JP2003010641A - コークス炉ガス処理における廃ガス浄化方法及び装置 - Google Patents
コークス炉ガス処理における廃ガス浄化方法及び装置Info
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- JP2003010641A JP2003010641A JP2001205589A JP2001205589A JP2003010641A JP 2003010641 A JP2003010641 A JP 2003010641A JP 2001205589 A JP2001205589 A JP 2001205589A JP 2001205589 A JP2001205589 A JP 2001205589A JP 2003010641 A JP2003010641 A JP 2003010641A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 コークス炉ガス脱硫設備の酸化装置からの廃
ガスから芳香族成分を除去するに際し、廃ガスを燃焼す
ることなく安価な設備で芳香族成分を除去することを可
能にする廃ガス浄化方法及び装置を提供する。 【解決手段】 コークス炉1から発生するコークス炉ガ
ス3を脱硫液によって脱硫を行う脱硫装置6と該脱硫液
の還元性能を回復するために脱硫液を空気13によって
酸化する酸化装置7とを有するコークス炉ガス脱硫設備
5において、さらに酸化装置7からの廃ガス14が通過
する廃ガス浄化装置17を有し、廃ガス浄化装置17の
触媒反応装置18において廃ガス14中に含まれる芳香
族を低温燃焼反応によって分解除去することを特徴とす
る廃ガス浄化装置及び廃ガス処理方法。コークス炉ガス
3は、コークス炉1の上昇管2から回収され、ガスクー
ラー4、脱硫設備5、アンモニア回収装置8、軽油回収
装置9を経てガスクーラー10に回収される。
ガスから芳香族成分を除去するに際し、廃ガスを燃焼す
ることなく安価な設備で芳香族成分を除去することを可
能にする廃ガス浄化方法及び装置を提供する。 【解決手段】 コークス炉1から発生するコークス炉ガ
ス3を脱硫液によって脱硫を行う脱硫装置6と該脱硫液
の還元性能を回復するために脱硫液を空気13によって
酸化する酸化装置7とを有するコークス炉ガス脱硫設備
5において、さらに酸化装置7からの廃ガス14が通過
する廃ガス浄化装置17を有し、廃ガス浄化装置17の
触媒反応装置18において廃ガス14中に含まれる芳香
族を低温燃焼反応によって分解除去することを特徴とす
る廃ガス浄化装置及び廃ガス処理方法。コークス炉ガス
3は、コークス炉1の上昇管2から回収され、ガスクー
ラー4、脱硫設備5、アンモニア回収装置8、軽油回収
装置9を経てガスクーラー10に回収される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コークス炉から発
生するコークス炉ガスを処理する過程において、系外に
排出される廃ガスに含まれる芳香族成分及び臭気を低減
するための廃ガス処理方法及び装置に関するものであ
る。
生するコークス炉ガスを処理する過程において、系外に
排出される廃ガスに含まれる芳香族成分及び臭気を低減
するための廃ガス処理方法及び装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】コークス炉から発生するコークス炉ガス
は、上昇管部で安水を散布しガスクーラーで冷却された
のち、タールと安水はデカンタや分離槽で分けられる。
クーラーで冷却後のガスからは、アンモニア回収工程、
軽油回収工程、脱硫工程等を経て副産物が回収され、そ
の後コークス炉ガスはエネルギー源として利用される。
は、上昇管部で安水を散布しガスクーラーで冷却された
のち、タールと安水はデカンタや分離槽で分けられる。
クーラーで冷却後のガスからは、アンモニア回収工程、
軽油回収工程、脱硫工程等を経て副産物が回収され、そ
の後コークス炉ガスはエネルギー源として利用される。
【0003】コークス炉で発生した直後のコークス炉ガ
スには芳香族成分が含まれる。この芳香族成分がガス回
収工程の途中で廃ガスとともに系外に排出されると、臭
気発生の原因となるとともに環境に対する影響が大きい
ため、コークス炉においてはこの芳香族成分が系外に排
出しないよう防止対策が講じられている。特に、コーク
ス炉の炉蓋や装入口からのコークス炉ガスの漏れが発生
しないような対策が講じられてきた。
スには芳香族成分が含まれる。この芳香族成分がガス回
収工程の途中で廃ガスとともに系外に排出されると、臭
気発生の原因となるとともに環境に対する影響が大きい
ため、コークス炉においてはこの芳香族成分が系外に排
出しないよう防止対策が講じられている。特に、コーク
ス炉の炉蓋や装入口からのコークス炉ガスの漏れが発生
しないような対策が講じられてきた。
【0004】コークス炉ガス中に含まれる硫化水素等の
硫黄分は環境対策およびコークス炉ガス供給設備の腐食
対策上除去しなければならない。コークス炉ガスの脱硫
法には大別して乾式と湿式があるが、大量処理に適して
いる湿式法が広く採用されている。湿式脱硫法において
は、脱硫装置(脱硫塔)内でアルカリ水溶液を脱硫液と
してコークス炉ガスと接触させ、ガス中の硫化水素を吸
収除去する。硫化水素を吸収した吸収液は酸化装置(酸
化塔・再生塔)に送られ、該酸化装置に供給される空気
と触媒の作用により酸化されてコロイド状硫黄を生成
し、溶液はもとのアルカリに再生されるので、再度前記
