JP2003168548A - 調理器用トッププレート - Google Patents
調理器用トッププレートInfo
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Abstract
構造を隠蔽することが可能な調理器用トッププレートを
提供する。 【解決手段】 電磁誘導加熱装置、或いはさらに赤外線
加熱装置を備えた調理器のトッププレートとして用いら
れ、低膨張透明結晶化ガラス板からなる調理器用トップ
プレートであって、低膨張透明結晶化ガラス板1の調理
面側の一部又は全部に緻密な無機顔料層からなる装飾層
3が形成され、加熱装置側の一部又は全部に多孔質の無
機顔料層からなる遮光層2が形成されてなることを特徴
とする。
Description
を備えた調理器のトッププレートに関するものである。
ーターや、高出力タイプで知られるハロゲンヒーターな
どの赤外線加熱装置や、インダクションヒーター(I
H)を用いた電磁誘導加熱装置が用いられている。
ッププレートには、可視光を遮断して赤外光を透過する
濃色結晶化ガラス板が利用されている。可視光の遮断
は、常温時に加熱装置等の内部構造を見えにくくするこ
とや、ハロゲンヒーターからの強力な可視発光を軽減
し、眩しくないようにするためである。なおこの種の調
理器は、赤熱したヒーター部が濃色結晶化ガラス板を通
して視認できるため、それを加熱時の目印としている。
H)を用いた電磁誘導加熱による電磁調理器が普及しつ
つある。
線加熱装置のように可視光の発生をともなわないため、
加熱時の目印となるヒーター部の点灯がない。そこで電
磁調理器では、発光ダイオードなどを用いて電磁加熱パ
ワーを別途表示するようになってきている。この加熱パ
ワー表示体は、調理器の側部に設けられるものもある
が、加熱部の近傍に設置してトッププレートを通して加
熱パワーを確認できるものが主流となりつつある。とこ
ろが発光ダイオードの光は、従来の赤外線加熱ヒーター
から発せられる光ほど強くないため濃色結晶化ガラス板
ではダイオードの光が目立たず、見にくいという難点が
ある。そこでこのようなトッププレートには、透明結晶
化ガラス板が用いられつつある。
調理器用トッププレートとして用いる場合、意匠上の理
由により、トッププレート下部にある加熱装置等の内部
構造を隠す必要がある。そのため、透明結晶化ガラス板
には、発光ダイオードなどの表面箇所を除き、全域に遮
光層を塗布する必要がある。更にトッププレートには、
この遮光層に加えてヒーター箇所や注意書きを示す装飾
層が必要であるが、一般的手法により調理面側に遮光層
を塗布し、その上に装飾層を重ね塗りすると、塗布層の
厚みが増して基板との間に生じる熱膨張差による応力が
過大となりクラックや剥離の問題が生じる。
ラックを防止する方法があるが、この場合、光沢がなく
なり意匠上好ましくない、平滑でないため洗浄性が悪く
なるといった欠点がある。また、多孔質膜は調理器具等
の接触による磨耗損傷が激しくなって好ましくない。
を有し、しかも内部構造を隠蔽することが可能な調理器
用トッププレートを提供することである。
プレートは、電磁誘導加熱装置を備えた調理器のトップ
プレートとして用いられ、低膨張透明結晶化ガラス板か
らなる調理器用トッププレートであって、低膨張透明結
晶化ガラス板の調理面側の一部又は全部に緻密な無機顔
料層からなる装飾層が形成され、加熱装置側の一部又は
全部に多孔質の無機顔料層からなる遮光層が形成されて
なることを特徴とする。
電磁誘導加熱装置及び赤外線加熱装置を備えた調理器の
トッププレートとして用いられ、低膨張透明結晶化ガラ
ス板からなる調理器用トッププレートであって、低膨張
透明結晶化ガラス板の調理面側の一部又は全部に緻密な
無機顔料層からなる装飾層が形成され、加熱装置側の一
部又は全部に多孔質の無機顔料層からなる遮光層が形成
されてなることを特徴とする。
理面側(表側)と加熱装置側(裏側)の塗布層の機能を
分離し、表側に装飾層、裏側に遮光層を形成することに
よって、光沢のある平滑な調理面を有し、しかも内部構
造を十分に隠蔽することができる。
孔質の無機顔料層を形成することにより、擦れによる剥
