JP2003176080A - 長手物体の巻き替え装置 - Google Patents
長手物体の巻き替え装置Info
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Abstract
にして、手動操作を行うことなく、超極細線等でも安定
して巻き替えを行うことができる長手物体の巻き替え装
置を提供する。 【解決手段】 線状又は帯状のワイヤ1を供給する給線
部2と、給線部2を回転するための給線部モータ3と、
ワイヤ1を巻き取る巻き取り部5と、巻き取り部5を回
転するための巻き取り部モータ6と、ワイヤ1に加わる
張力を検出する張力検出装置8と、ワイヤ1の速度を検
出する速度検出装置9と、張力検出装置8で検出された
張力検出値と張力基準値との差に基づきワイヤ1の張力
を張力基準値に保持するための操作量を作成して給線部
モータ3に供給する給線部インバータ4と、速度検出装
置9で検出された速度検出値と速度基準値との差に基づ
きワイヤ1の速度を速度基準値に保持するための操作量
を作成して巻き取り部モータ6に供給する巻き取り部イ
ンバータ7とを有する。
Description
等の長手物体の巻き替え装置に関する。
長手物体が満巻きされたボビン(以下、給線部)から空
巻きのボビン(以下、巻き取り部)に長手物体を巻き替
えるもので、従来のこの種の長手物体の巻き替え装置と
しては、例えば特公平7−12884号公報に記載され
たものがある。この巻き替え装置(従来例1)は、ワイ
ヤ供給側回転体(例えばキャプスタン)と、ワイヤ巻き
取り側回転体(巻き取り部)と、ワイヤ供給側回転体を
駆動するモータと、ワイヤ巻き取り側回転体を駆動する
モータと、給線部と巻き取り部との間に設けられ且つ張
力調整及び張力検出機能を有するダンサーとを備えてい
る。この巻き替え装置によれば、給線部を強制的に駆動
させず、巻き取り部のみをモータで回転させ、ダンサー
を加味した単純な構成で、巻き取り側の回転速度にまか
せて、ワイヤの巻き替えを行うことができる。
に給線部に給線部モータ等の駆動装置を装備した巻き替
え装置(従来例2)は、ダンサーからの張力検出信号と
ダンサーの基準位置を示す基準値との誤差信号即ち偏差
信号を作成し、この偏差信号により速度指令を補正し
て、ダンサー位置を一定に制御することもできる。さら
に、ダンサー位置を一定に制御しない巻き替え装置(従
来例3)の場合には、時間の経過とともに給線部あるい
は巻き取り部の回転数を手動で変更して調整していた。
た従来例1及び従来例2の巻き替え装置にあっては、給
線部及び巻き取り部の各々をモータにより一定の回転数
で駆動している場合、給線部では、時間の経過と共に、
図7(a)に示すように長手物体の線速度が遅くなる。
これは、給線部において時間の経過と共に長手物体の巻
径が小さくなるため、単位時間あたりの長手物体の給線
量が小さくなるからである。また、巻き取り部では、時
間の経過と共に、図7(b)に示すように長手物体の線
速度が速くなる。これは、巻き取り部において時間の経
過と共に長手物体の巻径が大きくなるため、単位時間あ
たりの長手物体の巻き取り量が大きくなるからである。
き取り部の互いの回転数比を正確に合わせたとしても、
徐々に互いの線速度が合わなくなってしまい、大きくダ
ンサーが中心から外れて動作することになってしまう。
このため、最終的には、断線することになる。
替え装置にあっては、長手物体の線速度が時間の経過と
ともに変化する。線径の比較的太い線(約1mm以上)
や、張力の比較的大きい線(約100g以上)の巻き取
りでは、線速度の変化は比較的問題にならない場合があ
る。しかし、超極細線等の巻き取りでは、ちょっとした
張力の変化、速度の変化により巻きむらや断線等の影響
が出てしまう。
は、手動で給線部又は巻き取り部の回転数を変更してい
たため、その操作が大変であった。
つ張力を一定にして、手動操作を行うことなく、超極細
線等でも安定して巻き替えを行うことができる長手物体
の巻き替え装置を提供することにある。
し、上記目的を達成するために以下の手段を採用した。
請求項1の発明の長手物体の巻き替え装置は、線状又は
帯状の長手物体を供給する供給側回転体と、前記供給側
回転体を回転するための供給モータと、前記長手物体を
