラ
ック幅方向(図示X方向)の幅寸法が若干広がる傾斜面
や湾曲面で形成されていてもよい。
【0134】図7の実施形態では、前記第2上部コア層
42の「薄膜磁気ヘッドの前端面」から後端面42aま
でのハイト方向(図示Y方向)への長さ寸法でギャップ
デプス(Gd)が決定されており、この実施形態では、
このギャップデプスの後端よりも前記第2上部コア層4
2のストレート部となる先端部42cの基端42c1の
方を前記「薄膜磁気ヘッドの前端面」側に位置させるこ
とができる。これによりギャップデプス(Gd)よりも
短いストレート部(先端部42c)を前記第2上部コア
層42に形成することが可能になる。前記ストレート部
となる先端部42cのハイト方向(図示Y方向)への長
さ寸法L2は0.3μm以上で1.2μm以下であるこ
とが好ましい。
【0135】上記のように前記ギャップデプス(Gd)
の後端よりもストレート部となる先端部42cの基端4
2c1が「薄膜磁気ヘッドの前端面」側にあると、磁気
飽和が生じ難い第2上部コア層42を形成でき、オーバ
ーライト特性等の諸特性の向上を図りやすくなる。
【0136】また図7に示すように、前記第2上部コア
層42の後端部42dは、トラック幅方向(図示X方
向)の幅寸法がハイト方向(図示Y方向)に向けて広が
る形状であり、これによって前記後端部42dの上面の
面積を大きくすることができ、上部コア層35との接触
面積を大きくすることができる。前記幅寸法は漸次的に
広がっていることが好ましい。また前記後端部42dの
トラック幅方向(図示X方向)における両側端面42e
は、傾斜面であってもよいし図7に示すような湾曲面で
あってもよい。
【0137】図8ないし図15は、図1に示す形状の薄
膜磁気ヘッドの製造方法を示す一工程図である。なお各
図は製造工程中の薄膜磁気ヘッドの部分縦断面図であ
る。
【0138】図8に示す工程では、NiFe系合金など
の磁性材料からなる第1下部コア層20をメッキ形成し
た後、前記第1下部コア層20上であって、「薄膜磁気
ヘッドの前端面」からハイト方向(図示Y方向)にかけ
て所定の長さ寸法で第2下部コア層21を形成する。前
記第2下部コア層21は例えばメッキで形成される。な
お図8に示す「薄膜磁気ヘッドの前端面」の位置は、図
1に示す「薄膜磁気ヘッドの前端面」の位置と異なって
いる。すなわち最終の図15工程で、薄膜磁気ヘッドの
前端面はハイト方向(図示Y方向)にH−H面まで削ら
れ、その削られた面が図1に示す「薄膜磁気ヘッドの前
端面」となる。
【0139】図8工程では、前記第2下部コア層21の
形成と同時に、第1バックギャップ層23も前記第1下
部コア層20上に形成することが好ましい。前記第1バ
ックギャップ層23も前記第2下部コア層21と同様に
メッキ形成されることが好ましい。
【0140】次に前記第2下部コア層21上から前記第
1下部コア層20上及び第1バックギャップ層23上に
かけてAl23やSiO2などの絶縁材料で形成された
絶縁材料層22をスパッタ法あるいは蒸着法等で形成す
る。
【0141】次に前記絶縁材料層22及び第2下部コア
層21及び第1バックギャップ層23を図8に示すF−
F面まで例えばCMP技術等を用いて削り込み、図9に
示すように、前記第2下部コア層21表面、前記絶縁材
料層22表面及び第1バックギャップ層23表面を同一
平面に形成する。
【0142】図10に示す工程では、前記第2下部コア
層21、絶縁材料層22及び第1バックギャップ層23
上にレジスト層52を形成した後、前記レジスト層52
の「薄膜磁気ヘッドの前端面」側に露光現像によって磁
極部26形状のパターン52aを形成する。
【0143】従来では前記磁極部26の下側にGd決め
層を設けていたため、磁極部26を構成する上部磁極層
の特に後端側の体積が急激に小さくなるといった不具合
があり、このため前記レジスト層52の膜厚を厚く形成
して深いパターン52aを形成し、前記上部磁極層の体
積が所定の大きさになるようにする必要性があったが、
本発明では、Gd決め層を設けていないため、上記のよ
うな不具合は発生せず、したがって前記レジスト層52
の膜厚を従来より薄く形成しても、磁極部26を構成す
る上部磁極層29の体積を所定の大きさに確保しやす
い。
【0144】よって本発明では、前記レジスト層52を
薄く形成し、具体的には2.5μm以上で4.5μm以
下で形成することができ、これによって露光現像時にお
けるパターン精度を向上させることができ、前記レジス
ト層52に形成される磁極部26形状のパターン52a
を狭トラック化に対応可能なように所定の大きさで形成
することができる。
【0145】またこの工程では、前記パターン52aの
