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JP2003103762A - パッチ測定装置およびそれを組み込んだ印刷装置 - Google Patents

パッチ測定装置およびそれを組み込んだ印刷装置

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JP2003103762A
JP2003103762A JP2002167609A JP2002167609A JP2003103762A JP 2003103762 A JP2003103762 A JP 2003103762A JP 2002167609 A JP2002167609 A JP 2002167609A JP 2002167609 A JP2002167609 A JP 2002167609A JP 2003103762 A JP2003103762 A JP 2003103762A
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JP
Japan
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pixels
color density
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JP2002167609A
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Takaharu Yamamoto
隆治 山本
Takeshi Okuda
剛 奥田
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コントロールストリップを構成するパッチの
位置を正確に検出して、正確な色濃度情報を測定できる
パッチ測定装置を提供することである。 【解決手段】 パッチ測定装置27において、データ格
納部271は、印刷物上のコントロールストリップを含
む印刷物画像データを格納する。パッチ位置検出部27
3は、データ格納部271に格納される印刷物画像デー
タを構成する画素の値に基づいて、パッチの位置を検出
する。色濃度測定部274は、パッチ位置検出部273
により位置検出されたパッチの色濃度を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パッチ測定装置に
関し、より特定的には、印刷装置に組み込むことが可能
であり、用紙上に印刷されたコントロールストリップを
構成するパッチの色濃度を測定するパッチ測定装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷対象となる画像を表す印刷画
像データに基づいて印刷版上に画像を形成する製版装置
(印刷版記録装置)、いわゆるCTP(Compute
r−To−Plate)装置を機内に組み込んだ印刷装
置が実用化されている。このような印刷装置によれば、
印刷画像データから直接印刷物を得ることができるの
で、典型的には、作業時間が短い多品種少部数印刷に適
している。しかしながら、以上の印刷装置では、熟練度
の低いオペレータが容易に扱えるように製版工程などが
自動化されているが、印刷工程におけるインキまたは湿
し水の供給量の調整については更なる自動化が望まれて
いる。
【0003】そこで、インキ等の供給量の自動制御を実
現した印刷装置としては、例えば、特許第282433
4号公報に開示されている。以下、この公報に開示され
たものを、第1の印刷装置と称する。第1の印刷装置
は、インキ供給量を調整する基準となる印刷物を表す基
準画像データを予め保持している。さらに、第1の印刷
装置は、内部に備える圧胴上で印刷物を作成した後、作
成された印刷物を表す印刷物画像データを生成する。さ
らに、第1の印刷装置は、生成した印刷物画像データ
と、上述の基準画像データとを比較することにより、イ
ンキまたは湿し水の供給量の過不足を判断する。この判
断結果に従って、第1の印刷装置は、インキ供給量を自
動的に調整する。
【0004】しかしながら、実際の印刷物から生成され
た印刷物画像データのサイズは大きく、さらに、上記基
準画像データも同様に大きなサイズを有するので、上記
第1の印刷装置では、当該基準画像データと、上記画像
データとの比較には時間がかかるという問題点があっ
た。また、予め基準画像データを準備しなければならな
いという問題点もあった。以上の点から、第1の印刷装
置は、多品種少部数印刷のように瞬発力の要求されるよ
うな作業には不向きであると言える。
【0005】そこで、短時間でインキ供給量を調整でき
るように、出願人は、印刷物上に、印刷対象となる画像
とは別に、いくつかのパッチからなるコントロールスト
リップと基準マークとを印刷して、内部に備える撮像装
置により、当該コントロールストリップと基準マークと
を含む印刷物画像データを生成するような第2の印刷装
置を考案した。第2の印刷装置は、さらに、印刷物画像
データを基礎として、印刷されたパッチの濃度および/
または網パーセントに代表される色濃度情報を測定する
パッチ測定装置を備えている。印刷装置は、パッチ測定
装置で得られた色濃度情報と、予め設定された基準値と
比較して、インキまたは湿し水の供給量の過不足を判断
する。この判断結果に従って、第2の印刷装置は、イン
キ等の供給量を調整する。
【0006】ここで、以上のパッチ測定装置の具体的な
動作を説明する。図12(a)は、第2の印刷装置によ
り得られる印刷物Sを示す図である。第2の印刷装置で
は、印刷用紙上に、図12(a)に示すような画像im
が印刷され、その後に、4つのコントロールストリップ
cs1〜cs4と、3つの基準マークrm1〜rm3と
が印刷される。なお、以下において、4つのコントロー
ルストリップcs1〜cs4を総称する場合には、コン
トロールストリップcsと記載する。また、3つの基準
マークrm1〜rm3を総称する場合には、基準マーク
rmと記載する。
【0007】ところで、上述の画像imは、印刷用紙の
先頭から、予め定められた咥え量fだけ離れた位置(以
下、印刷開始位置と称する)から印刷され始める。より
具体的には、画像imは、自身の印刷開始位置から、矢
印で示す印刷送り方向へと印刷されていく。また、画像
imにおいて、上記印刷送り方向に沿うサイズはmであ
り、画像サイズに基づいて設定される。また、各コント
ロールストリップcsおよび基準マークrmは、画像i
mの後端から予め定められた距離nだけ離れた位置から
印刷され始める。
【0008】図12(a)に示すように、各コントロー
ルストリップcsは、典型的には、印刷用紙において、
上記印刷送り方向に垂直な印刷幅方向に、予め定められ
た間隔をおいて印刷され、予め定められた順番に配置さ
れる長方形状のパッチを複数個含んでいる。各パッチ
は、予め定められた濃度および色で印刷される網点、万
線、またはベタパッチである。ここで、図12(b)に
は、上述のパッチの1例として、パッチpc1が描かれ
ている。
【0009】また、基準マークrm1は、図12(a)
に示すように、隣り合う2つのコントロールストリップ
cs2およびcs3の間に配置される。他の基準マーク
rm2ならびにrm3は、コントロールストリップcs
1およびcs2の間、ならびにコントロールストリップ
cs3およびcs4の間に配置される。以上の基準マー
クrm1〜rm3は、コントロールストリップcs1〜
cs4の位置を検出するための基準であり、典型的に
は、図12(b)に示すように、上述の印刷送り方向に
平行な2本のバーb1およびb2と、当該バーb1およ
びb2の間に配置される十字マークcとからなる。この
ような十字マークcの交点pを基準として、印刷送り方
向および印刷幅方向に、所定距離だけ離れた位置に、上
述の各パッチは印刷される。例えば、上述のパッチpc
1は、その中心が、基準マークrm1の交点pから印刷
送り方向に距離aだけ離れ、印刷幅方向に距離bだけ離
れた位置に印刷される。
【0010】以上のような印刷物Sを表す印刷物画像デ
ータは、印刷装置内で撮像されることによって生成さ
れ、パッチ測定装置に渡される。今、パッチ測定装置に
おける処理対象が上述のパッチpc1であると仮定する
と、当該パッチ測定装置は、まず、基準マークrm1の
交点pを検出する。さらに、検出した交点pから、印刷
送り方向に距離a、印刷幅方向に距離bだけ離れた位置
が、処理対象のパッチpc1の中心位置と、パッチ測定
装置は推定する。その後、パッチ測定装置は、推定した
位置のパッチpc1の色濃度情報を測定する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】次に、以上のようなパ
ッチ測定装置が抱える課題について説明する。上述した
ように、コントロールストリップcsは、印刷幅方向に
並ぶ複数のパッチからなる。例えば、印刷装置にインキ
のキー数が15個ある場合には、パッチの総数は60個
以上になる。しかしながら、かかる総数と比較して、印
刷用紙上に印刷される基準マークrmの総数は圧倒的に
少ない。これは、パッチpcと基準マークrmとを印刷
するスペース上の制限のためであり、仮に基準マークr
mの個数を多くしたとしても、その場合には、基準マー
クrmの検出回数が増えてしまい、結局は、色濃度情報
の測定に時間がかかってしまう。以上の点から、基準マ
ークrmの総数は少ない方が好ましい。しかしながら、
基準マークrmから各パッチへの距離は予め設定されて
いるが、基準マークrmの総数を少なくすると、当該距
離には誤差が生じやすくなる。かかる誤差は、基準マー
クrmから遠くに位置するパッチほど大きくなる。以上
の誤差により、パッチ測定装置は、パッチの中心から外
れた箇所の色濃度情報を測定し、その結果、不正確な色
濃度情報を測定してしまう場合があるという問題点があ
った。
【0012】さらに、上述の印刷装置では、印刷物Sを
撮像装置が読み取ることにより、印刷物画像データが作
成される。しかしながら、上述の印刷装置では、走行中
の印刷物Sを読み取るため、その読み取り位置にばらつ
きが生じるとともに、印刷物Sの搬送時におけるばたつ
き等に起因して、印刷物画像データにおいて、本来は長
方形状であるパッチを構成する画素の集まりが、平行四
辺形や菱形に変形する場合がある。かかる場合、印刷物
画像データから検出された交点pの位置に、印刷送り方
向に距離aおよび印刷幅方向に距離bが加算されたとし
ても、パッチpc1の中心を正しく示さないことが多
い。以上のことからも、従来のパッチ測定装置では、パ
ッチの中心から外れた箇所の色濃度情報を測定し、その
結果、正確な色濃度情報が測定されない場合がある。
