JP2003146887A - Nk細胞活性化作用を有する製剤および飲食品 - Google Patents
Nk細胞活性化作用を有する製剤および飲食品Info
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- JP2003146887A JP2003146887A JP2001341941A JP2001341941A JP2003146887A JP 2003146887 A JP2003146887 A JP 2003146887A JP 2001341941 A JP2001341941 A JP 2001341941A JP 2001341941 A JP2001341941 A JP 2001341941A JP 2003146887 A JP2003146887 A JP 2003146887A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 NK細胞を活性化することにより免疫機能を
増強してがんの進行の抑制及び予防、並びにその他の病
原体に対する抵抗性を向上することができ、さらに血中
コレステロール上昇抑制、肥満防止などの作用をも期待
できるNK細胞活性化作用を有する製剤および飲食品を
提供する。 【解決手段】 本発明のNK細胞活性化作用を有する製
剤および飲食品は、イカ骨由来のβ型キチン質から製造
されるキチン・キトサンを有効成分として含有してな
る。
増強してがんの進行の抑制及び予防、並びにその他の病
原体に対する抵抗性を向上することができ、さらに血中
コレステロール上昇抑制、肥満防止などの作用をも期待
できるNK細胞活性化作用を有する製剤および飲食品を
提供する。 【解決手段】 本発明のNK細胞活性化作用を有する製
剤および飲食品は、イカ骨由来のβ型キチン質から製造
されるキチン・キトサンを有効成分として含有してな
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、NK細胞を活性化
することにより免疫機能を増強してがんの進行の抑制及
び予防、並びにその他の病原体に対する抵抗性を向上す
ることができ、さらに血中コレステロール上昇抑制、肥
満防止などの作用をも期待できるNK細胞活性化作用を
有する製剤および飲食品に関する。
することにより免疫機能を増強してがんの進行の抑制及
び予防、並びにその他の病原体に対する抵抗性を向上す
ることができ、さらに血中コレステロール上昇抑制、肥
満防止などの作用をも期待できるNK細胞活性化作用を
有する製剤および飲食品に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に呼ばれているキチン・キトサンと
は、カニ・エビなどの殻の構成物質であるα型キチン質
をアルカリ処理(脱アセチル化)することにより、体内
で吸収しやすい成分にしたものであり、分子量が数1,00
0から数100万を有するD-グルカンがβ-1,4結合で重合し
た天然のアミノ多糖の総称であり、その作用並びに用途
について多くの研究、報告がなされている。尚、自然界
にはキチンの方の存在量の方が多いが、キチンをアルカ
リ処理するとアセチル基が取り除かれ、キトサンが得ら
れる。しかし完全にアセチル基が除去されず、キチン・
キトサンの混合物で得られるので、明確に区別しないで
キチン・キトサンと並べて呼ばれる。このようなキチン
・キトサンは、コレステロール低下作用を有する製剤、
健康食品として、或いは人工皮膚(被覆材)、縫合糸、
人工透析膜、人工じん帯、人工支柱等の医療材料とし
て、或いは殺虫剤、土壌改良剤等の農業材料として、そ
の他にも化粧品、繊維関係分野などの広範な分野での適
用が検討、一部実施されている。
は、カニ・エビなどの殻の構成物質であるα型キチン質
をアルカリ処理(脱アセチル化)することにより、体内
で吸収しやすい成分にしたものであり、分子量が数1,00
0から数100万を有するD-グルカンがβ-1,4結合で重合し
た天然のアミノ多糖の総称であり、その作用並びに用途
について多くの研究、報告がなされている。尚、自然界
にはキチンの方の存在量の方が多いが、キチンをアルカ
リ処理するとアセチル基が取り除かれ、キトサンが得ら
れる。しかし完全にアセチル基が除去されず、キチン・
キトサンの混合物で得られるので、明確に区別しないで
キチン・キトサンと並べて呼ばれる。このようなキチン
・キトサンは、コレステロール低下作用を有する製剤、
健康食品として、或いは人工皮膚(被覆材)、縫合糸、
