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JP2002328509A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002328509A
JP2002328509A JP2001132164A JP2001132164A JP2002328509A JP 2002328509 A JP2002328509 A JP 2002328509A JP 2001132164 A JP2001132164 A JP 2001132164A JP 2001132164 A JP2001132164 A JP 2001132164A JP 2002328509 A JP2002328509 A JP 2002328509A
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image carrier
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carrier
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JP2001132164A
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Yasushi Shimizu
康史 清水
Junichi Kato
淳一 加藤
Hiroshi Sato
浩 佐藤
Hiroyuki Oba
浩幸 大羽
Masahiro Yoshida
雅弘 吉田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】像担持体1の帯電手段として、像担持体1に接
触して回転する帯電部材2−Aを有する帯電手段2を用
い、かつクリーナレスシステムとした画像形成装置にお
いて、像担持体1と帯電部材2−Aとの接触部Cに持ち
運ばれる転写残現像剤Tの過剰に起因する帯電不良等の
発生を効果的に防止して、出力画像品質の向上・維持を
図ること。 【解決手段】像担持体1に接触する帯電部材2−Aは、
画像形成時には像担持体1の回転方向aに対してカウン
ター方向bに回転し、画像形成工程以外の工程時の少な
くとも一部では像担持体1に対する回転の周速差が0付
近で回転し、且つその時に現像手段3には現像剤の帯電
極性に対して現像剤が現像手段側に飛翔するような電位
差を持つバイアスを印加するクリーニング工程を設けた
こと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子写真感光体
・静電記録誘電体等の像担持体の帯電手段として接触帯
電を用い、またクリーナレスシステムの、電子写真装置
・静電記録装置等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真装置等の画像形成装置に
おいては、電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持
体上で静電潜像を形成するために、像担持体を一様な電
位に帯電させるための帯電工程が必要であり、像担持体
に非接触なコロナ帯電装置等が用いられてきた。
【0003】しかしながら、コロナ帯電装置では、オゾ
ンが発生する、帯電装置と像担持体との間に10KV程
度の高い電圧を印加しなければならない等の問題があっ
た。
【0004】これらの問題を解決する帯電手段として、
近年、像担持体に直接接触する帯電部材に電圧を印加す
ることで像担持体を一様に帯電させる、いわゆる接触帯
電装置が、提案、実用化されている。
【0005】上記の接触帯電装置の代表的なものは、図
7に示すようなローラ帯電装置2−Xである。ローラ帯
電装置2−Xにおいては、導電性であるベースローラの
表層に中抵抗の層が設けられており、このローラが像担
持体1の回転aに合わせて矢印fの方向に回転する。上
記ローラと像担持体1の間には電源S1により所定の電
圧が印加されており、これにより上記像担持体1は一様
な電位に帯電させられる。
【0006】ここで、上記の電圧の印加については、
(1)直流電圧のみを印加する方法、(2)直流電圧に
交流電圧を重畳させた電圧を印加するする方法の2通り
がある。
【0007】(1)の場合では、例えば、像担持体1上
の電位を−600Vにするためには、−1300V程度
の電圧を印加する必要があり、(2)の場合では、直流
電圧を−600V、重畳する交流電圧を1500Vpp
以上として印加することで、同様に、像担持体1上の電
位を−600Vにすることができる。
【0008】この場合における帯電のメカニズムは、い
ずれの場合でも、Paschenの法則に従うものであ
り、図7中の領域Hで示されるような、上記のローラと
像担持体1とがある特定の距離においてPaschen
の法則を満足する領域で放電現象が起こり、像担持体1
上を帯電させるものである。
【0009】しかしながら、このような接触帯電装置
は、上記の帯電メカニズムからも分かるとおり、初めに
述べたコロナ帯電装置と同じことを微小な空間Hで行っ
ているものであり、オゾン発生は、コロナ帯電装置より
は大幅に抑えられているものの、やはり発生する。この
オゾンは、酸化窒素を生成し、像担持体1上に付着した
場合、その抵抗が低いため、帯電不良による画像不良を
発生させる。
【0010】これに対しては、上記のようなオゾンの発
生の問題が無く、また、これに伴い、帯電装置に印加す
る電圧を更に低くできる帯電プロセスが特開平6−39
21号公報等に提案されている。
【0011】この帯電プロセスにおける特徴は、像担持
体1の表面電位を、帯電装置に印加した電圧とほぼ同じ
電位に出来ることであり、これは、放電現象を用いるこ
となく、帯電部材に接触した像担持体1表面との直接の
電荷のやりとりにより、像担持体1への電荷注入を行う
ことで可能とするものである上記の注入帯電プロセスを
実現するための帯電装置として、いくつかのタイプの注
入帯電装置が提案されている。その代表的な1つとし
て、磁気ブラシタイプの帯電装置2−Yを図8に示す。
【0012】磁気ブラシタイプの注入帯電装置は、マグ
ネット2−Y−a、これを内包した帯電スリーブ2−Y
−b、及びスリーブ表面に付着したマグネットキャリア
2−Y−c等より構成される。
【0013】マグネット2−Y−aは固定されており、
これに対し、帯電スリーブ2−Y−bは、内包したマグ
ネット2−Y−aの磁気力により、マグネットキャリア
2−Y−cを吸着し、回転することで、このマグネット
キャリア2−Y−cを矢印b方向に搬送する。
【0014】そして、規制ブレード2−Y−dによりマ
グネットキャリア2−Y−cは帯電スリーブ2−Y−b
上で規制される。
