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JP2003079739A - 拡張バルーンカテーテル - Google Patents

拡張バルーンカテーテル

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Publication number
JP2003079739A
JP2003079739A JP2002037410A JP2002037410A JP2003079739A JP 2003079739 A JP2003079739 A JP 2003079739A JP 2002037410 A JP2002037410 A JP 2002037410A JP 2002037410 A JP2002037410 A JP 2002037410A JP 2003079739 A JP2003079739 A JP 2003079739A
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JP
Japan
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balloon
lumen
tip
shaft
balloon catheter
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Pending
Application number
JP2002037410A
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English (en)
Inventor
Akira Kawamata
晃 川又
Haruhiko Masuda
春彦 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消化管等の生体管腔の狭窄部もしくは閉塞部
の拡張を確実に実施できる拡張バルーンカテーテルを提
供する。 【解決手段】 長さ方向に貫通する一つの主内腔と少な
くとも一つの副内腔を有するシャフト、円筒形状部とそ
の両端の略円錐形状部からなるバルーンであって、少な
くとも近位側の略円錐形状部以外のバルーンの部分が生
体粘膜に対して滑り防止手段を具備したバルーン及び先
端チューブより少なくとも構成される拡張バルーンカテ
ーテルにおいて、少なくともバルーンの近位側の略円錐
形状部が透明であることを特徴とする拡張バルーンカテ
ーテル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は拡張バルーンカテー
テルに関する。例えば生体管腔の狭窄部もしくは閉塞部
を拡張する拡張バルーンカテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】拡張バルーンカテーテルは様々な医療処
置に使用されており、身体の内腔の閉塞部や狭窄部を拡
張するために使用される。例えば、拡張バルーンカテー
テルは、動脈硬化症によりくびれた、もしくは狭窄した
血管の内腔を拡張する血管形成術において使用されるこ
とはもとより、腫瘍や、その切除後の吻合処置に起因す
る消化管の狭窄の拡張治療にも頻繁に使用されている。
【0003】消化管の狭窄の拡張に使用される従来の拡
張バルーンカテーテルは、その使用方法により、大きく
以下の2つに分類される。一つは、ガイドワイヤーに沿
わせて、カテーテルのバルーンを狭窄部に配置させるオ
ーバー・ザ・ワイヤー式カテーテルであり、もう一つ
は、ガイドワイヤーを用いずに、直接カテーテルを押し
込むことにより、カテーテルのバルーンを狭窄部に配置
させるオン・ザ・ワイヤー式カテーテルである。前者の
カテーテルは、例えば、もともと屈曲度合の激しい腸管
等の狭窄や、腫瘍切除後の吻合処置により屈曲した位置
に生じた狭窄部などを拡張する時に用いられ、一方、後
者は比較的直線状の消化管、例えば食道などの狭窄部を
拡張する時に用いられる。
