Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2003004065A - 摩擦係合装置 - Google Patents

摩擦係合装置

Info

Publication number
JP2003004065A
JP2003004065A JP2001185173A JP2001185173A JP2003004065A JP 2003004065 A JP2003004065 A JP 2003004065A JP 2001185173 A JP2001185173 A JP 2001185173A JP 2001185173 A JP2001185173 A JP 2001185173A JP 2003004065 A JP2003004065 A JP 2003004065A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
friction
diameter
friction plate
small
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001185173A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuhiro Yaguchi
光浩 矢口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP2001185173A priority Critical patent/JP2003004065A/ja
Publication of JP2003004065A publication Critical patent/JP2003004065A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦プレート押圧時の衝撃を緩和し、軸方向
に長大化することのない摩擦係合装置を提供する。 【解決手段】 内周面の軸方向に外側係合溝63が形成
される大径筒体62と、大径筒体62の内部に配置され
外周面の軸方向に内側係合溝64が形成された小径筒体
61と、大径筒体62に軸方向に移動自在に装着される
複数の環状の大径摩擦プレート65と、小径筒体61に
軸方向に移動自在に装着される複数の環状の小径摩擦プ
レート66とを有し、大径摩擦プレート65の外周部と
小径摩擦プレート66の内周部とに、軸方向に隣り合う
他の同種プレートに向けて傾斜する当接部65b,66
bを設ける。摩擦プレート65,66を押圧するときに
は、当接部65b,66bがそれぞれ圧縮変形され、隣
り合う摩擦プレート65,66とを圧接するために、摩
擦係合装置の締結を滑らかに行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は車両用の自動変速機
などの動力伝達系に組み込まれてクラッチやブレーキを
構成する摩擦係合装置に関する。 【0002】 【従来の技術】エンジン出力を駆動車輪に伝達する動力
伝達系は、発進クラッチ、変速機、推進軸、終減速装置
などの種々の装置によって構成される。車両の走行状態
に応じて自動的に変速操作を行う自動変速機には、変速
機構としてプラネタリギヤなどを有し走行状態に応じて
所定の変速段に切り換えるようにした遊星歯車式の自動
変速機と、変速比を走行状態に応じて無段階に設定する
無段変速機(CVT)とがある。 【0003】自動変速機には動力伝達経路を選択して変
速段を設定するために、複数枚の環状の摩擦プレートを
有する摩擦係合装置が組み込まれている。大径のクラッ
チドラムと、この内部に配置された小径のクラッチハブ
との間に摩擦プレートが装着された摩擦係合装置は、摩
擦プレートを係合させるとクラッチドラムとクラッチハ
ブとが締結されて回転動力を伝達することになり、クラ
ッチと言われる。一方、トランスミッションケースなど
の固定された大径の筒体と、この内部に配置された小径
のブレーキハブとの間に摩擦プレートが装着された摩擦
係合装置は、摩擦プレートを係合させるとブレーキハブ
は固定されることになり、ブレーキと言われる。 【0004】無段変速機には発進装置からの回転動力を
正方向と逆方向とに切り換えるための前後進切換装置が
設けられており、この前後進切換装置は遊星歯車機構の
動力回転方向を切り換えるために、クラッチとブレーキ
が設けられている。四輪駆動車の動力伝達系には、前輪
と後輪とに駆動力を配分するために、センタディファレ
ンシャル装置が使用されており、このセンタディファレ
ンシャル装置にも摩擦係合装置が組み込まれるものがあ
る。 【0005】摩擦係合装置は、摩擦プレートを係合状態
