JP2003055278A - ヘキサフルオロエタンの製造方法およびその用途 - Google Patents
ヘキサフルオロエタンの製造方法およびその用途Info
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Abstract
あるいはクリーニングガスとして使用することができる
高純度のヘキサフルオロエタンを製造する方法およびそ
の用途を提供する。 【解決手段】 ヘキサフルオロエタンとクロロトリフル
オロメタンを含む混合ガスを、フッ素化触媒の存在下、
フッ化水素と気相で200〜450℃で反応させて、前
記クロロトリフルオロメタンをフッ素化する工程を含む
製造方法。
Description
タンの製造方法およびその用途に関する。
は、例えば半導体のクリーニングガスやエッチングガス
などに使用される。CF3CF3の製造方法に関しては、
従来から様々な方法が知られている。例えば、(1)エ
タンおよび/またはエチレンを原料とする電解フッ素化
法、(2)四フッ化エチレン等を熱分解する熱分解法、
(3)アセチレン、エチレンおよび/またはエタン等を
金属フッ化物を用いてフッ素化する方法、(4)ジクロ
ロテトラフルオロエタンあるいはクロロペンタフルオロ
エタン等を、フッ素化触媒の存在下、フッ化水素を用い
てフッ素化する方法、(5)テトラフルオロエタンおよ
び/またはペンタフルオロエタンとフッ素ガスとを反応
させる直接フッ素化法、等が挙げられる。
造方法を用いると、生成したCF3CF3中には出発原料
に由来する化合物や反応によって新たに生成する化合物
が不純物として含まれる。これらの不純物で特に問題と
なるのはCF3CF3と分離が困難な含塩素化合物であ
る。
いると、生成したCF3CF3中には出発原料に由来する
化合物や反応によって新たに生成する化合物が不純物と
して含まれる。これらの不純物においても、CF3CF3
と分離が困難な含塩素化合物が問題となる。このため、
フッ素ガスとの反応を行う前に出発原料に含まれる含塩
素化合物を低減するために精製を行ってもよいが、従来
から知られている精製方法は工業的に実施するには困難
な場合が多い。
ては,クロロメタン、クロロジフルオロメタン、クロロ
トリフロオロメタン、クロロペンタフルオロエタン、ジ
クロロテトラフルオロエタン、クロロテトラフルオロエ
タン、クロロトリフルオロエタン、クロロトリフルオロ
エチレン等の化合物が挙げられる。
フルオロメタンはCF3CF3と共沸混合物を形成するた
め分離が困難な化合物である。このクロロトリフルオロ
メタンを含むCF3CF3を精製する方法としては、例え
ば、米国特許第5523499号公報には、不純物とし
てトリフルオロメタン(CHF3)やクロロトリフルオ
ロメタン(CClF3)を含むCF3CF3を、活性炭、
モレキュラーシーブス等の吸着剤と接触させて、不純物
を吸着除去する方法が記載されている。
純物の含有量にもよるが、定常運転の場合、ほぼ一定の
期間ごとに吸着剤を再生しなければならず、そのための
設備が必要となる。また、例えば吸着塔を2基設置し、
不純物を吸着する工程と吸着剤を再生する工程を交互に
切り替えて運転する方法を用いれば、大量のガスを連続
的に処理することが可能となるが、吸着除去したクロロ
トリフルオロメタンはオゾン層を破壊すると言われる特
定フロンの1種であり、そのまま大気に放出することは
できないので何らかの方法を用いて無害化しなければな
らない。
背景の下になされたものであって、半導体デバイスの製
造工程でエッチングガスあるいはクリーニングガスとし
て使用することができる高純度のヘキサフルオロエタン
を工業的に有利に製造する方法およびその用途を提供す
ることを課題とする。
題を解決すべく鋭意検討した結果、ヘキサフルオロエタ