【0004】また、近年では、内視鏡を用いてモニター
で観察しながら(以後、直視下という)、バルーンカテ
ーテルによる拡張処置を実施する、いわゆる内視鏡的拡
張術が頻繁に実施されている。この場合、バルーンカテ
ーテルを、体外に位置する内視鏡の鉗子口から内視鏡内
の通路となる鉗子孔へ挿入していき、体内に位置する内
視鏡の鉗子出口から挿通させた状態で拡張処置を行う。
バルーンによる狭窄部もしくは閉塞部の拡張完了の目安
として、直視下で透明なバルーンの近位側の略円錐形状
部を通して狭窄もしくは閉塞状態が解除されたことを観
察し、最終的に内視鏡が狭窄部もしくは閉塞部を通過で
きることを確認した上で、術者は拡張が成功したと判断
する。その後、バルーンカテーテルを内視鏡から抜去
し、内視鏡下で処置部位を観察し、異常な出血などの問
題がないことを確認してから処置は終了となる。
【0005】オン・ザ・ワイヤー式カテーテル及びオー
バー・ザ・ワイヤー式カテーテルのどちらの拡張バルー
ンカテーテルでも、狭窄部もしくは閉塞部にカテーテル
のバルーンを配置後、バルーンを膨張することにより、
狭窄部もしくは閉塞部を拡張させる。しかしながら、従
来の拡張バルーンカテーテルでは、バルーン膨張時にバ
ルーンが狭窄部もしくは閉塞部から滑り、それらの拡張
に失敗するということが頻繁に起きている。バルーンが
滑った場合、術者は、バルーンを一旦収縮させてから、
狭窄部もしくは閉塞部へ再配置させねばならないが、再
収縮させたバルーンは、必ず、最初の収縮状態のバルー
ンよりも嵩張る。これは、従来の拡張バルーンカテーテ
ルに使用される一般的なバルーンが、ポリエチレンテレ
フタレートやナイロンなどの高分子材料をブロー成形し
て作成される、いわゆる賦形バルーンであるため、バル
ーンの収縮時には必ず放射方向に延在するウイングを形
成することが原因であり、最初のバルーンの収縮状態で
は、業者により嵩張りが最小となるように該ウイングは
カテーテルに巻き付けられているが、一旦バルーンを膨
張してしまえば、バルーンを再収縮させても、該ウイン
グはカテーテルに巻き付けられた状態には戻らないから
である。したがって、バルーンが狭窄部もしくは閉塞部
から滑った場合、それらへのバルーンの再配置が非常に
困難となり、最悪の場合、バルーンを再配置できずに拡
張処置を実施できないという問題があった。
【0006】特開平6−169995号公報では、潤滑
性部位と非潤滑性部位とを備えているバルーンを開示し
ているが、バルーンの滑り防止を目的とした非潤滑性部
位として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ナイ
ロンなどの従来の拡張バルーンカテーテルに使用されて
いる高分子材料から構成されているため、バルーンの滑
り防止効果を得ることはできない。特表平11−503
033号公報で開示されているように、バルーンの微粒
子を含ませたポリマー溶液をバルーン全体の表面に塗布
した場合、微粒子により光の透過率が悪くなり、バルー
ンが半透明もしくは不透明になり、直視下でバルーンの
近位側の略円錐形状部を通して狭窄もしくは閉塞状態が
解除されたことを観察できなくなる。そのため、バルー
ンによる狭窄もしくは閉塞部の拡張完了の目安がなくな
り、全く拡張が完了していない状態でバルーンの膨張を
やめてしまう場合が発生し、再度、バルーンを膨張させ
て狭窄もしくは閉塞部を拡張しなければならず、処置時
間が長くなるため、術者、患者の双方の負担になるとい
う問題があった。
【0007】また、従来のオン・ザ・ワイヤー式のバル
ーンカテーテルでは、その構造上、加圧膨張後の再収縮
させたバルーンが嵩張り、内視鏡から抜去できない場合
があった。その構造とは、バルーンの遠位接合部が付設
された先端チップ、およびバルーンの近位接合部が付設
されたシャフトの基端部で、ワイヤーが固定され、バル
ーン内のワイヤー長がつねに一定になる構造である。一
方、拡張バルーンカテーテルのバルーン材料としては、
前述したように一般にポリエチレンテレフタレートなど
のコンプライアンス性が小さい高分子が選択されるが、
