JP2003191398A - 加飾シート及び射出成形同時加飾方法 - Google Patents
加飾シート及び射出成形同時加飾方法Info
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Abstract
インキ層を形成する際、印刷インキが筋を引くという印
刷不良が発生せず、しかも絵柄インキ層を形成する際
に、経時的なバラツキ等が生ぜず、安定した製造が可能
である加飾シートを提供する。 【解決手段】 透明アクリル樹脂からなる表面基材シー
ト2の裏面に、アクリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共
重合体との混合物から成る透明樹脂層3、及びアクリル
樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体のバインダー樹
脂と着色剤とからなる絵柄インキ層4を此の順に積層し
て加飾シート1を構成した。
Description
射出成形同時加飾方法に好適な加飾シート、及び射出成
形同時加飾方法に関する。
目的に、加飾シートが広く用いられている。このような
加飾シートとして例えば、特許第3017107号公報に記載
されている様に、動摩擦係数が0.2〜0.9のアクリル酸エ
ステル又はメタアクリル酸エステルの単独或は共重合体
から成るアクリル樹脂の表面基材シートの裏面に、直
接、アクリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体と
の混合物系バインダー樹脂に顔料を添加して成る絵柄イ
ンキ層を印刷形成して成るものが公知である。
表面基材シートに硬質塗膜を設けずに(成形性を低下さ
せずに)、耐擦傷性の高い加飾成形品を得ることができ
るというものである。
シートは、その製造時に、アクリル樹脂からなる表面基
材シートに絵柄インキ層を形成する際、印刷した絵柄に
筋を引いたり、或は泳ぎが発生することが有り、印刷不
良になってしまうという問題があった。これは、アクリ
ル樹脂シートは表面の濡れ性が悪い為に、絵柄インキ層
の印刷インキが乗り難くなることが原因である。
ートの印刷面に、予めコロナ放電処理を施し、しかる後
絵柄印刷を施すことを試みた。その結果、上記の印刷イ
ンキが筋を引く欠点は改善されることが判った。しか
し、コロナ放電処理の効果は、経時的に消失してゆく。
その為、コロナ放電処理工程と印刷工程の時間間隔、及
び湿度により、印刷時に筋を引くという欠点の改善効果
についても、不安定で有り、バラツキを生じてしまうと
いう問題があった。
面基材シートに加えることは、印刷工程に加えて処理工
程が増えてしまうという問題があった。
に成されたものであり、アクリル樹脂からなる表面基材
シートに絵柄インキ層を形成する際、印刷インキが筋を
引くという印刷不良が発生せず、しかも絵柄インキ層を
形成する際に、経時的なバラツキ等が生ぜず、安定した
製造が可能で有り、且つ製造工程も煩雑ではない加飾シ
ートを提供することを目的とする。
ル樹脂からなる表面基材シートの裏面に着色剤を含まな
いアクリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体との
混合物から成る透明樹脂層、及びアクリル樹脂と塩化ビ
ニル-酢酸ビニル共重合体のバインダー樹脂と着色剤と
からなる絵柄インキ層、を此の順に積層してなる加飾シ
ート、(2)絵柄インキ層裏面に、更に接着剤層を積層し
て成る上記(1)記載の加飾シート、(3)絵柄インキ層或
は接着剤層裏面に、更に裏面基材シートを積層して成る
上記(1)又は(2)記載の加飾シート、(4)上記(1)〜
(3)記載の加飾シートを、射出成形機の雌雄両型間に表
面基材シート側が射出ゲートとは反対側を向くように挿
入し、次いで両型を係合、型締めし、次いで両型間に形
成されるキャビティ内に流動状態の樹脂を射出充填した
後固化せしめ、次いで両型を開放し、表面に加飾シート
が積層一体化した樹脂成形品を得ることを特徴とする射
出成形同時加飾方法、を要旨とするものである。
に説明する。図1に示すように本発明加飾シート1は、透
明アクリル樹脂からなる表面基材シート2の裏面に、ア
クリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体との混合
物から成る透明樹脂層3、及びアクリル樹脂と塩化ビニ
ル-酢酸ビニル共重合体のバインダー樹脂と着色剤とか
らなる絵柄インキ層4、を此の順に積層してなるもので
ある。なお、本発明において表面加飾シートの「表面」
とは、加飾シートが成形品などの表面に加飾された状態
で、外面に露出し、観察者の目に触れる側を意味する。
図1(A)〜(C)においては、上方が表面側であり下方が裏
面側となる。
絵柄インキ層4形成面側に、顔料を含まないアクリル樹
脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体から成る透明樹脂
を塗工印刷した透明樹脂層3を形成することで、濡れ性
