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JP2003034762A - 光輝感を有する塗料の調色方法 - Google Patents

光輝感を有する塗料の調色方法

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Publication number
JP2003034762A
JP2003034762A JP2001223688A JP2001223688A JP2003034762A JP 2003034762 A JP2003034762 A JP 2003034762A JP 2001223688 A JP2001223688 A JP 2001223688A JP 2001223688 A JP2001223688 A JP 2001223688A JP 2003034762 A JP2003034762 A JP 2003034762A
Authority
JP
Japan
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color
paint
coating
toning
data
Prior art date
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Pending
Application number
JP2001223688A
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English (en)
Inventor
Toru Hirayama
徹 平山
Shinichi Gamo
真一 蒲生
Toshiyuki Ogawa
敏之 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光輝感のある塗色に対して、調色経験の少な
い調色者も精度高く色合わせできる調色方法を提供す
る。 【解決手段】 (A)測色計と、(B)塗色作業番号に
対応する見本色票が集合した色票群と、(C)色合わせ
計算ロジックが作動するコンピュータとから構成されて
なるコンピュータ調色装置とを用いて、下記(1)〜
(3)の工程 (1)調色により塗料の塗色を合せるべき基準色を測色
計にて測定して基準色の色データを得る工程、(2)該
基準色の色データと、予めコンピュータに登録された塗
料配合に対応した色データとを比較し、色の整合の度合
いを指数化して近似塗料配合を選択し、対応する見本色
票を得る工程、及び(3)上記工程(2)で得た見本色
票と基準色との光輝感を目視にて比較する工程、を行う
光輝感を有する塗料の調色方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測色計と、見本色
票と、コンピュータ調色装置を用いた光輝感を有する塗
料の調色方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】コンピュータ利用による色合
わせシステムは、例えば、米国特許3,601,589
号明細書に記載されているように公知である。上記米国
特許には、未知の色パネルの全スペクトル反射率を走査
用分光光度計によって決定し、この反射率データをコン
ピュータに送り、コンピュータは顔料のK値(「光吸収
係数」を示す)及びS値(「光散乱係数」を示す)を表
す予め記憶されたデータを数学的に処理し、論理的色合
わせを行う方法が開示されている。
【0003】上記米国特許の開示内容は、基本的には、
一連の計算手順に関するものである。つまり、この計算
手順に従うと、一つの分光波長に対してK値及びS値を
算出することができ、さらには、一組の顔料を、それら
顔料の組み合せのK及びS値が、前記の各分光波長毎に
未知の色のK及びS値に等しくなるように決定すること
ができる。これは、その他の分光光度準拠型色合わせシ
ステムにおいても使用されている基本的な色合わせアル
ゴリズムである。
【0004】上記米国特許によるシステムの問題点は、
第一には、非常に高価で保守が難しいことであり、第二
には、未知の色の既知の顔料に対して得られたデータを
用いた論理的色合わせを行っていることである。すなわ
ち、計算で得られた色彩値に従って顔料を混合して得ら
れた最終の色は、前記未知の色とは異なる色になる可能
性がある。したがって、前記色合わせ公式は、通常、第
1次の数学的近似法であって、システムの補正及び調整
を行う必要がある。
【0005】上記システムを改良するために、例えば、
特開昭63−153677号公報において、ポータブル
なカラーメータを使用して選択色を分析するとともに選
択色の色相、彩度、明度を表す色データを記憶し、前記
カラーメータ内の前記色データをコンピュータに接続す
るとともに、利用可能な複数個の色公式(塗料配合)を
前記コンピュータ内に記憶し、前記記憶した利用可能な
色公式によって指定された各塗料の色相、彩度、明度を
表す色データを前記コンピュータ内に記憶し、前記カラ
ーメータから受け取った選択色の色データと、前記記憶
した利用可能な色公式のそれぞれを表す前記記憶した色
データとを比較して最近似整合を見つけ出し、前記最近
似整合として見つけ出された前記色データによって表さ
れる記憶した色公式を選択し、これによって前記選択色
に対する色合わせを行う方法及び装置が提案されてい
る。
【0006】また、近年、自動車の塗色は、個人の好み
の多様化、美粧性の向上などの観点からアルミニウム粉
や光輝性マイカ粉が配合された光輝感のある塗色が増加
している。この光輝感のある塗色を補修塗装するに際し
て、色合わせを行う場合、前記特開昭63−15367
7号公報に記載された色合わせ方法では、色合わせ精度