それでもバルーンは加圧膨張時に少なからず、軸方向に
伸びてしまう。このバルーンの加圧膨張時の伸びが、一
定長さのワイヤーにより抑えられ、結果として、バルー
ンの引っ込みが発生する。バルーンを収縮させても、決
して、このバルーンの引っ込みは消失せず、この部位が
嵩張り、内視鏡の鉗子口出口でひっかかってしまう。バ
ルーンカテーテルを内視鏡から抜去できない場合、術者
は内視鏡ごとバルーンカテーテルを体外へ抜去しなけれ
ばならず、処置終了までの時間が長くなるばかりではな
く、拡張により出血などが発生した時の対応が遅れるな
どの問題となっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、消化
管等の生体管腔の狭窄部もしくは閉塞部の拡張を確実か
つ迅速に実施できる拡張バルーンカテーテルを提供する
ことにある。また、本発明の別の目的は、消化管等の生
体管腔の狭窄部もしくは閉塞部の拡張処置実施後、確実
に内視鏡から抜去できる拡張バルーンカテーテルを提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(1)長さ方向に貫通する一つの主内腔と少なくとも一
つの副内腔を有するシャフト、円筒形状部とその両端の
略円錐形状部からなるバルーンであって、少なくとも近
位側の略円錐形状部以外のバルーンの部分が生体粘膜に
対して滑り防止手段を具備したバルーン及び先端チュー
ブより少なくとも構成される拡張バルーンカテーテルに
おいて、少なくともバルーンの近位側の略円錐形状部が
透明であることを特徴とする拡張バルーンカテーテル、
(2)長さ方向に貫通する少なくとも1つの内腔を有す
るシャフト、シャフトの一つの内腔に挿通された補強
体、円筒形状部とその両端の略円錐形状部からなるバル
ーンであって、少なくとも近位側の略円錐形状部以外の
バルーンの部分が生体粘膜に対して滑り防止手段を具備
したバルーン及び先端チップより少なくとも構成される
拡張バルーンカテーテルにおいて、少なくともバルーン
の近位側の略円錐形状部が透明であることを特徴とする
拡張バルーンカテーテル、(3)長さ方向に貫通する少
なくとも1つの内腔を有するシャフト、シャフトの一つ
の内腔に挿通された補強体、シャフトの遠位端部に設け
られたバルーン及び先端チップより少なくとも構成され
る拡張バルーンカテーテルにおいて、補強体の先端は先
端チップの内腔で可動であることを特徴とする拡張バル
ーンカテーテル、(4)補強体の先端は先端チップの内
腔で可動である第(2)項記載の拡張バルーンカテーテ
ル、(5)バルーンの近位側の略円錐形状部と円筒形状
部の位置する部位が視覚的に識別できる手段を先端チュ
ーブに設けた(1)記載の拡張バルーンカテーテル、
(6)バルーンの近位側の略円錐形状部と円筒形状部の
位置する部位が視覚的に識別できる手段を補強体に設け
た(2)〜(4)記載のいずれかの拡張バルーンカテー
テルである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、実施例を用いて、本発明を
詳細に説明する。図1は本発明の1実施例となるオーバ
ー・ザ・ワイヤー式の拡張バルーンカテーテルの概略を
示し、また、図2は本発明の1実施例となるオン・ザ・
ワイヤー式の拡張バルーンカテーテルの概略を示す。さ
らに、図3は図1のシャフトの断面図を示し、図4は図
2のシャフトの断面図を示す。また、図5は本発明の別
の実施例となるバルーンを示し、図6は本発明のさらに
別の実施例となるバルーンを示す。図7は本発明の1実
施例となる図2の先端チップの断面を示す図、図8は本
発明の別の実施例となる図2の先端チップの断面を示す
図である。また、図9は本発明の1実施例となる図2に
おける金属チューブを使用した補強体のシャフト遠位端
部への固定状態の断面を示す図であり、図10は本発明
の別の実施例となる図2における金属チューブを使用し
ない場合の補強体のシャフト遠位端部への固定状態を示
す図である。さらに、図11は本発明の1実施例となる
図2における折り畳まれた状態のバルーンにおける先端