が向上する。具体的には濡れ指数を40dyn/cm2以上とす
ることができる。この濡れ性の良い透明樹脂層3に、該
透明樹脂層3と同じ樹脂をバインダー樹脂とし、これに
着色剤を添加して成るインキにて絵柄インキ層4の印刷
形成を行なう為に、印刷の際に筋を引いたり絵柄に泳ぐ
問題が発生しない。また透明樹脂層3は、塗工或は印刷
などの手段で容易に形成することができる。更に透明樹
脂層は化学的に安定であり、経時的に組成が変化して濡
れ性が低下することも無い。
うに絵柄インキ層3の裏面に更に接着剤層5を形成しても
良い。また図1(C)に示すように該接着剤層5の裏面に更
に裏面基材シート6を積層することができる。あるいは
特に図示しないが、図1に示す加飾シートの絵柄インキ
層4の裏面に接着剤層を形成して加飾シートを構成して
も良い。
ル樹脂は、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポ
リブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレー
ト-ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メ
タ)アクリレート-エチル(メタ)アクリレート共重合
体、メチル(メタ)アクリレート-スチレン共重合体等の
アクリル樹脂[但し、(メタ)アクリレートとは、アクリ
レート又はメタクリレートの意味である。]の単体又は2
種以上の混合物が用いられる。
付与する為に、透明アクリル樹脂に、炭化水素系滑剤、
脂肪酸系滑剤等の滑剤を添加するのが好ましい。但し、
滑剤を添加し過ぎると、射出成形同時加飾時に型内でシ
ートが滑って、シワ、歪み等を生じ易くなる。そのた
め、滑剤の添加量は、表面基材シートの表面の動摩擦係
数が0.2〜0.9になるように添加するのが好ましい。例え
ば、添加量でいうと、0.1〜0.5質量%である。
を添加することができる。耐候性添加剤としては、ベン
ゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、微粒子酸化セリ
ウム等の紫外線吸収剤、及び/又は、ヒンダードアミン
系ラジカル捕捉剤等の光安定剤を添加することが好まし
い。紫外線吸収剤、及び光安定剤の添加量は、いずれも
通常0.1〜0.5質量%程度である。
の積層体の透明アクリル樹脂シートを用いても良い。ま
た、表面基材シート2における透明とは、無色透明、及
び必要に応じて適宜公知の着色剤を添加して着色透明を
含み、下層の透明樹脂層及び絵柄インキ層が見える程度
の透明性であれば良く、半透明も含む。
ないが、通常は20〜300μm程度に形成される。加飾製品
の表面の耐候性、耐摩耗性を確保するという点からは、
厚みは30μm以上が好ましく、より好ましくは50μm以上
である。
透明樹脂層3形成面側に予め、コロナ放電処理を施すこ
とができる。
ル-酢酸ビニル共重合体との混合物から成り、着色剤を
含まない。厚みは、1〜10μmに形成される。上記アクリ
ル樹脂は、表面基材シートの説明で例示したアクリル樹
脂が用いられる。上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
としては、通常、酢酸ビニル含有量が5〜20質量%程
度、平均重合度350〜900程度のものが用いられる。ま
た、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、必要に応じ、
更にマレイン酸、フマル酸等のカルボン酸を共重合させ
たものでも良い。
る塗工組成物を表面基材シート2表面に、公知の各種塗
工手段により塗工して形成することができる。上記塗工
手段は、ロールコート、グラビアロールコート、スプレ
ーコート、コンマコート等が挙げられる。また、予め形
成した透明樹脂層3を表面基材シート2と熱融着、ドライ
ラミネート等により接着積層しても良い。或いは、透明
樹脂層3と表面基材シート2とを熔融状態で2層共押出し
て形成しても良い。
脂の中から選択して成るバインダー樹脂(但し透明樹脂
層3と同じものである必要はない)に着色剤を添加して
成る。着色剤は公知の染料や顔料で良く、例えばチタン
白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、コバルトブルー等
の無機顔料、アニリンブラック、フタロシアニンブル
ー、イソインドリノン、キナクリドン等の有機顔料、ア
ルミニウム箔粉等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母等
の真珠光沢(パール)顔料、その他染料等を用いる事が
できる。
ニル-酢酸ビニル共重合体との混合樹脂をバインダー樹
脂として、着色剤を含有する層であれば、これ以外の点
において基本的に制限は無く、その他の添加剤等を添加
しても良い。なお絵柄インキ層の絵柄は、木目、石目、
布目、砂目、皮絞模様、幾何学模様、文字、記号、全面
ベタ等と任意である。また絵柄インキ層4は、木目柄等
