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JP2003098852A - 転写ベルトの製造方法 - Google Patents

転写ベルトの製造方法

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Publication number
JP2003098852A
JP2003098852A JP2002208955A JP2002208955A JP2003098852A JP 2003098852 A JP2003098852 A JP 2003098852A JP 2002208955 A JP2002208955 A JP 2002208955A JP 2002208955 A JP2002208955 A JP 2002208955A JP 2003098852 A JP2003098852 A JP 2003098852A
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JP
Japan
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transfer belt
cavity
manufacturing
mold
transfer
Prior art date
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Pending
Application number
JP2002208955A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Nishio
裕之 西尾
Takeshi Takehara
剛 竹原
Takeo Kamata
岳央 鎌田
Hiroyuki Shibata
博之 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム組成物の原料ポットからキャビティへの
流れを非常にスムーズにし、配合剤の分散がよくなると
ともに転写ベルトに気泡が発生するのを防止し、ウェル
ドラインなどの成形上の問題もおきにくく、均一な導電
性を有するとともに表面のムラのない転写ベルトを得
る。 【解決手段】 背面に付着させたトナーを被転写体に転
写する用途で用いられる転写ベルトの製造方法であっ
て、未加硫のゴム組成物Gを原料ポット2から金型5内
のキャビティ6に移送させて成形し、加硫した後脱型す
る製造方法において、キャビティ6内を減圧した状態で
ゴム組成物Gを移送させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】電子写真の画像形成装置の一
部を構成する中間転写体などに用いられる転写ベルトの
製造方法に係り、詳しくはピンホールなどによる不良を
防止するとともにベルトの表面のムラをなくすことがで
きる転写ベルトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成装置の中間転写
体として導電性を持たせたベルトや、そのようなベルト
を円筒形のドラムに被せた転写ロールが用いられてい
る。これらのベルトとしては、ゴムなどのエラストマー
材料に導電性を持たせたものを用いている。これらの転
写体は、感光体表面に形成されたトナー像を電気的吸引
力により中間転写体上へ引きつける必要があるため、中
〜高抵抗、具体的には、10〜1013Ω・cmとい
った体積抵抗率に調整した導電性ゴムからなっている。
【0003】そしてその成形方法としては、射出成形に
よって円筒形のキャビティを有する金型にベルトスリー
ブを形成するといった方法や、トランスファー成形によ
る方法などが挙げられる。また、他に押出成形にてチュ
ーブ状に押出したものをベルトスリーブとするといった
方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば、特開2000
−321885号には射出成形による転写ベルトの製造
が開示されている。射出成形では比較的短いサイクルで
製造することが可能であるが、射出成形の場合にはどう
してもウェルドラインができてしまうので、その部分で
抵抗値が変化してしまいそのような転写体を用いて得ら
れた画像はやはりムラを有する画像となってしまうとい
った問題がある。特開2000−321885号ではそ
のウェルドラインの問題を解決すべく提案されたもので