にするために油圧によって作動するプランジャやピスト
ンを有し、プランジャによって摩擦プレートを軸方向に
押圧すると係合状態となる。プランジャにより摩擦プレ
ートに急激に押圧力を加えると、自動変速機から変速シ
ョックが発生するおそれがある。 【0006】この変速ショックを改善するために、滑ら
かに締結することのできる摩擦係合装置が必要とされて
おり、たとえば特開平10-184723号公報に開示されるよ
うに、摩擦プレートを押圧作動するプランジャと摩擦プ
レートとの間に、ばね力を発生する波形部を有する円環
状のウェーブスプリングを装着することにより、摩擦プ
レートにウェーブスプリングを介して徐々に押圧力を加
え、締結時の衝撃を緩和する摩擦係合装置が開発されて
いる。また、ウェーブスプリングに替えて、ばね力を発
生するコーン部を有する円環状のディッシュプレートを
摩擦プレートとピストンとの間に装着する摩擦係合装置
も開発されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ディッシュプレートや
ウェーブスプリングは、平板のばね素材から円環状のプ
レートを打抜き等により切り出し、波形部やコーン部を
形成することにより製造されるために、単純な部品であ
りながら素材からの歩留まりが悪く高価な部品となって
いた。また、摩擦係合装置にディッシュプレートやウェ
ーブスプリングを追加するため、摩擦係合装置が軸方向
に長大化していた。さらには、寸法上の制約を有する摩
擦係合装置にあっては、押圧時におけるディッシュプレ
ートやウェーブスプリングの変形量が制約されるため
に、最適な摩擦プレート押圧時の荷重特性に設定するこ
とができなかった。 【0008】本発明の目的は、摩擦プレート押圧時の衝
撃を緩和し、軸方向に長大化することのない摩擦係合装
置を低コストにて提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明の摩擦係合装置
は、内周面に軸方向に伸びる外側係合溝が形成される大
径筒体と、前記大径筒体の内部に配置され、外周面に軸
方向に伸びる内側係合溝が形成される小径筒体と、前記
外側係合溝に係合し、前記大径筒体に軸方向に移動自在
に装着される複数の環状の大径摩擦プレートと、前記内
側係合溝に係合し、前記大径摩擦プレートの間に配置さ
れて前記小径筒体に軸方向に移動自在に装着される複数
の環状の小径摩擦プレートとを有し、前記大径摩擦プレ
ートの外周部と前記小径摩擦プレートの内周部との少な
くともいずれか一方に、軸方向に隣り合う他の同種プレ
ートに向けて傾斜する当接部を設け、前記当接部を介し
てプレート相互に離す方向のばね力を発生させることを
特徴とする。 【0010】本発明によれば、軸方向に隣り合う他の同
種プレートに向けて傾斜する当接部を有することによ
り、大径摩擦プレートおよび小径摩擦プレートを押圧す
るときには、当接部がそれぞれ圧縮変形されてから、隣
り合う大径摩擦プレートと小径摩擦プレート圧接される
ために、摩擦係合装置の締結を滑らかに行うことができ
る。 【0011】本発明によれば、摩擦プレートに当接部を
形成するために、新たな部材が追加されることなく、軸
方向に長大化することのない低コストの摩擦係合装置と
することができる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形
態である摩擦係合装置を複数有する自動変速機を示すス
ケルトン図である。この自動変速機はエンジン10に連
結される入力軸11と、入力軸11の同心軸上に設けら
れセンタディファレンシャル装置12に連結される出力
軸13とを有しており、センタディファレンシャル装置
12と駆動輪とを連結する前輪出力軸14と後輪出力軸
15とを有している。入力軸11、出力軸13、前輪出
力軸14、および後輪出力軸15は車両の進行方向を向
いてトランスミッションケース(図示しない)内に組み
込まれており、この自動変速機は縦置きに配置される4
輪駆動用の車両に適用される。 【0013】エンジン10のクランク軸16にはトルク
コンバータ17が連結され、トルクコンバータ17の出
力軸であるタービン軸18には入力軸11が接続されて
いる。入力軸11の端部にはリヤサンギヤ20が固定さ
れ、リヤサンギヤ20の径方向外方には、リヤキャリア
21に回転支持される複数のリヤピニオンギヤ22がリ
ヤサンギヤ20に噛み合って装着されている。また、リ
ヤサンギヤ20の径方向外方には、内周面に歯を有する
リヤリングギヤ23がリヤピニオンギヤ22に噛み合っ
て装着され、リヤサンギヤ20とリヤリングギヤ23と
は、リヤピニオンギヤ22を介して連結されている。こ
のようにリヤサンギヤ20、リヤリングギヤ23、およ
