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JP2002306439A - 内臓脂肪測定装置 - Google Patents

内臓脂肪測定装置

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JP2002306439A
JP2002306439A JP2001112917A JP2001112917A JP2002306439A JP 2002306439 A JP2002306439 A JP 2002306439A JP 2001112917 A JP2001112917 A JP 2001112917A JP 2001112917 A JP2001112917 A JP 2001112917A JP 2002306439 A JP2002306439 A JP 2002306439A
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JP
Japan
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visceral fat
subject
measuring
value
blood pressure
Prior art date
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Application number
JP2001112917A
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Takahito Koo
孝仁 幸王
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Tanita Corp
Original Assignee
Tanita Corp
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Publication date
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Priority to US10/113,295 priority patent/US6752760B2/en
Priority to DE60205976T priority patent/DE60205976T2/de
Priority to EP02007389A priority patent/EP1249205B1/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単で高精度に内臓脂肪に関する値の推定を行
うこと。 【解決手段】内臓脂肪面積の算出に生体電気インピーダ
ンスの測定に加えて、被験者の血圧値、脈拍数といった
血液に関するパラメータ測定し、精度の向上を行う。ま
た、算出された内臓脂肪面積や被験者の身体情報から有
病指数も算出し、内臓脂肪面積による疾病の発症可能性
を判定する。更に、算出された内臓脂肪面積を記憶して
おく構成とし、内臓脂肪の減少が起きているときには、
適切な減量が行われているかも判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被験者の内臓脂肪
を測定するものであり、詳しくは内臓脂肪をより正確に
測定する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】家庭で簡単に健康を測定できる装置とし
て、生体電気インピーダンス法を用いて身体に占める体
脂肪の割合である体脂肪率を推定する体脂肪計がある。
また血圧計、脈拍計といった種々の測定装置が市場に提
供され、健康を気にする人々に利用されている。
【0003】また、これらの測定可能な被験者の指標を
複数測定できるよう組み合わせた装置も提案されてい
る。
【0004】ところで体脂肪には、主に腹部や脚部とい
った部位の皮膚下に存する皮下脂肪と、腹腔内(腸間
膜、大網など門脈系)の臓器の周りに付く内臓脂肪とが
ある。近年、体脂肪の中でも内臓脂肪が多いことが糖尿
病や心筋梗塞といった合併症との関係から問題視されて
いる。この内臓脂肪を知る方法としては、X線CTによ
る腹部の撮像を行い、得られた臍部断層画像から内臓脂
肪面積を算出することが専門的な病院で行われている。