あるが、やはり射出時のゴム流れの乱れなど問題となる
ことはある。
【0005】トランスファー成形についても、射出成形
ほどではないにしてもゴムがフィルムゲートを通過する
際にゴムの流れに乱れがおきやすいという問題は射出成
形と同様である。そのためにゴム中に配合した導電材の
分散が不均一になって、電気抵抗値にバラツキが発生し
転写後の画像に濃淡や乱れが発生するといった問題があ
った。また、ゴムの内部に残留する微小の気泡により電
気抵抗値や転写ベルトの表面にムラが発生するといった
問題もある。
【0006】また特開平8−300507号には、押出
工法によってチューブ状のベルトを製造する方法が開示
されている。このようにチューブ状にゴムを押出してベ
ルトを製造する方法ではゴムの流れが一定になりやす
く、できあがったベルトにおいて抵抗値のバラツキがす
くないという利点がある。
【0007】しかし、このチューブ状のベルトを押出す
方法では、ゴムの粘着性が大きい場合に粉などの粘着防
止剤を付着させる必要があり、その粘着防止剤が後にな
って転写ベルトに形成する画像欠陥の原因となることが
ある。
【0008】特開平5−129354号や特開平10−
128805号にはトランスファー成形において、キャ
ビティを減圧することが記載されているが、転写ベルト
に関するものではない。
【0009】そこで、本発明はトランスファー成形に工
夫を加えることによって、ゴムの流れをスムーズにして
ゴム中の配合剤の分散を良好にし、ウェルドラインの発
生や、ベルト表面におけるスジ、凹凸の発生やムラの発
生を防止し、良好な転写ベルトを得ることができる製造
方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために本発明の請求項1では背面に付着させたトナ
ーを被転写体に転写する用途で用いられる転写ベルトの
製造方法であって、未加硫ゴム組成物を原料ポットから
金型内のキャビティに移送させて成形し、加硫した後脱
型する製造方法において、キャビティ内を減圧した状態
でゴム組成物を移送させることを特徴とする。
【0011】キャビティ内を減圧することによって、ゴ
ムのポットからキャビティへの流れが非常にスムーズに
なり、配合剤の分散がよくなるとともにウェルドライン
などの成形上の問題もおきにくく、均一な導電性を有す
るとともに表面のムラのない転写ベルトを得ることがで
きる。
【0012】請求項2では、キャビティ内を0.1気圧
の範囲内で減圧するとしており、よりゴムが良好に流れ
て均一な導電性とともに表面のムラのない条件を提供す
ることができる。
【0013】請求項3では金型のキャビティ内表面に離
型膜を形成する表面処理を施し、離型剤を用いることな
く製造する転写ベルトの製造方法としており、請求項4
では、離型膜を形成する表面処理がクロムメッキもしく
はクロムメッキ表面にフッ素樹脂を含浸したものもしく
は低摩擦材を含んだニッケル被膜の3種類の表面処理の
うちいずれかである転写ベルトの製造方法としている。
【0014】金型のキャビティ表面に前記のような表面
処理をすることによって、金型の表面に離型剤を使用す
る必要がなくなるので、転写ベルトの表面に離型剤が付
着してムラになってしまうことがなく、形成される画像
の品質を劣化させることもない。
【0015】請求項5では、クロムメッキもしくはクロ
ムメッキ表面にフッ素樹脂を含浸した表面処理もしくは
低摩擦材を含んだニッケル被膜を形成する金型のキャビ
ティ内表面における表面粗さを1〜4μm(Ra)とし
た転写ベルトの製造方法である。
【0016】金型のキャビティ表面粗さをこの範囲に設
定することによって前記のような表面処理が容易に剥離
することがなくなり、長期にわたって離型の効果を持続
することができる。
【0017】請求項6ではクロムメッキもしくはクロム
メッキ表面にフッ素樹脂を含浸した表面処理もしくは低
摩擦材を含んだニッケル皮膜を形成した後に、表面を研
磨することによって表面粗さを5μm(Rz)以下とし
た転写ベルトの製造方法としている。
【0018】金型のキャビティ表面をフィルム研磨し
て、表面粗さを5μm(Rz)以下、好ましくは1〜5
μm(Rz)とすることによって、それで製造した転写
ベルトは平滑で均質な表面状態となり、トナーの離れ性
が向上し、かつ高画質なプリンター用途にも可能な転写
ベルトを製造することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は材料となるゴムを、ポット