びリヤピニオンギヤ22によりリヤ遊星歯車列24が構
成されている。 【0014】また、入力軸11にはフロントサンギヤ2
5が回転自在に設けられ、フロントサンギヤ25の径方
向外方には、フロントキャリア26に回転支持される複
数のフロントピニオンギヤ27がフロントサンギヤ25
に噛み合って装着されている。また、フロントサンギヤ
25の径方向外方には、内周面に歯を有するフロントリ
ングギヤ28がフロントピニオンギヤ27に噛み合って
装着され、フロントサンギヤ25とフロントリングギヤ
28とは、フロントピニオンギヤ27を介して連結され
ている。このようにフロントサンギヤ25、フロントリ
ングギヤ28、およびフロントピニオンギヤ27により
フロント遊星歯車列29が構成されている。 【0015】さらに、入力軸11にはクラッチドラム3
0が固定され、クラッチドラム30の径方向内方の入力
軸11には、フロントキャリア26に連結される高速ク
ラッチハブ31と、フロントサンギヤ25に連結される
後退クラッチハブ32とが回転自在に装着されている。
このクラッチドラム30と高速クラッチハブ31および
後退クラッチハブ32との間には、それぞれに複数枚の
摩擦プレート33,34が装着され、高速クラッチ35
および後退クラッチ36が構成されている。この摩擦プ
レート33,34を押圧することにより、クラッチドラ
ム30と高速クラッチハブ31または後退クラッチハブ
32とは連結され、フロントキャリア26またはフロン
トサンギヤ25は入力軸11と一体に回転する。 【0016】後退クラッチハブ32には、第1ブレーキ
ハブ37が固定され、ミッションケース内壁面には、第
1ブレーキドラム38が形成されている。第1ブレーキ
ハブ37と第1ブレーキドラム38との間には、複数枚
の摩擦プレート39が装着され、第1ブレーキ40が構
成されている。この摩擦プレート39を押圧すると、第
1ブレーキハブ37はミッションケースに固定されるた
め、フロントサンギヤ25の回転は制止される。 【0017】フロントキャリア26には、低速クラッチ
ドラム41が固定され、リヤリングギヤ23の外周面に
は、低速クラッチハブ42が固定されている。低速クラ
ッチドラム41と低速クラッチハブ42との間には、複
数枚の摩擦プレート43が装着され、低速クラッチ44
が構成されている。この摩擦プレート43を押圧する
と、リヤリングギヤ23とフロントキャリア26とは連
結され一体に回転する。 【0018】低速クラッチドラム41の端部には、ミッ
ションケースにワンウェイクラッチ45を介して連結さ
れる第2ブレーキハブ46が固定され、ミッションケー
ス内壁面には、第2ブレーキドラム47が形成されてい
る。第2ブレーキハブ46と第2ブレーキドラム47と
の間には、複数枚の摩擦プレート48が装着され、第2
ブレーキ49が構成されている。この摩擦プレート48
を押圧すると、第2ブレーキハブ46はミッションケー
スに固定されるため、フロントキャリア26が固定され
て、フロントピニオンギヤ27の公転運動は制止され
る。また、第2ブレーキハブ46はワンウェイクラッチ
45を介してミッションケースに連結されており、摩擦
プレート48の押圧動作を解除すると、フロントピニオ
ンギヤ27の公転運動は一方向にのみ行うことができ
る。 【0019】2つの遊星歯車列24,29のフロントリ
ングギヤ28とリヤキャリア21とは連結され、リヤキ
ャリア21には出力軸13が連結されており、摩擦係合
装置である複数のクラッチ35,36,44および複数
のブレーキ40,49の締結および締結解除を制御する
ことにより、入力軸11の回転は2つの遊星歯車列2
4,29を介して出力軸13に伝達される。 【0020】出力軸13と出力軸13の同心軸上に設け
られる後輪出力軸15との間には、センタディファレン
シャル装置12が装着されている。このセンタディファ
レンシャル装置12は、複合遊星歯車式であり、出力軸
13の一端部には第1サンギヤ50が固定され、後輪出
力軸15には第2サンギヤ51が固定される。第1サン
ギヤ50と第2サンギヤ51との径方向外方には、第1
サンギヤ50と第2サンギヤ51とに噛み合う一体型の
ピニオンギヤ52が複数配置されており、キャリア53
に回転自在に支持されている。キャリア53の前端(図
1の左側)には前輪駆動歯車58が一体に設けられ、こ
れに前輪出力軸14の一端部に設けられた前輪従動歯車
59が噛み合って前輪に動力が伝達される。 【0021】このような構成により、自動変速機の出力
がセンタディファレンシャル装置12の第1サンギヤ5
0に入力すると、一体型のピニオンギヤ52を介して第
2サンギヤ51と一体型のピニオンギヤ52を支持して
いるキャリア53とに動力が分配されて伝達し、前輪お
