JP2002328201A - 反射防止膜を有する光学部材 - Google Patents
反射防止膜を有する光学部材Info
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Abstract
膜を有する光学部材を提供する。 【解決手段】 プラスチック基板と、該プラスチック基
板上に、基板側からλ/4−λ/2−λ/4型またはλ/4−λ
/4−λ/2−λ/4型(λ=500nm) の反射防止膜とを有
する光学部材であって、該λ/2は高屈折率層を有し、屈
折率が1.80〜2.40である3層以上の等価膜であり、該等
価膜の偶数層がSiO2 層である光学部材である。
Description
に反射防止膜を有する光学部材に関し、特に、良好な耐
熱性を有する、プラスチック基板に反射防止膜を有する
光学部材に関する。
止膜を形成した光学部材は良く知られている。その例と
して、特開平2−291501号公報には、二酸化チタ
ンを主成分とするλ/2の高屈折率層を有する反射防止膜
を形成した光学部材が開示されている。しかしながら、
一般的に、プラスチック基板に反射防止膜を設けた光学
部材は、蒸着時に加熱することができない等の理由で、
ガラス基板に反射防止膜を設けた光学部材と比較して耐
熱性が良好でない。そこで、更なる耐熱性を向上させた
プラスチック基板に反射防止膜を形成した光学部材が求
められていた。
解決するためになされたもので、耐熱性が良好なプラス
チック基板に反射防止膜を有する光学部材を提供するこ
とにある。
を解決すべく鋭意努力した結果、高屈折率層に、低屈折
率物質である二酸化ケイ素からなる層を利用して三層以
上の等価膜にするという斬新的な手段により、光学部材
の耐熱性が顕著に向上することを見出した。従来、λ/2
の高屈折率層は、反射防止特性及び生産効率性を考慮し
て、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタルな
どの高屈折率蒸着物質を用いて一層構成とし、λ/2の高
屈折率層に、低屈折率物質である二酸化ケイ素からなる
層を設けることは、高屈折率層の屈折率を低下させ、反
射防止膜の反射防止特性を低下させる可能性が高いこと
から、このような構成は提案されていなかった。
と、該プラスチック基板上に、基板側からλ/4−λ/2−
λ/4型またはλ/4−λ/4−λ/2−λ/4型(λ=500n
m) の反射防止膜とを有する光学部材であって、該λ/2
は、屈折率が1.80〜2.40である3層以上の等価膜であ
り、該等価膜の偶数層が二酸化ケイ素層である光学部材
を提供するものである。
層を3層の等価膜にすれば、良好な耐熱性及び反射防止
特性を有する光学部材が得られる。さらに、良好な耐熱
性及び反射防止特性を得る場合には、3層を超える等価
膜にすればよい。
は、良好な耐熱性、反射率特性を得る観点から、高屈折
率蒸着物質として知られている酸化チタン、酸化ジルコ
ニウム、酸化タンタル及び酸化ニオブ等の蒸着物質を含
有する層が好ましく、特に、TiO2 、Ta2 O5
及びNb2 O5 の中から選ばれた少なくとも1種
類の蒸着物質からなる層が好ましく、最も好ましくはN
b2 O5 の蒸着物質からなる層である。生産効率性
の観点で、奇数層は、全て同一膜組成にすることが好ま
しい。前記λ/2の高屈折率層の合成屈折率は、1.80〜2.