から金型のキャビティへ移送しているところの断面図で
ある。図2は本発明によって製造する転写ベルトの斜視
図である。
【0020】本発明の製造方法では、所定の配合物を配
合した未加硫のゴム組成物を図1に示すような製造装置
1の原料ポット2に投入し、ホットプレート3で加熱さ
れ流動状態とした未加硫のゴム組成物Gを、プランジャ
ー4によって加圧し、金型5のキャビティ6内へ移送す
る。
【0021】本発明では、未加硫のゴム組成物Gをキャ
ビティ6内に移送する際にキャビティ6内を減圧状態に
することによってゴム組成物Gがスムーズに流れ込むよ
うにしている。キャビティ6内を減圧するために、キャ
ビティ6の下端から金型5の外へベント孔7を設けてお
り、真空ポンプ8などに接続することによってベント孔
7からキャビティ6内を減圧することができるようにな
っている。
【0022】キャビティ6に移送することによって、ベ
ルトを形作る円筒形に成形した後に、150〜180℃
程度の温度を5〜30分間かけることによって未加硫ゴ
ムを加硫する。加硫が終わると金型5からベルトを脱型
する。そして、必要に応じて幅方向の輪切りや表面の研
磨などを行ったり、他にも必要に応じて表面にフッ素樹
脂などをコーティングしたりすることによって転写ベル
ト10を得ることができる。
【0023】原料ポット2内の未加硫ゴムGを流動状態
にするための加熱や、加硫時の金型4の加熱は、上下に
配置したホットプレート3、9によって行うことができ
るようになっているが、その他、蒸気など既知の手段を
用いても構わない。
【0024】このように未加硫のゴム組成物Gをキャビ
ティ6に移送する際に、キャビティ6内を減圧しておく
ことによって、ゴム組成物Gが移送の際にスムーズに流
れることができるので、流れが乱れることにより発生す
るウェルドラインによる転写ベルト表面のムラや電気抵
抗値のバラツキなどを抑えた良好な転写ベルトを得るこ
とができるものである。
【0025】キャビティ6内の減圧は、0.1気圧以下
に減圧することが好ましい。0.1気圧を超えていると
減圧する効果が薄く、転写ベルトに気泡が残ってしまう
可能性が高く、また、ゴム組成物Gの流れの面でも、ウ
ェルドラインの発生など転写ベルトの表面にムラが発生
したり、電気抵抗値のばらつきが発生しやすくなったり
することもあるので好ましくない。
【0026】また、原料ポット2からゴム組成部Gが加
圧されて出て、ゲート(図示しない)からキャビティ6
に入ることになるが、ゲートまでの間にゴム組成物G中
の異物をろ過除去するための網状のストレーナーメッシ
ュを設置することによって、より転写ベルト10の表面
のムラや電気抵抗地のバラツキの問題は解消することが
可能である。
【0027】本発明の製造方法にて製造される転写ベル
ト10は、電子写真方式の画像形成装置の中間転写体と
しての導電性を持たせたベルトや、そのような導電性ベ
ルトを円筒形のドラムに被せた転写ロールなどの使用形
態を挙げることができる。これらの転写ベルトを構成す
るゴムとしてはアクリロニトリルゴム(NBR)、エチ
レンプロピレンジエンモノマー共重合体ゴム(EPD
M)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、
スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリエーテルポリ
ウレタン(EU)、ポリエステルポリウレタン(A
U)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、ブチ
ルゴム(IIR)、エピクロロヒドリンゴム(CO)な
どの単体もしくはブレンド物を挙げることができる。
【0028】また、上記のゴムに対して必要に応じてノ
ニオン系やアニオン系やカチオン系の界面活性剤、酸化
第二錫、酸化イリジウム、銀系ペースト、ニッケル系ペ
ースト、銅系ペーストなどの導電性部材、補強のための
カーボンブラック、シリカ、酸化亜鉛、酸化マグネシウ
ム、オイル、ワックス、架橋剤、架橋促進剤、老化防止
剤などを配合することができる。
【0029】次に、転写ベルト10の表面にムラを発生
させないための方法として、金型5のキャビティ6表面
に、離型膜を形成する表面処理をすることによって、離
型剤を使用する必要がなくなるので、離型剤が転写ベル
トの表面につくことにより、その部分の電気抵抗値が変
化するなどのムラの発生を防止することができ、より均
質な性能の転写ベルトを提供することができるようにな
る。