人工透析膜、人工じん帯、人工支柱等の医療材料とし
て、或いは殺虫剤、土壌改良剤等の農業材料として、そ
の他にも化粧品、繊維関係分野などの広範な分野での適
用が検討、一部実施されている。
【0003】しかし、一般に研究されているキチン・キ
トサとしてンは、エビ・カニ由来のα型キチン質を原料
としたキチン・キトサンが用いられており、その際、イ
カ骨由来のβ型キチン質を原料としたキチン・キトサン
も同一視しているために研究の立ち後れがみられる。即
ちイカ骨由来のβ型キチン質を原料とするキチン・キト
サンはそれ自身公知であるが、キチン・キトサン研究会
編「最後のバイオマスキチン、キトサン 1988年刊」に
詳細に記載されているようなカニ・エビ由来のα型キチ
ン質を原料としたキチン・キトサンの様に一般的ではな
いため、研究が遅れている。近年、イカ骨由来のβ型キ
チン質から製造されるキチン・キトサンについても幾つ
かの研究、報告がなされ、特開平11−147828号
公報には、イカ骨由来のβ型キチン質から製造されるキ
チン・キトサンがカニ・エビ由来のα型キチンから製造
されるキチン・キトサンよりも血中コレステロール上昇
抑制作用が高く、肥満防止などの作用を期待できること
が報告されている。また、最近ではイカ骨由来のβ型キ
チン質を原料としたキチンがカニ・エビ由来のα型キチ
ン質を原料としたキチンよりも容易に脱アセチル化され
易く、キトサン化し易く、しかも高分子体で高粘度の物
性を有することから容易にフィルム化できるという報告
[Shepherd,R.:NZBA.1995(1995)]もなされている。或い
は生体適合性も高いという報告もある。
トサとしてンは、エビ・カニ由来のα型キチン質を原料
としたキチン・キトサンが用いられており、その際、イ
カ骨由来のβ型キチン質を原料としたキチン・キトサン
も同一視しているために研究の立ち後れがみられる。即
ちイカ骨由来のβ型キチン質を原料とするキチン・キト
サンはそれ自身公知であるが、キチン・キトサン研究会
編「最後のバイオマスキチン、キトサン 1988年刊」に
詳細に記載されているようなカニ・エビ由来のα型キチ
ン質を原料としたキチン・キトサンの様に一般的ではな
いため、研究が遅れている。近年、イカ骨由来のβ型キ
チン質から製造されるキチン・キトサンについても幾つ
かの研究、報告がなされ、特開平11−147828号
公報には、イカ骨由来のβ型キチン質から製造されるキ
チン・キトサンがカニ・エビ由来のα型キチンから製造
されるキチン・キトサンよりも血中コレステロール上昇
抑制作用が高く、肥満防止などの作用を期待できること
が報告されている。また、最近ではイカ骨由来のβ型キ
チン質を原料としたキチンがカニ・エビ由来のα型キチ
ン質を原料としたキチンよりも容易に脱アセチル化され
易く、キトサン化し易く、しかも高分子体で高粘度の物
性を有することから容易にフィルム化できるという報告
[Shepherd,R.:NZBA.1995(1995)]もなされている。或い
は生体適合性も高いという報告もある。
【0004】一方、ナチュラルキラー(NK)細胞は、生
体内で血液中の白血球が変化してできるといわれる免疫
機能をつかさどるリンパ球の一種で、生体内に自然に備
わったキラー細胞である。そして、このNK細胞は、体
内でがん細胞や病原体などを攻撃して除去する機能を果
たすため、このNK細胞の活性が高いほど免疫力が強
く、がんの進行を抑制(抗がん作用)したり、がんを予
防することが期待できることが知られている。したがっ
て、NK細胞を活性化することは、がんの抑制及び予
防、並びにその他の病原体に対する抵抗性を向上する目
的において、直接的且つ有効な手段ということができ
る。因みにこのようなNK細胞活性化には、キャベツ発
酵エキスを用いた報告や米糠アラビノキシランを用いた
報告がなされている。
体内で血液中の白血球が変化してできるといわれる免疫
機能をつかさどるリンパ球の一種で、生体内に自然に備
わったキラー細胞である。そして、このNK細胞は、体
内でがん細胞や病原体などを攻撃して除去する機能を果
たすため、このNK細胞の活性が高いほど免疫力が強
く、がんの進行を抑制(抗がん作用)したり、がんを予
防することが期待できることが知られている。したがっ
て、NK細胞を活性化することは、がんの抑制及び予
防、並びにその他の病原体に対する抵抗性を向上する目
的において、直接的且つ有効な手段ということができ
る。因みにこのようなNK細胞活性化には、キャベツ発
酵エキスを用いた報告や米糠アラビノキシランを用いた