後端面52bが、前記第2下部コア層21の後端面21
aより「薄膜磁気ヘッドの前端面」側に位置するよう
に、前記パターン52aを形成することが好ましい。
【0146】前記レジスト層52にパターン52aを露
光現像で形成した後、前記パターン52a内に下から下
部磁極層27、ギャップ層28及び上部磁極層29の順
に連続して各層をメッキ形成する。本発明では前記磁極
部26の全体膜厚を2.0μm以上で4.0μm以下で
形成することが好ましい。このように本発明では前記磁
極部26の全体膜厚を薄く形成できる。
【0147】また本発明では前記ギャップ層28もメッ
キ形成するので、前記ギャップ層28をメッキ形成可能
な非磁性導電材料で形成することが好ましい。具体的に
は、前記ギャップ層28を、NiP、NiPd、Ni
W、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crの
うち1種または2種以上からなる非磁性導電材料で形成
することが好ましい。前記非磁性導電材料のうち本発明
では特にNiPをギャップ層28として用いることが好
ましい。NiPは組成比によって適切に非磁性の性質を
帯び、また表面を平坦化しやすく、さらに前記ギャップ
層28上に形成される上部磁極層29の結晶性を良好に
保つことができるなど、優れた特性を有している。
【0148】前記磁極部26をメッキ形成した後、前記
レジスト層52を除去する。次に本発明では、既に説明
した図6に示すように、前記磁極部26のハイト方向後
方(図示Y方向)にレジストなどからなるマスク層50
を設け、前記磁極部26のトラック幅方向(図示X方
向)の両側端面26b、26bを、図示C方向からサイ
ドトリミングし、前記磁極部26のトラック幅方向にお
ける幅寸法をさらに小さくし、前記上部磁極層29のト
ラック幅方向の幅寸法で決定されるトラック幅Twを所
定の幅寸法内に収める。本発明では前記トラック幅Tw
は0.1μm以上で0.5μm以下であることが好まし
い。
【0149】本発明では磁極部26の後端面26aが第
2下部コア層21の後端面21aより「記録媒体との対
向面」側に位置し、サイドトリミング時に前記磁極部2
6の後端面26a側がマスク層50で覆われることで、
上記のサイドトリミングによって前記絶縁材料層22は
削られ難くなり、よって前記絶縁材料層22を構成する
絶縁元素の付着膜が前記磁極部26の両側端面26bに
付着するといった不具合を解消でき、前記磁極部26を
所定のトラック幅形状で且つ所定のトラック幅Twで形
成することが可能になる。
【0150】本発明では、前記磁極部26をメッキ形成
した後、前記第1バックギャップ層23の上に、レジス
ト層(図示しない)を用いて第2バックギャップ層31
を形成することが好ましい。
【0151】次に図11に示す工程では、前記第2下部
コア層21と第1バックギャップ層23間に形成された
絶縁材料層22表面をエッチング等で削り込み(この
際、エッチングの影響を受けないように磁極部26や第
2バックギャップ層31上等はレジスト層で覆ってお
く)、前記絶縁材料層22表面にコイル形成溝22bを
形成する。なおこのコイル形成溝22bの形成は、例え
ば図9工程後、磁極部26形成前に行ってもよい。また
前記コイル形成溝22bを形成しなくてもよい。
【0152】そして前記コイル形成溝22b上に第1コ
イル層24をパターン形成し、前記第1コイル層24の
各導体部間をレジストなどで形成されたコイル絶縁層2
5で埋め、また前記第1コイル層24上を前記コイル絶
縁層25で覆う。
【0153】図12工程では、前記磁極部26上から前
記コイル絶縁層25上、および第2バックギャップ層3
1上にかけてAl23やSiO2などの絶縁材料で形成
された絶縁層30をスパッタ法や蒸着法によって形成す
る。
【0154】そして前記上部磁極層29、第1コイル層
24、絶縁層30、コイル絶縁層25及び第2バックギ
ャップ層31表面が同一平面になるまで各層をG−G平
面までCMP技術等により削り込む。削り込みが終了し
た時点での薄膜磁気ヘッドの構造が図13である。
【0155】次に図14に示す工程では、前記第1コイ
ル層24上及びコイル絶縁層25上に、レジストなどか
らなる有機絶縁層32を形成した後、前記有機絶縁層3
2上に第2コイル層33をパターン形成する。さらに前
記第2コイル層33上をレジストなどからなる有機絶縁
層34で覆い、このとき前記有機絶縁層34に、前記第
2バックギャップ層31上にまで貫通する穴部34aを
形成する。
【0156】次に図15に示す工程では、前記上部磁極
層29上から前記有機絶縁層34上、および前記有機絶