がいまだ十分ではなく、光輝感のある塗色に対してコン
ピュータによる精度の高い色合わせ方法はこれまでなか
った。
【0007】さらに、光輝感のある塗色は、経験の少な
い調色者にとっては調色が困難であるといった問題があ
った。また、経験の少なくない調色者においても、見本
板と調色経過塗装板の比色を行なう際に天候に左右され
たり、評価する人によって評価がばらつくといった問題
があった。
【0008】さらに市販の測色計では、光輝感を分離し
た測定は不可能であるため、色は合っていても光輝感
(例えばアルミの目、すなわち粒子感やアルミのキラキ
ラとした質感)が合わない場合がしばしばあった。
【0009】本発明の目的は、光輝感のある塗色に対し
ても、精度高く色合わせでき、経験の少ない調色者も容
易に調色を行うことができ、かつ天候に左右されない調
色方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、測色計
と、見本色票と、各種塗料配合、塗色データなどが入力
され色合わせ計算ロジックが作動するコンピュータとか
ら構成されたコンピュータ調色装置を用いることによっ
て上記目的を達成できることを見出し本発明を完成する
に至った。
【0011】すなわち、本発明は、(A)測色計と、
(B)塗色作業番号に対応する見本色票が集合した色票
群と、(C)複数の塗料配合、該各塗料配合に対応した
色データと光輝感データ、複数の原色塗料の色特性デー
タと光輝感特性データが登録されており、該塗料配合及
び該各データを利用した色合わせ計算ロジックが作動す
るコンピュータとから構成されてなるコンピュータ調色
装置とを用いて、下記(1)〜(3)の工程 (1)調色により塗料の塗色を合せるべき基準色を測色
計にて測定して基準色の色データを得る工程、(2)該
基準色の色データと、予めコンピュータに登録された塗
料配合に対応した色データとを比較し、色の整合の度合
いを指数化して近似塗料配合を選択し、選択された近似
塗料配合に対応する見本色票を得る工程、(3)上記工
程(2)で得た見本色票と基準色との光輝感を目視にて
比較する工程、を行うことを特徴とする光輝感を有する
塗料の調色方法(以下、「第1の調色方法」ということ
がある)を提供するものである。
【0012】さらに本発明は、上記工程(3)の後、
(4)上記工程(3)に基く見本色票と基準色との光輝
感の差の程度に基いて補正した光輝感データをコンピュ
ータ調色装置に入力し、前記近似塗料配合を色合わせ計
算ロジックを用いて修正して、基準色に近づけた候補塗
料配合を得る工程、を行うことを特徴とする上記調色方
法を提供するものである。
【0013】また本発明は、さらに、(5)上記工程
(4)で得られた候補塗料配合に基づく調色経過塗料を
塗装して調色経過塗装板を得て、該調色経過塗装板の塗
色が基準色の合格範囲内であるか否かを判定する工程、
を行うことを特徴とする上記調色方法を提供するもので
ある。
【0014】さらに本発明は、上記工程(5)で調色経
過塗装板の塗色が基準色の合格範囲外である場合に、
(6)調色経過塗装板の塗色の測色計による測色データ
をコンピュータ調色装置に入力し、且つ調色経過塗装板
の塗色と基準色とが光輝感に差がある場合には、光輝感
の差の程度をコンピュータ調色装置に入力して、色合わ
せ計算ロジックを用いて基準色にさらに近づけるための
補正配合を得る工程、(7)上記工程(6)で得られた
補正配合に基づく調色経過塗料を塗装して調色経過塗装
板を得て、該調色経過塗装板の塗色が基準色の合格範囲
内であるか否かを判定する工程、を行い、判定が合格と
なるまで上記工程(6)及び(7)を繰り返し行なうこ
とを特徴とする上記調色方法を提供するものである。
【0015】また本発明は、(A)測色計と、(B)塗
色作業番号に対応する見本色票が集合した色票群と、
(C)複数の色番号、該色番号に対応した各塗料配合、
該各塗料配合に対応した色データと光輝感データ、複数
の原色塗料の色特性データと光輝感特性データが登録さ
れており、該塗料配合及び該各データを利用した色合わ
せ計算ロジックが作動するコンピュータとから構成され
てなるコンピュータ調色装置とを用いて、下記(8)〜
(10)の工程 (8)調色により塗料の塗色を合せるべき基準色を測色
計にて測定して基準色の色データを得る工程、(9)該
基準色の色番号と同じ色番号に属する少なくとも一つの
塗色作業番号に対応する予めコンピュータに登録された
塗料配合の色データと、基準色の色データとを比較し、
色の整合の度合いを指数化して近似塗料配合を選択し、
選択された近似塗料配合に対応する見本色票を得る工
程、(10)上記工程(9)で得た見本色票と基準色との
光輝感を目視にて比較する工程、を行うことを特徴とす
る光輝感を有する塗料の調色方法(以下、「第2の調色
方法」ということがある)を提供するものである。
【0016】さらに本発明は、(11)上記工程(10)に
基く見本色票と基準色との光輝感の差の程度に基いて補
正した光輝感データをコンピュータ調色装置に入力し、
前記近似塗料配合を色合わせ計算ロジックを用いて修正
して、基準色に近づけた候補塗料配合を得る工程、を行
うことを特徴とする上記調色方法を提供するものであ
る。
【0017】また本発明は、(12)上記工程(11)で得
られた候補塗料配合に基づく調色経過塗料を塗装して調
色経過塗装板を得て、該調色経過塗装板の塗色が基準色
の合格範囲内であるか否かを判定する工程、を行うこと
を特徴とする上記調色方法を提供するものである。
【0018】さらに本発明は、上記工程(12)におい
て、調色経過塗装板の塗色が基準色の合格範囲外である
場合に、(13)調色経過塗装板の塗色の測色計による測
色データをコンピュータ調色装置に入力し、且つ調色経
過塗装板の塗色と基準色とが光輝感に差がある場合に
