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JP2003037423A - 表面実装型アンテナおよびそれを搭載した通信機器 - Google Patents

表面実装型アンテナおよびそれを搭載した通信機器

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JP2003037423A
JP2003037423A JP2001226228A JP2001226228A JP2003037423A JP 2003037423 A JP2003037423 A JP 2003037423A JP 2001226228 A JP2001226228 A JP 2001226228A JP 2001226228 A JP2001226228 A JP 2001226228A JP 2003037423 A JP2003037423 A JP 2003037423A
Authority
JP
Japan
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electrode
base
antenna
radiation electrode
face
Prior art date
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Pending
Application number
JP2001226228A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Aoyama
博志 青山
Keiko Kikuchi
慶子 菊地
Hidetoshi Hagiwara
英俊 萩原
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面実装型アンテナの小形低背化と放射効率
(利得)及び帯域幅の向上を図ること。また、これを搭
載した通信機器を提供する。 【解決手段】 誘電体よりなる直方体状の基体1の上面
(C面)及び隣り合う側面(D面)に基体1の一方端か
ら長手方向の他方端に向かって幅を狭めながら延びる放
射電極2Aを形成し、この放射電極の中央の領域或いは
先端側の幅の狭い領域と根元側の幅の広い領域にそれぞ
れミアンダ状の放射電極を設け、この放射電極の一端は
基体の端面(E面)に設けた接地電極3と接続あるいは
容量結合し、一方の放射電極の幅の狭い側は基体の端面
(F面)に開放端となっている。また基体の側面(B
面)には放射電極に非接触で励振する給電電極4を形成
した表面実装型アンテナである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に携帯電話や無
線LAN(ローカルエリアネットワーク)等のマイクロ
波無線通信機器に好適な表面実装型アンテナ(以下、単
にアンテナと言うことがある。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波無線通信機器、とりわけ携帯
電話などの携帯通信機器では、小形低背化を図るために
アンテナ素子としてモノポールアンテナやマイクロスト
リップアンテナ等が、一般に用いられている。このう
ち、最近適用が増加しているマイクロストリップアンテ
ナの構造および原理に関しては、アンテナ工学ハンドブ
ック(p109〜111 電子情報通信学会編 オーム社)にそ
の詳しい記載がある。
【0003】現在、マイクロストリップアンテナとして
は表面実装型が主流であり、例えば、特開平9−153
734号公報や特開平10−107535号公報等に開
示されている。このアンテナは図10に示すように、略
直方体状の基体90の上面に例えばミアンダ状の放射電
極91を形成し、基体の側面92から上面に掛けて放射
電極91と直接接続するか、容量接続した給電電極93
と給電端子94から給電するものである。等価回路的に
は、放射電極の放射抵抗RとインダクタンスL、放射電
極の開放端とグランド電極間で形成される容量Cが並列
に接続された並列共振回路を構成している。これをアン
テナとして動作させる場合は、アンテナ基体の一側面9
2に設けたグランド端子95と給電端子94を、それぞ
れ回路基板96の地導体97と給電線98の上に配置
し、下面側から給電線を介して高周波信号を流すことに
よって、この高周波信号が並列共振して放射電極から電
磁波となって放射される。尚、放射電極の形状として
は、ミアンダ状の他にL字状、コ字状、クランク状等の
屈曲したものを用いて小型化を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】携帯通信機器に使用さ
