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JP2002531103A - 組換え細胞の作成法 - Google Patents

組換え細胞の作成法

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JP2002531103A
JP2002531103A JP2000585452A JP2000585452A JP2002531103A JP 2002531103 A JP2002531103 A JP 2002531103A JP 2000585452 A JP2000585452 A JP 2000585452A JP 2000585452 A JP2000585452 A JP 2000585452A JP 2002531103 A JP2002531103 A JP 2002531103A
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Japan
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cells
cell
amino acid
acid sequence
vector
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JP2000585452A
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ジョージ・エル・アセベド
ピーター・アール・ロード
Original Assignee
スノル・モレキュラー・コーポレーション
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、アミノ酸配列の増大された発現を有する組換え細胞および特に哺乳類の組換え細胞株を産生する方法に関する。また、アミノ酸配列を高レベルに産生する哺乳類の組換え細胞株にも関する。本発明の方法および組換え細胞株には、組換えタンパク質およびポリペプチドの効率的かつ大量の産生における使用を含む多くの有用な適用がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、一般的に、少なくとも一つのアミノ酸配列を発現している組換え細
胞を作成する方法に関する。本発明は、安定であり所望のタンパク質を高レベル
に発現する哺乳類の組換え細胞の産生における使用を含め、種々の有用な用途を
有する。
【0002】 (技術背景) 外来(異種)の核酸を宿主細胞に導入することと、次いでその核酸を当該細胞
内において発現することにより、所望のアミノ酸を高レベルに産生するための多
くの試みがなされてきた。真核細胞および特に哺乳類細胞は雑多な結果をもって
用いられてきた。たとえば、アミノ酸配列を高レベルに産生する哺乳類の組換え
細胞の作成法の改良に向けた多くの努力にもかかわらず、当該細胞のほとんどは
当該核酸を充分なレベルで発現しない。したがってこの分野においては、導入さ
れた核酸を高レベルに発現する哺乳類の組換え細胞の生成法をもつ必要性がある
【0003】 一般に、哺乳類細胞において異種の核酸の発現を増強するためには二つの方法
が用いられてきた。一つのアプローチは、薬剤耐性の増幅などの細胞選択法によ
り核酸のコピー数を増やすことであった。もう一つのアプローチは、細胞内での
核酸の発現を、たとえば一つまたはそれより多い有利な調節要素を当該核酸に添
加することにより増大することであった。一般的には、「Kaufman, R.J.&P.A.
Sharp(1982)J. Mol. Biol. 159 : 601」、「Sambrookら、Molecular Cloning
(第2版 1989)」、および「Ausubelら、Current Protocols in Molecular Bio
logy,(19890 ジョン・ウィリー&サンズ(John Wiley & Sons)、ニューヨーク
)」を参照されたい。
【0004】 特に薬剤耐性の増幅は、二つの遺伝子、すなわちその一つは異種タンパク質な
どの対象となるアミノ酸配列をコードしており、もう一つはジヒドロ葉酸レダク
ターゼ(DHFR)などの選択可能な遺伝子マーカーをコードしている遺伝子を
用いた細胞の形質転換を含むことが報告されている。遺伝子マーカーがDHFR
の場合には、形質転換された細胞は選択薬剤メトトレキセート(MXT)の存在
下に培養される。正常には細胞毒性であるMXTの効果は、DHFRの発現によ
り実質的に排除される。形質転換細胞はDHFRのコピー数を充分に高いレベル
まで増加(増幅)させたため生き残る。このアミノ酸配列をコードする核酸配列
もまた増幅され、それにより当該配列の発現が増強される。上記の「Kaufman, R
.J. &P.A. Sharp」を参照。
【0005】 しかしながら、薬剤耐性の増幅および関連技術には欠陥があることがわかって
いる。たとえば、この技術を用いたほとんどの哺乳類の組換え細胞株の生成には
時間がかかり、実行には数ヵ月を必要とすることがある。さらに、異種の核酸が
増幅される場合には標準的な核酸配列決定法はネガティブに強く影響される可能
性があるという認識がある。さらに、厳しくまた時には長期間の選択圧を強いる
ことなく、充分な核酸のコピー数を維持することには、非常に困難なことがある
。拡大された選択圧を必要とする細胞選択戦略には費用がかかることがあり、ま
た異種タンパク質が製薬的な使用のために産生されるような場合には、規制上の
問題を提起するかもしれない。
【0006】 さらに、薬剤耐性の増幅は、特定の異種の核酸を商業用または研究用の使用と
いった適用に充分なレベルにまで発現を亢進することができないことがある。
【0007】 薬剤耐性の増幅に関するさらなる問題は、クローン化された細胞株の遺伝的不
安定性を含む。これらの問題は非常に重要である。たとえば、この方法はしばし
ば、不安定な遺伝子増幅の結果、たとえば微小染色体対の形成から展開する組換
え細胞を産生する。このような細胞は、選択薬剤が除去されると所望の性質を失
うことがある。Kaufman, R.J. ら(1985)Mol. Cell Biol. 5 : 1750およびそれ
に引用された参考文献を参照のこと。
【0008】 さらに、ほとんどの薬剤耐性の増幅技術の最適な実施には、高度に特殊化され
た細胞、ベクター、および/または細胞の増殖条件が必要になっていた。たとえ
ばほとんどの方法は、特別な方法で遺伝的に操作された宿主細胞を使用している
。かかる突然変異細胞は、いくつかの適用には適さないことがある。この点の難
しい実例として、DHFRとMTXに関係する薬剤耐性の増幅は、正常なDHF
R遺伝子をもっている細胞においては最適に作動することはない。その正常な遺
伝子を無能にすることは、長くて面倒な工程となる可能性がある。「Wiglerら、
(1980)PNAS(USA)3567」および「Urlaub&Chasin(1989)PNAS(USA)77 : 4
216」を参照されたい。
【0009】 特別のベクターと増殖条件とを用いることに関するDHFR/MTX増幅法の
さらに特殊な欠点が開示されている。上記の「Kaufman & Sharp」、「Schimke,
R. Cell(1984)37 ; 705」を参照されたい。また米国特許第5,686,263
号;同第4,956,288号および同第5,585,237号と、それらに引用さ
れた参考文献も参照されたい。
【0010】 適応性があり、かつ遺伝的に安定した組換え細胞株を産生するべく用いること
が可能な組換え細胞の作成法をもつことは有用であろう。高度に特殊化された細
胞、ベクター、および/または増殖条件の使用を有意に減じるかまたは避けた、
哺乳類の組換え細胞株の産生法をもつことは、特に望ましいであろう。これらの
方法によって作られた、異種タンパク質などの対象となるアミノ酸配列を高レベ
ルに産生する哺乳類の組換え細胞株をもつことは、さらに望ましいであろう。
【0011】 (発明の開示) 本発明は組換え細胞の産生法に関し、特に、遺伝的に安定しておりかつ少なく
とも一つのアミノ酸配列を高レベルに発現する組換え細胞株を産生する方法に関
する。一つの様態においては、本発明は異種のタンパク質を高レベルに発現する
組換え細胞株の産生法を提供する。この方法は一般的に、当該アミノ酸配列をコ
ードする少なくとも一つのベクターを宿主細胞に導入することと、当該配列を高
レベルに産生する組換え細胞株の単離を導く条件に当該細胞をさらすことを含包
する。好ましい方法は、高レベルのアミノ酸配列を産生すると共に、高度に特殊
化された宿主細胞、ベクター、および/または増殖条件の使用を有意に減じてい
る。さらに、本発明の方法によって産生される哺乳類の組換え細胞株が提供され
る。
【0012】 より詳しくは、本発明は、遺伝的に安定しておりかつ少なくとも一つの対象と
するアミノ酸配列を高レベルに発現する哺乳類の組換え細胞株を産生する方法に
関する。一つの態様においては、このアミノ酸配列の発現は当該配列をコードす
る第1のベクターを宿主細胞に導入することにより実質的に増進される。第1の
ベクターは少なくとも一つの選択可能な配列、典型的には当該アミノ酸配列をコ
ードするセグメントに操作可能に結合された第1の選択可能な配列を含む。さら
に、第1のベクターは所望であれば当該アミノ酸配列のコピーよりも多くをコー
ドしてもよい。第1のベクターは宿主細胞に1回(一つずつ)か、または必要に
応じて1回よりも多く(多重に)導入されることができる。次いで宿主細胞は、
当該アミノ酸配列の発現を促す条件下に培養され、続いて当該配列を第1の高い
発現レベルで発現している組換え細胞株(第1の高発現細胞)が単離される。
【0013】 この方法はさらに、好ましくは第1の高発現細胞に、当該アミノ酸配列をコー
ドする第2のベクターを導入することを含む。第2のベクターは第1のベクター
と同じかまたは異なってもよく、必要であれば当該アミノ酸配列の1コピーより
多くを含んでもよい。第2のベクターは第1の高発現細胞に1回(単独)か、ま
たは必要に応じて1回よりも多く(多重に)導入される。次いで第2のベクター
を含んでいる組換え細胞は、当該アミノ酸配列の発現を導く条件下に培養される
。当該アミノ酸配列を第2の高い発現レベルで発現している細胞(第2の高発現
細胞)が実質的に単離される。
【0014】 上述のように、先の細胞選択の計略および特に薬剤耐性増幅技術によって作成
された細胞株は不利益をこうむってきた。特別な不利益には、遺伝的不安定性と
、高度に特殊化された細胞、ベクター、および/または増殖条件を使う必要性と
が含まれる。本発明の方法は、当該アミノ酸配列を高レベルに産生する遺伝的に
安定した細胞株を産生することにより、このような不利益を有意に回避する。さ
らに、本発明の方法は先の企画よりも一般的により適応性があり、かつ広範囲の
ベクターとの適合性がある。ほとんどの初代、2代、または培養された哺乳類細
胞を含め、ほとんどどのようなトランスフェクション可能な細胞でも、この方法
について使用することができる。好適には本発明の方法は、特定のトランスフェ
クション可能な哺乳類細胞の、必要に応じた種々の選択または非選択的な増殖条
件下における増殖を提供する。
【0015】 さらなる特別の適応性は、当該アミノ酸配列を高レベルに発現している組換え
細胞の直接または間接的な選択に備えることによって提供される。たとえば、本
方法の一つの態様においては、哺乳類の組換え細胞株は少なくとも一つのベクタ
ーにコードされた細胞表面マーカーの選択によって間接的に選択される。本発明
によるこの細胞表面マーカーの選択は、当該アミノ酸配列を高レベルに発現する
細胞株の効率的な単離を促進する。議論されたように、結果として得られる細胞
株は遺伝的に安定であり、高度に特殊化された細胞、ベクター、および/または
増殖条件の使用を最小限にするか除外しながら産生されることが可能である。
【0016】 本方法の特別な態様においては、第2の高発現レベルは第1の高発現レベルよ
りも、実質的に少なくとも約2〜10倍まで高いフォールドか、またはそれより
多いフォールドになっている。タンパク質などのアミノ酸配列のレベルの測定法
はこの分野において周知であり、抗体反応性などの確実な技術を含む。
【0017】 さらに特別の態様においては、この方法はさらに、当該アミノ酸配列をコード
する第3のベクターを第2の高発現細胞に導入することと、第2の発現レベルよ
りも高い第3の発現レベルにおいて当該アミノ酸配列を発現することを導く条件
下に細胞をさらすことを含む。次いで当該アミノ酸配列を第3の発現レベルで発
現している細胞は、細胞株(第3の高発現細胞)を産生するべく単離される。第
3のベクターは、好ましくは少なくとも一つの対象とするアミノ酸配列をコード
しており、またそれは第1または第2のベクター(または双方のベクター)と同
じか、または異なることが可能である。第3のベクターは、第2の高発現細胞に
1回(一つずつ)か、または必要に応じて1回よりも多く(多重に)導入される