脱硫装置に送られ循環使用される。酸化装置に吹き込ま
れた空気は、酸化装置内での反応が完了したのち、排気
洗浄などの処理を行い、廃ガスとして系外に排出され
る。湿式脱硫法における脱硫装置と酸化装置を含む装置
全体を、ここでは脱硫設備とよぶ。
硫黄分は環境対策およびコークス炉ガス供給設備の腐食
対策上除去しなければならない。コークス炉ガスの脱硫
法には大別して乾式と湿式があるが、大量処理に適して
いる湿式法が広く採用されている。湿式脱硫法において
は、脱硫装置(脱硫塔)内でアルカリ水溶液を脱硫液と
してコークス炉ガスと接触させ、ガス中の硫化水素を吸
収除去する。硫化水素を吸収した吸収液は酸化装置(酸
化塔・再生塔)に送られ、該酸化装置に供給される空気
と触媒の作用により酸化されてコロイド状硫黄を生成
し、溶液はもとのアルカリに再生されるので、再度前記
脱硫装置に送られ循環使用される。酸化装置に吹き込ま
れた空気は、酸化装置内での反応が完了したのち、排気
洗浄などの処理を行い、廃ガスとして系外に排出され
る。湿式脱硫法における脱硫装置と酸化装置を含む装置
全体を、ここでは脱硫設備とよぶ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】コークス炉の炉蓋や装
入口、煙突、集塵機などからの芳香族成分の排出は、こ
れら排出箇所にガス漏れ防止対策などを講じた結果とし
て、非常に少ないレベルに達している。それに対し、上
記コークス炉湿式脱硫設備の酸化装置から排出される廃
ガスには、コークス炉ガス処理の他の箇所からの排出ガ
スに比較して多くの芳香族成分が含まれていることが認
められた。
入口、煙突、集塵機などからの芳香族成分の排出は、こ
れら排出箇所にガス漏れ防止対策などを講じた結果とし
て、非常に少ないレベルに達している。それに対し、上
記コークス炉湿式脱硫設備の酸化装置から排出される廃
ガスには、コークス炉ガス処理の他の箇所からの排出ガ
スに比較して多くの芳香族成分が含まれていることが認
められた。
【0006】酸化装置からの廃ガスの成分は空気に近い
ので、この廃ガスにコークス炉ガス等の燃料ガスを混合
して燃焼させれば芳香族成分も同時に燃焼除去すること
が可能である。しかし、酸化装置からの廃ガスルートに
燃焼装置を設置しようとすると、広いスペースに大きな
設備を設置することが必要となり、既存の脱硫設備の酸
化装置に併設して設置することが困難な場合がある。ま
た、設備費や維持費についてもその負担が大きい。
ので、この廃ガスにコークス炉ガス等の燃料ガスを混合
して燃焼させれば芳香族成分も同時に燃焼除去すること
が可能である。しかし、酸化装置からの廃ガスルートに
燃焼装置を設置しようとすると、広いスペースに大きな
設備を設置することが必要となり、既存の脱硫設備の酸
化装置に併設して設置することが困難な場合がある。ま
た、設備費や維持費についてもその負担が大きい。
【0007】本発明は、コークス炉ガス脱硫設備の酸化
装置からの廃ガスから芳香族成分を除去するに際し、廃
ガスを燃焼することなく安価な設備で芳香族成分を分解
又は無害化することを可能にする廃ガス浄化方法及び装
置を提供することを目的とする。
装置からの廃ガスから芳香族成分を除去するに際し、廃
ガスを燃焼することなく安価な設備で芳香族成分を分解
又は無害化することを可能にする廃ガス浄化方法及び装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨とす
るところは以下のとおりである。 (1)コークス炉1から発生するコークス炉ガス3の湿
式脱硫処理に用いる脱硫液の還元性能を回復するために
該脱硫液を空気によって酸化する酸化装置7において、
酸化装置7からの廃ガス14に含まれる芳香族を、触媒
を用いた低温燃焼反応によって分解除去することを特徴
とする廃ガス浄化方法。 (2)前記触媒を用いた低温燃焼反応を開始させるため
に、前記酸化装置7からの廃ガス14に高温ガスを混合
することを特徴とする上記(1)に記載の廃ガス浄化方
法。 (3)前記触媒を用いた低温燃焼反応を開始させるため
に、前記酸化装置7からの廃ガス14を加熱装置21に
より加熱することを特徴とする上記(1)に記載の廃ガ
ス浄化方法。 (4)触媒に接触させる廃ガスを一時的に又は継続して
200℃以上の温度とすることを特徴とする上記(2)
又は(3)に記載の廃ガス浄化方法。 (5)前記酸化装置7からの廃ガス14に別のガスを混
合して芳香族成分を希釈することを特徴とする上記
(1)乃至(4)のいずれかに記載の廃ガス浄化方法。 (6)前記触媒を用いた低温燃焼反応中の廃ガス温度を
600℃以下に保持することを特徴とする上記(5)に
記載の廃ガス浄化方法。 (7)前記酸化装置7からの廃ガス14中の硫黄分を低
減した上で触媒を用いた低温燃焼反応を行うことを特徴
とする上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の廃ガス
浄化方法。 (8)前記芳香族はベンゼン成分であることを特徴とす
る上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の廃ガス浄化
方法。 (9)コークス炉1から発生するコークス炉ガス3を脱
硫液によって脱硫を行う脱硫装置6と該脱硫液の還元性
能を回復するために脱硫液を空気によって酸化する酸化
装置7とを有するコークス炉ガス脱硫設備5において、
さらに酸化装置7からの廃ガス14が通過する触媒反応
装置18を有し、触媒反応装置18において廃ガス14