は、光輝感の差の程度をコンピュータ調色装置に入力し
て、色合わせ計算ロジックを用いて基準色にさらに近づ
けるための補正配合を得る工程、(14)上記工程(13)
で得られた補正配合に基づく調色経過塗料を塗装して調
色経過塗装板を得て、該調色経過塗装板の塗色が基準色
の合格範囲内であるか否かを判定する工程、を行い、判
定が合格となるまで上記工程(13)及び(14)を繰り返
し行なうことを特徴とする上記調色方法を提供するもの
である。以下、本発明の調色方法について詳細に説明す
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の調色方法は、光輝塗膜を
形成できる光輝感を有する塗料を、後記測色計(A)、
見本色票(B)及び色合わせ計算ロジックが作動するコ
ンピュータ(C)を用いて調色する方法である。
【0020】上記光輝感を有する塗料としては、例え
ば、リん片状のアルミニウム粉末、蒸着アルミニウム粉
末、着色アルミニウム粉末、雲母状酸化鉄、雲母粉末、
金属酸化物被覆雲母粉末、金属酸化物被覆シリカフレー
ク、光輝性グラファイトなどのキラキラ感や干渉作用を
有する光輝性顔料や銅粉などの金属粉などの光輝材粉末
及び必要に応じて着色顔料を含有する塗料を挙げること
ができる。
【0021】測色計(A) 測色計(A)は、塗膜の色を測定して塗膜の色データを
得るための機器であり、この目的が達成できるものであ
れば、それ自体既知の測色計を使用することができる。
【0022】測色計としては、測定角度が多角度である
多角度測色計が好適である。多角度測色計においては、
2以上の角度条件、通常、2〜4の角度条件、すなわ
ち、測定光の入射角が異なるか、又は鏡面反射軸と受光
軸とのなす角度である受光角度が異なる2以上の条件で
測定する。上記鏡面反射軸とは、入射角と反射角とが同
じ角度であるときの反射角を形成する軸、例えば入射角
が45度の場合、反射角が45度である軸である。
【0023】受光角度を変化させる場合、その角度条件
は特に限定されるものではないが、通常、角度条件が2
の場合には、上記受光角度が15〜30度及び75〜1
10度の各角度範囲のうちの各1ずつであること、ま
た、角度条件が3の場合には、上記受光角度が15〜3
0度、35〜60度及び75〜110度の各角度範囲の
うちの各1ずつであること、さらに、角度条件が4の場
合には、上記受光角度が15〜30度、35〜60度、
70〜80度及び90〜110度の各角度範囲のうちの
各1ずつであることが目視による色の判断との対応がと
れやすいことから好適である。
【0024】上記塗膜の色を各角度条件によって測定し
た各測定値(角度基準測定値)は、明度、彩度、色相を
表すか、計算できるなど、色を特定できるものであれば
よく、例えば、XYZ表色系(X、Y、Z)、L*a*
b*表色系(L*、a*、b*値)、ハンターLab表
色系(L、a、b値)、CIE(1994)に規定され
るL*C*h表色系(L*値、C*値、h値)、マンセ
ル表色系(H、V、C)などによって表すことができ
る。なかでも、L*a*b*表色系又はL*C*h表色
系による表示が自動車補修塗装分野を含む工業分野での
色の表示において一般的である。
【0025】色票群(B) 色票群(B)は、メーカーなどが指定する色番号の塗色
を表わす見本色票が集合したものである。一つの色番号
について一つの塗料配合であることもできるが、実績塗
料配合なども含まれることができ、通常、複数個の塗料
配合が登録されており、これら各塗料配合に対応して各
塗色作業番号が設定されている。
【0026】色票群(B)の具体例としては、自動車の
補修塗装の分野では、例えば、国内外の自動車の塗色を
年度別、自動車メーカー別などに、各塗色作業番号に対
応する見本色票を掲載した冊子やカード群を挙げること
ができる。色番号が同じ塗色作業番号の見本色票は、比
較して見易いようにしておくと便利である。例えば、シ
ート1枚に、同一色番号の1以上の実塗料配合に対応す
る複数の塗色作業番号に対応する見本色票が載置したも
のなどが好適である。
【0027】色合わせ計算ロジックが作動するコンピュ
ータ(C) コンピュータ(C)には、複数の塗料配合、該各塗料配
合に対応した色データと光輝感データ、複数の原色塗料
の色特性データと光輝感特性データ、及び必要に応じ
て、複数の色番号と該色番号に対応した各塗料配合が登
録されており、コンピュータ(C)は該塗料配合及び該
各データを利用した色合わせ計算ロジックが作動するよ
うになっている。また、必要に応じて、色番号又は色名
の光輝感データが登録されており、色番号又は色名に対
応する光輝感データを取出すことができるようになって
いてもよい。
【0028】コンピュータに登録されている各塗料配合
に対応した色データは、各塗料から得られる塗膜の多角
度測色計による測色データであることができる。
【0029】光輝感とは、アルミニウム粉末、光輝性マ
イカ粉末などの光輝性顔料を含む塗色に発現する固有の
光輝性の質感を意味する。例えばアルミ、マイカ等の目
の粗さ、ザラザラした質感、粒子の大きさやギラギラ、
キラキラした輝き等が該当する。
【0030】前記コンピュータに登録される光輝感デー
タ又は光輝感特性データは、例えば、光輝塗膜面に光照
射し、それに基く反射光のうち、正反射光が入射しない
角度で、光が照射されている塗膜面をCCD(Char
ge Couple Device)カメラで撮影でさ
れた画像を解析して得られるデータであることができ
る。
【0031】CCDカメラで撮影でされた画像は、2次
元画像であり、多数(通常10,000〜1,000,
000個)の区画(ピクセル、画素)に分割され、それ
ぞれの区画における輝度を測定する。本発明において、
「輝度」とは、「CCDカメラによって撮影して得られ