【0030】離型膜としては、クロムメッキもしくはク
ロムメッキ表面にフッ素樹脂を含浸した表面処理もしく
は低摩擦材を含んだニッケル被膜を挙げることができ
る。硫黄加硫の場合は、メッキの腐食の問題からクロム
メッキ表面にフッ素樹脂を含浸した表面処理が、またパ
ーオキサイド架橋の場合は、低摩擦材を含んだニッケル
被膜を設ける表面処理が好ましい形態といえる。低摩擦
材としては、潤滑性に優れたフッ素化合物が好ましく、
特に、ポリテトラフロロエチレンが好ましい。
【0031】前記のような離型膜を形成する金型の表面
は、表面粗さが1〜4μm(Ra)とすることが好まし
い。表面粗さをこの範囲内としたものに表面処理するこ
とによって、離型膜がより強固に金型表面に固着される
ことになるので長期間に渡って効果を持続することがで
きる。
【0032】更に、金型のキャビティ表面を前記のよう
なクロムメッキもしくはクロムメッキ表面にフッ素樹脂
を含浸した表面処理もしくは低摩擦材を含んだニッケル
被膜を施した後にフィルム研磨装置で研磨することによ
って、表面粗さが細かく平滑で均質な表面性を有する転
写ベルトを製造することができ、トナーの離れ性に優れ
た高画質な転写性能を有する転写ベルトを得ることがで
きる。次に本発明の実施例及び比較例を挙げて試験を行
い本発明の効果を確かめた。
【0033】
【実施例】(実施例1)クロロプレンゴムを主成分とし
た表1に示す配合のゴム組成物で、図1に示すようなト
ランスファー成形装置を用いて幅300mm×周長36
0mm×厚み0.50mmの転写ベルトを製造した。製
造条件は、移送時の加圧力は20MPa、加硫条件は1
73℃で20分間加熱し、ゴム組成物の移送時のキャビ
ティ内は0.01気圧に減圧している。金型のキャビテ
ィ表面には離型膜を形成する表面処理を施していないも
のを用いた。
【0034】得られた転写ベルトを観察して、表面の外
観状態、製造不良の発生状況より、 ◎:外観良好で製造不良も少ない ○:外観不良による製造不良が5%程度発生 △:外観不良による製造不良が50%以上発生 ×:製造不可 の4段階の評価をつけた。その結果を表1に示す。
【0035】(実施例2)クロロプレンゴムを主成分と
した実施例1と同じゴム組成物で、図1に示すようなト
ランスファー成形装置を用いて幅300mm×周長36
0mm×厚み0.50mmの転写ベルトを製造した。製
造条件については、キャビティの表面にフッ素樹脂を含
浸したクロムメッキを離型膜として施した以外は実施例
1とまったく同じ条件で製造した。実施例1と同様に得
られた転写ベルトを観察して、表面の外観状態、製造不
良の発生状況より、4段階の評価をつけた。その結果を
表1に示す。
【0036】(実施例3)ミラブルウレタンゴムを主成
分とした表1に示すゴム組成物で、図1に示すようなト
ランスファー成形装置を用いて幅300mm×周長36
0mm×厚み0.50mmの転写ベルトを製造した。製
造条件については、実施例1とまったく同じ条件で製造
した。実施例1と同様に得られた転写ベルトを観察し
て、表面の外観状態、製造不良の発生状況より、4段階
の評価をつけた。その結果を表1に示す。
【0037】(実施例4)ミラブルウレタンゴムを主成
分とした実施例3と同じゴム組成物で、図1に示すよう
なトランスファー成形装置を用いて幅300mm×周長
360mm×厚み0.50mmの転写ベルトを製造し
た。製造条件については、キャビティの表面に低摩擦材
を含んだニッケル被膜を離型膜として施した以外は実施
例1とまったく同じ条件で製造した。実施例1と同様に
得られた転写ベルトを観察して、表面の外観状態、製造
不良の発生状況より、4段階の評価をつけた。その結果
を表1に示す。
【0038】(実施例5)アクリロニトリルゴムを主成
分とした表1に示すゴム組成物で、図1に示すようなト
ランスファー成形装置を用いて幅300mm×周長36
0mm×厚み0.50mmの転写ベルトを製造した。製
造条件については、実施例1とまったく同じ条件で製造
した。実施例1と同様に得られた転写ベルトを観察し
て、表面の外観状態、製造不良の発生状況より、4段階
の評価をつけた。その結果を表1に示す。
【0039】(実施例6)アクリロニトリルゴムを主成
分とした実施例5と同じゴム組成物で、図1に示すよう
なトランスファー成形装置を用いて幅300mm×周長
360mm×厚み0.50mmの転写ベルトを製造し
た。製造条件については、キャビティの表面にクロムメ
ッキを離型膜として施した以外は実施例1とまったく同
じ条件で製造した。実施例1と同様に得られた転写ベル