40の範囲であり、良好な物性を得るために、1.85〜2.25
の範囲が特に好ましく、この屈折率の範囲を満たすよう
λ/2の高屈折率層の膜構成がなされる。
成されるλ/4層は、二酸化ケイ素層が形成される。λ/2
の高屈折率層の下に形成されるλ/4層は、良好な反射防
止特性及び耐熱性を得るために2層以上の等価膜にする
ことが好ましい。その膜構成は、二酸化ケイ素層と、酸
化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル及び酸化ニ
オブ等の高屈折率蒸着物質よりなる層からなる2層等価
膜、二酸化ケイ素層と、酸化ニオブよりなる層との2層
等価膜が好ましい。また、生産効率の点から、前記λ/4
の等価膜を作製する蒸着原料と、前記λ/2の等価膜を作
製する蒸着原料とは同じ蒸着原料を用いると好ましい。
の酸化ニオブを蒸着物質として使用してイオンアシスト
法により形成する方法又は酸化ニオブ、酸化ジルコニウ
ム及び酸化イットリウムの粉末、又は更に酸化アルミニ
ウムを加えた粉末を焼結し、得られた焼結体から混合酸
化物の蒸気を発生させ、発生した蒸発物を基板上に析出
させる方法で行うと好ましい。また、蒸発物を基板上に
析出させる方法では、焼結体の混合割合は、良好な膜物
性を得るために、蒸着組成物全量を基準にして、酸化ニ
オブが60〜90重量%、酸化ジルコニウムが5〜20
重量%、酸化イットリウムが5〜35重量%であること
が好ましい。さらに、酸化アルミニウムを加える場合に
は、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム及び酸化イットリウ
ム合計に対して0.3〜7.5重量%を添加することが
好ましい。
反射防止膜との間に下地層が設けられていると好まし
く、下地層の材質としては、二酸化ケイ素層または金属
ニオブが好ましく、金属ニオブが特に好ましい。また、
膜厚としては、二酸化ケイ素層の場合は、膜強度等の点
から0.1 λ〜5λで、金属ニオブの場合は、膜の透明性
確保等の点から0.005 λ〜0.015 λが好ましい。下地層
の材質を金属ニオブとすると、プラスチック基板と反射
防止膜の密着性、耐熱性、耐衝撃性及び耐摩耗性に優
れ、金属特有の吸収率が少ない等の利点を有している。
この金属ニオブ(Nb層)の形成は、イオンアシスト法で
行なうことが好ましい。前記イオンアシスト法を実施す
る際によるイオン化ガスは、成膜中の酸化防止の点から
アルゴン(Ar)を用いるのが好ましい。これにより膜
質の安定と、光学式膜厚計での制御が可能となる。
着性確保及び蒸着物質の初期膜形成状態の均一化を図る
ために、下地層を形成する前にイオン銃前処理を行なっ
てもよい。イオン銃前処理におけるイオン化ガスは 酸
素、アルゴンなどを用いることができ、出力で好ましい
範囲は、加速電圧が50V〜200V、加速電流が50
mA〜150mAである。
形成方法は、通常の真空蒸着法、イオンアシスト法等を
用いることができる。本発明の光学部材に用いるプラス
チック基板としては、特に限定されず、例えば、メチル
メタクリレート単独重合体、メチルメタクリレートと1
種以上の他のモノマーとの共重合体、ジエチレングリコ
ールビスアリルカーボネート単独重合体、ジエチレング
リコールビスアリルカーボネートと1種以上の他のモノ
マーとの共重合体、イオウ含有共重合体、ハロゲン含有
共重合体、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、不飽和ポリエステル、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリウレタン等が挙げられる。
板と前記下地層との間に、硬化被膜を有してもよい。硬
化被膜としては、通常、金属酸化物コロイド粒子と有機
ケイ素化合物よりなるコ−ティング組成物を硬化たもの
が一般的に用いられる。前記金属酸化物コロイド粒子と
しては、例えば、酸化タングステン(WO3)、酸化亜
鉛(ZnO)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニ
ウム(Al2O3)、酸化チタニウム(TiO2)、酸化
ジルコニウム(ZrO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化
ベリリウム(BeO)又は酸化アンチモン(Sb2 O
5)等が挙げられ、単独又は2種以上を併用することが
できる。
としては、例えば以下に示す構成(a)〜(c)が挙げ
られる。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例1〜6における光学部材は、以下
に示す試験方法により、諸物性を測定した。 (1)視感透過率 プラスチックレンズの視感透過率Yは、両面に反射防止
膜を有するプラスチックレンズをサンプルとして、日立
分光光度計U−3410を用い測定した。 (2)視感反射率 プラスチックレンズの視感反射率Zは、両面に反射防止
膜を有するプラスチックレンズをサンプルとして、日立
分光光度計U−3410を用い測定した。 (3)密着性 プラスチックレンズの表面に剃刀にて1mm×1mmの
升目を100個作成し、升目上にセロハンテープを貼
り、一気にテープをはがし、残った升目の数で評価し
た。表中、残った升目の数/100で記載した。 (4)耐摩耗性 プラスチックレンズの表面にスチールウールにて1kg
f/cm2 の荷重をかけ、20ストローク擦り、表面状
態により以下の基準で評価した。 UA:殆ど傷なし A:細い傷数本あり B:細い傷多数、太い傷数本あり C:細い傷多数、太い傷多数あり D:殆ど膜はげ状態
クラックの発生温度を測定した。加熱温度は、50℃よ
り始め、5℃づつ上げて、クラックを発生する温度を調
べた。 (6)耐アルカリ性 プラスチックレンズをNaOH水溶液10%に1時間浸
漬し、表面状態により以下の基準で評価した。 UA:殆ど変化なし A:点状の膜はげ数個あり B:点状の膜はげが全面にあり C:点状のはげが全面、面状のはげ数個あり D:殆ど全面膜はげ (7)耐衝撃性 中心厚2.0mmで、レンズ度数0.00のレンズを作
製してFDAで定められているドロップボールテストを
行い、○:合格、×:不合格とした。
40、日産化学)90重量部、有機ケイ素化合物のメチ
ルトリメトキシシラン81.6重量部、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン176重量部、0.5N
塩酸2.0重量部、酢酸20重量部、水90重量を加え
た液を、室温にて8時間攪拌後、室温にて16時間放置
して加水分解溶液を得た。この溶液に、イソプロピルア
ルコ−ル120重量部、n−ブチルアルコ−ル120重
量部、アルミニウムアセチルアセトン16重量部、シリ
コ−ン系界面活性剤0.2重量部、紫外線吸収剤0.1
重量部を加え、室温にて8時間攪拌後、室温にて24時
間熟成させコ−ティング液を得た。アルカリ水溶液で前
処理したプラスチックレンズ基板(素材:ジエチレング
リコ−ルビスアリルカ−ボネ−ト、屈折率1.50、中
心厚2.0mm、レンズ度数0.00、これを以下、
「基板A」という場合がある。)を、前記コーティング
液の中に浸漬させ、浸漬終了後、引き上げ速度20cm
/分で引き上げたプラスチックレンズを120℃で2時
間加熱して硬化膜を形成した。その後、表1〜6に記載
したイオン加速電圧、照射時間の条件でArガスを用い
て、イオン銃処理を行いイオンアシスト法にて硬化被膜
としてハードコート層(以下、「A層」と記載する場合
がある)を形成した。
のイオンアシスト法にて、表1〜3に示した第1層〜第
8層からなる機能膜を形成し、プラスチックレンズを得
た。得られたプラスチックレンズについて上記(1)〜
(7)を評価し、それらの結果を表1〜6に示した。
尚、表中、λは照射光の波長で、λ=500nmを示
す。なお、実施例1〜6におけるλ/4及びλ/2の合成屈
折率は、表8に記載した。