た2次元画像の区画毎の濃淡値を示すデジタル階調であ
り、被写体の明るさに対応するデジタル量」を意味す
る。8ビット分解能のCCDカメラから出力される区画
毎の輝度を意味するデジタル階調は0〜255の値を示
す。
【0032】上記CCDカメラで撮影された2次元画像
において、光輝性顔料の反射光が強い部分に相当する区
画はキラキラ感が強いので輝度が高く、そうでない部分
に相当する区画では当然ながら輝度は低くなる。また光
輝性顔料の反射光が強い部分に相当する区画であって
も、光輝性顔料の大きさ、形状、角度、材質などによっ
て輝度が変化する。つまリ区画ごとに輝度を表示でき、
本発明ではそれぞれの区画における輝度に基いてCCD
カメラで撮影した2次元画像の輝度分布を三次元に表示
することが可能である。この輝度の三次元分布図は、
山、谷および平地の部分に分けられ、山の高さや大きさ
は光輝性顔料による光輝感の程度を示し、山が高くなる
ほど光輝感が頭著であることを示し、谷及び平地部分は
光輝感が無いか小さいことを示し、主として着色顔料又
は素地による光の反射を示す。
【0033】上記CCDカメラで撮影された画像の解析
は、CCDカメラに接続された画像解析装置によって行
うことができる。この画像解析装置に用いられる画像解
析ソフトとしては、例えば三谷商事(株)の「Mac
SCOPE」(商品名)などが好適である。
【0034】画像の解析においては、例えば、「キラキ
ラ感」(塗膜中の光輝性顔料から正反射された光によっ
て生じる不規則で微細な輝きの知覚)と「粒子感」(で
きるだけキラキラ感が発現しにくい照明条件下において
試料を観察したときに、光輝材含有塗膜中の光輝性顔料
の配向・重なりで起きる不規則・無方向性の模様(ラン
ダムパターン)から発する知覚)とをそれぞれ別々に定
量的に評価することが個人差によるバラツキが小さいこ
とから好適である。
【0035】コンピュータに登録されている原色塗料の
色特性データとしては、例えば、原色塗料のK値(光吸
収係数)、S値(光散乱係数)などであることができ
る。上記K値及びS値は、例えば、原色塗料及び原色塗
料のうすめ色の測色データを数値処理して得ることがで
きる。
【0036】コンピュータに必要に応じて登録される上
記色番号は、通常、塗装物品製造メーカー毎に指定され
た色コード番号であり、その色番号に応じて、補修塗装
する際の、塗料配合が登録されている。この塗料配合
は、一つの色番号について一つであることができるが、
実績塗料配合なども含まれることができ、通常、複数個
の塗料配合が登録されている。これらの塗料配合毎に、
形成塗膜の多角度測色計による測色データや塗色作業番
号もコンピュータに予め登録されている。
【0037】本発明のコンピュータ調色方法には、色番
号を用いて同一の色番号の中から塗料配合を選び出す工
程を有さない第1の調色方法、及び色番号を用いて同一
の色番号の中から塗料配合を選び出す工程を有する第2
の調色方法の2つの態様がある。
【0038】まず、上記第1の調色方法について各工程
に基いて順次説明する。工程(1) 工程(1)は、調色により塗料の塗色を合せるべき基準
色の塗膜を前記測色計(A)にて測定して基準色の色デ
ータを得る工程である。
【0039】塗色を合せるべき塗膜の色である基準色を
前記多角度測色計にて測定して前記角度条件における色
データを得ることが好適である。自動車補修塗装などの
補修塗装において、補修塗膜を形成した際、補修塗装部
の塗膜と補修塗装部近傍の塗膜の色との差が目視で認め
られ難いことが必要であることから、上記基準色として
は、通常、補修塗装部近傍の塗膜の色であることが適し
ている。
【0040】工程(2) 工程(2)において、前記工程(1)で得た基準色の色
データと、予めコンピュータに登録された塗料配合に対
応した色データとを比較し、基準色と登録された塗料配
合の色との整合の度合いを指数化し、近似塗料配合を選
択し、その近似塗料配合に対応する見本色票を得る。近
似塗料配合の選択にあたっては、通常、基準色との色差
が最も小さいものを選択することが多いが、基準色との
色の整合の度合いに加えて、配合データ、光輝感データ
などを勘案するなどして最も合理的と思われるものを適
宜選択することができる。この選択方法は特に限定され
るものではない。
【0041】見本色票に光輝感データを記載しておても
よいし、基準色との色の整合の度合いを指数化しコンピ
ュータに接続された画面上に表示する際に、光輝感を表
わす指数などの光輝感データも表示させることもでき
る。さらに、基準色との色の整合の度合いを指数化し画
面上に表示したものについて、色や光輝感が画面上に表
示できるようになっていてもよい。
【0042】ついで、近似塗料配合に対応する見本色票
を色票群から取出すなどして得る。
【0043】工程(3) 工程(3)では、上記工程(2)で得た見本色票と基準
色との光輝感を目視にて比較する。この目視による光輝
感比較を、高照度で散乱光を抑えた点光源で高照度の光
照射下にて行なうと、色の差が抑えられ光輝感の比較が
容易であるが、光輝感の比較条件は、特に制限されるも
のではなく、太陽光線下であっても電灯下であっても光
輝感を比較できる条件下であればよい。
【0044】工程(4) 上記工程(3)における、目視による見本色票と基準色
との光輝感の比較による光輝感の差の程度に基いて、見
本色票の光輝感データ、例えば光輝感指数を補正してコ
ンピュータ調色装置に入力し、前記近似塗料配合を、複
数の塗料配合、該各塗料配合に対応した色データと光輝
感データ、複数の原色塗料の色特性データと光輝感特性
データが登録されたコンピュータ調色装置により色合せ
計算ロジックを用いて修正して、基準色に近づけた候補
塗料配合を得る工程である。