チップ内の通路の中での補強体先端の位置を示す断面図
である。また、図12は本発明の1実施例となる図1に
おけるバルーンと先端チューブとの相対位置を示し、図
13は本発明の1実施例となる図2におけるバルーンと
補強体との相対位置を示す。
【0011】図1のオーバー・ザ・ワイヤー式の拡張バ
ルーンカテーテルにおいて、バルーン(1)は、カテー
テルチューブ上の2つの部分において気密的に接合され
ている。カテーテルチューブは軸方向に貫通する一つの
主内腔(7)と、少なくとも一つの副内腔(6)を有す
るシャフト(2)と、軸方向に貫通する1つの内腔を有
する先端チューブ(3)から形成されている。バルーン
(1)の近位接合部(9)は、シャフト(2)の遠位端
部付近に付設されており、また、遠位接合部(10)
は、先端チューブ(3)に付設されている。シャフト
(2)と先端チューブ(3)の接合部はバルーン(1)
内にあり、シャフト(2)の副内腔(6)を通じて、バ
ルーン内に膨張用流体を送ることができる。シャフト
(2)の主内腔(7)は、先端が開口した先端チューブ
(3)の内腔と連通しており、この連通した内腔にガイ
ドワイヤーを挿通したり、造影剤を注入することができ
る。本発明によるオーバー・ザ・ワイヤー式の拡張バル
ーンカテーテルのカテーテルチューブの構造は上記に限
定せず、例えば、内管と外管よりなるコアキシャルタイ
プの構造を有していてもよい。また、X線透視下でバル
ーン(1)の位置を容易に知ることを目的に、バルーン
(1)内の先端チューブ(3)上の適切な位置に、タン
タル、金、白金などのX線不透過性の金属からなるリン
グなどを付設してもよい。
【0012】また、図2のオン・ザ・ワイヤー式拡張バ
ルーンカテーテルにおいて、バルーン(1’)は、シャ
フト(2’)と先端チップ(4)上の2つの部分におい
て気密的に接合されている。シャフト(2’)は、軸方
向に貫通する一つの内腔(8)を有し、該内腔(8)
に、補強体(5)が挿通されているコアキシャルタイプ
の構造を有している。補強体(5)は、ガイドワイヤー
を用いずにカテーテル単体での操作性を向上させるため
のものであり、バルーン(1’)内部でシャフト
(2’)の内腔(8)から延在し、補強体(5)の先端
には先端チップ(4)が付設されている。バルーン
(1’)の近位接合部(9’)はシャフト(2’)の遠
位端部に付設されており、また、遠位接合部(10’)
は先端チップ(4)に付設されており、シャフト
(2’)の内腔(8)はバルーン(1’)内で開口して
いるので、該内腔(8)を通じて、バルーン(1’)内
に膨張用流体を送ることができる。本発明によるオン・
ザ・ワイヤー式拡張バルーンカテーテルのカテーテルチ
ューブの構造は上記に限定せず、例えば、主内腔と副内
腔の2つの内腔を有する2軸タイプの構造を有していて
もよい。この場合、どちらか1つの内腔に補強体を挿通
し、また、少なくとも別の1つの内腔をバルーン内に開
口させることで、バルーン内に膨張用流体を送ることが
できる。
【0013】図1、図2において、バルーン(1、
1’)は、狭窄部もしくは閉塞部の拡張に有効な円筒形
状部(11)と、その両端の略円錐形状部(12、1
3)、接合部(9、9’、10、10’)から構成さ
れ、少なくとも近位側の略円錐形状部(12)以外のバ
ルーンが生体粘膜に対して滑り防止効果を有する表面状
態を具備しており、かつ、少なくともバルーンの近位側
の略円錐形状部(12)が透明である。したがって、バ
ルーン(1、1’)膨張時に狭窄部もしくは閉塞部から
滑ることなく、確実に狭窄部もしくは閉塞部を拡張する
ことが可能である。バルーンに滑り防止機能を付与する
方法としては、例えば、従来の一般的な賦形バルーンの
表面に、物理的な凹凸を具備させることなどが挙げられ
る。バルーンの表面に物理的凹凸を具備させる方法とし
ては、例えば、バルーンの表面に、微粒子を含ませたポ
リマー溶液を外層として塗布することで2層構造のバル
ーンにしたり、または、バルーンの軸方向長に対し、直
交する周方向に輪状のリブを設けたりすることなどが挙