れるアンテナは、小形低背であると同時に放射効率が良
く且つ指向性がなくて広帯域であることが要求される。
この点で従来の表面実装型アンテナでは、小形低背化を
進めていくと逆に前記アンテナ特性が劣化する方向にあ
り、単純には小型低背化は実現できなかった。そこで、
本願発明者らは、先に小型低背化と共に高利得で広帯域
なアンテナを得ることを目的として、梯子型の並列共振
回路を構成する放射電極を持った表面実装型アンテナを
提案している(特願2001−45354号他)。即
ち、このアンテナは、図9に示すように、略直方体状の
基体80の少なくとも上面に基体の一方端から長手方向
の他方端に向かって連続的および/または段階的に実質
的に幅を狭めながら延びる放射電極81を形成し、この
放射電極の一方端は、前記基体80の端面82に設けた
接地電極85と接続して接地されており、放射電極81
の途中でインピーダンス整合する側面位置には非接触の
形で給電電極83を形成したものである。このアンテナ
は基体下面のほとんどにグランド電極を設けておらず、
回路基板86に実装する際は基体端面の接地電極85及
びダミー電極(図示せず)と回路基板86の地導体8
7、87’とをそれぞれ図示のように接続する。このア
ンテナの最大の特徴は、幅が一定でない放射電極81の
形状にあり、この形状に対応して複数の共振回路が等価
的に形成されることにより多重共振が生じる点である。
【0005】これらの誘電体アンテナは、最近では無線
LAN用やGPS(Global Positioning System)用のチ
ップアンテナとしての用途が多く、携帯電話等の極限ら
れた小空間内に搭載する必要がある。このようなことか
ら、上記のアンテナ構造においても例えば長さ10mm
以下、幅と厚さが3〜2mm程度と、さらに小型低背化
したアンテナが求められている。ところが基体寸法が制
限されると、周波数調整が困難となり、また放射効率が
悪く利得が低下する、また帯域幅が低下すると言う問題
が生じる。
【0006】そこで、本発明は、上記した既提案のアン
テナの改良に係わり、一層の小型低背化を実現すると共
に周波数調整の幅を広げ、放射利得の向上と帯域幅を広
げた表面実装型アンテナを提供することを目的とする。
また、このアンテナを利得の低下を抑制するように回路
基板に搭載した通信機器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、誘電体又は磁
性体よりなる直方体状の基体の少なくとも1つの表面に
前記基体の一方端から長手方向の他方端に向かって連続
的および/または段階的に実質的に幅を狭めながら延び
る放射電極を形成し、該放射電極の一方端は前記基体の
端面に設けた接地電極と接続あるいは容量結合し、前記
放射電極に接触または非接触で結合する給電電極を基体
表面に形成した表面実装型アンテナであって、前記放射
電極の中央の領域をミアンダ状の屈曲部に形成した表面
実装型アンテナである。
【0008】また、本発明は、誘電体又は磁性体よりな
る直方体状の基体の少なくとも1つの表面に前記基体の
一方端から長手方向の他方端に向かって連続的および/
または段階的に実質的に幅を狭めながら延びる放射電極
を形成し、該放射電極の一方端は前記基体の端面に設け
た接地電極と接続あるいは容量結合し、前記放射電極に
接触または非接触で結合する給電電極を基体表面に形成
した表面実装型アンテナであって、前記放射電極の幅の
狭い領域および幅の広い領域をミアンダ状の屈曲部に形
成した表面実装型アンテナである。
【0009】本発明のアンテナは、放射電極を先端の開
放端に向かって幅の狭まる形状としたことにより、複数
の共振回路が多重共振することによる帯域幅の拡大が図
られる。このとき、放射電極にミアンダ状の屈曲部を形
成することによって、放射電極長を伸ばしインダクタン
スを稼いで基体の小型化を図ることができる。但し、一
般にミアンダ等の屈曲部を設けると導体損失が大きくな
り放射効率(利得)を低下させることに繋がる。ここで
屈曲部を設ける領域について考えると、放射電極のうち
根元側の幅の広い領域は、先端側の幅の狭い領域に比べ
て電流強度が大きく、放射効率の低下幅が大きいが、そ
の反面帯域幅は格段に向上する。他方、先端側の幅の狭
い領域について言えば、電流が流れ易く導体損失が小さ
いため、放射効率の低下は抑制されるが帯域幅の増大量
も少ない。よって、放射効率と帯域幅の両特性を中庸的
に得るために、中央部の領域にミアンダ状の屈曲部を設
けること、あるいは幅の狭い領域と幅の広い領域の両端
に適宜ミアンダ状の屈曲部を設けることが有効である。