縁層34に形成された穴部34aから露出した第2バッ
クギャップ層31上にかけて上部コア層35を例えばフ
レームメッキ法等により形成する。これによって前記上
部コア層35の先端部35aを上部磁極層29上に、前
記上部コア層35の基端部35bを前記第2バックギャ
ップ層31上に磁気的に接続させることができる。
【0157】次に図15に示すように、前記薄膜磁気ヘ
ッドの記録媒体側の先端部分をH−H平面まで削り込
み、これによって前記磁極部26のハイト方向(図示Y
方向)への長さ寸法で決定されるギャップデプス(G
d)を所定の長さ寸法内に収まるようにする。なお図1
5に示す薄膜磁気ヘッドのH−H平面が図1に示す「薄
膜磁気ヘッドの前端面」となる。
【0158】図15に示すH−H平面までの研削工程が
終了すると図1に示す構造の薄膜磁気ヘッドが完成す
る。
【0159】図2に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法は、
図8、9工程を施した後、図10工程でレジスト層52
に磁極部26形状のパターン52aを形成する際に、前
記パターン52aの後端面52bを、前記第2下部コア
層21の後端面21aよりハイト方向(図示Y方向)後
方に位置させればよい。これによって前記パターン52
a内に下から下部磁極層27、ギャップ層28及び上部
磁極層29からなる磁極部26をメッキ形成すると、図
2のように前記磁極部26の後端面26aが、前記第2
下部コア層21の後端面21aよりもハイト方向後方
(図示Y方向)に位置し、その後、図11工程ないし図
15工程を施すことで、図2に示す構造の薄膜磁気ヘッ
ドが完成する。
【0160】図3に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法は、
まず図8、図9工程を施した後、図9に示す第2下部コ
ア層21上及び絶縁材料層22上にAl23やSiO2
などからなるギャップ層41をスパッタあるいは蒸着法
等によって形成する。
【0161】次にレジスト層を用いて前記ギャップ層4
1の上に第2上部コア層42をメッキ形成する。このと
き前記第2上部コア層42の後端面42aが前記第2下
部コア層21の後端面21aよりも「薄膜磁気ヘッドの
前端面」側に位置するように、前記第2上部コア層42
を形成する。
【0162】その次は既に図7で説明した通り、前記第
2上部コア層42のトラック幅方向(図示X方向)の両
側に露出したギャップ層41及び第2下部コア層21の
一部を図示D方向からのデプストリミングで削り込み、
前記第2下部コア層21に前記第2上部コア層42側に
突き出す突出部21cを形成し、次に前記第2上部コア
層42、ギャップ層41及び突出部21cの両側端面を
図示E方向からのサイドトリミングで削り、前記第2上
部コア層42のトラック幅方向の幅寸法で決定されるト
ラック幅Twを所定寸法内に小さくする。その後は図1
1ないし図15工程と同じ工程を施す。
【0163】また図1に示す構造の薄膜磁気ヘッドにお
いて、磁極部26をギャップ層28と上部磁極部29の
2層構造で形成してもよいが、かかる場合、デプストリ
ミングも施し、第2下部コア層21に突出部を形成し
て、サイドフリンジングをより効果的に防止できる薄膜
磁気ヘッドを製造することが好ましい。
【0164】以上、詳述した本発明における薄膜磁気ヘ
ッドは、例えばハードディスク装置などに搭載される磁
気ヘッド装置に内蔵される。前記薄膜磁気ヘッドは浮上
式磁気ヘッドあるいは接触式磁気ヘッドのどちらに内蔵
されたものでもよい。また前記薄膜磁気ヘッドはハード
ディスク装置以外にも磁気センサ等に使用できる。
【0165】
【発明の効果】以上、詳細に説明した本発明の第1の発
明では、下から下部磁極層、ギャップ層、及び上部磁極
層の順に積層された磁極部と第1下部コア層との間に第
2下部コア層が形成された形態であり、この発明では従
来例のように、Gd決め層は設けられていない。
【0166】従って本発明では、磁極部を略矩形状で適
切に形成しやすく、従来のようにGd決め層が設けられ
ていることによるギャップ層の湾曲化の問題や、上部磁
極層の体積低減の問題等は発生しない。
【0167】さらにこの発明では従来と異なって磁極部
の下には第2下部コア層が設けられており、下部磁極層
側での磁気飽和を適切に解消することができる構造とな
っている。
【0168】よって上記した第1の本発明では、ギャッ
プ近傍での記録磁界強度を安定化させて強くでき、狭ト
ラック化に適切に対応可能な薄膜磁気ヘッド(インダク
ティブヘッド)を製造することが可能である。
【0169】また本発明における第2の発明では、第1