中に含まれる芳香族を低温燃焼反応によって分解除去す
ることを特徴とする廃ガス浄化装置。 (10)前記触媒反応装置18の上流側において廃ガス
14に高温ガスを混合するガス混合装置19を有するこ
とを特徴とする上記(9)に記載の廃ガス浄化装置。 (11)前記触媒反応装置18の上流側に廃ガス加熱装
置21を有することを特徴とする上記(9)に記載の廃
ガス浄化装置。 (12)触媒に接触させる廃ガスを一時的に又は継続し
て200℃以上の温度とすることを特徴とする上記(1
0)又は(11)に記載の廃ガス浄化装置。 (13)前記触媒反応装置の上流側において別のガスを
混合して廃ガス中の芳香族成分を希釈するためのガス混
合装置19を有することを特徴とする上記(9)乃至
(12)のいずれかに記載の廃ガス浄化装置。 (14)廃ガス中の芳香族成分の希釈により前記触媒を
用いた低温燃焼反応中の廃ガス温度を600℃以下に保
持することを特徴とする上記(13)に記載の廃ガス浄
化装置。 (15)前記触媒反応装置18の上流側に廃ガス中の硫
黄分を低減する脱硫装置を有することを特徴とする上記
(9)〜(14)に記載の廃ガス浄化装置。
るところは以下のとおりである。 (1)コークス炉1から発生するコークス炉ガス3の湿
式脱硫処理に用いる脱硫液の還元性能を回復するために
該脱硫液を空気によって酸化する酸化装置7において、
酸化装置7からの廃ガス14に含まれる芳香族を、触媒
を用いた低温燃焼反応によって分解除去することを特徴
とする廃ガス浄化方法。 (2)前記触媒を用いた低温燃焼反応を開始させるため
に、前記酸化装置7からの廃ガス14に高温ガスを混合
することを特徴とする上記(1)に記載の廃ガス浄化方
法。 (3)前記触媒を用いた低温燃焼反応を開始させるため
に、前記酸化装置7からの廃ガス14を加熱装置21に
より加熱することを特徴とする上記(1)に記載の廃ガ
ス浄化方法。 (4)触媒に接触させる廃ガスを一時的に又は継続して
200℃以上の温度とすることを特徴とする上記(2)
又は(3)に記載の廃ガス浄化方法。 (5)前記酸化装置7からの廃ガス14に別のガスを混
合して芳香族成分を希釈することを特徴とする上記
(1)乃至(4)のいずれかに記載の廃ガス浄化方法。 (6)前記触媒を用いた低温燃焼反応中の廃ガス温度を
600℃以下に保持することを特徴とする上記(5)に
記載の廃ガス浄化方法。 (7)前記酸化装置7からの廃ガス14中の硫黄分を低
減した上で触媒を用いた低温燃焼反応を行うことを特徴
とする上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の廃ガス
浄化方法。 (8)前記芳香族はベンゼン成分であることを特徴とす
る上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の廃ガス浄化
方法。 (9)コークス炉1から発生するコークス炉ガス3を脱
硫液によって脱硫を行う脱硫装置6と該脱硫液の還元性
能を回復するために脱硫液を空気によって酸化する酸化
装置7とを有するコークス炉ガス脱硫設備5において、
さらに酸化装置7からの廃ガス14が通過する触媒反応
装置18を有し、触媒反応装置18において廃ガス14
中に含まれる芳香族を低温燃焼反応によって分解除去す
ることを特徴とする廃ガス浄化装置。 (10)前記触媒反応装置18の上流側において廃ガス
14に高温ガスを混合するガス混合装置19を有するこ
とを特徴とする上記(9)に記載の廃ガス浄化装置。 (11)前記触媒反応装置18の上流側に廃ガス加熱装
置21を有することを特徴とする上記(9)に記載の廃
ガス浄化装置。 (12)触媒に接触させる廃ガスを一時的に又は継続し
て200℃以上の温度とすることを特徴とする上記(1
0)又は(11)に記載の廃ガス浄化装置。 (13)前記触媒反応装置の上流側において別のガスを
混合して廃ガス中の芳香族成分を希釈するためのガス混
合装置19を有することを特徴とする上記(9)乃至
(12)のいずれかに記載の廃ガス浄化装置。 (14)廃ガス中の芳香族成分の希釈により前記触媒を
用いた低温燃焼反応中の廃ガス温度を600℃以下に保
持することを特徴とする上記(13)に記載の廃ガス浄
化装置。 (15)前記触媒反応装置18の上流側に廃ガス中の硫
黄分を低減する脱硫装置を有することを特徴とする上記
(9)〜(14)に記載の廃ガス浄化装置。
【0009】廃ガス中に含まれる芳香族成分を高温の燃
焼によって除去しようとすると、例えば廃ガスにコーク
ス炉ガス等の燃料ガスを混合し、800℃以上の高温で
燃焼する必要がある。これに対し、本発明の触媒を用い
た低温燃焼であれば、200℃以上程度の低温において
廃ガス中の芳香族成分自体が触媒反応によって燃焼し、
系外に排出される廃ガス中の芳香族成分は100ppm
以下に減少する。また、臭気の発生も抑えることができ
る。触媒による低温燃焼を採用したため、燃焼装置は、
従来の高温燃焼装置に比較して安価でコンパクトな設備
とすることができ、既存のコークス炉ガス脱硫設備5に
併設することが可能である。また、燃料を用いないの
で、維持費を安価に抑えることができる。
焼によって除去しようとすると、例えば廃ガスにコーク
ス炉ガス等の燃料ガスを混合し、800℃以上の高温で
燃焼する必要がある。これに対し、本発明の触媒を用い
た低温燃焼であれば、200℃以上程度の低温において
廃ガス中の芳香族成分自体が触媒反応によって燃焼し、
系外に排出される廃ガス中の芳香族成分は100ppm