よび後輪共駆動することができる。このとき一体型のピ
ニオンギヤ52の回転により前後輪間の回転差は差動吸
収される。 【0022】また、後輪出力軸15には差動制限クラッ
チハブ54が固定され、キャリア53の端部には差動制
限クラッチドラム55が固定されている。差動制限クラ
ッチハブ54と差動制限クラッチドラム55との間に
は、複数枚の摩擦プレート56が装着され、差動制限ク
ラッチ57が構成されている。これにより前輪または後
輪がスリップして大きな差動回転が生じたときは、差動
制限クラッチ57が締結されて差動回転が抑制される。 【0023】このような自動変速機の動力伝達経路を選
択し、第1速〜第4速、および後退の変速を行うときに
締結される摩擦係合装置35,36,40,44,4
9,57について説明する。第1速の変速比が選択され
走行を行う場合は、低速クラッチ44が締結され、入力
軸11の回転はリヤ遊星歯車列24を介して減速され
る。このときリヤリングギヤ23は、ワンウェイクラッ
チ45を介してミッションケースに連結されるために、
加速時にはリヤリングギヤ23が固定され、リヤピニオ
ンギヤ22がリヤサンギヤ20の周りを公転して回転を
出力軸13に伝達する。 【0024】第2速が選択される場合には、低速クラッ
チ44と第1ブレーキ40とが締結される。フロントサ
ンギヤ25が固定され、フロントキャリア26とリヤリ
ングギヤ23とが連結されるために、第1速に比べてリ
ヤリングギヤ23の回転だけ増速される。 【0025】第3速が選択される場合には、低速クラッ
チ44と高速クラッチ35とが締結される。入力軸11
とリヤリングギヤ23とは、高速クラッチ35および低
速クラッチ44を介して連結されるために、入力軸11
の回転がそのまま出力軸13に伝達される。 【0026】第4速が選択される場合には、高速クラッ
チ35と第1ブレーキ40とが締結される。フロントサ
ンギヤ25が固定され、フロントキャリア26と入力軸
11が連結されるため、第3速に比べてフロントリング
ギヤ28の回転だけ増速される。 【0027】そして、後退が選択される場合には、後退
クラッチ36と第2ブレーキ49とが締結される。入力
軸11とフロントサンギヤ25が連結され、フロントピ
ニオンギヤ27の公転運動が制止されるために、入力軸
11の回転はフロントリングギヤ28では反転され出力
軸13に伝達される。 【0028】このような自動変速機にあっては、摩擦係
合装置である複数のクラッチ35,36,44およびブ
レーキ40,49を締結することにより、入力軸11の
回転を変換してセンタディファレンシャル装置12に伝
達し、四輪駆動走行する摩擦係合装置である差動制限ク
ラッチ57を締結制御することにより四輪駆動の走行性
能が向上する。このため、走行状況に応じて常に摩擦係
合装置の締結制御が行われ、滑らかな変速動作を行うに
は、摩擦係合装置の締結時における衝撃を緩和する必要
がある。 【0029】図2は本発明の一実施の形態である摩擦係
合装置の一部を示す軸方向に沿う断面図であり、図3は
図2のA−Aに沿う断面図である。また、図4は摩擦プ
レートを重ね合わせたときの大径摩擦プレート65の外
周部に設けられる当接部65bの一部を示す斜視図であ
り、図5は摩擦プレートを重ね合わせたときの小径摩擦
プレート66の内周部に設けられる当接部66bの一部
を示す斜視図である。 【0030】図2および図3に示す摩擦係合装置は、小
径筒体であるハブ61が回転駆動を行い、摩擦プレート
の押圧により大径筒体であるドラム62が回転駆動され
る摩擦係合装置として説明を行うが、ドラム62が駆動
しハブ61が従動する摩擦係合装置であっても構造は同
様であり、ドラム62またはハブ61を固定し締結によ
り回転駆動を停止させる摩擦係合装置であっても同様で
ある。 【0031】円筒形状からなる大径筒体、つまりドラム
62の内周面には、軸方向に向けて複数の外側係合溝6
3が形成されており、ドラム62の径方向内方に配置さ
れる小径筒体、つまりハブ61の外周面には、軸方向に
複数の内側係合溝64が形成されている。 【0032】ドラム62の外側係合溝63に装着される
大径摩擦プレート65は、薄板の円環形状からなる摩擦
面65aを有している。図3に示すように摩擦面65a
の外周部には、外側係合溝63に対応した複数の当接部
65bが形成されており、外側係合溝63に当接部65
bが係合される。このように、大径摩擦プレート65は
ドラム62に支持され、軸方向に摺動することができる
のに対して、円周方向への移動は外側係合溝63により
規制される。この当接部65bは、図2に示すように摩
擦面65aに対して傾斜するように形成されており、図
3において隣り合う当接部65bはそれぞれ傾斜方向が