以上により、帯域幅が広がり且つ放射効率も向上したア
ンテナを得ることができる。
【0010】また、前記ミアンダ状の屈曲部は、放射電
極全長に対して少なくとも1/15の長さがないと小型
化や周波数調整の融通性がない。屈曲部が放射電極全長
に占める割合は屈曲部を設ける位置によっても異なる
が、放射電極全長の半分程度が望ましく、長くても4/
5程度までである。例えば全長10〜15mmの放射電
極を用いて2.45GHzの中心周波数を得る場合、中
央部に4〜6mm程度または、先端から5mm程度、接
地側から1mm程度の領域にミアンダ状屈曲部を設ける
ことが望ましいと言える。さらに、ミアンダ状の屈曲部
の曲がり角は、丸面取りあるいは角面取りを施し一様に
角を削ることは望ましいことである。これにより屈曲部
の線路幅と電流の流れがほぼ一様となりインピーダンス
の不連続性が改善されるため、曲がり角での反射ロスが
抑えられて利得が向上する。また、ミアンダ状の電極線
路の本数は2n+1で奇数本とすると電流のキャンセル
分が完全に相殺されないので利得向上には望ましい。ま
た、前記基体の他方端の端面に、前記放射電極の先端と
ギャップを介して対向する第2の接地電極を設けること
も出来る。これにより、容量装荷が達成され、小型化お
よびギャップを調整することによって容易に共振周波数
を調整することが出来る。
【0011】また、本発明は、上記した表面実装型アン
テナを回路基板に実装する際、前記放射電極が延びる基
体長手方向を回路基板の地導体端部の境界線と並行とな
るように、且つ前記放射電極の先端側を地導体から遠ざ
けるように配置し、このような回路基板を搭載した通信
機器である。これは表面実装型アンテナとして携帯電
話、ヘッドフォン、パソコン、ノートパソコン、デジタ
ルカメラ等に搭載した通信機器に好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の表面実装型アンテ
ナの実施例を図面と共に説明する。図1は第1の実施例
を示す表面実装型アンテナの斜視図、図2は図1の展開
図である。このアンテナ1Aは、セラミックス、樹脂等
の誘電体からなる直方体状の基体1と、その上面及び隣
り合う側面に形成された放射電極2Aと、放射電極の一
方端に接続され基体の端面を覆って形成した接地電極3
と、基体の長手方向側面に設けた給電電極4とからなっ
ている。放射電極2Aは、基本的に根元の幅広領域から
長手方向に連続的および/または段階的に実質的に幅を
狭めながら延びる先細りの形状となし、略中央の領域を
ミアンダ状の屈曲部20cに形成している。またこの放
射電極2Aは、図2に展開図で示すように、基体上面
(C面)に設けた放射電極20と、隣り合う側面(D
面)に連続的に形成した放射電極21からなり基体の稜
線上で一体化している。放射電極の先端は開放端15と
なっており、他方の根元側の一端は端面(E面)の接地
電極3に接続されている。尚、ここでの接続は非接触の
容量結合の形でも良い。
【0013】給電電極4は、放射電極とインピーダンス
マッチング(通常50Ω)する基体側面の任意の位置に
形成し、容量を介して非接触に励振し整合が取りやすい
ようにしているが、給電電極4は基体上面まで延ばして
も良く、放射電極と直接接続させることもできる。接地
電極3は、基体1の一方端面(E面)を含む端部を取り
囲むように設けても良いが、少なくとも下面(A面)に
も延長電極30を形成し、回路基板の地導体に接続でき
るようにする。また、給電電極4も基体下面(A面)側
に延長して半田付け用の延長電極40を設け、また回路
基板への取り付けを補強する固定電極50を設けてい
る。
【0014】本発明の表面実装型アンテナの第2の実施
例を図3の斜視図と図4の展開図に示す。尚、図1のア
ンテナと同じ構成については同一符号を付して説明は省
略する。この実施例のアンテナ1Bは、放射電極22の
うち幅の狭い領域にミアンダ状の屈曲部22tと幅の広
い領域にミアンダ状の屈曲部22rを設けたものであ
る。そして、放射電極2Bは図4の展開図で示すよう
に、基体上面(C面)に設けた放射電極22と、隣り合
う側面(D面)に先端側と根元側に同様のミアンダ状屈
曲部23t、23rを設けた放射電極23とからなって
いる。また、ここでは先端側の屈曲部22t、23tは
スリット11を図のように形成して電極線路12を9本
となし、根元側の屈曲部22r、23rは2本のスリッ
ト11を形成して電極線路12は2本となしている。
尚、ここでは帯域幅を拡大しつつ放射効率の低下を抑制
するために最低限の長さとしたが、電極線路は下記する
理由も考慮して奇数本にすることが望ましい。
【0015】次に、放射電極の作用効果について説明す