トを観察して、表面の外観状態、製造不良の発生状況よ
り、4段階の評価をつけた。その結果を表1に示す。
【0040】(比較例1)クロロプレンゴムを主成分と
した実施例1と同じゴム組成物で、図1に示すようなト
ランスファー成形装置を用いて幅300mm×周長36
0mm×厚み0.50mmの転写ベルトを製造した。製
造条件については、キャビティ内を減圧しなかった以外
は実施例1とまったく同じ条件で製造した。実施例1と
同様に得られた転写ベルトを観察して、表面の外観状
態、製造不良の発生状況より、4段階の評価をつけた。
その結果を表1に示す。
【0041】(比較例2)ミラブルウレタンゴムを主成
分とした実施例3と同じゴム組成物で、図1に示すよう
なトランスファー成形装置を用いて幅300mm×周長
360mm×厚み0.50mmの転写ベルトを製造し
た。製造条件については、キャビティ内を減圧しなかっ
た以外は実施例1とまったく同じ条件で製造した。実施
例1と同様に得られた転写ベルトを観察して、表面の外
観状態、製造不良の発生状況より、4段階の評価をつけ
た。その結果を表1に示す。
【0042】(比較例3)アクリロニトリルゴムを主成
分とした実施例5と同じゴム組成物で、図1に示すよう
なトランスファー成形装置を用いて幅300mm×周長
360mm×厚み0.50mmの転写ベルトを製造し
た。製造条件については、キャビティ内を減圧しなかっ
た以外は実施例1とまったく同じ条件で製造した。実施
例1と同様に得られた転写ベルトを観察して、表面の外
観状態、製造不良の発生状況より、4段階の評価をつけ
た。その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1の結果からわかるように、ゴム組成物
の移送時にキャビティを減圧していない比較例では製造
は可能であるものの、外観不良による製造不良が50%
以上発生するという結果になっているのに対して、キャ
ビティを減圧した実施例1、3、5では不良率が5%程
度にまで低くなっている。
【0045】また、キャビティの表面に離型膜を処理す
ることによって、ほとんど不良を出すことなく外観の良
好な転写ベルトを製造することが可能になっていること
がわかる。
【0046】(実施例7)続いて、金型のキャビティ表
面にフッ素樹脂を含浸したクロムメッキを施して表面粗
度を2μm(Ra)としたもののキャビティ表面をスー
パーフィニッシャーSP−50型(松田精機株式会社
製)を使用し、#2000メッシュの酸化アルミニウム
を静電塗布したフィルム研磨材(3M社製)を用いてフ
ィルム研磨を行った。フィルム研磨前後のキャビティ表
面の粗さを測定した結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】表2の結果からわかるように、表面処理し
た金型のキャビティを研磨処理することによって非常に
平滑な表面とすることができる。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1では背面
に付着させたトナーを被転写体に転写する用途で用いら
れる転写ベルトの製造方法であって、未加硫ゴム組成物
を原料から金型内のキャビティに移送させて成形し、加
硫した後脱型する製造方法において、キャビティ内を減
圧した状態でゴムを移送させることを特徴とする。
【0050】キャビティ内を減圧することによって、ゴ
ムのポットからキャビティへの流れが非常にスムーズに
なり、配合剤の分散がよくなるとともにウェルドライン
などの成形上の問題もおきにくく、均一な導電性を有す
るとともに表面のムラのない転写ベルトを得ることがで
きる。
【0051】請求項2では、キャビティ内を0.1気圧
以下に減圧するとしており、よりゴムが良好に流れて均
一な導電性とともに表面のムラのない条件を提供するこ
とができる。
【0052】請求項3では金型のキャビティ内表面に離
型膜を形成する表面処理を施し、離型剤を用いることな
く製造する転写ベルトの製造方法としており、請求項4
では、離型膜を形成する表面処理がクロムメッキもしく
はクロムメッキ表面にフッ素樹脂を含浸したものもしく
は低摩擦材を含んだニッケル被膜の3種類の表面処理の
うちいずれかである転写ベルトの製造方法としている。
【0053】金型のキャビティ表面に前記のような表面
処理をすることによって、金型の表面に離型剤を使用す
る必要がなくなるので、転写ベルトの表面に離型剤が付
着してムラになってしまうことがなく、形成される画像