ことができる。第3の高発現細胞は、第1または第2の高発現細胞に比較した時
、典型的には当該アミノ酸配列の増大された発現を示すであろう。
【0018】 もう一つの特別の態様においては、この方法はさらに第3の高発現細胞に、当
該アミノ酸配列をコードする少なくとも一つのベクター、好ましくはかかるベク
ターの一つを導入することと、第3の発現レベルよりも高いレベルにおいて当該
アミノ酸配列を発現することを導く条件下に細胞をさらすことを含む。この方法
はさらに、第3の高発現細胞よりも高いレベルにおいて当該アミノ酸配列を発現
している細胞株を単離するために、導入するおよびさらす工程を少なくとも1回
、好ましくは約2から10回の間か、またはそれよりも多く反復することを含む
。この工程が何回繰返されるかの選択は、いくつかのパラメーターによって左右
されるであろうが、特に、必要とされる発現のレベルによる。
【0019】 もう一つの態様においては、第1のベクターの選択を導く条件下に宿主細胞を
培養する工程は、さらに宿主細胞を選択培地中で増殖させることを含む。好まし
くは、当該選択培地は第1の選択可能な配列のための、少なくとも一つの薬剤お
よび通常は一つの薬剤を含む。選択可能な核酸配列を含む本文に開示されたベク
ター、たとえば第1および第4のベクターが、通常は選択可能な一つのアミノ酸
配列をコードすることは認識されるであろう。ベクターの選択のための実例とな
る薬剤は、以下の議論および実施例において述べられている。
【0020】 第2または第3のベクター(または双方のベクター)は、少なくとも一つの選
択可能な配列および特に細胞表面タンパク質などの選択可能な細胞表面マーカー
をコードする少なくとも一つの他のベクター(本文においては時に「第4の」ま
たは「第5の」ベクターと呼ばれる)と共に細胞に同時導入されることがしばし
ば好ましいであろう。驚くべきことに、選択可能な細胞表面マーカーをコードす
るベクターを同時導入することにより、所望のアミノ酸配列を高レベルに発現し
ている高度に有用な哺乳類の組換え細胞株の産生を容易にすることができること
が発見されている。たとえば、当該ベクターを本発明に一致して同時導入するこ
とにより、高度に特殊化された細胞、ベクター、および/または増殖条件を用い
る必要性を減じるかまたは全く排除しながら細胞株を生成することが可能である
ことが見出されている。さらに、遺伝的に安定な組換え細胞の産生は、この方法
の実施により有利に運ばれる。
【0021】 この方法のもう一つの態様においては、第2のベクターを第1の高発現細胞に
導入する工程はさらに、第4のベクターを当該細胞へ導入することを含む。上述
のように、第4のベクターは少なくとも一つの選択可能な配列(本文においては
「第2の」選択可能な配列と呼ばれる)、好ましくは選択可能な細胞表面マーカ
ーをコードする。第4のベクターは、この方法の同じもう一つのベクターであっ
てもよいが、ほとんどの場合には第4のベクターはこれらのベクターのどれか一
つまたはすべてと異なるであろう。もう一つの態様においては、第4のベクター
は興味のアミノ酸配列をコードするセグメントに操作可能に結合された第2の選
択可能な配列を含む。さらに特別の態様においては、この方法はさらに、第2の
選択可能な配列の選択のための少なくとも一つの薬剤を含んでいる選択培地にお
いて当該細胞を増殖させることを含む。
【0022】 第4のベクターが細胞表面マーカーをコードする態様においては、この方法は
好ましくはさらに、クロマトグラフィー、細胞のパンニング、フローサイトメト
リー、抗体結合、免疫沈降、または抗体結合の少なくとも一つにより、当該選択
可能な細胞表面マーカーを発現している細胞を単離することを含む。通常は、こ
のような技術の一つが細胞表面マーカーを発現している細胞を単離するべく用い
られるであろう。単離を促すことにより、ベクターによりコードされたアミノ酸
配列を高レベルに発現している細胞株が取得される。
【0023】 この方法のもう一つの態様においては、第3のベクターを第2の高発現細胞へ
導入する工程は、さらに第5のベクターをこの細胞に導入することを含む。特別
の態様においては、第5のベクターは少なくとも一つの選択可能な配列(本文で
は「第3の」選択可能な配列と呼ばれる)をコードする。第5のベクターは本文
に開示されたベクターのいずれかと同じかまたは異なってよい。さらに特別の態
様においては、第5のベクターは、所望であれば当該アミノ酸配列をコードする
セグメントに操作可能に連結されることが可能な第3の選択可能な配列を含む。
次に細胞は、第2の発現レベルよりも高い第3の発現レベルで当該アミノ酸配列
を発現することを促す条件下にさらされる。好ましくはこの方法はさらに、第3
の選択可能な配列の選択のための少なくとも一つの薬剤および好ましくは一つの
薬剤を含む選択培地においてこの細胞を増殖することを含む。
【0024】 さらに好ましい第5のベクターは、第4のベクターによってコードされた細胞
表面マーカーと同じかまたは異なることが可能な選択可能な細胞表面マーカーを
コードする配列をさらに含む。所望であれば、この選択可能な細胞表面マーカー
は、当該アミノ酸配列をコードするセグメントに操作可能に結合されることがで
きる。この方法はさらに、第5のベクターによってコードされた選択可能な細胞
表面マーカーを発現している細胞を単離する工程と、必要に応じて第4または第
5のベクター(または双方のベクター)により発現された細胞表面マーカーを発
現している細胞を単離するべく、クロマトグラフィー、細胞のパンニング、フロ
ーサイトメトリー、抗体結合、免疫沈降、または抗体結合の少なくとも一つを用
いることを含む。単離を行なうことにより、当該ベクターによってコードされた
アミノ酸配列を高レベルに発現している組換え細胞株が取得される。
【0025】 本発明に一致したさらに特別の第2の高発現細胞は、定量ゲル電気泳動、クロ
マトグラフィー、およびウェスタンイムノブロット、ELISA、および抗体反
応性といった免疫学的技術などの標準的なタンパク質定量技術により決定される
際、一般に第1の高発現細胞よりも少なくとも約2倍の当該アミノ酸配列を発現
する。さらに特別な第2の高発現細胞は、抗体反応性により決定される際、第1
の高発現細胞に比較して約3から約40倍の間の当該アミノ酸配列を発現する。
【0026】 特別に興味のある第3の高発現細胞は、標準的なタンパク質配列定量技術によ
って決定される際、一般に第2の高発現細胞よりも少なくとも約2倍多い当該ア
ミノ酸配列を発現する。さらに特別の第3の高発現細胞は、抗体反応性によって
決定された場合、第2の高発現細胞に比較すると、約3から約40倍の間の当該
アミノ酸配列を発現する。
【0027】 この方法のさらに特別の態様においては、第1、第2、または第3のベクター
は各々独立して第1の薬剤耐性遺伝子(本明細書では時に遺伝子マーカーと呼ば
れる)、選択可能な細胞表面マーカー、および第2の薬剤耐性遺伝子を各々コー
ドする。この態様においては、各々のベクターは対象とするアミノ酸配列をコー
ドするセグメントに操作可能に結合されている。さらに、第4および第5のベク
ターは、各々無関係に第3の薬剤耐性遺伝子およびもう一つの細胞表面マーカー
を各々コードする。第1、第2、および第3の薬剤耐性遺伝子は、必要に応じて
同じかまたは異なることができる。例示薬剤耐性遺伝子および選択可能な細胞表
面マーカーは、以下にさらに詳細に述べられている。
【0028】 本発明の一つの実例として、異種タンパク質を最適に発現するために、高度に
特殊化されたベクターかまたは増殖条件を必要としない、好適な哺乳類の宿主細
胞がまず選ばれる。好ましい哺乳類の宿主細胞は、異種タンパク質を検出可能な
レベルで発現しない。しかしながらいくつかの例では、適当な哺乳類の宿主細胞
は当該タンパク質を同種タンパク質として、たとえばバックグラウンド(すなわ
ち基本の)レベルですでに発現していてもよい。この場合には、本発明はこの同
種タンパク質の発現を基本レベルよりも高いレベルにまで押上げるために使用さ
れることができる。あるいはこの方法は、所望の異種タンパク質またはポリペプ
チド配列の細胞発現を増強するために使用されることが可能である。さらに特別
の哺乳類の宿主細胞は下記に提供される。
【0029】 第1のベクターの哺乳類の宿主細胞への導入に続き、第1の高発現細胞は、一
般に第1のベクターを選択するための増殖培地において単離される。第2の高発
現細胞は、当該アミノ酸配列をコードする第2のベクターを第1の高発現細胞へ
導入することによって産生される。一つの態様においては、第1および第2のベ
クターは一つの異種タンパク質の1コピーをコードしており、実質的には同一で
ある。第2のベクターの導入は、選択可能な細胞表面マーカーをコードするもう
一つの(「第4の」)ベクターの導入を伴う。第2の高発現細胞の単離は、この
細胞表面マーカーの選択を促す条件下に行なわれ、所望であれば選択培地におけ
る増殖を任意に含んでもよい。この態様においては、細胞表面マーカーの選択が
、第1および第2のベクターによってコードされた所望のアミノ酸配列の高度の
同時発現も選択する。当該細胞を選択するための、高度に特殊化された宿主細胞
、ベクター、および増殖培地の使用は、この実例においては有意に減じられる。
【0030】 本発明は広範囲の組換え細胞および、特に少なくとも一つの所望の対象とする
アミノ酸配列か、または機能性のタンパク質フラグメントなどの当該アミノ酸配
列の一部分を高レベルに発現する哺乳類の細胞株を作成するべく用いられること
が可能である。たとえば、この発明の方法は、免疫グロブリン鎖(重鎖または軽
鎖)か、またはそれらの機能性フラグメントといった免疫学的に興味のあるアミ
ノ酸配列を発現するべく用いられることが可能である。さらに特異的な対象とす
るアミノ酸配列について、以下に議論する。
【0031】 本発明は、以前の細胞選択技術および特に通常の薬剤耐性増幅法と対比された
場合、有意な利点を提供する。たとえば、上述のように、ほとんどの薬剤耐性増
幅法は一般的に高度に特殊化された細胞株、ベクター、および増殖条件の使用を
必要とする。ほとんどの例では、細胞はある薬剤に対する抵抗性を阻害するべく
遺伝的に操作されており、常に良好な増殖特性を示すわけではない。さらに、か
かる細胞は作成および/または維持することが難しいことがあり、多くの特異的
な細胞選択戦略用には特に不適切であってよい。本発明は、このような高度に特
殊化された細胞株の使用を減じるかまたは除外する組換え細胞株の生成法を提供
することにより、これらの欠点を処理する。
【0032】 さらに、本方法は異種の核酸を宿主細胞ゲノムに導入することにより、結果と
して得られる組換え細胞株の遺伝的安定性を最大限にする。高度に不安定な染色
体の形成は減じられ、しばしば完全に回避される。
【0033】 本発明によりさらなる利点が提供される。たとえば、本方法は哺乳類の組換え
細胞の生成については先の方法よりも実質的にさらに適応性があり、かつ種々の
哺乳類の発現ベクターと共に用いられることができる。対照的に、薬剤耐性増幅
といった先の細胞選択技術のほとんどは、高度に特殊化されたベクターを用いた
使用に合わせられている。この問題の一つの実例として、多くの薬剤耐性増幅技
術のためのベクターは大きくなりすぎ、操作することが困難になったことが認め
られている。また、先の細胞選択計画について使用するためのほとんどの最適な
ベクターは特許薬品であり、必要な時にいつでも入手できるとは限らない。本発
明はこの問題を、たとえば広範囲の哺乳類の発現ベクターとの適合性を提供する
ことにより解決する。
【0034】 議論されたように、本文に述べた少なくとも一つのベクターは、対象のアミノ
酸配列の一部分をコードしてもよい。一つの実例として、ある特定の完全長の異
種タンパク質については、第1のベクターは当該タンパク質の1番目の部分をコ
ードすることができ、第2、第3、第4、および第5のベクターの少なくとも一
つが当該タンパク質の同じかまたは異なる他の部分をコードすることができる。
この実例においては、ベクターによってコードされるタンパク質配列の総計は、
完全長の当該タンパク質と実質的に同等となる。もう一つの実例では、第1のベ
クター(または他のいずれかのベクター)は完全長をコードしてよく、少なくと
も一つの他のベクター、たとえば第2、第3、または第4のベクターが当該タン
パク質の特定の部分をコードしてもよい。残りのベクターは、たとえば当該タン
パク質配列の付加的な部分か、または所望であれば完全長のタンパク質配列でさ
えも導入するべく使用されることができる。
【0035】 この方法の、対象とするアミノ酸配列の部分を導入する能力は、いくつかの利
点を提供する。たとえば、この方法は一つまたはいくつかのアミノ酸配列部分の
高度に制御された増幅を提供するべく使用されることができる。すなわち、全配
列を含めた当該アミノ酸配列の特定の部分が、特定の細胞(たとえば第1または
第2の高発現細胞)において、他の配列の増幅に先立つかまたは同時に増幅され
ることができる。したがって本発明は、一つまたはいくつかの対象のアミノ酸配