巻き取る巻き取り側回転体と、前記巻き取り回転体を回
転するための巻き取りモータと、前記長手物体に加わる
張力を検出する張力検出手段と、前記長手物体の速度を
検出する速度検出手段と、前記張力検出手段で検出され
た張力検出値と張力基準値との差に基づき前記長手物体
の張力を前記張力基準値に保持するための操作量を作成
して前記供給モータ及び前記巻き取りモータの一方のモ
ータに供給する第1の制御手段と、前記速度検出手段で
検出された速度検出値と速度基準値との差に基づき前記
長手物体の速度を前記速度基準値に保持するための操作
量を作成して前記供給モータ及び前記巻き取りモータの
他方のモータに供給する第2の制御手段とを有すること
を特徴とする。
が張力検出手段で検出された張力検出値と張力基準値と
の差に基づき長手物体の張力を張力基準値に保持するた
めの操作量を作成して一方のモータに供給して、張力一
定制御を行う。また、第2の制御手段が速度検出手段で
検出された速度検出値と速度基準値との差に基づき長手
物体の速度を速度基準値に保持するための操作量を作成
して他方のモータに供給して、長手物体の速度一定制御
を行う。即ち、長手物体の速度を一定にし且つ張力を一
定に制御したので、長手物体のわずかな張力の変化や線
速度の変化があっても、長手物体の巻きむらや断線を防
止することができ、手動操作を行うことなく、超極細線
等でも安定して巻き替えを行うことができる。
体の巻き替え装置において、前記張力検出手段は、前記
一方のモータ側に配置され、前記速度検出手段は、前記
他方のモータ側に配置され、前記第1の制御手段は、前
記速度検出手段で検出された速度検出値を入力し、入力
された速度検出値に前記操作量を加算又は減算し、得ら
れた操作量を前記一方のモータに供給することを特徴と
する。
は、他方のモータ側に配置された速度検出手段から入力
した速度検出値に操作量を加算又は減算し、得られた操
作量を一方のモータに供給する。即ち、得られた操作量
の内の、速度検出値に相当する操作量が一方のモータに
供給されるので、速度検出値に連動した回転速度で一方
のモータが駆動される。このため、供給側及び巻き取り
側の各々において長手物体の速度が一定となり、定常中
の巻き替え時でも巻きむらを防止することができる。
体の巻き替え装置において、前記第1の制御手段及び第
2の制御手段の各々は、前記長手物体の巻き替え時間の
経過と共に、前記長手物体の速度が一定となるように前
記操作量を変化させることを特徴とする。
及び第2の制御手段の各々が、長手物体の巻き替え時間
の経過と共に、長手物体の速度が一定となるように操作
量を変化させるので、供給側及び巻き取り側の各々にお
いて長手物体の速度が一定となり、長手物体の巻きむら
や断線等を防止することができる。
のいずれか1項記載の長手物体の巻き替え装置におい
て、前記張力基準値を入力する張力基準値入力手段を有
し、前記張力基準値入力手段は、前記長手物体の巻き替
え時間の経過と共に、張力が徐々に大きくなるように前
記張力基準値を徐々に変化させることを特徴とする。
くなるように制御されるので、巻きむらの少ない巻き替
えを行うことができる。
のいずれか1項記載の長手物体の巻き替え装置におい
て、前記張力検出手段は、前記供給側回転体と前記巻取
り側回転体との間で前記長手物体に接触して前記長手物
体に張力を付与する加圧体と、前記加圧体を鉛直方向に
移動自在に案内する案内手段と、前記加圧体の鉛直方向
の位置に基づいて検知された張力検出信号を出力するセ
ンサとを有することを特徴とする。
段とセンサとを用いた簡単な構成で、張力調整と張力検
出とを行うことができる。
え装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
形態に係る長手物体の巻き替え装置を示す構成図であ
る。図1に示す長手物体の巻き替え装置は、線状又は帯
状の長手物体としてのワイヤ1と、このワイヤ1を供給
するための供給側回転体としての給線部2と、この給線
部2を回転するための供給モータとしての給線部モータ
3と、この給線部モータ3の回転を制御する第1の制御
手段としての給線部インバータ4と、ワイヤ1を巻き取
る巻き取り側回転体としての巻き取り部5と、この巻き
取り部5を回転するための巻き取り部モータ6と、この
