JP2003191633A - インクジェット用記録材料、およびその製造方法 - Google Patents
インクジェット用記録材料、およびその製造方法Info
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- JP2003191633A JP2003191633A JP2001399207A JP2001399207A JP2003191633A JP 2003191633 A JP2003191633 A JP 2003191633A JP 2001399207 A JP2001399207 A JP 2001399207A JP 2001399207 A JP2001399207 A JP 2001399207A JP 2003191633 A JP2003191633 A JP 2003191633A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】フォトライクな高光沢と高いインク吸収性、お
よび高湿ひび割れが良好で印字画像の耐久性や画像の経
時でのひび割れが改良されたインクジェット用記録材料
を提供する。 【解決手段】耐水性支持体上に1層以上のインク受容層
を有するインクジェット用記録材料において、該インク
ジェット用記録材料が、無機微粒子、含ホウ素化合物、
ヒドラジン誘導体、メチロールアミノ系化合物、および
ポリビニルアルコールを含有することを特徴とするイン
クジェット用記録材料。
よび高湿ひび割れが良好で印字画像の耐久性や画像の経
時でのひび割れが改良されたインクジェット用記録材料
を提供する。 【解決手段】耐水性支持体上に1層以上のインク受容層
を有するインクジェット用記録材料において、該インク
ジェット用記録材料が、無機微粒子、含ホウ素化合物、
ヒドラジン誘導体、メチロールアミノ系化合物、および
ポリビニルアルコールを含有することを特徴とするイン
クジェット用記録材料。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用
記録材料に関し、更に詳しくは、高い光沢でインク吸収
性、高湿でのひび割れ、および印字画像の耐久性が良好
で、経時での画像のひび割れが改良されたインクジェッ
ト用記録材料に関するものである。
記録材料に関し、更に詳しくは、高い光沢でインク吸収
性、高湿でのひび割れ、および印字画像の耐久性が良好
で、経時での画像のひび割れが改良されたインクジェッ
ト用記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式に使用される記
録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称
される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニルア
ルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク
吸収層を設けてなる記録材料が知られている。
録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称
される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニルア
ルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク
吸収層を設けてなる記録材料が知られている。
【0003】例えば、特開昭55−51583号、同5
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、及び同64−11877号公報等に開示のごと
く、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支
持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、及び同64−11877号公報等に開示のごと
く、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支
持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】また、特公平3−56552号、特開平2
−188287号、同平10−81064号、同平10
−119423号、同平10−175365号、同平1
0−193776号、同10−203006号、同10
−217601号、同平11−20300号、同平11
−20306号、同平11−34481号公報等公報に
は、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリ
カと称す)を用いることが開示されている。また、特開
昭62−174183号、特開平2−276670号、
特開平5−32037号、特開平6−199034号公
報等にアルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が開
示されている。開示されているアルミナ水和物、アルミ
ナ、および気相法シリカは、一次粒子の平均粒径が数十
nm以下の超微粒子であり、高い光沢と高いインク吸収
性が得られるという特徴がある。近年、フォトライクの
記録シートが要望される中、益々光沢性が重要視されて
きており、ポリオレフィン樹脂被覆紙(紙の両面にポリ
エチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートしたも
の)やポリエステルフィルム等の耐水性支持体上に気相
法シリカやアルミナ水和物を主体とするインク受容層が
塗設された記録材料が提案されている。
−188287号、同平10−81064号、同平10
−119423号、同平10−175365号、同平1
0−193776号、同10−203006号、同10
−217601号、同平11−20300号、同平11
−20306号、同平11−34481号公報等公報に
は、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリ
カと称す)を用いることが開示されている。また、特開
昭62−174183号、特開平2−276670号、
特開平5−32037号、特開平6−199034号公
報等にアルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が開
示されている。開示されているアルミナ水和物、アルミ
ナ、および気相法シリカは、一次粒子の平均粒径が数十
nm以下の超微粒子であり、高い光沢と高いインク吸収
性が得られるという特徴がある。近年、フォトライクの
記録シートが要望される中、益々光沢性が重要視されて
きており、ポリオレフィン樹脂被覆紙(紙の両面にポリ
エチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートしたも
の)やポリエステルフィルム等の耐水性支持体上に気相
法シリカやアルミナ水和物を主体とするインク受容層が
塗設された記録材料が提案されている。
【0005】従来から一般的に用いられてきた紙支持体
は、それ自体がインク吸収層としての役割を有していた
が、前述したポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持
体は、紙支持体と違ってインクを吸収することができな
いため、支持体上に設けられたインク受容層のインク吸
収性が重要であり、インク受容層の空隙率を高める必要
がある。従って、気相法シリカ等の無機微粒子の塗布量
を多くし、更に、無機微粒子に対するバインダーの比率
を低減する必要があった。
は、それ自体がインク吸収層としての役割を有していた
が、前述したポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持
体は、紙支持体と違ってインクを吸収することができな
いため、支持体上に設けられたインク受容層のインク吸
収性が重要であり、インク受容層の空隙率を高める必要
がある。従って、気相法シリカ等の無機微粒子の塗布量
を多くし、更に、無機微粒子に対するバインダーの比率
を低減する必要があった。
【0006】しかしながら、耐水性支持体に気相法シリ
カのような無機微粒子を多量に塗布し、バインダーの比
率が低い多孔質記録材料は、記録材料を高湿の環境で保
管する場合や、水が掛かった場合には未印字の記録材料
表面にひび割れが発生する問題や、印字画像が微量ガス
や光による退色の問題が有った。また、印字画像の経時
でのひび割れが発生しやすいという問題を有している。
カのような無機微粒子を多量に塗布し、バインダーの比
率が低い多孔質記録材料は、記録材料を高湿の環境で保
管する場合や、水が掛かった場合には未印字の記録材料
表面にひび割れが発生する問題や、印字画像が微量ガス
や光による退色の問題が有った。また、印字画像の経時
でのひび割れが発生しやすいという問題を有している。
【0007】特開平9−22139号、特開平11−1
15308号、特開2001−146069号公報には
微粒子と親水性バインダー含有のインク受容層上に、イ
ンク受容層塗工と同時、乾燥中、または乾燥後に架橋剤
溶液を塗布してインク吸収ムラ、乾燥時ひび割れ、脆弱
性を改良する提案がされており、特開2001−146
068号公報には無機微粒子とポリビニルアルコール含
有の多孔質インク吸収層に無機系硬化剤と有機系硬化剤
を含有させることで脆弱性を改良する提案がされている
が、何れも印字画像の経時ひび割れに関する記載や、耐
候性の改良に関する記載はされていない。特開2001
−301310号公報には高密度で60度光沢が10%
以上の紙基材にラミネート層を設けた基体に無機顔料微
粒子、水溶性樹脂、媒染剤と架橋剤を含有する色剤受容
層を積層した、光沢感が良好なインクジェット記録用シ
ートが提案されているが、画像の経時ひび割れについて
の記載は無い。特開平9−86035号公報には、ベー
マイト構造を有するアルミナ水和物とバインダーを主成
分とする多孔質インク受容層を備えた被記録媒体でイン
ク吸収速度、染料吸着能、および染料吸着速度指数を特
定範囲とすることで画像濃度と色調鮮明性を改良する提
案が有り、水酸基を架橋し得る材料をインク受容層に添
加することでインク吸収時間、インク吸収性、光学濃
度、にじみ、ビーディング、およびハジキが改良される
実施例が記載されているが、印字画像の経時ひび割れに
関する記載や、耐候性の改良の記載は無い。
15308号、特開2001−146069号公報には
微粒子と親水性バインダー含有のインク受容層上に、イ
ンク受容層塗工と同時、乾燥中、または乾燥後に架橋剤
溶液を塗布してインク吸収ムラ、乾燥時ひび割れ、脆弱
性を改良する提案がされており、特開2001−146
068号公報には無機微粒子とポリビニルアルコール含
有の多孔質インク吸収層に無機系硬化剤と有機系硬化剤
を含有させることで脆弱性を改良する提案がされている
が、何れも印字画像の経時ひび割れに関する記載や、耐
候性の改良に関する記載はされていない。特開2001
−301310号公報には高密度で60度光沢が10%
以上の紙基材にラミネート層を設けた基体に無機顔料微
粒子、水溶性樹脂、媒染剤と架橋剤を含有する色剤受容
層を積層した、光沢感が良好なインクジェット記録用シ
ートが提案されているが、画像の経時ひび割れについて
の記載は無い。特開平9−86035号公報には、ベー
マイト構造を有するアルミナ水和物とバインダーを主成
分とする多孔質インク受容層を備えた被記録媒体でイン
ク吸収速度、染料吸着能、および染料吸着速度指数を特
定範囲とすることで画像濃度と色調鮮明性を改良する提
案が有り、水酸基を架橋し得る材料をインク受容層に添
加することでインク吸収時間、インク吸収性、光学濃
度、にじみ、ビーディング、およびハジキが改良される
実施例が記載されているが、印字画像の経時ひび割れに
関する記載や、耐候性の改良の記載は無い。
【0008】また、微量ガスによる印字画像の退色防止
剤、耐光性改良剤として知られている化合物は、無機微
粒子からなる多孔質インク受容層に含有させた場合、微
量ガスによる退色を防止する効果である耐ガス性があっ
ても耐光性が悪化したり、耐光性が良くなっても耐ガス
性が悪化したりするため、耐ガス性と耐光性を共に改良
する化合物は極めて少ない。また、多孔質のインク受容
層に微量ガスによる印字画像の退色防止剤、耐光性改良
剤を添加するの場合には、印字画像の経時でのひび割れ
を助長させる傾向を有している。
剤、耐光性改良剤として知られている化合物は、無機微
粒子からなる多孔質インク受容層に含有させた場合、微
量ガスによる退色を防止する効果である耐ガス性があっ
ても耐光性が悪化したり、耐光性が良くなっても耐ガス
性が悪化したりするため、耐ガス性と耐光性を共に改良
する化合物は極めて少ない。また、多孔質のインク受容
層に微量ガスによる印字画像の退色防止剤、耐光性改良
剤を添加するの場合には、印字画像の経時でのひび割れ
を助長させる傾向を有している。
【0009】特開平8−25796号公報には、擬ベー
マイトからなる多孔質インク受容層にチオ尿素誘導体を
含有させることで耐ガス性を改良する提案がなされてお
り、耐ガス性が著しく改良され、耐光性も向上するが、
チオ尿素誘導体が人体に悪影響が懸念され、使用には制
限が有る他、画像の経時ひび割れが懸念される。特開昭
61−154989号公報には、合成シリカからなるイ
ンク受容層にヒドラジド化合物を含有させることで耐光
性が改良されることが記載されているが、耐ガス性の改
良、および悪化が懸念される画像のひび割れを改良する
手段についての記載されていない。
マイトからなる多孔質インク受容層にチオ尿素誘導体を
含有させることで耐ガス性を改良する提案がなされてお
り、耐ガス性が著しく改良され、耐光性も向上するが、
チオ尿素誘導体が人体に悪影響が懸念され、使用には制
限が有る他、画像の経時ひび割れが懸念される。特開昭
61−154989号公報には、合成シリカからなるイ
ンク受容層にヒドラジド化合物を含有させることで耐光
性が改良されることが記載されているが、耐ガス性の改
良、および悪化が懸念される画像のひび割れを改良する
手段についての記載されていない。
【0010】特開昭61−154989号公報には、ヒ
ドラジド系化合物の使用が記載されているが、高空隙の
インク受容層の場合には、耐ガス性、および耐光性の両
方を大きく改良することは極めて困難であり、特にヒド
ラジド系化合物を多孔質インク受容層へ使用することに
より印字画像の経時でのひび割れが悪化する傾向であっ
た。特開平7−314881号公報には、多孔質インク
受理層に尿素誘導体、セミカルバジド誘導体、カルボヒ
ドラジド誘導体、およびヒドラジン誘導体の少なくとも
1種を含有させることで白紙部分の変色を防止する提案
がなされているが、これらの化合物を使用することで画
像のひび割れが悪化する傾向であり、改良する手段に関
する記載が無い。
ドラジド系化合物の使用が記載されているが、高空隙の
インク受容層の場合には、耐ガス性、および耐光性の両