列の連続的かつ統合的発現(sequentical and cordinate expression)に必要な
手段をもつ。
【0036】 さらに特異な実例として、第1のベクターは多サブユニットタンパク質(同種
または異種の)の第1のサブユニットをコードすることができ、さらに第2のベ
クターがその同じタンパク質の第2のサブユニットをコードすることができる。
この実例においては、第1のサブユニットをコードするベクターは宿主細胞へ導
入されることができ、第1の高発現細胞が選択される。第2のサブユニットをコ
ードする第2のベクターは、第1の高発現細胞に導入されることができ、第1お
よび第2のサブユニットの双方を発現する第2の高発現細胞が選択される。もし
、たとえば多サブユニットタンパク質が2量体であるなら、当該タンパク質は第
1の高発現細胞において、第1および第2のサブユニットの発現が亢進される条
件下に特異的に形成されることができる。したがって本発明は、サブユニットの
発現が連続的かつ高度に制御された条件下での、多サブユニットタンパク質の集
合および安定性の分析のために特に有用である。
【0037】 特に期待されるのは、免疫グロブリンおよび特に免疫グロブリンの重鎖および
軽鎖などの免疫学的に興味のあるタンパク質の、連続的かつ高度に制御された集
合である。
【0038】 さらに一般的には、本発明は、実質的な適応性と増幅過程を通じた制御とを提
供することにより、多サブユニットタンパク質の集合のための戦略の実行を容易
にする。たとえば、この方法はサブユニットの産生を、たとえば細胞内のあらか
じめ決められた高い発現レベルにおいて亢進するために使用されることができる
。対照的に、先行のほとんどおよび特に薬剤耐性増幅技術は、実質的により適応
性が低く、サブユニットの集合を通しての制御は提供しない。
【0039】 もう一つの観点においては、本発明は本明細書に開示された方法により産生さ
れる細胞株、および特に哺乳類の組換え細胞株を提供する。かかる細胞株は概し
て安定であり、当該アミノ酸配列またはそれらの部分を高レベルに発現するため
に特異的に選択される。本発明の方法は、特に、少なくとも異種のタンパク質を
高レベルに発現する哺乳類の組換え細胞株の選択に必要な手段を備えている。
【0040】 本発明の特別な方法は、さらなる利点を提供する。たとえば、哺乳類の組換え
細胞株(時には「高発現細胞株」と呼ばれる)を生成するための方法の実行は、
ほとんどの先の薬剤増幅法を含めた他の細胞選択法よりも有意に少ない時間内に
行なわれることができる。さらにこの方法は、先のほとんどの方法よりも回数の
少ない細胞継代を用いることによって高産生細胞を産生しており、それにより労
力および培地の費用が減じられる。
【0041】 本明細書に開示されたすべての文献はことごとく参考文献に取込まれている。
以下の制限しない実例は、本発明を説明するものである。
【0042】 (発明を実施するための最良の形態) 前記されたように、本発明は広範囲の細胞および特に組換え細胞株を作成する
方法を提供する。特に、一般的に安定しており、かつ興味の異種または同種のタ
ンパク質を高レベルに発現する哺乳類の組換え細胞株の作成法が提供される。上
述のように、本発明は適応性があり、高度に特殊化された細胞、ベクター、およ
び/または増殖条件の使用を有意に避けながら、当該タンパク質を高レベルに産
生する高度に有用な細胞株を作成するべく使用されることが可能である。さらに
、当該タンパク質を高レベルに産生する哺乳類の組換え細胞株が提供される。
【0043】 一般に、本発明の最適な実施は、認められた操作の使用によって行なわれる。
たとえば、DNAの単離、DNAの発現用ベクターの作成および選択、核酸の生
成および分析のための技術、組換えベクターDNAの作成、制限酵素を用いたD
NAの切断、DNAの連結、ベクターDNAを含んでいるDNAの安定または一
過性の手段による宿主細胞への導入、選択または非選択培地中での宿主細胞の培
養のための特別な方法、代表的な宿主細胞、安定または一過性にDNAを発現し
ている細胞を選択および維持するための方法は、この分野においては一般的に周
知である。全体的には、上記「Sambrookら」、および上記「Ausubelら」を参照
されたい。
【0044】 本発明は、一つの観点において、哺乳類の組換え細胞株を生成するための新規
な方法を提供する。組換え哺乳類細胞株は、本明細書では時に「高産生」細胞株
か、または関連用語で呼ばれるであろう。「高レベル」、「高産生」などの文言
が、当該細胞株によって産生されるアミノ酸配列の量を指すために用いられる場
合には、親細胞または親の細胞株に比較して、少なくとも2倍、および好ましく
は約3倍から約40倍までの間、あるいはそれより多い(いくつかの異種の配列
は親の細胞株には存在していない)アミノ酸配列が当該細胞株によって産生され
ることを意味する。
【0045】 本明細書に述べられる組換え細胞株によって産生される特定のアミノ酸配列の
量を決定する方法は、この分野では周知であり、タンパク質のゲル電気泳動など
のクロマトグラフ法と、ウェスタンブロット法およびELISAといった免疫学
的技術とを含む。さらに特別のゲル電気泳動法は、クマシーブルーまたは銀染色
を用いてタンパク質またはペプチド配列が検出され定量される方法を含む。好ま
しいタンパク質定量法は抗体反応性である。
【0046】 「抗体反応性」という用語により、所望の抗体と、当該細胞または細胞株によ
って産生されたアミノ酸配列との間の特異的な結合が意味される。この用語はさ
らに、たとえばウェスタンブロッティング、ELISA、RIA、ゲル移動度シ
フト測定、エンザイムイムノアッセイ、競合測定、飽和検定、またはこの分野に
おいて知られている他の適当なアミノ酸配列結合測定法により測定される、当該
アミノ酸配列(すなわちその上のエピトープ)と抗体(他の分子には有意に結合
しない)との間の特異的な結合対の形成を指すことを意味する。これらの、およ
び、他の適当な測定法に関する開示については、全般的には、「HarlowおよびLa
ne著、Antibodies:A Laboratory Manual、CSH出版、ニューヨーク州(1988)」
を参照されたい。
【0047】 「親の」という用語により、それが宿主細胞または細胞株を指すために用いら
れている場合には、後の細胞株を作成するために用いられた当該細胞または細胞
株の祖先が意味される。実例となる親細胞は、第1の高発現細胞を作成するため
に用いられた適当な宿主細胞である。第1の高発現細胞は、今度は第2の高発現
細胞を作成するために用いられた親の細胞株の実例である。細胞株とは、他にこ
とわらない限り、単一の祖先細胞から由来したクローン性細胞集団であることが
理解されよう。細胞株の作成法はこの分野では一般に知られており、周知の連続
希釈法を含む。上記「Ausbelら」を参照されたい。
【0048】 本発明の一つの観点によれば、異種タンパク質などの特異的なアミノ酸配列の
増大された発現を提供する哺乳類の宿主細胞は、少なくとも一つの選択可能な配
列と、好ましくは当該タンパク質をコードするセグメントに操作可能に結合され
た一つの選択可能な配列(第1の選択可能な配列)とを含む第1のベクターを、
当該細胞へ導入することにより取得される。当該タンパク質を第1の高い発現レ
ベルで発現している細胞(第1の高発現細胞)の培養および単離に続き、当該タ
ンパク質をコードする第2のベクターが、第1の高発現細胞へ導にされる。一般
的に、第2のベクターの導入は、少なくとも一つの、および好ましくは一つの選
択可能な細胞表面マーカーをコードするもう一つのベクター(すなわち第4のベ
クター)の導入と同時に行なわれることが好ましい。しかしながら、他の態様に
おいては、第2のベクターは当該タンパク質と、少なくとも一つの細胞表面マー
カー、好ましくは一つのかかるマーカーとの双方をコードする。当該細胞は、第
1の発現レベルよりも高い第2の発現レベルにおいて当該アミノ酸配列が発現す
ることを導く条件にさらされる。好ましい条件は、少なくとも一つの細胞表面マ
ーカーについて選択し、高度に特殊化された細胞、ベクター、および増殖条件は
使用しない。当該タンパク質を第2の発現レベルで発現している細胞株は、次い
で第2の高発現細胞を産生するべく単離される。
【0049】 「単離された」とい用語は、それが本文に開示された特別の細胞または細胞株
を指す場合には、少なくとも約80〜95%(w/w)の均一性まで精製された
細胞を意味する。より高い純度、たとえば少なくとも約98%〜99%の均一性
(w/w)に精製された細胞が、ほとんどの適用にはさらに好ましい。一旦精製
されれば、当該細胞は認められた連続希釈法を用いて、細胞のトランスフェクシ
ョンまたは細胞株の確立といった次の操作のために用いられることができる。
【0050】 議論されたように、第1および/または第2のベクターは、各々の細胞へ1回
(一つずつ)または1回より多く(多重に)、好ましくは約2から約20回まで
の間、およびさらに好ましくは約2から5回までの間、必要に応じて導入される
ことができる。第1および/または第2のベクターを各々の細胞へ1回または1
回より多く導入するかどうかの選択は、所望の亢進された発現レベルおよび興味
の特定のアミノ酸配列といったいくつかのパラメーターにより左右されるであろ
う。
【0051】 さらに特別の態様においては、第2の高発現細胞の選択に用いられる条件は、
少なくとも一つの細胞表面マーカー、好ましくは一つの細胞表面マーカーを含み
、当該マーカーは第1の高発現細胞に同時導入されたベクターの一つによってコ
ードされている。議論されたように、それらのベクターは第4または第5のベク
ターであることができる。本発明の方法のこの態様が、薬剤耐性増幅術などの先
の発現システムに対する実質的な改良であることが強調される。たとえば、当該
細胞にベクターを同時導入することにより、第2の高発現細胞の選択が、それに
より多くの問題がすでに議論された細胞表面マーカーの選択によって促されるこ
とができる。また有意なことには、本発明による第1および第2のベクターの連
続的な導入は、当該アミノ酸配列のレベルの合計よりも高く当該アミノ酸配列の
発現レベルを亢進することができる。
【0052】 「アミノ酸配列」は一般的に、その大きさにかかわらず、基本的には20個の
アミノ酸のいずれかから成るポリマーを指す。この用語は本明細書においてはタ
ンパク質を指すために用いられるが、この用語は他に特別にことわらないかぎり
、ポリペプチドおよびペプチドを含むものと理解されよう。当該アミノ酸配列は
、完全長のタンパク質(発現細胞に関して異種かまたは同種)か、または機能性
フラグメントなどのそれらの一部分をコードしてもよい。さらに特別のアミノ酸
配列については以下に述べられている。特別に好ましいアミノ酸配列は、免疫グ
ロブリン重鎖、軽鎖;またはそれらの機能性フラグメントである。
【0053】 「機能性フラグメント」という用語により、それがアミノ酸配列に関して使用
される場合には、完全長のアミノ酸配列のうちの少なくとも一つの活性を有する
アミノ酸配列である、少なくとも一つのセグメントが意味される。タンパク質配
列に関しては、これらの活性は特異的な結合および酵素的な活性を含む。好まし
い機能性フラグメントは、適当な分析法によって測定された場合、完全長のタン
パク質の少なくとも約70%、および、さらに好ましくは約80%から約95%
の間である。
【0054】 「操作可能に結合された」という用語により、機能的な関係性におけるポリヌ
クレオチドエレメントの結合が意味される。核酸は、それがもう一つの核酸配列
と機能的関係におかれる場合、本発明によれば「操作可能に結合される」。特に
、操作可能に連結された配列は、同一のベクターか、または同一細胞内の異なる
ベクター上に存在してもよい。たとえば、プロモーターまたはエンハンサーは一
つの特別なコード配列について、もしそれがそのコード配列の転写に影響を及ぼ
すのであれば、操作可能に結合されている。すなわち、この例に関しては、「操
作可能に結合された」は結合されているDNA配列が隣接しており、さらに、二
つのタンパク質コード領域を結合する必要があるところで、隣接しかつリーディ
ングフレーム内にあることを意味する。しかしながら、いくつかの例では、操作
可能に結合された配列は異なるベクター上に存在してもよい。一つの実例として
、多サブユニットタンパク質の一つのサブユニットをコードするベクター配列は
、そのタンパク質のもう一つのサブユニット(結合相手)をコードするベクター
配列に操作可能に結合されることとなる。
【0055】 本発明の方法は、広範囲の宿主細胞、特に組織培養に良好に適合されたものに
ついて操作可能であり、かつ高度に有用である。一般的には、宿主細胞は真核性
であり、好ましくは標準的な培地標品において良好な増殖特性を示す哺乳類細胞
である。実質的にはほとんどすべての非微生物細胞は、先に形質転換されていて
もいなくても、また所望のアミノ酸配列を高レベルに発現することができてもで
きなくても、本発明に使用されることができる。このような種々の細胞はこの技