報告がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、まだ十分
に研究されていないイカ骨由来のβ型キチン質を原料と
したキチン・キトサンが有する特性について鋭意研究の
末、NK細胞活性作用の増強効果においてカニ・エビ由
来のα型キチンから製造されるキチン・キトサンと著し
い差異が認められたため、本発明を完成するに至った。
に研究されていないイカ骨由来のβ型キチン質を原料と
したキチン・キトサンが有する特性について鋭意研究の
末、NK細胞活性作用の増強効果においてカニ・エビ由
来のα型キチンから製造されるキチン・キトサンと著し
い差異が認められたため、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑み提案
されたもので、イカ骨由来のβ型キチン質から製造され
るキチン・キトサンを有効成分として含有してなるNK
細胞活性化作用を有する製剤および飲食品に関するもの
である。即ち本発明者らは、従来いわれているキチン・
キトサンのもつ免疫増強作用についてカニ殻由来の高分
子キチン・キトサン(分子量50万以上)とイカ骨由来
の高分子キチン・キトサン(分子量50万以上)とを比
較することによってカニ殻由来のキチン・キトサンには
NK細胞活性化作用がないが、イカ骨由来のキチン・キ
トサンにはNK細胞活性化作用があることを見出した。
この発見によってイカ骨由来のキチン・キトサンを経口
的に摂取することによってNK細胞活性化を促進すると
いう本発明を完成するに至った。尚、前述のように自然
界、即ちイカ骨中にはキチンの存在量が多く、キチンを
脱アセチル化してキトサンが得られるのであるが、完全
にアセチル基が除去されずにキチン・キトサンの混合物
で得られるので、これらに応じて本発明でも明確に区別
しないでキチン・キトサンと並べて呼称する。
されたもので、イカ骨由来のβ型キチン質から製造され
るキチン・キトサンを有効成分として含有してなるNK
細胞活性化作用を有する製剤および飲食品に関するもの
である。即ち本発明者らは、従来いわれているキチン・
キトサンのもつ免疫増強作用についてカニ殻由来の高分
子キチン・キトサン(分子量50万以上)とイカ骨由来
の高分子キチン・キトサン(分子量50万以上)とを比
較することによってカニ殻由来のキチン・キトサンには
NK細胞活性化作用がないが、イカ骨由来のキチン・キ
トサンにはNK細胞活性化作用があることを見出した。
この発見によってイカ骨由来のキチン・キトサンを経口
的に摂取することによってNK細胞活性化を促進すると
いう本発明を完成するに至った。尚、前述のように自然
界、即ちイカ骨中にはキチンの存在量が多く、キチンを
脱アセチル化してキトサンが得られるのであるが、完全
にアセチル基が除去されずにキチン・キトサンの混合物
で得られるので、これらに応じて本発明でも明確に区別
しないでキチン・キトサンと並べて呼称する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いるイカ骨由来のβ型
キチン質から製造されるキチン・キトサンは一部の製造
業者にて既に市場に提供、販売されているので、これを
入手、使用するのには全く問題がない。
キチン質から製造されるキチン・キトサンは一部の製造
業者にて既に市場に提供、販売されているので、これを
入手、使用するのには全く問題がない。
【0008】本発明のNK細胞活性化作用を有する製
剤、飲食品は、イカ骨由来のβ型キチン質から製造され
るキチン・キトサンを有効成分として含有し、NK細胞
活性化作用を損なわない限り他の補助成分を含んでいて
もよく、人体に無害なものであればどのような補助成分
を添加、併用してもよい。
剤、飲食品は、イカ骨由来のβ型キチン質から製造され
るキチン・キトサンを有効成分として含有し、NK細胞
活性化作用を損なわない限り他の補助成分を含んでいて
もよく、人体に無害なものであればどのような補助成分
を添加、併用してもよい。
【0009】また、本発明のNK細胞活性化作用を有す
る製剤は、具体的に形態を特定するものではなくどのよ
うな形態でも良い。例えば打錠製剤とした錠剤としても
よいし、顆粒状とした顆粒剤としてもよく、或いはカプ
セル剤の内容物として粉末状又は液状で配合したものを
ゼラチンなどで皮包したカプセル剤としてもよい。同様
に、本発明のNK細胞活性化作用を有する飲食品として
も、具体的に形態を特定するものではなくどのような形
態の飲食物中に粉末状又は液状で配合、混入させるよう