逆になるように形成されている。図2に実線で示す当接
部は図3におけるB−Bに重なる当接部65bであり、
図2に破線と一点鎖線で示す当接部はそれぞれ図3のC
−CとD−Dに重なる当接部である。 【0033】ハブ61の内側係合溝64に装着される小
径摩擦プレート66は、薄板の円環形状からなる摩擦面
66aを有している。図3に示すように摩擦面66aの
内周部には、内側係合溝64に対応して複数の当接部6
6bが形成されており、内側係合溝64に当接部66b
が係合される。このように、小径摩擦プレート66はハ
ブ61に支持され、軸方向に摺動することができるのに
対して、円周方向への移動は内側係合溝64により規制
される。この当接部66bは、図2に示すように摩擦面
66aに対して平行または傾斜するように形成されてお
り、摩擦面66aに平行な当接部66bを挟んで、傾斜
方向がそれぞれ逆になるように当接部66bが形成され
ている。図2に実線で示す当接部66bは図3における
B−Bに重なる当接部66bであり、図2に破線と一点
鎖線で示す当接部はそれぞれ図3のC−CとD−Dに重
なる当接部である。 【0034】図2に示すように、大径摩擦プレート65
と小径摩擦プレート66とは交互に接する順序で、ドラ
ム62の外側係合溝63またはハブ61の内側係合溝6
4に装着される。図4および図5に示すように、装着時
には大径摩擦プレート65に形成される当接部65bの
端部同士が当接する向きで装着され、同様に小径摩擦プ
レート66に傾斜して形成される当接部66bの端部同
士が当接する向きで装着される。装着された摩擦プレー
ト65,66の両端には、スナップリング67により軸
方向の移動が規制されたストッパ68と、摩擦プレート
65,66に押圧動作を伝達する押圧部材69とが、そ
れぞれドラム62の外側係合溝63に装着されている。 【0035】この摩擦係合装置は、押圧部材69がスト
ッパ68に向かう軸方向に摺動すると、隣接する摩擦プ
レート65,66が押圧動作により圧接される。押圧部
材69の摺動開始から摩擦プレート65,66の締結ま
で、大径摩擦プレート65および小径摩擦プレート66
は、同種摩擦プレートの間で互いに当接する当接部65
b,66bをそれぞれ圧縮変形させながら摺動し、隣接
する大径摩擦プレート65と小径摩擦プレート66とは
接触する。傾斜して形成されることにより、ばね力を有
する摺接部65b,66bは、増加する押圧荷重にとも
ない変形量を増加し、変形量が増加することにより摩擦
プレート65,66間の距離が短縮されるため、大径摩
擦プレート65と小径摩擦プレート66とは急激に接触
することなく徐々に接触する。また、接触から締結まで
の押圧荷重は、ばね力を有する当接部65b,66bを
介するため急激に上昇することなく、滑らかに摩擦プレ
ート65,66を締結し、ハブ61の駆動力をドラム6
2に伝達することができる。 【0036】このように、摩擦プレート締結時の衝撃を
緩和するために、油圧制御弁によるプランジャなどの荷
重制御を行うことなく衝撃を緩和することができる。ま
た、当接部65b,66bを摩擦プレート65,66と
一体に設けることにより、新たな部材を追加することな
く、軸方向に長大化することのない摩擦係合装置を低コ
ストで提供することができる。 【0037】図6は複数の小径摩擦プレート66のハブ
61に装着される当接部66bの一部を示す他の実施の
形態における斜視図である。図6に示すように、全ての
当接部66bを摩擦面66aに対して傾斜させて形成さ
せても良く、このように形成すると、押圧荷重が高く設
定されている場合などにも、滑らかに摩擦プレートを締
結することができる。このような押圧荷重に対する当接
部65b,66bの変形量、つまり荷重特性の設定は、
図6に示すような、摩擦面65a,66aに対して傾斜
して形成される当接部65b,66bの個数の変更、さ
らに当接部65b,66b形成時の傾斜角度、当接部6
5b,66bの円周方向の幅を調節することにより容易
に変更することができる。 【0038】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
あることは言うまでもない。たとえば、本発明の実施の
形態に示す摩擦係合装置は自動変速機に用いられている
が、無段変速機に使用することもでき、これらに限定さ
れるものではない。また、当接部65b,66bは係合
溝63,64に係合しているが、係合溝63,64に係
合しない当接部65b,66bを設定してもよい。さら
に、押圧荷重が低く設定されるときには、当接部65
b,66bを有する摩擦プレート65,66と、当接部
65b,66bを設けない摩擦プレート65,66とを