げられる。
【0014】微粒子を含ませたポリマー溶液をバルーン
の表面に塗布する方法としては、例えば、特開表11−
503033号公報で開示されているように、アクリル
樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などのポリマーをベ
ースに、微粒子を含ませたポリマー溶液を塗布すること
などが挙げられる。微粒子としては、直径が1〜20μ
mが好ましく、5〜10μmがより好ましい。微粒子が
1μmより小さいと、滑り防止効果を発生させるに充分
な物理的凹凸を得られないため好ましくなく、また、2
0μmより大きいと、微粒子の溶液中での分散性が悪く
なり、内層となるバルーン表面へ微粒子が均一に分布で
きないため、滑り防止効果が安定しないため好ましくな
い。
【0015】バルーンに周方向のリブを設ける方法とし
ては、特公平3−37949号公報で開示されているよ
うな、パリソンチューブをブロー成形するコールドパリ
ソン法において、例えば、ブロー成形金型に、予め周方
向に輪状の凹部を形成させておくことで、バルーン成形
と同時にリブを容易に形成させることができる。
【0016】上述したようにバルーンの表面全体に物理
的な凹凸を具備させた場合、光の散乱等が影響してバル
ーン(1、1’)の透明性が悪くなる場合がある。しか
しながら、本発明によると、少なくともバルーンの近位
側の略円錐形状部(12)の表面には、物理的な凹凸を
具備させないため、この近位側の略円錐形状部は透明で
あり、狭窄部もしくは閉塞部からバルーンが滑ることな
く確実に拡張を実施でき、かつ、直視下でバルーンの近
位側の略円錐形状部(12)を通して狭窄もしくは閉塞
状態が解除されるのを観察できるため、拡張完了の判断
を間違うことがなく、迅速に拡張処置を行える。また、
バルーン(1、1’)の円筒形状部(11)と近位側の
略円錐形状部(12)の表面状態が異なるため、これら
の境界部を直視下で判別できるため、直視下でも確実に
拡張に有効なバルーンの円筒形状部(11)を、狭窄部
もしくは閉塞部に配置させることができる。
【0017】また、本発明によると、図5に示すように
バルーンの円筒形状部(11)のみの表面に物理的な凹
凸を具備させてもよい。この場合、バルーンの遠位側の
略円錐形状部(13)は滑り防止効果を具備しないた
め、狭窄部もしくは閉塞部へバルーンを配置させる際の
挿入性が向上する。また、バルーンの形状は、図6に示
すように、円筒形状部(11)の両端を略半球形状部
(14)としてもよい。
【0018】少なくともバルーンの近位側の略円錐形状
部(12)の表面に、物理的な凹凸を具備させない方法
としては、例えば、微粒子を含ませたポリマー溶液をバ
ルーンに塗布する場合は、バルーンの近位側の略円錐形
状部を天井側に向けて、バルーンの遠位側の接合部から
円筒形状部と近位側の略円錐形状部との境界部まで微粒
子を含んだポリマー溶液に浸漬させることなどが挙げら
れる。また、ブロー成形金型に、予め周方向に輪状の凹
部を形成させ、バルーン成形と同時にリブを形成させる
場合は、選択的にバルーンの近位側の略円錐形状部にだ
け、周方向に輪状の凹部を形成させないことなどが挙げ
られるが、本発明はこれらの方法に限定しない。
【0019】さらに、本発明によると、図12に示すよ
うに、先端チューブ(3)において、少なくともバルー
ン(1)の近位側の略円錐形状部(12)が相対的に位
置する部位とバルーン(1)の円筒形状部(11)が相
対的に位置する部位との識別が視覚的にできる。また、
図13に示すように、補強体(5)において、少なくと
もバルーン(1’)の近位側の略円錐形状部(12)が
相対的に位置する部位とバルーン(1’)の円筒形状部
(11)が相対的に位置する部位との識別が視覚的にで
きる。したがって、術者は内視鏡下でのバルーン膨張時
に、バルーン(1、1’)の近位側の略円錐形状部(1
2)で狭窄部もしくは閉塞部を不十分に拡張することな
く、確実にバルーン(1、1’)の拡張有効部である円
筒形状部(11)で狭窄部もしくは閉塞部を拡張してい