巻き取り部モータ6の回転を制御する第2の制御手段と
しての巻き取り部インバータ7と、給線部2側に配置さ
れ且つワイヤ1の巻き取り時にワイヤ1に加わる張力を
検出する張力検出手段としての張力検出装置8と、巻き
取り部5側に配置され且つワイヤ1の線速度を検出する
速度検出手段としての線速度検出装置9と、ワイヤ1の
通路に配置された複数のローラ21〜25とを有して構
成されている。
超極細線である。給線部2は、穴部2aに給線部モータ
3の回転軸3aが取り付けられて回転自在に構成され、
巻き替え開始時にはワイヤ1が満巻きされた状態にあ
り、給線部インバータ4を電源とした給線部モータ3に
より駆動されてワイヤ1が送り出される。給線部モータ
3は、例えば誘導電動機等の交流モータである。
と巻き取り部5との間で且つローラ22とローラ23と
の間(給線部側)に設置されており、ワイヤ1の張力の
吸収と張力(ダンサーの位置に対応)を検出し、ダンサ
ー位置信号として0〜10Vのアナログ電圧信号を給線
部インバータ4へ出力する。
るダンサーとしての円柱状の加圧体8aと、この加圧体
8aの鉛直方向の位置を電気信号に変換する張力センサ
8bと、案内手段8cと、引張りばね8dとからなり、
ローラ22とローラ23との間に配置されている。な
お、ワイヤ1は、加圧体8aの上側に接触している。加
圧体8aの軸は、案内手段8cとしての支持板8eの鉛
直方向に伸びるスリット8fに挿入されているので、加
圧体8aはスリット8fの範囲において上下動可能であ
る。ワイヤ1に張力を与えるために、加圧体8aは引張
りばね8dによって常に上方向に偏倚されている。ワイ
ヤ1の張力が強くなると、ダンサー即ち加圧体8aは下
方に移動し、逆に張力が弱くなると、加圧体8aは上方
に移動する。この具体例では、最適張力の時にスリット
8fの中間に加圧体8aが位置するようにばね8dの強
さが調整されている。
位置センサとも呼ばれ、図2に示すように例えば可変抵
抗器25と可動接触子26とローパスフィルタ27とか
らなり、加圧体8aの位置に比例した電圧Vtを張力検
出電圧として出力する。可変抵抗器25は、電源端子2
8とグランドとの間に接続され、可動接触子26は加圧
体8aの位置に比例して変位し、周期の短い振動を伴な
った位置検出信号即ち張力検出信号Vpを出力する。ロ
ーパスフィルタ27は、可変抵抗器25の出力信号Vp
から高い周波数成分を除去して平滑化された張力検出信
号Vtを出力する。なお、この具体例では張力検出信号
Vtがワイヤ1の張力に反比例した値を有し、ワイヤ1
の張力が大きくなるに従って張力検出値Vtが低下す
る。ダンサー基準値指令入力装置10は、ダンサーの位
置を示すダンサー基準値を設定入力し、入力されたダン
サー基準値を給線部インバータ4に出力する。
接続され、ダンサー基準値指令入力装置10により予め
設定されたダンサー基準値と張力検出装置8からのダン
サー位置信号の値との誤差即ち偏差信号によりPI(比
例積分)制御を行い、常にダンサー位置がダンサー基準
値になるように(ダンサー位置一定制御)、給線部モー
タ3に供給する正弦波交流電圧の出力周波数を決定する
とともに、周波数を変化させるとこの周波数変化に応じ
て電圧を変化する。
部分を有し、穴部5aに巻き取り部モータ6の回転軸6
aが取り付けられて回転自在に構成され、巻き替え開始
時にはワイヤ1が空の状態にあり、巻き取り部インバー
タ7を電源とした巻き取り部モータ6により駆動されて
ワイヤ1を巻き取る。巻き取り部モータ6は、例えば誘
導電動機等の交流モータであり、巻き取り部インバータ
7に接続されている。巻き取り部インバータ7は、巻き
取り部モータ6に供給する正弦波交流電圧の周波数を制
御して巻き取り部モータ6の回転速度を制御する。
検出するもので、張力検出装置8と巻き取り部5との間
で且つローラ24と共にワイヤ1を圧接して設けられて
いる。この線速度検出装置9は、例えば、パルスジェネ
レータエンコーダ(以下、PGエンコーダと略称す
る。)であり、このPGエンコーダは、図2に示すよう
に、ワイヤ1の移動に伴って回転し且つ外周上に等間隔
に穴部9bを設けた円筒体9aと、この円筒体9aの穴
部9bに向けて発光する発光部9cと、穴部9bを通っ
た光を受光する受光部9dと、受光部9dからの光信号