【0013】それ故に、本発明の目的は、印刷物上の読
み取り位置が異なったり、当該印刷物がばたついたりし
ても、コントロールストリップを構成するパッチの位置
を正確に検出して、正確な色濃度情報を測定できるパッ
チ測定装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記目
的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特
徴を有している。第1の発明は、用紙上に印刷されたコ
ントロールストリップを構成するパッチの色濃度を測定
するパッチ測定装置であって、撮像装置により、用紙上
のコントロールストリップを含む領域の画像データが生
成され、撮像装置から送信されてくる画像データを格納
する格納部と、格納部に格納される画像データを構成す
る画素の値に基づいて、パッチの位置を検出する位置検
出部と、位置検出部により位置検出されたパッチの位置
にある画素の値に基づいてパッチの色濃度を測定する色
濃度測定部とを備える。
【0015】第2の発明は第1の発明に従属しており、
画像データは、パッチを表す画素を含む。位置検出部
は、格納部に格納される画像データに基づいて、パッチ
およびその周辺を表す所定数の画素の値からなるデータ
列を、所定数だけ抽出するデータ列抽出部と、データ列
抽出部により抽出された各データ列毎に、当該データ列
を構成する画素の値の分布状況を算出する算出部とを含
む。算出部により算出された分布状況に基づいて、位置
検出部は、パッチの位置を検出する。
【0016】第3の発明は第2の発明に従属しており、
算出部は、所定の関数に、各データ列を構成する画素の
値を代入して、分布状況の尖度を算出する。位置検出部
は、算出部により算出された尖度に基づいて、パッチの
中心を検出する。色濃度測定部は、位置検出部により検
出されたパッチの中心の位置の画素の値に基づいてパッ
チの色濃度を測定する。
【0017】第4の発明は第3の発明に従属しており、
関数はKurt関数である。
【0018】第1〜第4の発明によれば、位置検出部
は、従来のように基準マークに対するパッチの相対位置
だけでパッチの位置を特定するのではなく、画像データ
を構成する画素から直接的にパッチの位置を検出する。
これによって、パッチの位置を正確に検出することが可
能となり、その結果、正確な色濃度情報を測定できるパ
ッチ測定装置を提供できるようになる。
【0019】第5の発明は第2の発明に従属しており、
用紙にはさらに基準マークが印刷され、当該基準マーク
からパッチまでの距離は予め定められている。画像デー
タは、基準マークを表す画素を含む。パッチ測定装置は
さらに、格納部に格納された画像データに基づいて、基
準マークを検出するマーク検出部を備える。また、位置
検出部はさらに、格納部に格納された画像データから、
マーク検出部により検出された基準マークを基準として
パッチおよび当該パッチの周囲を構成する画素を抽出す
る画素抽出部とを含む。データ列抽出部は、画素抽出部
により抽出された画素から、パッチを含む所定数の画素
の値で構成されるデータ列を所定数だけ抽出する。
【0020】第5の発明によれば、画素抽出部は、予め
定められている基準マークに対するパッチの位置に基づ
いて、パッチおよび当該パッチの周囲を構成する画素を
抽出する。つまり、画素抽出部が。おおまかにパッチお
よびその周囲の画素を選択する。その後、位置検出部
は、以上のような画素抽出部により抽出された画素か
ら、パッチの位置を検出する。これによって、パッチの
位置を、すばやくかつ正確に検出することが可能とな
る。
【0021】第6の発明は第5の発明に従属しており、
用紙上に印刷されるパッチは長方形状である。画像デー
タは、パッチを表すM×N個(MおよびNは自然数)の
画素を含んでおり、当該パッチは、その第1の辺方向に
M個の画素を実質的に含み、さらに、当該第1の辺方向
に垂直な第2の辺方向にN個の画素を実質的に含む。画
素抽出部は、格納部に格納された画像データから、マー
ク検出部により検出された基準マークを基準として、パ
ッチおよび当該パッチの周囲を構成する、P×Q個の画
素の値を抽出する。ここで、Pは、第1の辺方向に含ま
れる画素の個数で、Qは、第2の辺方向に含まれる画素
の個数である。データ列抽出部は、画素抽出部により抽
出された第1の辺方向に並ぶP個の画素の列から、R個
(RはPよりも小さな自然数)の画素の値からなるデー
タ列を順次第1の辺方向に画素をずらせて複数個抽出す
る。ここで、複数のデータ列のそれぞれには、互いに異
なる画素の値がR個含まれる。算出部は、複数のデータ
列毎に、当該データ列を構成するR個の画素の値を、所
定のKurt関数に代入して、分布状況の尖度を算出す
る。位置検出部は、算出部により算出された分布状況の
尖度に基づいて、第2の辺方向に並ぶ各列毎にパッチの
中心を検出する。
【0022】第6の発明によれば、画素抽出部は、予め
定められている基準マークに対するパッチの位置に基づ
いて、パッチおよび当該パッチの周囲を構成する画素を
抽出する。つまり、画素抽出部が、おおまかにパッチお
よびその周囲の画素をP×Q個選択する。その後、位置
検出部は、以上のような画素抽出部により抽出されたP
×Q個の画素から、パッチの位置を検出する。これによ
って、位置検出部は、パッチの中心位置を、すばやくか
つ正確に検出することが可能となる。
【0023】第7の発明は、第6の発明に従属してお
り、Rは、奇数でありかつMよりも大きい。第7の発明
によれば、データ列抽出部は、パッチの第1の辺よりも
大きくかつ奇数個のR個の画素を抽出する。これによっ
て、位置検出部は、パッチの中心位置を的確に検出する
ことが可能となる。
【0024】第8の発明は、印刷対象の画像と、コント
ロールストリップとを用紙上に印刷する印刷装置であっ
て、印刷対象となる画像を表す第1の画像データが外部
から与えられ、当該第1の画像データに基づいて印刷版
上に、当該印刷対象となる画像およびコントロールスト
リップを形成する製版機構と、製版機構により作成され
た印刷版に、少なくともインキを塗布して、当該インキ
が塗布された印刷版から用紙へと、印刷対象の画像およ
びコントロールストリップを転写して印刷する印刷機構
と、印刷機構において、印刷対象の画像およびコントロ
ールストリップが印刷された用紙を撮像して、コントロ
ールストリップを含む領域の第2の画像データを生成す
る撮像装置と、撮像装置により生成された第2の画像デ
ータに基づいて、コントロールストリップを構成するパ
ッチの色濃度を測定するパッチ測定装置とを備える。こ
こで、パッチ測定装置は、撮像装置により生成された第
2の画像データを格納する格納部と、格納部に格納され
る第2の画像データを構成する画素の値に基づいて、パ
ッチの位置を検出する位置検出部と、位置検出部により
位置検出されたパッチの位置の画素の値に基づいてパッ
チの色濃度を測定する色濃度測定部とを含む。印刷機構
はさらに、パッチ測定装置により測定されたパッチの色
濃度に基づいて、印刷版に塗布するインキの量を調整す
る。
【0025】第9の発明は、用紙上に印刷されたコント
ロールストリップを構成するパッチの色濃度を測定する
パッチ測定方法であって、用紙上のコントロールストリ
ップを含む領域の画像データをメモリに格納する格納ス
テップと、格納ステップで格納された画像データを構成
する画素の値に基づいて、パッチの位置を検出する位置
検出ステップと、位置検出ステップにより位置検出され
たパッチの位置の画素の値に基づいてパッチの色濃度を
測定する色濃度測定ステップとを備える。
【0026】第10の発明は第9の発明に従属してお
り、画像データは、パッチを表す画素を含む。位置検出
ステップは、格納ステップで格納される画像データに基
づいて、パッチおよびその周辺を表す所定数の画素の値
からなるデータ列を、所定数だけ抽出するデータ列抽出
ステップと、データ列抽出ステップで抽出された各デー
タ列毎に、当該データ列を構成する画素の値の分布状況
を算出する算出ステップとを含む。位置検出ステップ
は、算出ステップにより算出された分布状況に基づい
て、パッチの位置を検出する。
【0027】第11の発明は第10の発明に従属してお
り、算出ステップは、所定の関数に、各データ列を構成
する画素の値を代入して、分布状況の尖度を算出する。
位置検出ステップは、算出ステップにより算出された尖
度に基づいて、パッチの中心を検出する。色濃度測定ス
テップは、位置検出ステップで検出されたパッチの中心
の位置の画素の値に基づいてパッチの色濃度を測定す
る。
【0028】第12の発明は、用紙上に印刷されたコン
トロールストリップを構成するパッチの色濃度を測定す
るコンピュータに実行させるためのパッチ測定プログラ
ムであって、用紙上のコントロールストリップを含む領
域の画像データをメモリに格納する格納ステップと、格
納ステップで格納された画像データを構成する画素の値
に基づいて、パッチの位置を検出する位置検出ステップ
と、位置検出ステップにより位置検出されたパッチの位
置の画素の値に基づいてパッチの色濃度を測定する色濃
度測定ステップとを備える。
【0029】第13の発明は第12の発明に従属してお
り、画像データは、パッチを表す画素を含む。位置検出
ステップは、格納ステップで格納される画像データに基
づいて、パッチおよびその周辺を表す所定数の画素の値
からなるデータ列を、所定数だけ抽出するデータ列抽出
ステップと、データ列抽出ステップで抽出された各デー
タ列毎に、当該データ列を構成する画素の値の分布状況
を算出する算出ステップとを含む。位置検出ステップ
は、算出ステップにより算出された分布状況に基づい
て、パッチの位置を検出する。
【0030】第14の発明は第13の発明に従属してお
り、算出ステップは、所定の関数に、各データ列を構成
する画素の値を代入して、分布状況の尖度を算出する。
位置検出ステップは、算出ステップにより算出された尖
度に基づいて、パッチの中心を検出する。色濃度測定ス
テップは、位置検出ステップで検出されたパッチの中心
の位置の画素の値に基づいてパッチの色濃度を測定す
る。
【0031】第9〜第14の発明によれば、位置検出ス
テップは、従来のように基準マークに対するパッチの相
対位置だけでパッチの位置を特定するのではなく、画像
データを構成する画素から直接的にパッチの位置を検出
する。これによって、パッチの位置を正確に検出するこ
とが可能となり、その結果、色濃度測定ステップは、正
確な色濃度情報を測定できるようになる。
【0032】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態に係
るパッチ測定装置27を組み込んだ印刷システムの構成
を示す機能ブロック図である。図1の印刷システムに