用いて摩擦係合装置を構成しても良い。 【0039】 【発明の効果】本発明によれば、軸方向に隣り合う他の
同種プレートに向けて傾斜する当接部を有することによ
り、大径摩擦プレートおよび小径摩擦プレートを押圧す
るときには、当接部がそれぞれ圧縮変形されてから、隣
り合う大径摩擦プレートと小径摩擦プレートとが圧接さ
れるために、摩擦係合装置の締結を滑らかに行うことが
できる。 【0040】本発明によれば、摩擦プレートに当接部を
形成するために、新たな部材が追加されることなく、軸
方向に長大化することのない低コストの摩擦係合装置と
することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施の形態である摩擦係合装置を複
数有する自動変速機を示すスケルトン図である。 【図2】本発明の一実施の形態である摩擦係合装置の一
部を示す断面図である。 【図3】図2のA−Aに沿う断面図である。 【図4】摩擦プレートを重ね合わせたときの大径摩擦プ
レートの外周部に設けられる当接部の一部を示す斜視図
である。 【図5】摩擦プレートを重ね合わせたときの小径摩擦プ
レートの内周部に設けられる当接部の一部を示す斜視図
である。 【図6】本発明の他の実施の形態における摩擦プレート
を重ね合わせたときの大径摩擦プレートの外周部に設け
られる当接部の一部を示す斜視図である。 【符号の説明】 30 クラッチドラム(大径筒体) 31 高速クラッチハブ(小径筒体) 32 後退クラッチハブ(小径筒体) 37 第1ブレーキハブ(小径筒体) 38 第1ブレーキドラム(大径筒体) 41 低速クラッチドラム(大径筒体) 42 低速クラッチハブ(小径筒体) 46 第2ブレーキハブ(小径筒体) 47 第2ブレーキドラム(大径筒体) 54 差動制限クラッチハブ(小径筒体) 55 差動制限クラッチドラム(大径筒体) 61 ハブ(小径筒体) 62 ドラム(大径筒体) 63 外側係合溝 64 内側係合溝 65 大径摩擦プレート 65b 当接部 66 小径摩擦プレート 66b 当接部

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 内周面に軸方向に伸びる外側係合溝が形
    成される大径筒体と、 前記大径筒体の内部に配置され、外周面に軸方向に伸び
    る内側係合溝が形成される小径筒体と、 前記外側係合溝に係合し、前記大径筒体に軸方向に移動
    自在に装着される複数の環状の大径摩擦プレートと、 前記内側係合溝に係合し、前記大径摩擦プレートの間に
    配置されて前記小径筒体に軸方向に移動自在に装着され
    る複数の環状の小径摩擦プレートとを有し、 前記大径摩擦プレートの外周部と前記小径摩擦プレート
    の内周部との少なくともいずれか一方に、軸方向に隣り
    合う他の同種プレートに向けて傾斜する当接部を設け、
    前記当接部を介してプレート相互に離す方向のばね力を
    発生させることを特徴とする摩擦係合装置。
JP2001185173A 2001-06-19 2001-06-19 摩擦係合装置 Pending JP2003004065A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001185173A JP2003004065A (ja) 2001-06-19 2001-06-19 摩擦係合装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001185173A JP2003004065A (ja) 2001-06-19 2001-06-19 摩擦係合装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003004065A true JP2003004065A (ja) 2003-01-08

Family

ID=19024801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001185173A Pending JP2003004065A (ja) 2001-06-19 2001-06-19 摩擦係合装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003004065A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102007038155A1 (de) * 2007-08-13 2009-02-19 Magna Powertrain Ag & Co Kg Lamellenkupplung
JP2009216159A (ja) * 2008-03-10 2009-09-24 Honda Motor Co Ltd 多板クラッチ
