JP2002525494A - 位相を検出する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 内燃機関において位相を検出するための装置であって、クランク軸センサしか存在しておらず、位相信号が所定のシリンダに対する噴射の所定の抑制と、同時に行われる回転数の解析とにより得られる形式のものが提案されている。同一のシリンダのための複数の抑制された噴射に際して期待された回転数経過が生じると、同期化が正確であると判断され、この条件が充たされないと同期化は３６０゜ＫＷだけ誤っており、転同期化が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は独立請求項に記載した形式の内燃機関において位相を検出する装置か
ら出発している。

【０００２】 公知技術 １つのクランク軸と少なくとも１つのカム軸とを有する多シリンダ内燃機関に
おいては、制御装置により、クランク及びカム軸の検出された位置に関連して、
いつどのシリンダへ燃料が噴射されるべきでかついつ点火が開始されるべきかが
算出される。この場合には通常、クランク軸の角度位置がセンサで検出される。
このセンサはクランク軸もしくは該クランク軸に結合された、特徴的な表面を有
する円板を検出する。

【０００３】 クランク軸は内燃機関の１作業サイクル内で２回転するので、クランク軸の検
出だけでは内燃機関の位相を一義的に決定することはできない。これが可能であ
るためには、通常は、第２のセンサを用いて、カム軸に結合された、表面に基準
マークを有する発信円板が検出される。カム軸は１作業サイクルで１回転しかし
ないので、制御装置はクランク軸センサとカム軸センサとから発信された信号の
組合せから一義的な相互関係を認知しかついわゆる同期化を行うことができる。

【０００４】 カム軸センサもしくは位相センサなしでよいシステムにおいては、クランク軸
センサから発信された信号だけから同期化を可能にする付加的な処置が必要であ
る。位相センサなしで位相を検出するシステムはＤＥ−ＯＳ４４１８５７７号明
細書により公知である。

【０００５】 前記公知のシステムにおいては、個々のシリンダのための、クランク軸の角度
位置（前置角とも呼ばれる）に関連した噴射の開始が意図的に、位相が誤ってい
る場合に、１つの作業サイクルと次の作業サイクルとの間で回転数変化が引き起
こされるように変えられる。前記回転数変化はクランク軸センサから発信された
信号の評価で認識される。前記回転数変化は制御装置において認識されかつ評価
されかつ位相検出及びそれに続く位相同期化のために使用される。

【０００６】 発明の利点 請求項１の特徴を有する本発明による位相を検出する装置は、同期化をカム軸
センサなしで行うことができ、付加的な構成部分が必要とされず、位相検出が信
頼性をもってかつ滞りなく行われ、誤った位相状態が確認された場合に修整もし
くは新同期化が実施可能であることである。

【０００７】 前記利点は請求項１の特徴を有する位相を検出する装置で、クランク軸センサ
の回転数に関連した出力信号を検出し、所定のシリンダのための噴射が抑制され
た場合に、これにより引き起こされた回転数経過もしくは回転数落込みが発生し
たか否かについて確認されることで達成される。確認された回転数経過に関連し
て、仮定した位相状態が正しいか否かが識別される。これに関連して最終的な同
期化が行われる。

【０００８】 本発明の別の利点は従属請求項に記載した手段によって達成される。

【０００９】 実施例 図１に示された内燃機関の制御システムにおいては、符号１０では発信円板が
示されている。該発信円板１０は内燃機関のクランク軸１１に剛性的に結合され
かつその外周に多数の同じ形式の角度マーク１２を有している。この同じ形式の
角度マーク１２の他に、例えば２つの欠けた角度マークにより実現された基準マ
ーク１３がある。角度マークの総数は例えば６０−２である。

【００１０】 発信円板１０は出力信号を制御装置１５に送るセンサ１４により検出される。
この出力信号は信号処理後に発信円板１０の表面を再現する方形信号として存在
する。

【００１１】 従来の内燃機関に存在していた、カム軸１６もしくはカム軸１６に結合された
、マークを有する円板を検出する位相センサは、図示の場合には設けられていな
い。このようなセンサの出力信号から通常得られる位相に関する情報は、以後記
載する方法を用いて得られる。

【００１２】 制御装置１５は種々の入力端子を介し、内燃機関の制御もしくは調整のために
必要な別の入力値を受取る。別の入力端子を介し「点火オン」信号が供給される
。この「点火オン」信号は点火スイッチ１８を接続することで点火錠の端子Ｋ１
．１５から送信される。少なくとも１つの中央のプロセッサユニット１８並びに
１つのメモリ１９を含む制御装置１５において、点火及び噴射のための信号が求
められる。この信号は出力端子２０と２１から送信される。制御装置１５の電圧
供給は通常の形式で、スイッチ２３を介して接続されるバッテリー２２で行われ
る。