下部コア層上に第2下部コア層が形成され、前記第2下
部コア層上にギャップ層を介して第2上部コア層が形成
された形態であり、前記第2上部コア層の後端面は、前
記第2下部コア層の後端面よりも前記前端面側に位置し
ている。
【0170】このため、前記第2上部コア層及び第2下
部コア層に対してデプストリミング及びサイドトリミン
グを施す工程において、前記第2上部コア層のトラック
幅方向の両側端面に、従来のように絶縁材料製の付着物
が付着するといった不具合は発生しにくく、したがって
トラック幅形状を所定形状で形成しやすく、ギャップ近
傍からの記録磁界強度が安定して強い狭トラック化に優
れた薄膜磁気ヘッド(インダクティブヘッド)を製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施の形態の薄膜磁気ヘ
ッドの構造を示す部分縦断面図、
【図2】本発明における第2の実施の形態の薄膜磁気ヘ
ッドの構造を示す部分縦断面図、
【図3】本発明における第3の実施の形態の薄膜磁気ヘ
ッドの構造を示す部分縦断面図、
【図4】図1、2に示す薄膜磁気ヘッドの部分正面図、
【図5】図3に示す薄膜磁気ヘッドの部分正面図、
【図6】図1に示す薄膜磁気ヘッドの部分斜視図、
【図7】図3に示す薄膜磁気ヘッドの部分斜視図、
【図8】本発明の図1の薄膜磁気ヘッドの製造方法を示
す一工程図、
【図9】図8に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図10】図9に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図11】図10に示す工程の次に行なわれる一工程
図、
【図12】図11に示す工程の次に行なわれる一工程
図、
【図13】図12に示す工程の次に行なわれる一工程
図、
【図14】図13に示す工程の次に行なわれる一工程
図、
【図15】図14に示す工程の次に行なわれる一工程
図、
【図16】従来における薄膜磁気ヘッドの構造を示す部
分縦断面図、
【図17】図16に示す薄膜磁気ヘッドの部分拡大縦断
面図、
【図18】従来における別の薄膜磁気ヘッドの部分縦断
面図、
【図19】図18に示す薄膜磁気ヘッドの部分正面図、
【図20】図18、図19に示す薄膜磁気ヘッドの部分
斜視図、
【符号の説明】
20 第1下部コア層 21 第2下部コア層 22 絶縁材料層 26 磁極部 26c (磁極部の)先端部 26d (磁極部の)後端部 27 下部磁極層 28、41 ギャップ層 29 上部磁極層 35 上部コア層(第1上部コア層) 42 第2上部コア層 50 マスク層 52 レジスト層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D033 BA08 BA12 BA21 BA22 BA32 BA41 CA01 CA05 DA04 DA07 DA31

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1下部コア層と、前記第1下部コア層
    上に薄膜磁気ヘッドの前端面からハイト方向に所定の長
    さで形成された第2下部コア層と、前記第2下部コア層
    のハイト方向後方に形成された絶縁層と、前記第2下部
    コア層上、あるいは前記第2下部コア層上及び絶縁層上
    に、前記前端面からハイト方向後方に所定の長さ寸法で
    形成され、下から下部磁極層、ギャップ層、及び上部磁
    極層の順、又は下からギャップ層及び上部磁極層の順に
    積層された磁極部と、前記上部磁極層の上に形成された
    上部コア層とを有してなることを特徴とする薄膜磁気ヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】 前記磁極部の後端面は、前記第2下部コ
    ア層表面に対して垂直方向に延びた垂直面で形成されて
    いる請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記磁極部の後端面は、前記第2下部コ
    ア層の後端面よりも前記前端面側に形成されている請求
    項1または2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 第1下部コア層と、前記第1コア層上で
    あって薄膜磁気ヘッドの前端面からハイト方向に所定の
    長さで形成された第2下部コア層と、前記第2下部コア
    層のハイト方向後方に形成された絶縁層と、前記第2下
    部コア層上に形成されたギャップ層と、前記ギャップ層
    上に前記前端面からハイト方向後方に所定の長さ寸法で