にしてもよい。
る製剤は、具体的に形態を特定するものではなくどのよ
うな形態でも良い。例えば打錠製剤とした錠剤としても
よいし、顆粒状とした顆粒剤としてもよく、或いはカプ
セル剤の内容物として粉末状又は液状で配合したものを
ゼラチンなどで皮包したカプセル剤としてもよい。同様
に、本発明のNK細胞活性化作用を有する飲食品として
も、具体的に形態を特定するものではなくどのような形
態の飲食物中に粉末状又は液状で配合、混入させるよう
にしてもよい。
【0010】本発明のNK細胞活性化作用を有する製剤
の投与量は、イカ骨由来のβ型キチン質を原料とするキ
チン・キトサンとして通常、経口にて0.1〜50g/6
0kg体重/日で有効である。尚、イカ骨由来のβ型キチ
ン質を原料とするキチン・キトサンは経口で実質的に無
毒である。また、飲食品としての摂取目安として、後述
する実施例では、実験動物に対する飼料中に10重量%の
イカ骨由来のキチン・キトサンを配合したが、これらの
結果等から考慮してイカ骨由来のキチン・キトサンを1
〜50重量%の範囲で用いることが望ましい。
の投与量は、イカ骨由来のβ型キチン質を原料とするキ
チン・キトサンとして通常、経口にて0.1〜50g/6
0kg体重/日で有効である。尚、イカ骨由来のβ型キチ
ン質を原料とするキチン・キトサンは経口で実質的に無
毒である。また、飲食品としての摂取目安として、後述
する実施例では、実験動物に対する飼料中に10重量%の
イカ骨由来のキチン・キトサンを配合したが、これらの
結果等から考慮してイカ骨由来のキチン・キトサンを1
〜50重量%の範囲で用いることが望ましい。
【0011】また、本発明の製剤及び飲食品の有効成分
であるイカ骨由来のβ型キチン質を原料とするキチン・
キトサンが、コレステロールの吸収を阻害し、胆汁酸及
び脂質の吸収を阻害することにより、血中コレステロー
ル上昇抑制を果たし、肥満を防止することについては、
既に特開平11−147828号公報に詳細に示されて
いる通りである。即ち本発明のNK細胞活性化作用を有
する製剤および飲食品は、免疫機能を増強し、がんの抑
制及び予防、並びにその他の病原体に対する抵抗性を向
上する目的で投与(服用)、摂取する者に、血中コレス
テロール上昇抑制、肥満防止の作用も果たすことができ
る。
であるイカ骨由来のβ型キチン質を原料とするキチン・
キトサンが、コレステロールの吸収を阻害し、胆汁酸及
び脂質の吸収を阻害することにより、血中コレステロー
ル上昇抑制を果たし、肥満を防止することについては、
既に特開平11−147828号公報に詳細に示されて
いる通りである。即ち本発明のNK細胞活性化作用を有
する製剤および飲食品は、免疫機能を増強し、がんの抑
制及び予防、並びにその他の病原体に対する抵抗性を向
上する目的で投与(服用)、摂取する者に、血中コレス
テロール上昇抑制、肥満防止の作用も果たすことができ
る。
【0012】
【実施例】〈実験条件〉供試動物として、Wister系雄マ
ウス(18〜22前後SPFグレード)を7日間、固形飼料
で予備飼育して実験環境に順化したものを各群10匹に
群分けして使用した。尚、固形飼料であるから、固型製
剤としても食品としてもみなせる。飼育環境は、温度2
2±2℃、湿度40〜70%RHの環境で飼育した。実験
用飼料は、基礎飼料(基礎配合)と、該基礎配合に、そ
れぞれ外割で10重量%のセルロース(食物繊維群)、
カニ殻由来のα型キチン質から製造されたキチン・キト
サン(カニキトサン群)、イカ骨由来のβ型キチン質か
ら製造されたキチン・キトサン(イカキトサン群)をそ
れぞれ添加したものを調製し、これを用いた。各実験用
飼料の組成を表1に示した。
ウス(18〜22前後SPFグレード)を7日間、固形飼料
で予備飼育して実験環境に順化したものを各群10匹に
群分けして使用した。尚、固形飼料であるから、固型製
剤としても食品としてもみなせる。飼育環境は、温度2
2±2℃、湿度40〜70%RHの環境で飼育した。実験
用飼料は、基礎飼料(基礎配合)と、該基礎配合に、そ
れぞれ外割で10重量%のセルロース(食物繊維群)、
カニ殻由来のα型キチン質から製造されたキチン・キト
サン(カニキトサン群)、イカ骨由来のβ型キチン質か
ら製造されたキチン・キトサン(イカキトサン群)をそ
れぞれ添加したものを調製し、これを用いた。各実験用
飼料の組成を表1に示した。
【表1】
【0013】〈実験方法〉各群の実験動物に3週間の
間、各実験飼料と水を自由に摂取させた後、実験動物に