によりパルス信号を発生するパルス発生器9eとを有し
て構成されている。即ち、パルス信号のパルス数は円筒
体9aの回転数に比例し、この円筒体9aの回転数は、
ワイヤ1の線速度に比例する。このため、パルス信号の
パルス数によりワイヤ1の線速度を検出することができ
る。線速度検出装置9で検出されたパルス信号を線速度
検出信号として巻き取り部インバータ7に出力する。
度指令値を予め設定入力し、入力された線速度指令値を
巻き取り部インバータ7に出力する。
ータ6に接続され、速度指令入力装置11により予め設
定された線速度指令値と線速度検出装置9からの線速度
検出信号に相当する例えば0〜10Vのアナログ変換値
との誤差即ち偏差信号をPI(比例積分)制御し、常に
ワイヤ1の線速度が線速度指令値になるように(速度一
定制御)、巻き取り部モータ6に供給する正弦波交流電
圧の出力周波数を決定するとともに、周波数を変化させ
るとこの周波数変化に応じて電圧を変化する。
ンバータ7の各々の詳細な構成を図2を参照して説明す
る。
うに、誤差増幅器41と、この誤差増幅器41に接続さ
れた比例積分回路42とを有して構成されている。誤差
増幅器41の非反転入力端子は線速度検出装置9に接続
され、反転入力端子は速度指令入力装置11に接続され
ている。従って、誤差増幅器41は、線速度検出装置9
からの線速度検出値Vvと速度指令値Vr2との誤差信
号ΔVe2=Vv−Vr2を発生する。比例積分回路
(PI回路)42は、所定の時定数を有し、誤差増幅器
41の出力である誤差信号ΔVe2を比例積分処理して
操作量fdを巻き取り部モータ6に出力する。なお、比
例積分回路42は、誤差信号ΔVe2の比例積分値に比
例した周波数値を操作量fdとして出力する。従って、
操作量fdは、線速度検出値の変化に迅速に応答する。
に、誤差増幅器31と、この誤差増幅器31に接続され
た比例積分回路32と、この比例積分回路32及び線速
度検出装置9に接続された演算器33とを有して構成さ
れている。誤差増幅器31の非反転入力端子は張力セン
サ8bに接続され、反転入力端子はダンサー基準値指令
入力装置10に接続されている。従って、誤差増幅器3
1は、張力センサ8bからの張力検出値Vtとダンサー
基準値Vr1との誤差信号ΔVe1=Vt−Vr1を発
生する。比例積分回路(PI回路)32は、所定の時定
数を有し、誤差増幅器31の出力である誤差信号ΔVe
1を比例積分処理して操作量faを出力する。なお、比
例積分回路32は、誤差信号ΔVe1の比例積分値に比
例した周波数値を操作量faとして出力する。
波数値である操作量faと線速度検出装置9からの線速
度検出信号に比例した周波数値である操作量fbとを加
算し、得られた操作量fcを給線部モータ3に出力す
る。操作量fbは、実際の線速度であり、給線部インバ
ータ4の速度指令値として与えられる。
りも高い場合には操作量faは正になり、演算器33か
ら出力される操作量fcは操作量fbよりも大きくな
り、給線部モータ3は加速制御される。一方、張力検出
値Vtがダンサー基準値Vr1よりも低い場合には操作
量faは負になり、演算器33から出力される操作量f
cは操作量fbよりも小さくなり、給線部モータ3は減
速制御される。
態の長手物体の巻き替え装置の動作を図4を参照しなが
ら説明する。図4はワイヤの巻き取り開始から終了まで
の速度指令値と速度検出値と給線部モータの回転速度と
巻き取りモータの回転速度の変化を示す図である。
令入力装置11からの速度指令値と線速度検出装置9か
らの速度検出値との誤差信号の比例積分値に比例した周
波数値を操作量fdとして巻き取り部モータ6に供給し
て、常にワイヤ1の線速度が線速度指令値になるように
する。即ち、ワイヤ1の速度を一定に制御する。
F1が、時刻t0から時刻t1まで(巻き替え開始時
間)徐々に上昇し、時刻t1から時刻t2まで一定値F
11を保持し、時刻t2から時刻3まで(巻き替え終了
時間)徐々に低下すると、これに伴って、速度検出値F
2も、時刻t0から時刻t1まで徐々に上昇し、時刻t
1から時刻t2まで一定値F21を保持し、時刻t2か
ら時刻3まで徐々に低下する。
転速度F4は、給線部モータ3の回転速度F3に比例し
て時刻t1で所定速度F41まで立ち上がり、時刻t1
から、巻き取り部5に対するワイヤ1の巻径の増大に応