ることを直視下に判断できるため有用である。視覚的に
識別させる手段としては、例えば、バルーン(1、
1’)の近位側の略円錐形状部(12)が相対的に位置
する先端チューブ(3)または補強体(5)に、先端チ
ューブ(3)または補強体(5)と色が異なる熱収縮チ
ューブを被せること等が挙げられる。
【0020】バルーン(1、1’)の外径は、好ましく
は4mm〜24mm、より好ましくは10mm〜18m
mである。狭窄部もしくは閉塞部を拡張させる時の適切
なバルーン(1、1’)外径は、一般に狭窄もしくは閉
塞前の生体管腔の内径とされているが、4mmより小さ
いか、または24mmより大きい内径の生体管腔はほと
んどない。また、バルーン(1、1’)の拡張に有効な
円筒形状部の長さは、好ましくは20mm〜80mm、
より好ましくは40mm〜60mmである。20mmよ
り短いと、狭窄部もしくは閉塞部へのバルーンの配置が
困難になるため好ましくなく、また、80mmより長い
直線状の生体管腔はほとんどなく、実用性の面からも好
ましくない。
【0021】シャフト(2、2’)、先端チューブ
(3)は、例えば、ナイロン複合材料やポリウレタン複
合材料、またはポリエチレン複合材料を押出成形により
作成することができ、シャフト(2、2’)に造影性を
具備させることを目的に、例えば、酸化ビスマスや次炭
酸ビスマスなどの造影性物質を複合させることもでき
る。シャフト(2、2’)の外径は、内視鏡の鉗子口へ
の挿入性、およびバルーン膨張用の流体が無理なく通る
ことができる程度の内腔(6、8)を保つために、1.
5〜3mmが好ましい。また、シャフト(2、2’)の
長さは、内視鏡の鉗子孔に挿入して手技を実施できるよ
うに、鉗子孔の長さより大きいことが必要であるが、長
すぎるとカテーテルの操作性が悪くなるため、150〜
200cmが好ましい。
【0022】本発明によるオーバー・ザ・ワイヤー式拡
張バルーンカテーテルに用いられる先端チューブ(3)
の外径は一般的にシャフト(2)の外径より小さく、ガ
イドワイヤーを無理なく挿通出来る内腔を確保できれば
よい。先端チューブ(3)の先端形状は狭窄部もしくは
閉塞部への挿通性を向上させるためにテーパー加工され
ていることが好ましい。
【0023】また、本発明によるオン・ザ・ワイヤー式
拡張バルーンカテーテルでは、図7、図8に示すよう
に、先端チップ(4)には、補強体(5)の先端部が前
後に可動できる内腔(15)を有することができる。そ
のため、バルーン(1’)が加圧膨張時に少なからず軸
方向に伸びた場合でも、補強体(5)により一定の長さ
に抑えられることがないため、バルーン(1’)の引っ
込みが発生しない。したがって、従来のバルーンカテー
テルとは異なり、収縮時にバルーン(1’)の引っ込み
による嵩張りがないため、内視鏡の鉗子口出口でバルー
ン(1’)が引っかかることなく、確実にバルーンカテ
ーテルを内視鏡から抜去できる。
【0024】本発明によるオン・ザ・ワイヤー式拡張バ
ルーンカテーテルに用いられる先端チップ(4)の材料
としては、ある程度の柔軟性および耐キンク性を有する
ものが好ましく、例えば、ナイロンエラストマーやポリ
ウレタンエラストマーなどが挙げられる。先端チップ
(4)の先端形状は、消化管の穿孔防止のため、丸みが
あることが好ましい。さらに先端チップには図8に示す
ように、耐キンク性の向上や補強体(5)の先端が先端
チップ(4)から突出する危険性を低減させるために、
先端チップの内腔(15)の周囲に補強材(16)を付
設してもよい。補強材(16)としては、バネ、コイ
ル、金属メッシュなどが挙げられる。また、補強体
(5)の材料としては、プッシャビリティー、およびコ
ストの点から金属が好ましく、また、バネ用高張力ステ
ンレス鋼などのステンレス鋼がさらに好ましい。耐キン
ク性の向上を目的に、例えば、ニチノール(ニッケル−
チタン合金)のような超弾性金属を用いても良い。ま
た、補強体としては単線が好ましいが、本発明はこれに
限定せず、例えば、縒り線であっても良い。補強体が縒