苦痛を与えることなく屠殺し、脾臓を取り出して実験に
供した。 ・脾臓細胞の分離 脾臓は、実験動物よりすばやく取り出し、冷HBSS(Hank
balanced salt solution)に浸し、脾臓を裁断し脾臓
組織を洗浄した。洗浄した脾臓組織をホモジュネートし
細胞組織をNytex Filterで濾過しNucleated cellの単細
胞suspentionを作成した。作成した細胞はNK細胞Cyto
toxicityの測定に使用した。 ・NK細胞Cytotoxicityの測定 YAC-1腫瘍細胞に対するNK細胞Cytotoxicityの測定
は、3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5diphenyl tetra
zolium bromide(MTT)染色で測定した。25mM Hepes(N-
(2-hydroxyethl)piperazine-N-(2-ethanesulsonic)aci
d), 2mM L-glutamine,50μg/mL gentamycin sulfate
を含んだRPMI-1640の0.1mMにYAC-1腫瘍細胞を1×104
個に調整し、不活性化した胎児性牛血清で10%に調整
し96-well plateで培養した。さらに、96-well plateに
前に脾臓から調整した脾臓細胞を添加した。その96-wel
l plateを5%CO2気流中37℃で20時間培養した。
この培養した96-well plateをMTT染色しCytotoxicityの
%を測定した。
間、各実験飼料と水を自由に摂取させた後、実験動物に
苦痛を与えることなく屠殺し、脾臓を取り出して実験に
供した。 ・脾臓細胞の分離 脾臓は、実験動物よりすばやく取り出し、冷HBSS(Hank
balanced salt solution)に浸し、脾臓を裁断し脾臓
組織を洗浄した。洗浄した脾臓組織をホモジュネートし
細胞組織をNytex Filterで濾過しNucleated cellの単細
胞suspentionを作成した。作成した細胞はNK細胞Cyto
toxicityの測定に使用した。 ・NK細胞Cytotoxicityの測定 YAC-1腫瘍細胞に対するNK細胞Cytotoxicityの測定
は、3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5diphenyl tetra
zolium bromide(MTT)染色で測定した。25mM Hepes(N-
(2-hydroxyethl)piperazine-N-(2-ethanesulsonic)aci
d), 2mM L-glutamine,50μg/mL gentamycin sulfate
を含んだRPMI-1640の0.1mMにYAC-1腫瘍細胞を1×104
個に調整し、不活性化した胎児性牛血清で10%に調整
し96-well plateで培養した。さらに、96-well plateに
前に脾臓から調整した脾臓細胞を添加した。その96-wel
l plateを5%CO2気流中37℃で20時間培養した。
この培養した96-well plateをMTT染色しCytotoxicityの
%を測定した。
【0014】測定結果を表2に示した。
【表2】
【0015】表2より明らかなように、YAC-1腫瘍細胞
に対するNK細胞活性化作用は、基礎飼料群との比較で
イカ骨由来のβ型キチン質から製造されたキチン・キト
サンを配合した飼料群(イカキトサン群)が統計的有意
な活性化作用が認められた。しかし、カニ殻由来のα型
キチン質から製造されたキチン・キトサンを配合した飼
料群(カニキトサン群)では、従来免疫増強作用効果が
あるとの報告もあるものの、今回の実験では基礎飼料群
と同程度のNK細胞活性効果しか認められないばかり
か、食物繊維を配合した飼料群(食物繊維群)との比較
でも有意にNK細胞活性効果が低値を示していた。した
がって、カニ殻由来のα型キチン質から製造されたキト
サンにはNK細胞活性化作用が認められないがイカ骨由
来のβ型キチン質から製造されたキトサンには、高分子
体であっても経口的な摂取によってもNK細胞活性化作
用を有することを発見するに至った。
に対するNK細胞活性化作用は、基礎飼料群との比較で
イカ骨由来のβ型キチン質から製造されたキチン・キト
サンを配合した飼料群(イカキトサン群)が統計的有意
な活性化作用が認められた。しかし、カニ殻由来のα型
キチン質から製造されたキチン・キトサンを配合した飼
料群(カニキトサン群)では、従来免疫増強作用効果が