DE102009001701A1 (de) * 2009-03-20 2010-09-30 Zf Friedrichshafen Ag Lamellenschaltelementanordnung
DE102009027017A1 (de) * 2009-06-18 2010-12-23 Zf Friedrichshafen Ag Lamellenpaket für eine Lamellenbremse oder Lamellenkupplung
JP2017040310A (ja) * 2015-08-20 2017-02-23 トヨタ自動車株式会社 多板クラッチ
JP2017067116A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 本田技研工業株式会社 車両用動力伝達機構
JP2019158055A (ja) * 2018-03-15 2019-09-19 マツダ株式会社 自動変速機
WO2022219827A1 (ja) * 2021-04-13 2022-10-20 株式会社ダイナックス 摩擦係合装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102007038155A1 (de) * 2007-08-13 2009-02-19 Magna Powertrain Ag & Co Kg Lamellenkupplung
JP2009216159A (ja) * 2008-03-10 2009-09-24 Honda Motor Co Ltd 多板クラッチ
DE102009001701A1 (de) * 2009-03-20 2010-09-30 Zf Friedrichshafen Ag Lamellenschaltelementanordnung
DE102009027017A1 (de) * 2009-06-18 2010-12-23 Zf Friedrichshafen Ag Lamellenpaket für eine Lamellenbremse oder Lamellenkupplung
JP2017040310A (ja) * 2015-08-20 2017-02-23 トヨタ自動車株式会社 多板クラッチ
JP2017067116A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 本田技研工業株式会社 車両用動力伝達機構
JP2019158055A (ja) * 2018-03-15 2019-09-19 マツダ株式会社 自動変速機
WO2022219827A1 (ja) * 2021-04-13 2022-10-20 株式会社ダイナックス 摩擦係合装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4740174B2 (ja) 変速伝動装置
JP2005200000A (ja) 単純構造を有するトランスミッション
WO2010070873A1 (ja) 動力伝達装置
JP2003013996A (ja) 摩擦係合装置
KR20030022621A (ko) 휠트랜스미션
JP2003004065A (ja) 摩擦係合装置
JP2005201372A (ja) 摩擦係合装置
US6685594B2 (en) Differential limiting device for a differential device
KR20220089232A (ko) 플래닛기어식 변속기와 이 변속기가 내장되는 바퀴
EP1058032B1 (en) Device with differential
KR101837459B1 (ko) 동력전달 장치의 작동 제어 방법
JP5039647B2 (ja) 動力伝達装置
JP5001538B2 (ja) 動力分配装置
JP2007078160A (ja) 油圧−機械式変速装置
JP4104201B2 (ja) 無段変速機付きパワーユニット
JP2002161950A5 (ja)
KR20040095513A (ko) 수송용 멀티 쉬프팅 휠트랜스미션
WO2014091621A1 (ja) 断続装置及びこの断続装置を用いた動力伝達装置
JP2004125050A (ja) 変速機
JPH0547894Y2 (ja)
KR20020058737A (ko) 차량용 자동 변속기
JP4516655B2 (ja) 発進クラッチ
JP2004162805A (ja) 動力伝達機構
KR200195843Y1 (ko) 차량용 무단 변속장치
JP2000065183A (ja) ゼロ発進無段変速器の制御装置