による装飾目的の層以外に、銀粉等の導電性粉末をバイ
ンダー中に分散させた、導電性層等の機能層でも良い。
樹脂と着色剤とを混合して印刷インキ又は塗料の形態と
し、公知の印刷法又は塗工法により形成することができ
る。なお、塗工法は全ベタ柄のときに用いることができ
る。
いられる。具体的には、ポリオールを主剤とし、イソシ
アネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂である。
ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有す
るもので、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポ
リオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネート
ポリオール、ポリウレタンポリオール等が用いられる。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイ
ソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられ
る。例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、キシレン
ジイソシアネート、4,4′-ジフェニルメタンジイソシア
ネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6-ヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフ
ェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環
式)イソシアネート、或いはまた、上記各種イソシアネ
ートの付加体、又は多量体を用いる事もできる。例え
ば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイ
ソシアネート3量体(trimer)等がある。
脂を用いた接着剤をインキ又は塗液として、公知の印刷
法又は塗工法で形成すれば良い。接着剤層6の厚みは特
に制限はないが、例えば5〜20μm程度である。
に示す態様では、接着剤を施す面は、絵柄インキ層4
側、裏面基材シート6側、或いは、これら両方のいずれ
に設けても良い。
脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
スチレン、AS(アクリロニトリル-スチレン共重合
体)、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレ
ン共重合体)、ポリ塩化ビニル等の1種単独或いは2種以
上の混合物が用いられる。
ば、ポリエチレン(低密度、或は高密度)、ポリプロピレ
ン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン-プロ
ピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体等の高結
晶質の非エラストマーポリオレフィン系樹脂、或いは各
種のオレフィン系熱可塑性エラストマーが用いられる。
これらのポリオレフィン系樹脂は1種類のみの単独使用
でも良いが、2種以上の樹脂を併用しても良い。
剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填
剤等の各種の添加剤を添加しても良い。例えば難燃剤と
しては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が
用いられる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
ル系、ベンゾフェノン系等が用いられる。また光安定剤
としては、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等が用い
られる。また充填剤としては、例えば、マイカ、タル
ク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミ
ナ、カオリナイト等の体質顔料等が用いられる。
ことで、該裏面基材シートに着色隠蔽性を付与して加飾
シート1を積層する成形品等の色を隠蔽し、かつ絵柄イ
ンキ層4の下地色を整えることもできる。この着色剤と
しては、前述の絵柄インキ層の説明で例示した如き、公
知の着色剤を用いることができる。
としても良い。例えば2層構成とする場合、直接2層を熱
融着で積層しても良いが、層間に接着層を介して積層し
ても良い。この場合の接着層には前記接着剤層5に用い
る2液硬化型ウレタン樹脂等が使用できる。また層間に
接着剤層を介在させずに2層等の複層構成とするには、
例えば、Tダイによる共押出法によって成膜と同時に積
層すれば良い。また接着層を介して積層するには、例え
ば、ドライラミネーション法で積層すれば良い。
に形成され、この場合、加飾シート1の総厚みは100〜60