は、端末装置1と、印刷装置2とがネットワークを通じ
て通信可能に接続されている。
【0033】端末装置1は、CPU、主記憶、表示装
置、入力装置および補助記憶装置とを備えるコンピュー
タシステムであって、印刷装置2の外部に設置されてい
る。オペレータは、端末装置1を操作して、印刷版上に
形成される画像の基礎となる印刷画像データDpgを編
集または生成して、印刷装置2に送信する。以上の印刷
画像データDpgは、図12(a)および(b)を参照
して説明したように、印刷装置2において印刷対象とな
る画像imと、4つのコントロールストリップcs1〜
cs4と、3つの基準マークrm1〜rm3とを表す。
なお、以下において、4つのコントロールストリップc
s1〜cs4を総称する場合には、コントロールストリ
ップcsと記載する。また、3つの基準マークrm1〜
rm3を総称する場合には、基準マークrmと記載す
る。
【0034】印刷装置2は、端末装置1から受け取った
印刷画像データDpgに基づいて印刷版を作成し、作成
した印刷版に供給されるインキを、図12中の矢印で示
す印刷送り方向に印刷用紙上に転写していき、これによ
って、図12(a)に示すような画像imを印刷し、さ
らに、当該画像imに続いて、4つのコントロールスト
リップcs1〜cs4と、3つの基準マークrm1〜r
m3とが印刷される。
【0035】ここで、上述の画像imは、印刷用紙の先
頭から、予め定められた咥え量fだけ離れた位置(以
下、印刷開始位置と称する)から印刷され始める。より
具体的には、画像imは、自身の印刷開始位置から、上
記印刷送り方向へと印刷されていく。また、画像imに
おいて、印刷送り方向に沿うサイズはmであり、画像サ
イズに基づいて設定される。また、各コントロールスト
リップcsおよび基準マークrmは、画像imの後端か
ら予め定められた距離nだけ離れた位置から印刷され始
める。したがって、各コントロールストリップcsおよ
び基準マークrmの印刷物S上における大略的な位置は
簡単に求められる。
【0036】また、図12(a)に示すように、各コン
トロールストリップcsは、典型的には、印刷物Sにお
いて、上記印刷送り方向に垂直な印刷幅方向に、予め定
められた間隔をおいて印刷され、予め定められた順番に
配置される長方形状のパッチを複数個含んでいる。各パ
ッチは、予め定められた濃度および色で印刷される網
点、万線、またはベタパッチである。ここで、図12
(a)には、上述のパッチの1例として、パッチpc1
が描かれている。
【0037】また、基準マークrm1は、図12(a)
に示すように、隣り合う2つのコントロールストリップ
cs2およびcs3の間に配置される。他の基準マーク
rm2ならびにrm3は、コントロールストリップcs
1およびcs2の間、ならびにコントロールストリップ
cs3およびcs4の間に配置される。以上の基準マー
クrm1〜rm3は、コントロールストリップcs1〜
cs4の位置を検出するための基準であり、典型的に
は、図12(b)に示すように、上述の印刷送り方向に
平行な2本のバーb1およびb2と、当該バーb1およ
びb2の間に配置される十字マークcとからなる。この
ような十字マークcの交点pを基準として、印刷送り方
向および印刷幅方向に、所定距離だけ離れた位置に、上
述の各パッチは印刷される。例えば、上述のパッチpc
1は、その中心が、基準マークrm1の交点pから印刷
送り方向に距離aだけ離れ、印刷幅方向に距離bだけ離
れた位置に印刷される。また、コントロールストリップ
cs1およびcs4は、基準マークrm1の交点pを中
心に点対称に配置されるよう、上述の印刷画像データD
pgは生成される。コントロールストリップcs2およ
びcs3も同様の点対称な位置関係にある。
【0038】以下、以上のような印刷画像データDpg
を生成する端末装置1について、図2を参照してより詳
細に説明する。ここで、図2は、図1に示す端末装置1
の詳細な構成を示す機能ブロック図である。図2におい
て、端末装置1は、データ記憶部11と、カラーチャー
ト付加部12と、RIP処理部13と、配置位置演算部
14とを備えている。データ記憶部11は、上述の基準
マークrmおよびコントロールストリップcsを表すカ
ラーチャートデータDccを予め記憶する。カラーチャ
ート付加部12は、上述の印刷対象の画像imを表す対
象画像データDtgを外部から受け取る。この対象画像
データDtgは、上述したように、端末装置1で生成ま
たは編集される。カラーチャート付加部12は、受け取
った対象画像データDtgに、データ記憶部11に記憶
されているカラーチャートデータDccを付加する。R
IP処理部13は、カラーチャートデータDccが付加
された対象画像データDtgをRIP処理(Raste
r−Image−Processing)して、2値か
らなる上述の印刷画像データDpgを生成して、ネット
ワークを介して、印刷装置2の印刷制御部21に送信す
る。
【0039】さらに、本実施形態では、カラーチャート
付加部12は、予め定められた配置条件、例えば「コン
トロールストリップcsおよび基準マークrmを印刷対
象の画像imの後に続く位置に付加する」という配置条
件に従って、上述の処理を自動的に行うが、オペレータ
が手動により、コントロールストリップcs等の配置を
決定するものであってもよい。
【0040】また、配置位置演算部14は、コントロー
ルストリップcsおよび基準マークrmの位置を演算す
る。例えば、カラーチャート付加部12における配置条
件が「コントロールストリップcsおよび基準マークr
mを印刷対象の画像imの後に続く位置に付加する」で
あれば、予め定められた咥え量fと画像imの大きさm
(図12(a)参照)とを加算して、印刷用紙上におけ
るコントロールストリップcsおよび基準マークrmの
位置を演算することができる。ここで、画像imの大き
さは、端末装置1が、上述の対象画像データDtgから
直接求めても良いし、当該対象画像データDtgを実際
に生成した外部の画像データ作成装置(図示せず)から
得てもよい。以上のようにして演算した配置位置を、配
置位置演算部14は、配置位置情報Dpnとして、ネッ
トワークを介して、印刷装置2の印刷制御部21に送信
する。なお、オペレータが任意の位置にコントロールス
トリップcsおよび基準マークrmを配置した場合に
は、配置位置演算部14は、対象画像データDtgに対
するコントロールストリップcsおよび基準マークrm
の相対位置に基づいて、配置位置を演算すればよい。
【0041】ここで、再度、図1を参照する。印刷装置
2は、大略的に、印刷制御部21と、製版機構22と、
印刷機構23と、撮像装置26と、パッチ測定装置27
とを備えている。印刷制御部21は、CPU等が実装さ
れた基板等からなるコンピュータシステムであって、各
種インタフェイスを介して、製版機構22および印刷機
構23の制御を行う。典型的には、印刷制御部21は、
端末装置1からネットワークを介して印刷画像データD
pgを受信して、受信した印刷画像データDpgを製版
機構22に送信する。他の典型的な処理として、印刷制
御部21は、端末装置1からネットワークを介して配置
位置情報Dpnをパッチ測定装置27に送信する。さら
に、印刷制御部21は、後で説明するパッチ測定装置2
7からの色濃度情報Dctに基づいて、後で説明する印
刷機構23で使われるインキおよび/または湿し水の供
給量を調整するための制御情報Dclを生成する。
【0042】製版機構22は、印刷制御部21から送信
されてくる印刷画像データDpgに基づいて、印刷版上
に画像を形成する。印刷機構23は、主として、製版機
構22により形成された印刷版を使用して印刷用紙上に
インキ画像を転写する。
【0043】以下、図3の参照して、上述の製版機構2
2および印刷機構23の詳細な構成を説明する。ここ
で、図3は、図1に示す製版機構22および印刷機構2
3の側面概要図である。図3において、製版機構22
は、製版工程を受け持ち、印刷版供給部221と、画像
記録部222と、現像部223と、印刷版排出部224
とを備えている。印刷版供給部221は、詳細な構成に
関しては図示を省略しているが、供給カセットと、搬送
ローラおよび搬送ガイドと、カッターとを有する。供給
カセットは、ロール状に巻かれた未露光の印刷版を遮光
した状態で収容する。ここで、印刷版としては、一例と
して、銀塩感材が用いられる。搬送ローラおよび搬送ガ
イドは、供給カセットに収容される未露光の印刷版を引
き出して、後で説明する版胴231および232まで当
該未露光の印刷版を搬送する。カッターは、搬送ローラ
により搬送される印刷版をシート状に切断する。以上の
シート状に切断された未露光の印刷版は、後で詳細に説
明する版胴231および232により保持される。
【0044】画像記録部222は、製版機構22に与え
られた印刷画像データDpgでレーザ光をスイッチング
して、版胴231および232に保持される印刷版を露
光して、図12(a)に示す画像im、全てのコントロ
ールストリップcsおよび全ての基準マークrmを当該
印刷版上に記録する。詳細な構成に関しては図示を省略
しているが、画像記録部222は、レーザと、ポリゴン
ミラーに代表される偏向器とを有している。レーザは、
上述の印刷画像データDpgにより駆動され、当該印刷
画像データDpgでスイッチングされたレーザ光を出射
する。偏向器は、レーザから出射されたレーザ光を偏向
することにより、版胴231または232の軸方向に、
レーザ光を主走査する。さらに、主走査時、版胴231
または232が回転するので、偏向されたレーザ光は、
それぞれの回転方向に副走査される。なお、走査方式と
しては、複数のレーザを、版胴231および232の軸
方向に並ぶように併設し、当該版胴231および232
の回転にともない主走査する形式であってもよい。ま
た、画像記録部222は、露光方式以外にも、熱または
放電加工により、画像im、全てのコントロールストリ
ップcsおよび全ての基準マークrmを記録してもよ
い。
【0045】現像部223は、画像記録部222により
露光された印刷版を現像する。詳細な構成に関しては図
示を省略しているが、現像部223は、処理槽と、塗布
ローラと、移動機構とを有している。処理槽は、印刷版
の現像に必要な処理液を貯留する。塗布ローラは、処理
槽から処理液を汲み上げて、版胴231または232に
より保持される印刷版に塗布し、これによって、当該印
刷版が現像される。また、移動機構は、印刷版を現像す
る直前に、塗布ローラを、版胴231または232から
待避した位置から、それらに近接する位置へと移動させ
る。さらに、移動機構は、印刷版の現像完了後、塗布ロ
ーラを、版胴231または232に近接する位置から、
それらに退避させる。これによって、現像時にのみ、塗