価方法で物性を評価した。 (1)蒸着組成物の溶融状態 蒸着時の溶融状態を次の基準で判定した。 UA:スプラッシュの発生が無い A:スプラッシュの発生が少ない B:スプラッシュが頻繁に発生する C:スプラッシュが常時発生する (2)微細粒子の付着状態 スプラッシュ等によるレンズ面の微細粒子の付着状態を
次の基準で判定した。 UA:全く認められず A:1〜5箇所以内 B:6〜10箇所 C:11箇所以上 (3)耐アルカリ性試験 NaOH10重量%水溶液にレンズを入れ、30分後、60
分後にその表面の膜ハゲやレンズ面の荒れの発生を以下
の基準にて判定した。 UA:点状ハゲがほとんどない A:全体的に小さな0.1mm以下の点状ハゲ又は直径0.3mm
程度の点状ハゲが少しある。 B:Aよりもハゲの密度が高く、大き目のハゲの割合が
高い C:全体的に0.3mm程度のハゲが占めるか、小さいハゲ
の密度が高い D:一目見て全体が白いと感じる程度にハゲが密に出て
いる。これ以下は全てDとする。 (4)耐擦傷性試験 ♯0000のスチールウールにより表面を往復回数で1
0回こすって耐擦傷性を次の基準で判定した。 UA:殆ど傷なし A:わずかに傷がつく B:多く傷がつく C:膜の脹れが生じる
作りセロファン粘着テープにより剥離試験を3回行い、
残ったゴバン目を数えた。 (6)視感反射率 日立製作所製U−3410型自記分光光度計を用い、視
感反射率Yを求めた。 (7)視感透過率 日立製作所製U−3410型自記分光光度計を用い、視
感透過率Zを求めた。 (8)吸収率 100%より視感透過率と視感反射率を引いた値を吸収
率として求めた。 (9)耐熱性試験 蒸着膜形成直後の反射防止膜を有する光学部材をオーブ
ンで1時間加熱し、クラックの発生の有無を調べた。加
熱温度は、50℃より始め、5℃づつ上げて、クラック
が発生する温度を調べた。また、経時的な耐熱性試験
を、蒸着膜形成直後の反射防止膜を有する光学部材を2
ケ月間屋外暴露し、その後、前記した耐熱性試験と同じ
方法により評価を行った。
Aを作製した。基板B及びハ−ドコ−トB層の作製 ガラス製容器に、有機ケイ素化合物のγ−グリシドキシ
プロピルメトキシシラン142重量部を加え、撹拌しな
がら、0.01N塩酸1.4重量部、水32重量部を滴
下した。滴下終了後、24時間撹拌を行いγ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシランの加水分解溶液を得
た。この溶液に、酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合
体ゾル(メタノール分散、全金属酸化物31.5重量
%、平均粒子径10〜15ミリミクロン)460重量
部、エチルセロソルブ300重量部、さらに滑剤として
シリコーン系界面活性剤0.7重量部、硬化剤としてア
ルミニウムアセチルアセトネート8重量部を加え、充分
に撹拌した後、濾過を行ってコーティング液を得た。さ
らに、アルカリ水溶液で前処理したプラスチックレンズ
基板〔HOYA(株)製、眼鏡用プラスチックレンズ
(商品名:EYAS)、屈折率1.60以下、この基板
を「基板B」と言う場合がある。〕を、前記コーティン
グ液の中に浸漬させ、浸漬終了後、引き上げ速度20c
m/分で引き上げたプラスチックレンズを120℃で2
時間加熱してハ−ドコ−ト層(以下この層を「B層」と
言う場合がある)を形成した。
ロピルトリメトキシシラン100重量部を加え、撹拌し
ながら0.01規定塩酸1.4重量部、水23重量部を
添加した。その後、24時間撹拌を行いγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランの加水分解物を得た。次
に微粒子状無機物として、酸化チタン、酸化ジルコニウ
ム、酸化ケイ素を主体とする複合体微粒子ゾル(メタノ
ール分散、全固形分20重量%、平均粒子径5〜15ミ
リミクロン、核微粒子の原子比Ti/Si=10、被覆
部分の核部分に対する重量比0.25)を用い、その2
00重量部をエチルセロソルブ100重量部、滑剤とし
てのシリコーン系界面活性剤0.5重量部、硬化剤とし
てのアルミニウムアセチルアセトネート3.0重量部と