【0005】また一般的には、病院で血液検査や尿検査
等の臨床検査を行い、得られた複数のデータから有病指
数を算出し合併症の可能性を判断していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】X線CTによる内臓脂
肪面積の算出方法は、微量ではあるが放射線を浴びるた
め測定者に不安感を与えるものであり、またその装置自
体も大型であり簡単に測定できるものではない。
【0007】一般的に知られている生体電気インピーダ
ンスを用いて被験者の体脂肪を推定する従来の体脂肪計
は、皮下脂肪と内臓脂肪とに分けずに測定部位間の総合
的な体脂肪を表すものである。そこで生体電気インピー
ダンスから内臓脂肪面積を推定する方法が既に提案され
ており、被験者の身長、体重、年齢、性別、周径囲をパ
ラメータとして用いることで内臓脂肪に関する値を算出
することが可能であると言われているが、更に高精度に
内臓脂肪を算出することが望まれている。
【0008】また有病指数は、前述のように一般的には
病院で臨床検査を行い得られたデータを解析することで
算出していたが、専門知識を有する者が必要であり、算
出までに時間がかかるものであった。
【0009】また、内臓脂肪は適正な食事による減量に
加え、適切な運動を伴う減量を行っていれば皮下脂肪に
比べ減りやすいと言われている。しかし運動を行わない
食事制限のみによる過度な減量は、除脂肪量の減量が大
きく、脂肪量の減少による血圧、脈拍の改善効果が運動
を伴うダイエットに比して少ない。
【0010】また、このような減量は体重のリバウンド
を招き、結果的に高血圧状態を発症し長期間持続させる
ことにもなり、たとえ一時的に減量できたとしても問題
であるとされる。
【0011】本発明は以上のような状況に鑑みてなされ
たものであり、内臓脂肪の変化に関係するとされるパラ
メータを測定し、測定されたパラメータを内臓脂肪の推
定に用いることで、簡単に高精度な内臓脂肪に関する値
の推定を行うことである。
【0012】また、推定された内臓脂肪面積等から、被
験者の有病指数も算出することである。
【0013】更に、内臓脂肪の変化から適切な減量が行
われているかを判定し、間違った減量が行われないよう
チェックすることも行う。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の内臓脂肪測定装
置は、被験者の身体に関する情報を入力する入力手段
と、被験者の生体電気インピーダンスを測定する生体電
気インピーダンス測定手段と、被験者の血圧値を測定す
る血圧測定手段と、入力された身体情報と測定された生
体電気インピーダンス及び血圧値から被験者の内臓脂肪
に関する値を演算する演算手段とを備える。
【0015】また本発明の内臓脂肪測定装置は、被験者
の身体に関する情報を入力する入力手段と、被験者の生
体電気インピーダンスを測定する生体電気インピーダン
ス測定手段と、被験者の脈拍数を測定する脈拍測定手段
と、入力された身体情報と測定された生体電気インピー
ダンス及び脈拍数から被験者の内臓脂肪に関する値を演
算する演算手段とを備える。
【0016】また本発明の内臓脂肪測定装置は、被験者
の身体に関する情報を入力する入力手段と、被験者の生
体電気インピーダンスを測定する生体電気インピーダン
ス測定手段と、被験者の血圧値を測定する血圧測定手段
と、被験者の脈拍数を測定する脈拍測定手段と、入力さ
れた身体情報と測定された生体電気インピーダンス及び
血圧と脈拍から被験者の内臓脂肪に関する値を演算する
演算手段とを備える。
【0017】更に本発明の内臓脂肪測定装置は、前記測
定された血圧値または脈拍数の少なくともいずれか一つ
の値と、演算された内臓脂肪に関する値から被験者の有
病指数を算出する。
【0018】更に本発明の内臓脂肪測定装置は、前記測
定された血圧値または脈拍数の少なくともいずれか一つ
の値と、演算された内臓脂肪に関する値を記憶しておく
記憶手段と、記憶手段に記憶された過去の内臓脂肪に関
する値及び血圧値または脈拍数の少なくともいずれか一
つの値と、演算された現在の内臓脂肪に関する値及び血
圧値または脈拍数の少なくともいずれか一つの値から減
量の状態を判定する判定手段とを備える。
【0019】更に本発明の内臓脂肪測定装置では、前記
内臓脂肪に関する値は、内蔵脂肪面積である。
【0020】更に本発明の内臓脂肪測定装置は、被験者
の体重値を測定可能な体重測定手段を備え、測定された