る。まず、放射電極の基本形状は、高周波電流の流れ
(基体長手方向)に対して垂直方向の電極長さ、即ち幅
を一定とせずに、開放端側に接近するに従い徐々に減少
する形状とした。給電電源から給電電極を介して供給さ
れた高周波電流は、放射電極のインダクタンスと大地と
の間で形成されるコンデンサ容量で決まる周波数で共振
を起こし、空間に電磁エネルギとして放射される。この
時、接地電極と開放端を節と腹とする電流分布モードに
なる。放射電極の幅が一定ならば、この電流分布モード
は1つしか存在しないが、本発明のように放射電極の幅
が一定でないこと、さらに図示する各電極配置とするこ
とによって、アンテナには複数の共振回路が等価的に形
成される。このとき各共振回路の共振周波数は、かなり
接近して発生するため共振が連続して複数存在すること
になり、結果的に帯域幅が広がった広帯域な共振特性が
得られるものである。また、図2の展開図で示すように
基体の上面だけでなく隣接する側面に渡って放射電極を
形成すると、より小型化し、より無指向性に近い放射指
向性が得られる。
【0016】さらに、本発明では放射電極の中央の領域
にミアンダ状の屈曲部20cを設けた構成あるいは先端
側の幅の狭い領域と根元側の幅の広い領域にそれぞれミ
アンダ状の屈曲部22t、22rを設けた構成とした。
これにより、先ずは放射電極のインダクタンス成分Lが
増し、より小型化を図ることが出来る。さらに根元側に
屈曲部を設けた場合、幅の広い領域では電流強度が大き
く、屈曲部に互い違いに流れる電流量も多い。よって、
抵抗Rが大きく導体損失も大きいので電力損失が大きく
放射効率が低下してしまう。しかしながら、他方で帯域
幅はRL0.5に比例することから、L及びRの増加に伴
い帯域幅は拡大する。また、先端側に屈曲部を設けた場
合、放射効率の低下を抑制して所望の周波数に調整がで
きるが帯域幅の増加は余り期待できない。先端側は電流
が流れ易いのでインダクタンス成分を稼ぐことができる
と共に放射効率を阻害しない点で有利である。以上のこ
とより、ミアンダ状屈曲部を設ける位置を、放射電極の
中央部にすれば中庸的に広帯域化と利得向上の利点を享
受できる。一方、幅の狭い先端側と幅の広い根元側との
両方に適宜設けることで帯域化を拡大し放射効率(利
得)も低くないアンテナを得ることが出来る。また、周
波数調整効果の高い根元側でおおよその周波数を調整
し、周波数微調整の容易な先端側で微調整を行うことが
できる。
【0017】また、ミアンダ状の屈曲部では、線路方向
の電流は互い違いに逆方向に流れるため、空間に放出さ
れる電磁界がキャンセルしあい屈曲部全体として放出電
磁界が小さくなる。この点において電極線路の本数を2
n+1と奇数本にしておくことによって電流のキャンセ
ル分を少なくできる。上記した例ではスリット11を適
宜設けることによって電極線路12も奇数本設けるよう
にしている。また、ミアンダ状の放射電極20c、22
t、22rを夫々設ける領域は、基体寸法と所望周波数
等の関係から適宜設定できるものであるが、下記する比
較検討によれば放射電極全長に対し略1/15以内では
効果はあまり望めず、1/5〜4/5程度が良いと考え
る。
【0018】次に、実施例のアンテナの製造に関して説
明する。通常、アンテナの基体はセラミックスからな
り、セラミックスのブロックから直方体状のチップを複
数個切り出し、所定の寸法に研削加工する。次いでこの
チップを複数個並べて治具の中に設置し、多数チップの
一表面毎にAg電極をスクリーン印刷して形成する。各
表面に電極を形成した後、850℃で焼成しチップ状ア
ンテナ素子を得る。印刷する電極は、A面に接地電極3
と給電電極4の延長電極と固定用(半田付け)の電極、
B面に給電電極4、C面に放射電極20C、D面に放射
電極21C、E面に接地電極3を形成する。また第2の
接地電極を設ける場合にはF面にも電極を形成すること
になる。
【0019】次に、本発明の表面実装型アンテナの第3
の実施例を図5の斜視図に示す。尚、図1のアンテナと
同じ構成については同一符号を付して説明は省略する。
この実施例のアンテナ1Cは、ミアンダ状の放射電極2
4cの屈曲部に丸み13をもたせて電極線路を繋げたこ
とに特長がある。尚、D面にも同様のミアンダ状の放射
電極を設けている。図1のミアンダ状放射電極では線路
の直線部分と屈曲部分が不等幅で連なっていた。このこ
とは電極線路のインピーダンスとしては不連続に変化す
る結果となり、その不連続性により進行波の一部が反射
される。さらに、曲がり角部に注目すると内側の経路長
が外側の経路長に比べて短く、結果、内側寄りに強い電
流が流れ易くインピーダンスの不連続性がここでも生じ