あるとの報告もあるものの、今回の実験では基礎飼料群
と同程度のNK細胞活性効果しか認められないばかり
か、食物繊維を配合した飼料群(食物繊維群)との比較
でも有意にNK細胞活性効果が低値を示していた。した
がって、カニ殻由来のα型キチン質から製造されたキト
サンにはNK細胞活性化作用が認められないがイカ骨由
来のβ型キチン質から製造されたキトサンには、高分子
体であっても経口的な摂取によってもNK細胞活性化作
用を有することを発見するに至った。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のNK細胞
活性化作用を有する製剤および飲食品は、イカ骨由来の
β型キチン質から製造されるキチン・キトサンを有効成
分として含有してなり、NK細胞を活性化することによ
り免疫機能を増強してがんの進行の抑制及び予防、並び
にその他の病原体に対する抵抗性を向上することができ
る。また、イカ骨由来のβ型キチン質から製造されるキ
チン・キトサンは、血中コレステロール上昇抑制、肥満
防止などの作用を果たすことができる。即ち本発明のN
K細胞活性化作用を有する製剤および飲食品は、免疫機
能を増強し、がんの抑制及び予防、並びにその他の病原
体に対する抵抗性を向上する目的で投与(服用)、摂取
する者に、血中コレステロール上昇抑制、肥満防止の作
用も果たすことができる。逆に血中コレステロール上昇
抑制、肥満防止の目的で服用、摂取する者に、免疫機能
を増強し、がんの抑制及び予防、並びにその他の病原体
に対する抵抗性を向上する作用を果たすことができる。
活性化作用を有する製剤および飲食品は、イカ骨由来の
β型キチン質から製造されるキチン・キトサンを有効成
分として含有してなり、NK細胞を活性化することによ
り免疫機能を増強してがんの進行の抑制及び予防、並び
にその他の病原体に対する抵抗性を向上することができ
る。また、イカ骨由来のβ型キチン質から製造されるキ
チン・キトサンは、血中コレステロール上昇抑制、肥満
防止などの作用を果たすことができる。即ち本発明のN
K細胞活性化作用を有する製剤および飲食品は、免疫機
能を増強し、がんの抑制及び予防、並びにその他の病原
体に対する抵抗性を向上する目的で投与(服用)、摂取
する者に、血中コレステロール上昇抑制、肥満防止の作
用も果たすことができる。逆に血中コレステロール上昇
抑制、肥満防止の目的で服用、摂取する者に、免疫機能
を増強し、がんの抑制及び予防、並びにその他の病原体
に対する抵抗性を向上する作用を果たすことができる。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61P 35/00 A61P 35/00
37/04 37/04
43/00 107 43/00 107
C08B 37/08 C08B 37/08 A
(72)発明者 海津 暢秀
東京都世田谷区赤堤2−10−17
Fターム(参考) 4B018 MD41 ME02 ME04 ME08
4C086 AA01 AA02 EA23 MA01 MA04
NA14 ZA70 ZB09 ZB22 ZB26
ZC33
4C087 AA01 AA02 BB15 CA14 NA14
ZA70 ZB09 ZB22 ZB26 ZC33
4C090 AA09 BA46 BA47 BA91 BC28
DA09 DA23 DA27
Claims (2)
- 【請求項1】 イカ骨由来のβ型キチン質から製造され
るキチン・キトサンを有効成分として含有してなるNK
細胞活性化作用を有する製剤。 - 【請求項2】 イカ骨由来のβ型キチン質から製造され
るキチン・キトサンを含有してなるNK細胞活性化作用
を有する飲食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001341941A JP2003146887A (ja) | 2001-11-07 | 2001-11-07 | Nk細胞活性化作用を有する製剤および飲食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001341941A JP2003146887A (ja) | 2001-11-07 | 2001-11-07 | Nk細胞活性化作用を有する製剤および飲食品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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