術において知られており、CHO、CV−1、ヒーラ、および他の細胞を含む。
全般的には、上記「Sambrookら」、および上記「Ausubelら」、および、「アメ
リカン・ティシュー・タイプ・カルデャー・コレクション、10801 ブルバール大
学、マナサス、バージニア州」を参照されたい。
【0056】 以下に続く議論および実施例から、またさらに明らかにされるように、種々の
ベクターおよび特に哺乳類の発現ベクターが、本発明に用いられることができる
。特別のベクターは、概して自己複製および好ましくは所望の宿主細胞または細
胞株における選択のための適当な調節配列を含むであろう。
【0057】 「ベクター」という用語は、より特別には、宿主細胞に取込まれることと、結
果として興味の核酸配列の発現を生じることが可能な興味の核酸配列として定義
される。当該興味の核酸配列は、好ましくは上述のアミノ酸配列のすべてか、ま
たは重要な一部分をコードするであろう。適当なベクターは、直鎖の核酸、プラ
スミド、コスミド、ファージミド、エピソーム、および染色体外DNAを含むこ
とができるがこれに制限されない。さらに、ウイルスDNAおよびウイルスRN
Aが含まれる。特に、当該ベクターは組換えDNAであることができる。また本
文において用いられたように、「発現」または「遺伝子の発現」という用語は、
DNAの転写とRNA転写物の翻訳とを含め、対象の核酸配列のタンパク質産物
を指すことが意味される。
【0058】 本発明に使用するためのさらに特別のベクターは、少なくとも一つの選択可能
な核酸配列、通常はかかる配列の一つを含む。例証のためには、選択可能な配列
は、時に当該配列が細胞内の配列をコードする場合には選択遺伝子マーカー(ま
たは関連用語);または当該配列が細胞表面タンパク質をコードする場合には細
胞表面マーカー(または関連用語)と呼ばれる。
【0059】 広範囲のベクターにコードされた選択可能な配列が本発明に適合することが明
らかであろう。好ましいベクターは、ベクターまたは同時導入された他のベクタ
ーを細胞内にかくまう宿主細胞または細胞株の選択を容易にする。その目標は、
続けて毒性薬剤にさらされる細胞の実質的な生残を含めた種々の技術により成遂
げられる。一般的には、「Southern, P.J.ら(1982)J. Mol. Appl. Gen. 1 : 3
27」、上記「Sambrookら」、および「Ausubelら」を参照されたい。
【0060】 例として、この発明に使用するための例証となる選択遺伝子マーカーは、ある
種の栄養要求性真核細胞、たとえばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞
のためのDHFR、アミノ配糖体抗生物質G418、ハイグロマイシンB(hm
b)、およびネオマイシンホスホトランスフェラーゼII遺伝子(neo)、ピュ
ーロマイシン、およびアデンシンデアミナーゼ遺伝子を含む。ある状況において
は、ベクターによってコードされた所望のアミノ酸配列自体が充分な選択マーカ
ーであってよく、あるいは選択マーカーの機能にポジティブに強い影響を与えて
もよい。アミノ酸配列自体が選択マーカーをコードする場合には、別の選択マー
カーが当該ベクターに含まれる必要はない。「Southern, P.J.ら(1981)J. Mol
. Biol. 150 : 1」、上記「Sambrookら」、および上記「Ausubelら」を、また遺
伝子マーカーに関する付加的な開示についてはそれらの引用文献を参照されたい
【0061】 上述のように、選択可能な核酸配列は、適当な細胞表面マーカーおよび特に細
胞表面タンパク質をコードしてもよい。代表的な細胞表面マーカーは、細胞表面
レセプター、糖タンパク質、炭水化物、タンパク質、リポタンパク質、 主要組
織適合遺伝子複合体(MHC/HLA)、抗体、抗原、またはそれらの機能性フ
ラグメントを含む。さらに特別の細胞表面マーカーは、典型的にはT細胞に見出
されるGD(分化クラスター)糖タンパク質などの免疫学的に興味のある糖タン
パク質を含む。実施例はCD2、CD3、CD4、CD8、およびLFA−1を
含む。さらに特別の興味の糖タンパク質は、CD4分子であり、特にその分子の
機能性フラグメントである。インヴィトロジェン社(InVitrogen)により提供さ
れる「CaptureTec(登録商標)システム」も参照されたい。
【0062】 上述のように、以下の実施例においては、特異的な細胞表面マーカーを発現す
る細胞は、一つかまたは異なる戦略の組合せにより単離されることができる。た
とえば、一つのアプローチにおいては、細胞はクロマトグラフィー、細胞のパン
ニング、フローサイトメトリー、抗体結合、または免疫沈降により単離されるこ
とができる。好ましいアプローチは、下記に議論されるような磁気による選択を
含む。
【0063】 「機能性フラグメント」という用語により、この用語が一つの選択マーカーを
定義するために用いられる場合には、そのマーカーの一部分、たとえばモノクロ
ーナル抗体のような抗体といったもう一つの免疫学的分子を特異的に結合するこ
とができるCD4糖タンパク質が意味される。この用語はまた、当該機能性フラ
グメントをコードする核酸配列を含むことも意味する。
【0064】 一般的に、適当な選択可能な配列が一旦選ばれれば、それは一つまたはそれよ
り多い調節配列に操作可能に結合されることとなり、コードされたアミノ酸配列
がベクター内において、たとえばプロモーターに隣接するように位置される。こ
の方法で、所望のアミノ酸配列の発現は促進される。異種または同種のタンパク
質などのいくつかのアミノ酸配列は、それ自身の細胞または組織に特異的なプロ
モーターをもつかもしれないことが考慮されている。さらに含まれている調節配
列は、適当なリーダーおよびポリアデニル化配列である。
【0065】 本発明のさらに特別の実例においては、アミノ酸配列の発現は所望されるよう
に1−または2−シストロンのいずれかである。たとえば、プロモーターが選択
可能な核酸配列と、対象のアミノ酸配列の双方に操作可能に結合されている場合
、たとえば、プロモーター/コードされたアミノ酸配列/選択可能な核酸配列;
プロモーター/選択可能な核酸配列/コードされたアミノ酸配列、では、発現は
1−シストロン性である。かわりに、2−シストロン性の発現は、別々のプロモ
ーターからの、たとえば、プロモーター/コードされたアミノ酸配列かまたは選
択可能な核酸配列、のアミノ酸配列の発現に続いて起る。
【0066】 上述のように、本発明の方法は広範囲のベクターに適合する。これらのベクタ
ーは典型的には、増大された発現が所望されるアミノ酸配列(またはかかる配列
のうちのいくつか)をコードする。好ましいベクターの形式は、時に発現カセッ
トと呼ばれる。一つの態様においては、発現カセットは概して、ベクターを受容
している細胞または細胞株において機能性であるプロモーター、オペレーター、
リボソーム開始部位、当該アミノ酸配列、および、プロセッシングと、いくつか
の場合には当該アミノ酸配列の細胞からの分泌とを容易にするために充分なポリ
アデニル化シグナルをコードする3’部分を含む。好ましいターミネーター配列
は、SV40からのポリアデニル化配列である。所望であれば、当該発現カセッ
トかまたは当該ベクターの他の適当な部分は、当該配列の翻訳後のプロセッシン
グを促進するためのシグナル配列を、当該配列の5’末端付近に含んでもよい。
必要であれば、少なくとも一つの適当な遺伝子マーカーかまたは細胞表面ベクタ
ーが、当該ベクター内に位置されることができる。
【0067】 当該発現カセットを含んでいる適当なベクターのさらに特別な実例は、(i)
大腸菌において機能性である複製の起点( Ori);(ii)適当な遺伝子マー
カー(抗生物質耐性遺伝子、たとえば、Amp、Tet、NeoまたはKan耐
性);(iii)サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターなどの強力なウイ
ルスプロモーター、および任意にCMVエンハンサー、(iv)(Ig−C)免
疫グロブリン軽鎖定常領域のリーダー配列、(v)対象のアミノ酸配列、(v i
)Ig−Cエクソンに結合された完全長のIg−C イントロン、(vii)成
長ホルモンポリアデニル化配列、たとえばウシ成長ホルモン(bgh)ポリA配
列、および(viii)抗生物質耐性遺伝子に結合され、かつウイルスのポリアデニ
ル化配列(たとえばSV40ポリA配列)に融合された強力なウイルスプロモー
ター(たとえばシミアンウイルス40(SV40)プロモーター)などの選択可
能な真核性マーカーをコードするDNAを含んでいるDNAベクターである。別
法として、当該DNAベクターは、上記の(i)〜(v)のすべて、および、(
vii)〜(viii)を、(vi)のIg−Cエクソンに結合された完全長のIg−
イントロンなしに含むことができる。代表的なIg−C リーダー配列は
、マウスのκリーダーである。完全長のIg−C イントロンおよびエクソン
の実例は、完全長のCκ遺伝子である。
【0068】 増大された発現が所望されるアミノ酸配列は、異種のタンパク質かまたは宿主
細胞により天然に産生される同種の(内在性の)タンパク質のほぼどれでもよい
。ほとんどの場合に、当該アミノ酸配列は、多サブユニットタンパク質などの、
より大きいアミノ酸配列のサブユニットかまたは機能性のフラグメントを含めた
真核性タンパク質であろうが、これに限定されない。さらに特異的なアミノ酸配
列は、酵素、免疫グロブリン、ペプチドホルモン、ワクチン、T細胞レセプター
を含むレセプター、MHC/HLA分子(クラスIおよびクラスII);または
それらのフラグメントを含む。さらに特異的なタンパク質は、成長因子、血液凝
固因子、サイトカイン、たとえばプラスミノーゲンアクティベーター、組織因子
(TF)、インスリン、哺乳類の成長ホルモン、エリスロピエチン、IgE、ウ
ロキナーゼ、インターロイキン1、2、および3;またはそれらのフラグメント
を含む。本発明はさらに、他の知られた、部分的に知られた、または新規な遺伝
子配列をコードするものを含めた未知のアミノ酸配列に適用性がある。
【0069】 かかるアミノ酸配列の種類は、たとえばジェンバンク(Genbank)(ナショナ
ル・ライブラリー・オブ・メディスン、メリーランド州、ベセズダ、ロックビル
・パイク、8N05、38A)に見出されることができる。ジェンバンクはまた
「http://www.ncbi.nlm.nih.gov.」にてインター
ネット上でも利用可能である。
【0070】 本明細書において述べる特別のベクターの分子量は、アガロースゲル電気泳動
によるサイジングなどの通常の技術によって測定されることが可能であり、たと
えば意図する用途に依存して変わるであろう。しかしながら、ほとんどの適切な
ベクターおよび特に適切なDNAベクターは、少なくとも約5kb、および特に
約5kbから約35kbまでの間か、またはそれより高い分子量を有するであろ
う。特定のアミノ酸配列の分子量は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動などの標
準的なタンパク質サイジング技術によって測定されることができる。別法として
、または付加的に、当該分子量は対応する核酸配列の分子量の測定とそれに続く
その配列の仮設上の翻訳により概算されることができる。ほとんどの適用には、
当該アミノ酸配列をコードする核酸の大きさは、約500から約300,000
ダルトンまでの間のタンパク質またはポリペプチドをコードするために充分であ
り、一般的には約15〜約200,000ダルトンが好ましいであろう。
【0071】 pJAIg4Tf.A8、pDRHK、およびpMACSなどの、本発明に使
用するためのさらに特別のベクターについては、以下の実施例を参照されたい。
また図1および図2も参照されたい。特にpDRHKベクターは、ブダペスト条
約に従い、前記に開示されたアドレスのATCCに寄託されている。当該DNA
は1997年9月17日にATCCに寄託され、受託番号20974が割当てら
れた。pDRHKベクターは哺乳類の発現ベクターであり、CMVプロモーター
、マウスIgCκリーダーペプチド、クローニング領域、マウスκイントロン、
およびヒトκ定常ドメインエクソン配列を含む。
【0072】 上述のように、本発明は高レベルのアミノ酸配列を発現する哺乳類の組換え細
胞株を生成するための、連続的かつ整合的なベクターの導入を含む一連の組換え
操作を特色とする。ベクターの導入は、レトロウイルス性トランスファー、ウイ
ルス感染、カルシウム−、リポソーム−、またはポリブレンを一介在トランスフ
ェクション、バイオリスティック(biolistic)トランスファー、またはこの技
術において知られている他の技術を含む種々の方法により行なわれることができ
る。より好ましい導入法は、電気穿孔などの哺乳類細胞の安定したトランスフェ
クションに適応できるものを含む。しかしながら、もし結果として生じる組換え
細胞株が遺伝的に安定しているとすれば、いくつかの適用については、いくつか