る。このようなことから、曲がり角部に丸みを持った面
取りあるいは角部を切り落とした角面取りを施すことに
よって前記インピーダンスの不連続性が改善され、曲り
角部での反射ロスの発生が抑制される。その結果、アン
テナの放射電極を流れる共振電流の伝送損失を低減でき
るため利得が向上する。また、本例では屈曲部の曲がり
角を外径側だけでなく内径側についても円弧で結び、丸
面取り14を施している。よって、外径側だけを丸くし
た場合に比べ曲がり角部分での電極線路幅がさらに等幅
になり、電極線路の曲がり角部でのインピーダンスの不
連続性が減少するため、反射ロスの発生がいっそう抑制
される。また、本実施例では接地電極3を基体の端面に
設けず側面のD面側に設け、A面に延長電極30を形成
している。このような構成とすることによって、電極の
経路長すなわちインダクタンスLを増加させ、より小さ
なアンテナを用いて所望周波数が実現できる。
【0020】本発明の表面実装型アンテナの第4の実施
例を図6に示す。上記実施例のアンテナと同じ構成につ
いては同一符号を付して説明は省略する。本例では放射
電極先端の開放端に対向する基体端部にギャップGを介
して第2の接地電極を設けたものである。基体1の端面
(F面)とこれを囲む4面に渡って接地電極5を形成し
ている。これによって、放射電極26の開放端15と地
導体との間に容量装荷し、また、容量を安定化させて周
波数の調整を容易にすることが出来る。また、ギャップ
部で容量が稼げる分小さいインダクタンスでも所望周波
数が得られるので小型化に適しているし、発生電磁界を
ギャップ部近傍に集中できるので周囲への影響あるいは
周辺からの影響が小さいと言う効果もある。尚、第3、
第4の実施例共にミアンダ状の放射電極については図示
にとらわれることなく図3の形態でも良いことは無論で
ある。
【0021】次に、上記した表面実装型アンテナを回路
基板に実装する構成について説明する。図7は図1に説
明したアンテナ1Aを回路基板6上に実装した様子を示
している。無論この図ではアンテナの配置のみを示し他
の部品は図示していない。アンテナ1Aは、回路基板6
の露出部65上で地導体62の端部境界線63と基体長
手方向が並行となるように、且つ放射電極2Aの開放端
15を地導体62から遠ざけるような向きに配置してい
る。これによって、給電電源60から供給された高周波
信号は給電線61を介し給電電極4に供給され放射電極
を励振し、放射電極先端の開放端から電磁波が空間に放
射される。
【0022】従来はアンテナ素子を地導体に対して垂直
(縦方向)に配置する場合が多かった。このような場合
デッドスペースが大きくなり設計の自由度が低いことは
言うまでもない。横方向(並行)に置くことによって占
有面積は格段に減少し、実装レイアウトの自由度と密度
を上げて省スペース化を図ることが出来る。一方で並行
に置いた場合は縦置きに対して利得低下を補う必要があ
るが、この点で図示しているように地導体62の端部境
界線63とアンテナ基体との間に若干の隙間を設けるこ
とによって利得を向上できる。間隙は数ミリ、例えば1
〜3mm程度で効果が現れるので占有面積の許される範
囲で設定できる。
【0023】また、回路基板との電気的相互作用とし
て、アンテナの共振電流により基板の接地導体に鏡像電
流が発生し、この鏡像電流と基体を流れる電流が逆位相
となると、アンテナからの電磁放射が妨げられ、利得低
下や共振周波数のシフトが起こることがある。この点で
共振電流が最も強く流れる放射電極の開放端を地導体か
ら最も遠い位置に配置すると、電界を接地導体から離れ
た位置に誘起でき、鏡像電流を極力弱くできる。また、
アンテナの裏面のほとんどには接地電極を有していない
ので、接地導体に鏡像電流が流れることを抑制すること
ができる。このようにアンテナを実装した回路基板を図
6に模式的に示した携帯電話やパソコンの内部に搭載す
ることによりブルートゥース機能を備えた通信機器とし
て利用できる(図8参照)。
【0024】以下、本発明による実施例1及び実施例2
のアンテナと、本願発明者らが先に提案している図9の
アンテナの特性比較を下記する。ここで実施例1は図1
に示した中央部にミアンダ状屈曲部を設けた場合であ
り、実施例2は図3に示した先端側と根元側の夫々にミ
アンダ状屈曲部を設けた場合であり、実施例3は図5に
示した屈曲部の曲り角を丸面取りした場合である。比較
例1は図9に示したミアンダ状屈曲部を設けない場合で
ある。まず、アンテナ基体は、比誘電率εr=8のAl2
3系セラミックス材料を使用し、長さ10mm×幅3
mm×厚さ2mmの寸法とした。設計的には伝搬周波数
の中心周波数2.45GHz±10MHz、帯域幅90