【0015】帯電スリーブ2−Y−bは像担持体1に近
接して設置されており、帯電スリーブ2−Y−b上のマ
グネットキャリア2−Y−cは像担持体1に常に接して
いる部分がある。
【0016】ここで、マグネットキャリア2−Y−c
は、磁性体であると共に、導電性の物質である。
【0017】本システムにおいては、上記規制ブレード
2−Y−dには、電源S1により、−600Vの直流電
圧が印加されている。このため、像担持体1上におい
て、マグネントキャリア2−Y−cに接触している部分
は、これと同電位になろうとする。この時、マグネット
キャリア2−Y−cから、像担持体1表面のエネルギー
障壁を越えて、電荷が像担持体1に注入されれば、像担
持体1は帯電され、この2ネルギー障壁を越えられない
か、もしくは、マグネットキャリア2−Y−cと像担持
体1が離れるときに、再び、像担持体1から、電荷がマ
グネットキャリア2−Y−cに移動する場合には、帯電
は起こらない。この現象は、像担持体1の持つ表面のエ
ネルギー障壁や、電荷の保持能力によるところが大きい
一方で、競争反応として考えた場合、マグネットキャリ
ア2−Y−cが像担持体1と接触する機会の頻度が重要
になる。この頻度を上げるためには、マグネットキャリ
ア2−Y−cの粒径を小さくし、マグネット2−Y−a
の磁力を大きくするなどして、マグネットキャリア2−
Y−cの密度を高くし、また、帯電スリーブ2−Y−b
の回転方向bを像担持体1の進行方向aと逆にして、相
対速度を上げるなどして像担持体1への時間当たりの接
触回数を増やすことが効果がある。
【0018】上記のように、像担持体1への電荷の注入
サイトとなるマグネットキャリア2−Y−cを高い確率
で像担持体1に接触させることにより、像担持体1の表
面電位は帯電スリーブ2−Y−bに印加した−600V
とほぼ同じ電位となり、またミクロな部分についても帯
電ムラのない均一帯電が可能になっている。
【0019】しかしながら、本システムを実施する場合
には、マグネットキャリアを2−Y−cを保持するため
の機構が必要となり、シール性の難しさなどに問題があ
った。
【0020】この点を改良した帯電装置として考案され
たのが、スポンジローラ帯電装置である(特開平10−
307455号公報等)。このタイプは、図9に示すよ
うに、像担持体1に接触してb方向に回転する帯電スポ
ンジローラ2−Aの表面の空包部に、比較的低抵抗の導
電性粒子Zを付着させたものであり、上記の磁気ブラシ
タイプのマグネットキャリア2−Y−cにこの導電性粒
子Zが相当するものである。
【0021】この帯電プロセスにおける特徴は、像担持
体1の表面電位を帯電装置に印加した電圧とほぼ同じ電
位に出来ることであり、これは、放電現象を用いること
なく、帯電部材に接触した像担持体1表面との直接の電
荷のやりとりにより、像担持体1への電荷注入を行うこ
とで可能とするものである。即ち、表面に導電性粒子Z
を付着させた、導電性のスポンジでできた帯電スポンジ
ローラ(帯電ローラ)2−Aが、像担持体1との接触部
Cにおいて像担持体回転方向aに対してカウンター方向
bに回転して、上記帯電スポンジローラ2−Aのから上
記像担持体1に電荷の注入を行うことにより、上記像担
持体1を上記帯電スポンジローラ2−Aの電位とほぼ同
電位に帯電させるものである。
【0022】導電性粒子は帯電補助を目的とした導電性
微粒子(帯電促進粒子)である。例えば粒径0.1〜5
μm、体積抵抗値1×1012Ω・cm以下、より好まし
くは1×1010Ω・cm以下の、導電性酸化亜鉛等の金
属酸化物微粒子、その他の導電性無機微粒子、有機物と
の混合物など各種の導電性粒子が使用可能である。
【0023】本システムにおいては、上記帯電スポンジ
ローラ2−Aには電源S1により−600Vの直流電圧
が印加されている。このため、像担持体1上において、
上記帯電スポンジローラ2−A及び上記導電性粒子Zが
接触している部分では、これと同電位になろうとする。
この時、上記帯電スポンジローラ2−A側から、像担持
体1表面のエネルギー障壁を越えて、電荷が像担持体1
に注入されれば、像担持体1は帯電され、このエネルギ
ー障壁を越えられないか、もしくは、上記帯電スポンジ
ローラ2−Aと像担持体1が離れるときに、再び、像担
持体1から、電荷が帯電スポンジローラ2−A側に移動
する場合には、帯電は起こらない。この現象は、像担持
体1の持つ表面のエネルギー障壁や、電荷の保持能力に
よるところが大きい一方で、競争反応として考えた場
合、帯電スポンジローラ2−A側が像担持体1と接触す
る機会の頻度が重要になる。この頻度を上げるために、
本システムでは、帯電スポンジローラ2−A表面に、粒
径の小さい導電性粒子Zを付着させており、像担持体1
と帯電スポンジローラ2−Aとの接触部Cにおける注入
サイトを多くし、また上記の帯電スポンジローラ2−A
をカウンター回転として像担持体1との相対速度を上げ
ることにより、像担持体1への時間当たりの注入サイト
の接触回数を増やしている。
【0024】上記のように、像担持体1への電荷の注入
サイトとなる帯電スポンジローラ2−A及び上記導電性
粒子Zを高い確率で像担持体1に接触させることによ
り、像担持体1の表面電位は、帯電スポンジローラ2−
Aに印加した−600Vとほぼ同じ電位となり、また、
ミクロな部分についても、帯電ムラのない均一帯電が可
能になっている。
【0025】図10は、上記のような導電性粒子Zを用
いた注入帯電装置2を像担持体1の帯電手段としてい
る、クリーナレスシステムの転写式電子写真装置の一例
の概略図である。
【0026】1は像担持体としての回転ドラム型の電子
写真感光体であり、矢印aの時計方向に所定の周速度で
回転駆動される。2−Aは帯電スポンジローラであり、
像担持体1に対して所定の押圧力をもって接触させて所
定幅の接触部(帯電ニップ部)Cを形成させてある。こ
の帯電スポンジローラ2の外周面には予め導電性粒子Z
を付着させてある。そしてこの帯電スポンジローラ2が
矢印bの時計方向に回転駆動され、即ち像担持体1との
接触部Cにおいて像担持体1の回転方向aに対してカウ
ンター方向bに回転駆動され、かつ帯電スポンジローラ
2に電源S1から所定の帯電バイアスが印加されること
で、像担持体1の外周面が所定の極性・電位に一様に注
入帯電処理される。
【0027】その像担持体1の一様帯電処理面に対して
不図示の露光手段(レーザービームスキャナ等のデジタ
ル走査露光装置、原稿画像の結像投影装置等)による像
露光Lがなされることにより像担持体1の一様帯電処理
面に露光像パターンに対応した静電潜像が形成される。
【0028】次いで、その静電潜像が非接触のジャンピ
ング現像装置3の現像スリーブ3−aにより現像剤像
(トナー像)として可視化される。S2は現像スリーブ
3−aに対して所定の現像バイアスを印加する電源であ