以下に減少する。また、臭気の発生も抑えることができ
る。触媒による低温燃焼を採用したため、燃焼装置は、
従来の高温燃焼装置に比較して安価でコンパクトな設備
とすることができ、既存のコークス炉ガス脱硫設備5に
併設することが可能である。また、燃料を用いないの
で、維持費を安価に抑えることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1、図2
を用いて説明する。図1において、コークス炉1の上昇
管2を経由して回収されたコークス炉ガス3は、ガスク
ーラー4で冷却されたのち、脱硫設備5においてアルカ
リ水溶液によって硫黄分が除去される。次いでアンモニ
ア回収装置8、軽油回収装置9を経て副産物が回収さ
れ、ガスホルダー10に貯蔵される。脱硫設備5におい
ては、脱硫装置6内においてアルカリ水溶液によってコ
ークス炉ガスの硫黄分が除去され、硫黄分を吸収した吸
収液12は酸化装置7で空気13と触媒との作用により
酸化されてコロイド状硫黄を形成し、溶液はもとのアル
カリに再生され脱硫液11として酸化装置6に送られ、
循環使用する。コロイド状硫黄は脱硫廃液処理工程15
に送られて回収される。酸化装置7からの廃ガス14
は、本発明の廃ガス浄化装置17において芳香族成分を
除去され、廃ガス洗浄装置16を経て大気中に放散され
る。
を用いて説明する。図1において、コークス炉1の上昇
管2を経由して回収されたコークス炉ガス3は、ガスク
ーラー4で冷却されたのち、脱硫設備5においてアルカ
リ水溶液によって硫黄分が除去される。次いでアンモニ
ア回収装置8、軽油回収装置9を経て副産物が回収さ
れ、ガスホルダー10に貯蔵される。脱硫設備5におい
ては、脱硫装置6内においてアルカリ水溶液によってコ
ークス炉ガスの硫黄分が除去され、硫黄分を吸収した吸
収液12は酸化装置7で空気13と触媒との作用により
酸化されてコロイド状硫黄を形成し、溶液はもとのアル
カリに再生され脱硫液11として酸化装置6に送られ、
循環使用する。コロイド状硫黄は脱硫廃液処理工程15
に送られて回収される。酸化装置7からの廃ガス14
は、本発明の廃ガス浄化装置17において芳香族成分を
除去され、廃ガス洗浄装置16を経て大気中に放散され
る。
【0011】触媒によって廃ガス中の芳香族成分を効率
よく低温燃焼させるためには、廃ガスと触媒との接触の
チャンスを増大することが必要である。そのため、廃ガ
ス浄化装置17の触媒反応装置18においては、大きな
表面積を有するハニカム体を準備し、このハニカム体の
表面に触媒を担持し、廃ガスがハニカム体のセルを通過
するときに触媒と接触し、低温燃焼を起こさせる。ハニ
カム体の材質としては一般にセラミックスが用いられ
る。廃ガス中の芳香族成分の低温燃焼に使用する触媒と
しては白金とパラジウム化合物の微粒化蒸着物が用いら
れる。
よく低温燃焼させるためには、廃ガスと触媒との接触の
チャンスを増大することが必要である。そのため、廃ガ
ス浄化装置17の触媒反応装置18においては、大きな
表面積を有するハニカム体を準備し、このハニカム体の
表面に触媒を担持し、廃ガスがハニカム体のセルを通過
するときに触媒と接触し、低温燃焼を起こさせる。ハニ
カム体の材質としては一般にセラミックスが用いられ
る。廃ガス中の芳香族成分の低温燃焼に使用する触媒と
しては白金とパラジウム化合物の微粒化蒸着物が用いら
れる。
【0012】通常のコークス炉のコークス炉ガス3の脱
硫設備5における酸化装置7では、廃ガス14の排出量
は1000〜10000Nm3/h程度である。廃ガス
14の組成はほぼ空気に等しく、廃ガス中における芳香
族成分の濃度は、0.2%〜1%程度である。廃ガス排
出量10000Nm3/h程度の場合において、触媒反
応装置18としては、触媒担体ハニカム体の廃ガス通過
断面積600mm×600mm程度、ハニカム体の触媒
を担持した長さは150mm程度とする。この場合、ハ
ニカム体の各セルの断面積は7.8mm2とする。ここ
において、触媒を担持する表面積は54m2程度とな
り、廃ガス中の芳香族成分を十分に低温燃焼除去するこ
とができる。
硫設備5における酸化装置7では、廃ガス14の排出量
は1000〜10000Nm3/h程度である。廃ガス
14の組成はほぼ空気に等しく、廃ガス中における芳香
族成分の濃度は、0.2%〜1%程度である。廃ガス排
出量10000Nm3/h程度の場合において、触媒反
応装置18としては、触媒担体ハニカム体の廃ガス通過
断面積600mm×600mm程度、ハニカム体の触媒
を担持した長さは150mm程度とする。この場合、ハ
ニカム体の各セルの断面積は7.8mm2とする。ここ
において、触媒を担持する表面積は54m2程度とな
り、廃ガス中の芳香族成分を十分に低温燃焼除去するこ
とができる。
【0013】触媒に接触した廃ガスに着火して芳香族成
分が燃焼するためには、通常は200℃以上の温度が必
要である。従って、運転初期に廃ガス中の芳香族成分に
着火するためには、触媒反応装置18に導入する廃ガス
を着火可能温度以上の温度に上昇させることが必要であ
る。本発明においては、図2(a)に示すようにガス混
合装置19を用いて酸化装置7からの廃ガス14に高温
の混合ガス20を混合することにより、あるいは図2
(b)に示すように酸化装置7からの廃ガス14を廃ガ
ス加熱装置21により加熱することにより、触媒反応装
置18に導入する廃ガスの温度を着火温度以上の温度と
する。一度着火すると、芳香族成分の燃焼のために排ガ
ス温度が500℃以上と高くなるので、熱交換機を設け