0μm程度に形成される。加飾シート1の厚み(総厚み)
は、予備成形を射出成形型とは別の型で行う場合は、予
備形成型から脱型して、射出成形型に装着する為の強
度、保形性を確保する等の理由から、比較的厚目の300
〜600μmである。又、予備成形型を射出成形型と兼用す
る場合は、脱型の際の保型性、破れ等の心配は無い為、
比較的薄目の100〜300μmである。
成形品7等の表面に、加飾シート1の表面基材シート側
が外表面となるように積層して加飾成形品8等とする。
方法に最適に用いられる。上記加飾シートを用いた本発
明射出成形同時加飾方法について、以下に説明する。図
3(A)〜(C)は本発明射出成形同時加飾方法を説明するた
めの工程図であり、この形態は、射出成形型は別体の真
空成形型で加飾シートを加熱し軟化させて予備成形した
後に、予備成形された加飾シートを射出成形型に挿入
後、型締めして樹脂を射出する、オフラン予備成形によ
る形態である。
示す様に、型面に吸引孔31等の吸引手段を有する真空成
形型32を用いて、ヒータ33で加熱軟化させた加飾シート
1を真空成形により予備成形する。なお、真空成形型32
は、鉄やアルミニウム等の金属、或いはセラミックス等
からなる。また、加飾シート1は適宜枠状のシートクラ
ンプ34で固定する。この際、加飾シート1の表面基材シ
ート2側は、射出樹脂側とは反対側(図面下方)となる
向きとする。また、図3(A)に示すヒータ33による加熱軟
化は、例えば非接触の輻射加熱であるが、接触による伝
導加熱でも良い。そして、予備成形は、吸引孔31から吸
引して加飾シート1を真空成形型32の型面に沿わせ真空
成形する。
図3(B)に示すように、射出成形型の雌型35aと雄型35b
との間に供給する。ここでは射出成形型の雌型35aはそ
のキャビティ面が予備成形型32の型面と同一又は略同一
形状を成し、予備成形済の加飾シート1を固定する型と
なり、射出成形型の雄型35bの方は射出ノズルと連通す
る湯道(ランナー)及び湯口(射出ゲート36)を有す
る。これらの型は鉄等の金属、或いはセラミックスから
なる。
5a、35b間に、表面基材シート1側が射出ゲート36とは反
対側(図中左側の雌型35a側)を向くように挿入し、枠状
のシートクランプ37で押圧する等して固定する。次い
で、図3(C)に示すように両型35a、35bを係合、型締め
し、両型間に形成されるキャビティ内に加熱熔融状態等
の流動状態の樹脂38を射出充填した後、冷却する等して
固化せしめ、次いで両型を開放する。加飾シート1の不
要部分がある場合は、それを適宜トリミングすれば、図
2に示す如き、成形品7の表面に加飾シート1が積層一体
化した樹脂成形品8が得られる。
予備成形を行う形態、或いは行わない形態、また、加飾
シート1の予熱を行う形態、行わない形態のいずれでも
良い。なお、予備成形時には通常は加飾シート1は予熱
する。加飾シートの絞りが大きい場合は、予備成形を行
うのが好ましい。一方、加飾シートの絞りが少ない(浅
い)場合は、予備成形無しで樹脂射出と同時に型内に充
填される流動状態の樹脂の樹脂圧で加飾シートを成形し
ても良い。この樹脂圧で加飾シートを成形する場合、該
シートを予熱せずに、射出樹脂の熱を利用することもで
きる。
型以外の真空成形型を用いて予備成形(オフライン予備
成形)を行なう方法であるが、射出成形型を真空成形型
と兼用して行う方法でも良い。予備成形として射出成形
型を真空成形型と兼用して行う形態は、効率的で且つ加
飾シートを成形体に精度良く積層できる点で好ましいも
のであるが、オフライン予備成形は、予備成形済み加飾
シートを予め別の場所で纏めて製造しておく場合は好ま
しい。なお、本発明に於いて真空成形とは真空圧空成形
も包含する。
加飾方法に用いられる従来公知のものが使用可能であ
り、製品の要求物性、コスト等に応じて適宜選定され
る。特に裏面基材シート6を有する加飾シート1{図1(C)
の態様}の場合には、射出成形樹脂と裏面基材シートの
樹脂の種類が同じものを用いると、密着性等の点で好ま
しい。射出成形樹脂は例えば、ABS(アクリロニトリル・
ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、AS(アクリロニト
リル・スチレン共重合体)樹脂、ポリスチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂を加熱熔融して液状乃
至流動状態となったもの、或いは2液硬化型、触媒硬化
型の樹脂、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等
の未硬化液等が挙げられる。
樹脂成形品7を無色透明に形成してもよいが、通常は、
隠蔽性を付与すること、加飾成形品自体に所望の色調を
付与するために、着色剤が添加される。この着色剤は、
チタン白、アンチモン白、カーボンブラック、鉄黒、弁
柄、カドミウムレッド、群青、コバルトブルー、黄鉛、
チタンイエロー等の無機顔料、フタロシアニンブルー、