じて徐々に低下して時刻t2で所定速度F42になる。
なお、時刻1から時刻2において、巻き取り部5の回転
速度を一定値にすると、巻き取り部側のワイヤ1の線速
度は、図7(b)に示すように巻き替え経過時間の経過
と共に徐々に上昇する。このため、実施の形態では、時
刻t1から時刻t2において、ワイヤ1の線速度が一定
値F21になるように、巻き取り部モータ6の回転速度
F4を時刻t1から時刻t2において、徐々に低下させ
るようにする。そして、時刻t2でワイヤ1の巻き取り
を終了させる時には、巻き取り部モータ6の回転速度F
4を所定速度F42から徐々に下げる。
は、ダンサー基準値指令入力装置10からのダンサー基
準値と張力検出装置8からのダンサー位置信号の値との
誤差信号の比例積分値に比例した周波数値を操作量fa
として給線部モータ3に供給して、常にダンサー位置が
ダンサー基準値になるようにする。即ち、ダンサー位置
を一定に制御する。
は、比例積分回路32からの周波数値である操作量fa
と線速度検出装置9からの線速度検出信号に比例した周
波数値である操作量fbとを加算し、得られた操作量f
cを給線部モータ3に出力する。即ち、給線部インバー
タ4は、ダンサー基準値指令入力装置10からのダンサ
ー基準値と張力検出装置8からのダンサー位置信号との
誤差信号と、線速度検出装置9からの線速度検出信号
と、に基づいて正弦波交流電圧の出力周波数を決定する
とともに、周波数を変化させるとこの周波数変化に応じ
て電圧を変化する。従って、操作量fcは、張力検出値
Vtの変化及び線速度検出値Vvの変化に迅速に応答す
る。
は、時刻t1で所定速度F31まで立ち上がり、時刻t
1から、給線部2に対するワイヤ1の巻径の減少に応じ
て徐々に上昇して時刻t2で所定速度F32になる。な
お、時刻1から時刻2において、給線部2の回転速度を
一定値にすると、給線部側のワイヤ1の線速度は、図7
(a)に示すように巻き替え経過時間の経過と共に徐々
に低下する。このため、実施の形態では、時刻t1から
時刻t2において、給線部側でのワイヤ1の線速度が一
定値になるように、給線モータ3の回転速度F3を時刻
t1から時刻t2において、徐々に上昇させるようにす
る。
終了させる時には、給線部モータ3の回転速度F3を所
定速度F32から徐々に下げる。
巻き替え装置によれば、給線部側でダンサー位置の一定
制御を行い、巻き取り部側でワイヤ1の速度一定制御を
行うので、超極細線等の巻き取りにおいて、ワイヤ1の
わずかな張力の変化や線速度の変化があっても、ワイヤ
1の巻きむらや断線を防止することができ、超極細線等
でも安定して巻き替えを行うことができる。
ンバータ7と連動させるようにした。即ち、給線部イン
バータ4は、巻き取り部インバータ7から実際の線速度
検出値を線速度指令値として入力し、入力した線速度指
令値に連動した回転速度で給線部モータ3を駆動する。
このため、給線部側及び巻き取り部側の各々において、
ワイヤ1の線速度が一定となり、定常中の巻き替え時で
も、巻きむらを防止することができる。
は、巻き取り部側の速度指令値が緩やかに上昇・下降す
るため、この速度指令値に従って実際の線速度も緩やか
に上昇・下降する。そして、その実際の線速度を速度指
令値とし、給線部側も巻き取り側に連動して徐々に線速
度が上昇・下降することになる。このため、巻き替え開
始時や巻き替え終了時における給線部2及び巻き取り部
5の回転数の過渡的な変化でも、超極細線等のワイヤ1
の断線を防止することができる。
行い、超極細線等でも安定して巻き替えを行うことがで
きるので、手動操作が不要となる。
せる手法として、(a)給線部インバータ4の周波数指
令値のアナログ変換値を巻き取り部インバータ7の周波
数指令値にする手法。(b)巻き取り部インバータ7の
周波数指令値のアナログ変換値を給線部インバータ4の
周波数指令値にする手法がある。
インバータの出力周波数を副となるインバータの周波数
指令値とするものであり、線速度一定及びダンサー位置
一定制御を行っている状況では、巻き替え時間の経過と
共に、出力周波数が変化してしまう。この周波数の変化
は、即ち、給線部2や巻き取り部5の回転速度の変化で
あり、図4に示すように、給線部2(給線部モータの回