    形成された第2上部コア層と、前記第2上部コア層の上
    に形成された第1上部コア層とを有し、前記第2上部コ
    ア層の後端面は、前記第2下部コア層の後端面よりも前
    記前端面側に位置していることを特徴とする薄膜磁気ヘ
    ッド。
  5. 【請求項5】 前記第2上部コア層の後端面は、前記第
    2下部コア層表面に対して垂直方向に延びた垂直面で形
    成されている請求項4記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記磁極部あるいは第2上部コア層は、
    前記前端面からハイト方向にかけてトラック幅方向に所
    定の幅寸法で形成された先端部と、この先端部の基端か
    らハイト方向にかけて、前記トラック幅方向への幅寸法
    が広がる後端部とで構成されている請求項3ないし5の
    いずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記ギャップ層は、非磁性導電材料で形
    成される請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜磁気
    ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記ギャップ層は、NiP、NiPd、
    NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、C
    rのうち1種または2種以上からなる請求項7記載の薄
    膜磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記絶縁層にはコイル形成溝が形成さ
    れ、前記コイル形成溝内にコイル層が設けられ、前記コ
    イル層の表面と、前記磁極部あるいは第2上部コア層の
    表面とは同一平面で形成される請求項1ないし8のいず
    れかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】 以下の工程を有することを特徴とする
    薄膜磁気ヘッドの製造方法。 (a)第1下部コア層上に、薄膜磁気ヘッドの前端面か
    らハイト方向にかけて所定長さの第2下部コア層をメッ
    キ形成する工程と、(b)前記第2下部コア層の後端面
    からハイト方向にかけて前記第1下部コア層上に絶縁層
    を形成する工程と、(c)前記第2下部コア層上に、前
    記前端面からハイト方向にかけて下から下部磁極層、ギ
    ャップ層及び上部磁極層の順で、あるいは下からギャッ
    プ層及び上部磁極層の順で各層を連続メッキ形成して磁
    極部を形成し、このとき前記磁極部の後端面を前記第2
    下部コア層の後端面より前記前端面側に位置させる工程
    と、(d)前記磁極部よりもハイト方向後方に位置する
    絶縁層上にコイル層を形成し、前記コイル層上を第2絶
    縁層で覆う工程と、(e)前記上部磁極層上からハイト
    方向後方に上部コア層を形成する工程。
  11. 【請求項11】 前記(c)工程で、前記磁極部の後端
    面を第2下部コア層表面から垂直面として形成する請求
    項10記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記(d)工程にかえて以下の工程を
    有する請求項10または11に記載の薄膜磁気ヘッドの
    製造方法。 (f)前記磁極部よりもハイト方向後方に位置する絶縁
    層にコイル形成溝を形成する工程と、(g)前記コイル
    形成溝上にコイル層を形成し、前記コイル層上をコイル
    絶縁層で覆う工程と、(h)前記磁極部表面、およびコ
    イル層表面が同じ平坦化面になるまで、前記磁極部、コ
    イル層、およびコイル絶縁層表面を削る工程。
  13. 【請求項13】 前記ギャップ層を、非磁性導電材料で
    メッキ形成する請求項10ないし12のいずれかに記載
    の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記ギャップ層を、NiP、NiP
    d、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、R
    u、Crのうち1種または2種以上からなる非磁性導電
    材料でメッキ形成する請求項13記載の薄膜磁気ヘッド
    の製造方法。
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