の一過性の導入法に用いることが有用であってよい。
【0073】 本発明のさらに特別の実例としては、CHOなどの適当な哺乳類の宿主細胞が
、各々少なくとも一つの選択可能なマーカーを含んでおりかつ少なくとも一つの
対象の異種タンパク質をコードする適当なベクターを用いて、1回(一つずつ)
または少なくとも2回(多重に)トランスフェクションされる。さらに特別の態
様においては、宿主細胞は、当該コードされたタンパク質に操作可能に結合され
たセグメントに、操作可能に結合された第1の選択可能な配列(遺伝子マーカー
)を含む一つのベクターを用いてトランスフェクションされる。ベクターを宿主
細胞へ導入するために、標準的なリン酸カルシウムを介するトランスフェクショ
ンか、またはリポフェクション法といった種々のトランスフェクション法が使用
されることができる。トランスフェクションされた宿主細胞は、次いで選択性の
増殖条件にさらされ、第1の高発現細胞が単離できるようにする。トランスフェ
クションされた細胞を単離する方法は、たとえば上記「Sambrookら」、上記「Au
subel」ら、および、上記「Wingler PNAS(1979)76 : 1376」に述べられている
【0074】 第1の高発現細胞は単離され、所望であれば標準的な技術の一つかまたは組合
せにより特徴づけされることができる。たとえば、一つのアプローチではCHO
細胞は、免疫グロブリンをコードする配列および特に一つの抗体をコードする配
列といった一つのタンパク質配列に操作可能に結合されたネオマイシン遺伝子マ
ーカー(G418抵抗性を提供する)をコードするベクターを用いてトランスフ
ェクションされる。当該タンパク質配列を発現しているトランスフェクションさ
れた宿主細胞は、次に、マイクロタイター組織培養プレート中で行なわれる標準
的な技術(たとえば、限界希釈と増殖)によりクローン化される。この細胞をお
よそ数日から数週間、またはそれよりも長く培養した後、単コロニーが一般的に
は出現するであろう。好ましくは、単コロニーだけがさらなる操作に用いられる
。高産生細胞は、標準的な免疫学的方法および特にELISA分析法などの許容
される何らかの方法によって選択される。好ましいのは、抗体産生を検出および
定量するため最適化されたELISA分析法である。好ましい高産生細胞は、E
LISA分析法において実質的に最大量の抗体を産生するものである。さらに好
ましいのは、培地1ミリリットル当たり、約0.5から約20マイクログラムの
間の抗体を産生する第1の高産生細胞である。特に好ましいのは、培地1ミリリ
ットル当たり、約1から約5マイクログラムの間の抗体を産生する第1の高産生
細胞である。
【0075】 第1の高産生細胞はさらに、当該タンパク質をコードする核酸の細胞コピーを
増やすために特別に操作される。この実例における特別の目的は、遺伝的に安定
した抗体産生細胞株を産生することである。一つの態様においては、第1の高産
生細胞はさらに、たとえば電気穿孔により、二つの異なるベクター、一つは当該
タンパク質配列をコードしているベクター、他方は糖タンパク質および特にCD
4かまたはそのフラグメントといった適当な細胞表面マーカーをコードしている
ベクターを用いてトランスフェクションされる。図1を参照されたい。CD4を
コードする好ましい市販のベクターは、pMACSである(以下を参照)。この
実例においてはトランスフェクション産物は、細胞表面タンパク質に特異的に結
合することができる特異抗体か、またはそれらの抗原結合フラグメントを用いて
処理される。
【0076】 「遺伝的に安定」という用語は、それが本明細書において細胞を指すことにあ
てられる場合には、異種の核酸を含むゲノムの改変が実質的にないことを意味す
る。特に避けられる改変はDM染色体を含む。本発明の方法は好ましくは、遺伝
的安定性を最大化するべく、異種の核酸を宿主細胞ゲノムへ導入する。
【0077】 ベクターの一つからの細胞表面タンパク質と他のベクターによりコードされた
当該タンパク質とを発現している細胞間の特異的な結合は、クロマトグラフィー
および特に磁気ビーズを必要とするカラムクロマトグラフィーなどの標準的な免
疫学的技法を含む種々の方法において検出されることができる。このアプローチ
においては、細胞表面タンパク質に対してターゲットされた抗体は磁気ビーズに
共有結合により付着しており、それにより当該細胞表面タンパク質を発現してい
るいかなる細胞も、細胞および磁気ビーズに磁場を適用することによって単離さ
れることが可能となる。結合された細胞は、次いでカラムから除去され、マイク
ロタイター組織培養プレートにおいて増殖される。任意で、細胞はG418を補
足された培地などの選択培地中で増殖されることができる。
【0078】 第2の高産生細胞は、いくつかの技法により単離されることができる。たとえ
ば、一つの特別なアプローチでは、細胞はウェルにおいて抗体産生および培地中
への分泌を行なわせるに充分な時間をかけて増殖される。Fc部位に対する好適
な抗イディオタイプ抗体がマイクロタイター培養プレートウェルに塗布され、そ
こに細胞培養液が添加される。高レベルの抗体を含んでいる培地は、たとえば西
洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)を用いて標識された好適な第2の抗体を用
いる通常のサンドイッチ型の検定法などの標準的な技法によって検出されること
ができる。好ましい第2の高産生細胞は、プレート内の細胞数に対する高い抗体
産生を同定することにより単離される。この分析を実行する方法は、以下にさら
に詳細に述べられており、特にELISA検出方式を含む。好ましいのは、約2
4時間の間に、10個の細胞当たり約0.1から約10マイクログラムの間の
抗体か、またはそれより多くを産生する第2の高産生細胞である。さらに好まし
い範囲は、約24時間の間に10個の細胞あたり約1から約5マイクログラム
の間である。
【0079】 上述のように、さらに好ましいのは、第1の高産生細胞に比較した場合、約3
から約40倍の間か、またはそれより多くを産生する第2の高産生細胞である。
抗体反応性は、この測定を行なうための好ましい方法である。
【0080】 第2の高発現細胞はさらに、より多くのタンパク質を発現する細胞株、たとえ
ば第3の高発現細胞の単離に備えるため、さらにトランスフェクションされる。
たとえば、第2の高い細胞における抗体の産生を増進するべく、第1の高発現細
胞をトランスフェクションするために用いた二つのベクターが、再び第2の高発
現細胞を同時トランスフェクションするために再度用いられる。好ましいトラン
スフェクション法は電気穿孔であるが、所望であれば他のトランスフェクション
法が使用されることが可能である。抗体の増大されたレベルを生じている高産生
細胞は、CD4発現細胞の磁気カラムクロマトグラフィーに続く高産生細胞の単
離を含め、上述のように単離されることができる。任意で、細胞は非選択培地か
またはG418補足培地などの選択培地中で増殖されてよい。好ましい高産生細
胞は、高い抗体産生率をプレート中の細胞数に対して同定することによって測定
されような、最大レベルの抗体を産生する。
【0081】 この実例においては、選択された細胞株は好ましくは連続的に希釈され、マイ
クロタイター組織培養プレートにおいて、通常の方法により増殖される。およそ
数日後から数週間までか、またはそれより後に、ELISAなどの適当な免疫学
的技法により、抗体の産生が検査される。高い抗体産生レベルをもつクローンは
さらに増幅される。好ましいのは、24時間の間に10個の細胞あたり、約1
から約100マイクログラムの間かまたはそれより多い抗体を有するクローンで
ある。さらに好ましい範囲は、24時間の間に10個の細胞あたり、約15か
ら約50マイクログラムの間の抗体である。さらに好ましいのは、第2の高産生
細胞よりも少なくとも約2倍から約10倍までのより多い抗体産生を示すクロー
ンである。
【0082】 上記の基準を満たしている第2のクローンは、標準的な方法により、好ましく
は連続的に希釈される。数日後から数週間までかまたはそれより後に、単コロニ
ーはELISAなどの適当な免疫学的方法により、抗体産生について検査される
。最も高い産生クローン(第3の高発現細胞)が、下記に詳細に述べられるよう
な静置培養の調製にむけて選択される。好ましい第3の高発現細胞は、培養物1
ミリリットル当たり、約20から約200マイクログラムを産生する。さらに好
ましい第3の高発現細胞は、培養物1ミリリットル当たり、約50から約150
マイクログラムを産生し、培養物1ミリリットル当たり約100マイクログラム
が一般には好ましい。
【0083】 さらに好ましいのは、第2の高産生細胞に比べた場合、抗体反応性による決定
では、約3から約40倍の間かまたはそれより多くの抗体を産生する第3の高産
生細胞である。
【0084】 さらに好ましいのは、第1の高産生細胞に比べた場合、抗体反応性による決定
では、約10から約200倍の間かまたはそれより多くの抗体を産生する第3の
高産生細胞である。
【0085】 適当な抗体についての特別の実例は、図1に示したpJAIgG4TF.A8
ベクターによりコードされた抗TF抗体である。
【0086】 本明細書において述べられた方法により産生された高産生細胞株は、商業的、
研究的、および医学的環境における用途を含め、数多くの高度に有用な適用があ
る。たとえば、この方法により生成された高産生細胞は特に、当該タンパク質配
列の商業的規模の製造を受けることが可能であることがわかっている。一つの例
証として以下の実施例は、当該タンパク質配列を大量(すなわちml当たりミリ
グラムの量)に産生するための中空糸バイオリアクターの使用について述べてい
る。
【0087】 本発明の特別な実施例においては、哺乳類の組換え細胞株は、高レベルのMH
C複合体および特に、組換えMHCの単鎖およびヘテロダイマー複合体を産生す
るように生成されることができる。これらの複合体は、たとえば1995年2月
1日出願の係属中の米国出願第08/382,454号;1996年1月31日
出願の同第08/596,387号;および1996年2月15日に公開された
国際出願公開WO96/04314号に開示されている;これらの開示は参考文
献として本文に取入れられている。係属中の米国出願第08/382,454号
および同第08/596,387号と、公開された国際出願公開WO96/04
314号において特に述べられたのは、共有結合により結合された呈示ペプチド
(present peptide)を含んでいる単鎖MHC融合複合体の一種である。
【0088】 たとえば、所望の単鎖MHC複合体を高レベルに発現している哺乳類の組換え
細胞株を生成するためには、CHOなどの適当な哺乳類の宿主細胞が、好適なベ
クターを用いて1回(一つずつ)または少なくとも2回(多重に)トランスフェ
クションされる。当該ベクターの各々は、前記に定義された少なくとも一つの選
択可能なマーカーと、単鎖MHC複合体をコードする少なくとも一つのセグメン
トとを含む。好ましい態様においては、当該単鎖複合体はクラスIIであるが、
クラスI単鎖複合体もいくつかの例においては好ましいといえる。宿主細胞は、
好ましくは、選択可能なマーカーに対して操作可能に結合された、当該単鎖複合
体をコードする一つの好適なベクターを用いてトランスフェクションされる。標
準的なリン酸カルシウムを介したトランスフェクションまたはリポフェクション
技法などの、種々のトランスフェクション法が用いられることができる。トラン
スフェクションされた宿主細胞は、次いで選択的な増殖条件にさらされ、第1の
高発現細胞が単離されるようにする。トランスフェクションされた細胞の単離法
は、たとえば上記「Sambrookら」、上記「Ausubelら」、および「Wigler PNAS(
USA)(1979) 76 : 1376」に述べられている。
【0089】 さらに特別の方法においてはベクターは、単鎖MHC複合体に対して操作可能
に結合されたネオマイシン遺伝子などの選択可能な遺伝子を含む。宿主細胞は好
ましくは電気穿孔によりトランスフェクションされ、融合タンパク質配列を発現
しているトランスフェクションされた宿主細胞は、マイクロタイター組織培養プ
レートにおいて行なわれる限界希釈法によりクローン化される。当該細胞を1日
程度から数週間まで、またはそれより長く培養した後、トランスフェクションさ
れた細胞は収穫され、非選択またはG418を補足した培地などの選択培地中に
希釈される。上澄は前記に述べたように、また以下に続く実施例のように検査さ
れる。高産生クローンが選択され拡張される。選択されたクローンは収穫され、
第1の高産生細胞を単離するべく、数日から数週間まで、またはそれよりも長く
増殖される。好ましいのは、培地1ml当たり約1から100ナノグラムの間の
融合タンパク質を産生する第1の高産生細胞である。さらに好ましいのは、1m
l当たり約10から50ナノグラムの間を産生する第1の高産生細胞である。
【0090】 単鎖MHC融合タンパク質を作る第1の高産生細胞は、以下のようにさらに操