転速度F3に対応)では、時刻t1から時刻t2までの
巻き替え時間の経過と共に徐々に回転数が上昇し、巻き
取り部5(巻き取り部モータの回転速度F4に対応)で
は、時刻t1から時刻t2までの巻き替え時間の経過と
共に徐々に回転数が下降することになる。ただし、線速
度及び張力は制御されるため、一定値を保持する。
いに逆方向に回転数が変化するインバータの周波数指令
では、給線部インバータ4と巻き取り部インバータ7と
を連動することは困難である。そこで、実施の形態で
は、常に一定値で制御されている線速度検出値を用いて
給線部インバータ4を巻き取り部インバータ7と連動さ
せて安定した巻き替えを行うようにしている。
は、図3に示すように、ワイヤ1の巻き替え開始時刻t
1から巻き替え終了時刻t2に向かって、ダンサー基準
値を徐々に低下させるようにしても良い。このようにす
れば、図1のワイヤ1の張力を徐々に低下させる操作量
fcが発生し、ワイヤ1の張力はダンサー基準値に比例
して低下する。巻き替え時間の経過とともに、ワイヤ1
の張力を低下させると、巻きむらの少ない巻き替えを行
うことができる。
形態に係る長手方向の巻き替え装置を示す構成図であ
る。第2の実施の形態の長手物体の巻き替え装置は、第
1の実施の形態の長手物体の巻き替え装置に対して、線
速度検出装置9及び速度指令入力装置11を給線部側に
配置し、張力検出装置8及びダンサー基準値指令入力装
置10を巻き取り部側に配置し、給線部インバータ4a
から巻き取り部インバータ7aに線速度指令信号を出力
したことを特徴とする。なお、図5に示すその他の構成
は、図1に示す第1の実施の形態の長手物体の巻き替え
装置に示す部分と同一であり、同一部分には同一符号を
付し、その詳細は省略する。
23との間に配置され、ローラ22と共にワイヤ1を圧
接して設けられている。この線速度検出装置9で検出さ
れたパルス信号を線速度検出信号として給線部インバー
タ4aに出力する。速度指令入力装置11は、ワイヤ1
の線速度指令値を予め設定入力し、入力された線速度指
令値を給線部インバータ4aに出力する。
に接続され、速度指令入力装置11からの線速度指令値
と線速度検出装置9からの線速度検出信号に相当する例
えば0〜10Vのアナログ変換値との誤差即ち偏差信号
をPI(比例積分)制御し、常にワイヤ1の線速度が線
速度指令値になるように(速度一定制御)、給線部モー
タ3に供給する正弦波交流電圧の出力周波数を決定する
とともに、周波数を変化させるとこの周波数変化に応じ
て電圧を変化する。
5との間に設置されており、ワイヤ1の張力の吸収と張
力を検出し、ダンサー位置信号として0〜10Vのアナ
ログ電圧信号を巻き取り部インバータ7aへ出力する。
ダンサー基準値指令入力装置10は、ダンサーの位置を
示すダンサー基準値を設定入力し、入力されたダンサー
基準値を巻き取り部インバータ7aに出力する。
ータ6に接続され、ダンサー基準値指令入力装置10か
らのダンサー基準値と張力検出装置8からのダンサー位
置信号の値との誤差即ち偏差信号によりPI(比例積
分)制御を行い、常にダンサー位置がダンサー基準値に
なるように(ダンサー位置一定制御)、巻き取り部モー
タ6に供給する正弦波交流電圧の出力周波数を決定する
とともに、周波数を変化させるとこの周波数変化に応じ
て電圧を変化する。
インバータ7aの各々の詳細な構成を図6を参照して説
明する。
に、誤差増幅器41と、この誤差増幅器41に接続され
た比例積分回路42とを有して構成されている。誤差増
幅器41の非反転入力端子は線速度検出装置9に接続さ
れ、反転入力端子は速度指令入力装置11に接続されて
いる。従って、誤差増幅器41は、線速度検出装置9か
らの線速度検出値Vvと速度指令値Vr2との誤差信号
ΔVe2=Vv−Vr2を発生する。比例積分回路(P
I回路)42は、所定の時定数を有し、誤差増幅器41
の出力である誤差信号ΔVe2を比例積分処理して操作
量fdを給線部モータ3に出力する。なお、比例積分回
路42は、誤差信号ΔVe2の比例積分値に比例した周
波数値を操作量fdとして出力する。従って、操作量f
dは、線速度検出値の変化に迅速に応答する。
ように、誤差増幅器31と、この誤差増幅器31に接続
された比例積分回路32と、この比例積分回路32及び
線速度検出装置9に接続された演算器33とを有して構
