JP2002366798A - 自動車板金塗装オークションシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 板金塗装等の自動車修理において、発注者側
がニーズに応じた適切な修理工場を容易に選択でき、修
理工場側が容易に新規顧客を開拓できる自動車修理に関
するオークションシステムを提供する。 【解決手段】 オークションシステムは、発注者が用い
る発注ユーザ端末２０と、受注者が用いる受注ユーザ端
末２１と、通信ネットワーク３０を介して発注ユーザ端
末２０および受注ユーザ端末と接続されているオークシ
ョンサーバ１０とを備えている。オークションサーバ１
０は、発注ユーザ端末２０より送信された出品車情報を
受け取るとともに受注ユーザ端末２１に配信する。さら
に、オークションサーバ１０は、受注ユーザ端末２１か
ら送信される応札信号を受け付け、応札信号の受信状況
に基づいてオークション対象となっている出品車の落札
あるいは流札を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、板金・塗装といっ
た自動車修理のオークションシステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、板金や塗装といった自動車修
理を行う場合には、一般ユーザから、あるいは一般ユー
ザから修理依頼を受けたディーラー、整備工場等から修
理車両が板金塗装工場に持ち込まれ、板金塗装工場にて
板金塗装が行われるのが一般的である。このような板金
塗装工場は、規模、設備、塗料の質、工員の熟練度等の
違いで多様な工場が存在している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、板金塗装工
場に修理を依頼する際、発注者が適切な板金塗装工場を
選択するのが難しいという問題がある。すなわち、発注
者側にも金額、仕上がり、納期等の多様なニーズがあ
り、発注者はそのニーズに応じて要求する仕上がりとそ
れに見合った修理代金の工場を選択することとなる。し
かしながら、修理発注に関して業界の標準となる仕組み
やルールが存在しないため、身近に存在する２、３社の
工場から選択して修理依頼するというのが現状である。

【０００４】また、板金塗装工場は殆どが小規模工場で
あり、特定の自動車販売業者の下請け的業務を行ってい
る場合が多く、独自の営業力を有しているところは少な
い。このような状況の下で、板金塗装工場が新規顧客を
獲得することは難しい。

【０００５】さらに、修理に際し修理金額の適正な見積
が難しく、修理金額の算出が不透明となりがちになって
しまうという問題がある。すなわち、工場毎に修理能力
や工賃にばらつきがある。修理見積には熟練が必要であ
るとともに、修理箇所の状況は車両毎に異なるため、最
終的には見積を行う者の勘に頼っている部分が大きい。
また、例えば雪が降った後では事故車が増加して修理金
額の相場が上昇するといったように、季節等の要因によ
り修理金額の市場価格が変動する場合もある。さらには
中間マージンの存在もあり、一般ユーザは適正な修理金
額を知ることが困難である。

【０００６】本発明は、上記点に鑑み、板金塗装等の自
動車修理において、発注者側がニーズに応じた適切な修
理工場を容易に選択でき、修理工場側が容易に新規顧客
を開拓できる自動車修理に関するオークションシステム
を提供することを目的とする。さらに、板金塗装金額の
適正な見積を容易に行うことができるシステムを提供す
ることを他の目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１に記載の発明では、発注者が用いる発注ユ
ーザ端末（２０）と、受注者が用いる受注ユーザ端末
（２１）と、通信ネットワーク（３０）を介して発注ユ
ーザ端末（２０）および受注ユーザ端末と接続されてい
るとともに記憶装置を有するオークションサーバ（１
０）とを備えた自動車の板金塗装に関する自動車板金塗
装オークションシステムであって、発注ユーザ端末（２
０）は、オークションの出品車に関する出品車情報をオ
ークションサーバ（１０）に送信する手段を有し、オー
クションサーバ（１０）は、発注ユーザ端末（２０）よ
り送信された出品車情報を受け取るとともに、記憶装置
に出品車情報を格納する手段と、出品車情報を受注ユー
ザ端末（２１）に配信する手段と、受注ユーザ端末（２
１）にオークション対象となっている出品車の現在価格
を通知する手段と、受注ユーザ端末（２１）から送信さ
れる応札信号を受け付ける手段と、応札信号の受信状況
に基づいてオークション対象となっている出品車の落札
あるいは流札を決定する手段とを有し、受注ユーザ端末
（２１）は、オークションサーバ（１０）より現在価格
を受け取るとともに、現在価格を表示手段に表示する手
段と、現在価格に対する応札信号をオークションサーバ
（１０）に送信する手段とを有することを特徴としてい
る。