ンとクロロトリフルオロメタンを含む混合ガスを、フッ
素化触媒の存在下、フッ化水素と気相で200〜450
℃で反応させて、前記クロロトリフルオロメタンをフッ
素化する工程を含む製造方法を用いれば前記の課題を解
決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の[1]〜[16]に示されるヘキサフル
オロエタンの製造方法およびその用途である。
フルオロメタンを含む混合ガスを、フッ素化触媒の存在
下、フッ化水素と気相で200〜450℃で反応させ
て、前記クロロトリフルオロメタンをフッ素化する工程
を含むことを特徴とするヘキサフルオロエタンの製造方
法。 [2]フッ素化触媒が、3価の酸化クロムを主成分とす
る担持型触媒または塊状型触媒である上記[1]に記載
のヘキサフルオロエタンの製造方法。 [3]フッ化水素と前記混合ガスのモル比(フッ化水素
/ヘキサフルオロエタンとクロロトリフルオロメタンを
含む混合ガス)が0.05〜10である上記[1]また
は[2]に記載のヘキサフルオロエタンの製造方法。 [4]前記混合ガスに含まれるクロロトリフルオロメタ
ンの濃度が0.1vol%以下である上記[1]〜
[3]のいずれかに記載のヘキサフルオロエタンの製造
方法。 [5]前記混合ガスが、ジクロロテトラフルオロエタン
および/またはクロロペンタフルオロエタンを、フッ素
化触媒の存在下、フッ化水素と気相で反応させて得られ
る混合ガスである上記[1]〜[4]のいずれかに記載
のヘキサフルオロエタンの製造方法。
タンおよび/またはペンタフルオロエタンとフッ素ガス
とを反応させて得られる混合ガスである上記[1]〜
[4]のいずれかに記載のヘキサフルオロエタンの製造
方法。 [7]次の(1)および(2)の工程を含むことを特徴
とするヘキサフルオロエタンの製造方法。 (1)ヘキサフルオロエタンとクロロトリフルオロメタ
ンを含む混合ガスを、フッ素化触媒の存在下、フッ化水
素と気相で200〜450℃で反応させて、前記クロロ
トリフルオロメタンをフッ素化してテトラフルオロメタ
ンに変換する工程 (2)前記工程(1)で得られる、ヘキサフルオロエタ
ンとテトラフルオロメタンを含む混合ガスを蒸留し、精
製されたヘキサフルオロエタンを得る工程 [8]前記工程(1)のフッ素化触媒が、3価の酸化ク
ロムを主成分とする担持型触媒または塊状型触媒である
上記[7]に記載のヘキサフルオロエタンの製造方法。 [9]前記工程(1)において、フッ化水素と前記混合
ガスのモル比(フッ化水素/ヘキサフルオロエタンとク
ロロトリフルオロメタンを含む混合ガス)が0.05〜
10である上記[7]または[8]に記載のヘキサフル
オロエタンの製造方法。 [10]前記工程(1)の混合ガスに含まれるクロロト
リフルオロメタンの濃度が0.1vol%以下である上
記[7]〜[9]のいずれかに記載のヘキサフルオロエ
タンの製造方法。
クロロテトラフルオロエタンおよび/またはクロロペン
タフルオロエタンを、フッ素化触媒の存在下、フッ化水
素と気相で反応させて得られる混合ガスである上記
[7]〜[10]のいずれかに記載のヘキサフルオロエ
タンの製造方法。 [12]前記工程(1)の混合ガスが、テトラフルオロ
エタンおよび/またはペンタフルオロエタンとフッ素ガ
スとを反応させて得られる混合ガスである上記[7]〜
[10]のいずれかに記載のヘキサフルオロエタンの製
造方法。 [13]上記[1]〜[12]のいずれかに記載の製造
方法を用いて得られ、純度が99.9997vol%以
上であるヘキサフルオロエタンを含むことを特徴とする
ヘキサフルオロエタン製品。 [14]前記ヘキサフルオロエタン中に含まれるクロロ
トリフルオロメタンの含有量が1volppm以下であ