体重値を内臓脂肪に関する値の演算に用いることとす
る。
【0021】
【発明の実施の形態】内臓脂肪が血圧値や脈拍数に深く
関係していると言われている。そのメカニズムは、内臓
脂肪が増加すると門脈系を通じ遊離脂肪酸(FFA)が
肝臓に大量に流入し、脂肪合成を盛んにすると共にイン
スリン抵抗性を招来させると考えられる。体脂肪率が高
くなるほど拡張期血圧(最低血圧)、収縮期血圧(最高
血圧)共に上昇すると言われ、その結果、高血圧症を発
症させる。
【0022】また、体脂肪率、BMI(体格指数)、内
臓脂肪面積といった指標は、様々な病気と密接な関係を
有していると言われる。BMIや体脂肪率、内臓脂肪面
積が高値の時にかかる疾患は、高血圧だけでなく、肝機
能障害、高脂血症(高コレステロール血症)、高尿酸血
症、心疾患、耐糖能異常、胃・十二指腸疾患など様々な
疾患が挙げられる。
【0023】特に体脂肪率、内臓脂肪面積、BMIが高
値になるにつれ有病率が高くなる傾向があると言われ
る。図1は体脂肪率、BMI、内臓脂肪面積と有病率の
関係を示す図であり、有病率は二次関数的なJ曲線(J
カーブ)となる。従って内臓脂肪面積やBMIは、多過
ぎても少な過ぎても好ましくなく、その人に適した値で
あることが重要とされる。この有病率の上昇は合併症率
の上昇につながるため特に問題視される。
【0024】また、減量は食事による摂取カロリーの制
限と運動とを効率よく組み合わせることが重要とされ
る。図2は低カロリー食(LCD:low−calor
iediet)による食事制限のみの減量を行った場合
と、低カロリー食と適切な運動を並行して実施する減量
を行った場合とにおいて、実施後1ヶ月の各種パラメー
タの減少率を示すものである。この図2を見ると、どち
らの減量方法においてもBMI、内臓脂肪面積、収縮期
血圧と拡張期血圧の全てで減少している。しかし、内臓
脂肪面積の比較では、LCDのみによる減量を行った群
に比べ、運動も実施した群の方が、約1.5倍の減少率
を示している。また、拡張期血圧の比較に注目してみる
と、LCDのみによる減量を行った群に比べ、運動も実
施した群の方が、約4倍もの減少率を示しており、明確
な違いが生じている。
【0025】減量中に運動を行うことは食事制限によっ
て生じる安静時エネルギー代謝の低下を防止し、総合的
にエネルギー消費を高めると考えられ、食事制限と運動
を組み合わせた減量が望ましいとされる。これにより、
インスリン感受性、中性脂肪やコレステロール等の脂質
代謝、血圧冠動脈への血流が改善される。
【0026】つまり、内臓脂肪の減少と血圧値の下降傾
向を長期間の測定から解析し、その状態によって、望ま
しい減量状態であるかを判定することが可能である。
【0027】従って本発明の内臓脂肪測定装置は、内臓
脂肪面積の算出に被験者の血圧値、脈拍数といった血液
に関するパラメータを用い、精度向上を行う。
【0028】また、算出された内臓脂肪面積や被験者の
身体情報から有病指数も算出し、内臓脂肪面積による疾
病の発症可能性を判定する。
【0029】更に、算出された内臓脂肪面積を記憶して
おく構成とし、内臓脂肪の減少が起きているときには、
適切な減量(ダイエット)が行われているかも判定す
る。
【0030】
【実施例】本発明の一実施例について図面に基づき説明
する。
【0031】図3は本発明の一実施例である被験者の内
臓脂肪面積の測定が可能な内臓脂肪測定装置の外観図で
ある。内臓脂肪測定装置1は手用の電極と足用の電極が
設けられており、全身の生体電気インピーダンスを測定
することが可能である。内臓脂肪測定装置1の本体はL
字型を有しており、その下部には体重値を測定する体重
手段として公知の体重計2が備えられ、その測定面には
足用の電極3A、3B、4A、4Bが設けられている。
これらの電極は測定時に被験者の足が接触するように配
置されており、3Aが右足爪先、3Bが左足爪先、4A
が右足踵、4Bが左足踵に接触するものである。電極3
A、3Bは生体に電流を供給する手段の電流供給電極で
あり、電極4A、4Bは生体電気インピーダンス測定手
段である電圧測定電極である。
【0032】内臓脂肪測定装置1の本体上部側面には、
右手用のハンドグリップ5A、左手用ハンドグリップ5
Bがそれぞれコード6A、6Bを介して接続されてお
り、また、ハンドグリップ5A、5Bをそれぞれ収納す
るグリップホルダー7A、7Bが設けられている。この
グリップホルダー7A、7Bは、生体電気インピーダン