方を大きく改良することは極めて困難であり、特にヒド
ラジド系化合物を多孔質インク受容層へ使用することに
より印字画像の経時でのひび割れが悪化する傾向であっ
た。特開平7−314881号公報には、多孔質インク
受理層に尿素誘導体、セミカルバジド誘導体、カルボヒ
ドラジド誘導体、およびヒドラジン誘導体の少なくとも
1種を含有させることで白紙部分の変色を防止する提案
がなされているが、これらの化合物を使用することで画
像のひび割れが悪化する傾向であり、改良する手段に関
する記載が無い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高光沢性と高いインク吸収性を有し、高湿でのひび
割れや印字画像の耐久性が良好で、経時での画像ひび割
れが改良されたインクジェット用記録材料を提供するこ
とにある。
は、高光沢性と高いインク吸収性を有し、高湿でのひび
割れや印字画像の耐久性が良好で、経時での画像ひび割
れが改良されたインクジェット用記録材料を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について種々検討した結果、主として下記の手段により
本発明の目的が達成された。
について種々検討した結果、主として下記の手段により
本発明の目的が達成された。
【0013】(1)耐水性支持体上に1層以上のインク
受容層を有するインクジェット用記録材料において、該
インクジェット用記録材料が、無機微粒子、含ホウ素化
合物、ヒドラジン誘導体、メチロールアミノ系化合物、
およびポリビニルアルコールを含有することを特徴とす
るインクジェット用記録材料。
受容層を有するインクジェット用記録材料において、該
インクジェット用記録材料が、無機微粒子、含ホウ素化
合物、ヒドラジン誘導体、メチロールアミノ系化合物、
およびポリビニルアルコールを含有することを特徴とす
るインクジェット用記録材料。
【0014】(2)前記メチロールアミノ系化合物がメ
チロールメラミン系化合物である前記(1)に記載のイ
ンクジェット用記録材料。
チロールメラミン系化合物である前記(1)に記載のイ
ンクジェット用記録材料。
【0015】(3)前記メチロールアミノ系化合物がメ
チロールメラミン系化合物である前記(1)または
(2)に記載のインクジェット用記録材料。
チロールメラミン系化合物である前記(1)または
(2)に記載のインクジェット用記録材料。
【0016】(4)前記無機微粒子が平均一次粒径5〜
30nmである、気相法シリカおよびアルミナ水和物の
少なくとも1種である前記(1)〜(3)の何れか1項
に記載のインクジェット用記録材料。
30nmである、気相法シリカおよびアルミナ水和物の
少なくとも1種である前記(1)〜(3)の何れか1項
に記載のインクジェット用記録材料。
【0017】(5)前記耐水性支持体が、インク受容層
を設ける面のJIS−B0601で規定されるカットオ
トフ値0.8mmでの中心線平均粗さが0.1〜4μm
であることを特徴とする前記(1)〜(4)の何れか1
項に記載のインクジェット用記録材料。
を設ける面のJIS−B0601で規定されるカットオ
トフ値0.8mmでの中心線平均粗さが0.1〜4μm
であることを特徴とする前記(1)〜(4)の何れか1
項に記載のインクジェット用記録材料。
【0018】(6)前記(1)〜(5)の何れかに記載
のインクジェット用記録材料の製造方法であり、該イン
ク受容層を設けるための塗工液が、無機微粒子、含ホウ
素化合物、ヒドラジン誘導体、およびポリビニルアルコ
ールを含有する液にメチロールアミノ系化合物を含有す
る液を塗工の直前にインラインで添加、混合してなるこ
とを特徴とするインクジェット用記録材料の製造方法。
のインクジェット用記録材料の製造方法であり、該イン
ク受容層を設けるための塗工液が、無機微粒子、含ホウ
素化合物、ヒドラジン誘導体、およびポリビニルアルコ
ールを含有する液にメチロールアミノ系化合物を含有す
る液を塗工の直前にインラインで添加、混合してなるこ
とを特徴とするインクジェット用記録材料の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる耐水性支持体としては、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート
樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハ
ン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、および
紙の少なくとも片面にポリオレフィン樹脂をラミネート
した樹脂被覆紙が挙げられる。本発明に用いられる耐水
性支持体の厚みは、約50〜300μm程度が好まし
い。
本発明に用いられる耐水性支持体としては、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート
樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハ
ン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、および
紙の少なくとも片面にポリオレフィン樹脂をラミネート
した樹脂被覆紙が挙げられる。本発明に用いられる耐水
性支持体の厚みは、約50〜300μm程度が好まし
い。
【0020】本発明において好ましく用いられる樹脂被
覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いら
れている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真
用支持体に用いられているような平滑な原紙が好まし
い。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パ
ルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用
いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサ
イズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、
染料等の添加剤が配合される。
覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いら
れている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真
用支持体に用いられているような平滑な原紙が好まし
い。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パ
ルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用
いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサ
イズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、
染料等の添加剤が配合される。
【0021】さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布さ
れていてもよい。
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布さ
れていてもよい。
【0022】また、原紙の厚みに関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ま
しく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。ただ
し、原紙の密度は剛直性のためには1.10g/cm3
以下、好ましくは0.6〜1.05g/cm3である。
密度が小さすぎると樹脂被覆を行っても均一な表面平滑
性が得られにくい。
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ま
しく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。ただ
し、原紙の密度は剛直性のためには1.10g/cm3
以下、好ましくは0.6〜1.05g/cm3である。
密度が小さすぎると樹脂被覆を行っても均一な表面平滑
性が得られにくい。
【0023】樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィ
ン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレ
ン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上か
らなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密
度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独
にあるいはそれらを混合して使用できる。
ン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレ
ン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上か
らなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密
度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独
にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0024】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0025】本発明において好ましく用いられる支持体
である樹脂被覆紙は、ポリオレフィン樹脂の場合は、走
行する原紙上に加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる
押出コーティング法により製造され、そのおもて面また
は両面が樹脂により被覆される。また、電子線により硬
化する樹脂の場合は、グラビアコーター、ブレードコー
ターなど一般に用いられるコーターにより樹脂を塗布し
た後、電子線を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。ま
た、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処
理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。
支持体のインク受容層が塗布される面(おもて面)は、
その用途に応じて光沢面、マット面などに加工される。
裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点か
ら樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面で
あり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放
電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。
また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はないが、一
般に片面5〜50μmの厚みに表面または表裏両面にコ
ーティングされる。特に、樹脂被覆時に樹脂層表面を型
付けされたクーリングロールに押圧することや樹脂被覆
紙を型付けロールで後加工すること等により樹脂被覆紙
のインク受容層を設ける面のJIS−B0601で規定
されるカットオトフ値0.8mmでの中心線平均粗さを
0.1〜5μm、好ましくは0.1〜4μmとすること
で画像の経時ひび割れが良化される。樹脂被覆層表面が
鏡面の場合よりも上記範囲の中心線平均粗さとすること
でインク受容層と樹脂被覆層とが接する界面の面積が広
くなるのでしみ込んだインクの溶剤が界面全体に広がり
にくくなるために強度低下が少なくなるためと推測され
る。中心線平均粗さが5μmより大きいと手触りや印字
画像の見栄えが低下する。
である樹脂被覆紙は、ポリオレフィン樹脂の場合は、走
行する原紙上に加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる
押出コーティング法により製造され、そのおもて面また
は両面が樹脂により被覆される。また、電子線により硬
化する樹脂の場合は、グラビアコーター、ブレードコー
ターなど一般に用いられるコーターにより樹脂を塗布し
た後、電子線を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。ま
た、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処
理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。
支持体のインク受容層が塗布される面(おもて面)は、
その用途に応じて光沢面、マット面などに加工される。
裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点か
ら樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面で
あり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放
電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。
また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はないが、一
般に片面5〜50μmの厚みに表面または表裏両面にコ
ーティングされる。特に、樹脂被覆時に樹脂層表面を型
付けされたクーリングロールに押圧することや樹脂被覆
紙を型付けロールで後加工すること等により樹脂被覆紙
のインク受容層を設ける面のJIS−B0601で規定
されるカットオトフ値0.8mmでの中心線平均粗さを
0.1〜5μm、好ましくは0.1〜4μmとすること
で画像の経時ひび割れが良化される。樹脂被覆層表面が
鏡面の場合よりも上記範囲の中心線平均粗さとすること
でインク受容層と樹脂被覆層とが接する界面の面積が広
くなるのでしみ込んだインクの溶剤が界面全体に広がり
にくくなるために強度低下が少なくなるためと推測され
る。中心線平均粗さが5μmより大きいと手触りや印字
画像の見栄えが低下する。
【0026】本発明における支持体には帯電防止性、搬
送性、カール防止性などのために、各種のバックコート
層を塗設することができる。バックコート層には無機帯
電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテッ
クス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせ
て含有せしめることができる。また、支持体とインク受
容層との接着性や親和性を向上させるために支持体に顔
料、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤等を適宜含
有した下塗り層を設けても良い。
送性、カール防止性などのために、各種のバックコート
層を塗設することができる。バックコート層には無機帯
電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテッ
クス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせ
て含有せしめることができる。また、支持体とインク受
容層との接着性や親和性を向上させるために支持体に顔
料、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤等を適宜含
有した下塗り層を設けても良い。
【0027】本発明に用いられる無機微粒子としては、
平均一次粒径が1μm以下であり、シリカ、アルミナ、
アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等
公知の各種微粒子が挙げられるが、特にシリカ、アルミ
ナ水和物が好ましい。インク受容層には、無機微粒子を
8g/m2以上含有するのが好ましく、10〜40g/m2
の範囲で用いるのがより好ましい。この範囲より少ない
と、インク吸収性が劣る。ポリビニルアルコール量は、
無機微粒子に対して40質量%以下、好ましくは35質
量%以下であり、特に10〜25質量%が好ましい。こ
のようにポリビニルアルコールの比率を小さくすること
によって、インク吸収性は向上するが、印字画像の経時
でのひび割れが発生しやすくなるが、本発明は、両方の
性能を同時に満足させることを特徴とする。
平均一次粒径が1μm以下であり、シリカ、アルミナ、
アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等
公知の各種微粒子が挙げられるが、特にシリカ、アルミ
ナ水和物が好ましい。インク受容層には、無機微粒子を
8g/m2以上含有するのが好ましく、10〜40g/m2
の範囲で用いるのがより好ましい。この範囲より少ない
と、インク吸収性が劣る。ポリビニルアルコール量は、
無機微粒子に対して40質量%以下、好ましくは35質
量%以下であり、特に10〜25質量%が好ましい。こ
のようにポリビニルアルコールの比率を小さくすること
によって、インク吸収性は向上するが、印字画像の経時
でのひび割れが発生しやすくなるが、本発明は、両方の
性能を同時に満足させることを特徴とする。
【0028】本発明において、無機微粒子は、インク吸
収層中の主たる割合、すなわち全固形分に対して無機微
粒子を50質量%以上、好ましくは60質量%以上、よ
り好ましくは65質量%以上含有することが好ましい。
収層中の主たる割合、すなわち全固形分に対して無機微
粒子を50質量%以上、好ましくは60質量%以上、よ
り好ましくは65質量%以上含有することが好ましい。
【0029】合成シリカには、湿式法によるものと気相
法によるものがある。湿式法シリカとしては、ケイ酸
ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を
通して得られるシリカゾル、またはこのシリカゾルを
加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、シリカゾル
をゲル化させ、その生成条件を変えることによって数ミ
クロンから10ミクロン位の一次粒子がシロキサン結合
をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更には
シリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウ
ム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主
体とする合成ケイ酸化合物等がある。
法によるものがある。湿式法シリカとしては、ケイ酸
ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を
通して得られるシリカゾル、またはこのシリカゾルを
加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、シリカゾル
をゲル化させ、その生成条件を変えることによって数ミ
クロンから10ミクロン位の一次粒子がシロキサン結合
をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更には
シリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウ
ム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主
体とする合成ケイ酸化合物等がある。
【0030】気相法シリカは、湿式法に対して乾式法と
も呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られ
る。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼
して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素
の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン
等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状
態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロ
ジル株式会社からアエロジル、トクヤマ株式会社からQ
Sタイプとして市販されており入手することができる。
も呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られ
る。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼
して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素
の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン
等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状
態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロ
ジル株式会社からアエロジル、トクヤマ株式会社からQ
Sタイプとして市販されており入手することができる。
【0031】本発明に特に好ましく用いられる気相法シ
リカの一次粒子の平均粒径は、5〜30nmが好まし
く、より高い光沢を得るためには、15nm以下が好ま
しい。更に好ましくは一次粒子の平均粒径が5〜15n
mでかつBET法による比表面積が200m2/g以上の
ものを用いることである。本発明で云うBET法とは、
気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸
着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積
を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガス
が多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積
の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多
分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunau
er、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面
積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着
量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、
表面積が得られる。
リカの一次粒子の平均粒径は、5〜30nmが好まし
く、より高い光沢を得るためには、15nm以下が好ま
しい。更に好ましくは一次粒子の平均粒径が5〜15n
mでかつBET法による比表面積が200m2/g以上の
ものを用いることである。本発明で云うBET法とは、
気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸
着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積
を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガス
が多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積
の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多
分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunau
er、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面
積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着
量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、
表面積が得られる。
【0032】本発明のアルミナとしては酸化アルミニウ
ムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδ
グループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を1
0nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常
は、数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホ
モジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で微細粒子
に粉砕したものが好ましく使用出来る。
ムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδ
グループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を1
0nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常
は、数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホ
モジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で微細粒子
に粉砕したものが好ましく使用出来る。
【0033】本発明で好ましく使用されるアルミナ水和
物は、Al2O3・nH2O(n=1〜3)の構成式で表
される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和
物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイ
ト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロ
ポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、ア
ルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加
水分解等の公知の製造方法により得られる。
物は、Al2O3・nH2O(n=1〜3)の構成式で表
される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和
物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイ
ト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロ
ポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、ア
ルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加
水分解等の公知の製造方法により得られる。
【0034】本発明に用いられるアルミナ水和物の一次
粒子の平均粒径は、5〜50nmが好ましく、より高い
光沢を得るためには、5〜30nmで平均アスペクト比
(平均厚さに対する平均粒径の比)が2以上の平板状の
粒子を用いるのが好ましい。
粒子の平均粒径は、5〜50nmが好ましく、より高い
光沢を得るためには、5〜30nmで平均アスペクト比
(平均厚さに対する平均粒径の比)が2以上の平板状の
粒子を用いるのが好ましい。
【0035】本発明のインク受容層は目的別に2層以上
とするのが好ましく、最上層は光沢性と耐傷性の向上を
目的とし、下層には白色度とインク吸収性の向上を目的
とする。特に支持体に近いインク受容層には平均一次粒
径が大きい無機微粒子を用いることで白色度を高くし、
インク溶媒の吸収性を向上させるのが好ましい。支持体
から最も離れた最上層のインク受容層は、一次粒子の平
均粒径が5〜30nm、好ましくは5〜20nmの無機
微粒子を用い、全固形分量を1〜15g/m2とするのが
好ましく、1〜10g/m2の範囲がより好ましい。固形
分量が上記範囲より多くなるとインク吸収性が低下しや
すくなり、また少なくなると光沢性が低くなる傾向であ
る。下層のインク受容層は、一次粒子の平均粒径が5〜
30nm、好ましくは10〜20nmの無機微粒子を用
い、全固形分量を5〜30g/m2とするのが好ましく、
特に10〜25g/m2の範囲が白色度向上効果とインク
吸収性からは好ましい。本発明では少なくとも最上層に
アスペクト比が2以上のアルミナ水和物を用いることで
画像の経時ひび割れが更に改良され、特に下層に平均一
次粒径が5〜30nmの気相法シリカを用いることでイ
ンク吸収性も改良されるので好ましい。平板状アルミナ
水和物使用により画像の経時ひび割れが改良される理由
は、インク受容層が平板状のアルミナ水和物の積層構造
となっているので球状の微粒子と比較して直線状にはひ
び割れが起きにくいためと、ポリビニルアルコールがア
ルミナ水和物の平板状粒子間の界面に集中しやすいため
に結合強度が高くなるためと推測される。