【0045】工程(5) 工程(5)は、上記工程(4)で得られた候補塗料配合
に基づいて作成した調色経過塗料を塗装して調色経過塗
装板を得て、該調色経過塗装板の塗色が基準色からみて
合格であるか否かを判定する工程である。
【0046】調色経過塗料の作成にあたり、上記候補塗
料配合又は上記修正配合が、電子天秤に伝達されるよう
になっていてもよい。
【0047】調色経過塗装板の作成は、形成された塗膜
の塗色が実際に塗装した際の塗膜の塗色が再現できる条
件で作成される限り特に限定されるものではなく、それ
自体既知の調色経過塗装板の作成方法を適宜用いること
ができる。
【0048】調色経過塗装板の塗色が基準色の合格範囲
内であるか否かを判定する方法は、測色計による調色経
過塗装板の色データと基準色の色データとの差、例え
ば、L*a*b*表色系におけるΔE*が許容範囲内で
あるか否かを判定するとともに、光輝感が許容範囲内で
あるか否かを目視で判定する。測色計による色データの
差及び光輝感の目視判定の両者が許容範囲内であるとき
に合格とする。合格となった調色経過塗装板に用いた塗
料は、実塗装に供することができる。
【0049】工程(6) 工程(6)は、上記工程(5)で調色経過塗装板の塗色
が基準色の合格範囲外である場合に、基準色にさらに近
づけるための補正配合を得る工程である。
【0050】工程(6)においては、調色経過塗装板の
塗色の測色計による測色データをコンピュータ調色装置
に入力し、且つ調色経過塗装板の塗色と基準色とが光輝
感に差がある場合には、光輝感の差の程度をコンピュー
タ調色装置に入力して、色合わせ計算ロジックを用いて
補正配合を得る。
【0051】工程(7) 工程(7)は、上記工程(6)で得られた補正配合に基
づく調色経過塗料を塗装して調色経過塗装板を得て、該
調色経過塗装板の塗色が基準色の合格範囲内であるか否
かを判定する工程である。
【0052】調色経過塗装板の塗色が基準色の合格範囲
内であるか否かを判定する方法は、上記工程(5)での
判定方法と同様である。
【0053】合格となった調色経過塗装板に用いた塗料
は、実塗装に供することができる。不合格であれば、判
定が合格となるまで上記工程(6)及び(7)を繰り返
し行なうことができるし、また、工程(2)で選択する
近似塗料配合を変更するなど、調色をやり直すこともで
きる。
【0054】次に、第2の調色方法について説明する。
第2の調色方法においては、上記第1の調色方法におい
て使用するコンピュータに登録されたデータとして、複
数の色番号と該色番号に属する塗色作業番号に対応した
各塗料配合も登録されたものを使用して、下記(8)〜
(10)の工程を行う。
【0055】工程(8) 工程(5)は前記第1の調色方法における工程(1)と
同様の工程である。
【0056】工程(9) 工程(9)において、予めコンピュータに登録された色
番号の中から基準色の色番号と同じ色番号の少なくとも
一つの塗料配合の色データを選び出し、選び出された塗
料配合の色データと、基準色の色データとを比較し、上
記選び出された塗料配合の色の整合度合いを指数化し、
近似塗料配合を選択し、その近似塗料配合に対応する見
本色票を得る。近似塗料配合の選択は、前記第1の調色
方法における工程(2)と同様の方法にて行なうことが
できる。
【0057】工程(10) 工程(10)は前記第1の調色方法における工程(3)と
同様の工程である。
【0058】第2の調色方法は、上記工程(8)、
(9)及び(10)を必須工程とするものであるが、基準
色に近づけるために工程(10)の後、下記工程(11)を
行ってもよい。
【0059】工程(11) 工程(11)は、前記第1の調色方法における工程(4)
と同様の工程であり、工程(10)の、目視による見本色
票と基準色との光輝感の差の程度に基いて、見本色票の
光輝感データ、例えば光輝感指数を補正してコンピュー
タ調色装置に入力し、色合せ計算ロジックを作動させて
前記近似塗料配合を修正して、基準色に近づけた候補塗
料配合を得る工程である。
【0060】第2の調色方法は、さらに上記工程(11)
の後、下記工程(12)を有していてもよい。
【0061】工程(12) 工程(12)は、前記第1の調色方法における工程(5)
と同様の工程であり、上記工程(11)で得られた候補塗
料配合に基づいて作成した調色経過塗料を塗装して調色
経過塗装板を得て、該調色経過塗装板の塗色が基準色か
らみて合格であるか否かを判定する工程である。判定
は、前記第1の調色方法における工程(5)と同様にし
て行なうことができる。
【0062】調色経過塗料の作成にあたり、上記候補塗
料配合が、電子天秤に伝達されるようになっていてもよ
い。前記第1の調色方法及び上記第2の調色方法におい
て、電子天秤への配合の伝達は、電話回線、光ケーブル
などを利用して行うことができる。この伝達された配合
に基いて、電子天秤を使用して調色用塗料を配合するこ
とができる。
【0063】第2の調色方法においては、さらに上記工
程(12)の後、下記工程(13)及び(14)を有していて
もよい。
【0064】工程(13) 工程(13)は、前記第1の調色方法における工程(6)
と同様の工程であり、上記工程(12)で調色経過塗装板
の塗色が基準色の合格範囲外である場合に、基準色にさ
らに近づけるための補正配合を得る工程である。
【0065】工程(13)においては、調色経過塗装板の
塗色の測色計による測色データをコンピュータ調色装置
に入力し、且つ調色経過塗装板の塗色と基準色とが光輝
感に差がある場合には、光輝感の差の程度をコンピュー
タ調色装置に入力して、色合わせ計算ロジックを用いて
補正配合を得る。
【0066】工程(14) 工程(14)は、前記第1の調色方法における工程(7)
と同様の工程であり、工程(14)は、上記工程(13)で
得られた補正配合に基づく調色経過塗料を塗装して調色