ス測定時以外にハンドグリップ5A、5Bを収納してお
くものである。
【0033】体脂肪計1の本体上面には、表示部8が設
けられている。この表示部8は、タッチパネル付きLC
Dモジュール(以下タッチパネル)が用いられており、
測定結果や個人設定情報、待機表示を行う表示機能を有
するのは勿論、タッチパネル機能により、キー入力機能
も備えるものである。従って、被験者の身長、性別、年
齢といった個人情報の入力や、測定の開始の際に、タッ
チパネルに表示されるスイッチを押すことにより、各種
の入力も行える入力手段も兼ねるものである。
【0034】更に、本体前面から背面にかけて弾性膜か
らなる袋状に構成された血圧測定手段であり脈拍測定手
段であるカフ9が設けてあり、被験者の上腕部を挿入可
能な構成であり、圧迫圧力により血圧値及び脈拍数が測
定可能である。
【0035】本発明を用いた生体電気インピーダンス法
に基づく内臓脂肪測定装置1の内部構成を図4に示す
が、既に公知の技術を用いるため、ここでは簡単な説明
とする。内臓脂肪測定装置1の内部測定回路には、各種
の演算処理や制御を行う演算手段であり判定手段である
CPU10があり、CPU10からの処理命令により測
定電流となる定電流を発生する定電流回路部11が接続
されている。定電流回路部11の出力端子は切替回路1
2を介して足用電流供給電極3A、3B、及びハンドグ
リップ5A、5Bに設けられた手用電流供給電極13
A、13Bに接続されている。
【0036】電圧測定電極4A、4B及びハンドグリッ
プ5A、5Bに設けられた手用電圧測定電極14A、1
4Bは切替回路12を介して電圧増幅回路部15に接続
されており、測定された電圧値を増幅した波形を整形す
る検波回路16、整形された電圧波形のデータを、アナ
ログ値からデジタル値に変換するA/D変換器17があ
り、A/D変換器17によって生成されたデジタル値は
CPU10に入る。またCPU10には、体重計2の重
量センサ18も接続されており、被験者の体重値の測定
も行う。
【0037】更に、エアポンプ19からの空気の注入に
よって圧力が調節されるカフ9は、圧力センサ20が備
えられ、カフ9の圧力上昇により得られる被験者のカフ
圧信号から、フィルタ回路21によって脈波信号を抽出
し、A/D変換器22でデジタル信号に変換される。そ
の信号がCPU10に入力され、血圧値及び脈拍数が算
出される。
【0038】更にCPU10には、求められた生体電気
インピーダンス値および体重値、血圧値、脈拍数と設定
記憶された被験者の個人情報より、推定された内臓脂肪
に関する情報や、入力手段としてスイッチ機能も有する
タッチパネルである表示部8も繋がれている。従って、
CPU10は入力した測定電流値と検出された測定電圧
値から生体電気インピーダンス値を演算し、記憶設定し
てある個人情報と求められた生体電気インピーダンス値
および体重値から体脂肪率または体脂肪量を推定する手
段でもあり、表示部8に結果を表示するものである。
【0039】また前述のように各電極は切替回路12を
介して接続されており、CPU10の制御により電流供
給経路及び電圧測定経路が適宜選択される。
【0040】個人設定情報や測定された体重値、内臓脂
肪面積、血圧値、脈拍数等のデータを記憶する記憶手段
である記憶装置22もCPU10に繋がれ、データの送
受信を行う。
【0041】次に、上述したような実施例の内臓脂肪測
定装置1の動作について詳述する。尚、本説明における
各種のキー及びスイッチとは、表示部8のタッチパネル
画面上に表示される部分に指で触れることにより、入力
することを示す。
【0042】図5は、本発明に係る内臓脂肪測定装置1
の手順を示すフローチャートである。被験者は電源スイ
ッチを押して内臓脂肪測定装置1をオンにする(ステッ
プS1)。
【0043】ここで被験者が設定キーを押したならば、
内臓脂肪測定装置1は設定モードに移る(ステップS
2)。
【0044】設定モードでは、被験者の身体情報の設定
を行う。アップキー及びダウンキーを用いて画面上に表
示される身長、性別、年齢、周径囲を変更していく。こ
こで周径囲とは、胴回りの長さ(ウエスト値)である。
変更された各々の値は、再度設定キーを押下することで
順次決定される(ステップS3)。
【0045】被験者が測定キーを押したならば、内臓脂
肪測定装置1は測定モードとなってステップS5に移
り、押さなければ設定キーを押しているかを確認するス