【０００８】このような構成により、発注ユーザの多様
な修理依頼ニーズに対して、オークションにより多数の
受注ユーザ（修理工場）からの応札を募り、その中から
落札者を決定することができる。このため、発注者は板
金塗装工場に修理を依頼する際、適切な修理金額の板金
塗装工場に修理を依頼することができる。また、板金塗
装工場側においては、新規顧客獲得の機会が飛躍的に広
がることとなる。

【０００９】また、請求項２に記載の発明では、オーク
ションサーバ（１０）は記憶装置を有しており、出品車
の落札が決定した場合には、出品車情報に落札価格を加
えた過去出品車情報を記憶装置に格納する手段を備え、
発注ユーザ端末（２０）あるいは受注ユーザ端末（２
１）の少なくとも一方は、オークションサーバ（１０）
の記憶装置に格納された過去出品情報を参照する手段を
備えていることを特徴としている。

【００１０】このようにオークションを行うことによ
り、常に最新の出品車情報およびその落札価格等が蓄積
される。このため、季節等の要因により板金塗装価格が
変動しても、その変動に伴いオークションの落札価格も
変動するので、板金塗装価格の市場価格（相場）を常に
得ることができる。従って、板金塗装オークションによ
って蓄積される過去出品車情報を用いて、同一あるいは
近似した事例のデータを参照することにより、板金塗装
金額の適正な見積を行うことができる。さらに、板金塗
装オークションによれば多くの事例を得ることができる
ため、その平均値を用いることで、より適正な修理金額
を得ることができる。

【００１１】また、請求項３に記載の発明では、発注者
が用いる発注ユーザ端末（２０）および受注者が用いる
受注ユーザ端末（２１）と、通信ネットワーク（３０）
を介して接続されているとともに記憶装置を有するオー
クションサーバ（１０）を備えた自動車の板金塗装に関
する自動車板金塗装オークションシステムであって、発
注ユーザ端末（２０）より送信されたオークション出品
車に関する出品車情報を受け取るとともに、記憶装置に
出品車情報を格納する手段と、出品車情報を受注ユーザ
端末（２１）に配信する手段と、受注ユーザ端末（２
１）にオークション対象となっている出品車の現在価格
を通知するとともに、受注ユーザ端末（２１）の表示手
段に現在価格を表示させる手段と、受注ユーザ端末（２
１）から送信される応札信号を受け付ける手段と、応札
信号の受信状況に基づいて、オークション対象となって
いる出品車の落札あるいは流札を決定する手段とを備え
ることを特徴としている。

【００１２】また、落札あるいは流札を決定する手段
は、請求項４に記載の発明のように、現在価格に対して
応札信号があった場合には、オークション対象となって
いる出品車の落札を決定する手段と、現在価格に対して
所定時間応札信号がなかった場合には、現在価格を所定
金額だけ上昇させる手段と、現在価格が予め設定された
上限価格を上回った場合には、オークション対象となっ
ている出品車を流札させる手段とを含んでいるように構
成できる。

【００１３】また、通信ネットワークにインターネット
を用いてオークションを行う場合には、応札に際し受注
ユーザから送られてくる複数の信号の処理が困難であ
り、複数の信号の中から落札者を決定するのが難しい。
これに対し、請求項５に記載の発明では、落札を決定す
る手段は、最先に応札信号を送信した受注ユーザ端末
（２１）を落札者として決定することを特徴としてい
る。これにより、オークションサーバ（１０）は最先に
到達する応札信号を拾うだけでよいので、簡易な構成に
よりインターネットを用いたオークションシステムを実
現できる。

【００１４】また、請求項６に記載の発明では、出品車
情報は、出品車の車種を特定する車種情報と、出品車の
塗装を特定する塗装情報と、出品車において板金塗装を
必要とするダメージ状態を特定するダメージ情報とを含
んでいることを特徴としている。このような出品車情報
を用いることにより、受注ユーザは、実車を見ることな
く、受注ユーザ端末（２１）上で容易に出品車、ダメー
ジ状況を判断することができ、修理に必要な金額を推定
することが可能となる。