り線の場合、超弾性金属を用いることなく、耐キンク性
を向上させることが可能である。さらに、補強体(5)
の先端形状としては丸みがあることが好ましい。
【0025】補強体(5)のシャフト(2’)の遠位端
部への固定は、例えば、シャフト(2’)の遠位側の内
腔に金属製チューブ(17)を付設し、これに補強体
(5)を半田付けや蝋付けすることにより行うことがで
きる。このような固定方法を利用する場合、さらに、バ
ルーン(1’)の近位接合部(9’)の嵩張りを小さく
することを目的に、図9に示すように、金属製チューブ
(17)の遠位側にバルーン(1’)の近位接合部
(9’)を付設し、金属製チューブ(17)の近位側に
シャフト(2’)の遠位端部を付設しても良い。また、
コストダウンを目的に、金属製チューブ(17)を用い
ることなく、図10に示すように、バルーン(1’)の
内部までシャフト(2’)を延在させ、バルーン
(1’)内部で開口している内腔(8)を塞がない状態
で、シャフト延在部(18)と補強体(5)とを適切な
接着剤などで固定することも可能である。この場合、シ
ャフト延在部(18)は、嵩張りを小さくするようにテ
ーパー形状であることが好ましい。また、シャフト延在
部(18)の遠位端部の位置をバルーン(1’)内で適
切に調整することで、内視鏡下にバルーン(1’)の拡
張有効部の近位端部を判別でき、確実に狭窄部もしくは
閉塞部にバルーン(1’)の拡張有効部を配置させるこ
とも可能である。
【0026】また、折り畳まれた状態のバルーン(1
9)において、先端チップ(4)の内腔(15)の中で
の補強体(5)の先端部の位置は、バルーン(1’)の
加圧膨張時でも、つねに内腔(15)から補強体(5)
の先端部が出ないような位置にしておくことが必要であ
るが、他は特に限定しない。例えば、図11に示すよう
に、内腔(15)の遠位端部で、補強体(5)の先端部
が突き当たっていても良い。また、折り畳まれた状態に
おいても、図8に示すように、内腔(15)の遠位端部
と補強体(5)の先端部との間に所定の間隔があっても
良く、この場合、先端チップ(4)の耐キンク性を向上
させるために、前述の補強材(16)を付設することが
特に好ましい。
【0027】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明による
拡張バルーンカテーテルは、消化管等の生体管腔の狭窄
部もしくは閉塞部の拡張を確実に実施できる医療用具と
してきわめて有用である。また、本発明による拡張バル
ーンカテーテルは、内視鏡的拡張術において、消化管等
の生体管腔の狭窄部もしくは閉塞部の拡張処置実施後、
確実に内視鏡から抜去できる医療用具としてきわめて有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例となるオーバー・ザ・ワイヤ
ー式の拡張バルーンカテーテルの概略を示す。
【図2】本発明の1実施例となるオン・ザ・ワイヤー式
の拡張バルーンカテーテルの概略を示す。
【図3】本発明の1実施例となるオーバー・ザ・ワイヤ
ー式の拡張バルーンカテーテルのシャフトの断面図を示
す。
【図4】本発明の1実施例となるオン・ザ・ワイヤー式
の拡張バルーンカテーテルのシャフトの断面図を示す。
【図5】本発明の別の実施例となるバルーンを示す。
【図6】本発明のさらに別の実施例となるバルーンを示
す。
【図7】本発明の1実施例となるオン・ザ・ワイヤー式
の拡張バルーンカテーテルの先端チップの断面図を示
す。
【図8】本発明の別の実施例となるオン・ザ・ワイヤー
式の拡張バルーンカテーテルの先端チップの断面図を示
す。
【図9】本発明の別の実施例となるオン・ザ・ワイヤー
式の拡張バルーンカテーテルの金属チューブ使用した場
合の補強体のシャフトの遠位端部への固定状態の断面を
示す図である。
【図10】本発明の別の実施例となるオン・ザ・ワイヤ
ー式の拡張バルーンカテーテルの金属チューブを使用し
ない場合の補強体のシャフトの遠位端部への固定状態を
示す図である。
【図11】本発明の1実施例となるオン・ザ・ワイヤー