布ローラは、版胴231または232に接近し、処理液
を印刷版に塗布することが可能となる。なお、画像記録
部222における画像記録方式が現像処理を必要としな
い場合には、製版機構22には現像部223は不要であ
る。
【0046】また、印刷版排出部224は、印刷機構2
3による印刷工程が終了した後、不要になった露光済み
の印刷版を排出する。詳細な構成に関しては図示を省略
しているが、印刷版排出部224は、剥離部と、搬送ロ
ーラおよび搬送ガイドと、排出カセットとを有してい
る。剥離部は、版胴231および232から、画像形成
済みを印刷版を剥離する。搬送ローラおよび搬送ガイド
は、剥離部により版胴231および232から剥がされ
た印刷版を、排出カセットまで搬送する。排出カセット
は、搬送ローラ等により搬送された印刷版を収容する。
【0047】また、図3において、印刷機構23は、印
刷工程を受け持ち、版胴231および232と、ブラン
ケット胴233および234と、圧胴235と、給紙胴
236と、排紙胴237と、湿し水供給ユニット238
と、インキ供給ユニット239と、給紙ユニット240
と、排紙ユニット241とを備えている。各版胴231
および232は、互いに同じ直径の円筒形状を有する。
また、各版胴231および232の周面上には咥えユニ
ットが設けられており、当該各咥えユニットは、2色分
の印刷版を、当該各周面上で180度対向する位置に固
定する。また、版胴231は、図示しない版胴駆動機構
により、図3中の実線で示す第1の印刷位置と二点鎖線
で示す画像記録位置との間を移動する。版胴232も、
図示しない版胴駆動機構により、図3中の実線で示す第
2の印刷位置と、上述の画像記録位置との間を移動す
る。詳細は後で説明するが、製版工程時には、版胴23
1および232は、順次交互に画像記録位置に配置され
る。
【0048】以上の画像記録位置において、版胴231
または232には、上述の印刷版供給部221により搬
送されてくる印刷版がセットされる。より具体的には、
版胴231の周面上には、図示しない咥えユニットが設
置されており、上述の画像記録位置において、当該咥え
ユニットは、印刷版供給部221により搬送されてくる
印刷版を2色分、当該周面上で180度対向する位置に
固定する。その後、上述したような製版工程が行われ、
版胴231が保持する各印刷版に、画像記録部222に
より、画像im、全てのコントロールストリップcsお
よび全ての基準マークrm(図12(a)参照)が形成
される。その後、版胴232側に対しても、版胴231
側と同様の処理が行われ、その結果、当該版胴232が
保持する2色分の印刷版には、画像記録部222によ
り、画像im、全てのコントロールストリップcsおよ
び全ての基準マークrmが形成される。また、印刷工程
時には、版胴231および232は、第1および第2の
印刷位置に配置されるが、これについての詳細は後で述
べる。
【0049】ブランケット胴233および234は、上
述の版胴231および232と実質的に同じ直径を有す
る。また、ブランケット胴233および234の周面上
には、上述の版胴231および232のそれぞれから得
られる2色分のインキ画像が転写されるブランケットが
装着される。また、ブランケット胴233は、第1の印
刷位置に位置する版胴231と当接して回転するよう
に、ブランケット胴234は、第2の印刷位置にある版
胴232と当接して回転するように配置される。
【0050】圧胴235は、上述の版胴231および2
32の2分の1の直径を実質的に有しており、当該圧胴
235の周面上には、図示しない咥えユニットが設けら
れている。咥えユニットは、図示しない開閉機構により
予め定められたタイミングで開閉され、これによって、
上述の各色分の印刷版に対応する大きさの1枚の印刷用
紙(図12(a)参照)の先頭部分を挟持する。また、
圧胴235は、上述のブランケット胴233および23
4の双方に当接して回転するように配置される。なお、
以上の圧胴235の回転軸には、エンコーダ25(図1
および図3参照)が設置されており、当該エンコーダ2
5は、一般的には、圧胴235の回転位置を検出する
が、本実施形態では、特に、当該圧胴235により保持
される印刷用紙の搬送位置を検出する。
【0051】給紙胴236は、圧胴235と実質的に同
じ直径を有しており、当該圧胴235に当接して回転す
るように配置される。また、給紙胴236の周面上に
は、圧胴235の周面上と同様に、図示しない咥えユニ
ットが固定される。咥えユニットは、圧胴235側の咥
えユニットと同期して動作し、後で説明する給紙ユニッ
ト240から供給される1枚の印刷用紙を挟持する。そ
して、給紙胴236の回転により、咥えユニットは、1
枚の印刷用紙を搬送して、圧胴235側の咥えユニット
に受け渡す。
【0052】排紙胴237は、給紙胴236と実質的に
同じ形状および構成を有する。排紙胴237の咥えユニ
ットも、給紙胴236のそれと同様に、当該圧胴235
側から搬送されてくる印刷用紙を挟持するが、当該排紙
胴237の回転により、印刷用紙を搬送して、後で説明
する排紙ユニット241に渡す点で相違する。
【0053】また、以上の第1および第2の印刷位置に
配置された版胴231および232と、ブランケット胴
233および234と、圧胴235と、給紙胴236
と、排紙胴237の端面には、各胴の直径と同じ大きさ
の駆動ギア(図示せず)が取り付けられている。また、
互いに当接し合う胴に取り付けられた駆動ギア同士は噛
合する。以上の駆動ギアを、印刷装置2に備えられる印
刷駆動用モータ(図示せず)により駆動することで、上
記7個の胴は、同期して回転する。
【0054】なお、上述したように、版胴231および
232とブランケット胴233および234は、圧胴2
35に対して2倍の周長を有する。そのため、第1およ
び第2の印刷位置にある版胴231および232と、ブ
ランケット胴233および234とが1回転する毎に、
圧胴235は2回転する。また、版胴231および23
2のそれぞれの周面には、2色分の印刷版が180度対
向する位置に固定される。したがって、圧胴235が印
刷用紙を保持したまま2回転すると、版胴231および
232により保持される4色分印刷版に形成される画像
im、各コントロールストリップcsおよび基準マーク
rmが当該印刷用紙に重畳的に転写され、これによっ
て、合計4色の多色印刷が行える。
【0055】湿し水供給ユニット238は、版胴231
および232に2組ずつ割り当てられる。一方の組は、
第1の印刷位置にある版胴231に近接して配置され、
当該版胴231により保持される2色分の印刷版に対し
て選択的に湿し水を供給する。他方の組は、第2の印刷
位置にある版胴232に近接して配置され、当該版胴2
32側の2色分の印刷版に対して選択的に湿し水を供給
する。以上のような機能を実現するために、湿し水供給
ユニット238は、詳細な構成に関しては図示を省略し
ているが、水舟と、湿し水ローラ群と、カム機構とを有
している。水舟は、湿し水を貯留する。湿し水ローラ群
は、水舟から湿し水を汲み上げて、版胴231または2
32により保持されるいずれかの印刷版に渡す。また、
カム機構は、湿し水を印刷版に供給する時、印刷版に当
接する湿し水ローラを、版胴231または232から待
避した位置から、それらに近接する位置へと移動させ
る。さらに、湿し水の供給完了後、カム機構は、印刷版
に当接する湿し水ローラを、版胴231または232に
近接する位置から、それらに退避させる。なお、印刷版
が湿し水を不要とするタイプであれば、湿し水供給ユニ
ット238は不要である。
【0056】インキ供給ユニット239は、版胴231
および232に2組ずつ割り当てられる。一方の組は、
第1の印刷位置にある版胴231に近接して配置され、
当該版胴231により保持される2色分の印刷版に対し
て選択的にインキを供給する。ここで、上記一方の組を
構成するインキ供給ユニット239の一方および他方
は、例えば、版胴231上の一方および他方の印刷版
に、K色(ブラック)およびM色(マゼンタ)のインキ
を供給する。他方の組は、第2の印刷位置にある版胴2
32に近接して配置され、当該版胴232側の2色分の
印刷版に対して選択的にインキを供給する。ここで、上
記一方の組を構成するインキ供給ユニット239の一方
および他方は、例えば、版胴231上の一方および他方
の印刷版に、C色(シアン)およびY色(イエロー)の
インキを供給する。以上のような機能を実現するため
に、各インキ供給ユニット239は、詳細な構成に関し
ては図示を省略しているが、インキ壺と、複数のインキ
ローラと、カム機構とからなる。インキ壺は、予め定め
られた色のインキを貯留しており、印刷版の印刷幅方向
の複数領域毎に当該インキを、複数のインキローラを介
して供給する。ここで、インキの供給量は、前述したよ
うに、印刷制御部21により調整される。各インキロー
ラは、インキ壺から供給されたインキを練って、印刷版
に対し供給する。また、カム機構は、インキを印刷版に
供給する時、印刷版に当接する複数のインキローラを、
版胴231または232から待避した位置から、それら
に近接する位置へと移動させる。さらに、インキの供給
完了後、カム機構は、印刷版に当接するインキローラ
を、版胴231または232に近接する位置から、それ
らに退避させる。
【0057】なお、版胴231および232が、第1お
よび第2の印刷位置から画像記録位置に移動できるよう
に、いくつかの湿し水供給ユニット238は、当該版胴
231および232の移動経路から待避できるように構
成されている。この点については、インキ供給ユニット
239についても同様である。
【0058】給紙ユニット240は、未使用の印刷用紙
を積載したパイルから印刷用紙を一枚ずつ取りだして、
給紙胴236に渡す。前述のように、圧胴235が2回
転することにより1枚の印刷用紙に印刷が行われるの
で、本実施形態では、給紙ユニット240は、給紙胴2
36が2回転する毎に、1枚の印刷用紙を給紙胴236
に供給する。なお、給紙ユニット240は、印刷用紙の
通過を光学的に検知する印刷用紙センサ24(図3参
照)を備えている。印刷用紙センサ24は、一般的に、
紙詰まりまたは2枚取りを検出するのであるが、本実施
形態では、以上の印刷用紙センサ24の検出結果に応じ
て、給紙ユニット240は、圧胴235または給紙胴2
36に印刷用紙が供給されるタイミングか、それとも、
圧胴235または給紙胴236に給紙が行われないタイ
ミングかを判断することができる。
【0059】排紙ユニット241は、印刷が完了した印
刷用紙(以下、印刷物Sと称す)を排紙胴237から受
け取って、内部に積載する。以下、排紙ユニット241
に加えて、撮像装置26の詳細について、図4を参照し