成されている。誤差増幅器31の非反転入力端子は張力
センサ8bに接続され、反転入力端子はダンサー基準値
指令入力装置10に接続されている。従って、誤差増幅
器31は、張力センサ8bからの張力検出値Vtとダン
サー基準値Vr1との誤差信号ΔVe1=Vt−Vr1
を発生する。比例積分回路(PI回路)32は、所定の
時定数を有し、誤差増幅器31の出力である誤差信号Δ
Ve1を比例積分処理して操作量faを出力する。な
お、比例積分回路32は、誤差信号ΔVe1の比例積分
値に比例した周波数値を操作量faとして出力する。演
算器33は、比例積分回路32からの周波数値である操
作量faと線速度検出装置9からの線速度検出信号に比
例した周波数値である操作量fbとを加算し、得られた
操作量fcを巻き取り部モータ6に出力する。
態の長手物体の巻き替え装置の動作を図4を参照しなが
ら説明する。
入力装置11からの速度指令値と線速度検出装置9から
の速度検出値との誤差信号の比例積分値に比例した周波
数値を操作量fdとして給線部モータ3に供給して、常
にワイヤ1の線速度が線速度指令値になるようにする。
即ち、ワイヤ1の速度を一定に制御する。
F1の変化に応じて、速度検出値F2も変化する。この
とき、給線部モータ3の回転速度F3は、時刻t1で所
定速度F31まで立ち上がり、時刻t1から、給線部2
に対するワイヤ1の巻径の減少に応じて徐々に増大して
時刻t2で所定速度F32になる。なお、時刻1から時
刻2において、給線部2の回転速度を一定値にすると、
給線部側のワイヤ1の線速度は、図7(a)に示すよう
に巻き替え経過時間の経過と共に徐々に低下する。この
ため、実施の形態では、時刻t1から時刻t2におい
て、ワイヤ1の線速度が一定値F21になるように、給
線部モータ3の回転速度F3を時刻t1から時刻t2に
おいて、徐々に増大させるようにする。そして、時刻t
2でワイヤ1の巻き取りを終了させる時には、給線部モ
ータ3の回転速度F3を所定速度F32から徐々に下げ
る。
バータ7aは、ダンサー基準値指令入力装置10からの
ダンサー基準値と張力検出装置8からのダンサー位置信
号の値との誤差信号の比例積分値に比例した周波数値を
操作量faとして巻き取り部モータ6に供給して、常に
ダンサー位置がダンサー基準値になるようにする。即
ち、ダンサー位置を一定に制御する。
33は、比例積分回路32からの周波数値である操作量
faと線速度検出装置9からの線速度検出信号に比例し
た周波数値である操作量fbとを加算し、得られた操作
量fcを巻き取り部モータ6に出力する。従って、操作
量fcは、張力検出値Vtの変化及び線速度検出値Vv
の変化に迅速に応答する。
F4は、時刻t1で所定速度F41まで立ち上がり、時
刻t1から、巻き取り部5に対するワイヤ1の巻径の増
大に応じて徐々に低下して時刻t2で所定速度F42に
なる。なお、時刻1から時刻2において、巻き取り部5
の回転速度を一定値にすると、巻き取り部側のワイヤ1
の線速度は、図7(b)に示すように巻き替え経過時間
の経過と共に徐々に増大する。このため、実施の形態で
は、時刻t1から時刻t2において、巻き取り側でのワ
イヤ1の線速度が一定値になるように、巻き取り部モー
タ6の回転速度F4を時刻t1から時刻t2において、
徐々に低下させるようにする。そして、時刻t2でワイ
ヤ1の巻き取りを終了させる時には、巻き取り部モータ
6の回転速度F4を所定速度F42から徐々に下げる。
巻き替え装置によれば、給線部側でワイヤ1の速度一定
制御を行い、巻き取り部側でダンサー位置の一定制御を
行うので、第1の実施の形態の長手物体の巻き替え装置
の効果と同様な効果を得ることができる。
長手物体の巻き替え装置に限定されるものでなく、例え
ば次の変形例が可能である。
積分回路を設けても良い。
ンバータ7に線速度検出信号としてパルス信号を出力し
たが、これに代えて、例えば、アナログ電圧信号を出力
しても良い。
部インバータ7に線速度指令値としてアナログ電圧信号
を出力したが、これに代えて、例えば、電流値や上位コ
ンピュータからの通信指令を出力しても良い。
バータを互いに連動させる実速度指令信号は、超低速や
極細線等の特殊条件外では省略することができる。この
場合、インバータには周波数指令値を外部より入力す