る上記[13]に記載のヘキサフルオロエタン製品。 [15]上記[13]または[14]に記載のヘキサフ
ルオロエタン製品を含むことを特徴とするエッチングガ
ス。 [16]上記[13]または[14]に記載のヘキサフ
ルオロエタン製品を含むことを特徴とするクリーニング
ガス。
ンとクロロトリフルオロメタンを含む混合ガスを、フッ
素化触媒の存在下、フッ化水素と気相で200〜450
℃で反応させて、前記クロロトリフルオロメタンをフッ
素化する工程を含むことを特徴とするヘキサフルオロエ
タンの製造方法」、「(1)ヘキサフルオロエタンとク
ロロトリフルオロメタンを含む混合ガスを、フッ素化触
媒の存在下、フッ化水素と気相で200〜450℃で反
応させて、前記クロロトリフルオロメタンをフッ素化し
てテトラフルオロメタンに変換する工程、および(2)
前記(1)の工程で得られる、ヘキサフルオロエタンと
テトラフルオロメタンを含む混合ガスを蒸留し、精製さ
れたヘキサフルオロエタンを得る工程、を含むことを特
徴とするヘキサフルオロエタンの製造方法」、「前記の
いずれかの製造方法を用いて得られ、純度が99.99
97vol%以上であるヘキサフルオロエタンを含むこ
とを特徴とするヘキサフルオロエタン製品」および「前
記のヘキサフルオロエタン製品を含むことを特徴とする
エッチングガスおよびクリーニングガス」等に関する。
エタンの製造方法について詳しく説明する。ヘキサフル
オロエタンの製造方法としては、前述したように従来よ
り様々な方法が知られている。これらのうち、工業的に
安全で経済的な方法としては、(1)ジクロロテトラフ
ルオロエタンあるいはクロロペンタフルオロエタン等
を、フッ素化触媒の存在下、フッ化水素を用いてフッ素
化する方法、(2)テトラフルオロエタンおよび/また
はペンタフルオロエタンとフッ素ガスとを反応させる方
法、が挙げられる。
て、出発原料として用いられるジクロロテトラフルオロ
エタン、クロロペンタフルオロエタン、ペンタフルオロ
エタン等の化合物は、例えばテトラクロロエチレン(C
Cl2=CCl2)を出発原料として製造することがで
き、またテトラフルオロエタン等の化合物はトリクロロ
エチレン(CHCl=CCl2)を出発原料として製造
することができる。したがって、どちらの方法を用いた
場合も、生成したヘキサフルオロエタン中には原料由来
の含塩素化合物が不純物として含まれ、さらに反応温度
が高くなるに従って不純物が増加する傾向が見られる。
タフルオロエタン(CF3CHF2)中には前記の含塩素
化合物が不純物として含まれている。この含塩素化合物
を含むペンタフルオロエタンとフッ素ガスとを直接フッ
素化反応させてCF3CF3を製造する場合、ペンタフル
オロエタン中に含まれる含塩素化合物とフッ素ガスとの
反応によって、例えば塩素、塩化水素、フッ化塩素、あ
るいは異種のクロロフルオロカーボン類が生成する。例
えば不純物として含まれているクロロジフルオロメタン
は、フッ素ガスと反応してクロロトリフルオロメタンを
生成する。このクロロトリフルオロメタンはCF3CF3
と共沸混合物を形成するため、蒸留を行っても分離する
ことは非常に困難な化合物である。
は、この分離が非常に困難なクロロトリフルオロメタン
とヘキサフルオロエタンを含む混合ガスを、フッ素化触
媒の存在下、フッ化水素と気相で200〜450℃で反
応させて、前記のクロロトリフルオロメタンをフッ素化
する工程を含むことを特徴とする。前記の混合ガスはヘ
キサフルオロエタンを99.9vol%以上含み、さら
に不純物としてクロロトリフルオロメタンを含む混合ガ
スである。
に用いられるフッ素化触媒としては、3価の酸化クロム
を主成分とし、ニッケル、亜鉛、インジウムおよび/ま
たはガリウムがクロムに対して原子比で0.01〜0.