インダスレンブルー、イソインドリノンイエロー、ベン
ジジンイエロー、キナクリドンレッド、ポリアゾレッド
等の有機顔料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片から
なる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母等の鱗片状箔片か
らなる真珠光沢(パール)顔料、或いは染料等が用いら
れる。
の各種形状、各種材料の成形品に、以下の(i)〜(iv)の
方法で積層するができる。 (i)接着剤層を間に介して加飾シートを板状基材に加圧
ローラーで加圧して積層する方法。 (ii)特公昭56-45768号公報、特公昭60-58014号公報等に
記載される様に、成形品の表面に加飾シートを間に接着
剤層を介して対向ないしは載置し、成形品側からの真空
吸引による圧力差により加飾シートを成形品表面に接着
積層する、所謂真空プレス積層方法。 (iii)特公昭61-5895号公報、特公平3-2666号公報などに
記載される様に、円柱、多角柱などの柱状基材の長軸方
向に、加飾シートを間に接着剤層を介して供給しつつ、
複数の向きの異なるローラーにより、柱状体を構成する
複数の側面に、順次加飾シートを加圧接着して積層して
ゆく、所謂ラッピング加工方法。 (iv)実公大15-31122号公報、特開昭48-47972号公報等に
記載される様に、先ず加飾シートを板状基材に接着剤層
を介して積層し、次いで板状基材の加飾シートと反対側
の面に、加飾シートと板状基材との界面に到達するが、
断面がV字状、又はU字状溝を切削し、次いで該溝内に接
着剤を塗付した上で、外溝を折り曲げ箱体又は柱状体を
形成する所謂、Vカット又はUカット加工方法。
飾成形品は、外装材、建築物の内装又は外装材、家具、
建具、造作部材(腰壁、幅木、廻縁等)、容器、家電製
品又はOA機器等の筐体等の各種用途に利用することがで
きる。
ル樹脂シート(脂肪族アルコール系滑剤を、0.2質量%添
加し、動摩擦係数を0.45としたもの)を表面基材シート
として用意した。該表面基材シートの裏面に、着色剤を
含まないアクリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合
体との5対5質量比の混合物から成る塗料をグラビアロー
ルコートにより、乾燥時膜厚2μmの透明樹脂層を形成し
た。次いで、該透明樹脂層上に、グラビア印刷により大
理石模様の絵柄インキ層を形成した。絵柄インキの組成
は、透明樹脂層に用いた塗料から成るバインダー樹脂中
に、イソインドリノンイエロー、キナクリドンレッド、
フタロシアニンブルーから成る顔料を着色剤として添加
したものを用いた。斯くして、図1(A)の如き構成(断面
図)の加飾シートを得た。
アクリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体との4対
6質量比の混合物から成る接着剤層をグラビアロールコ
ートにより、厚み4μm(乾燥時)に形成した。斯くして図
1(B)の如き構成(断面図)の加飾シートを得た。
00μmのABS樹脂シート{(アクリロニトリル/ブタジエン/
スチレン)質量比=60/20/20}から成る裏面基材シートを
熱融着により積層した。斯くして、図1(C)の如き構成の
加飾シートを得た。
基材シートに直接絵柄インキ層を形成した他は、実施例
1と同様にして、比較例1の加飾シートを得た。
ンキ層の絵柄を目視観察して、絵柄の品質を評価した。
結果を下記の表に示す。
き射出成形同時加飾を行なった。各加飾シートを図3(A)
に示す如く鋼製で真空ポンプに連結された吸引孔を有す
る真空成形型内に挿入し、シートクランプにて、シート
の型周縁部を固着し、赤外線輻射型ヒータにて加飾シー
トを加熱軟化せしめ吸引孔から吸引して、真空成形によ
り真空成形型表面形状に、加飾シートを成形し、加飾シ
ートを室温にまで冷却した(予備成形)。次いで図3(B)に
示す如く、真空成形型から取り出した成形済み加飾シー
トを、鋼製の雌雄両射出成形型内に装着し、両型を係
合、型締めし、次いで図3(C)に示す如く、雄型の湯口
(ゲート)より熔融したABS樹脂を、雌雄両型間の型窩(キ
ャビティ)内に射出充填し冷却固化せしめた。次いで、
両型を開放し、樹脂成形品表面に加飾シートが接着、積
層された図2の如き加飾成形品を得た。得られた加飾成
形品においては、真空成形(予備成形)、及び射出成型時
の加飾シートの破れ、皺もなく、又絵柄に筋、泳ぎ等の
不具合のない良好なものであった。
リル樹脂からなる表面基材シートの裏面に着色剤を含ま
ないアクリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体と
の混合物から成る透明樹脂層、及びアクリル樹脂と塩化
ビニル-酢酸ビニル共重合体のバインダー樹脂と着色剤
とからなる絵柄インキ層、を此の順に積層してなる構成
を有する為、濡れ性のよい透明樹脂層に、該透明樹脂層
と同じアクリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体