作される。第1の高産生細胞は、たとえば電気穿孔により、二つのベクター、一
つは単鎖融合タンパク質をコードしているベクター、もう一つは糖タンパク質お
よび特にCD4などの適当な細胞表面タンパク質をコードするベクターを用いて
さらに同時トランスフェクションされる。CD4をコードする好ましいベクター
は、市販のpMACSベクター(以下を参照)である。トランスフェクション産
物は、当該細胞表面タンパク質特異的に結合することが可能な特異抗体か、また
はそれらの好適な抗原結合フラグメントを用いて処理される。特異的な結合は、
種々の方法において検出されることができるが、磁気ビーズが関係するカラムク
ロマトグラフィーは好ましい方法である。結合した細胞はカラムから除去され、
マイクロタイター組織培養プレート中で増殖される。これらの第2の高産生細胞
は、非選択またはG418を補足した培地などの選択培地中で増殖されることが
できる。
【0091】 所望であれば第2の高産生細胞の静置培養が作成されることができる。好まし
いのは、1ml当たり約50から500ナノグラムの間の融合タンパク質を産生
する第2の高産生細胞である。さらに好ましいのは、1ml当たり約100から
200ナノグラムの間の融合タンパク質を産生する高産生細胞である。
【0092】 単鎖MHC複合体の産生をさらに増大するため、第2の高産生細胞はさらにト
ランスフェクションされることができる。一つのアプローチにおいては、第2の
高産生細胞は、単鎖MHC融合タンパク質をコードするベクターと、ピューロマ
イシンなどの薬剤かまたは他の好適な薬剤に対する抵抗性を与える選択可能な核
酸配列を運んでいるもう一つのベクターとの混合物を用いて、同時トランスフェ
クションされる。この同時トランスフェクションは、所望であれば電気穿孔など
を含む好適ないずれの方法によっても実行されることができる。数日から数週間
までか、またはそれより長い培養の後、細胞は収穫され、ピューロマイシンを補
足された培地中に再懸濁される。抵抗性クローンを可視化した後、培養液はたと
えばELISAにより、融合タンパク質の産生について検査されることができる
。静置培養は、当該タンパク質を高レベルに発現しているクローンから作成する
ことができる。好ましい第3の高産生細胞は、ミリリットル当たり約500から
約5000ナノグラムの間の融合タンパク質を産生する。さらに好ましいのは、
ミリリットル当たり約1000から約2000ナノグラムの間の当該タンパク質
を産生する第3の高産生細胞である。
【0093】 所望であれば、好適な第3の高産生細胞は、組換えタンパク質の発現を改良す
るべくさらにサブクローン化されることができる。好ましい方法は、限界希釈ク
ローニングである。さらに好ましいのは、24時間にミリリットル当たり約10
0から約1000ナノグラムの間の融合タンパク質を産生する第3の高産生細胞
のクローンである。特に好ましいのは、24時間にミリリットル当たり約200
から約500ナノグラムの間の融合タンパク質を産生するクローンである。
【0094】 単鎖MHC複合体をコードするベクターの実例は、図2に示したpDRHKベ
クターである。当該ベクターはsc−DR2/MBP単鎖クラスIIMHC複合体
をコードする。
【0095】 本発明の方法は、意図された用途に合わせて変更されることができる。たとえ
ば、本発明は特に次の態様を含む。:1)薬剤耐性遺伝子を運んでいる発現ベク
ターのトランスフェクション、2)一つの発現ベクターと、一過性に細胞表面マ
ーカーを発現するベクターとを用いた同時トランスフェクション、および3)一
つの発現ベクターと異なる薬剤耐性遺伝子を運んでいるベクターとを用いた同時
トランスフェクション。本明細書において述べる細胞選択法は、このような特定
の戦略を実行するために用いられることができる。本発明はまた、一つの発現ベ
クターが二つのポリペプチド配列(免疫グロブリンの重鎖および軽鎖)をコード
するような場合に、特定の対象とする組換えタンパク質をコードする発現ベクタ
ーを用いて細胞を再トランスフェクションするために用いられることもできる。
好ましい発現は、双方のポリペプチド鎖の同等の発現を含む。これらの特別の方
法および本明細書において議論された他の方法は、細胞の選択およびスクリーニ
ングを容易にすることを含め、種々の用途を見出す。
【0096】 本発明は、以下の実施例によりさらに例証される。これらの実施例は本発明の
理解することを助けるために提供されるものであり、本発明を制限するものとし
て構成されるものではない。
【0097】 実施例1−組換え抗組織因子(TF)抗体の高レベル産生のためのCHO細胞の
再トランスフェクション 1. ベクターの特徴づけ pJAIgG4TF.A8(図1)と呼ばれるベクターは、哺乳類細胞におい
てキメラ抗組織因子(TF)免疫グロブリン重鎖および軽鎖を発現するべく構成
された。最初の一過性のトランスフェクション実験は、pJAIgG4TF.A
8ベクターからの抗体の発現を検査するために行なわれた。COS細胞はキアゲ
ン(Qiagen)リポフェクチン試薬を用いて一過性にトランスフェクションされた
。手短に言えば、ウェル当たり2.5x105個の細胞が6ウェルプレートに播種
され、37℃において24時間インキュベートされた。2ミリグラムのpJAI
gG4TF.A8DNAは100μlのIMDMと混合された。脂質複合体を作
成するため、10μlの脂質が当該DNA溶液に添加された。この混合物はボル
テックスされ、さらに室温において5分間インキュベートされた。DNAが脂質
複合体を形成している間に、細胞はPBSにて洗浄された。DNA-脂質混合物
は600μlの10%SSM[10%ウシ胎児血清(FBS)が補給されたセル
グロ(CellGro)IMDM(メディアテック(Media Tech))培地]と混合され
、さらに、洗浄された細胞に添加された。細胞は脂質複合体と共に、37℃およ
び10%COにおいて3時間インキュベートされた。トランスフェクションさ
れた細胞はPBSを用いて洗浄され、2mlの10%SSMが与えられ、さらに
37℃および10%COにおいて72時間インキュベートされた。培養上澄は
、抗体産生について検査された。
【0098】 2. 抗体産生を検査するためのELISA ヒトIgG4抗体の存在を検出するため、ヒトHC/κに特異的なサンドイッ
チELISAが開発された。つまり、マキシソープ(Maxisorp)96ウェルプレ
ート(NUNC)は、100μlの、R5緩衝液(10mMトリス−HCl、p
H8.5)中の1μg/mlのヤギ抗ヒトIgG−Fc(Fab)を用いて被覆
され、4℃において一晩インキュベートされた。次にウェルはR55緩衝液(2
mMイミダゾール、7.5mMNaCl、0.02%ツイーン−20)にて1回洗
浄され、プラスチックフィルムで覆われ、使用されるまで4℃において保管され
た。抗体の産生を検定するためには、R55は除去され、さらに100μlのト
ランスフェクション産物の上澄が、被覆されたウェルに添加された。37℃にて
30分の後、R55緩衝液を用いてウェルは6回洗浄され、100μlの、抗ヒ
トκ鎖−HRP抗体(サザンバイオテック社(Southern Biotech))の1:80
0希釈物(10%FBSを含んでいるPBS中)が添加された。次いでプレート
は37℃においてインキュベートされ、400μlのR55緩衝液を用いて6回
洗浄された。プローブ抗体の存在を検出するためには、100μlの1倍のAB
TS基質(キルケゴール&ペリー・ラブズ(Kiekegaard & Perry Labs))が4
分間にわたって添加され、それに、100μlのABTSクエンチ緩衝液(キル
ケゴール&ペリー・ラブズ)が続けられた。吸光度は405nmにおいて読取ら
れた。精製されたヒトIgG4タンパク質が、ポジティブな対照として働いた。
かかる検定からの結果は、抗TFIgG4抗体が、pJAIgG4TF.A8ベ
クターによって一過性にトランスフェクションされたCOS細胞によって産生さ
れたことを示した。
【0099】 3. 抗体特異性の検査についてのELISA ヒトの組織因子に対する抗体野結合を特異的に検出するため、第2のサンドイ
ッチELISAが開発された。マキシソープ96ウェルプレート(NUNC)は、1
00μlの、R65緩衝液(10mM炭酸水素ナトリウム、pH8.2)中の50
0ng/mlの組換えヒト−TFを用いて、4℃において一晩被覆された。翌日
、プレートはR55緩衝液を用いて洗浄され、覆われ、使用されるまで4℃にて
保管された。抗TF抗体産生の検出のためには、R55は除去され、さらに10
0μlのトランスフェクション産物の上澄が、被覆されたウェルに添加された。
37℃にて30分後、R65緩衝液を用いてウェルは6回洗浄され、さらに10
0μlの、抗ヒトκ鎖−HRP(サザンバイオテック)の1:800希釈物(1
0%FBSを含んでいるPBS中)が添加された。次いでプレートは37℃にお
いてインキュベートされ、400piのR55緩衝液を用いて6回洗浄された。
プローブ抗体の存在を検出するためには、100μlの1倍のABTS基質が4
分間にわたって、またそれに続いて100μlのABTSクエンチ緩衝液が添加
された。吸光度は405nmにおいて読取られた。精製されたマウスH36.D
2抗TFタンパク質が、ポジティブな対照として働いた。かかる検定からの結果
は、抗TFIgG4抗体が、pJAIgG4TF.A8によって一過性にトラン
スフェクションされたCOS細胞によって産生されたことを示した。
【0100】 4. CHO細胞の最初の安定なトランスフェクション 組換え抗TF抗体を発現している安定な細胞株を生成するため、CHO.K1
細胞はpJAIgG4TF.A8ベクターを用いてトランスフェクションされた
。つまり、100μgのpJAIgG4TF.A8DNAは、Pvulを用いて
37℃において約4時間消化することによって直鎖化された。CHO.K1細胞
(ATCC CCL−61)は1.25x10細胞/mlの濃度に希釈された
。800μlの体積の細胞は、0.4cmの電気穿孔キュベットに添加され、1
0分間にわたり氷上でインキュベートされた。25マイクログラムのpJAIg
G4TF.A8DNAが添加され、細胞と混合され、さらに10分間インキュベ
ートされた。細胞は次いで、960μFおよび250Vにて電気穿孔された。氷
上での10分間のインキュベーションの後、細胞の懸濁液は10mlの10%S
SMと共にT25フラスコに添加され、さらに37℃にて10%CO中一晩イ
ンキュベートされた。24時間後、トリプシン−PBSを用いたインキュベーシ
ョンにより細胞は収穫され、PBSに再懸濁され、さらにG418補足培地中で
1:9、1:27、および1:81に希釈された。トランスフェクションされた
細胞は96ウェルプレートに、100μl/ウェルでプレートされ、さらに37
℃にて10%CO中でインキュベートされた。
【0101】 トランスフェクションされた細胞からの培養上澄は、抗体産生について前記に
述べたように検査された。ポジティブなクローンは選択され、拡張された。1:
27希釈プレートのH列9段からのH9クローンは、高い抗体レベルの生産者と
して選ばれた。
【0102】 この細胞株は、限界希釈法によりクローン化された。つまり、選ばれたクロー
ンはPBSにて1000細胞/mlに希釈された。10%SSMにおける一連の
1:10希釈が、1細胞/mlを得るべくおこなわれた。このような希釈液から
、100μl/ウェルが96ウェル平底プレートにプレートされた。これらのプ
レートは37℃にて10%CO中でインキュベートされた。3日間のインキュ
ベーションの後、各々のウェルに対し100μl/ウェルの10%SSMが添加
された。3週間後、単コロニーが現われ始めた。単コロニーだけがELISAに
より抗体産生について検査された。高レベルの抗体産生のあるクローンは増幅さ
れ、かつ選択された。クローンH9g12は最高の生産者として選ばれ、静置培
養において抗体産生が分析された。
【0103】 選ばれたクローンはトリプシンを用いた処理によって収穫され、10mlの1
0%SSM培地にて1x10細胞/mlの濃度に再懸濁され、さらにT25組
織培養フラスコに加えられた。細胞は37℃にて10%CO中で、21日間か
、または80%細胞死までインキュベートされた。この細胞懸濁液は遠心分離さ
れ、上澄はELISA分析法によりAb産生について調べられた。
【0104】 5. CHO−H9g12細胞株の安定な再トランスフェクション この方法は、安定なAb産生細胞株のゲノムに、対象の遺伝子のさらに多くの
コピーを加えるべく開発された。この方法を用いて進行するため、クローンH9
g12は抗ヒトTFメガベクターpJAIgG4TF.A8とpMACSの混合
物を用いて同時トランスフェクションされた。pMACSベクターは、膜結合C
D4タンパク質の一過性の発現を可能にするベクターである。H9g12細胞株
を同時トランスフェクションするためには、800μlの1.25x10細胞
/mlの懸濁液が0.4cmの電気穿孔キュベットに添加され、氷上にて10分
間インキュベートされた。この細胞に、3:1のモル比のpJAIgG4TF.