6の割合で含まれる触媒を用いることが好ましい。触媒
の形態としては、担持型触媒や塊状型触媒がよく、担持
型触媒の場合は担体として活性炭、アルミナ、部分フッ
素化されたアルミナ等が好ましく、前記成分の担持率と
しては30質量%以下が好ましい。
オロエタンとクロロトリフルオロメタンを含む混合ガス
とフッ化水素とを反応させる温度は200〜450℃で
あり、250〜400℃が好ましい。反応温度が200
℃より低いとクロロトリフルオロメタンがフッ素化され
にくくなり、反応温度が450℃より高いと触媒寿命が
短くなり、不純物が増加する傾向が見られる。
混合ガスのモル比(フッ化水素/ヘキサフルオロエタン
とクロロトリフルオロメタンを含む混合ガス)は、0.
05〜10の範囲が好ましく、0.05〜5の範囲がさ
らに好ましい。フッ化水素と混合ガスのモル比が0.0
5より小さいと、副反応等による異種のクロロフルオロ
カーボンが生成し易くなる傾向が見られ、10より大き
いと反応器を大きくしなければならず、また未反応のフ
ッ化水素を回収する等の問題が生じ経済的でなく好まし
くない。
ルオロメタンの濃度は前記混合ガスの0.1vol%以
下が好ましく、0.05vol%以下がさらに好まし
い。前記の混合ガスは、ジクロロテトラフルオロエタン
および/またはクロロペンタフルオロエタンを、フッ素
化触媒の存在下、フッ化水素と気相で反応させて得られ
る混合ガスであることが好ましい。また、前記の混合ガ
スは、テトラフルオロエタンおよび/またはペンタフル
オロエタンとフッ素ガスとを反応させて得られる混合ガ
スであることが好ましい。
造方法は、次の(1)および(2)の工程を含むことを
特徴とする。 (1)ヘキサフルオロエタンとクロロトリフルオロメタ
ンを含む混合ガスを、フッ素化触媒の存在下、フッ化水
素と気相で200〜450℃で反応させて、前記クロロ
トリフルオロメタンをフッ素化してテトラフルオロメタ
ンに変換する工程 (2)前記工程(1)で得られる、ヘキサフルオロエタ
ンとテトラフルオロメタンを含む混合ガスを蒸留し、精
製されたヘキサフルオロエタンを得る工程
フルオロメタンは、フッ素化触媒の存在下、フッ化水素
と反応してテトラフルオロメタン(CF4)を生成す
る。 CClF3+HF → CF4+HCl (1) ヘキサフルオロエタンは反応せず、不純物であるクロロ
トリフルオロメタンがフッ化水素と反応する。生成した
CF4とCF3CF3との沸点差は約50℃となり、また
CF4とCF3CF3は共沸混合物を形成しないので公知
の蒸留操作によって容易に分離することが可能となる。
クロムを主成分とする担持型触媒または塊状型触媒であ
ることが好ましい。また、工程(1)において、フッ化
水素と前記混合ガスのモル比(フッ化水素/ヘキサフル
オロエタンとクロロトリフルオロメタンを含む混合ガ
ス)が0.05〜10であることが好ましく、工程
(1)の混合ガスに含まれるクロロトリフルオロメタン
の濃度が0.1vol%以下であることが好ましい。
フルオロエタンおよび/またはクロロペンタフルオロエ
タンを、フッ素化触媒の存在下、フッ化水素と気相で反
応させて得られる混合ガスであることが好ましい。ま
た、工程(1)の混合ガスは、テトラフルオロエタンお
よび/またはペンタフルオロエタンとフッ素ガスとを反
応させて得られる混合ガスであることが好ましい。
した塩酸と過剰に使用したフッ化水素からなる酸分を除
去する方法としては、例えば精製剤と接触させる方法、
水やアルカリ水溶液等と接触させる方法等を用いること
ができる。また酸分を除去した後のCF3CF3を主成分
とするガスは、例えばゼオライト等の脱水剤を用いて脱
水を行い、低沸点留分のカット等の蒸留操作を行うこと