とするのが好ましく、最上層は光沢性と耐傷性の向上を
目的とし、下層には白色度とインク吸収性の向上を目的
とする。特に支持体に近いインク受容層には平均一次粒
径が大きい無機微粒子を用いることで白色度を高くし、
インク溶媒の吸収性を向上させるのが好ましい。支持体
から最も離れた最上層のインク受容層は、一次粒子の平
均粒径が5〜30nm、好ましくは5〜20nmの無機
微粒子を用い、全固形分量を1〜15g/m2とするのが
好ましく、1〜10g/m2の範囲がより好ましい。固形
分量が上記範囲より多くなるとインク吸収性が低下しや
すくなり、また少なくなると光沢性が低くなる傾向であ
る。下層のインク受容層は、一次粒子の平均粒径が5〜
30nm、好ましくは10〜20nmの無機微粒子を用
い、全固形分量を5〜30g/m2とするのが好ましく、
特に10〜25g/m2の範囲が白色度向上効果とインク
吸収性からは好ましい。本発明では少なくとも最上層に
アスペクト比が2以上のアルミナ水和物を用いることで
画像の経時ひび割れが更に改良され、特に下層に平均一
次粒径が5〜30nmの気相法シリカを用いることでイ
ンク吸収性も改良されるので好ましい。平板状アルミナ
水和物使用により画像の経時ひび割れが改良される理由
は、インク受容層が平板状のアルミナ水和物の積層構造
となっているので球状の微粒子と比較して直線状にはひ
び割れが起きにくいためと、ポリビニルアルコールがア
ルミナ水和物の平板状粒子間の界面に集中しやすいため
に結合強度が高くなるためと推測される。
【0036】本発明の無機微粒子の平均粒径は、分散さ
れた粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する
100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子
の粒径として求めた。本発明のアルミナ水和物の一次粒
子の平均粒径は、平板状の場合は平面状態で測定され
る。平板状アルミナ水和物の平均厚さは、アルミナ水和
物をフィルム上に塗布したシートの断裁面の観察より得
られ、アルミナ水和物のアスペクト比は平均厚みに対す
る平均粒径の比で得られる。
れた粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する
100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子
の粒径として求めた。本発明のアルミナ水和物の一次粒
子の平均粒径は、平板状の場合は平面状態で測定され
る。平板状アルミナ水和物の平均厚さは、アルミナ水和
物をフィルム上に塗布したシートの断裁面の観察より得
られ、アルミナ水和物のアスペクト比は平均厚みに対す
る平均粒径の比で得られる。
【0037】本発明のインク受容層には耐傷性、搬送
性、ブロッキング性の改良のために平均粒径が1〜7μ
mの球状粒子の少なくとも1種と10μm以上の球状粒
子の少なくとも1種を含有させるほうが好ましく、前者
が有機粒子で後者が無機粒子のほうが手触り感からはよ
り好ましい。平均粒径が10μm以上の球状粒子はイン
ク受容層の膜厚よりも大きいことが好ましく、上限は4
0μm程度である。特に表のインク受容層を2層以上と
し、最上層に前記の2種の球状粒子を含有させるほうが
耐傷性、光沢性からは好ましく、10μm以上の粒子の
平均粒径は最上層の膜厚より大きいことが好ましいが、
インク受容層から10μmより大きく突出しないほうが
触感からは好ましい。
性、ブロッキング性の改良のために平均粒径が1〜7μ
mの球状粒子の少なくとも1種と10μm以上の球状粒
子の少なくとも1種を含有させるほうが好ましく、前者
が有機粒子で後者が無機粒子のほうが手触り感からはよ
り好ましい。平均粒径が10μm以上の球状粒子はイン
ク受容層の膜厚よりも大きいことが好ましく、上限は4
0μm程度である。特に表のインク受容層を2層以上と
し、最上層に前記の2種の球状粒子を含有させるほうが
耐傷性、光沢性からは好ましく、10μm以上の粒子の
平均粒径は最上層の膜厚より大きいことが好ましいが、
インク受容層から10μmより大きく突出しないほうが
触感からは好ましい。
【0038】平均一次粒径が1〜7μmと10μm以上
の球状粒子を併用することで各々を単独で用いた場合よ
りも耐傷性、搬送性が良好となる理由は以下のように推
測される。即ち、10μm以上の球状粒子単独でもイン
ク受容層表面に凸部が発生するので耐傷性、ブロッキン
グ性は良化するが、併用する事で1〜7μmの球状粒子
が10μm以上の球状粒子に加わった外力に対する緩衝
剤として働くために耐傷性と搬送性が大幅に向上すると
予測される。
の球状粒子を併用することで各々を単独で用いた場合よ
りも耐傷性、搬送性が良好となる理由は以下のように推
測される。即ち、10μm以上の球状粒子単独でもイン
ク受容層表面に凸部が発生するので耐傷性、ブロッキン
グ性は良化するが、併用する事で1〜7μmの球状粒子
が10μm以上の球状粒子に加わった外力に対する緩衝
剤として働くために耐傷性と搬送性が大幅に向上すると
予測される。
【0039】本発明では、耐傷性を改良する目的で、イ
ンク受容層上にコロイダルシリカを主体とした保護層を
インク吸収性を低下させない程度、固形分で5g/m2程
度以下で設けても良い。コロイダルシリカは、例えばケ
イ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂
層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ
る。コロイダルシリカの一般的な一次粒子の平均粒径は
5〜100nm程度であり、平均粒径が10〜500n
m程度の二次粒子を形成しているほうがインク吸収性か
らは好ましい。市販の球状のものとして日産化学社製、
スノーテックス20等、触媒化成工業社製、カタロイド
USB等が挙げられ、鎖状のものとして日産化学社製、
スノーテックスUP等が挙げられ、パールネックレス状
のものとして日産化学社製、スノーテックスPS−M等
が使用出来る。保護層にも本発明のヒドラジン誘導体を
含有させてもよい。また、インク受容層に本発明のヒド
ラジン誘導体を添加しないで保護層の塗布組成物のみに
添加して、インク受容層上に保護層を塗布することでイ
ンク受容層にヒドラジン誘導体を浸透させてもよい。
ンク受容層上にコロイダルシリカを主体とした保護層を
インク吸収性を低下させない程度、固形分で5g/m2程
度以下で設けても良い。コロイダルシリカは、例えばケ
イ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂
層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ
る。コロイダルシリカの一般的な一次粒子の平均粒径は
5〜100nm程度であり、平均粒径が10〜500n
m程度の二次粒子を形成しているほうがインク吸収性か
らは好ましい。市販の球状のものとして日産化学社製、
スノーテックス20等、触媒化成工業社製、カタロイド
USB等が挙げられ、鎖状のものとして日産化学社製、
スノーテックスUP等が挙げられ、パールネックレス状
のものとして日産化学社製、スノーテックスPS−M等
が使用出来る。保護層にも本発明のヒドラジン誘導体を
含有させてもよい。また、インク受容層に本発明のヒド
ラジン誘導体を添加しないで保護層の塗布組成物のみに
添加して、インク受容層上に保護層を塗布することでイ
ンク受容層にヒドラジン誘導体を浸透させてもよい。
【0040】本発明において、インク受容層で無機微粒
子とともに用いられるポリビニルアルコールとしては、
シラノール変性やカチオン変性等の各種変性物も含まれ
るが、透明性が高くインクのより高い浸透性が得られ、
インクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわな
いことが重要であり、この観点から好ましいのは完全ま
たは部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン
変性ポリビニルアルコールである。
子とともに用いられるポリビニルアルコールとしては、
シラノール変性やカチオン変性等の各種変性物も含まれ
るが、透明性が高くインクのより高い浸透性が得られ、
インクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわな
いことが重要であり、この観点から好ましいのは完全ま
たは部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン
変性ポリビニルアルコールである。
【0041】ポリビニルアルコールの中でも特に好まし
いのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化
したものである。平均重合度200〜5000のものが
好ましい。
いのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化
したものである。平均重合度200〜5000のものが
好ましい。
【0042】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号に記載され
ているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有
するポリビニルアルコールである。
としては、例えば特開昭61−10483号に記載され
ているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有
するポリビニルアルコールである。
【0043】本発明において、インクジェット用記録材
料を構成する少なくとも1層、例えば耐水性支持体上に
下塗り層、インク受容層、保護層を設ける場合には、下
塗り層、インク受容層、保護層の少なくとも1層中、好
ましくは少なくとも1層のインク受容層中に画像の耐久
性改良の目的で含有させるヒドラジン誘導体としては、
例えば特開昭61−154989号、特願2001−1
28984号、同2001−245125号などに記載
の化合物がある。うち好ましいものは、下記化1にて表
される構造のものである。
料を構成する少なくとも1層、例えば耐水性支持体上に
下塗り層、インク受容層、保護層を設ける場合には、下
塗り層、インク受容層、保護層の少なくとも1層中、好
ましくは少なくとも1層のインク受容層中に画像の耐久
性改良の目的で含有させるヒドラジン誘導体としては、
例えば特開昭61−154989号、特願2001−1
28984号、同2001−245125号などに記載
の化合物がある。うち好ましいものは、下記化1にて表
される構造のものである。
【0044】
【化1】
【0045】化1の式中、R1〜R3は水素原子、脂肪族
基、芳香族基、複素環基を表す。また、R1とR2は互い
に連結して環状構造になっていてもよい。うち好ましい
ものは、R1、R2については脂肪族基であり、中でも炭
素数4以下のアルキル基が好ましい。R3については水
素原子、脂肪族基が好ましい。R4は水素原子、脂肪族
基、芳香族基、複素環基、アミノ基、ヒドラジノ基を表
す。うち好ましいものは脂肪族基、アミノ基、ヒドラジ
ノ基であり、中でも炭素数4以下のアルキル基およびア
ミノ基、ヒドラジノ基が好ましい。なお以上のR1〜R4
については、当業界で周知の置換基により置換されても
よいが、R4のアミノ基については、炭素数6以下のア
ルキル基、アルコキシ基あるいはヒドロキシ基のいずれ
か1つで置換されているものが好ましい。同じくヒドラ
ジノ基については、末端窒素原子が炭素数4以下のアル
キル基2つで置換されているもの、またはカルボニル
基、オキサリル基、スルホニル基、スルホキシ基、ホス
ホリル基、イミノメチレン基のいずれかで置換されてい
るものが好ましい。そして以上述べたうち特に好ましい
ものは、R1、R2についてはメチル基であり、R3につ
いては水素原子、またR4については炭素数6以下のア
ルキル基、メトキシ基、ヒドロキシ基のいずれか1つで
置換されたアミノ基、末端窒素原子が炭素数4以下のア
ルキル基2つで置換されたヒドラジノ基、またはカルボ
ニル基で置換されたヒドラジノ基である。
基、芳香族基、複素環基を表す。また、R1とR2は互い
に連結して環状構造になっていてもよい。うち好ましい
ものは、R1、R2については脂肪族基であり、中でも炭
素数4以下のアルキル基が好ましい。R3については水
素原子、脂肪族基が好ましい。R4は水素原子、脂肪族
基、芳香族基、複素環基、アミノ基、ヒドラジノ基を表
す。うち好ましいものは脂肪族基、アミノ基、ヒドラジ
ノ基であり、中でも炭素数4以下のアルキル基およびア
ミノ基、ヒドラジノ基が好ましい。なお以上のR1〜R4
については、当業界で周知の置換基により置換されても
よいが、R4のアミノ基については、炭素数6以下のア
ルキル基、アルコキシ基あるいはヒドロキシ基のいずれ
か1つで置換されているものが好ましい。同じくヒドラ
ジノ基については、末端窒素原子が炭素数4以下のアル
キル基2つで置換されているもの、またはカルボニル
基、オキサリル基、スルホニル基、スルホキシ基、ホス
ホリル基、イミノメチレン基のいずれかで置換されてい
るものが好ましい。そして以上述べたうち特に好ましい
ものは、R1、R2についてはメチル基であり、R3につ
いては水素原子、またR4については炭素数6以下のア
ルキル基、メトキシ基、ヒドロキシ基のいずれか1つで
置換されたアミノ基、末端窒素原子が炭素数4以下のア
ルキル基2つで置換されたヒドラジノ基、またはカルボ
ニル基で置換されたヒドラジノ基である。
【0046】Lは、カルボニル基、オキサリル基、スル
ホニル基、スルホキシ基、ホスホリル基、イミノメチレ
ン基を表す。うち好ましいものはカルボニル基、オキサ
リル基であり、そしてカルボニル基がより好ましい。特
にLがカルボニル基でR4が置換または未置換のヒドラ
ジノ基であるカルボノヒドラジド誘導体、およびLがカ
ルボニル基でR4が置換または未置換のアミノ基である
セミカルバジド誘導体が好ましい。以下に本発明で用い
られるヒドラジン誘導体の具体例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
ホニル基、スルホキシ基、ホスホリル基、イミノメチレ
ン基を表す。うち好ましいものはカルボニル基、オキサ
リル基であり、そしてカルボニル基がより好ましい。特
にLがカルボニル基でR4が置換または未置換のヒドラ
ジノ基であるカルボノヒドラジド誘導体、およびLがカ
ルボニル基でR4が置換または未置換のアミノ基である
セミカルバジド誘導体が好ましい。以下に本発明で用い
られるヒドラジン誘導体の具体例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0047】
【化2】
【0048】
【化3】
【0049】
【化4】
【0050】
【化5】
【0051】本発明のヒドラジン誘導体は、適当な溶剤
に添加しても、有機溶剤とともにポリビニルアルコール
中に乳化分散して添加してもよい。