A8およびpMACSDNA(40μlの、Pvulで直鎖化された1μg/m
lのpJAIgG4TF.A8と、5μlの、スーパーコイル化された1μg/
mlのpMACS)が添加された。氷上での10分間のインキュベーションの後
、細胞は960μFおよび250Vにて電気穿孔された。細胞は37℃にて10
分間インキュベートされ、T25フラスコ内の10mlの10%SSMに対して
希釈され、さらにCD4タンパク質の一過性の発現を可能にするべく、37℃に
て10%CO中で72時間インキュベートされた。この時点で、細胞は5ml
のPBE(PBS溶液中のEDTA)により、室温にてそれらが剥離されるまで
処理された。細胞は1回洗浄され、380mlのPBEに再懸濁され、さらに、
細胞表面に発現されるヒトCD4分子に対して特異的な80μlの抗体を用いて
標識された。この抗体は、共有結合により磁気ビーズに結合されている。4℃で
の15〜20分間のインキュベーションに続いて、抗体標識された細胞は磁気カ
ラムにかけられた。その表面にCD4を発現するトランスフェクションされた細
胞は、磁気カラムに結合することが期待される。トランスフェクションされなか
った細胞は1mlのPBEを用いてカラムから洗い出された。結合した細胞は次
に、カラムを磁場から移動することと、1mlのPBEをカラムに通すことによ
り、カラムから溶出された。CD4発現細胞はG418(1.5mg/ml)を
補足された199mlの10%SSM中に希釈され、96ウェル平底プレートに
プレートされた。このプレートは37℃にて10%CO中でインキュベートさ
れた。
【0105】 抗体産生を検査するためには、マキシソープ96ウェルプレート(NUNC)
は、前文に述べたように100μlの、1μg/mlのヤギ抗ヒトIgG−Fc
(Fab)(ピエルス社(Pierce))を用いて被覆された。再トランスフェクシ
ョンされた細胞からの培地は、検査の24時間前に交換された。トランスフェク
ション産物の24時間の上澄5μlが、95μの10%FBS−PBSに添加さ
れた。希釈された上澄は、当該被覆されたウェルに加えられ、37℃において6
0分間インキュベートされた。ウェルはR55緩衝液を用いて6回洗浄され、前
文に述べたように、抗ヒトκ鎖抗体−HRP(サザンバイオテック社)が、当該
上澄中に存在する組換え抗体を検出するべく用いられた。精製されたヒトIgG
4タンパク質(バイオデザイン社(Biodesign))は、ポジティブな対照として
働き、抗体濃度についての標準曲線を確立するために用いられた。
【0106】 クローンの選択は、細胞数に対する抗体産生率を比較することによって行なわ
れた。つまり、高産生クローンはトリプシン処理され、カウントされた。算出さ
れた抗体産生率と細胞数とを用いて、μg抗体/10細胞/24時間が測定さ
れた。高産生クローンは24ウェル/プレートに増幅され、拡張された。選ばれ
たクローンは、3D2と名付けられた。
【0107】 限界希釈クローニングのためには、選ばれたクローンは10%SSM中にて連
続的に希釈され、96ウェル平底プレートに播種され、前記に述べたようにイン
キュベートされた。3週間後、単コロニーはELISAにより抗体産生について
調べられた。高レベルの抗体産生のあるクローンは、増幅されかつ選択された。
クローン3D2A9は、2.58μg抗体/10細胞/24時間を示し、最高
のクローンとして選ばれた。静置培養における抗体産生の分析は、このクローン
について開始された。
【0108】 3D2A9クローンの静置培養は、10%SSM培地10ml中の、2x10 細胞/mlの濃度をT25培養フラスコへ加えることによって開始された。フ
ラスコは37℃にて10%CO中で、21日間または80%細胞死までインキ
ュベートされた。細胞懸濁液は遠心分離され、上澄はELISAにより抗体産生
について調べられた。3D2A9クローンの最大の抗体産生は、21μg/ml
であった。この産生レベルは第1のトランスフェクションクローンよりも7倍高
かった。
【0109】 3. 第3の安定なトランスフェクション トランスフェクションされた細胞の抗体産生レベルをさらに増大させるべく、
クローン3D2A9は再び、抗ヒトTFメガベクターpJAIgG4TF.A8
とpMACSとの混合物を用いて同時トランスフェクションされた。この細胞株
をトランスフェクションするためには、800μlの1.25x10細胞/m
lの懸濁液が0.4cmの電気穿孔キュベットに添加され、氷上にて10分間イ
ンキュベートされた。この細胞に、3:1のモル比のpJAIgG4TF.A8
およびpMACSDNA(50μlの、Pvulで直鎖化された1μg/mlの
pJAIgG4TF.A8と、5μlの、スーパーコイル化された1μg/ml
のpMACS)が添加された。氷上での10分間のインキュベーションの後、細
胞は960μFおよび250Vにて電気穿孔された。細胞は37℃にて10分間
インキュベートされ、T25フラスコ内の10mlの10%SSMに対して添加
され、さらにCD4タンパク質の一過性の発現を可能にするべく、37℃にて1
0%CO中で48時間インキュベートされた。この時点で、トランスフェクシ
ョンされた細胞は抗CD4磁気ビーズを用いて標識され、前文に述べたように磁
気カラム上で選択された。CD4発現細胞は、G418(1.5mg/ml)を
補足された200mlの10%SSM中に希釈された。この細胞懸濁液は96ウ
ェル平底プレートにプレートされた。このプレートは37℃にて10%CO
で、およそ3週間インキュベートされた。
【0110】 マキシソープ96ウェルプレート(NUNC)は、前文に述べたように100
μlの、R5中の1μg/mlのヤギ抗ヒトIgG−Fc(Fab)(ピエルス
)を用いて被覆された。抗体産生を検定するため、再トランスフェクションされ
た細胞からの培地は、検査の24時間前に交換された。トランスフェクション産
物の24時間の上澄5μlが、95μの10%FBS−PBSに添加された。希
釈された上澄は、当該被覆されたウェルに加えられ、37℃において60分間イ
ンキュベートされた。ウェルはR55緩衝液を用いて6回洗浄され、前記に述べ
たように、抗ヒトκ鎖抗体−HRP(サザンバイオテック社)が、前記に述べた
ように、当該上澄中に存在する組換え抗体を検出するために用いられた。精製さ
れた抗TFキメラ抗体がポジティブな対照として働き、抗体濃度の標準曲線を確
立するために用いられた。この検査からの結果は、高い抗体産生クローンの選択
を可能にしており、それらは次いで12ウェルプレートに増幅された。これらの
クローンはウェルの80%まで増殖され、24時間上澄が検査された。この24
時間の培養上澄の1:100希釈物がELISAによって検査された。細胞もま
た数えられ、μg/10細胞/24時間、の抗体産生値が測定された。最も高
い抗体産生母クローンA9B11およびA9F12は、これらの値に基づいて選
ばれた。
【0111】 選ばれたクローンは10%SSM中にて連続的に希釈され、96ウェル平底プ
レートに播種され、前文に述べたようにインキュベートされた。3週間後、単コ
ロニーはELISAにより抗体産生について調べられた。高レベルの抗体産生の
あるクローンが増幅された。初代のクローンA9F12C2およびA9A11B
5は、30〜40μg抗体/10細胞/24時間の抗体産生率をもつ最高のク
ローンを有することが見出された。このクローンは静置培養用に拡張された。
【0112】 A9F12C2クローンの静置培養は、10%SSM培地10ml中の、2x
10細胞/mlの濃度をT25培養フラスコへ加えることによって開始された
。フラスコは37℃にて10%CO中で、21日間または80%細胞死までイ
ンキュベートされた。細胞懸濁液は遠心分離され、上澄はELISAによりAb
産生について調べられた。 A9F12C2クローンの最大の抗体産生は、52
μg/mlであった。この産生レベルは第2のトランスフェクションクローンよ
りも2倍高かった。
【0113】 選ばれたクローンA9F12C2は10%SSM中にて連続的に希釈され、9
6ウェル平底プレートに播種され、前文に述べたようにインキュベートされた。
3週間後、単コロニーはELISAにより抗体産生について調べられた。2次ク
ローンA9F12C2E7は最も高い抗体産生率をもつことが見出され、静置培
養用に拡張された。これらの静置培養は、前記に述べたように行なわれた。
【0114】 静置培養上澄における抗体濃度を測定するため、5μlのA9F12C2E7
の細胞上澄が4,995μlの10%PBSに添加された。この希釈された上澄
は、前文に述べた抗体ELISAにより、キメラ抗体について検査された。ポジ
ティブな対照として、精製された抗TFキメラ抗体が使用された。この検査から
の結果は、2次クローンA9F12C2E7が静置培養において52.6μg/
mlの最高の抗体産生レベルをもつことを示した。
【0115】 この選ばれたクローンA9F12C2E7は、10%SSM中にて連続的に希
釈され、96ウェル平底プレートに播種され、前文に述べたようにインキュベー
トされた。3週間後、単コロニーはELISAにより抗体産生について調べられ
た。3次クローンA9F12C2E7B4は最も高い生産者として選ばれ、静置
培養用に拡張された。これらの培養は、前記に述べたように開始された。
【0116】 静置培養上澄における抗体濃度を測定するため、5μlのA9F12C2E7
の細胞上澄が4,995μlの10%PBSに添加された。この希釈された上澄
は、前記に述べた抗体ELISAにより、キメラ抗体について検査された。ポジ
ティブな対照として、組織内で精製された抗TFキメラ抗体が使用された。クロ
ーンA9F12C2E7B4についての最大の抗体産生は、102.3μg/m
lであった(図3)。この細胞株は増幅され、さらに凍結された。1x10
胞/mlの濃度の50バイアルが最初の種細胞のバンクとして作成され、液体窒
素中に保存された。細胞株の名称はcH36(キメラH36)とされた。
【0117】 4. バイオリアクター注入 中空糸のバイオリアクターは、製造業者の説明書に示されているように組立て
られた。選択されたクローンは、正確な体積の30%SSMにて1x10細胞
/mlに再懸濁され、バイオリアクターに注入された。次いでバイオリアクター
は、製造業者の説明書に明示されていたとおりに運転された。最大の産生は、前
記に示したようにELISAにより調べられた。最初のトランスフェクションの
初代クローンH9g12は、1.100μg抗体/mlを産生した第3のトラン
スフェクションの初代クローンA11B5と比較して、70μg抗体/mlを産
生した(図4)。
【0118】 実施例2−組換えHLA−DR2 MHCクラスII分子の産生のための細胞株
の生成 1. ベクターの特徴づけ pDRHK(図2)と呼ばれるベクターは、ヒト免疫グロブリンκ定常ドメイ
ンに融合された可溶性の単鎖HLA−DR2/MBP分子の、哺乳類での発現の
ために構成された。最初の一過性のトランスフェクション実験は、pDRHKベ
クターからのタンパク質の発現を検査するために行なわれた。COS細胞はキア
ゲンリポフェクチン試薬を用いて一過性にトランスフェクションされた。手短に
言えば、ウェルあたり2.5x10個の細胞が6ウェルプレートに播種され、
37℃において24時間インキュベートされた。2ミリグラムのpDRHK D
NAが100μlのIMDMと混合された。脂質複合体を作成するため、10μ
lの脂質が当該DNA溶液に添加された。この混合物はボルテックスされ、さら
に室温において5分間インキュベートされた。DNAが脂質複合体を形成してい
る間に、細胞はPBSにて洗浄された。DNA-脂質混合物は、600μlの1
0%SSMと混合され、さらに、洗浄された細胞に添加された。細胞は脂質複合
体と共に、37℃および10%COにおいて3時間インキュベートされた。ト
ランスフェクションされた細胞はPBSを用いて洗浄され、2mlの10%SS
Mが与えられ、さらに37℃および10%COにおいて72時間インキュベー
トされた。上澄は、組換えDR2/MBP−CK産生について検査された。
【0119】 2. sc−DR2/MBP−Cκ産生を検出するためのELISA sc−DR2/MBP−C6の存在を検出するため、ヒト6/HLAκに特
異的なサンドイッチELISAが開発された。手短に言えば、マキシソープ96
ウェルプレート(NUNC)は、100μlの、PBS中の1μg/mlのヤギ
抗ヒトIgG−κを用いて被覆され、4℃において一晩インキュベートされた。
次にウェルはR55緩衝液にて1回洗浄され、プラスチックフィルムで覆われ、
使用されるまで4℃で保管された。組換えタンパク質の産生を検定するためには
、R55は除去され、さらに100μlのトランスフェクション産物の上澄が、
被覆されたウェルに添加された。37℃にて60分の後、ウェルはR55緩衝液
を用いて6回洗浄され、100μlの、HRPに結合された抗HLA−DR抗体
L243(アナージェン社(Anergen)、ATCC HB−55)の1:1000
希釈物(10%FBSを含んでいるPBS中)が添加された。次いでプレートは
37℃においてインキュベートされ、400μlのR55緩衝液を用いて6回洗
浄された。プローブ抗体の存在を検出するためには、100μlの1倍のABT
S基質が5分間にわたって添加され、それに、100μlのABTSクエンチ緩
衝液が続けられた。吸光度は405nmにおいて読取られた。かかる検定からの
結果は、 sc−DR2/MBP−Cκ融合タンパク質が、pDRHKベクター
によって一過性にトランスフェクションされたCOS細胞によって産生されたこ
とを示した。
【0120】 3. 最初の安定なトランスフェクション sc−DR2/MBP−Cκ融合タンパク質を発現している安定な細胞株を生
成するため、CHO.K1細胞はpDRHKベクターを用いてトランスフェクシ
ョンされた。つまり、100μgのpDRHK DNAは、Pvulを用いて3
7℃において約4時間消化することによって直鎖化された。CHO.K1細胞(
ATCC CCL−61)は1.25x10細胞/mlの濃度に希釈された。
800μlの体積の細胞が、0.4cmの電気穿孔キュベットに添加され、氷上
で10分間インキュベートされた。20マイクログラムのpDRHK DNAが
添加され、細胞と混合され、さらに10分間インキュベートされた。細胞は次い
で、960μFおよび250Vにて電気穿孔された。氷上での10分間のインキ
ュベーションの後、細胞の懸濁液は10mlの10%SSMと共にT25フラス
コに添加され、さらに37℃にて10%CO中一晩インキュベートされた。2
4時間後、トリプシン−PBSを用いたインキュベーションにより細胞は収穫さ
れ、PBSに再懸濁され、さらにG418を補足された培地中で1:9、1:2
7、および1:81に希釈された。トランスフェクションされた細胞は96ウェ
ルプレートに、100μl/ウェルでプレートされ、さらに37℃にて10%C
O2中でインキュベートされた。
【0121】 異なる96ウェルプレートからの細胞からの培養上澄は、前文に述べたように
検査された。ポジティブなクローンは選択され、拡張された。1:27プレート
のA列5段からのクローンA5は、高生産者として選ばれた。この細胞株は、前
文に述べたように、限界希釈法によりサブクローン化された。スクリーニングの
後、最高の産生細胞株としてクローンA5B4が選ばれ、静置培養が開始された
【0122】 選ばれたクローンはトリプシンを用いた処理によって収穫され、10mlの1
0%SSM培地にて1x10細胞/mlの濃度に再懸濁され、さらにT25組