により高純度のCF3CF3として得ることができる。
997vol%以上のヘキサフルオロエタンを得ること
ができる。その場合、不純物として含まれるクロロトリ
フルオロメタンは1volppm以下である。純度が9
9.9997vol%以上であるCF3CF3は、ガスク
ロマトグラフ(GC)のTCD法、FID法(いずれも
プレカット法を含む)、ECD法あるいはカスクロマト
グラフ質量分析計(GC−MS)等の機器を用いて分析
することができる。
高純度のヘキサフルオロエタンの用途について説明す
る。高純度のCF3CF3、あるいはHe、N2、Ar等
の不活性ガス、O2、NF3等のガスとの混合ガス(本発
明においては、あわせて「ヘキサフルオロエタン製品」
という。)は、半導体デバイス製造工程の中のエッチン
グ工程におけるエッチングガスとして用いることができ
る。また、半導体デバイス製造工程の中のクリーニング
工程におけるクリーニングガスとして用いることができ
る。LSIやTFT等の半導体デバイスの製造プロセス
では、CVD法、スパッタリング法あるいは蒸着法など
を用いて薄膜や厚膜を形成し、回路パターンを形成する
ためにエッチングを行う。また、薄膜や厚膜を形成する
装置においては、装置内壁、冶具等に堆積した不要な堆
積物を除去するためのクリーニングが行われる。これは
不要な堆積物が生成するとパーティクル発生の原因とな
るためであり、良質な膜を製造するためには随時除去す
る必要がある。
ラズマエッチング、マイクロ波エッチング等の各種ドラ
イエッチング条件で行うことができ、CF3CF3とH
e、N 2、Ar等の不活性ガス、あるいはHCl、O2、
H2、F2、NF3等のガスと適切な割合で混合して使用
してもよい。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
ン(CCl2=CCl2)をモレキュラーシーブス4A
(ユニオン昭和株式会社製)と接触させてテトラクロロ
エチレンに含まれている安定剤と水分を除去した後、ク
ロム系フッ素化触媒の存在下、フッ化水素(HF)と反
応させた(第1反応:反応圧力0.4MPa、反応温度
320℃、HF/テトラクロロエチレン=8(モル
比))。次いで、第1反応で得られた、主としてジクロ
ロトリフルオロエタン(CF3CHCl2)とクロロテト
ラフルオロエタン(CF3CHClF)をフッ化水素と
反応させた(第2反応:反応圧力0.45MPa、反応
温度330℃、HF/(CF3CHCl2+CF3CHC
lF)=6(モル比)。第2反応終了後、公知の方法を
用いて酸分を除去し、蒸留精製を行い、主としてペンタ
フルオロエタンを主成分とする留出物を得た。この留出
物をガスクロマトグラフを用いて分析したところ、表1
に示した組成を有するペンタフルオロエタンであった。
製造例 内径20.6mm、長さ500mmのインコネル600
製反応器(電気ヒーター加熱方式:フッ素ガスで温度5
00℃で不動態化処理実施済)に、2つのガス導入口か
ら合計30NL/hの流速で窒素ガスを流し、反応器内
の温度を380℃に保持した。次に、前記の2つのガス
導入口から合計50NL/hの流速でフッ化水素を流
し、一方のガス導入口から前記の原料ガスの製造例で得
られたペンタフルオロエタンを3.6NL/hの流速で
導入した。また他方のガス導入口から、3.9NL/h
の流速でフッ素ガスを導入してフッ素化反応を行った。
反応器からの出口ガスを水酸化カリウム水溶液およびヨ
ウ化カリウム水溶液と接触させ、出口ガス中に含まれる
フッ化水素および未反応フッ素ガスを除去した。次いで
脱水剤と接触させて乾燥し、乾燥したガスを冷却捕集
し、蒸留して精製を行った。精製後のヘキサフルオロエ
タンをガスクロマトグラフを用いて分析し、その結果を