【００１３】 図１に記載した装置で、内燃機関の運転中に随時クランク軸１１の位置が検出
される。クランク軸とカム軸との関係はカム軸の位置と個々のシリンダの状態と
の関係同様公知であるので、関連マークの認識後に同期化が行われる。しかしこ
の同期化は位相状態を特徴づける信号が存在しているときだけ行われる。位相信
号はクランク軸センサから送られた関連信号が多義であることから必要とされる
。つまり、クランク軸は内燃機関の１つの作業サイクルで２回転するのに対し、
カム軸は１回転しかしない。

【００１４】 位相センサのないシステムにおいて、位相状態が認識され、連続的な噴射が行
われるためには制御装置において以下の作用が行われる。

【００１５】 つまり、内燃機関の始動が確認されたあとで、クランク軸センサの発する信号
が評価される。関連マークが最初に確認されると、第１の関連マークにて連続的
な噴射が開始される。クランク軸がどの回転位置にあるか不明であるので、噴射
のための前置角は正しいか又は３６０゜ＫＷだけ違っている。位相検出するため
には始動後に、１つのシリンダのための噴射が中断されるかもしくは抑制される
。噴射の前記抑制は始動過振の下降枝において約３作業サイクルが行われる。始
動過振の下降枝は図２もしくは図４にて範囲１で特徴づけられた回転数の低下を
意味する。位相が一義的に決められない場合には短い待機時間後にアイドリング
における噴射中断が繰返される。

【００１６】 最後の噴射中断後、２クランク軸回転までの噴射中断の間の時間帯において、
特別に形成されたセグメント時間が監視される。この場合、セグメント時間は各
シリンダの点火上死点を中心としてほぼ対称に位置するように規定され、セグメ
ント位置は各機関に対し特別に規定されなければならない。セグメント長さは７
２０゜ＫＷ／シリンダ数でありかつ所定数の角度マークもしくは信号クランクを
有している。クランク軸が１つのセグメントだけ回転する時間が検出されるので
、回転数評価に際し、低減通過特性が生じる。この場合には複数の角度マークに
亘る平均値形成が行われる。セグメントの位置は絞られたシリンダによるセグメ
ント時間の上昇、つまり選択する燃焼に起因する時間上昇がセグメントの半分に
位置するように選択される必要がある。これにより、次のセグメントへの最大可
能な妨害間隔が得られる。

【００１７】 絞られた噴射中断後の回転数の落込みを認識するためには常に、噴射の中断が
作用するセグメント時間しか評価されない。例えば４気筒内燃機関の場合にはシ
リンダ１のための噴射が中断され、点火ＯＴを中心としたセグメント時間が評価
される。シリンダ数が奇数である内燃機関の場合には、これは、セグメント時間
が機械的に同じセグメントにおいて、つまり、それぞれ同じ角度マークの間で検
出される。これにより場合によっては存在する発信円板の製作誤差が回転数評価
に影響を及ぼすことがなくなる。

【００１８】 シリンダ１への噴射中断に際してシリンダ２とシリンダ４との両方のセグメン
ト時間の差の形成によって、相応のシリンダにおいて中断が検出されるように、
所定の絶対値を上回らなければならないダイナミック値が算出される。この場合
には式： ｄｔｓ（ｋ）＝ｔｓ（ｋ）−ｔｓ（ｋ−２） が充たされる。

【００１９】 ｔｓ ＝ セグメント時間 ｄｔｓ＝ダイナミック値 これは４気筒内燃機関に当嵌まる。両方のセグメント時間の差の形成に加えて
、さらに２つの後者のダイナミック値の差が算出される。したがって前記差は絶
対値でなければならない。つまり式： Ｄｄｔｓ＝ｄｔｓ（ｋ）−ｄｔｓ（ｋ−２） が当嵌まる。

【００２０】 回転数の影響は考慮される必要はない。何故ならば噴射の中断は小さな回転数
範囲においてしか行われないからである。位相探索が効果的であるためには例え
ば抑制された噴射の数−１が１つのシリンダにおいて確認されなければならない
。例えば形成される回転数の落込みが３つの噴射中断において２度正しく認識さ
れると位相探索は効果的に終了する。別の条件では、他の別のシリンダにおいて
中断が確認されないことが必要とされる。同期化が３６０゜ＫＷだけ誤っている
位相探索が得られると転同期化が行われる。