経過塗装板を得て、該調色経過塗装板の塗色が基準色の
合格範囲内であるか否かを判定する工程である。
【0067】調色経過塗装板の塗色が基準色の合格範囲
内であるか否かを判定する方法は、前記第1の調色方法
における工程(5)での判定方法と同様である。
【0068】合格となった調色経過塗装板に用いた塗料
は、実塗装に供することができる。不合格であれば、判
定が合格となるまで上記工程(13)及び(14)を繰り返
し行なうことができるし、また、前記工程(9)で選択
する近似塗料配合を変更するなど、調色をやり直すこと
もできる。
【0069】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるもので
はない。
【0070】使用装置及び測定方法について 以下の各実施例において、調色により塗料の塗色を合せ
るべき基準色、調色経過塗装板の測色は、関西ペイント
(株)製の多角度測色計「Van−VanFAセンサ
ー」にて行った。「Van−VanFAセンサー」は、
鏡面反射軸と受光軸のなす角度が25度、45度、75
度の3角度条件で測定して色測定値を得ることができる
ものである。
【0071】また、複数の原色塗料の色特性データと光
輝感特性データが登録されており、該各塗料配合及び該
各データを利用した色合わせ計算ロジックが作動するコ
ンピュータとして、関西ペイント(株)製のコンピュー
タ・カラー・マッチング装置「Van−VanFAステ
ーション」を用いた。見本色票が集合した色票群とし
て、関西ペイント(株)製の「総合復刻版」を用いた。
この「総合復刻版」は、国内外の自動車の塗色を自動車
メーカー別に見本色票を掲載した冊子である。「総合復
刻版」に掲載されている色票の塗色の測色値及び光輝感
測定値は、「Van−VanFAステーション」のデー
タベースに格納されている。また、上記見本色票には、
光輝感測定値及び塗料配合が記載されている。
【0072】実施例1 自動車車体のシルバーメタリックA色塗膜面の補修塗装
をするにあたり、補修部周辺の塗色を基準色とし、この
基準色について、3角度条件で多角度測色計により色測
定を行なった。その測色値は下記に示すとおりであっ
た。
【0073】
【表1】
【0074】なお、シルバーメタリックA色の3角度条
件での補修塗装可能な合格範囲は下記に示すとおりであ
った。
【0075】
【表2】
【0076】シルバーメタリックA色の測色値をコンピ
ュータ・カラー・マッチング調色装置に送り、登録され
た塗色との整合の度合いを調べ、整合性指数が1.72
の最近似塗料配合を得た。この最近似塗料配合に対応す
る見本色票を総合復刻版から選定した。最近似塗料配合
の塗色の光輝感指数MGR及びMBVは下記のとおりで
あった。MGRは「粒子感」を表す指数であり、MBV
は「キラキラ感」を表す指数であり、いずれも0〜10
0程度の数値で表したものである。いずれも数値が大き
いほど、「粒子感」が強い、又は「キラキラ感」が強い
ことを表す。
【0077】
【表3】
【0078】上記見本色票と基準色との光輝感を目視に
て比較したところ、見本色票の光輝感よりも基準色の光
輝感はやや強めであったので、コンピュータに光輝感指
数MGR及びMBVの補正値として、MGRを1メモリ
上げ(MGR値にして+5)、またMBVについても1
メモリ上げて(MBV値にして+5)、コンピュータ・
カラー・マッチング装置にて、色合せ計算ロジックを用
いて計算を行った。そのときの各原色塗料の重量比率
(塗料配合)は下記表4のとおりであった。
【0079】
【表4】
【0080】上記塗料配合で調色経過塗装板を作成し
た。上記多角度測色計にて3角度条件の測定を行ったと
きのL*a*b*表色系における、基準色に対する上記
調色経過塗装板の塗膜の色測定値の差は下記のとおりで
あった。
【0081】
【表5】
【0082】これら調色経過塗装板と基準色との間の色
測定値の差が大きく、補修塗装可能な合格範囲に入って
おらず、また目視による判定においても差があった。し
かしながら、光輝感は基準板と調色経過塗装板で差がな
かったため、光輝感指数の補正なしに調色経過塗装板に
おける各角度での色測定値に基づいて調色すべき塗料の
色を補正するために必要な各原色塗料量(追加指示量)
をコンピュータ・カラー・マッチング装置により計算さ
せた。その結果、追加指示量は上記調色塗料100重量
部に対して下記表6のとおりであった。
【0083】
【表6】
【0084】上記追加指示量の補正を行った塗料を用い
て得た調色経過塗装板を、多角度測色計を用いて各角度
条件にて測定を行ったときの、基準色からのΔL*、Δ
a*、Δb*及びΔE*の値は、下記表7に示すとおり
であった。
【0085】
【表7】
【0086】上記調色経過塗装板の塗色と基準色との間
で、色測定値の差は小さく、補修塗装可能な合格範囲に
入っており、また目視による光輝感も同等であったの
で、上記最終の調色塗料を用いて自動車車体に補修塗装
を実施した。自動車車体の補修塗装部とその近傍の塗膜
面について、目視で等色判定をしたところ良好な色一致
性を確認した。
【0087】実施例2 自動車車体のブルーメタリック・パールB色塗膜面の補
修塗装をするにあたり、補修部周辺の塗色を基準色と
し、この基準色について、3角度条件で多角度測色計に
より色測定を行なった。その測色値は下記表8に示すと
おりであった。
【0088】
【表8】
【0089】なおブルーメタリック・パールB色の3角
度条件での補修塗装可能な合格範囲は下記表9に示すと
おりであった。
【0090】
【表9】
【0091】ブルーメタリック・パールB色の測色値を
コンピュータ・カラー・マッチング調色装置に送り、ブ
ルーメタリック・パールBに対応する色番号として登録