MHz、比帯域3.5%、放射効率60%以上、電圧定
在波比(VSWR)3以下等の性能を満たすことを目標
に各電極を設定した。電極はAg電極材料を用い同じプ
ロセスにより印刷形成した。また、回路基板上でのアン
テナ配置については、図7と同じように配置した。
【0025】特性の評価項目としては、電圧定在波比
(VSWR)3の時の帯域幅と指向性および利得特性
(放射効率)を測定し評価した。VSWRの測定は、給
電端子にネットワークアナライザを接続し、端子側から
みたインピーダンスを測定することにした。また、利得
の測定に際しては、電波無響暗室内で送信用アンテナと
して用いた被試験アンテナからの放射電力を受信用基準
アンテナで受信し、この受信電力と送信用アンテナとし
て基準アンテナを用いた場合の受信電力に対する比とし
て評価した。指向性については、被試験アンテナ素子を
回転テーブルに搭載し、回転させながら放射電界の強度
を利得の測定と同じ手順で各回転角度における利得を測
定した。指向性および中心周波数への調整可否について
は○、△、×の相対評価とした。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】指向特性については、実施例と比較例とも
にX、Y、Zの3軸の利得がほぼ円に近く、指向性のな
い無指向特性が得られた。また帯域幅については、比較
例1では目標値90MHz程度であったが、実施例では
いずれも大幅に目標値を上回る値を得ることができてい
る。放射効率についても、実施例は比較例より若干低下
するものの、いずれも目標値60%を満足できる特性が
得られている。ミアンダ状屈曲部を増加させてインダク
タンスを増加させる程、周波数は低下する。実施例1で
は、ミアンダ状屈曲部を放射電極長さの1/15に設け
た場合中心周波数が高めとなり目標値に設定し難く、ミ
アンダ状屈曲部を放射電極長さの3/5まで設けた場合
は中心周波数が目標周波数よりも低めとなってしまっ
た。これらのことは、ミアンダ状屈曲部を設けることは
望ましいことであるが、その長さについては適宜望まし
い範囲があることを示唆している。以上、いずれの実施
例についても周波数に対応する範囲にミアンダ状屈曲部
を設けることにより、中心周波数が調整可能となった。
また、実施例1、2,3とも放射効率は若干低下するも
のの帯域幅は格段に広がる。よって、本発明の放射電極
形状を用いることにより、所望の中心周波数で広帯域高
効率な小型アンテナを得ることができることが確認でき
た。
【0028】本発明の他の実施例としては、基体材料を
磁性体、樹脂体、またこれらの積層基板としても良い。
ミアンダ状放射電極の屈曲部の形状を不規則に曲がった
クランク状としても良い。また電極線路の幅やスリット
の幅寸法も適宜変更ができる。また、帯域幅を広げたり
周波数調整のために放射電極あるいは基体をトリミング
することが有効である。例えば、図1の放射電極の先端
部を平行部16に形成し、この部分を平行に削ると周波
数調整が容易で有効である。また、放射電極は、台形
状、階段状、曲線状等種々の形状が考えられるが、長手
方向に連続的および/または段階的に実質的に幅を狭め
ながら延びるものであれば良い。また、放射電極の一端
側は必ずしも連続的に接地電極を形成する必要はなく、
非連続とした容量結合となし最終的に接地できていれば
良い。また、接地電極は最小限その端面を覆い、接地面
に連接して接地できていれば良いが、基体端面からの電
界の放射を抑制する効果を得るためには基体端部におい
て端面とその廻りの四面を確実に覆うように形成してお
くと良い。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、小形低背化ができると
共に放射効率と帯域幅も一様に向上することができ、周
波数調整も比較的容易となり製造面でも有利で安価で、
且つより高性能な表面実装型アンテナが得られた。ま
た、このアンテナを回路基板上に実装する際は、占有面
積を小さくして、利得を向上できる。よって、これを携
帯電話や小型情報端末等の通信機器に搭載した場合、機
器の小形化に貢献すると共に、機器の姿勢に関係なく安
定した通信性能を持つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すアンテナの斜視図
である。
【図2】図1のアンテナの展開図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示すアンテナの斜視図
である。
【図4】図3のアンテナの展開図である。
【図5】本発明の第3の実施例を示すアンテナの斜視図
である。