の品質を劣化させることもない。
【0054】請求項5では、クロムメッキもしくはクロ
ムメッキ表面にフッ素樹脂を含浸した表面処理もしくは
低摩擦材を含んだニッケル被膜を形成する金型のキャビ
ティ内表面における表面粗さを1〜4μm(Ra)とし
た転写ベルトの製造方法である。
【0055】金型のキャビティ表面粗さをこの範囲に設
定することによって前記のような表面処理が容易に剥離
することがなくなり、長期にわたって離型の効果を持続
することができる。
【0056】請求項6ではクロムメッキもしくはクロム
メッキ表面にフッ素樹脂を含浸した表面処理もしくは低
摩擦材を含んだニッケル皮膜を形成した後に、表面を研
磨することによって表面粗さを5μm(Rz)以下とし
た転写ベルトの製造方法としている。
【0057】金型のキャビティ表面をフィルム研磨し
て、表面粗さを5μm(Rz)以下、好ましくは1〜5
μm(Rz)とすることによって、それで製造した転写
ベルトは平滑で均質な表面状態となり、トナーの離れ性
が向上し、かつ高画質なプリンター用途にも可能な転写
ベルトを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に用いる製造装置の断面図で
ある。
【図2】本発明にて製造される転写ベルトの斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 製造装置 2 原料ポット 3 ホットプレート 4 プランジャー 5 金型 6 キャビティ 7 ベント孔 8 真空ポンプ 9 ホットプレート 10 転写ベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 博之 兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内 Fターム(参考) 2H200 JA25 JB02 JB06 JC02 JC03 JC15 LC03 LC09 LC10 MA03 MA12 MA14 MA20 4F202 AA45 AH12 AJ09 AJ11 AM36 AR02 AR13 CA12 CA27 CB01 CD22 CK11 CP01 CP04 CP05 4F206 AA45 AH12 AJ09 AJ11 AM36 AR06 AR13 JA02 JN26 JQ03 JQ81

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 背面に付着させたトナーを被転写体に転
    写する用途で用いられる転写ベルトの製造方法であっ
    て、未加硫のゴム組成物を原料ポットから金型内のキャ
    ビティに移送させて成形して、加硫した後脱型する製造
    方法において、キャビティ内を減圧した状態でゴム組成
    物を移送させることを特徴とする転写ベルトの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 金型のキャビティ内を0.1気圧以下に
    減圧している請求項1記載の転写ベルトの製造方法。
  3. 【請求項3】 金型のキャビティ内表面に離型膜を形成
    する表面処理を施し、離型剤を用いることなく製造する
    請求項1または2記載の転写ベルトの製造方法。
  4. 【請求項4】 離型膜を形成する表面処理がクロムメッ
    キもしくはクロムメッキ表面にフッ素樹脂を含浸したも
    のもしくは低摩擦材を含んだニッケル被膜の3種類の表
    面処理のうちいずれかである請求項1〜3記載の転写ベ
    ルトの製造方法。
  5. 【請求項5】 クロムメッキもしくはクロムメッキ表面
    にフッ素樹脂を含浸した表面処理もしくは低摩擦材を含
    んだニッケル被膜を形成する金型のキャビティ内表面に
    おける表面粗さを1〜4μm(Ra)とした請求項3〜
    4記載の転写ベルトの製造方法。
  6. 【請求項6】 クロムメッキもしくはクロムメッキ表面
    にフッ素樹脂を含浸した表面処理もしくは低摩擦材を含
    んだニッケル皮膜を形成した後に、表面を研磨すること
    によって表面粗さを5μm(Rz)以下とした請求項3
    〜4記載の転写ベルトの製造方法。
JP2002208955A 2001-07-18 2002-07-17 転写ベルトの製造方法 Pending JP2003098852A (ja)

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