て入口ガスを加熱することによりガス温度は着火可能温
度以上に維持される。そのため、着火後は上記高温ガス
の混合、あるいは加熱装置の運転を中止することができ
る。
分が燃焼するためには、通常は200℃以上の温度が必
要である。従って、運転初期に廃ガス中の芳香族成分に
着火するためには、触媒反応装置18に導入する廃ガス
を着火可能温度以上の温度に上昇させることが必要であ
る。本発明においては、図2(a)に示すようにガス混
合装置19を用いて酸化装置7からの廃ガス14に高温
の混合ガス20を混合することにより、あるいは図2
(b)に示すように酸化装置7からの廃ガス14を廃ガ
ス加熱装置21により加熱することにより、触媒反応装
置18に導入する廃ガスの温度を着火温度以上の温度と
する。一度着火すると、芳香族成分の燃焼のために排ガ
ス温度が500℃以上と高くなるので、熱交換機を設け
て入口ガスを加熱することによりガス温度は着火可能温
度以上に維持される。そのため、着火後は上記高温ガス
の混合、あるいは加熱装置の運転を中止することができ
る。
【0014】触媒反応装置18に導入される廃ガス14
は、触媒反応装置18の全断面にわたって温度を着火温
度以上に上昇させる必要はない。局部的に廃ガス温度を
着火温度以上に上昇させておけば、局部的な着火後に着
火部分は触媒反応装置18の全断面に広がり、触媒反応
装置18の全体を用いた触媒反応が行われる。
は、触媒反応装置18の全断面にわたって温度を着火温
度以上に上昇させる必要はない。局部的に廃ガス温度を
着火温度以上に上昇させておけば、局部的な着火後に着
火部分は触媒反応装置18の全断面に広がり、触媒反応
装置18の全体を用いた触媒反応が行われる。
【0015】廃ガスに混合する高温の混合ガス20とし
ては、例えば近くに設置されている軽油蒸留装置の加熱
炉の排ガスやコークス炉排ガスを用いることができる。
どちらも燃料としてCOGやBFG+COGなどの精製
されたガスを用いており、本システムの触媒活性を妨げ
る影響がなく高温ガスとして用いることができるからで
ある。
ては、例えば近くに設置されている軽油蒸留装置の加熱
炉の排ガスやコークス炉排ガスを用いることができる。
どちらも燃料としてCOGやBFG+COGなどの精製
されたガスを用いており、本システムの触媒活性を妨げ
る影響がなく高温ガスとして用いることができるからで
ある。
【0016】廃ガス加熱装置21としては一般のガス加
熱炉を用いることができる。ガス燃焼炉の出口に混合室
を設け、ここで燃焼炉で発生した高温燃焼ガスと低温の
廃ガスを混合することができるからである。
熱炉を用いることができる。ガス燃焼炉の出口に混合室
を設け、ここで燃焼炉で発生した高温燃焼ガスと低温の
廃ガスを混合することができるからである。
【0017】触媒反応による廃ガス中芳香族成分の燃焼
は発熱反応であり、芳香族成分の含有量が100ppm
増大する毎に、燃焼による廃ガスの温度上昇量は10℃
増大する。即ち、触媒反応の燃焼熱によって着火可能温
度である200℃以上の温度を維持しようとすると、廃
ガス温度が150℃として、この廃ガスが触媒反応装置
出口の熱交換機で熱交換する場合、廃ガス中の芳香族成
分は最低でも1000ppm含まれている必要がある。
は発熱反応であり、芳香族成分の含有量が100ppm
増大する毎に、燃焼による廃ガスの温度上昇量は10℃
増大する。即ち、触媒反応の燃焼熱によって着火可能温
度である200℃以上の温度を維持しようとすると、廃
ガス温度が150℃として、この廃ガスが触媒反応装置
出口の熱交換機で熱交換する場合、廃ガス中の芳香族成
分は最低でも1000ppm含まれている必要がある。
【0018】一方、廃ガス中の芳香族成分の含有量が高
いと、触媒反応装置内で廃ガスの温度が上がりすぎ、触
媒反応装置の耐熱温度を超えてしまうこととなる。ま
た、触媒反応装置の下流側にガス冷却装置を新設する必
要も生じる。通常は、触媒反応装置内の廃ガス温度を6
00℃以下に抑えることにより、触媒反応装置の耐久性
を維持することができ、またガス冷却装置の設置も必要
でなくなる。廃ガス中の芳香族成分が3000ppm以
下であれば、触媒反応装置内での廃ガス温度を600℃
以下に維持することができる。
いと、触媒反応装置内で廃ガスの温度が上がりすぎ、触
媒反応装置の耐熱温度を超えてしまうこととなる。ま
た、触媒反応装置の下流側にガス冷却装置を新設する必
要も生じる。通常は、触媒反応装置内の廃ガス温度を6
00℃以下に抑えることにより、触媒反応装置の耐久性
を維持することができ、またガス冷却装置の設置も必要
でなくなる。廃ガス中の芳香族成分が3000ppm以
下であれば、触媒反応装置内での廃ガス温度を600℃
以下に維持することができる。
【0019】本発明においては、図2(a)に示すよう
に、ガス混合装置19を用いて酸化装置7からの廃ガス
14に別の混合ガス20を混合して芳香族成分を希釈す
ることにより、触媒反応装置内での廃ガス温度の上昇を
必要な範囲内に抑えることができる。芳香族成分を希釈
するのであるから、混合ガス20中の芳香族成分は当然
のことながら低い濃度であることが必要である。
に、ガス混合装置19を用いて酸化装置7からの廃ガス
14に別の混合ガス20を混合して芳香族成分を希釈す
ることにより、触媒反応装置内での廃ガス温度の上昇を
必要な範囲内に抑えることができる。芳香族成分を希釈
するのであるから、混合ガス20中の芳香族成分は当然
のことながら低い濃度であることが必要である。
【0020】酸化装置7からの廃ガス14を触媒反応装