【図6】本発明の第4の実施例を示すアンテナの斜視図
である。
【図7】本発明のアンテナを回路基板に実装した状態を
示す実装図である。
【図8】本発明のアンテナを通信機器に搭載する概念図
である。
【図9】本発明の実施例に対する一比較例を示すアンテ
ナの斜視図である。
【図10】従来の面実装型アンテナの一例を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D:表面実装型アンテナ 1、80、90:誘電体基体 2A、2B、2C、2D、20、21、22、23、2
4、26、81、91:放射電極 3、85:接地電極 4、83、93:給電電極 5:第2の接地電極 6、86、96:回路基板 11:スリット部 12:ミアンダ状放射電極の線路 13、14:屈曲部の丸面取り 15:放射電極の開放端 16:放射電極先端の平行部 20C,21C、24C、26C:放射電極の中央の領
域 22t、23t、24t:放射電極の幅の広い領域 22r、23r:放射電極の幅の狭い領域 30:接地電極の延長電極、40:給電電極の延長電極 50:基板への取付けを補強する固定電極 60:給電電源、61、88、98:給電線、62:接
地導体 63:接地導体の境界線、64:接地導体の延長部、6
5:回路基板の露出部 82:誘電体基体の端面、87、87’、97:回路基
板の地導体 92:誘電体基体の一側面、94:給電端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01Q 9/42 H01Q 9/42 Fターム(参考) 5J046 AA04 AA07 AB13 PA04 PA07 5J047 AA04 AA07 AB13 FD01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体又は磁性体よりなる直方体状の基
    体の少なくとも1つの表面に前記基体の一方端から長手
    方向の他方端に向かって連続的および/または段階的に
    実質的に幅を狭めながら延びる放射電極を形成し、該放
    射電極の一方端は前記基体の端面に設けた接地電極と接
    続あるいは容量結合し、前記放射電極に接触または非接
    触で結合する給電電極を基体表面に形成した表面実装型
    アンテナであって、前記放射電極の中央の領域をミアン
    ダ状の屈曲部に形成したことを特徴とする表面実装型ア
    ンテナ。
  2. 【請求項2】 誘電体又は磁性体よりなる直方体状の基
    体の少なくとも1つの表面に前記基体の一方端から長手
    方向の他方端に向かって連続的および/または段階的に
    実質的に幅を狭めながら延びる放射電極を形成し、該放
    射電極の一方端は前記基体の端面に設けた接地電極と接
    続あるいは容量結合し、前記放射電極に接触または非接
    触で結合する給電電極を基体表面に形成した表面実装型
    アンテナであって、前記放射電極の幅の狭い領域および
    幅の広い領域をミアンダ状の屈曲部に形成したことを特
    徴とする表面実装型アンテナ。
  3. 【請求項3】 前記放射電極のうちミアンダ状の屈曲部
    は、放射電極全長に対し、4/5以内の領域に設けたこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の表面実装型アンテ
    ナ。
  4. 【請求項4】 前記放射電極の屈曲部の曲がり角を丸面
    取りあるいは角面取りを施したことを特徴とする請求項
    1乃至3に記載の表面実装型アンテナ。
  5. 【請求項5】 前記放射電極のミアンダ状の電極線路の
    本数を2n+1としたことを特徴とする請求項1乃至4
    の何れかに記載の表面実装型アンテナ。
  6. 【請求項6】 前記基体の他方端の端面に、前記放射電
    極の先端とギャップを介して対向する第2の接地電極を
    設けたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載
    の表面実装型アンテナ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載する表面実
    装型アンテナを回路基板に搭載した通信機器であって、
    前記放射電極が延びる基体長手方向を回路基板の地導体
    端部の境界線と並行となるようになし、且つ前記放射電
    極の先端側を地導体から遠ざけるように配置したことを
    特徴とする通信機器。
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