織培養フラスコに加えられた。細胞は37℃にて10%CO中で、21日間か
、または80%細胞死までインキュベートされた。この細胞懸濁液は遠心分離さ
れ、上澄はELISA分析法により組換えDR2産生について調べられた。A5
B4クローンによる組換えsc−DR2/MBP−C6融合タンパク質の産生は
、20ng/mlであった。
【0123】 4. 安定な再トランスフェクション この方法を用いて進行するため、クローンHA4B5はpDRHKとpMAC
Sとの混合物を用いて同時トランスフェクションされた 。 800μlの体積の
1.25x10細胞/mlの懸濁液が0.4cmの電気穿孔キュベットに添加さ
れ、氷上にて10分間インキュベートされた。この細胞に、3:1のモル比のp
DRHKおよびpMACSDNA(30μlの、Pvulで直鎖化された1μg
/mlのpDRHKと、5μlの、スーパーコイル化された1μg/mlのpM
ACS)が添加された。氷上での10分間のインキュベーションの後、細胞は9
60μFおよび250Vにて電気穿孔された。細胞は37℃にて10分間インキ
ュベートされ、T25フラスコ内の10mlの10%SSMに対して希釈され、
さらにCD4タンパク質の一過性の発現を可能にするべく、37℃にて10%C
中で72時間インキュベートされた。この時点で、細胞は5mlのPBEを
用いて、室温にてそれらが剥離されるまで処理された。細胞は1回洗浄され、3
80mlのPBEに再懸濁され、さらに、細胞表面に発現されるヒトCD4分子
に対して特異的な80μlの抗体を用いて標識された。この抗体は、共有結合に
より磁気ビーズに結合されている。4℃における15〜20分間のインキュベー
ションに続いて、抗体標識された細胞は磁気カラムにかけられた。その表面にC
D4を発現するトランスフェクションされた細胞は、磁気カラムに結合すること
が期待される。トランスフェクションされなかった細胞は1mlのPBEを用い
てカラムから洗い出された。結合した細胞は次に、カラムを磁場から移動するこ
とと、1mlのPBEをカラムに通すことにより、カラムから溶出された。CD
4発現細胞はG418(1.5mg/ml)を補充された199mlの10%S
SM中に希釈され、96ウェル平底プレートにプレートされた。このプレートは
37℃にて10%CO中でインキュベートされた。
【0124】 3週間後、異なる96ウェルプレートからの上澄は、前文に述べたように組換
えタンパク質について検査された。ポジティブなクローンが選択され、拡張され
た。クローンDR2は、最高の生産者として選ばれた。この細胞株は凍結され
た。
【0125】 DR2クローンのバイアルは、37℃の水槽内ですばやく溶かされ、95%
生存率まで増殖された。限界希釈クローニングのため、細胞は前文に述べたよう
に連続的に希釈された。3週間の増殖の後、単コロニーはELISAによりsc
−DR2/MBP−Cκ産生について調べられた。最高の産生レベルをもつクロ
ーンが増幅され、選択された。クローンDR2−H4は、最良の生産者として
同定された。前文に述べたように静置培養が行なわれ、DR2−H4クローン
からの組換えタンパク質の産生は100ng/mlであることが見出された。
【0126】 4. 第3の安定なトランスフェクション 組換えタンパク質の産生をさらに増大させるべく、初代クローンDR2−H
4は、pDRHKと、ピューロマイシンに対する抵抗性を与える遺伝子を運んで
いるpPUB(クロンテック社(Clonetech))との混合物を用いて同時トラン
スフェクションされた。つまり、800μlの1.25x10細胞/mlの懸濁
液が0.4cmの電気穿孔キュベットに添加され、氷上にて10分間インキュベ
ートされた。この細胞に、3:1のモル比のpDRHKおよびpMACSDNA
(25μlの、Pvulで直鎖化された1μg/mlのpDRHKと、5μlの
、Pvulで直鎖化された1μg/mlのpPUR)が添加された。氷上での1
0分間のインキュベーションの後、細胞は960μFおよび250Vにて電気穿
孔された。細胞は37℃にて 分間インキュベートされ、T25フラスコ内の1
0mlの10%SSMに対して添加され、さらに37℃にて10%CO中で4
8時間インキュベートされた。次いで細胞はトリプシン処理により収穫され、遠
心分離され、さらにG418(1.5mg/ml)とピューロマイシン(20μ
g/ml)とを含んでいる10%SSMに再懸濁された。コロニーが明らかにさ
れた後、培養液は組換えタンパク質について調べられた。クローンA9およびB
9は最も高い生産者であることがわかり、前文に述べたように静置培養において
検査された。静置培養の組換えタンパク質産生は、A9については1,800n
g/mlであり、またB9については2,108であった(図5)。
【0127】 これらの細胞株は限界希釈クローンによりサブクローン化され、組換えタンパ
ク質の産生について検査された。初代クローンA9D5、A9G4、A9C7、
B9H3、B9G4、およびB9H5は、24時間で200〜300ng/ml
のsc−DR2/MBP−Cκ産生率を有するものと同定された。静置培養にお
けるこれらのクローンによる組換えタンパク質の産生は、上述したように行なわ
れた。
【0128】 本発明は、その好ましい態様に関連して詳細に述べられてきた。しかしながら
、当業者はこの開示を検討するに当たり、本発明の精神および範囲内で、修正お
よび改良を行なってもよいことが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関して使用するための例示ベクターを示した図である。ベクターpJ
AIgG4TFは、抗キメラ組織因子(TF)免疫グロブリンの重および軽鎖を
コードする。
【図2】 本発明に関して使用するための例示ベクターを示した図である。ベクターpD
RHKは、ヒト免疫グロブリンκ鎖の定常ドメインに融合された単鎖のHLA−
DR2/MBP分子をコードする。
【図3】 T25フラスコでの静置培養における組換えキメラ抗TF抗体の高レベルの産
生を示すグラフである。抗TF抗体を高レベルに産生している組換え細胞株は、
3回の連続したトランスフェクションに続いて単離された。高産生組換え細胞株
は、各々H9G12、3D2A9、およびA11B5と名付けられた。
【図4】 バイオリアクターにおける組換えキメラ抗TFの高レベルの産生を示すグラフ
でる。抗TF抗体を高レベルに産生している組換え細胞株は、3回の連続したト
ランスフェクションに続いて単離された。高産生組換え細胞株は、第1および第
3のトランスフェクションの後に単離された列について、H9G12およびA1
1B5と名付けられた。
【図5】 T25フラスコでの静置培養における組換えsc−DR2/MBP−Cκ産生
についての高レベルの産生を示すグラフである。 sc−DR2/MBP−Cκ
融合タンパク質を高レベルに産生している組換え細胞株は、3回の連続したトラ
ンスフェクションの後に単離された。高産生組換え細胞株は、各々A5B4、D
R2H4、およびB9と名付けられた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 21/02 C12N 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA ,ZW (72)発明者 ピーター・アール・ロード アメリカ合衆国 フロリダ州 33185 マ イアミ 14857 エス・ダブリュー 42番 レーン Fターム(参考) 4B024 AA20 BA41 CA02 DA02 EA04 FA10 GA13 GA14 4B064 AG26 CA10 CC24 4B065 AA90X AB01 AC10 AC14 BA03 BA05 BA25 CA24 CA25

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ酸配列の増大された発現を特色とする細胞株を産生す
    る方法であって、前記方法が: a) 前記アミノ酸配列をコードするセグメントに操作可能に結合された第1
    の選択可能な配列を含んでいる第1のベクターを宿主細胞に導入すること、 b) 前記第1のベクターを選択することを導く条件下に前記宿主細胞を培養
    すること、 c) 前記アミノ酸配列を第1の発現レベルで発現している細胞(第1の高発
    現細胞)を単離すること、 d) 前記第1の発現レベルで発現している前記細胞に、前記アミノ酸配列を
    コードする第2のベクターを導入すること、 e) 前記アミノ酸配列を前記第1の発現レベルよりも高い第2の発現レベル
    で発現することを導く条件に前記細胞をさらすこと、および、 f) 前記細胞株(第2の高発現細胞)を産生するべく、前記アミノ酸配列を
    前記第2の発現レベルで発現している前記細胞を単離すること、 を含む方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、前記方法がさらに: g) 前記第2の発現レベルで発現している前記細胞に、前記アミノ酸配列を
    コードする第3のベクターを導入することと、前記アミノ酸配列を前記第2の発
    現レベルよりも高い第3の発現レベルで発現することを導く条件に前記細胞をさ
    らすことと、および、 h) 前記細胞株(第3の高発現細胞)を産生するべく、前記アミノ酸配列を
    前記第3の発現レベルで発現している前記細胞を単離すること、 を含む方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の方法であって、前記方法がさらに、第3の
    高発現細胞に前記アミノ酸配列をコードするベクターを導入すること、前記第3
    の発現レベルよりも高い発現レベルで前記アミノ酸配列を発現することを導く条
    件に前記細胞をさらすこと、および、前記アミノ酸配列を前記第3の高発現細胞
    よりも高いレベルで発現している細胞株を単離するために前記の導入することお
    よびさらすことの工程を少なくとも1回行うことを含む方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の方法であって、前記方法の工程b)がさら
    に、第1の選択可能な配列を選択する少なくとも一つの薬剤を含んでいる選択培
    地において前記細胞を成長させることを含む方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の方法であって、前記方法の工程d)がさら
    に、前記細胞に第4のベクターを導入することと、前記アミノ酸配列を前記第2
    の発現レベルで発現することを導く条件に前記細胞をさらすことを含む方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の方法であって、前記第4のベクターがさら
    に一つの選択可能な配列を含んでいる方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の方法であって、前記第4のベクターがさら
    に、前記アミノ酸配列をコードするセグメントに操作可能に結合された第2の選
    択可能な配列を含んでいる方法。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の方法であって、前記方法がさらに、前記第
    2の選択可能な配列を選択する少なくとも一つの薬剤を含んでいる選択培地にお
    いて、前記細胞を成長させることを含む方法。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載の方法であって、前記第4のベクターがさら
    に、選択可能な細胞表面マーカーをコードする配列を含む方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の方法であって、前記選択可能な細胞表面
    マーカーが、前記アミノ酸配列をコードするセグメントに操作可能に結合されて
    いる方法。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の方法であって、前記方法がさらに、クロ
    マトグラフィー、細胞のパンニング(panning)、フローサイトメトリー、免疫
    沈降、または抗体結合の少なくとも一つにより、前記細胞表面マーカーを発現し
    ている細胞を単離することを含む方法。
  12. 【請求項12】 請求項2に記載の方法であって、前記方法の工程g)がさ
    らに、第5のベクターを前記細胞に導入することと、前記アミノ酸配列を前記第
    3の発現レベルで発現することを導く条件に前記細胞をさらすことを含む方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の方法であって、前記第5のベクターが
    さらに第3の選択可能な配列を含む方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の方法であって、前記第3の選択可能な
    配列が、前記アミノ酸配列をコードするセグメントに操作可能に結合される方法
  15. 【請求項15】 請求項13に記載の方法であって、前記方法がさらに、第
    3の選択可能な配列を選択する少なくとも一つの薬剤を含んでいる選択培地にお
    いて前記細胞を成長させることを含む方法。
  16. 【請求項16】 請求項12に記載の方法であって、前記第5のベクターが
    さらに、選択可能な細胞表面マーカーをコードする配列を含む方法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の方法であって、前記選択可能な細胞表
    面マーカーが、前記アミノ酸配列をコードするセグメントに操作可能に結合され
    る方法。
  18. 【請求項18】 請求項16に記載の方法であって、前記方法がさらに、ク
    ロマトグラフィー、細胞のパンニング、フローサイトメトリー、抗体結合、免疫
    沈降、または抗体結合の少なくとも一つにより、前記細胞表面マーカーを発現し
    ている前記細胞を単離することを含む方法。
  19. 【請求項19】 請求項1に記載の方法であって、抗体反応性により決定さ
    れる際、前記第2の高発現細胞が前記第1の高発現細胞に比較して約3から約4
    0倍の間のより多くの前記アミノ酸配列のフォールドを発現する方法。
  20. 【請求項20】 請求項2に記載の方法であって、抗体反応性により決定さ
    れる際、前記第3の高発現細胞が前記第2の高発現細胞に比較して約3から約4
    0倍の間のより多くの前記アミノ酸配列のフォールドを発現する方法。
  21. 【請求項21】 請求項1に記載の方法であって、前記アミノ酸配列が免疫
    グロブリンの重鎖から軽鎖か、またはその機能性フラグメントをコードする方法
  22. 【請求項22】 請求項2に記載の方法であって、前記ベクターの各々が独
    立して第1の薬剤耐性遺伝子、細胞表面マーカー、または第2の薬剤耐性遺伝子
    をコードしており、さらに前記ベクターの各々が前記アミノ酸配列に操作可能に
    結合される方法。
  23. 【請求項23】 請求項1、2、または3に記載の方法によって産生される
    細胞株。
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