る。
【0029】次いで、その現像剤像は像担持体1と転写
装置5の転写ローラ5−aとの接触部である転写部にお
いて、該転写部に不図示の給紙部から所定の制御タイミ
ングにて給紙された記録材である転写紙Pに転写され
る。S3は転写装置5に対して所定の転写バイアスを印
加する電源である。
【0030】転写部で現像剤像の転写を受けて、像担持
体1から分離されて記録材Pは不図示の定着装置に導入
されて像定着を受け、画像形成物(プリント、コピー)
として排紙される。
【0031】また記録材分離後の像担持体1面の転写残
現像剤は引き続く像担持体1の回転により帯電部を経由
して現像部に持ち運ばれて、現像装置3により現像同時
クリーニングにより回収される。
【0032】ここで、上記システムにおける、帯電スポ
ンジローラ2−A上での導電性粒子Zの保持力はそれほ
ど強くないため、帯電スポンジローラ2−Aに安定して
供給するシステムが必要となる。本システムでは、上記
導電性粒子Zを現像装置3の現像容器3−d中に現像剤
Tと共に混合しており、導電性粒子Zは非接触のジャン
ピング現像装置3により像担持体1を介して帯電スポン
ジローラ2−Aに供給される。
【0033】上記非接触のジャンピング現像装置3で
は、現像剤Tの像担持体1への現像を行う際に、上記導
電性粒子Zの供給も行う。導電性粒子Zはその帯電極性
を現像剤Tと逆極性のものを選ぶことで、転写ローラ5
−aにより転写紙Pに転写されることなく像担持体1上
に残り、これが像担持体1の回転方向aに対してカウン
ター方向bに回転するスポンジローラ2−A上で回収さ
れる。
【0034】また、本システムでは、上記プロセスを達
成するため、転写工程と上記帯電工程との間に、現像剤
Tを回収するためのクリーニング工程は設けない、クリ
ーナレスシステムを実施していることが大きな特徴とな
っている。図7で述べたような従来系の接触帯電装置等
で本例のクリーナレスシステムを実施しようとした場合
には、上記転写工程後に転写残の現像剤Tが次の像形成
にそのまま現れて画像不良を発生させてしまうが、本例
では弾性体である上記帯電スポンジローラ2−Aが像担
持体1に対してカウンター方向に回転しているため、上
記転写残の現像剤Tを掻き取り、通常、次の画像に影響
を与えることはない。また、この時、上記帯電スポンジ
ローラ2−Aに付着した現像剤Tの多くは比較的早い段
階で像担持体1に排出され、その後、現像工程が行われ
ている領域を通過する際に現像装置3に回収されること
になる。従って、クリーナレスの電子写真プロセスをも
実現することが可能となる。
【0035】この画像形成装置の大きな特徴は、上記の
ように、帯電工程において注入サイトとなる導電性粒子
Zが現像容器3−d中に現像剤Tと共に混合されてお
り、導電性粒子Zの供給は非接触のジャンピング現像装
置3を用いた電子写真装置により行うことである。導電
性粒子Zは、図10中の太線に示したルートにより、現
像装置3から帯電スポンジローラ2−Aに達する。
【0036】導電性粒子Zの像担持体1への供給は非接
触のジャンピング現像装置3により現像剤Tの像担持体
1への現像と共に行う。導電性粒子Zはその帯電極性を
現像剤Tと逆極性にすることで、転写装置5により、転
写紙Pに転写されることなく像担持体1上に残し、これ
を、スポンジローラ2−A上で回収することで、常に、
新たな注入サイトを得るというものである。このため、
上記のタイプで問題となった、粒子の保持方法やシール
性などについても問題が無く、単純な構成で、注入帯電
を行うことができる。
【0037】また、このタイプでは、現像工程より、帯
電装置に上記の導電性粒子Zを供給するため、像担持体
1上の像の転写工程と上記帯電工程との間で、像担持体
1上に付着した粒子を回収するようなクリーニング工程
を設けることができない。すでに述べたような、従来系
の接触帯電装置等で、本例のクリーナレスシステムを実
施しようとした場合には、上記転写工程後に、主にプラ
スに帯電した転写残の現像剤Tが次の像形成にそのまま
現れて画像不良を発生させてしまうが、本例では、弾性
体である上記帯電スポンジローラ2−Aが像担持体1に
対してカウンター方向に回転しているため、上記転写残
の現像剤Tを掻き取ってしまうため、通常、次の画像に
影響を与えることはない。また、この時、上記帯電スポ
ンジローラ2−Aに付着した現像剤Tが蓄積すると、帯
電スポンジローラ2−Aの抵抗を高くし、帯電性能を劣
化させることになるが、通常の画像形成時においては、
上記の転写残の現像剤Tは帯電工程が行われている導電
性粒子Zと像担持体1との間を通過する間に像担持体1
同様に電荷注入が行われるため適正な電荷を持つことが
可能になるため、現像工程が行われている領域を通過す
る際に素通りすることなく現像装置3に回収されること
になる。従って、クリーナレスの電子写真プロセスをも
実現することが可能となる。
【0038】ここで、上記の注入帯電装置2において
は、帯電部材が、磁気ブラシ、スポンジローラのいずれ
の場合でも、帯電能力を確保するためには、それぞれの
帯電部材と像担持体1との間でより多くの注入サイトを
確保することが重要である。このため、上記注入帯電装
置では上記帯電部材を像担持体1に対して高速で回転さ
せることにより、上記像担持体1に対する注入サイトの
密度を高くし、高い帯電性能を得ている。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記注
入帯電装置において、クリーナレス系を実施した場合、
通常の使用においては、上記のように、帯電部材が現像
剤Tで汚染されて帯電性能を著しく劣化させることは無
いが、例えば、転写紙Pのジャムなどが発生した場合な
どで、転写紙Pに、像担持体1上で現像されたままの現
像剤Tが多量に残った場合では、ジャム処理後、上記の
多量の現像剤Tは、そのまま、上記の帯電部材に達す
る。すでに述べたように、通常、上記帯電部材は像担持
体1に対して周速差をもって回転しており、像担持体1
に対してカウンター方向に回転している場合には上記の
現像剤Tを像担持体1上から掻き取るようにして帯電部
材上に付着させる。また、順方向に回転している場合で
も、像担持体1との間に周速差があるため、保持力の高
い帯電部材側に、より多くの現像材Tが付着することに
なる。
【0040】この場合、多量に付着した現像剤Tを短期
間の間に像担持体1上に戻すことは難しく、一時的に帯
電部材の帯電能力は低下するという問題があった。
【0041】特に、長期間の使用後においては、僅かず
つでも帯電部材上に現像剤Tは蓄積されるため、全体的
な帯電能力に余裕が無くなってきており、上記のような
現象が発生した場合、帯電不良により均一に帯電するこ
とが難しくなり、白画像上に多数の黒点が発生するとい