テップS2に戻る(ステップS4)。
【0046】測定状態になると、被験者は体重計2の上
に載り、直立体勢をとる。ここで荷重センサ18は、荷
重値の変化により被験者が載ったことを判定し、荷重が
安定するのを待った後、安定した時点で測定された荷重
値を被験者の体重値とする(ステップS5)。
【0047】次に被験者の生体電気インピーダンスを測
定する。
【0048】表示部8にハンドグリップ5A、5Bを把
持すること及び各電極に身体を接触させるように指示す
る表示が行われるので、被験者は左足裏及び右足裏のつ
ま先を電流供給用電極3A及び3Bにそれぞれ接触さ
せ、また、左足裏及び右足裏のかかとを電圧測定用電極
4A、4Bにそれぞれ接触させる。更にハンドグリップ
5A、5Bを握り、各電極13A、13B、14A、1
4Bにも掌を接触させる。
【0049】続いて、定電流回路部11によって生成さ
れた高周波の微弱な定電流が、電流供給用電極3A、3
B、13A、13Bのうち選択された2電極間を介して
被賢者の体内に印加される。そして、電圧測定回路24
によって電圧測定用電極4A、4B、14A、14Bの
うち選択された2電極間における被験者の生体電気イン
ピーダンスが測定される。
【0050】選択される電極は切替回路12によって順
次切り替えられ、各部位の生体電気インピーダンスの測
定が行われる(ステップS6)。
【0051】次に血圧値及び脈拍数の測定を行う。表示
部8にカフ9へ上腕を挿入するよう指示する表示が行わ
れるので、被験者は上腕をカフ9内に通し、血圧測定キ
ーを押す。
【0052】カフ9の弾性膜は、CPU10により制御
されているエアポンプ19から注入される空気の圧力に
より膨張し、上腕を締め付ける。その状態で脈動に基づ
く心拍の圧力振動が圧力センサ20から検出される。検
出された圧力信号からフィルタ回路21によって脈波信
号が抽出され、A/D変換器22においてデジタル信号
に変換される。この信号がCPU10に入力され、演算
処理を行うことで最高血圧値及び最低血圧値、脈拍数が
算出される。(ステップS7、S8)
【0053】次に測定された生体電気インピーダンス値
と、設定されている被験者の身体情報から、体脂肪率を
算出する(ステップS9)。尚、この体脂肪率の算出に
ついては、既に多くの文献において公知の事項のため、
ここでは省略する。
【0054】次に内臓脂肪面積の算出を行う。
【0055】内臓脂肪面積(Visceral Fat
Area:VFA)は、被験者のウエストW(c
m)、身長Ht(cm)、体重Wt(kg)、年齢Ag
e、脈拍数P、最高血圧値と最低血圧値の差ΔBPを用
い、次式に基づき算出される。
【0056】VFA=aW+bHt/FFM+c
(Fat/Ht+dBMI+eAge+f
P+gΔBP (ただしa、b、c、d、e、f、g
係数)
【0057】ここでFFMは除脂肪量であり、Fatは
体脂肪量である。これらの値は、生体電気インピーダン
ス法を用いて算出することが可能であり、既に多くの文
献に記載された事項であるためここでは説明を省略す
る。またBMIは体格指数であり、体重/身長で求め
られる値である。
【0058】以上の演算により内臓脂肪面積:VFAは
算出される(ステップS10)。
【0059】次に、有病指数の演算が行われる。従来、
体格指数や体脂肪率をパラメータとして単独に用いて有
病指数を算出していたが、本発明ではそれらを複数用い
て算出する。
【0060】有病指数(Morbidity Inde
x:MI)は、体格指数BMI、体脂肪率%Fat、最
高血圧値と最低血圧値の差ΔBP、年齢Age、内臓脂
肪面積VFAを用い、次式で算出する。
【0061】MI=aBMI+b%Fat+cΔ
BP+dAge+eVFA+f (ただしa、b、c、d、e、fは係数)
【0062】又は、有病指数が二次関数的なJ曲線を描
くことから、複数のパラメータを一つの変数として、次
式で算出する。
【0063】MI=a(BMI+%FAT+ΔBP+
Age+VFA)+b(BMI+%FAT+ΔBP
+Age+VFA)+c (ただしa、b、cは係数)
【0064】以上の演算により有病指数:MIは算出さ
れる(ステップS11)。
【0065】ここで測定結果が表示される。図6に示す
ように被験者の身長、体重、体脂肪率、内臓脂肪面積、
拡張期血圧、収縮期血圧、脈拍数、有病指数が表示され
る。同時に図7に示すよう内臓脂肪面積、拡張期血圧、