離、重ね塗りによるクラック等の問題を回避することが
でき、かつ内部構造を十分に隠蔽することができる。
ある平滑な面が求められる。一般に透明結晶化ガラス板
は、本来これらの特性を十分に満足するものであるた
め、装飾層の形成領域を極少にする方が好ましい。本発
明では遮光層を裏側に塗布しているので、表側の装飾層
を極少にすることができる。さらに、装飾層は光沢を有
するとともに平滑であることが要求されるので、本発明
では緻密な無機顔料層を採用している。
とガラスからなる。緻密な層を形成するためにガラスの
割合が50質量%以上であることが好ましい。また遮光
層を構成する無機顔料層は、無機顔料とガラスからな
り、多孔質の無機顔料層を形成するためにガラスの割合
が50質量%以下であることが好ましい。
O2、ZrSiO4等の白色顔料の他、Co−Al−Zn
系、Co−Al−Si系、Co−Al−Ti系の青色顔
料、Co−Al−Cr系、Co−Ni−Ti−Zn系の
緑色顔料、Ti−Sb−Cr系、Ti−Ni系の黄色顔
料、Co−Si系の赤色顔料、Ti−Fe−Zn系、F
e−Zn系、Fe−Ni−Cr系、Zn−Fe−Cr−
Al系の茶色顔料、Cu−Cr系、Cu−Cr−Fe
系、Cu−Cr−Mn系の黒色顔料などを用いることが
できる。
2系、Na2O−CaO−SiO2系、Li2O−Al2O3
−SiO2系、ZnO−Al2O3−P2O5系等のガラス
が使用できる。
1〜50μm、特に0.2〜40μmであることが好ま
しい。厚みが0.1μm以上であれば、装飾や加熱装置
を隠すための可視光遮蔽を十分に行うことができる。ま
た、50μm以下であれば、塗布層の剥離、コストアッ
プ、結晶化ガラス板を再溶融してリサイクルする際の不
純物増加によるガラス着色、といった問題が生じ難くな
る。
ガラス板の全面に形成してもよいが、必要に応じて未形
成部分を設けてもよい。例えば加熱部分周辺に発光ダイ
オード表示領域を形成するための未形成部分を設けるこ
とができる。
色の透明低膨張結晶化ガラスであることが好ましいが、
本発明の目的が達成されるのであれば有色の透明結晶化
ガラスでも差し支えない。結晶化ガラス板は、加熱、冷
却が繰り返されるため、低膨張であることが求められ、
特に30〜750℃における平均線熱膨張係数が−10
〜+30×10-7/℃、特に−10〜+20×10-7/
℃の範囲にあるものを使用することが望ましい。熱膨張
係数が上記範囲内にあれば、加熱時にトッププレート内
部の温度分布により膨張差で割れることがない。この条
件を満たす結晶化ガラスとして、例えば日本電気硝子株
式会社製N−0がある。
ようにして作製される。まず所定のサイズに成形、加工
された低膨張透明結晶化ガラス板を用意する。また無機
顔料とガラス粉末とを所定の割合で混合した混合粉末を
ペースト化し、遮光層用ペーストを作製する。次いで結
晶化ガラス板の加熱装置側(裏側)に遮光層用ペースト
を例えばスクリーン印刷等の方法で印刷し、乾燥後、焼
成して遮光層を形成する。さらに、無機顔料とガラス粉
末とを所定の割合で混合した混合粉末をペースト化し、
装飾層用ペーストを作製する。次いで調理面側(表側)
にこのペーストを印刷し、乾燥焼成して、装飾層を形成
する。このようにして、本発明の調理器用トッププレー
トを得ることができる。なお、先に表側の装飾層を形成
した後、裏側の遮光層を形成してもよい。
装置と赤外線加熱装置を具備した調理器のトッププレー
トとしても使用することができる。
ッププレートの赤外線加熱部分の赤外線透過率が高いこ
とが求められる。それゆえ遮光層の赤外線透過率を高め
るために、赤外線加熱部分の無機顔料層の印刷密度を低
くするか、膜厚を薄くすることが好ましい。また無機顔
料層に代えて、赤外線透過率の高いラスター層を形成し
てもよい。
の印刷密度は、電磁加熱部分の印刷密度の40〜80
%、特に50〜80%であることが好ましい。赤外線加
熱部分の印刷密度が電磁加熱部分の40%以上であれ
ば、加熱装置を完全に隠すための可視光遮蔽が可能とな
り、また印刷密度が80%以下であれば、赤外線透過量
が十分となり、高い調理性能が得られる。
としては、例えば多数の開孔(無印刷部分)を設ける方