う問題があった。
【0042】また、そのレベルまで悪化しない場合で
も、転写残の現像剤Tが帯電部材上に帯状のムラとして
付着した場合などでは、その帯状のムラに一致した潜像
ムラが形成されるため、潜像ムラを検出しやすいハーフ
トーン画像などで現像すると、ハーフトーン濃度が均一
ではなく帯状になるという問題があった。
【0043】更に、上記のように、経時的に多量の現像
剤Tが帯電部材上に蓄積された後においては、しばらく
の間、帯電部材から通常の画像形成工程時より常に多く
の現像剤Tが像担持体1上に排出される。このため、画
像形成時中においては、レーザー光による像露光を妨
げ、潜像形成の不良が発生しやすくなった。
【0044】また、通常より多くの現像剤Tが像担持体
1上に排出されるため、一時的に、現像工程では上記の
現像剤Tを完全には回収できない場合も発生し、この場
合には、その現像剤Tがそのまま転写紙に転写されてし
まうという問題もあった。
【0045】また、像担持体1と現像装置3との間にバ
イアスが印加されるのは、通常の工程においては、現像
工程が行われている間のみであるため、その他の工程時
において像担持体1と帯電部材とが回転している間、帯
電部材から現像剤Tが排出されても現像装置3に回収さ
れることは無く、再び帯電部材に回収されるか、像担持
体1に接触している転写装置等を現像剤Tで汚染してし
まうという問題があった。
【0046】本発明はこのような現状に対処すべくなさ
れたものであって、第1の目的は、像担持体上に形成さ
れた現像剤による像を、記録材へ転写する際、像担持体
上に残った現像剤を回収するための手段を持たない、い
わゆるクリーナレス系の画像形成装置において、像担持
体に接触して帯電を行う帯電部材は、少なくとも、画像
形成時には、上記像担持体の回転方向に対してカウンタ
ー方向に回転し、また、画像形成工程以外の工程時にお
いては、像担持体に対する回転の周速差を0付近で回転
し、且つ、現像手段には上記現像剤の帯電極性に対して
上記現像剤が現像手段側に飛翔するような電位差を持つ
バイアスを印加するクリーニング工程を設けることによ
り、画像形成に直接関係ない工程中において、像担持体
上に存在する現像剤を帯電部材に付着することを防ぎ、
これと同時に、現像装置に上記現像剤を回収することが
可能になるため、上記帯電部材への現像剤の付着を防
ぎ、帯電性能の低下や後の帯電部材からの現像剤放出に
伴う画像劣化等の問題を防ぐことにある。
【0047】第2の目的は、上記のクリーニング工程
を、画像形成装置のジャム処理後に実施される、画像形
成のための前処理工程時に実行することで、像担持体上
で多量の現像剤が上記帯電部材に達する際に、確実に、
上記のクリーニング工程を実施し、また、通常行われる
一連の画像形成工程に影響を与えることなく、効率的
に、上記クリーニング工程を実行することにある。
【0048】第3の目的は、上記画像形成装置におい
て、転写手段と帯電手段との間に、上記像担持体上にお
ける現像剤を検知する検知手段を設け、上記検知手段か
ら得られた、像担持体上の現像剤の量の情報に応じて、
上記クリーニング工程時間を制御することにより、上記
クリーニング工程のクリーニング能力を確実なものと
し、且つ、クリーニング工程に必要な時間を最小限に抑
えることにある。
【0049】第4の目的は、上記クリーニング工程にお
いて、像担持体上の現像剤を現像装置で回収する前に、
上記像担持体を一様に露光することにより、上記の現像
剤の回収工程においてより高いバイアスをかけることが
可能になり、また、潜像のエッジ効果を無くすことがで
きるため、上記現像剤の効率的な回収を実現することに
ある。
【0050】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るため、第1の発明は、像担持体上に形成された現像剤
による像を記録材へ転写する際、像担持体上に残った現
像剤を回収するための手段を持たない、いわゆるクリー
ナレス系の画像形成装置において、像担持体に接触して
帯電を行う帯電部材は、少なくとも、画像形成時には上
記像担持体の回転方向に対してカウンター方向に回転
し、また画像形成工程以外の工程時においては像担持体
に対する回転の周速差が0付近で回転し、且つ現像手段
には上記現像剤の帯電極性に対して上記現像剤が現像手
段側に飛翔するような電位差を持つバイアスを印加する
クリーニング工程を設けることを特徴とする。
【0051】これにより、画像形成装置の異常の発生に
より、像担持体上において転写されない多量の現像剤が
帯電部材に達した場合でも、帯電部材に付着しにくく、
その後現像装置に回収されるため、帯電部材への現像剤
の付着に伴う帯電部材の帯電性能の低下を抑えることが
可能になる。
【0052】また、帯電部材への現像剤の付着が少ない
ため、多量の現像剤が付着した場合に発生する、帯電部
材から像担持体への現像剤の多量吐き出し等もなくなる
ため、これが記録材に転写されて画像の問題になるとい
う現象も抑えることが可能になる。
【0053】(2)上記目的を達成するため、第2の発
明は、上記のクリーニング工程を、画像形成装置のジャ
ム処理後に実施される、画像形成のための前処理工程時
に実行することを特徴とする。
【0054】これにより、画像形成装置でのジャム発生
後、像担特体上で多量の現像剤が上記帯電部材に達する
場合に、確実に、上記のクリーニング工程を実施するこ
とができ、また通常行われる一連の画像形成工程に影響
を与えることがないため、効率的に、上記クリーニング
工程を実行することが可能になる。
【0055】(3)上記目的を達成するため、第3の発
明は、上記画像形成装置において、転写手段と帯電手段
との間に上記像担特体上における現像剤を検知する検知
手段を設け、上記検知手段から得られた、像担特体上の
現像剤の量の情報に応じて上記クリーニング工程時間を
制御することを特徴とする。
【0056】これにより、上記クリーニング工程のクリ
ーニング能力を確実なものとし、且つ、クリーニング工
程に必要な時間を最小限に抑えることが可能になる。
【0057】(4)上記目的を達成するため、第4の発
明は、上記クリーニング工程において、像担持体上の現
像剤を現像装置で回収する前に上記像担特体を一様に露
光することを特徴とする。
【0058】これにより、上記の現像剤の回収工程にお
いて、より高いバイアスをかけても、放電現象が発生し
にくくなるため、高いバイアスかけることが可能にな
り、上記現像剤の回収効率を高めることが可能になる。
【0059】また、潜像の露光エッジ部で像担特体から
離れにくい現像剤を無くすことができるため、上記現像
剤を効率的に回収することが可能になる。
【0060】
【発明の実施の形態】〈第1の実施例〉図1は本発明の