置18に導入する前に、廃ガス中の硫黄分を低減してお
くことが好ましい。硫黄分が存在すると触媒表面に吸着
してしまうことがあるからである。硫黄分を低減するた
めの脱硫装置としては、具体的には触媒反応塔に入る前
段階で、廃ガスを吸収液中に通したり、洗浄液をフラッ
シングする方法を用いることができる。
置18に導入する前に、廃ガス中の硫黄分を低減してお
くことが好ましい。硫黄分が存在すると触媒表面に吸着
してしまうことがあるからである。硫黄分を低減するた
めの脱硫装置としては、具体的には触媒反応塔に入る前
段階で、廃ガスを吸収液中に通したり、洗浄液をフラッ
シングする方法を用いることができる。
【0021】コークス炉ガス3の脱硫設備5の酸化装置
7から排出される廃ガス14に含まれる芳香族成分とし
ては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタンが上げら
れる。このうちでも、特にベンゼンを本発明の触媒を用
いた低温燃焼で分解除去することにより、廃ガスが大気
に放散された場合に人体に対する無害化という効果をあ
げることができる。
7から排出される廃ガス14に含まれる芳香族成分とし
ては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタンが上げら
れる。このうちでも、特にベンゼンを本発明の触媒を用
いた低温燃焼で分解除去することにより、廃ガスが大気
に放散された場合に人体に対する無害化という効果をあ
げることができる。
【0022】なお、触媒反応装置18において、芳香族
成分は燃焼ののちCO及びH2Oを主体としたガスに分
解する。
成分は燃焼ののちCO及びH2Oを主体としたガスに分
解する。
【0023】
【実施例】100室の炉室を有する室炉式コークス炉か
ら発生するコークス炉ガス3の処理設備において、コー
クス炉ガス3の脱硫設備5に用いられている酸化装置7
からの廃ガス中の芳香族成分を燃焼除去するため、本発
明の廃ガス浄化方法及び装置を適用した。
ら発生するコークス炉ガス3の処理設備において、コー
クス炉ガス3の脱硫設備5に用いられている酸化装置7
からの廃ガス中の芳香族成分を燃焼除去するため、本発
明の廃ガス浄化方法及び装置を適用した。
【0024】脱硫設備5が処理するコークス炉ガスの処
理量は50千Nm3/hであり、脱硫設備5に用いられ
ている酸化装置7からの廃ガス発生量は800Nm3/
h、廃ガス中の芳香族成分の濃度は4000ppm、芳
香族中の主成分はベンゼンであった。
理量は50千Nm3/hであり、脱硫設備5に用いられ
ている酸化装置7からの廃ガス発生量は800Nm3/
h、廃ガス中の芳香族成分の濃度は4000ppm、芳
香族中の主成分はベンゼンであった。
【0025】廃ガス中の芳香族成分を燃焼除去するため
の触媒反応装置18として、触媒担体の廃ガス通過断面
積0.3m2、触媒担体の長さ150mm、触媒担体の
材質はセラミックス、触媒担持表面積は48m3、触媒
には白金−パラジウムを用いた。
の触媒反応装置18として、触媒担体の廃ガス通過断面
積0.3m2、触媒担体の長さ150mm、触媒担体の
材質はセラミックス、触媒担持表面積は48m3、触媒
には白金−パラジウムを用いた。
【0026】触媒反応装置18に導入する廃ガスに着火
するためにコークス炉燃焼廃ガスを用い、廃ガスの温度
を200℃以上として触媒反応を開始させた。
するためにコークス炉燃焼廃ガスを用い、廃ガスの温度
を200℃以上として触媒反応を開始させた。
【0027】廃ガス中の芳香族成分を希釈しないで触媒
反応を行わせると、廃ガスの温度は触媒反応装置内で6
50℃まで上昇することとなる。そのため、本実施例で
は空気を同量混合することによって廃ガスを希釈し、触
媒反応装置に導入するガス中の芳香族成分を2000p
pmに低減した。この結果、触媒反応装置内での廃ガス
の温度は450℃まで上昇するにとどまり、触媒反応装
置の寿命を確保することができ、また触媒反応装置の後
流にガス冷却装置を設置せずにそのまま廃ガスを系外に
排出することができた。
反応を行わせると、廃ガスの温度は触媒反応装置内で6
50℃まで上昇することとなる。そのため、本実施例で
は空気を同量混合することによって廃ガスを希釈し、触
媒反応装置に導入するガス中の芳香族成分を2000p
pmに低減した。この結果、触媒反応装置内での廃ガス
の温度は450℃まで上昇するにとどまり、触媒反応装
置の寿命を確保することができ、また触媒反応装置の後
流にガス冷却装置を設置せずにそのまま廃ガスを系外に
排出することができた。
【0028】コークス炉からコークス炉ガス処理系全体
において、本発明適用前には系外に排出される芳香族成
分の合計は32m3/hであり、廃ガス14とともに排
出されていた。本発明の触媒を用いた低温燃焼によって
酸化装置7からの廃ガス中芳香族成分を分解除去するこ
とにより、酸化装置7からの廃ガス14とともに排出さ
れる芳香族成分は20ppmに減少し、コークス炉及び
コークス炉ガス処理系全体から系外に排出される芳香族
成分の合計は1/200に低減することができた。
において、本発明適用前には系外に排出される芳香族成
分の合計は32m3/hであり、廃ガス14とともに排
出されていた。本発明の触媒を用いた低温燃焼によって
酸化装置7からの廃ガス中芳香族成分を分解除去するこ
とにより、酸化装置7からの廃ガス14とともに排出さ
れる芳香族成分は20ppmに減少し、コークス炉及び
コークス炉ガス処理系全体から系外に排出される芳香族