て説明する。ここで、図4は、図3に示す排紙ユニット
241および撮像装置26の詳細な構成を示す側面概要
図である。排紙ユニット241は、排紙台2401と、
2組のギア2402および2403と、2本の無端状チ
ェーン2404と、複数の咥えユニット2405とから
構成される。排紙台2401は、複数の印刷物Sを積載
可能なパレット状の部材であって、図示しない昇降機構
により上下方向に移動をする。すなわち印刷物Sが積載
されるに従って、排紙台2401は、順次下降する。こ
れによって、最も上に積載される印刷物Sの高さが一定
になるので、印刷物Sの排出を円滑にすることができ
る。2個のギア2402は、排紙胴237の両端に、当
該排紙胴237と同じ回転軸を持つように固定される。
各ギア2403は、互いに同一の回転軸を有しており、
当該回転軸と排紙胴237の回転軸とが平行に、さら
に、上述の排紙台2401の上方に配置される。各チェ
ーン2404は、排紙胴237の周長の整数倍の長さを
有しており、同じ側に配置されるギア2402および2
403にかけ回される。なお、図4は側面図である関係
で、ギア2402、ギア2403およびチェーン240
4は1個ずつしか描かれていない。
【0060】各咥えユニット2405は、2つのチェー
ン2404の間に渡って固定されている。チェーン24
04上において、互いに隣り合う咥えユニット2404
は、排紙胴237の周長と実質的に同じ間隔になるよう
固定される。また、各咥えユニット2404は、印刷物
Sを挟持するために開閉可能な爪部材を有しており、当
該爪部材は、図示しないカム機構によって排紙胴237
側の咥えユニット(図示せず)と同期して開閉するよう
に構成されており、排紙胴7から渡される印刷物Sを受
け取る。この時、2組のギア2402および2403の
回転により、チェーン2404は、排紙胴237から排
紙台2401の方向に送られる。このような送りによ
り、咥えユニット2405は、印刷物Sを搬送し、上述
の爪部材が排紙台2401上で開くことにより、当該印
刷物Sを排紙台2401に積載していく。
【0061】ところで、上述の排紙ユニット241で
は、各咥えユニット2405は、印刷物Sの先端側のみ
を挟持するので、印刷物Sの後端は固定されていない状
態で搬送される。このような搬送に起因して、印刷物S
のばたつきが発生する。本実施の形態では、印刷物Sの
ばたつきを抑制するために、排紙胴237および排紙台
2401の間に、印刷物Sの搬送状態を安定させる吸着
ローラ2406が設置される。吸着ローラ2406の外
周表面には、微細な吸着孔が多数空けられており、図示
しない真空ポンプと接続されている。吸着ローラ240
6は、その軸線が2本のチェーン2404間に掛け渡さ
れた咥えユニット2405に対し平行となり、さらに、
その上端が当該チェーン2404の下端と略同じ高さに
位置するように配置されている。なお、吸着ローラ24
06は、咥えユニット2404の移動速度に合わせて回
転するように駆動されるように、もしくは単に回転自在
に構成されている。したがって、印刷物Sは、吸着ロー
ラ2406上を通過する際に、当該吸着ローラ2406
の表面に吸着された状態で搬送される。そのため、印刷
物Sは、少なくとも、吸着ローラ2406上を通過する
際にはばたつかない。なお、吸着ローラ2406に代え
て、印刷物Sを平面的に吸着するような吸着板を採用し
てもよい。
【0062】撮像装置26は、照明ユニット2601
と、2個の撮像ユニット2602と、画像合成部260
3とから構成される。なお、図4は側面図であり、2個
の撮像装置2602は紙面の垂直方向に並ぶように配置
される関係で、同図には撮像ユニット2602は1個し
か描かれていない。照明ユニット2601は、チェーン
2404の送りにより搬送される印刷物Sを照明する。
より具体的には、照明ユニット2601は、吸着ローラ
2406の上方に、かつチェーン2404の間に配置さ
れ、当該吸着ローラ2406上の印刷物Sを照明する複
数の線状光源からなる。また、線状光源の中央部には撮
像用のスリットが形成されており、当該スリットを、線
状光源により印刷物Sに照射された光の反射光が通過す
る。
【0063】各撮像ユニット2602は、照明された印
刷物Sを、後述する読取期間設定部275が設定する読
取タイミングに基づいて、照明ユニット2601に形成
されるスリットを介して撮像して、コントロールストリ
ップcsおよび基準マークrm(図12(a)〜(b)
参照)を含む領域の印刷物画像データDpdを生成す
る。以上の機能を実現するために、撮像ユニット260
2は、遮光および防塵のための筐体2604と、ミラー
2605と、レンズ2606と、CCDラインセンサ2
607とを備える。以上のミラー2605と、レンズ2
606と、CCDラインセンサ2607とは、筐体26
04の内部に収容される。ミラー2605は、上述のス
リットを通過した光を、レンズ2606に向けて反射す
る。ミラー2605の反射光は、レンズ2606により
集められ、CCDラインセンサ2607で受光される。
なお、CCDラインセンサ2607はRGBの3色に対
応して画像を読み取る。また、本実施形態では、印刷物
Sの搬送に伴って、印刷物Sがライン毎に順次に読み取
られる。
【0064】なお、本実施形態では、2個の撮像ユニッ
ト2602は、上述したように、図4の紙面の垂直方向
に沿って併設されている。撮像ユニット2602の一方
および他方は、印刷物Sを印刷幅方向に2分割した一方
および他方を撮像して、読み取り画像データDrdをそ
れぞれ生成する。ここで、図5は、図4に示す2個の撮
像ユニット2602を詳細に説明するための図である。
以下、説明の便宜のため、図5における左側の撮像ユニ
ット2602を撮像ユニット2602Lと称し、もう一
方を撮像ユニット2602Rと称する。以上のように、
撮像ユニット2602Lおよび2602Rの撮像領域
は、概ね印刷物Sの左半分および右半分であるが、好ま
しくは、印刷物Sにおける印刷送り方向に沿う中心線の
辺りで、双方の撮像領域は重なる。以上の重複領域に、
基準マークrm1が位置するように、前述の印刷画像デ
ータDpgは生成される。
【0065】一方、基準マークrm2およびrm3は印
刷物Sの左右両端近傍に印刷され、撮像ユニット260
2Lは、基準マークrm1およびrm2を撮像し、撮像
ユニット2602Rは、基準マークrm1およびrm3
を撮像する。このように撮像ユニット2602Lおよび
2602Rのそれぞれが2つの基準マークrmを撮像す
るので、各基準マークrm1〜rm3の位置を検出する
ことにより、検出した基準マークrm1〜rm3に対し
て予め定められた位置に印刷されるコントロールストリ
ップcs1〜4の大まかな位置を検出することができ
る。なお、撮像ユニット2602Lおよび2602Rで
1枚の印刷物Sを撮像する関係上、各CCDラインセン
サ2607は、それぞれの読み取り方向が互いに一致す
るように、撮像ユニット2602Lおよび2602Rに
組み込まれている。
【0066】画像合成部2603は、2個の撮像ユニッ
ト2602から読み取り画像データDrdを受け取り、
基準マークrm1を使って位置合わせを行うことによ
り、撮像ユニット2602Lおよび2602Rにより読
みとられた読み取りデータDrdをつなぎ合わせて、1
つの印刷物画像データDpdを生成する。さらに、画像
合成部2603は、生成した印刷物画像データDpdを
パッチ測定装置27に送信する。
【0067】再度、図1を参照する。パッチ測定装置2
7は、印刷用紙上に印刷されたコントロールストリップ
csを構成するパッチの色濃度を測定する。ここで、図
6は、パッチ測定装置27の詳細な構成を示す機能ブロ
ック図である。図6において、パッチ測定部27は、デ
ータ格納部271と、基準マーク検出部272と、パッ
チ位置検出部273と、色濃度測定部274と、読取期
間設定部275とを備えている。データ格納部271
は、後述する読取期間設定部275が配置位置情報Dp
nを用いて設定した読取タイミングに基づいて上記撮像
装置26が撮像し、画像合成部2603で合成され送信
されてくる印刷物画像データDpdを格納する。基準マ
ーク検出部272は、データ格納部271に格納された
印刷物画像データDpdに対して画像処理を行って、前
述の基準マークrmにおける交点p(図12(a)〜
(b)参照)の位置を検出する。
【0068】パッチ位置検出部273は、パッチ位置推
定部2731と、画素抽出部2732と、データ列抽出
部2733と、分布状況算出部2734と、パッチ中心
検出部2735とを備えている。パッチ位置推定部27
31は、基準マーク検出部272で検出された交点pの
位置に基づいて予め定められているコントロールストリ
ップcsを構成するパッチの相対位置を推定する。画素
抽出部2732は、パッチ位置推定部2731により推
定された相対位置に基づいて、データ格納部271に格
納された印刷物画像データDpdから、1つのパッチお
よびその周辺を構成する画素を抽出する。データ列抽出
部2733は、画素抽出部2732により抽出された画
素から、予め定められた個数の画素の値からなるデータ
列を、予め定められた数だけ抽出する。分布状況算出部
2734は、データ列抽出部2733により抽出された
データ列毎に、当該データ列を構成する画素の値の分布
状況を算出する。パッチ中心検出部2735は、分布状
況算出部2734により算出された分布状況に基づい
て、上述の画素抽出部2732により抽出されたパッチ
の中心位置を検出する。上記実施例では、基準マークr
mの位置に基づいてパッチの大まかな相対位置が検出さ
れ、ついで当該相対位置で特定される画素に基づいてパ
ッチの正確な中心位置が求められることになる。
【0069】さらに、色濃度測定部274は、パッチ中
心検出部2735により検出されたパッチの中心に位置
する画素を、上述のデータ格納部271から取り出し、
印刷されたパッチの濃度および/または網パーセントに
代表される色濃度情報Dctを測定する。さらに、色濃
度測定部274は、測定した色濃度情報Dctを前述の
印刷制御部21に送信する。印刷制御部21は、前述し
たように、パッチ測定装置27からの色濃度情報Dct
に基づいて、印刷機構23で使われるインキおよび/ま
たは湿し水の供給量を調整するための制御情報Dclを
生成し出力して、インキ供給ユニット239のインキ供
給量および/または湿し水供給ユニット238の湿し水
供給量を自動的に調整する。
【0070】読取期間設定部275は、上記配置位置情
報Dpnに基づいて、上述した排紙ユニット241によ
って搬送される印刷物S上の大略的なコントロールスト
リップcsおよび基準マークrmの位置を推定し、撮像