る。
の上側に配置し、ワイヤ1の張力が大きい時に図2の張
力検出値Vtが大きくなるように張力検出装置8を変形
することができる。この場合には、図2及び図6の演算
器33をfc=fb−faを求める減算器とする。
度を一定にし且つ張力を一定に制御したので、長手物体
のわずかな張力の変化や線速度の変化があっても、長手
物体の巻きむらや断線を防止することができ、手動操作
を行うことなく、超極細線等でも安定して巻き替えを行
うことができる。
は、他方のモータ側に配置された速度検出手段から入力
した速度検出値に操作量を加算又は減算し、得られた操
作量を一方のモータに供給するので、供給側及び巻き取
り側の各々において長手物体の速度が一定となり、定常
中の巻き替え時でも巻きむらを防止することができる。
及び第2の制御手段の各々が、長手物体の巻き替え時間
の経過と共に、長手物体の速度が一定となるように操作
量を変化させるので、供給側及び巻き取り側の各々にお
いて長手物体の速度が一定となり、長手物体の巻きむら
や断線等を防止することができる。
くなるように制御されるので、巻きむらの少ない巻き替
えを行うことができる。
段とセンサとを用いた簡単な構成で、張力調整と張力検
出とを行うことができる。
置を示す構成図である。
置に設けられた給線部インバータ及び巻き取り部インバ
ータの詳細な構成図である。
値と速度検出値と給線部モータの回転速度と巻き取りモ
ータの回転速度の変化を示す図である。
置を示す構成図である。
置に設けられた給線部インバータ及び巻き取り部インバ
ータの詳細な構成図である。
線速度の変化及び巻き取り部側のワイヤの線速度の変化
を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 線状又は帯状の長手物体を供給する供給
側回転体と、 前記供給側回転体を回転するための供給モータと、 前記長手物体を巻き取る巻き取り側回転体と、 前記巻き取り回転体を回転するための巻き取りモータ
と、 前記長手物体に加わる張力を検出する張力検出手段と、 前記長手物体の速度を検出する速度検出手段と、 前記張力検出手段で検出された張力検出値と張力基準値
との差に基づき前記長手物体の張力を前記張力基準値に
保持するための操作量を作成して前記供給モータ及び前
記巻き取りモータの一方のモータに供給する第1の制御
手段と、 前記速度検出手段で検出された速度検出値と速度基準値
との差に基づき前記長手物体の速度を前記速度基準値に
保持するための操作量を作成して前記供給モータ及び前
記巻き取りモータの他方のモータに供給する第2の制御
手段と、を有することを特徴とする長手物体の巻き替え
装置。 - 【請求項2】 前記張力検出手段は、前記一方のモータ
側に配置され、前記速度検出手段は、前記他方のモータ
側に配置され、前記第1の制御手段は、前記速度検出手
段で検出された速度検出値を入力し、入力された速度検
出値に前記操作量を加算又は減算し、得られた操作量を
前記一方のモータに供給することを特徴とする請求項1
記載の長手物体の巻き替え装置。 - 【請求項3】 前記第1の制御手段及び第2の制御手段
の各々は、前記長手物体の巻き替え時間の経過と共に、
前記長手物体の速度が一定となるように前記操作量を変
化させることを特徴とする請求項2記載の長手物体の巻
き替え装置。 - 【請求項4】 前記張力基準値を入力する張力基準値入
力手段を有し、前記張力基準値入力手段は、前記長手物
体の巻き替え時間の経過と共に、張力が徐々に大きくな
るように前記張力基準値を徐々に変化させることを特徴
とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の長手
物体の巻き替え装置。 - 【請求項5】 前記張力検出手段は、前記供給側回転体
と前記巻取り側回転体との間で前記長手物体に接触して
前記長手物体に張力を付与する加圧体と、前記加圧体を
鉛直方向に移動自在に案内する案内手段と、前記加圧体
の鉛直方向の位置に基づいて検知された張力検出信号を
出力するセンサとを有することを特徴とする請求項1乃
至請求項4のいずれか1項記載の長手物体の巻き替え装
置。
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