成分の合計は1/200に低減することができた。
【0029】
【発明の効果】コークス炉から発生するコークス炉ガス
の湿式脱硫処理に用いる脱硫液の還元性能を回復するた
めに該脱硫液を空気によって酸化する酸化装置におい
て、該酸化装置からの廃ガスに含まれる芳香族を、触媒
を用いた低温燃焼反応によって分解除去することによ
り、200℃以上程度の低温において廃ガス中の芳香族
成分自体が触媒反応によって燃焼し、系外に排出される
廃ガス中の芳香族成分は20ppm以下に減少する。ま
た、臭気の発生も抑えることができる。
の湿式脱硫処理に用いる脱硫液の還元性能を回復するた
めに該脱硫液を空気によって酸化する酸化装置におい
て、該酸化装置からの廃ガスに含まれる芳香族を、触媒
を用いた低温燃焼反応によって分解除去することによ
り、200℃以上程度の低温において廃ガス中の芳香族
成分自体が触媒反応によって燃焼し、系外に排出される
廃ガス中の芳香族成分は20ppm以下に減少する。ま
た、臭気の発生も抑えることができる。
【0030】触媒による低温燃焼を採用したため、燃焼
装置は、従来の高温燃焼装置に比較して安価でコンパク
トな設備とすることができ、既存のコークス炉ガス脱硫
設備に併設することが可能である。また、燃料を用いな
いので、維持費を安価に抑えることができる。
装置は、従来の高温燃焼装置に比較して安価でコンパク
トな設備とすることができ、既存のコークス炉ガス脱硫
設備に併設することが可能である。また、燃料を用いな
いので、維持費を安価に抑えることができる。
【図1】本発明の廃ガス浄化装置を備えたコークス炉ガ
ス処理設備を示す全体図である。
ス処理設備を示す全体図である。
【図2】本発明の廃ガス浄化装置を示す図であり、
(a)はガス混合装置を備えた例、(b)は廃ガス加熱
装置を備えた例である。
(a)はガス混合装置を備えた例、(b)は廃ガス加熱
装置を備えた例である。
1 コークス炉
2 上昇管
3 コークス炉ガス
4 ガスクーラー
5 脱硫設備
6 脱硫装置
7 酸化装置
8 アンモニア回収装置
9 軽油回収装置
10 ガスホルダー
11 脱硫液
12 回収液
13 空気
14 廃ガス
15 脱硫廃液処理工程
16 廃ガス洗浄装置
17 廃ガス浄化装置
18 触媒反応装置
19 ガス混合装置
20 混合ガス
21 廃ガス加熱装置
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 4D048 AA17 AB01 BA10X BA30X
BA31X BB02 BC01 BC04
CC23 CC38 CC52 CD02 CD08
DA02 DA06
4H012 GB00
Claims (15)
- 【請求項1】 コークス炉から発生するコークス炉ガス
の湿式脱硫処理に用いる脱硫液の還元性能を回復するた
めに該脱硫液を空気によって酸化する酸化装置におい
て、該酸化装置からの廃ガスに含まれる芳香族を、触媒
を用いた低温燃焼反応によって分解除去することを特徴
とする廃ガス浄化方法。 - 【請求項2】 前記触媒を用いた低温燃焼反応を開始さ
せるために、前記酸化装置からの廃ガスに高温ガスを混
合することを特徴とする請求項1に記載の廃ガス浄化方
法。 - 【請求項3】 前記触媒を用いた低温燃焼反応を開始さ
せるために、前記酸化装置からの廃ガスを加熱装置によ
り加熱することを特徴とする請求項1に記載の廃ガス浄
化方法。 - 【請求項4】 触媒に接触させる廃ガスを一時的に又は
継続して200℃以上の温度とすることを特徴とする請
求項2又は3に記載の廃ガス浄化方法。 - 【請求項5】 前記酸化装置からの廃ガスに別のガスを
混合して芳香族成分を希釈することを特徴とする請求項
1乃至4のいずれかに記載の廃ガス浄化方法。 - 【請求項6】 前記触媒を用いた低温燃焼反応中の廃ガ
ス温度を600℃以下に保持することを特徴とする請求
項5に記載の廃ガス浄化方法。 - 【請求項7】 前記酸化装置からの廃ガス中の硫黄分を
低減した上で触媒を用いた低温燃焼反応を行うことを特
徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の廃ガス浄化
方法。 - 【請求項8】 前記芳香族はベンゼン成分であることを
特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の廃ガス浄
化方法。 - 【請求項9】 コークス炉から発生するコークス炉ガス
を脱硫液によって脱硫を行う脱硫装置と該脱硫液の還元
性能を回復するために脱硫液を空気によって酸化する酸
化装置とを有するコークス炉ガス脱硫設備において、さ
らに前記酸化装置からの廃ガスが通過する触媒反応装置
を有し、該触媒反応装置において前記廃ガス中に含まれ
る芳香族を低温燃焼反応によって分解除去することを特
徴とする廃ガス浄化装置。 - 【請求項10】 前記触媒反応装置の上流側において廃
ガスに高温ガスを混合するガス混合装置を有することを
特徴とする請求項9に記載の廃ガス浄化装置。 - 【請求項11】 前記触媒反応装置の上流側に廃ガス加
熱装置を有することを特徴とする請求項9に記載の廃ガ
ス浄化装置。 - 【請求項12】 触媒に接触させる廃ガスを一時的に又
は継続して200℃以上の温度とすることを特徴とする
請求項10又は11に記載の廃ガス浄化装置。 - 【請求項13】 前記触媒反応装置の上流側において別
のガスを混合して廃ガス中の芳香族成分を希釈するため
のガス混合装置を有することを特徴とする請求項9乃至