に添加しても、有機溶剤とともにポリビニルアルコール
中に乳化分散して添加してもよい。
【0052】本発明のヒドラジン誘導体をインク受容層
へ添加する場合の添加量は、0.01〜10g/m2、好
ましくは0.05〜3g/m2である。上記の範囲より少
ないと画像の耐久性改良効果が出にくく、多すぎるとイ
ンク吸収性が低下したり、画像の経時ひび割れが発生し
やすくなる。インクジェット用記録材料の各層へ添加す
る場合もインク受容層と同様の添加量が好ましい。
へ添加する場合の添加量は、0.01〜10g/m2、好
ましくは0.05〜3g/m2である。上記の範囲より少
ないと画像の耐久性改良効果が出にくく、多すぎるとイ
ンク吸収性が低下したり、画像の経時ひび割れが発生し
やすくなる。インクジェット用記録材料の各層へ添加す
る場合もインク受容層と同様の添加量が好ましい。
【0053】本発明では、インクジェット用記録材料を
構成する少なくとも1層、好ましくは少なくとも1層の
インク受容層にはメチロールアミノ系化合物を含有す
る。本発明でメチロールアミノ系化合物とは、メチロー
ルアミノ系のモノマーを構成単位として、単体または複
数個重合した化合物であり、アルキル化メチロールアミ
ノ系化合物等の変性されたメチロールアミノ系化合物も
含まれる。メチロールアミノ系化合物としては、メチロ
ールメラミン系化合物、メチロール尿素系化合物等が使
用される。具体例としては、住友化学社製のスミレーズ
レジン613,8%AC、607syrup等のメラミ
ン系化合物、スミレーズレジン302、636,70
3、712、EU等の尿素系化合物等が挙げられ、それ
らの中から1種以上が使用される。本発明の画像の経時
ひび割れ防止効果からはメチロールメラミン系化合物が
好ましく使用される。インク受容層へ添加する場合の添
加量は、ポリビニルアルコールの固形分に対して0.5
〜50質量%であり、好ましくは1〜30質量%であ
る。少なすぎると画像のひび割れ改良効果が得られず、
多すぎるとインク吸収性が低下する。インクジェット用
記録材料の各層に添加する場合もインク受容層と同様の
添加量が好ましい。
構成する少なくとも1層、好ましくは少なくとも1層の
インク受容層にはメチロールアミノ系化合物を含有す
る。本発明でメチロールアミノ系化合物とは、メチロー
ルアミノ系のモノマーを構成単位として、単体または複
数個重合した化合物であり、アルキル化メチロールアミ
ノ系化合物等の変性されたメチロールアミノ系化合物も
含まれる。メチロールアミノ系化合物としては、メチロ
ールメラミン系化合物、メチロール尿素系化合物等が使
用される。具体例としては、住友化学社製のスミレーズ
レジン613,8%AC、607syrup等のメラミ
ン系化合物、スミレーズレジン302、636,70
3、712、EU等の尿素系化合物等が挙げられ、それ
らの中から1種以上が使用される。本発明の画像の経時
ひび割れ防止効果からはメチロールメラミン系化合物が
好ましく使用される。インク受容層へ添加する場合の添
加量は、ポリビニルアルコールの固形分に対して0.5
〜50質量%であり、好ましくは1〜30質量%であ
る。少なすぎると画像のひび割れ改良効果が得られず、
多すぎるとインク吸収性が低下する。インクジェット用
記録材料の各層に添加する場合もインク受容層と同様の
添加量が好ましい。
【0054】本発明では、インクジェット用記録材料を
構成する少なくとも1層、好ましくは少なくとも1層の
インク受容層に含ホウ素化合物を含有する。含ホウ素化
合物としては、ホウ酸、ホウ酸塩、およびホウ砂等があ
り、これらを1種または2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。ホウ酸塩としては、オルトホウ酸塩、メタ
ホウ酸塩、二ホウ酸塩、四ホウ酸塩、五ホウ酸塩等が挙
げられる。インク受容層へ添加する場合の添加量は、ポ
リビニルアルコールの固形分に対して0.5〜50質量
%、好ましくは1〜40質量%である。少なすぎると画
像の経時ひび割れの改良効果が得にくく、多すぎると塗
工した後の乾燥時にインク受容層にひび割れが発生しや
すくなる。インクジェット用記録材料の各層へ添加する
場合もインク受容層と同様の添加量が好ましい。
構成する少なくとも1層、好ましくは少なくとも1層の
インク受容層に含ホウ素化合物を含有する。含ホウ素化
合物としては、ホウ酸、ホウ酸塩、およびホウ砂等があ
り、これらを1種または2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。ホウ酸塩としては、オルトホウ酸塩、メタ
ホウ酸塩、二ホウ酸塩、四ホウ酸塩、五ホウ酸塩等が挙
げられる。インク受容層へ添加する場合の添加量は、ポ
リビニルアルコールの固形分に対して0.5〜50質量
%、好ましくは1〜40質量%である。少なすぎると画
像の経時ひび割れの改良効果が得にくく、多すぎると塗
工した後の乾燥時にインク受容層にひび割れが発生しや
すくなる。インクジェット用記録材料の各層へ添加する
場合もインク受容層と同様の添加量が好ましい。
【0055】本発明でインクジェット用記録材料を構成
する少なくとも1層、好ましくは少なくとも1層のイン
ク受容層に好ましく用いられる水溶性金属化合物として
は、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられる。カルシウ
ム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、ア
ルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネ
シウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の
水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシ
ウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩
化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫
酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化ア
ンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、
チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六
水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和
物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニ
ッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウ
ム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝
酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、
臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫
酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫
酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩化ジ
ルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキ
シ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マ
グネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグ
ネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、ク
エン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n
水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデ
ン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
する少なくとも1層、好ましくは少なくとも1層のイン
ク受容層に好ましく用いられる水溶性金属化合物として
は、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられる。カルシウ
ム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、ア
ルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネ
シウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の
水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシ
ウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩
化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫
酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化ア
ンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、
チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六
水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和
物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニ
ッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウ
ム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝
酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、
臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫
酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫
酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩化ジ
ルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキ
シ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マ
グネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグ
ネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、ク
エン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n
水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデ
ン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
【0056】本発明において、特に水溶性アルミニウム
化合物あるいは周期表4A族元素を含む水溶性化合物が
好ましい。水溶性アルミニウム化合物は、例えば無機塩
としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アル
ミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等
が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチ
オンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合
物がある。特に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物
が好ましい。
化合物あるいは周期表4A族元素を含む水溶性化合物が
好ましい。水溶性アルミニウム化合物は、例えば無機塩
としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アル
ミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等
が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチ
オンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合
物がある。特に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物
が好ましい。
【0057】前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物
とは、主成分が下記の一般式1、2または3で示され、
例えば[Al6(OH)15]3+、[Al8(O
H)20]4+、[Al13(OH)34]5+、[Al21(O
H)60]3+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオ
ンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウム
である。
とは、主成分が下記の一般式1、2または3で示され、
例えば[Al6(OH)15]3+、[Al8(O
H)20]4+、[Al13(OH)34]5+、[Al21(O
H)60]3+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオ
ンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウム
である。
【0058】
[Al2(OH)nCl6-n]m 一般式1
[Al(OH)3]nAlCl3 一般式2
Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n 一般式3
【0059】これらのものは多木化学(株)よりポリ塩
化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田
化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の