装置26に対して撮像期間を示す読取タイミングを指示
するものである。これにより、印刷物S上のコントロー
ルストリップcsおよび基準マークrmを含む領域を印
刷物画像データDpdとして取り込むことができる。な
お、排紙ユニット241における印刷物Sの搬送位置
は、上記印刷用紙センサ24の検出信号およびエンコー
ダ25の出力信号によって、求めることができる。
【0071】次に、図1に示す印刷システムの全体的な
動作を、図7を参照して説明する。ここで、図7は、印
刷システムの印刷工程の終了までの手順を示すフローチ
ャートである。
【0072】オペレータは、端末装置1を操作して、印
刷装置2の各種設定を行う(ステップS1)。ステップ
S1で設定されるのは、今回使用する印刷画像データD
pgおよび印刷物Sの作成枚数が代表的である。さら
に、この時、端末装置1からは、印刷画像データDpg
だけでなく、前述の配置位置情報Dpnが印刷装置2の
印刷制御部21に送信される。なお、印刷画像データD
pgの送信は印刷版への画像形成に合わせてリアルタイ
ムに行われても良い。
【0073】次に、印刷装置2は、今回受信した印刷画
像データDpgが表す画像im、コントロールストリッ
プcdおよび基準マークrmを印刷版上に形成する(ス
テップS2)。ステップS2では、まず、いずれかの版
胴231および232が画像記録位置に移動し、印刷版
供給部221から搬送されてくる未露光の印刷版が、当
該画像記録位置にある版胴231または232に装着さ
れる。その後、画像記録部222は、回転する版胴23
1または232に装着された印刷版上に、印刷制御部2
1から受信した印刷画像データDpgでスイッチングさ
れたレーザ光により、画像の露光が行われる。つまり、
画像im、コントロールストリップcdおよび基準マー
クrmが印刷版上に形成される。露光終了後、現像部2
23は、前述したようにして、露光された印刷版に現像
処理を行う。現像処理の終了後、今回画像記録位置にあ
る版胴231または232は、第1または第2の印刷位
置に退避される。その後、今回第1または第2の印刷位
置にあった版胴232または231が画像記録位置に移
動させられ、上述と同様にして、当該版胴232または
231上の印刷版に対して露光および現像が行われる。
以上により製版工程が終了する。
【0074】次に、印刷装置2は、ステップS2で製版
された印刷版を使って、印刷工程が行われる(ステップ
S3)。より具体的には、まず、湿し水供給ユニット2
38が版胴231および232上の各印刷版に、所定量
の湿し水を供給し、次いで、インキ供給ユニット239
が各印刷版に対応する色のインキを所定量供給する。各
印刷版上のインキ画像は、ブランケット胴233および
234に転写される。一方、給紙ユニット240は、前
述したタイミングで1枚の印刷用紙を給紙胴236に供
給する。供給された印刷用紙は、給紙胴236から圧胴
235に渡される。印刷用紙を保持する圧胴235が2
回転する最中に、当該印刷用紙上には、ブランケット胴
233および234に転写されたインキ画像が転写され
る。その後、印刷用紙は、圧胴235から排紙胴237
に渡され、排紙ユニット241の排紙台2401に、印
刷物Sとして積載される。
【0075】次に、印刷装置2は、印刷物Sの作成枚数
がステップS1で設定されたものに達したかどうかを判
断し(ステップS4)、達していれば、図7の処理を終
了する。一方、未到達の場合には、印刷装置2は、予め
定められたサンプリング枚数毎に、パッチ測定装置27
による色濃度情報の測定を行う(ステップS5)。ステ
ップS5では、上述した色濃度情報Dctが生成され、
印刷制御部21に送信される。次に、印刷制御部21
は、パッチ測定装置27から送信されてくる色濃度情報
Dctに基づいて、上述したようなインキおよび/また
は湿し水の供給量を調整して(ステップS6)、ステッ
プS3に戻る。
【0076】次に、上述のステップS5の詳細な処理手
順を、図8を参照して説明する。ここで、図8は、図7
に示すステップS5の詳細な処理手順を示すフローチャ
ートである。図8において、まず、撮像装置26が、図
4および図5を参照して説明したようにして、印刷物画
像データDpdを生成して、パッチ測定装置27のデー
タ格納部271に格納する(ステップS11)。ここ
で、印刷物画像データDpdは、予め定められた画素数
で、図12(a)に示すコントロールストリップcsお
よび基準マークrmを含む。また、以下の説明を具体的
にするため、撮像装置26の解像度はWdpi(Xmm
/画素)であると仮定し、さらに、コントロールストリ
ップcsを構成する各パッチはYmm×Zmmの正方形
の形状を有する。ここで、Wは50、Xは0.5、Yお
よびZは5と仮定する。また、印刷物画像データDpd
において、パッチpc1は、図9(a)に示すように、
M×N個の画素で表される。上述の仮定下では、Mおよ
びNは10である。より具体的には、各パッチにおける
第1の辺方向(印刷幅方向(図12(a)および(b)
参照)に相当)にM個の画素が並んでおり、当該第1の
辺方向に垂直な第2の辺方向(つまり、印刷送り方向に
相当)にN個の画素が並んでいる。なお、以下では、以
上のパッチpc1の色濃度情報Dctを測定するものと
して、説明を続ける。
【0077】ステップS11が終了すると、パッチ測定
装置27の基準マーク検出部272は、データ格納部2
71に格納された印刷物画像データDpdに対して画像
処理を行って、前述の基準マークrm1における交点p
(図12(a)〜(b)参照)の位置を検出する(ステ
ップS12)。
【0078】次に、パッチ位置検出部273のパッチ位
置推定部2731は、基準マーク検出部272で検出さ
れた交点pの位置に対して、印刷送り方向に距離aだけ
離れ、印刷幅方向に距離bだけ離れた位置(図12
(b)参照)を、今回測定対象となるパッチpc1の位
置と推定する(ステップS13)。
【0079】次に、画素抽出部2732は、ステップS
13で推定されたパッチpc1の位置を中心基準とし
て、図9(b)に示すような、第1の辺方向に並ぶP個
の画素と、第2の辺方向に並ぶQ個の画素とで規定され
る長方形領域に含まれる画素を、データ格納部271に
格納される印刷物画像データDpdから抽出する(ステ
ップS14)。
【0080】つまり、ステップS14では、パッチpc
1およびその周辺の画素が抽出される。ここで、上述の
仮定下では、パッチpc1には第1の辺方向にM個の画
素が並んでいるから、Pは、少なくともMを超える自然
数であることが条件となる。なぜなら、基準マークrm
からパッチpc1までの第1の辺方向つまり印刷幅方向
に沿う距離には、当該パッチpc1の位置によっては、
かなりの誤差が含まれる可能性があるからである。その
ため、もし、PがMよりも小さいと仮定すると、ステッ
プS14で抽出される画素内に、測定対象のパッチpc
1が入らない可能性が高くなるからである。したがっ
て、Mが10の場合には、Pは20程度に予め設定され
ていることが好ましい。また、上述の仮定下では、パッ
チpc1には第2の辺方向にN個の画素が並んでいる
が、Qは、このNに対して制限されず、パッチpc1の
色濃度測定を行うための必要な画素数3〜5程度に設定
すればよい。なぜなら、基準マークrmからパッチpc
1までの第2の辺方向つまり印刷送り方向に沿う距離
は、当該パッチpc1の位置によらず実質的に一定で近
いから、当該距離に誤差が含まれる可能性が低いからで
ある。したがって、QはNよりも小さい自然数、Nが1
0の場合であればQが3〜5程度に設定される。
【0081】以上のステップS14の終了後、データ列
抽出部2733は、画素抽出部2732により抽出され
た画素から、予め定められたR個の画素の値からなるデ
ータ列xを、順次上記第1の辺方向に画素をずらせなが
ら抽出する(ステップS15)。すなわち、ステップS
15では、図9(b)に示すP×Q個の画素を1列がP
個の画素からなるQ列で構成されると考えると、データ
列抽出部2733は、Q本の各列毎に、第1の辺方向に
連続するR個の画素の値からなるデータ列xを順次上記
第1の辺方向に画素をずらせながら抽出する。ここで、
データ列抽出部2733は、R個の画素からなるデータ
列xの抽出を、順次上記第1の辺方向に1画素ずつずら
せて抽出するとすれば、上記Q本の各列毎に(P−R+
1)個のデータ列xを抽出することになる。なお、R
は、自然数であって、Mよりも大きな奇数であることが
好ましい。Rが奇数であるのは、後で説明するパッチ中
心検出部2735がパッチの中心位置を求めやすいから
である。また、RがM以上であるのは、後で説明する分
布状況算出部2734においてパッチの中心位置を示す
最大値候補が2個現れるからである。上述の仮定下で
は、Mは10であるから、Rは11または13程度であ
ることが好ましい。ここで、説明の便宜のため、ステッ
プS15で上記各列毎に順次上記第1の辺方向に1画素
ずつずらせて抽出されるデータ列xを、 xi=(xi1,xi2,…xiR)(iは、1〜(P−R+
1)までの自然数) と記す。
【0082】次に、分布状況算出部2734は、データ
列抽出部2733により抽出されたデータ列xiを、予
め定められた関数に代入して、当該データ列xiを構成
する画素の値(xi1,xi2,…xiR)の分布状況fi
算出する(ステップS16)。本実施形態では、次式
(1)で表されるKurt関数にデータ列xi代入し
て、データ分布の尖度が算出される。
【0083】
【数1】 ここで、上式(1)において、Sは標本標準偏差であ
り、xaveは、xi1〜xi Rの平均値である。
【0084】上述したように、分布状況算出部2734
は、上記データ分布の尖度の検出を、データ列抽出部2
733が順次上記第1の辺方向に画素をずらせて抽出し
た複数のデータ列xに対応して、それぞれ複数回行う。
次に、分布状況算出部2734は、上記第2の辺方向に
並ぶQ本の列全てに対して、同様の上記尖度の検出を当
該列毎に行う。そして、パッチ中心検出部2735は、
上記第2の辺方向に並んだQ本の列毎に、分布状況算出
部2734により算出された分布状況fiの最大値を探
索し、当該最大値を有するデータ列xiの中心の画素
を、各列におけるパッチの中心位置として検出する(ス
テップS17)。上述のように、Kurt関数が適用さ
れる場合には、ステップS17では、尖度の最大値が探
索される。
【0085】ここで、ステップS16およびS17の原
理を図10を参照して説明する。まず、図10には、濃
度100%(ベタ)の4個のパッチpc2〜pc5がB
MCY色の順番に並んでいるコントロールストリップc
sが描かれている。今、説明を簡素化するため、撮像装
置26により色分解されるRGBの内のR(赤)につい