収縮期血圧、脈波値がレーダーチャートで表示される
(ステップS12)。図7に示す例では内臓脂肪面積、
脈拍、拡張期血圧が注意を必要とするレベルであり、収
縮期血圧に至ってはかなり高く危険なレベルにあること
を示している。
【0066】次に、減量判定キーが押されているかを判
断する(ステップS13)。ここで押されている場合に
は減量判定を行うが、押されていない場合には全ての測
定は完了となり、終了となる。
【0067】減量状態の判定は次のように行われる。ま
ず、減量ポイント(Lose Weight Poin
t:LWP)を算出する。ここで減量ポイントとは、通
常、減量を行った場合に変化が生じる指標をパラメータ
として用い、その身体状況を客観的に判定するための値
である。ここでは、体重Wt、除脂肪量FFM、最高血
圧値と最低血圧値の差BP、内臓脂肪面積VFA、体格
指数BMI、年齢Ageを用い、年齢以外の各パラメー
タは記憶装置23に記憶されている過去の値と現在の値
との差のΔWt、ΔFFM、ΔBP、ΔVFA、ΔBM
Iを用いて次式で算出する。ここで過去の値は、現在か
ら1ヶ月前のデータを使用するものとし、長期的な減量
状態を判定する。ただし、1ヶ月前までのデータが無い
場合には、過去に測定した最も古いデータを使用する。
【0068】LWP=aΔWt+bΔFFM+c
ΔBP+dΔVFA+eΔBMI+fAge+g
(ただしa、b、c、d、e、f、g
係数)
【0069】ここで判別分析を行う。算出されたLWP
の値から、減量が行われているか、またその減量が食事
制限のみによるものか、あるいは運動も行われているか
の分類分けをする。この分類分けは次の何れの数値範囲
に該当しているかにより判定する(ステップS14)。
【0070】 2≧LWP>1 減量有り、運動有り 1≧LWP>0 減量有り、運動無し 0≧LWP>−1 減量無し、運動有り −1≧LWP>−2 減量無し、運動無し
【0071】この判別分析の結果に基づいて、適切なア
ドバイスが選択され表示される。この表示例を図8に示
す。
【0072】ここで図9に示すように、減量状態の判定
に基づき、アドバイスを含めた結果を再度、表示部8に
表示する(ステップS15)。
【0073】以上の動作により全ての測定は終了する。
【0074】図10は本発明の内臓脂肪測定装置の別実
施例における外観図である。この内臓脂肪測定装置で
は、被験者が座位の体勢を取れるように椅子を備える。
この場合には、生体電気インピーダンス及び体重の測定
は立位で行い、血圧及び脈拍の測定は座位で行う。本
来、血圧や脈拍の測定は安静状態での測定が望ましい
が、このような内臓脂肪測定装置であれば座位での座位
での血圧、脈拍測定が可能となり、更に正確な内臓脂肪
面積の算出にも繋がる。
【0075】また、この椅子部に被験者の周径囲を測定
することが出来るメジャーを備える構成とすれば、周径
囲を別途測定して入力する手間が省け、より使いやすい
ものとなる。
【0076】以上、本発明の実施例を説明したが、ここ
で述べた内臓脂肪面積、有病指数、減量ポイントの演算
式は、算出方法の一例であるので、これらに限られるも
のではない。
【0077】また、ここでは生体電気インピーダンスの
測定を手用電極と足用電極を備える構成とし、使用する
電極を順次切り替えることにより全身のインピーダンス
を測定する形態を示したが、これに限らず両手間や両足
間、あるいは手足間の測定のみから得られる生体電気イ
ンピーダンス値を使用する構成でもよく、測定個所を限
定する必要はない。
【0078】また、血圧値や脈拍数の測定手段として、
カフを用いて上腕部に圧迫圧力を加えることにより測定
を行う構成を示したが、これに限らず、LED等を用い
た光による脈拍測定や心電図を用いた心拍の測定を行う
形態でもよい。
【0079】
【発明の効果】本発明の内臓脂肪測定装置であれば被験
者の血液状態を測定可能なカフを備え、生体電気インピ
ーダンスと共に被験者の血圧値、脈拍数も測定し、内臓
脂肪と関係の深いこれらの値も内臓脂肪に関する値の算
出に用いるので、より正確な内臓脂肪の推定を行うこと
が可能となる。
【0080】また、本発明の内臓脂肪測定装置であれ
ば、測定された被験者の内臓脂肪面積と血圧や脈拍とい
った血液に関するパラメータから有病指数を算出し報知
するので、内臓脂肪の増減と共に疾病の有無を確認する
ことが可能となり、より有用なものとなる。
【0081】また、本発明の内臓脂肪測定装置であれ