混合した後、前述したγ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランの加水分解物に加え、充分に撹拌した後、
濾過を行ってコーティング液を作製した。さらに、アル
カリ水溶液で前処理したプラスチックレンズ基板〔HO
YA(株)製、眼鏡用プラスチックレンズ(商品名:テ
スラリッド)、屈折率1.71、以下この基板を「基板
C」と言う場合がある〕を、前述の方法で作製したコー
ティング液の中に浸漬させ、浸漬終了後、引き上げ速度
20cm/分で引き上げたプラスチックレンズを120
℃で2時間加熱してハードコート層(以下、このハ−ド
コ−ト層を「C層」と言う場合がある)を形成した。
表7に示した条件で、表4〜表7に示した多層膜からな
る機能膜を形成し、プラスチックレンズを得た。得られ
たプラスチックレンズについて上記(1)〜(7)を評
価し、それらの結果を同表に示した。なお、表中、λは
照射光の波長で、λ=500nmを示す。実施例7〜1
2に関しては、表中の組成物Aに関し、イオンアシスト
法を用いずに膜を形成した。また、実施例13〜18に
おける蒸着組成物Aより形成された膜及び実施例19〜
24における酸化ニオブ層に関しては、膜形成の際、酸
素:アルゴンが9:1の割合で、320A及び140m
Aの条件でイオンアシストを使用した。また、実施例2
5〜27に関しては、高屈折率として酸化チタンを用
い、イオンアシスト法を用いずに膜を形成した。
されている組成物Aとは、Nb2O5粉末、ZrO2
粉末、Y2 O3 粉末を混合し、300kg/cm2
でプレス加圧し、焼結温度1300℃で焼結して得られ
た3成分系蒸着組成物A(重量%、Nb2 O5:Zr
O2:Y2 O3 =76%〜90%:16.6%〜5
%:7.4%〜5%)を用いてなる膜を意味する。実施
例1〜27に関する等価膜のλ/4、λ/2の合成屈折率
は、表8に記載した通りである。
て酸化タンタルを用い、二酸化ケイ素からなる下地層、
酸化タンタル層及び二酸化ケイ素層よりなるλ/4の二層
等価膜、λ/2の酸化タンタル層、λ/4の二酸化ケイ素層
を形成した。比較例3は、基板C、ハードコート層C
を、さらに、高屈折率蒸着物質として酸化タンタルを用
い、二酸化ケイ素からなる第3層、酸化タンタル層及び
二酸化ケイ素層よりなるλ/4の二層等価膜、λ/2の酸化
タンタル層、λ/4の二酸化ケイ素層を形成した。
て酸化チタンを用い、二酸化ケイ素からなる下地層、酸
化チタン層及び二酸化ケイ素層よりなるλ/4の二層等価
膜、λ/2の酸化チタン層、λ/4の二酸化ケイ素層を形成
した。比較例6は、基板C、ハードコート層Cを、さら
に、高屈折率蒸着物質として酸化チタンを用い、二酸化
ケイ素からなる第3層、酸化チタン層及び二酸化ケイ素
層よりなるλ/4の二層等価膜、λ/2の酸化チタン層、λ
/4の二酸化ケイ素層を形成した。これら比較例1〜6に
関しては、イオンアシスト法は用いずに膜を形成した。
その結果、比較例1は、実施例22と比べ、比較例2は
実施例23と比べ、比較例3は実施例24と比べ耐熱性
に劣るものだった。
射防止膜を有する光学部材は、良好な視感反射率、視感
透過率、密着性、耐摩耗性、耐アルカリ性及び耐衝撃性
を維持しつつ、さらに耐熱性が向上している。
Claims (11)
- 【請求項1】 プラスチック基板と、該プラスチック基
板上に、基板側からλ/4−λ/2−λ/4型またはλ/4−λ
/4−λ/2−λ/4型(λ=500nm) の反射防止膜とを
有する光学部材であって、該λ/2の層は、屈折率が1.80
〜2.40である3層以上の等価膜であり、該等価膜の偶数
層が二酸化ケイ素層である反射防止膜を有する光学部
材。 - 【請求項2】 前記λ/2の等価膜の奇数層は、酸化チタ
ン、酸化ニオブ及び酸化タンタルの中から選ばれた少な
くとも1種類の金属酸化物からなる層である請求項1記
載の反射防止膜を有する光学部材。 - 【請求項3】 前記λ/2の等価膜の奇数層は、酸化ニオ
ブからなる層である請求項1記載の反射防止膜を有する
光学部材。 - 【請求項4】 前記λ/2の層の下に形成されるλ/4層