表2に示した。
純水1.2Lに452gのCr(NO3)3・9H2Oと4
2gのIn(NO3)3・nH2O(nは約5)を溶かし
た溶液と、0.31Lの28%アンモニア水とを、反応
液のPHが7.5〜8.5の範囲内になるように、2種
の水溶液の流量をコントロールしながら約1時間かけて
滴下した。得られたスラリーを濾別し、濾別した固形物
を純水でよく洗浄した後、120℃で12時間乾燥し
た。乾燥した固形物を粉砕後、黒鉛と混合し、打錠成型
器によってペレットを作製した。このペレットを窒素気
流下、400℃で4時間焼成して触媒前駆体とした。次
に触媒前駆体をインコネル製反応器に充填し、先ず常圧
下350℃で窒素希釈したフッ化水素気流下でフッ素化
処理(触媒の活性化)を行った。次いで100%フッ化
水素気流下で、さらに窒素希釈したフッ化水素気流下で
400℃でフッ素化処理(触媒の活性化)を行い、触媒
を調製した。
例1 内径1インチ、長さ1mのインコネル600型反応器
に、実施例2で得られた触媒150mlを充填し,窒素
ガスを流しながら温度を280℃に保持した。次にフッ
化水素を1.5NL/hで供給し、表2に示した組成を
有する原料ヘキサフルオロエタンを3.5NL/hで供
給した。その後、窒素ガスの供給を停止し、反応を開始
した。3時間後、反応器からの出口ガスを水酸化カリウ
ム水溶液で洗浄して酸分を除去した後、ガスの組成をガ
スクロマトグラフで分析したところ、表3に示した組成
を有するヘキサフルオロエタンであった。
エタン中に含まれるクロロトリフルオロメタンはテトラ
フルオロメタンに変換することができる。次に、前記の
反応を行い、酸分を除去したガスを脱水剤と接触させ、
乾燥して冷却捕集し、公知の方法により蒸留を行って精
製した。蒸留を行って得られたヘキサフルオロエタンを
ガスクロマトグラフで分析し、その結果を表4に示し
た。
度は99.9997vol%以上であり、クロロトリフ
ルオロメタンの含有量は0.5volppm未満であっ
た。不純物の分析方法は、ガスクロマトグラフのTCD
法、FID法、ECD法、およびGC−MS法を用い
た。
例2 内径1インチ、長さ1mのインコネル600型反応器
に、実施例2で得られた触媒100mlを充填し、窒素
ガスを流しながら温度を400℃に保持した。次にフッ
化水素を10NL/hで供給し、表2に示した組成を有
する原料ヘキサフルオロエタンを10NL/hで供給し
た。その後、窒素ガスの供給を停止し、反応を開始し
た。3時間後、反応器からの出口ガスを実施例3と同様
に酸分除去を行った後にガスクロマトグラフを用いて分
析した。その結果、表5に示した組成を有するヘキサフ
ルオロエタンであった。
出限界以下を表し、数値としては0.1volppm未
満を意味する。従って、CClF3の含有量は0.1v
olppm未満であった。次に、実施例3と同様にして
脱水した上記生成ガスを冷却捕集し、同様の条件で蒸留
を行って得られたヘキサフルオロエタンをガスクロマト
グラフで分析し、その結果を表6に示した。
の含有量は0.1volppm未満であり、高純度のヘ
キサフルオロエタンが得られた。
を用いれば高純度のCF3CF3を得ることができる。本
発明の方法で得られたCF3CF3は半導体デバイス製造
工程におけるエッチングガスあるいはクリーニングガス
として用いることができる。
Claims (16)
- 【請求項1】 ヘキサフルオロエタンとクロロトリフル
オロメタンを含む混合ガスを、フッ素化触媒の存在下、
フッ化水素と気相で200〜450℃で反応させて、前
記クロロトリフルオロメタンをフッ素化する工程を含む
ことを特徴とするヘキサフルオロエタンの製造方法。 - 【請求項2】 フッ素化触媒が、3価の酸化クロムを主