てのみ考える。この撮像装置26が図10(a)のコン
トロールストリップを撮像したとすると、その読み取り
値つまり画素の値は、B色およびC色のパッチについて
は1であり、M色については0.5であり、Y色につい
てはほぼ0である。
【0086】今、パッチpc4に注目する。以上の実施
形態のステップS15においては、図10に示すよう
に、パッチpc4の前後P(P=20)個の画素から、
ステップS15において、R(R=11または13)個
の画素の値からなるデータ列x iが、図10の矢印a〜
cで示すような位置のデータ列x1〜x3としてステップ
S15で抽出されると仮定する。かかる仮定下では、矢
印bが最も的確にパッチpc4の画素をカバーするの
で、データ列x2のデータ分布が最も尖ることになる。
【0087】次に、色濃度測定部274は、パッチ中心
検出部2735により検出されたパッチの中心に位置す
る画素を、上述のデータ格納部271から取り出し、印
刷されたパッチの濃度および/または網パーセントに代
表される色濃度情報Dctを測定する。ここで、上記ス
テップS17において、パッチ中心検出部2735は、
Q本の各列毎にパッチの中心位置を求めている。例え
ば、Q=5として、上記各列毎のパッチの中心位置の画
素およびそれらの両側2画素を色濃度情報Dctの測定
対象画素とすれば、色濃度測定部274は、上記各列毎
にパッチ中心の5×5画素を測定対象とする。そして、
色濃度測定部274は、上記測定対象画素となった5×
5画素に対してそれぞれ濃度および/または網パーセン
ト等の画素値を求め、それらの等価平均あるいは重み付
け平均を演算し、その結果を色濃度情報Dctとする。
このように、複数画素の平均値を色濃度情報Dctとす
ることによって、パッチ毎に安定した色濃度情報Dct
を得ることができる。しかしながら、このような効果を
期待しない場合、上記測定対象画素は、上記各列毎に1
画素あるいはP×Q画素に対して1画素でもかまわな
い。そして、色濃度測定部274は、測定した色濃度情
報Dctを前述の印刷制御部21に送信する(ステップ
S18)。
【0088】次に、パッチ測定装置27は、色濃度情報
Dctを未測定のパッチが残っているか否かを判断し
(ステップS19)、残っていれば、未測定分のパッチ
の色濃度情報Dctを得るために、ステップS13に戻
る。一方、全てのパッチに対して測定が終わっていると
判断した場合には、パッチ測定装置27は図8の処理を
終了する。
【0089】印刷制御部21は、前述したように、ステ
ップS6において、パッチ測定装置27からの色濃度情
報Dctに基づいて、印刷機構23で使われるインキお
よび/または湿し水の供給量を調整するための制御情報
Dclを生成し出力して、インキ供給ユニット239の
インキ供給量および/または湿し水供給ユニット238
の湿し水供給量を自動的に調整する。
【0090】以上説明したように、本実施形態に係るパ
ッチ測定装置27によれば、従来のように基準マークに
対するパッチの相対位置だけでパッチの位置を特定する
のではなく、印刷物画像データDpdから基準マークr
mの位置に基づいて得られた画素を用いて、予め定めら
れたR個の画素の値からなる複数のデータ列xが抽出さ
れる。さらに、データ分布の尖度を算出するKurt関
数に、各データ列を代入することにより、印刷物画像デ
ータDpdから直接的に正確なパッチの中心位置を検出
することが可能となる。これによって、正確な色濃度情
報Dctを測定できるパッチ測定装置27を提供でき
る。
【0091】また、本実施形態に係るパッチ測定装置2
7によれば、たとえ、印刷物画像データDpdにおい
て、パッチが平行四辺形等に変形して表されていたとし
ても、正確に色濃度情報Dctを測定することができ
る。ここで、図11を参照して、変形したパッチに対し
て本実施形態に係るパッチ測定装置27が色濃度情報D
ctの測定対象とする画素について説明する。なお、図
11(a)は当該パッチ測定装置27が変形したパッチ
に対して色濃度情報Dctの測定対象とする画素を説明
するための図であり、図11(b)は従来の変形したパ
ッチに対して色濃度情報の測定対象とする画素を説明す
るための図である。
【0092】図11(a)において、測定対象のパッチ
pc1は、平行四辺形状に変形しており、M×Nの画素
で表されるとする。ここで、MおよびNは9である。こ
のようなパッチpc1に対して、パッチ測定装置27の
画素抽出部2732は、第1の辺方向に並ぶP個の画素
と、第2の辺方向に並ぶQ個の画素とで規定される長方
形領域P×Qを抽出する。ここで、Pは18であり、Q
は5である。そして、分布状況算出部2734は、第2
の辺方向に並ぶQ本の列全てに対して、それぞれの列毎
に順次第1の辺方向に画素をずらせてR個(この場合、
例えばR=11程度)のデータ列を抽出し、各データ列
毎にデータ分布の尖度の検出を行う。そして、パッチ中
心検出部2765は、第2の辺方向に並んだQ本の列毎
に、分布状況算出部2734により算出された上記尖度
の最大値を検索し、最大値を示した時のデータ列の中心
画素を各々のパッチ中心位置g1〜g5として検出す
る。次に、色濃度測定部274は、一例として、上記Q
本の列毎のパッチ中心位置g1〜g5の画素およびそれ
らの両側2画素の合計25画素を色濃度情報Dctの測
定対象画素pcs1とする。
【0093】つまり、測定対象画素pcs1は、上記列
毎に検出されたパッチ中心位置g1〜g5を中心とした
画素およびそれらの両側2画素で構成されるため、パッ
チpc1が変形していても、その変形に応じて上記列毎
に抽出される。したがって、パッチpc1の変形に影響
されることなく、上記列毎のパッチ中心画素のみを色濃
度情報Dctの測定対象として抽出できるため、適切な
色濃度情報Dctを得ることができる。
【0094】図11(b)において、図11(a)と同
様に測定対象のパッチpc1は、平行四辺形状に変形し
ており、M×Nの画素で表される。ここで、MおよびN
は同様に9である。そして、従来のパッチpc1の中心
の検出において、基準マークrmに対するパッチpc1
の相対位置だけで特定され、パッチpc1の中心位置g
0が検出されたとする。従来、このようなパッチ中心位
置g0に対して、当該パッチ中心位置g0を中心基準と
して、一例として正方形状の5×5画素が色濃度情報の
測定画素pcs1pとして抽出される。
【0095】このような場合、測定対象画素pcs1p
には、パッチpc1の境界画素が含まれることが考えら
れる。例えば、図11(b)のように平行四辺形状に変
形したパッチpc1に対して、正方形状の測定対象画素
pcs1pが抽出された場合、当該測定対象画素pcs
1pには境界画素e1およびe2が含まれてしまう。つ
まり、このような境界画素e1およびe2を含む測定対
象画素pcs1pを用いて色濃度情報を生成しても、上
述した本実施形態のパッチ中心画素のみを用いた色濃度
情報Dctの生成と比較すると、境界画素e1およびe
2の画素値の安定性が悪いため、これらを用いて生成さ
れた色濃度情報が不安定となる。これは、さらにパッチ
pc1の変形が大きい場合や、上述したパッチ中心位置
g0がパッチpc1の中心を正確に検出できなかった場
合は、測定対象画素pcs1pにパッチpc1以外の画
素が含まれることもあり、その場合、さらに生成される
色濃度情報は不安定となる。
【0096】このように本実施形態に係るパッチ測定装
置27によれば、第2の辺方向に並ぶQ列毎に、R個の
画素で構成されるデータ列単位で、データ分布の尖度が
算出される。これによって、パッチの変形に関わらず、
印刷物画像データDpdから直接的にパッチの中心位置
を検出することが可能となる。これによって、正確な色
濃度情報Dctを測定できるパッチ測定装置27を提供
できる。
【0097】なお、以上の実施形態では、Kurt関数
により分布状況が算出されていたが、当該Kurt関数
における定数については、前式(1)に示したものに限
定されない。また、Kurt関数を種々変形したり、ま
た、新しく他のデータの分布状況を算出可能な関数を作
成したりして、以上のパッチ測定装置27に適用しても
よい。また、以上の実施形態では、パッチの中心位置を
検出するようにしていたが、これは好ましい例であっ
て、パッチにおける他の位置を検出するようにしてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパッチ測定装置27
を組み込んだ印刷システムの構成を示す機能ブロック図
である。
【図2】図1に示す端末装置1の詳細な構成を示す機能
ブロック図である。
【図3】図1に示す製版機構22および印刷機構23の
側面概要図である。
【図4】図3に示す排紙ユニット241および撮像装置
26の詳細な構成を示す側面概要図である。
【図5】図4に示す2個の撮像ユニット2602を詳細
に説明するための図である。
【図6】図1に示すパッチ測定装置27の詳細な構成を
示す機能ブロック図である。
【図7】図1の印刷システムの印刷工程の終了までの手
順を示すフローチャートである。
【図8】図7に示すステップS5の詳細な処理手順を示
すフローチャートである。
【図9】同図(a)はパッチpc1を構成する画素を示
す図であり、同図(b)は、図7のステップS14で抽
出される画素を示す図である。
【図10】図8のステップS16およびS17の原理を
説明するための図である。
【図11】図1に示すパッチ測定装置27が変形したパ
ッチに対して色濃度情報Dctの測定対象とする画素を
説明するための図である。
【図12】従来の第2の印刷装置で印刷されるコントロ
ールストリップcsを示す図である。
【符号の説明】
1…端末装置 11…データ記憶部 12…カラーチャート付加部 13…RIP演算部 14…配置位置演算部 2…印刷装置 21…印刷制御部 22…製版機構 221…印刷版供給部 222…画像記録部 223…現像部 224…印刷版排出部 23…印刷機構 231、232…版胴 233、234…ブランケット胴 235…圧胴 236…給紙胴 237…排紙胴 238…湿し水供給ユニット 239…インキ供給ユニット 24…印刷用紙センサ 240…給紙ユニット 241…排紙ユニット 2401…排紙台 2402、2403…ギア 2404…無端状チェーン 2405…咥えユニット 2406…吸着ローラ 25…エンコーダ 26…撮像装置 2601…照明ユニット 2602…撮像ユニット 2603…画像合成部 2604…筐体 2605…ミラー 2606…レンズ 2607…CCDラインセンサ 27…パッチ測定装置 271…データ格納部 272…基準マーク検出部 273…パッチ位置検出部 2731…パッチ位置推定部 2732…画素抽出部 2733…データ列抽出部 2734…分布状況算出部 2735…パッチ中心検出部 274…色濃度測定部 275…読取期間設定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/46 H04N 1/40 D 1/60 1/46 Z (72)発明者 奥田 剛 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 Fターム(参考) 2C250 EA18 EA23 EB24 EB46 2G020 AA08 DA13 DA34 DA43 5C074 AA07 BB30 CC01 CC25 DD24 EE20 FF15 GG19 HH04 5C077 MP08 PP33 PP54 PQ12 PQ22 SS01 SS02 TT02 5C079 HB03 LA02 MA01 MA10 MA11 NA29 PA03