された塗色の中から、整合の度合いを調べた結果、整合
性指数が2.99の最近似塗料配合を得た。この最近似
塗料配合に対応する見本色票を総合復刻版から選定し
た。最近似塗料配合の塗色の光輝感指数MGR及びMB
Vは下記表10のとおりであった。
【0092】
【表10】
【0093】上記見本色票と基準色との光輝感を目視に
て比較したところ、見本色票の光輝感よりも基準色の光
輝感はやや弱めであったので、コンピュータに光輝感指
数MGR及びMBVの補正値として、MGRを1メモリ
下げ(MGR値にして−5)、またMBVについても1
メモリ下げて(MBV値にして−5)、コンピュータ・
カラー・マッチング装置にて、色合せ計算ロジックを用
いて計算を行った。そのときの各原色塗料の重量比率
(塗料配合)は下記表11のとおりであった。
【0094】
【表11】
【0095】上記塗料配合で調色経過塗装板を作成し
た。上記多角度測色計にて3角度条件の測定を行ったと
きのL*a*b*表色系における、基準色に対する上記
調色経過塗装板の塗膜の色測定値の差は下記表12のと
おりであった。
【0096】
【表12】
【0097】これら調色経過塗装板と基準色との間の色
測定値の差が大きく、補修塗装可能な合格範囲に入って
おらず、また目視による判定においても差があった。ま
た光輝感も基準板と調色経過塗装板で差があったため、
光輝感指数のMGR、MBVともさらにもう1メモリ下
げて補正を行い、調色経過塗装板における各角度での色
測定値に基づいて調色すべき塗料の色を補正するために
必要な各原色塗料量(追加指示量)をコンピュータ・カ
ラー・マッチング装置により計算させた。その結果、追
加指示量は上記調色塗料100重量部に対して下記表1
3のとおりであった。
【0098】
【表13】
【0099】上記追加指示量の補正を行った塗料を用い
て得た調色経過塗装板を、多角度測色計を用いて各角度
条件にて測定を行ったときの、基準色からのΔL*、Δ
a*、Δb*及びΔE*の値は、下記表14に示すとお
りであった。
【0100】
【表14】
【0101】上記調色経過塗装板の塗色と基準色との間
で、色測定値の差は小さく、補修塗装可能な合格範囲に
入っており、また目視による光輝感も同等であったの
で、上記最終の調色塗料を用いて自動車車体に補修塗装
を実施した。自動車車体の補修塗装部とその近傍の塗膜
面について、目視で等色判定をしたところ良好な色一致
性を確認した。
【0102】実施例3 自動車車体のレッドメタリック・パールC色塗膜面の補
修塗装をするにあたり、補修部周辺の塗色を基準色と
し、この基準色について、3角度条件で多角度測色計に
より色測定を行なった。その測色値は下記表15に示す
とおりであった。
【0103】
【表15】
【0104】なおレッドメタリック・パールC色の3角
度条件での補修塗装可能な合格範囲は下記表16に示す
とおりであった。
【0105】
【表16】
【0106】レッドメタリック・パールC色の測色値を
コンピュータ・カラー・マッチング調色装置に送り、レ
ッドメタリック・パールCに対応する色番号として登録
された塗色の中から、整合の度合いを調べた結果、整合
性指数が3.33の最近似塗料配合を得た。この最近似
塗料配合に対応する見本色票を総合復刻版から選定し
た。最近似塗料配合の塗色の光輝感指数MGR及びMB
Vは下記表17のとおりであった。
【0107】
【表17】
【0108】上記見本色票と基準色との光輝感を目視に
て比較したところ、見本色票の光輝感よりも基準色の光
輝感はかなり強めであったので、他の近似塗料配合に対
応する見本色票の中から1番光輝感が合っている塗色を
選定した。選定した塗料配合の塗色の光輝感指数MGR
及びMBVは下記表18のとおりであった。
【0109】
【表18】
【0110】この塗色の色の整合性指数は7.49と最
近似塗料配合の色の整合性指数よりかなり大きい値であ
ったが、光輝感がほぼ同じであり、この塗料配合を選択
して、コンピュータ・カラー・マッチング装置にて、色
合せ計算ロジックを用いて計算を行った。そのときの各
原色塗料の重量比率(塗料配合)は下記表19のとおり
であった。
【0111】
【表19】
【0112】上記塗料配合で調色経過塗装板を作成し
た。上記多角度測色計にて3角度条件の測定を行ったと
きのL*a*b*表色系における、基準色に対する上記
調色経過塗装板の塗膜の色測定値の差は下記表20のと
おりであった。
【0113】
【表20】
【0114】これら調色経過塗装板と基準色との間の色
測定値の差が大きく、補修塗装可能な合格範囲に入って
おらず、また目視による判定においても差があった。し
かし光輝感は基準板と調色経過塗装板とで差がなかった
ため、光輝感指数のMGR、MBVの補正は行わない
で、調色経過塗装板における各角度での色測定値に基づ
いて調色すべき塗料の色を補正するために必要な各原色
塗料量(追加指示量)をコンピュータ・カラー・マッチ
ング装置により計算させた。その結果、追加指示量は上
記調色塗料100重量部に対して下記表21のとおりで
あった。
【0115】
【表21】
【0116】上記追加指示量の補正を行った塗料を用い
て得た調色経過塗装板を、多角度測色計を用いて各角度
条件にて測定を行ったときの、基準色からのΔL*、Δ
a*、Δb*及びΔE*の値は、下記表22に示すとお
りであった。
【0117】
【表22】
【0118】上記調色経過塗装板の塗色と基準色との間
で、色測定値の差は小さく、補修塗装可能な合格範囲に
入っており、また目視による光輝感も同等であったの
で、上記最終の調色塗料を用いて自動車車体に補修塗装
を実施した。自動車車体の補修塗装部とその近傍の塗膜
面について、目視で等色判定をしたところ良好な色一致
性を確認した。
【0119】
【発明の効果】本発明の測色計、見本色票及びコンピュ