法がある。開孔を形成する場合、赤外線加熱部分全体に
均一に分布させることが望ましい。各開孔の大きさは、
直径0.05〜5mm程度、特に0.1〜3mm程度で
あることが好ましい。また1cm2当たり5〜500個
程度、特に10〜500個程度の開孔を形成することが
好ましい。
顔料層の10〜50%程度、特に10〜40%程度の厚
みとすることが好適である。10%以上であれば周囲と
のコントラストが大きくならず、目立ちにくくなる。ま
た50%以下であれば赤外線透過量が多くなり、十分な
調理性能が得られる。
Pd、Rh、Bi、Sn、Ni、Fe、Cr、Ti、C
a、Si、Mgなどの金属元素、及びそれらの複合体を
含むものが使用可能である。特にAu、Pd、Bi、S
n、Fe、Ti等を含むものが好適に使用できる。
m、特に0.1〜0.5μmであることが好ましい。厚
みが0.1μm以上であれば赤外線加熱装置を隠すため
の可視光遮蔽が可能となり、また10μm以下であれ
ば、コストアップや、結晶化ガラス板を再溶融してリサ
イクルする際に不純物が多くなりガラスが着色する、と
いった問題が生じ難くなる。
料とB2O3−SiO2系ガラス粉末からなるフリット
に、樹脂及び有機溶剤を添加して遮光層用ペーストを作
製した。なお無機顔料粉末とガラス粉末の混合割合は、
質量比で7:3とした。次に、このペーストを日本電気
硝子株式会社製の透明結晶化ガラス板N−0(30〜7
50℃の平均線熱膨張係数−4×10-7/℃)の加熱装
置側(裏側)にスクリーン印刷した。続いてペーストを
100〜150℃で10〜20分間乾燥させた後、85
0℃で30分間焼成を行い、図1に示すように結晶化ガ
ラス板1に遮光層2を形成した。このようにして形成さ
れる遮光層は、隣接する無機顔料同士がガラスにより接
着一体化されるとともに、無機顔料間に独立又は連通し
た気孔が形成される。遮光層を膜厚計で測定したとこ
ろ、厚みは5μmであった。
層形成は、以下のように準備した。TiO2白色無機顔
料とB2O3−SiO2系ガラス粉末からなるフリット
に、樹脂及び有機溶剤を添加して装飾層用ペーストを作
製した。なお無機顔料粉末とガラス粉末の混合割合は、
質量比で3:7とした。次に、遮光層が形成された面と
は反対の面(表側)にこのペーストをスクリーン印刷し
た。続いてペーストを100〜150℃で10〜20分
間乾燥させた後、850℃で30分間焼成を行い、結晶
化ガラス板1に装飾層3を形成した。このようにして形
成される装飾層は、ガラス中に無機顔料が分散してお
り、気孔を殆ど含まないものである。装飾層を膜厚計で
測定したところ、厚みは5μmであった。
プレート裏側に形成された遮光層を観察したところ、ク
ラックは見られなかった。また表側は光沢のある平滑な
表面を呈していた。
トッププレートは、内部構造を十分に隠蔽できるととも
に調理面は光沢のある平滑な表面を有しており、意匠的
に優れるのみならず、洗浄性も良好であり、電磁誘導加
熱装置、或いはさらに赤外線加熱装置を備えた調理器の
トッププレートとして好適である。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 電磁誘導加熱装置を備えた調理器のトッ
ププレートとして用いられ、低膨張透明結晶化ガラス板
からなる調理器用トッププレートであって、低膨張透明
結晶化ガラス板の調理面側の一部又は全部に緻密な無機
顔料層からなる装飾層が形成され、加熱装置側の一部又
は全部に多孔質の無機顔料層からなる遮光層が形成され
てなることを特徴とする調理器用トッププレート。 - 【請求項2】 電磁誘導加熱装置及び赤外線加熱装置を
備えた調理器のトッププレートとして用いられ、低膨張
透明結晶化ガラス板からなる調理器用トッププレートで
あって、低膨張透明結晶化ガラス板の調理面側の一部又
は全部に緻密な無機顔料層からなる装飾層が形成され、
加熱装置側の一部又は全部に多孔質の無機顔料層からな
る遮光層が形成されてなることを特徴とする調理器用ト
ッププレート。
Priority Applications (7)
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