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 用紙上に印刷されたコントロールストリ
    ップを構成するパッチの色濃度を測定するパッチ測定装
    置であって、 撮像装置により、前記用紙上の前記コントロールストリ
    ップを含む領域の画像データが生成され、 前記撮像装置から送信されてくる画像データを格納する
    格納部と、 前記格納部に格納される画像データを構成する画素の値
    に基づいて、前記パッチの位置を検出する位置検出部
    と、 前記位置検出部により位置検出されたパッチの位置にあ
    る画素の値に基づいて前記パッチの色濃度を測定する色
    濃度測定部とを備える、パッチ測定装置。
  2. 【請求項2】 前記画像データは、前記パッチを表す画
    素を含み、 前記位置検出部は、 前記格納部に格納される画像データに基づいて、前記パ
    ッチおよびその周辺を表す所定数の画素の値からなるデ
    ータ列を、所定数だけ抽出するデータ列抽出部と、 前記データ列抽出部により抽出された各データ列毎に、
    当該データ列を構成する画素の値の分布状況を算出する
    算出部とを含み、 前記算出部により算出された分布状況に基づいて、前記
    パッチの位置を検出する、請求項1に記載のパッチ測定
    装置。
  3. 【請求項3】 前記算出部は、所定の関数に、各前記デ
    ータ列を構成する画素の値を代入して、前記分布状況の
    尖度を算出し、 前記位置検出部は、前記算出部により算出された尖度に
    基づいて、前記パッチの中心を検出し、 前記色濃度測定部は、前記位置検出部により検出された
    パッチの中心の位置の画素の値に基づいて前記パッチの
    色濃度を測定する、請求項2に記載のパッチ測定装置。
  4. 【請求項4】 前記関数は、Kurt関数である、請求
    項3に記載のパッチ測定装置。
  5. 【請求項5】 前記用紙にはさらに基準マークが印刷さ
    れ、当該基準マークから前記パッチまでの距離は予め定
    められており、 前記画像データは、前記基準マークを表す画素を含み、 前記格納部に格納された画像データに基づいて、前記基
    準マークを検出するマーク検出部をさらに備え、 前記位置検出部はさらに、 前記格納部に格納された画像データから、前記マーク検
    出部により検出された基準マークを基準として前記パッ
    チおよび当該パッチの周囲を構成する画素を抽出する画
    素抽出部を含み、 前記データ列抽出部は、前記画素抽出部により抽出され
    た画素から、前記パッチを含む所定数の画素の値で構成
    されるデータ列を所定数だけ抽出する、請求項2に記載
    のパッチ測定装置。
  6. 【請求項6】 前記用紙上に印刷される前記パッチは長
    方形状であり、 前記画像データは、前記パッチを表すM×N個(Mおよ
    びNは自然数)の画素を含んでおり、当該パッチは、そ
    の第1の辺方向にM個の画素を実質的に含み、さらに、
    当該第1の辺方向に垂直な第2の辺方向にN個の画素を
    実質的に含み、 前記画素抽出部は、前記格納部に格納された画像データ
    から、前記マーク検出部により検出された基準マークを
    基準として、前記パッチおよび当該パッチの周囲を構成
    する、P×Q個の画素の値を抽出し、当該Pは、前記第
    1の辺方向に含まれる画素の個数で、当該Qは、前記第
    2の辺方向に含まれる画素の個数であり、 前記データ列抽出部は、前記画素抽出部により抽出され
    た前記第1の辺方向に並ぶP個の画素の列から、R個
    (Rは前記Pよりも小さな自然数)の画素の値からなる
    データ列を順次前記第1の辺方向に画素をずらせて複数
    個抽出し、当該複数のデータ列のそれぞれには、互いに
    異なる画素の値がR個含まれ、 前記算出部は、前記複数のデータ列毎に、当該データ列
    を構成するR個の画素の値を、所定のKurt関数に代
    入して、前記分布状況の尖度を算出し、 前記位置検出部は、前記算出部により算出された分布状
    況の尖度に基づいて、 前記第2の辺方向に並ぶ各列毎に前記パッチの中心を検
    出する、請求項5に記載のパッチ測定装置。
  7. 【請求項7】 前記Rは、奇数であり、かつ前記Mより
    も大きい、請求項6に記載のパッチ測定装置。
  8. 【請求項8】 印刷対象の画像と、コントロールストリ
    ップとを用紙上に印刷する印刷装置であって、 前記印刷対象となる画像を表す第1の画像データが外部
    から与えられ、当該第1の画像データに基づいて印刷版
    上に、当該印刷対象となる画像およびコントロールスト
    リップを形成する製版機構と、 前記製版機構により作成された印刷版に、少なくともイ
    ンキを塗布して、当該インキが塗布された印刷版から前
    記用紙へと、前記印刷対象の画像およびコントロールス
    トリップを転写して印刷する印刷機構と、 前記印刷機構において、前記印刷対象の画像およびコン
    トロールストリップが印刷された用紙を撮像して、前記
    コントロールストリップを含む領域の第2の画像データ
    を生成する撮像装置と、 前記撮像装置により生成された第2の画像データに基づ
    いて、コントロールストリップを構成するパッチの色濃
    度を測定するパッチ測定装置とを備え、 前記パッチ測定装置は、 前記撮像装置により生成された第2の画像データを格納
    する格納部と、 前記格納部に格納される第2の画像データを構成する画
    素の値に基づいて、前記パッチの位置を検出する位置検
    出部と、 前記位置検出部により位置検出されたパッチの位置の画
    素の値に基づいて前記パッチの色濃度を測定する色濃度
    測定部とを含み、 前記印刷機構は、前記パッチ測定装置により測定された
    パッチの色濃度に基づいて、前記印刷版に塗布するイン
    キの量を調整する、印刷装置。
  9. 【請求項9】 用紙上に印刷されたコントロールストリ
    ップを構成するパッチの色濃度を測定するパッチ測定方
    法であって、 前記用紙上の前記コントロールストリップを含む領域の
    画像データをメモリに格納する格納ステップと、 前記格納ステップで格納された画像データを構成する画
    素の値に基づいて、前記パッチの位置を検出する位置検
    出ステップと、 前記位置検出ステップにより位置検出されたパッチの位
    置の画素の値に基づいて前記パッチの色濃度を測定する
    色濃度測定ステップとを備える、パッチ測定方法。
  10. 【請求項10】 前記画像データは、前記パッチを表す
    画素を含み、 前記位置検出ステップは、 前記格納ステップで格納される画像データに基づいて、
    前記パッチおよびその周辺を表す所定数の画素の値から
    なるデータ列を、所定数だけ抽出するデータ列抽出ステ
    ップと、 前記データ列抽出ステップで抽出された各データ列毎
    に、当該データ列を構成する画素の値の分布状況を算出
    する算出ステップとを含み、 前記算出ステップにより算出された分布状況に基づい
    て、前記パッチの位置を検出する、請求項9に記載のパ
    ッチ測定方法。
  11. 【請求項11】 前記算出ステップは、所定の関数に、
    各前記データ列を構成する画素の値を代入して、前記分
    布状況の尖度を算出し、 前記位置検出ステップは、前記算出ステップにより算出
    された尖度に基づいて、前記パッチの中心を検出し、 前記色濃度測定ステップは、前記位置検出ステップで検
    出されたパッチの中心の位置の画素の値に基づいて前記
    パッチの色濃度を測定する、請求項10に記載のパッチ
    測定方法。
  12. 【請求項12】 用紙上に印刷されたコントロールスト
    リップを構成するパッチの色濃度を測定するコンピュー
    タに実行させるためのパッチ測定プログラムであって、 前記用紙上の前記コントロールストリップを含む領域の
    画像データをメモリに格納する格納ステップと、 前記格納ステップで格納された画像データを構成する画
    素の値に基づいて、前記パッチの位置を検出する位置検
    出ステップと、 前記位置検出ステップにより位置検出されたパッチの位
    置の画素の値に基づいて前記パッチの色濃度を測定する
    色濃度測定ステップとを備える、パッチ測定プログラ
    ム。
  13. 【請求項13】 前記画像データは、前記パッチを表す
    画素を含み、 前記位置検出ステップは、 前記格納ステップで格納される画像データに基づいて、
    前記パッチおよびその周辺を表す所定数の画素の値から
    なるデータ列を、所定数だけ抽出するデータ列抽出ステ
    ップと、 前記データ列抽出ステップで抽出された各データ列毎
    に、当該データ列を構成する画素の値の分布状況を算出
    する算出ステップとを含み、 前記算出ステップにより算出された分布状況に基づい
    て、前記パッチの位置を検出する、請求項12に記載の
    パッチ測定プログラム。
  14. 【請求項14】 前記算出ステップは、所定の関数に、
    各前記データ列を構成する画素の値を代入して、前記分
    布状況の尖度を算出し、 前記位置検出ステップは、前記算出ステップにより算出
    された尖度に基づいて、前記パッチの中心を検出し、 前記色濃度測定ステップは、前記位置検出ステップで検
    出されたパッチの中心の位置の画素の値に基づいて前記
    パッチの色濃度を測定する、請求項13に記載のパッチ
    測定プログラム。
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