ータを用いた塗料の調色方法によって、光輝感を有する
塗料の調色を調色経験の少ない調色者も精度高く行うこ
とができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)測色計と、(B)塗色作業番号に
    対応する見本色票が集合した色票群と、(C)複数の塗
    料配合、該各塗料配合に対応した色データと光輝感デー
    タ、複数の原色塗料の色特性データと光輝感特性データ
    が登録されており、該塗料配合及び該各データを利用し
    た色合わせ計算ロジックが作動するコンピュータとから
    構成されてなるコンピュータ調色装置とを用いて、下記
    (1)〜(3)の工程 (1)調色により塗料の塗色を合せるべき基準色を測色
    計にて測定して基準色の色データを得る工程、(2)該
    基準色の色データと、予めコンピュータに登録された塗
    料配合に対応した色データとを比較し、色の整合の度合
    いを指数化して近似塗料配合を選択し、選択された近似
    塗料配合に対応する見本色票を得る工程、(3)上記工
    程(2)で得た見本色票と基準色との光輝感を目視にて
    比較する工程、を行うことを特徴とする光輝感を有する
    塗料の調色方法。
  2. 【請求項2】 上記工程(3)の後、(4)上記工程
    (3)に基く見本色票と基準色との光輝感の差の程度に
    基いて補正した光輝感データをコンピュータ調色装置に
    入力し、前記近似塗料配合を色合わせ計算ロジックを用
    いて修正して、基準色に近づけた候補塗料配合を得る工
    程、を行うことを特徴とする請求項1記載の調色方法。
  3. 【請求項3】 (5)上記工程(4)で得られた候補塗
    料配合に基づく調色経過塗料を塗装して調色経過塗装板
    を得て、該調色経過塗装板の塗色が基準色の合格範囲内
    であるか否かを判定する工程、を行うことを特徴とする
    請求項2記載の調色方法。
  4. 【請求項4】 上記工程(5)で調色経過塗装板の塗色
    が基準色の合格範囲外である場合に、(6)調色経過塗
    装板の塗色の測色計による測色データをコンピュータ調
    色装置に入力し、且つ調色経過塗装板の塗色と基準色と
    が光輝感に差がある場合には、光輝感の差の程度をコン
    ピュータ調色装置に入力して、色合わせ計算ロジックを
    用いて基準色にさらに近づけるための補正配合を得る工
    程、(7)上記工程(6)で得られた補正配合に基づく
    調色経過塗料を塗装して調色経過塗装板を得て、該調色
    経過塗装板の塗色が基準色の合格範囲内であるか否かを
    判定する工程、を行い、判定が合格となるまで上記工程
    (6)及び(7)を繰り返し行なうことを特徴とする請
    求項3記載の調色方法。
  5. 【請求項5】 (A)測色計と、(B)塗色作業番号に
    対応する見本色票が集合した色票群と、(C)複数の色
    番号、該色番号に対応した各塗料配合、該各塗料配合に
    対応した色データと光輝感データ、複数の原色塗料の色
    特性データと光輝感特性データが登録されており、該塗
    料配合及び該各データを利用した色合わせ計算ロジック
    が作動するコンピュータとから構成されてなるコンピュ
    ータ調色装置とを用いて、下記(8)〜(10)の工程 (8)調色により塗料の塗色を合せるべき基準色を測色
    計にて測定して基準色の色データを得る工程、(9)該
    基準色の色番号と同じ色番号に属する少なくとも一つの
    塗色作業番号に対応する予めコンピュータに登録された
    塗料配合の色データと、基準色の色データとを比較し、
    色の整合の度合いを指数化して近似塗料配合を選択し、
    選択された近似塗料配合に対応する見本色票を得る工
    程、(10)上記工程(9)で得た見本色票と基準色との
    光輝感を目視にて比較する工程、を行うことを特徴とす
    る光輝感を有する塗料の調色方法。
  6. 【請求項6】 (11)上記工程(10)に基く見本色票と
    基準色との光輝感の差の程度に基いて補正した光輝感デ
    ータをコンピュータ調色装置に入力し、前記近似塗料配
    合を色合わせ計算ロジックを用いて修正して、基準色に
    近づけた候補塗料配合を得る工程、を行うことを特徴と
    する請求項5記載の調色方法。
  7. 【請求項7】 (12)上記工程(11)で得られた候補塗
    料配合に基づく調色経過塗料を塗装して調色経過塗装板
    を得て、該調色経過塗装板の塗色が基準色の合格範囲内
    であるか否かを判定する工程、を行うことを特徴とする
    請求項6記載の調色方法。
  8. 【請求項8】 上記工程(12)において、調色経過塗装
    板の塗色が基準色の合格範囲外である場合に、(13)調
    色経過塗装板の塗色の測色計による測色データをコンピ
    ュータ調色装置に入力し、且つ調色経過塗装板の塗色と
    基準色とが光輝感に差がある場合には、光輝感の差の程
    度をコンピュータ調色装置に入力して、色合わせ計算ロ
    ジックを用いて基準色にさらに近づけるための補正配合
    を得る工程、(14)上記工程(13)で得られた補正配合
    に基づく調色経過塗料を塗装して調色経過塗装板を得
    て、該調色経過塗装板の塗色が基準色の合格範囲内であ
    るか否かを判定する工程、を行い、判定が合格となるま
    で上記工程(13)及び(14)を繰り返し行なうことを特
    徴とする請求項7記載の調色方法。
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