のバインダー樹脂からなるインキを用いて絵柄インキ層
を印刷することができる為に、絵柄インキ層の印刷の際
に筋を引くことや泳ぎなどが発生することがなく、良好
な絵柄インキ層を形成することができる。
で容易に形成することができると共に、透明樹脂層は化
学的に安定であり、経時的に組成が変化することも無い
為、コロナ放電処理を施す場合のようなバラツキが生じ
る虞もなく、良好な品質の加飾シートを安定的に製造す
ることが可能である。更にコロナ放電処理のような工程
を省略できる。
積層して加飾シートを構成した場合には、成型品などの
被加飾品に対して容易に加飾シートを接着することがで
きる。
に裏面基材シートを積層して加飾シートを構成した場合
には、成型品などの種類に応じて最適な裏面基材シート
を選択することができる為、接着性を向上させることが
できる。また加飾シートに強度を持たせて成形性を向上
せしめることや、安価な材料を使用してコスト低減を図
ることができるといった効果が得られる。
面図である。
を示す工程図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 透明アクリル樹脂からなる表面基材シー
トの裏面に着色剤を含まないアクリル樹脂と塩化ビニル
-酢酸ビニル共重合体との混合物から成る透明樹脂層、
及びアクリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の
バインダー樹脂と着色剤とからなる絵柄インキ層、を此
の順に積層してなる加飾シート。 - 【請求項2】 絵柄インキ層裏面に、更に接着剤層を積
層して成る請求項1記載の加飾シート。 - 【請求項3】 絵柄インキ層或は接着剤層裏面に、更に
裏面基材シートを積層して成る請求項1又は請求項2記載
の加飾シート。 - 【請求項4】 請求項1〜請求項3記載の加飾シートを、
射出成形機の雌雄両型間に表面基材シート側が射出ゲー
トとは反対側を向くように挿入し、次いで両型を係合、
型締めし、次いで両型間に形成されるキャビティ内に流
動状態の樹脂を射出充填した後固化せしめ、次いで両型
を開放し、表面に加飾シートが積層一体化した樹脂成形
品を得ることを特徴とする射出成形同時加飾方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001396996A JP2003191398A (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 加飾シート及び射出成形同時加飾方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001396996A JP2003191398A (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 加飾シート及び射出成形同時加飾方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=27602922
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001396996A Pending JP2003191398A (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 加飾シート及び射出成形同時加飾方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003191398A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009113496A (ja) * | 2009-02-23 | 2009-05-28 | Toppan Printing Co Ltd | 高耐候性化粧シート |
US8802223B2 (en) | 2007-10-08 | 2014-08-12 | Teikoku Printing Inks Mfg. Co. Ltd. | Decorated sheet and molded article integrated with the same |
KR101453556B1 (ko) * | 2007-10-18 | 2014-10-21 | 데이코쿠 잉키 세이조 가부시키가이샤 | 가식(加飾) 시트 및 가식 시트와 일체화된 성형품 |
-
2001
- 2001-12-27 JP JP2001396996A patent/JP2003191398A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101453556B1 (ko) * | 2007-10-18 | 2014-10-21 | 데이코쿠 잉키 세이조 가부시키가이샤 | 가식(加飾) 시트 및 가식 시트와 일체화된 성형품 |
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