実施例を示す画像形成装置の概略断面図であり、前述し
た図10の画像形成装置と同様に、導電性粒子Zを用い
た注入帯電装置2を像担持体1の帯電手段としている、
クリーナレスシステムの転写式電子写真装置である。
【0061】すなわち、像担持体1、注入帯電装置2、
現像剤Tと導電性粒子Zの混合物を収容させた現像装置
3、転写装置5、定着装置6、及び露光装置7等よりな
るものであり、上記像担持体1、注入帯電装置2、及び
現像装置3を一体にしたプロセスカートリッジ10を、
上記転写装置5、定着装置6、及び露光装置7を含んだ
画像形成装置本体に装着したものである。
【0062】像担持体1上で潜像工程及び現像工程にお
いて形成された画像(現像剤像)は、転写装置5の転写
ローラ5−aにより、転写ローラ5−aの回転方向dに
より定着装置6の方向に送られる記録材である転写紙P
に転写され、この転写紙上の画像は定着装置6により転
写紙P上に定着され、画像が形成された転写紙Pは定着
装置6の回転方向e方向に排出される。
【0063】潜像工程における像担持体1の帯電工程
は、帯電スポンジローラ2−A上を導電性粒子Zで覆わ
れた注入帯電装置2により行われる。上記帯電スポンジ
ローラ2−Aは、硬度30度、平均発泡径50μmの導
電性ローラであり、像担持体1に接触しながら、駆動機
構M1の駆動動作で像担持体1の回転方向aに対向する
方向である矢印b方向にカウンター回転しており、その
表面速度は、画像形成時においては、像担持体1と同速
度、すなわち像担持体1との相対速度では像担持体1表
面速度に対して200%の速さで移動している。
【0064】一方、上記導電性粒子Zは、二次集合体を
含めた平均粒径が34μm、比抵抗106Ω・cmの導
電性酸化亜鉛粒子を用いている。
【0065】上記導電性粒子Zは、現像剤Tの帯電極性
のマイナスに対して、逆の極性であるプラスである。上
記従来例で示したように、導電性粒子Zはスポンジの空
包部に重点的に付着し帯電スポンジローラ2−A表面を
覆っている。
【0066】ここで、上記帯電スポンジローラ2−Aに
は、電源S1により、像担持体1に対して−610Vの
電圧が印加されている。このため、像担持体1と帯電ス
ポンジローラ2−Aが接触する領域Cにおいて低抵抗物
質である上記導電性粒子Zがこれらに直接接触する部分
では、これらが同電位になろうとするため、像担持体1
表面には電荷が誘導され、帯電スポンジローラ2−A側
と同じ電位である、−610Vになろうとする。
【0067】なお、この後、帯電スポンジローラ2−A
と像担持体1表面が剥離するとき再び電荷の移動も起こ
り、像担持体1上の電荷は減少しようとするが、その減
少量は帯電スポンジローラ2−Aや導電性粒子の抵抗
値、また像担持体1の抵抗値や、その層構成によって決
まるものであり、本実施例においてはその減少量を極力
抑えるような系を得ることによって10Vの減少とし、
−600Vの表面電位を得ている。
【0068】この帯電工程後に、露光装置7より発光さ
れた光Lは像担持体1表面に達する。そして、この光が
当たった部分は、一般的な電子写真プロセス同様、電位
が低くなり、露光された部分とされない部分で電位差が
作られ、潜像が形成される。本実施例における、露光さ
れた部分のいわゆる明部電位Vlは、露光されないいわ
ゆる暗部電位Vd=−600Vに対して、Vl=−15
0Vである。
【0069】上記潜像工程で像担持体1上に形成された
静電潜像は、像担持体1に接触しない、いわゆるジャン
ピング現像法を用いた現像装置3を用いて現像剤Tによ
り現像される。
【0070】現像装置3は、固定された現像マグネット
3−bを内包した回転可能な現像スリーブ3−aと、上
記現像スリーブ3−aに当接している現像ブレード3−
c、及び現像剤Tを収納する現像容器3−d等により形
成される。また、上記現像容器3−d中には、現像剤T
と共に、上記導電性粒子Zが重量比1.5部で混合され
ており、強い電気力が働かない場合は現像剤Tにその多
くが付着した状態で移動している。
【0071】現像スリーブ3−aは表面が荒らされてお
り、内包する現像マグネット3−bの磁力と合わせて、
磁性トナーである現像剤Tをその表面に保持し、矢印c
方向に搬送する。ここで搬送された現像剤Tは、現像ブ
レード3−cとの接触面を通過する際に、現像スリーブ
3−a上での高さの規制を受けると共に、摩擦による帯
電が行われ、電荷付与を受ける。この時の上記現像剤T
の帯電性は、その材料の持つ帯電極性により、本実施例
においてはその多くがマイナスになる。また、同時にこ
の領域を通過する導電性粒子Zはプラスに帯電する。
【0072】ここで、帯電した現像剤T及び導電性粒子
Zが現像スリーブ3−aと像担持体1の間でどのような
挙動をするかを図2に示す。
【0073】上記のマイナスに帯電した現像剤Tは像担
持体1に接近する領域に達したとき、像担持体1と現像
スリーブ3−aとの間に形成された電界により、上記の
静電潜像を現像する。本実施例においては、現像スリー
ブ3−a表面には、電源S2により、像担持体1に対し
て、−400Vの直流電圧に、周波数1500Hz、1
600vppの矩形波の交流電圧を重畳した電圧が印加
されており、像担持体1と現像スリーブ3−a間に形成
された300μmのギャップにおいて、マイナスに帯電
している現像剤Tは、Vd=−600Vの暗部電位部に
は飛翔しないが、Vl=−150Vの明部電位部には飛
翔する。
【0074】また、この時、プラスに帯電している導電
性粒子Zは、電気的には、上記現像剤Tとは逆に、暗部
電位部に飛翔しやすいが、その大きさにより、現像剤T
自体に付着しているものも多く、現像剤Tとの静電気力
の方が強い場合には、現像剤Tと逆の挙動を示すことな
く、現像剤Tと同様な移動の仕方を示すものもある。従
って、導電性粒子Zは、明部電位部にも暗部電位部にも
飛翔可能である。
【0075】現像工程によって像担持体1上に移動した
現像剤Tは、転写工程により、転写材Pに転写される。
転写装置5の転写ローラ5−aには、電源S3により、
像担持体1に対して+2KVの直流電圧が印加されてお
り、像担持体1と転写ロ−ラ5−aとの間で形成される
電界に対してマイナスに帯電している現像剤Tは転写ロ
ーラ側に引き寄せられるために、その多くが転写紙Pに
転写される。一方、プラスに帯電した導電性粒子Zは、
明部電位部において、現像剤Tに付着したものの多くは
転写紙Pに現像剤Tと共に転移するが、電気的には、像
担持体1上にある方が安定であるため、現像剤Tに比べ
て多くの量が像担持体1にそのまま残る。また、暗部電
位に付着した導電性粒子Zはその多くがそのまま像担持
体1上に残る。
【0076】従って、転写工程を終えた像担持体1上に
は、明部電位部で、転写工程で僅かに残った現像剤T
と、像担持体1全面に比較的多く残った導電性粒子Zが