成分とする担持型触媒または塊状型触媒である請求項1
に記載のヘキサフルオロエタンの製造方法。 - 【請求項3】 フッ化水素と前記混合ガスのモル比(フ
ッ化水素/ヘキサフルオロエタンとクロロトリフルオロ
メタンを含む混合ガス)が0.05〜10である請求項
1または2に記載のヘキサフルオロエタンの製造方法。 - 【請求項4】 前記混合ガスに含まれるクロロトリフル
オロメタンの濃度が0.1vol%以下である請求項1
〜3のいずれかに記載のヘキサフルオロエタンの製造方
法。 - 【請求項5】 前記混合ガスが、ジクロロテトラフルオ
ロエタンおよび/またはクロロペンタフルオロエタン
を、フッ素化触媒の存在下、フッ化水素と気相で反応さ
せて得られる混合ガスである請求項1〜4のいずれかに
記載のヘキサフルオロエタンの製造方法。 - 【請求項6】 前記混合ガスが、テトラフルオロエタン
および/またはペンタフルオロエタンとフッ素ガスとを
反応させて得られる混合ガスである請求項1〜4のいず
れかに記載のヘキサフルオロエタンの製造方法。 - 【請求項7】 次の(1)および(2)の工程を含むこ
とを特徴とするヘキサフルオロエタンの製造方法。 (1)ヘキサフルオロエタンとクロロトリフルオロメタ
ンを含む混合ガスを、フッ素化触媒の存在下、フッ化水
素と気相で200〜450℃で反応させて、前記クロロ
トリフルオロメタンをフッ素化してテトラフルオロメタ
ンに変換する工程 (2)前記工程(1)で得られる、ヘキサフルオロエタ
ンとテトラフルオロメタンを含む混合ガスを蒸留し、精
製されたヘキサフルオロエタンを得る工程 - 【請求項8】 前記工程(1)のフッ素化触媒が、3価
の酸化クロムを主成分とする担持型触媒または塊状型触
媒である請求項7に記載のヘキサフルオロエタンの製造
方法。 - 【請求項9】 前記工程(1)において、フッ化水素と
前記混合ガスのモル比(フッ化水素/ヘキサフルオロエ
タンとクロロトリフルオロメタンを含む混合ガス)が
0.05〜10である請求項7または8に記載のヘキサ
フルオロエタンの製造方法。 - 【請求項10】 前記工程(1)の混合ガスに含まれる
クロロトリフルオロメタンの濃度が0.1vol%以下
である請求項7〜9のいずれかに記載のヘキサフルオロ
エタンの製造方法。 - 【請求項11】 前記工程(1)の混合ガスが、ジクロ
ロテトラフルオロエタンおよび/またはクロロペンタフ
ルオロエタンを、フッ素化触媒の存在下、フッ化水素と
気相で反応させて得られる混合ガスである請求項7〜1
0のいずれかに記載のヘキサフルオロエタンの製造方
法。 - 【請求項12】 前記工程(1)の混合ガスが、テトラ
フルオロエタンおよび/またはペンタフルオロエタンと
フッ素ガスとを反応させて得られる混合ガスである請求
項7〜10のいずれかに記載のヘキサフルオロエタンの
製造方法。 - 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の製
造方法を用いて得られ、純度が99.9997vol%
以上であるヘキサフルオロエタンを含むことを特徴とす
るヘキサフルオロエタン製品。 - 【請求項14】 前記ヘキサフルオロエタン中に含まれ
るクロロトリフルオロメタンの含有量が1volppm
以下である請求項13に記載のヘキサフルオロエタン製
品。 - 【請求項15】 請求項13または14に記載のヘキサ
フルオロエタン製品を含むことを特徴とするエッチング
ガス。 - 【請求項16】 請求項13または14に記載のヘキサ
フルオロエタン製品を含むことを特徴とするクリーニン
グガス。
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