名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの
名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市
されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本
発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、
pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調
節して用いることも可能である。
化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田
化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の
名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの
名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市
されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本
発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、
pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調
節して用いることも可能である。
【0060】本発明に用いられる周期表4A族元素を含
む水溶性化合物は水溶性で有れば特に制限はないがチタ
ンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物が好ましい。
例えばチタンを含む水溶性化合物としては塩化チタン、
硫酸チタンが、ジルコニウムを含む水溶性化合物として
は酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジ
ルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコ
ニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウ
ム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウ
ム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム
化合物等が知られている。これらの化合物はpHが不適
当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用い
ることも可能である。本発明に於いて、水溶性とは常温
常圧下で水に1重量%以上溶解することを目安とする。
む水溶性化合物は水溶性で有れば特に制限はないがチタ
ンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物が好ましい。
例えばチタンを含む水溶性化合物としては塩化チタン、
硫酸チタンが、ジルコニウムを含む水溶性化合物として
は酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジ
ルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコ
ニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウ
ム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウ
ム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム
化合物等が知られている。これらの化合物はpHが不適
当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用い
ることも可能である。本発明に於いて、水溶性とは常温
常圧下で水に1重量%以上溶解することを目安とする。
【0061】本発明において、上記水溶性金属化合物の
インク受容層中の含有量は、無機微粒子に対して0.1
〜10質量%が好ましく、更に好ましくは1〜5質量%
である。
インク受容層中の含有量は、無機微粒子に対して0.1
〜10質量%が好ましく、更に好ましくは1〜5質量%
である。
【0062】本発明のインクジェット用記録材料の製造
方法は、記録材料を構成する層が、例えば下塗り層、イ
ンク受容層、および保護層を有する場合には、少なくと
もいずれかの層中に無機微粒子、含ほう素化合物、ポリ
ビニルアルコール、ヒドラジン誘導体、およびメチロー
ルアミノ系化合物を含有させてもよいが、少なくとも1
層のインク受容層が無機微粒子、含ほう素化合物、ポリ
ビニルアルコール、ヒドラジン誘導体、およびメチロー
ルアミノ系化合物を含有する1層以上のインク受容層用
の塗工液を耐水性支持体上に塗工、乾燥してインク受容
層を形成する方法が一般的である。メチロールアミノ系
化合物の活性劣化防止や液性の経時変化防止からは、無
機微粒子、含ほう素化合物、ポリビニルアルコール、お
よびヒドラジン誘導体を含有するインク受容層用の塗工
液とメチロールアミノ系化合物含有液を同時に塗工する
方法、メチロールアミノ系化合物を除いたインク受容層
用の塗工液を塗工、乾燥した後でメチロールアミノ系化
合物含有液を塗工する方法、またはメチロールアミノ系
化合物を除いたインク受容層用の主液に塗工直前にメチ
ロールアミノ系化合物含有液を添加し、混合後に塗工す
る方法が好ましく、特にインク受容層用の主液を送液中
のインラインでメチロールアミノ系化合物含有液を添加
し、混合する方法が、画像の経時ひび割れがより向上す
るので好ましい。その理由としてはメチロールアミノ系
化合物の活性劣化が少なく、塗工液中に均一混合される
のでメチロールアミノ系化合物とポリビニルアルコール
や無機微粒子との結合数が多くなり、強くなるためと推
測される。ここで塗工直前とは一般的に塗工する数分前
から数秒前である。2液を添加後に使用する混合装置と
しては、例えばインラインミキサー、スタチックミキサ
ー等がKenics社、Sulger社、晃立社、東レ
社より市販されている装置が使用出来る。また、メチロ
ールアミノ系化合物含有の塗工液を塗工した後の減率乾
燥以降の乾燥工程でインク受容層の表面温度を50℃以
上、好ましくは60℃以上にすることで高湿ひび割れや
印字画像の経時でのひび割れが更に良化する。乾燥工程
でインク受容層の水分が10質量%程度以下まで乾燥さ
せた後、記録材料原反を巻き取るまでの工程や、巻き取
った後の記録材料原反を別ラインでインク受容層の表面
温度が50℃以上になる加温工程を行うことでも高湿ひ
び割れや印字画像の経時によるひび割れが改良される。
加温工程の環境温度は加温時間によるが、記録材料の経
時劣化が起きない温度である150℃以下、特に100
℃程度以下が好ましい。加温する時間は温度により変化
するが、数秒から数時間が適当である。乾燥工程直前に
冷却工程により塗工されたインク受容層用の塗工液を2
0℃程度以下、好ましくは15℃以下に冷却することで
乾燥時の風紋の発生を抑えられるので好ましい。
方法は、記録材料を構成する層が、例えば下塗り層、イ
ンク受容層、および保護層を有する場合には、少なくと
もいずれかの層中に無機微粒子、含ほう素化合物、ポリ
ビニルアルコール、ヒドラジン誘導体、およびメチロー
ルアミノ系化合物を含有させてもよいが、少なくとも1
層のインク受容層が無機微粒子、含ほう素化合物、ポリ
ビニルアルコール、ヒドラジン誘導体、およびメチロー
ルアミノ系化合物を含有する1層以上のインク受容層用
の塗工液を耐水性支持体上に塗工、乾燥してインク受容
層を形成する方法が一般的である。メチロールアミノ系
化合物の活性劣化防止や液性の経時変化防止からは、無
機微粒子、含ほう素化合物、ポリビニルアルコール、お
よびヒドラジン誘導体を含有するインク受容層用の塗工
液とメチロールアミノ系化合物含有液を同時に塗工する
方法、メチロールアミノ系化合物を除いたインク受容層
用の塗工液を塗工、乾燥した後でメチロールアミノ系化
合物含有液を塗工する方法、またはメチロールアミノ系
化合物を除いたインク受容層用の主液に塗工直前にメチ
ロールアミノ系化合物含有液を添加し、混合後に塗工す
る方法が好ましく、特にインク受容層用の主液を送液中
のインラインでメチロールアミノ系化合物含有液を添加
し、混合する方法が、画像の経時ひび割れがより向上す
るので好ましい。その理由としてはメチロールアミノ系
化合物の活性劣化が少なく、塗工液中に均一混合される
のでメチロールアミノ系化合物とポリビニルアルコール
や無機微粒子との結合数が多くなり、強くなるためと推
測される。ここで塗工直前とは一般的に塗工する数分前
から数秒前である。2液を添加後に使用する混合装置と
しては、例えばインラインミキサー、スタチックミキサ
ー等がKenics社、Sulger社、晃立社、東レ
社より市販されている装置が使用出来る。また、メチロ
ールアミノ系化合物含有の塗工液を塗工した後の減率乾
燥以降の乾燥工程でインク受容層の表面温度を50℃以
上、好ましくは60℃以上にすることで高湿ひび割れや
印字画像の経時でのひび割れが更に良化する。乾燥工程
でインク受容層の水分が10質量%程度以下まで乾燥さ
せた後、記録材料原反を巻き取るまでの工程や、巻き取
った後の記録材料原反を別ラインでインク受容層の表面
温度が50℃以上になる加温工程を行うことでも高湿ひ
び割れや印字画像の経時によるひび割れが改良される。
加温工程の環境温度は加温時間によるが、記録材料の経
時劣化が起きない温度である150℃以下、特に100
℃程度以下が好ましい。加温する時間は温度により変化
するが、数秒から数時間が適当である。乾燥工程直前に
冷却工程により塗工されたインク受容層用の塗工液を2
0℃程度以下、好ましくは15℃以下に冷却することで
乾燥時の風紋の発生を抑えられるので好ましい。
【0063】本発明では、インク受容層用の、無機微粒
子、含ホウ素化合物、ポリビニルアルコール、ヒドラジ
ン誘導体、およびメチロールアミノ系化合物を含有する
塗工液のpHは、特に限定されないが、3〜6、好まし
くは3〜5.5とすることで印字画像の経時でのひび割
れが更に良化する。塗布液のpH調整は、酸またはアル
カリを適当に組み合わせて行われる。酸としては、塩
酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、
コハク酸等の有機酸が用いられ、アルカリとしては、水
酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸カリウム、リン酸
三ナトリウム、または弱アルカリとして、酢酸ナトリウ
ム等の弱酸のアルカリ金属塩が用いられる。
子、含ホウ素化合物、ポリビニルアルコール、ヒドラジ
ン誘導体、およびメチロールアミノ系化合物を含有する
塗工液のpHは、特に限定されないが、3〜6、好まし
くは3〜5.5とすることで印字画像の経時でのひび割
れが更に良化する。塗布液のpH調整は、酸またはアル
カリを適当に組み合わせて行われる。酸としては、塩
酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、
コハク酸等の有機酸が用いられ、アルカリとしては、水
酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸カリウム、リン酸
三ナトリウム、または弱アルカリとして、酢酸ナトリウ
ム等の弱酸のアルカリ金属塩が用いられる。
【0064】本発明により印字画像の経時でのひび割れ
が改良される理由は不明であるが、インク受容層に各材
料を添加する場合について以下の推測を記載するが、記
録材料の他の層に添加する場合も同様に推測される。即
ち、記録材料の少なくとも1層、例えばインク受容層に
ヒドラジン誘導体を含有させることでポリビニルアルコ
ール同士の水素結合や、無機微粒子とポリビニルアルコ
ールとの結合が阻害されており、印字することでインク
中の水や有機溶剤により更に結合力が弱くなってひび割
れが発生しやすくなっているが、メチロールアミノ系化
合物、および含ホウ素化合物を併用することで、ポリビ
ニルアルコールの水酸基や無機微粒子の活性基との結
合、またはそれらの結合を促進することでヒドラジン誘
導体によるポリビニルアルコール同士や無機微粒子とポ
リビニルアルコールとの結合の阻害を抑えると推測さ
れ、メチロールアミノ系化合物、および含ホウ素化合物
に加えて更に水溶性金属化合物が存在することにより、
それらの結合数が増加し、結合力が更に強化されること
により、空気中やインク中の水等の溶剤により結合力が
低下せず、温度や湿度が変化しても画像にひび割れが発
生しにくくなると推測される。特にメチロールアミノ系
化合物としてはメチロールメラミン系化合物が好まし
く、更にインク受容層用の塗工液のpHを3.5〜5.
5とし、インク受容層に加温処理等で50℃以上の温度
をかけることでメチロール基とポリビニルアルコールや
無機微粒子の活性基との反応性が上がり、インク受容層
の未印字部の高湿ひび割れや画像の経時ひび割れが良化
すると推測される。
が改良される理由は不明であるが、インク受容層に各材
料を添加する場合について以下の推測を記載するが、記
録材料の他の層に添加する場合も同様に推測される。即
ち、記録材料の少なくとも1層、例えばインク受容層に
ヒドラジン誘導体を含有させることでポリビニルアルコ
ール同士の水素結合や、無機微粒子とポリビニルアルコ
ールとの結合が阻害されており、印字することでインク
中の水や有機溶剤により更に結合力が弱くなってひび割
れが発生しやすくなっているが、メチロールアミノ系化
合物、および含ホウ素化合物を併用することで、ポリビ
ニルアルコールの水酸基や無機微粒子の活性基との結
合、またはそれらの結合を促進することでヒドラジン誘
導体によるポリビニルアルコール同士や無機微粒子とポ
リビニルアルコールとの結合の阻害を抑えると推測さ
れ、メチロールアミノ系化合物、および含ホウ素化合物
に加えて更に水溶性金属化合物が存在することにより、
それらの結合数が増加し、結合力が更に強化されること
により、空気中やインク中の水等の溶剤により結合力が
低下せず、温度や湿度が変化しても画像にひび割れが発
生しにくくなると推測される。特にメチロールアミノ系
化合物としてはメチロールメラミン系化合物が好まし
く、更にインク受容層用の塗工液のpHを3.5〜5.
5とし、インク受容層に加温処理等で50℃以上の温度
をかけることでメチロール基とポリビニルアルコールや
無機微粒子の活性基との反応性が上がり、インク受容層
の未印字部の高湿ひび割れや画像の経時ひび割れが良化
すると推測される。
【0065】本発明のインク受容層には、画像の耐水性
を改良するためにカチオン性ポリマーを含有させてもよ
い。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミ
ン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキル
アミン重合物、特開昭59−20696号、同59−3
3176号、同59−33177号、同59−1550
88号、同60−11389号、同60−49990
号、同60−83882号、同60−109894号、
同62−198493号、同63−49478号、同6
3−115780号、同63−280681号、特開平
1−40371号、同6−234268号、同7−12
5411号、同10−193776号公報等に記載され
た1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポ
リマーが好ましく用いられる。これらのカチオンポリマ
ーの分子量は、5,000以上が好ましく、更に5,0
00〜10万程度が好ましい。
を改良するためにカチオン性ポリマーを含有させてもよ
い。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミ
ン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキル
アミン重合物、特開昭59−20696号、同59−3
3176号、同59−33177号、同59−1550
88号、同60−11389号、同60−49990
号、同60−83882号、同60−109894号、
同62−198493号、同63−49478号、同6
3−115780号、同63−280681号、特開平
1−40371号、同6−234268号、同7−12
5411号、同10−193776号公報等に記載され
た1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポ
リマーが好ましく用いられる。これらのカチオンポリマ
ーの分子量は、5,000以上が好ましく、更に5,0
00〜10万程度が好ましい。
【0066】これらのカチオン性ポリマーの使用量は画
像のひび割れからは少ない方が好ましく、無機微粒子に
対して1〜7質量%、好ましくは2〜5質量%である。
像のひび割れからは少ない方が好ましく、無機微粒子に
対して1〜7質量%、好ましくは2〜5質量%である。
【0067】本発明において、インク受容層には更に、
界面活性剤、着色染料、着色顔料、インク染料の定着
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐水化剤、顔料の分散
剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度
安定剤などの公知の各種添加剤を添加することもでき
る。
界面活性剤、着色染料、着色顔料、インク染料の定着
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐水化剤、顔料の分散
剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度
安定剤などの公知の各種添加剤を添加することもでき
る。
【0068】本発明のインク受容層には、更に皮膜の脆
弱性を改良するために各種油滴を含有することができ
る。そのような油滴としては室温における水に対する溶
解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例
えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリク
レジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子
(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベ
ンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒
子)を含有させることができる。そのような油滴は好ま
しくは親水性バインダーに対して10〜50質量%の範
囲で用いることができる。
弱性を改良するために各種油滴を含有することができ
る。そのような油滴としては室温における水に対する溶
解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例
えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリク
レジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子
(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベ
ンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒
子)を含有させることができる。そのような油滴は好ま
しくは親水性バインダーに対して10〜50質量%の範
囲で用いることができる。
【0069】本発明において、インク受容層の塗布方
法、および下塗り層、保護層を設ける場合の塗布方法
は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることがで
きる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エ
クストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーテ
ィング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
法、および下塗り層、保護層を設ける場合の塗布方法
は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることがで
きる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エ
クストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーテ
ィング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
【0070】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。な
お、部とは固形分質量部を意味する。
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。な
お、部とは固形分質量部を意味する。
【0071】実施例1
支持体として、LBKP(50部)とLBSP(50
部)のパルプ配合からなる120g/m2の基紙の表面に
低密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリエチレン
(20部)と酸化チタン(10部)からなる樹脂組成物
を溶融押し出しにより25g/m2塗布し、クーリングロ
ール処理により樹脂被覆層面の中心線平均粗さを1.0
μmとし、裏面に高密度ポリエチレン(50部)と低密
度ポリエチレン(50部)からなる樹脂組成物を溶融押
し出しにより25g/m2塗布、クーリングロール処理し
て樹脂被覆紙を用意した。
部)のパルプ配合からなる120g/m2の基紙の表面に
低密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリエチレン
(20部)と酸化チタン(10部)からなる樹脂組成物
を溶融押し出しにより25g/m2塗布し、クーリングロ
ール処理により樹脂被覆層面の中心線平均粗さを1.0
μmとし、裏面に高密度ポリエチレン(50部)と低密
度ポリエチレン(50部)からなる樹脂組成物を溶融押
し出しにより25g/m2塗布、クーリングロール処理し
て樹脂被覆紙を用意した。
【0072】上記樹脂被覆紙の支持体上に、下記組成の
インク受容層用の塗工液を調整し、気相法シリカの塗布
量が固形分で25g/m2となるようにスライドビード方
式で塗布し、5℃で15秒、35℃で1分、60℃で2
分間乾燥して実施例1のインクジェット用記録材料を作
成した。乾燥工程終了直前でのインク受容層表面の温度
は60℃であった。インクインク受容層用塗工液のpH
は、20℃で4.0になるように調整した。
インク受容層用の塗工液を調整し、気相法シリカの塗布
量が固形分で25g/m2となるようにスライドビード方
式で塗布し、5℃で15秒、35℃で1分、60℃で2
分間乾燥して実施例1のインクジェット用記録材料を作
成した。乾燥工程終了直前でのインク受容層表面の温度
は60℃であった。インクインク受容層用塗工液のpH
は、20℃で4.0になるように調整した。
【0073】
<インク受容層組成>
気相法シリカ(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g) 100部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
球状粒子 0.5部
(旭硝子社製シリカ粒子H121、平均一次粒径12μm)
球状粒子 1部
(積水化学社製ポリスチレン、SBX−6、平均一次粒径6μm)
化2の化合物(H1) 5部
ほう酸 5部
両性界面活性剤 0.3部
(商品名:SWAM AM-2150、日本サーファクタント製)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 2部
(理研ク゛リーン株製、ピュラケムWT)
メチロ−ルメラミン系化合物 2
部
(住友化学社製、スミレーズレジン613)
【0074】実施例2
実施例1でインク受容層組成の化2の化合物(H1)に
代えて化2の化合物(H3)を用いた以外は実施例1と
同様にして実施例2のインクジェット用記録材料を得
た。
代えて化2の化合物(H3)を用いた以外は実施例1と
同様にして実施例2のインクジェット用記録材料を得
た。
【0075】実施例3
実施例1でインク受容層組成の化2の化合物(H1)に
代えて化4の化合物(H16)を用いた以外は実施例1
と同様にして実施例3のインクジェット用記録材料を得
た。
代えて化4の化合物(H16)を用いた以外は実施例1
と同様にして実施例3のインクジェット用記録材料を得
た。
【0076】実施例4
実施例1でインク受容層組成の化1の化合物(H1)に
代えて化5の化合物(H20)を用いた以外は実施例1
と同様にして実施例4のインクジェット用記録材料を得
た。
代えて化5の化合物(H20)を用いた以外は実施例1
と同様にして実施例4のインクジェット用記録材料を得
た。
【0077】実施例5
実施例1でインク受容層組成の化1の化合物(H1)に
代えて化5の化合物(H21)を用いた以外は実施例1
と同様にして実施例5のインクジェット用記録材料を得
た。
代えて化5の化合物(H21)を用いた以外は実施例1
と同様にして実施例5のインクジェット用記録材料を得
た。
【0078】実施例6
実施例1でインク受容層組成のメチロールメラミン系化
合物に代えてメチロール尿素系化合物(住友化学社製、
スミレーズレジン636)を用いた以外は実施例1と同
様にして実施例5のインクジェット用記録材料を得た。
合物に代えてメチロール尿素系化合物(住友化学社製、
スミレーズレジン636)を用いた以外は実施例1と同
様にして実施例5のインクジェット用記録材料を得た。
【0079】実施例7
実施例1でインク受容層組成の塩基性ポリ水酸化アルミ
ニウムを抜いた以外は実施例1と同様にして実施例7の
インクジェット用記録材料を得た。
ニウムを抜いた以外は実施例1と同様にして実施例7の
インクジェット用記録材料を得た。
【0080】実施例8
実施例1でインク受容層を下記組成の支持体に近い下層
と上層の2層とし、下層の気相法シリカを固形分20g
/m2、上層のアルミナ水和物を固形分5g/m2になるよ
うに同時塗布した以外は実施例1と同様にして実施例8
のインクジェット用記録材料を得た。インク受容層下層
の塗工液の20℃でのpHは4.0、インク受容層上層
の塗工液の20℃でのpHは4.5に調整した。評価結
果を表1に示す。
と上層の2層とし、下層の気相法シリカを固形分20g
/m2、上層のアルミナ水和物を固形分5g/m2になるよ
うに同時塗布した以外は実施例1と同様にして実施例8
のインクジェット用記録材料を得た。インク受容層下層
の塗工液の20℃でのpHは4.0、インク受容層上層
の塗工液の20℃でのpHは4.5に調整した。評価結
果を表1に示す。
【0081】
<インク受容層下層組成>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径12nm)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 15部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤 0.3部
メチロールメラミン系化合物 2部
(住友化学社製、スミレーズレジン613)
【0082】
<インク受容層上層組成>
アルミナ水和物 100部
(擬ベーマイト、平均一次粒径15nm、アスペクト比5の平板状)
硝酸 2部
球状粒子 0.5部
(旭硝子社製シリカ粒子H121、平均一次粒径12μm)
球状粒子 1部
(積水化学社製ポリスチレン、SBX−6、平均一次粒径6μm)
ほう酸 1部
ポリビニルアルコール 12部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤 0.3部
化2の化合物(H1) 10部
硝酸ジルコニウム 2部
メチロールメラミン系化合物 2部
(住友化学社製、スミレーズレジン613)
【0083】実施例9
実施例1で乾燥を5℃で10秒、35℃で1分、45℃
で3分間乾燥した以外は実施例1と同様にして得られた
記録材料を更に75℃で2分間加温処理して実施例9の
インクジェット用記録材料を得た。乾燥工程終了直前で
のインク受容層表面の温度は43℃であった。
で3分間乾燥した以外は実施例1と同様にして得られた
記録材料を更に75℃で2分間加温処理して実施例9の
インクジェット用記録材料を得た。乾燥工程終了直前で
のインク受容層表面の温度は43℃であった。
【0084】実施例10
実施例1でインク受容層の塗工液のpHを20℃で6.
0にした以外は実施例1と同様にして実施例10のイン
クジェット用記録材料を得た。
0にした以外は実施例1と同様にして実施例10のイン
クジェット用記録材料を得た。
【0085】実施例11
実施例1で、インク受容層組成からメチロールメラミン
系化合物を抜いた塗工液に、メチロールメラミン系化合
物の40質量%含有液を添加し、インラインミキサーで
混合撹拌して得た実施例1の組成のインク受容層用塗工
液を用い、混合撹拌の10秒後に塗工した以外は実施例
1と同様にして実施例11のインクジェット用記録材料
を得た。
系化合物を抜いた塗工液に、メチロールメラミン系化合
物の40質量%含有液を添加し、インラインミキサーで
混合撹拌して得た実施例1の組成のインク受容層用塗工
液を用い、混合撹拌の10秒後に塗工した以外は実施例