存在することとなる。
【0077】次に、像担持体1における上記の現像剤T
と導電性粒子Zは帯電スポンジローラ2−A上を通過す
るが、帯電スポンジローラ2一Aには、像担持体1に対
して、−610Vの電圧が印加してあるため、プラスに
帯電している導電性粒子Zは、転写工程により、帯電ス
ポンジローラ2−Aよりプラス側に帯電している像担持
体1表面より帯電スポンジローラ2−Aに移動しようと
する。
【0078】そして、スポンジの細密な表面に保持され
ることにより、既に述べたような帯電工程の働きを担
う。
【0079】一方で、転写されずに像担持体1上に残っ
た現像剤Tは、元々プラスに帯電していた転写されにく
いいわゆる反転成分であるか、もしくは、転写の電圧を
受けた後であるためプラスに帯電したものが多くを占め
ている。従って、これらの現像剤Tも帯電スポンジロー
ラ2−Aに付着するが、付着しながら像担持体1と帯電
スポンジローラ2−Aとが帯電工程を行う領域Cを何度
か通過するうちにマイナスヘの電荷付与が行われるた
め、元々マイナスに帯電しやすい現像剤Tは比較的早い
時間でマイナスに帯電し、その多くが像担持体1に再び
戻り、その後、現像工程が行われている、現像スリーブ
3−aとの近接する領域を通過する際に、新たに現像さ
れる現像剤Tと同化するため、本電子写真プロセスが成
り立っている。
【0080】しかしながら、本システムで問題となるの
は、すでに述べたように、転写紙Pのジャム等により現
像工程が行われている最中に本体が停止してしまった場
合、像担持体1上において現像スリーブ3−aに近接す
る位置から転写ローラに接する位置までの間に、像形成
のために現像剤Tが留まり、これは転写紙Pに転写され
ることが無いため、その後の本体の再始動により像担持
体1が回転し、帯電スポンジローラ2−Aに達すること
である。
【0081】ここで、本実施例においては、本発明によ
り、図3に示すように、上記のように本体が一旦停止し
た状態から、画像形成を行うためのスタンバイ状態にな
るための前処理工程である、いわゆる、前多回転時にお
いて、上記帯電スポンジローラは、図1中の矢印rに示
すように、通常の画像形成時とは異なり、像担持体1に
対して従動回転している。また、このとき、像担持体1
と現像スリーブ3−aとの間にはバイアスが印加されて
いる。
【0082】これにより、上記のように、像担持体1上
に多量の現像剤Tが留まっている場合でも、帯電スポン
ジローラ2−Aは従動回転しているため、現像剤Tを掻
き取ることが無いため、現像剤Tによって汚染されるこ
とはほとんど無い。
【0083】また、像担持体1上で帯電スポンジローラ
2−Aとの当接面Cをずり抜けた現像剤Tは、現像スリ
ーブ3−aに近接する位置に来たときに、像担持体1と
現像スリーブ3−aとの間に印加されたバイアスにより
現像スリーブ3−a側に積極的に回収される。従って、
ここで印加される上記バイアスのタイミングは、上記の
すり抜けた現像剤Tが上記の帯電スポンジローラとの当
接面から現像スリーブ3−aとの近接部に達するのに要
する時間Ts分だけ、上記の従動回転より遅れてスター
トして良い。
【0084】なお、本実施例における、上記工程におけ
る現像剤Tの挙動を図5に示し、前多回転時の各部材に
印加されるバイアス、電位の設定、及び、そのときの電
気的な関係等を以下に述べる。
【0085】本実施例における画像形成装置は、一般的
な画像形成装置と同様、プロセスカートリッジ10を本
体に装着したときに前多回転が行われるようになってい
る。従って、転写紙Pのジャム等により、新たに、プロ
セスカートリッジを装着し直した場合には、前多回転の
シークエンスにより、像担持体1が回転し始める。図4
においては、像担持体1の表面を模式的に平面に表し、
その回転方向を矢印aに示している。
【0086】転写紙Pのジャム等で、画像形成中に本体
が停止した場合、像担持体1上に残った現像剤Tは露光
装置7により露光された明部電位Vlの部分にあり、こ
のときの現像剤Tの極性は、図4中U1に示されるよう
に、本実施例においてはほとんどマイナスである。
【0087】ここで、上記の像担持体1の回転のとき、
転写のバイアスは印加されないため、この状態は保存さ
れ、そのまま、帯電スポンジローラ2−Aと像担持体1
との当接面Cに達するが、本実施例では、このときの帯
電スポンジローラ2−Aの電位はフロートにしているた
め、これらの間を現像剤Tが通過した後の図4中U2に
おいても、現像剤Tの電荷や、像担持体1上の電位は保
存される。
【0088】その後、図4中U3で、現像スリーブ3−
aに接近したときに、上記現像剤Tは、像担持体1から
引き剥がされて、現像スリーブ3−aに回収されるよう
にバイアスが印加されている。本実施例において、この
バイアスは、0Vの直流電圧に、周波数1500Hz、
1600vppの矩形波の交流電圧を重畳した電圧とし
ている。これにより、マイナスに帯電した現像剤Tは、
付着している像担持体1の場所、−150V程度の電位
より、プラス側である0Vの現像スリーブ3−aに引き
寄せられて、現像装置3に回収される。
【0089】本実施例においては、通常の前多回転の工
程では、像担持体1は7回転する。従って、上記の現像
装置3における現像剤Tの回収の工程は7回繰り返すも
のであり、これにより、像担持体上1から現像剤Tは、
ほぼ完全に除去された。
【0090】なお、本実施例においては、像担持体1の
明部電位と現像スリーブ3−aとのコントラストを15
0Vに設定しているが、当然ながら、現像剤Tの極性と
逆のコントラストを現像スリーブ3−a側に大きくすれ
ばするほど、その回収効率は高くなる。しかしながら、
このコントラストを大きく取りすぎた場合では、特に、
露光されていない暗部電位との電界強度が強くなりすぎ
るため、像担持体1と現像スリーブ3−aとの間に放電
電流が発生してしまい、現像スリーブ3−a上の現像剤
Tが、逆に、像担持体1上に付着してしまう場合なども
ある。また、明部電位と暗部電位との境目では、エッジ
効果により、現像剤Tの回収がしにくいなどの問題もあ
る。
【0091】上記のような現象が顕著で、現像剤Tの回
収効率が上がらない場合には、現像剤Tが付着した状態
の像担持体1上を、上記露光装置7により、全面露光す
ることで、その回収効率を上げることが可能になる。全
面露光することにより、上記のエッジ効果は発生しなく
なるため、文字パターンのエッジ部などでもきれいに回
収することが可能になり、また、像担持体1上で暗部電
位部が無くなるため、明部電位と現像スリーブ3−aと
の電位コントラストを比較的大きくとった場合でも、放
電現象が発生しにくくなるため、大きなコントラストが
設定でき、現像剤Tの回収効率を上げることが可能にな
る。
【0092】なお、本実施例においては、上記のよう