が、2層以上の等価膜である請求項1〜請求項3のいず
れか1項記載の反射防止膜を有する光学部材。 - 【請求項5】 前記λ/4の層は、前記λ/2の層の奇数層
及び偶数層で用いる金属酸化物層より構成される請求項
4記載の反射防止膜を有する光学部材。 - 【請求項6】 前記λ/4の等価膜が、酸化ニオブからな
る層と、二酸化ケイ素層とから構成される請求項4記載
の反射防止膜を有する光学部材。 - 【請求項7】 プラスチック基板と反射防止膜との間に
下地層が設けられた請求項1〜6のいずれか1項記載の
反射防止膜を有する光学部材。 - 【請求項8】 前記下地層が、金属ニオブからなる請求
項7記載の反射防止膜を有する光学部材。 - 【請求項9】 プラスチック基板上に、下地層と、λ/4
−λ/2−λ/4型の反射防止膜とが設けられ、下地層(第
1層)及びλ/4(第2〜3層)−λ/2(第4〜6層)−
λ/4(第7層)の第1〜7層からなる構成で、 第1層が、屈折率1.43〜1.47の二酸化ケイ素層、 第2層が、屈折率2.04〜2.37の高屈折率層、 第3層が、屈折率1.43〜1.47の二酸化ケイ素層、 第4層が、屈折率2.04〜2.37の高屈折率層、 第5層が、屈折率1.43〜1.47の二酸化ケイ素層、 第6層が、屈折率2.04〜2.37の高屈折率層、 第7層が、屈折率1.43〜1.47の二酸化ケイ素層であり、
λ/4(第2〜3層)の合成屈折率が1.65〜1.80、λ/2
(第4〜6層)の合成屈折率が1.85〜2.25であり、前記
高屈折率層が、酸化チタン、酸化ニオブ及び酸化タンタ
ルの中から選ばれた少なくとも1種類の金属酸化物より
構成される反射防止膜を有する光学部材。 - 【請求項10】 プラスチック基板上に、下地層と、λ
/4−λ/2−λ/4型の反射防止膜とが設けられ、下地層
(第1層)及びλ/4(第2〜3層)−λ/2(第4〜8
層)−λ/4(第9層)の第1〜9層からなる構成で、 第1層が、屈折率1.43〜1.47の二酸化ケイ素層、 第2層が、屈折率2.04〜2.37の高屈折率層、 第3層が、屈折率1.43〜1.47の二酸化ケイ素層、 第4層が、屈折率2.04〜2.37の高屈折率層、 第5層が、屈折率1.43〜1.47の二酸化ケイ素層、 第6層が、屈折率2.04〜2.37の高屈折率層、 第7層が、屈折率1.43〜1.47の二酸化ケイ素層、 第8層が、屈折率2.04〜2.37の高屈折率層、 第9層が、屈折率1.43〜1.47の二酸化ケイ素層であり、
λ/4(第2〜3層)の合成屈折率が1.65〜1.80、λ/2
(第4〜8層)の合成屈折率が1.85〜2.25であり、前記
高屈折率層が、酸化チタン、酸化ニオブ及び酸化タンタ
ルの中から選ばれた少なくとも1種類の金属酸化物より
構成される反射防止膜を有する光学部材。 - 【請求項11】 プラスチック基板上に、下地層と、λ
/4−λ/2−λ/4型の反射防止膜とが設けられ、下地層
(第1層)及びλ/4(第2〜4層)−λ/2(第5〜7
層)−λ/4(第8層)の第1〜8層からなる構成で、 第1層が、膜厚0.005λ〜0.015λ、屈折率1.40〜1.47の
金属ニオブ層、 第2層が、屈折率1.43〜1.47の二酸化ケイ素層、 第3層が、屈折率2.04〜2.37の高屈折率層、 第4層が、屈折率1.43〜1.47の二酸化ケイ素層、 第5層が、屈折率2.04〜2.37の高屈折率層、 第6層が、屈折率1.43〜1.47の二酸化ケイ素層、 第7層が、屈折率2.04〜2.37の高屈折率層、 第8層が、屈折率1.43〜1.47の二酸化ケイ素層であり、
λ/4(第2〜4層)の合成屈折率が1.65〜1.80、λ/2
(第5〜7層)の合成屈折率が1.85〜2.25であり、前記
高屈折率層が、酸化チタン、酸化ニオブ及び酸化タンタ
ルの中から選ばれた少なくとも1種類の金属酸化物より
構成される反射防止膜を有する光学部材。
Priority Applications (13)
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