1と同様にして実施例11のインクジェット用記録材料
を得た。
【0086】比較例1
実施例1でインク受容層組成の化2の化合物(H1)と
メチロールメラミン系樹脂を抜いた以外は実施例1と同
様にして比較例1のインクジェット用記録材料を得た。
メチロールメラミン系樹脂を抜いた以外は実施例1と同
様にして比較例1のインクジェット用記録材料を得た。
【0087】比較例2
実施例1でインク受容層の化2の化合物(H1)をN,
N−ジエチルヒドロキシルアミンに代え、メチロールメ
ラミン系化合物を抜いた以外は実施例1と同様にして比
較例2のインクジェット用記録材料を得た。
N−ジエチルヒドロキシルアミンに代え、メチロールメ
ラミン系化合物を抜いた以外は実施例1と同様にして比
較例2のインクジェット用記録材料を得た。
【0088】比較例3
実施例1で化2の化合物(H1)をN,N−ジエチルヒ
ドロキシルアミンに代え、メチロールメラミン系化合物
に代えてグリオキザールを用いた以外は実施例1と同様
にして比較例3のインクジェット用記録材料を得た。
ドロキシルアミンに代え、メチロールメラミン系化合物
に代えてグリオキザールを用いた以外は実施例1と同様
にして比較例3のインクジェット用記録材料を得た。
【0089】比較例4
実施例1でインク受容層組成の化2の化合物(H1)と
ホウ酸を抜いた以外は実施例1と同様にして比較例4の
インクジェット用記録材料を得た。
ホウ酸を抜いた以外は実施例1と同様にして比較例4の
インクジェット用記録材料を得た。
【0090】得られた各々のインクジェット用記録材料
について、23℃、55%RHの雰囲気で一昼夜調整
後、白紙部光沢性、高湿ひび割れ、インク吸収性、耐光
性、耐ガス性、および印字後の画像の経時ひび割れを評
価した。その結果を表1に示す。
について、23℃、55%RHの雰囲気で一昼夜調整
後、白紙部光沢性、高湿ひび割れ、インク吸収性、耐光
性、耐ガス性、および印字後の画像の経時ひび割れを評
価した。その結果を表1に示す。
【0091】<白紙部光沢性>記録材料の印字前の白紙
部光沢感を斜光で観察し、下記の基準で評価した。 ○:カラー写真並の高い光沢感が有る。 △:アート、コート紙並の光沢感が有る。 ×:上質紙並の沈んだ光沢感が有る。
部光沢感を斜光で観察し、下記の基準で評価した。 ○:カラー写真並の高い光沢感が有る。 △:アート、コート紙並の光沢感が有る。 ×:上質紙並の沈んだ光沢感が有る。
【0092】<高湿ひび割れ>未印字の記録材料を40
℃、85%RHの雰囲気で一昼夜放置後、23℃、55
%RHで一昼夜放置し、インク受容層表面のひび割れを
下記の基準で評価した。 ○:全くひび割れ無し。 △:一部に微細なひび割れ有るが実使用で問題無し。 ×:全面にひび割れ有り。
℃、85%RHの雰囲気で一昼夜放置後、23℃、55
%RHで一昼夜放置し、インク受容層表面のひび割れを
下記の基準で評価した。 ○:全くひび割れ無し。 △:一部に微細なひび割れ有るが実使用で問題無し。 ×:全面にひび割れ有り。
【0093】<インク吸収性>インクジェットプリンタ
ー(セイコーエプソン社製、MC2000)にてシア
ン、マゼンタ、イエロー単色100%と、3重色300
%をそれぞれ印字して、印字直後にPPC用紙を印字部
に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の
程度を目視で観察した。下記の基準で総合で評価した。 ○:全く転写しない。 △:やや転写する。 ×:転写が大きく実使用不可。
ー(セイコーエプソン社製、MC2000)にてシア
ン、マゼンタ、イエロー単色100%と、3重色300
%をそれぞれ印字して、印字直後にPPC用紙を印字部
に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の
程度を目視で観察した。下記の基準で総合で評価した。 ○:全く転写しない。 △:やや転写する。 ×:転写が大きく実使用不可。
【0094】<耐光性>インクジェットプリンター(セ
イコーエプソン社製PM−770C)を用いてマゼンタ
で反射濃度が1.0になるようにベタ印字を行い、透明
フィルムで密閉し、アトラス社製サンテストCPS光退
色試験機にて600W/m2で50時間照射した後、印字
部の濃度を測定し、画像残存率(照射後濃度/照射前の
濃度)を求めた。
イコーエプソン社製PM−770C)を用いてマゼンタ
で反射濃度が1.0になるようにベタ印字を行い、透明
フィルムで密閉し、アトラス社製サンテストCPS光退
色試験機にて600W/m2で50時間照射した後、印字
部の濃度を測定し、画像残存率(照射後濃度/照射前の
濃度)を求めた。
【0095】<耐ガス性>上記耐光性試験と同様にシア
ンで反射濃度が1.0になるようにベタ印字で印字後、
暗室内壁面に室温で100日間曝露した後、印字部の濃
度を測定し、画像残存率(曝露後濃度/曝露前の濃度)
を求めた。
ンで反射濃度が1.0になるようにベタ印字で印字後、
暗室内壁面に室温で100日間曝露した後、印字部の濃
度を測定し、画像残存率(曝露後濃度/曝露前の濃度)
を求めた。
【0096】<画像の経時ひび割れ>インクジェットプ
リンター(セイコーエプソン社製、MC2000)にて
シアン、マゼンタ、イエローの3重色300%を印字し
たシートを5枚重ねて23℃、55%RHの環境で一昼
夜放置し、取り出した最下部のシートを一昼夜放置後に
印字面のひび割れを下記の基準で評価した。 ○:全くひび割れ無し。 △:一部に微細なひび割れ有るが実使用で問題無し。 ×:全面にひび割れ有り。
リンター(セイコーエプソン社製、MC2000)にて
シアン、マゼンタ、イエローの3重色300%を印字し
たシートを5枚重ねて23℃、55%RHの環境で一昼
夜放置し、取り出した最下部のシートを一昼夜放置後に
印字面のひび割れを下記の基準で評価した。 ○:全くひび割れ無し。 △:一部に微細なひび割れ有るが実使用で問題無し。 ×:全面にひび割れ有り。
【0097】
【表1】
───────────────────────────────────
光沢性 高湿 インク吸収性 画像の経時 画像耐久性
ひび割れ ひび割れ 耐光性 耐ガス性
───────────────────────────────────
実施例1 ○ ○ ○ ○ 90 91
実施例2 ○ ○ ○ ○ 91 90
実施例3 ○ ○ ○ ○ 93 93
実施例4 ○ ○ ○ ○ 89 92
実施例5 ○ ○ ○ ○ 90 92
実施例6 ○ ○ ○ ○ 90 92
実施例7 ○ ○ ○ ○〜△ 90 93
実施例8 ○ ○ ○ ○ 89 94
実施例9 ○ ○ ○ ○ 90 94
実施例10 ○ △ ○ △ 91 93
実施例11 ○ ○ ○ ○ 91 92
───────────────────────────────────
比較例1 ○ △ ○ △ 75 68
比較例2 ○ △ ○ × 68 90
比較例3 ○ △ ○ × 71 89
比較例4 △ △ ○ × 72 69
───────────────────────────────────
【0098】上記結果から明らかなように実施例1〜1
1は光沢性、インク吸収性、高湿ひび割れに優れ、印字
画像の耐久性および経時ひび割れが良好である。特に実
施例11の高湿ひび割れ、および画像の経時ひび割れは
過酷な湿度環境条件での評価では他の実施例よりも良好
であった。比較例1は実施例1で化2の化合物(H1)
とメチロールメラミン系樹脂を抜いた場合であるが、高
湿ひび割れと画像の経時ひび割れが低下し、耐光性、お
よび耐ガス性に劣った。比較例2は実施例1で化2の化
合物(H1)をN,N−ジエチルヒドロキシルアミンに
代え、メチロールメラミン系樹脂化を抜いた場合である
が、高湿ひび割れが低下し、画像の耐光性と画像の経時
ひび割れが劣った。比較例3は、実施例1で化2の化合
物(H1)をN,N−ジエチルヒドロキシルアミンに代
え、メチロールメラミン系樹脂に代えてグリオキザール
を用いた場合であるが、高湿ひび割れが低下し、画像の
耐光性と画像の経時ひび割れに劣った。比較例4は、実
施例1で化2の化合物(H1)とホウ酸を抜いた場合で
あるが、インク受容層表面に塗布ムラが発生して光沢性
が低下し、高湿ひび割れが低下し、画像の耐光性と画像
の経時ひび割れが劣った。
1は光沢性、インク吸収性、高湿ひび割れに優れ、印字
画像の耐久性および経時ひび割れが良好である。特に実
施例11の高湿ひび割れ、および画像の経時ひび割れは
過酷な湿度環境条件での評価では他の実施例よりも良好
であった。比較例1は実施例1で化2の化合物(H1)
とメチロールメラミン系樹脂を抜いた場合であるが、高
湿ひび割れと画像の経時ひび割れが低下し、耐光性、お
よび耐ガス性に劣った。比較例2は実施例1で化2の化
合物(H1)をN,N−ジエチルヒドロキシルアミンに
代え、メチロールメラミン系樹脂化を抜いた場合である
が、高湿ひび割れが低下し、画像の耐光性と画像の経時
ひび割れが劣った。比較例3は、実施例1で化2の化合
物(H1)をN,N−ジエチルヒドロキシルアミンに代
え、メチロールメラミン系樹脂に代えてグリオキザール
を用いた場合であるが、高湿ひび割れが低下し、画像の
耐光性と画像の経時ひび割れに劣った。比較例4は、実
施例1で化2の化合物(H1)とホウ酸を抜いた場合で
あるが、インク受容層表面に塗布ムラが発生して光沢性
が低下し、高湿ひび割れが低下し、画像の耐光性と画像
の経時ひび割れが劣った。
【0099】
【発明の効果】本発明によれば、高いインク吸収性、高
光沢で、高湿ひび割れが良好でかつ印字画像の耐光性、
耐ガス性や画像の経時でのひび割れが改良されたフォト
ライクなインクジェット用記録材料が得られる。
光沢で、高湿ひび割れが良好でかつ印字画像の耐光性、
耐ガス性や画像の経時でのひび割れが改良されたフォト
ライクなインクジェット用記録材料が得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06
2H086 BA01 BA15 BA16 BA17 BA19
BA33 BA35 BA37 BA41 BA46
4D075 AE03 BB24Z CA35 CA38
CA48 CB04 DA06 DB18 DB31
DB33 DB38 DB43 DB48 DB53
DB63 DC27 EA06 EA21 EA43
EB13 EB19 EB60 EC01 EC02
EC03 EC07 EC53
Claims (11)
- 【請求項1】 耐水性支持体上に1層以上のインク受容
層を有するインクジェット用記録材料において、該イン
クジェット用記録材料が、無機微粒子、含ホウ素化合
物、ヒドラジン誘導体、メチロールアミノ系化合物、お
よびポリビニルアルコールを含有することを特徴とする
インクジェット用記録材料。 - 【請求項2】 前記ヒドラジン誘導体が、カルボノヒド
ラジド誘導体およびセミカルバジド誘導体の少なくとも
1種である請求項1に記載のインクジェット用記録材
料。 - 【請求項3】 前記メチロールアミノ系化合物がメチロ
ールメラミン系化合物である請求項1または2に記載の
インクジェット用記録材料。 - 【請求項4】 前記無機微粒子が平均一次粒径5〜30
nmである、気相法シリカおよびアルミナ水和物の少な
くとも1種である請求項1〜3の何れか1項に記載のイ
ンクジェット用記録材料。 - 【請求項5】 前記インク受容層が水溶性金属化合物を
含有する事を特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記
載のインクジェット用記録材料。 - 【請求項6】 前記インク受容層が2層以上であり、耐
水性支持体に近い下層が平均一次粒径5〜30nmの気
相法シリカを含有し、上層が平均一次粒径5〜30nm
でアスペクト比2以上のアルミナ水和物を含有する請求
項1〜5の何れか1項に記載のインクジェット用記録材
料。 - 【請求項7】 前記水溶性金属化合物が水溶性アルミニ
ウム化合物あるいは周期表4A族元素を含む水溶性化合
物の少なくとも1種である請求項1〜6の何れか1項に
記載のインクジェット用記録材料。 - 【請求項8】 前記耐水性支持体が、インク受容層を設
ける面のJIS−B0601で規定されるカットオトフ
値0.8mmでの中心線平均粗さが0.1〜4μmであ
ることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の
インクジェット用記録材料。 - 【請求項9】 請求項1〜8の何れかに記載のインクジ
ェット用記録材料の製造方法であり、該インク受容層を
設けるための塗工液を耐水性支持体上に塗工し、乾燥工
程でインク受容層の表面温度を50℃以上にすることを
特徴とするインクジェット用記録材料の製造方法。 - 【請求項10】 請求項1〜8の何れかに記載のインク
ジェット用記録材料の製造方法であり、該インク受容層
を設けるための塗工液のpHが3〜5.5であるインク
ジェット用記録材料の製造方法。 - 【請求項11】 請求項1〜8の何れかに記載のインク
ジェット用記録材料の製造方法であり、該インク受容層
を設けるための塗工液が、無機微粒子、含ホウ素化合
物、ヒドラジン誘導体、およびポリビニルアルコールを
含有する液にメチロールアミノ系化合物を含有する液を
塗工の直前にインラインで添加、混合してなることを特
徴とするインクジェット用記録材料の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2001399207A JP2003191633A (ja) | 2001-12-28 | 2001-12-28 | インクジェット用記録材料、およびその製造方法 |
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JP2001399207A JP2003191633A (ja) | 2001-12-28 | 2001-12-28 | インクジェット用記録材料、およびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2003101745A1 (fr) * | 2002-06-04 | 2003-12-11 | Canon Kabushiki Kaisha | Support d'enregistrement pour encre et procede de production dudit support |
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KR100704582B1 (ko) * | 2005-01-11 | 2007-04-06 | 세이코 엡슨 가부시키가이샤 | 식별 코드 묘화 방법, 기판 및 표시 모듈 |
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-
2001
- 2001-12-28 JP JP2001399207A patent/JP2003191633A/ja active Pending
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