に、帯電スポンジローラを像担持体1に対して従動回転
させ、かつ、現像スリーブ3−aにバイアスを印加する
というシークエンスを、前多回転の間、常に実行してい
るものであるが、帯電スポンジローラを通過した後の像
担持体1上の現像剤Tが現像スリーブ3−aとの間で回
収されやすいような系では、上記のような工程は短い時
間でもよい。
【0093】また、逆に、像担持体1から現像剤Tがは
がれにくいような系においては、図5に示すように、前
多回転時だけではなく、その後のしばらくの間、一連の
画像形成のシークエンス中において、像担持体1上にお
ける画像形成に直に影響を与えないような、後回転時
や、連続プリントの間の紙間などにおいて、上記のよう
な工程を実施するのも良い。なお、この時、上記のバイ
アスの印加は、上記帯電スポンジローラ2−Aの従動回
転終了後から、上記の帯電スポンジローラ2−Aとの当
接面Cから現像スリーブ3−aとの近接部に速するのに
要する時間Tsだけ遅くまで実行することが望ましい。
【0094】また、本実施例においては、現像剤Tの除
去シークエンスにおける帯電スポンジローラ2−Aの回
転を、従動としているが、これは、帯電スポンジローラ
2−Aを用いた場合、従動の機構が簡易であり、帯電ス
ポンジローラ2−Aと像担持体1との相対速度も0で、
もっとも小さいためであるが、像担持体1との相対速度
を0に近い設定でも、同様な効果が得られる。
【0095】また、本実施例におけるシステムは、像担
持体1の転写ローラ5−aの当接部から、帯電スポンジ
ローラ2−Aの当接部Cまでの間には、転写残りの現像
剤Tをクリーニングする工程を持たない、いわゆるクリ
ーナレス系であるが、この間に、ブラシ等の当接部材が
像担持体1に接触するような系においても、その目的が
現像剤Tの回収を目的とするものではなく、現像剤Tの
分散等を目的とする場合であれば、本実施例におけるシ
ステムを妨げるものではないため、本発明は適用でき
る。
【0096】本実施例において、本発明を実施すること
により、像担持体1上における画像形成中に転写紙Pの
ジャム等により本体が緊急停止して、転写紙Pに転写で
きなかった現像剤Tが像担持体1上に残った場合におい
ても、上記現像剤Tが帯電スポンジローラ2−Aに付着
することは無く、帯電スポンジローラ2−Aの現像剤T
の汚染による帯電不良の発生を抑えることが可能になっ
た。
【0097】〈第2の実施例〉図6は本発明の第2の実
施例を示す画像形成装置の概略断面図であり、特に断り
のない限りでは、第1の実施例同様の構成を持つ画像形
成装置である。
【0098】本実施例においては、図6中に示したよう
に、像担持体1と転写装置5の転写ローラ5−aとの当
接部の下流側に、像担持体の回転軸方向全面に渡って、
現像剤検知センサー8が設けられている。
【0099】上記現像剤検知センサー8は、像担持体1
上の光濃度を検出することにより、像担持体1上に現像
剤Tが付着していることを検出するものである。
【0100】本実施例では、前多回転がスタートすると
同時に、上記現像剤検知センサー8が像担持体1上の現
像剤Tの検知を行う。上記現像剤検知センサー8からの
信号は前多回転を制御する制御回路C1上に書き込ま
れ、この信号を基にして、現像スリーブ3−aに印加さ
れるバイアス、像担持体1への露光信号、像担持体1の
回転、及び、帯電スポンジローラ2−Aの回転などが制
御される。
【0101】前多回転と同時に、上記帯電スポンジロー
ラ2−Aは、第1の実施例と同様、上記像担持体1に従
動回転する。ここで、上記現像剤検知センサー8は、像
担持体1上に一定量以上の現像剤Tの存在を検知する
と、現像剤Tがなくなる場所をmとして記憶し、そこか
ら像担持体1が1周する時間Tdの間、検知を続ける。
【0102】この間の、現像スリーブに印加されるバイ
アス、像担持体1への露光信号、及び、帯電スポンジロ
ーラに印加されるバイアスは、第1の実施例で述べた像
担持体1上の現像剤Tを回収するためのシークエンスで
の設定と同様である。
【0103】これにより、上記の像担持体1上における
現像剤Tは、時間Tdの間に、現像スリーブと像担持体
1間に印加されるバイアスによる電界の中を通過するた
め、この間で多くの現像剤Tが現像装置3内に回収され
る。
【0104】上記の時間Tdの間、上記現像剤検知セン
サー8が現像剤Tの存在を検知しない場合は、上記の工
程により、像担持体1上の現像剤Tは十分に回収された
ものとして制御回路C1に現像剤Tの回収シークエンス
の終了信号Seが書き込まれる。
【0105】上記現像剤検知センサー8が、上記の時間
Tdの間、現像剤Tの存在を検知した場合は、その検知
した現像剤Tが無くなる地点を新たなmとして更新し、
上記時間Tdの間、現像剤Tの存在を検知しなくなるま
で、これを繰り返し、この動作が終了した時点で制御回
路C1に現像剤Tの回収シークエンスの終了信号Seが
書き込まれる。
【0106】本実施例においては、前多回転時、制御回
路C1には、画像形成の準備に必要なその他のシークエ
ンスの終了信号Smも書き込まれるようになっており、
上記信号Seと上記信号Smの両方が書き込まれた時点
で前多回転は終了する。これにより、帯電スポンジロー
ラ2−Aが従動回転するのに必要且つ十分な工程が得ら
れる。
【0107】なお、本実施例においては、現像剤検知セ
ンサー8は光濃度によって検出するものを用いたが、現
像剤Tによる電荷量や抵抗値など、他の検知手段を用い
ても良い。
【0108】本実施例においも、本発明を実施すること
により、像担持体1上における画像形成中に、転写紙P
のジャム等により本体が緊急停止して、転写紙Pに転写
できなかった現像剤Tが像担持体1上に残った場合にお
いても、上記現像剤Tが帯電スポンジローラに付着する
ことは無く、帯電スポンジローラの現像剤Tの汚染によ
る帯電不良の発生を抑えることが可能になった。
【0109】〈その他〉 1)接触帯電部材は実施例に示した形態のものに限られ
るものではない。
【0110】2)接触帯電部材や現像部材に対する印加
帯電バイアスあるいは印加現像バイアスは直流電圧に交
番電圧(交流電圧)を重畳してもよい。
【0111】交番電圧の波形としては、正弦波、矩形
波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周
期的にオン/オフすることによって形成された矩形波で
あっても良い。このように交番電圧の波形としては周期
的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用でき
る。
【0112】3)静電潜像形成のための画像露光手段と
しては、ディジタル的な潜像を形成するレーザー走査露
光手段でもよいし、通常のアナログ的な画像露光やLE