式の拡張バルーンカテーテルの折り畳まれた状態のバル
ーンにおける先端チップ内の通路の中での補強体先端の
位置を示す断面図である。
【図12】本発明の1実施例となるオーバー・ザ・ワイ
ヤー式の拡張バルーンカテーテルにおけるバルーンと先
端チューブとの相対位置を示す図である。
【図13】本発明の1実施例となるオン・ザ・ワイヤー
式の拡張バルーンカテーテルにおけるバルーンと補強体
との相対位置を示す図である。
【符号の説明】
1、1’ バルーン 2、2’ シャフト 3 先端チューブ 4 先端チップ 5 補強体 6 副内腔 7 主内腔 8 内腔 9、9’ 近位接合部 10、10’ 遠位接合部 11 円筒形状部 12 近位側の略円錐形状部 13 遠位側の略円錐形状部 14 略半球形状部 15 (先端チップの)内腔 16 補強材 17 金属製チューブ 18 シャフト延在部 19 折り畳まれた状態のバルーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C060 MM24 MM25 MM26 4C167 AA07 BB02 BB05 BB06 BB07 BB09 BB10 BB11 BB12 BB26 BB28 BB38 BB40 CC07 CC09 CC20 CC23 CC29 DD01 GG34 HH11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向に貫通する一つの主内腔と少な
    くとも一つの副内腔を有するシャフト、円筒形状部とそ
    の両端の略円錐形状部からなるバルーンであって、少な
    くとも近位側の略円錐形状部以外のバルーンの部分が生
    体粘膜に対して滑り防止手段を具備したバルーン及び先
    端チューブより少なくとも構成される拡張バルーンカテ
    ーテルにおいて、少なくともバルーンの近位側の略円錐
    形状部が透明であることを特徴とする拡張バルーンカテ
    ーテル。
  2. 【請求項2】 長さ方向に貫通する少なくとも1つの内
    腔を有するシャフト、シャフトの一つの内腔に挿通され
    た補強体、円筒形状部とその両端の略円錐形状部からな
    るバルーンであって、少なくとも近位側の略円錐形状部
    以外のバルーンの部分が生体粘膜に対して滑り防止手段
    を具備したバルーン及び先端チップより少なくとも構成
    される拡張バルーンカテーテルにおいて、少なくともバ
    ルーンの近位側の略円錐形状部が透明であることを特徴
    とする拡張バルーンカテーテル。
  3. 【請求項3】 長さ方向に貫通する少なくとも1つの内
    腔を有するシャフト、シャフトの一つの内腔に挿通され
    た補強体、シャフトの遠位端部に設けられたバルーン及
    び先端チップより少なくとも構成される拡張バルーンカ
    テーテルにおいて、補強体の先端は先端チップの内腔で
    可動であることを特徴とする拡張バルーンカテーテル。
  4. 【請求項4】 補強体の先端は先端チップの内腔で可動
    である請求項2記載の拡張バルーンカテーテル。
  5. 【請求項5】 バルーンの近位側の略円錐形状部と円筒
    形状部の位置する部位が視覚的に識別できる手段を先端
    チューブに設けた請求項1記載の拡張バルーンカテーテ
    ル。
  6. 【請求項6】 バルーンの近位側の略円錐形状部と円筒
    形状部の位置する部位が視覚的に識別できる手段を補強
    体に設けた請求項2〜4記載のいずれかの拡張バルーン
    カテーテル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015029562A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 フクダ電子株式会社 バルーンカテーテル及びバルーンカテーテルに用いられるバルーンの製造方法

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