【００２１】 図２と図３とにおいては値：吸気弁の開放、噴射インパルス、点火、噴射中断
、転同期化、回転数が時間にプロットされて、例えば噴射が３６０゜ＫＷ誤って
おりかつ転同期化が必要であった場合を例として示されている。図４と図５とに
おいては完全な同期化を有する例のために同じ関係が示されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 内燃機関の制御システムの、本発明を説明するために必要なコンポーネントを
概略的に示した図。

【図２】 本発明にとって重要な値もしくは制御信号が時間に対しプロットされている。

【図３】 本発明にとって重要な値もしくは制御信号が時間に対しプロットされている。

【図４】 本発明にとって重要な値もしくは制御信号が時間に対しプロットされている。

【図５】 本発明にとって重要な値もしくは制御信号が時間に対しプロットされている。

【符号の説明】

１０ 発信円板、 １１ クランク軸、 １２ 角度マーク、 １３ 関連マ
ーク、 １４ センサ、 １５ 制御装置、 １６ カム軸、 １７ センサ、
１８ 点火スイッチ、 １９ メモリ、 ２０，２１ 出力端子、 ２２ バ
ッテリー、 ２３ スイッチ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アンヴァール アビディン ドイツ連邦共和国 レオンベルク アイン シュタインシュトラーセ 27 (72)発明者 インゴルフ ルップ ドイツ連邦共和国 ルートヴィッヒスブル ク バーリンガー シュトラーセ ６ (72)発明者 アンドレアス プフェンダー ドイツ連邦共和国 アプシュタット ショ ーツァッハシュトラーセ 58 (72)発明者 ヴォルフガング ベルケル ドイツ連邦共和国 シュヴィーバーディン ゲン アム ヴルムベルク 20 Ｆターム(参考） 2G030 AA02 AD08 AF01 AG00 3G084 BA13 CA01 CA03 DA04 DA13 EA07 EA11 FA36 FA38 FA39 3G301 HA01 JA00 JA20 KA01 KA07 MA24 NA08 NE19 NE23 PE03Z PE04Z PE05Z

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 クランク軸を有し、該クランク軸の角度位置が、クランク軸
   センサから送られた信号を評価装置にて評価することにより連続的に検出され、
   該評価装置が角度位置に関連し噴射及び点火インパルスを発し、内燃機関の始動
   後の位相状態を認識するために噴射に影響を及ぼし、これによって生じる回転数
   変化を評価する内燃機関において位相を検出するための装置において、所定のシ
   リンダのため噴射を絞って中断して燃料が噴射されないようにしかつクランク軸
   センサの出力信号を、期待される反応について監視することを特徴とする、位相
   を検出する装置。
2. 【請求項２】 クランク軸センサの出力信号からセグメント時間が検出され
   るようになっており、この場合、１つのセグメントが所定の角度範囲に亘って延
   在しておりかつ１つのセグメント時間が、この時間中にクランク軸が１つのセグ
   メントだけ回転するように規定されており、選び出されたセグメント時間を比較
   することにより、行われなかった点火を認識しかつ位相検出のために使用する、
   請求項１記載の位相を検出するための装置。
3. 【請求項３】 所定のセグメント時間の間の差異が形成され、求められた差
   異が所定の又は適合可能な最小値と比較され、求められた差異が最小値を越える
   燃焼の中断を認識する、請求項２記載の位相を検出するための装置。
4. 【請求項４】 認識された燃焼の中断を、シリンダカウンタを用いて、相応
   の位相状態に関係づけかつ認識された燃焼の中断をそれぞれ１つのカウンタで位
   相状態のために正しく又は誤って加算する、請求項３記載の位相を検出するため
   の装置。
5. 【請求項５】 誤同期化が認識された場合に３６０゜ＫＷだけずらされた転
   同期化を行う、請求項１から４までのいずれか１項記載の位相を検出するための
   装置。
6. 【請求項６】 クランク軸センサの出力信号から回転数を検出し、該回転数
   の検出をそれぞれ１つのセグメント時間から行う、請求項１から５までのいずれ
   か１項記載の位相を検出するための装置。
7. 【請求項７】 噴射中断を始動の認識後、回転数が減少する範囲で行うよう
   になっており、この範囲が始動過振の下降枝の範囲に相応している、請求項１か
   ら６までのいずれか１項記載の位相を検出するための装置。