Dなどの他の発光素子でも構わないし、蛍光燈等の発光
素子と液晶シヤッター等の組み合わせによるものなど、
画像情報に対応した静電潜像を形成できるものであるな
ら構わない。
【0113】像担持体1は静電記録誘電体等であっても
良い。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位に一
様に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除電手
段で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形成す
る。
【0114】4)現像手段3の構成について特に限定す
るものではない。
【0115】5)像担持体1からトナー画像の転写を受
ける記録材は転写ドラム等の中間転写体であってもよ
い。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、像
担持体の帯電手段として、像担持体に接触して回転する
帯電部材を有する帯電手段を用い、かつクリーナレスシ
ステムとした画像形成装置において、像担持体と帯電部
材との接触部に持ち運ばれる転写残現像剤の過剰に起因
する帯電不良等の発生を効果的に防止して、出力画像品
質の向上・維持を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例における画像形成装置の概略構
成模型図
【図2】 現像領域における現像材と導電性粒子の挙動
説明図
【図3】 帯電スポンジローラと現像バイアスの制御シ
ークエンス図(その1)
【図4】 帯電スポンジローラと現像バイアスの制御を
説明する模式図
【図5】 帯電スポンジローラと現像バイアスの制御シ
ークエンス図(その2)
【図6】 第2の実施例における画像形成装置の概略構
成模型図
【図7】 ローラ帯電の説明図
【図8】 磁気ブラシ帯電の説明図
【図9】 導電性粒子を用いた注入帯電の説明図
【図10】 導電性粒子を用いた注入帯電方式、クリー
ナレスシステムも画像形成装置の概略構成模型図
【符号の説明】
1は像担持体、2は帯電装置、2−Aは帯電スポンジロ
ーラ、2−Xは帯電ローラ、2−Yは磁気ブラシ帯電装
置、2−Y−aは磁気ブラシ帯電装置のマグネット、2
−Y−bは磁気ブラシ帯電装置の帯電スリーブ、2−Y
−cは磁気ブラシ帯電装置のマグネットキャリア、2−
Y−dは磁気ブラシ帯電装置の規制ブレード、3は現像
装置、3−aは現像スリーブ、3−bは現像マグネッ
ト、3−cは現像ブレード、3−dは現像容器、5は転
写装置、6は定着装置、7は露光装置、8は現像剤検知
センサー、aは像担持体の回転方向、bは帯電スポンジ
ローラの画像形成時の回転方向、cは現像スリーブの回
転方向、dは転写ローラの回転方向、eは定着ローラの
回転方向、fは帯電ローラの回転方向、rは帯電スポン
ジローラのクリーニングシークエンス実行時の回転方
向、Hはローラ帯電装置による放電領域、Lは露光信
号、Pは記録材(転写紙)、Tは現像剤、Zは導電性粒
子、S1は帯電装置の電源、S2は現像装置の電源、S
3は転写装置の電源、Tsは像担持体上で帯電スポンジ
ローラから現像スリーブ近接部までの時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 21/00 370 G03G 15/04 120 500 (72)発明者 佐藤 浩 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大羽 浩幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 吉田 雅弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H027 DA10 DC14 DE07 DE10 ED03 ED06 ED09 EE02 EE03 EE04 EE07 EE08 EF07 EF11 EK04 ZA07 2H073 AA09 BA04 BA09 BA13 2H076 CA17 2H077 AA37 AD06 AD36 DA47 DB08 EA16 2H200 GA30 GA44 GA54 GA57 GB37 HA03 HA21 HA28 HA29 HB12 HB17 HB23 HB45 HB46 HB47 HB48 LB03 LB17 LB18 LB39 MA01 MA20 MB01 MB06 MC15 NA02 NA09 PA05 PA10 PA11 PA23 PA28 PB19 PB26 PB35 PB39

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体と、上記像担持体に接触して帯
    電を行う帯電部材を有する帯電手段と、上記像担持体の
    帯電面に静電潜像を形成する画像情報書き込み手段と、
    その静電潜像を現像剤により可視化する現像手段と、こ
    れにより像担持体上に形成された画像を記録材へ転写す
    るための転写手段を有し、且つ、上記転写手段と上記帯
    電手段との間に、上記像担持体上の現像剤を回収するた
    めのクリーニング装置を有しない画像形成装置におい
    て、 上記像担持体に接触する帯電部材は、画像形成時には上
    記像担持体の回転方向に対してカウンター方向に回転
    し、画像形成工程以外の工程時の少なくとも一部では像
    担持体に対する回転の周速差が0付近で回転し、且つそ
    の時に現像手段には上記現像剤の帯電極性に対して上記
    現像剤が現像手段側に飛翔するような電位差を持つバイ
    アスを印加するクリーニング工程を設けたことを特徴と
    する画像形成装置。
  2. 【請求項2】 上記クリーニング工程は、画像形成装置
    のジャム処理直後に実施される、画像形成のための前処
    理工程時に実行されることを特徴とする請求項1に記載
    の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 上記画像形成装置は、上記転写手段と上
    記帯電手段との間で上記像担持体上における現像剤を検
    知する検知手段を有し、上記現像剤の検知信号に基づい
    て上記クリーニング工程を制御することを特徴とする請
    求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 上記クリーニング工程時においては、上
    記露光手段により上記像担持体を一様に露光する工程を
    設けることを特徴とする請求項1から3の何れか1つに
    記載の画像形成装置。
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