12のいずれかに記載の廃ガス浄化装置。 - 【請求項14】 廃ガス中の芳香族成分の希釈により前
記触媒を用いた低温燃焼反応中の廃ガス温度を600℃
以下に保持することを特徴とする請求項13に記載の廃
ガス浄化装置。 - 【請求項15】 前記触媒反応装置の上流側に廃ガス中
の硫黄分を低減する脱硫装置を有することを特徴とする
請求項9乃至12のいずれかに記載の廃ガス浄化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001205589A JP2003010641A (ja) | 2001-07-06 | 2001-07-06 | コークス炉ガス処理における廃ガス浄化方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001205589A JP2003010641A (ja) | 2001-07-06 | 2001-07-06 | コークス炉ガス処理における廃ガス浄化方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003010641A true JP2003010641A (ja) | 2003-01-14 |
Family
ID=19041871
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001205589A Withdrawn JP2003010641A (ja) | 2001-07-06 | 2001-07-06 | コークス炉ガス処理における廃ガス浄化方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003010641A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101298751B1 (ko) | 2011-08-29 | 2013-08-21 | 현대제철 주식회사 | 코크스오븐용 배출가스 처리장치 |
CN103432902A (zh) * | 2013-09-09 | 2013-12-11 | 武汉科林精细化工有限公司 | 加氢脱硫尾气净化回收液态烃及NaHS的方法 |
CN104258713A (zh) * | 2014-10-08 | 2015-01-07 | 美景(北京)环保科技有限公司 | 一种基于氨法脱硫的酸性气处理系统及处理方法 |
KR101482160B1 (ko) | 2008-10-02 | 2015-01-14 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 산업 폐열을 이용한 이산화탄소의 화학적 처리방법 및 그처리장치 |
JPWO2013058210A1 (ja) * | 2011-10-17 | 2015-04-02 | 川崎重工業株式会社 | ガスタービンエンジンの排熱を利用した低濃度メタンガス酸化システム |
CN104492254A (zh) * | 2014-12-15 | 2015-04-08 | 山东派力迪环保工程有限公司 | 垃圾中转站恶臭气体治理工艺及其装置 |
CN105820846A (zh) * | 2016-03-31 | 2016-08-03 | 四川天采科技有限责任公司 | 一种焦炉煤气脱苯脱萘的全温程变压吸附净化方法 |
CN106731834A (zh) * | 2017-01-23 | 2017-05-31 | 青岛科技大学 | 一种大型脱硫液再生槽 |
PL424258A1 (pl) * | 2018-01-12 | 2019-07-15 | Przedsiębiorstwo Innowacyjno-Wdrożeniowe Ekomotor Spółka Z Ograniczoną Odpowiedzialnością | Sposób i układ oczyszczania gazów wysokotemperaturowych |
CN111450672A (zh) * | 2020-03-31 | 2020-07-28 | 陕西聚能新创煤化科技有限公司 | 脱硫尾气及氨氮液的环保化处理系统及处理方法 |
-
2001
- 2001-07-06 JP JP2001205589A patent/JP2003010641A/ja not_active Withdrawn
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101482160B1 (ko) | 2008-10-02 | 2015-01-14 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 산업 폐열을 이용한 이산화탄소의 화학적 처리방법 및 그처리장치 |
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CN104258713B (zh) * | 2014-10-08 | 2017-02-15 | 美景(北京)环保科技有限公司 | 一种基于氨法脱硫的酸性气处理系统及处理方法 |
CN104492254A (zh) * | 2014-12-15 | 2015-04-08 | 山东派力迪环保工程有限公司 | 垃圾中转站恶臭气体治理工艺及其装置 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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