ば、被験者の内臓脂肪面積の変化と血圧や脈拍の変化か
ら、食事制限のみの身体にとって望ましくない減量を行
っていないかを判定し、適したアドバイスを行う構成で
あるため、利用者に食事制限と共に運動も行う正しいダ
イエットを行うよう導くことが可能であり、更に有用な
ものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有病率の傾向を示す図
【図2】食事制限と運動による減量の差を示す図
【図3】本発明の一実施例である内臓脂肪測定装置の外
観図
【図4】本発明の一実施例である内臓脂肪測定装置の内
部構成図
【図5】本発明の一実施例である内臓脂肪測定装置のフ
ローチャート
【図6】本発明の一実施例である内臓脂肪測定装置の結
果表示を示す図
【図7】本発明の一実施例である内臓脂肪測定装置のレ
ーダーチャート表示
【図8】本発明の一実施例である内臓脂肪測定装置のア
ドバイス内容
【図9】本発明の一実施例である内臓脂肪測定装置のグ
ラフ表示を示す図
【図10】本発明の内臓脂肪測定装置の別実施例の外観
【符号の説明】
1 内臓脂肪測定装置 2 体重計 3A、3B、13A、13B 電流供給用電極 4A、4B、14A、14B 電圧測定用電極 5A、5B ハンドグリップ 6A、6B コード 7A、7B グリップホルダー 8 表示部 9 カフ 10 CPU 11 定電流回路部 12 切替回路 15 電圧増幅回路部 16 検波回路 17、22 A/D変換器 18 重量センサ 19 エアポンプ 20 圧力センサ 21 フィルタ回路 23 記憶装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被験者の身体に関する情報を入力する入
    力手段と、 被験者の生体電気インピーダンスを測定する生体電気イ
    ンピーダンス測定手段と、 被験者の血圧値を測定する血圧測定手段と、 入力された身体情報と測定された生体電気インピーダン
    ス及び血圧値から被験者の内臓脂肪に関する値を演算す
    る演算手段とを備える内臓脂肪測定装置。
  2. 【請求項2】 被験者の身体に関する情報を入力する入
    力手段と、 被験者の生体電気インピーダンスを測定する生体電気イ
    ンピーダンス測定手段と、 被験者の脈拍数を測定する脈拍測定手段と、 入力された身体情報と測定された生体電気インピーダン
    ス及び脈拍数から被験者の内臓脂肪に関する値を演算す
    る演算手段とを備える内臓脂肪測定装置。
  3. 【請求項3】 被験者の身体に関する情報を入力する入
    力手段と、 被験者の生体電気インピーダンスを測定する生体電気イ
    ンピーダンス測定手段と、 被験者の血圧値を測定する血圧測定手段と、 被験者の脈拍数を測定する脈拍測定手段と、 入力された身体情報と測定された生体電気インピーダン
    ス及び血圧と脈拍から被験者の内臓脂肪に関する値を演
    算する演算手段とを備える内臓脂肪測定装置。
  4. 【請求項4】 前記測定された血圧値または脈拍数の少
    なくともいずれか一つの値と、演算された内臓脂肪に関
    する値から被験者の有病指数を算出する請求項1から3
    のいずれか1項に記載の内臓脂肪測定装置。
  5. 【請求項5】 前記測定された血圧値または脈拍数の少
    なくともいずれか一つの値と、演算された内臓脂肪に関
    する値を記憶しておく記憶手段と、 記憶手段に記憶された過去の内臓脂肪に関する値及び血
    圧値または脈拍数の少なくともいずれか一つの値と、演
    算された現在の内臓脂肪に関する値及び血圧値または脈
    拍数の少なくともいずれか一つの値から減量の状態を判
    定する判定手段とを備える請求項1から4のいずれか1
    項に記載の内臓脂肪測定装置。
  6. 【請求項6】 前記内臓脂肪に関する値は、内蔵脂肪面
    積であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1
    項に記載の内臓脂肪測定装置。
  7. 【請求項7】 更に被験者の体重値を測定可能な体重測
    定手段を備え、測定された体重値を内臓脂肪に関する値
    の演算に用いることを特徴とする請求項1から3のいず
    れか1項に記載の内臓脂肪測定装置。
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