【００１５】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図１〜図９に基づいて説明する。本実施形態の自動車修
理オークションは、通信ネットワークを利用して自動車
の板金塗装といった自動車修理に関してオークションを
行うものである。なお、本実施形態のオークションは、
開始価格から順に価格を上昇させていくせり上げ方式で
行われる。

【００１７】本実施形態のオークションシステムでは、
順次変化する出品車の現在価格に対して受注ユーザがそ
の場で応札するリアルタイムオークション（せり）と、
オークション開始に先立って、予め受注ユーザが入札価
格を提示しておく入札とを行うことができる。なお、本
明細書における「入札」とは、せり開始前に受注ユーザ
が出品車に対して妥当と考える価格（入札価格）を予め
提示しておき、せり開始後その入札価格まで他に落札者
がなければ、その入札者が落札できることをいう。

【００１８】図１は、本実施形態の自動車修理オークシ
ョンシステムの全体構成を示している。図１に示すよう
に、本実施形態のオークションシステムは、オークショ
ンサーバ１０、発注ユーザ端末２０、受注ユーザ端末２
１を備えている。これらのサーバ１０およびユーザ端末
２０、２１は、通信ネットワーク３０を介して接続され
ている。オークションサーバ１０はオークションを管理
するオークション管理センタに配置され、発注ユーザ端
末２０は修理発注ユーザである自動車販売店あるいは一
般ユーザ宅に配置され、受注ユーザ端末２１は修理受注
ユーザである板金塗装修理工場に配置される。

【００１９】サーバ１０は、記憶装置を備えたサーバコ
ンピュータであり、オークションに関する各種処理（例
えば、せり開始終了、せり上げ間隔およびせり上げ幅の
設定変更、ユーザの認証、オークション状況の監視等）
を行う。また、記憶装置には、オークション当日に出品
される車両に関する出品車情報、過去にオークションに
出品された車両に関する過去出品車情報等の各種情報が
データベースとして格納されている。

【００２０】ユーザ端末２０、２１としては、例えばパ
ーソナルコンピュータを用いることができる。パーソナ
ルコンピュータは、入力装置（キーボード、マウス、ジ
ョイスティック等）、出力装置（ディスプレイ等）、記
憶装置（ハードディスク等）、通信装置（モデム、ネッ
トワークカード等）を備えている。また、本実施形態の
受注ユーザ端末２１では、受注ユーザがオークション出
品車に対して応札の意思を示すための応札スイッチとし
てジョイスティックを用いている。

【００２１】発注者が用いる発注ユーザ端末２０では、
オークションに出品する車両に関する出品情報のオーク
ションサーバ１０への登録、オークション開催状況の閲
覧、オークションに過去に出品された車両の過去出品車
情報の検索等を行うことができる。但し、オークション
出品車に対して入札することはできない。受注ユーザが
用いる受注ユーザ端末２１では、当日出品される当日出
品車情報の検索、オークション出品車に対する入札、過
去出品車情報の検索等を行うことができる。

【００２２】通信ネットワーク３０としては、例えばイ
ンターネットを用いることができる。通信ネットワーク
３０とサーバ１０、ユーザ端末２０、２１を接続する通
信回線３１としては、例えばＡＤＳＬ（Asymmetric Dig
ital Subscriber Line）、あるいは光ファイバケーブル
等を用いることができる。

【００２３】次に、本実施形態の自動車修理オークショ
ンの流れを図２のフローチャートに基づいて説明する。

【００２４】まず、発注ユーザが発注ユーザ端末２０を
介してオークションサーバ１０に出品車情報を送信する
（ステップＳ１００）。出品車情報は、出品車の車種を
特定する車種情報、出品車の塗装を特定する塗装情報、
板金塗装を必要とするダメージ（損傷）の状態を特定す
るダメージ情報とからなり、さらに希望納期、上限価
格、オークション開始価格を含んでいる。

【００２５】車種情報は、メーカ名、車名、グレード、
車体形状（セダン、クーペ、３ドアハッチバック、５ド
アハッチバック、ワゴン／バン、ミニバン、１ボック
ス、オープンカー等）、型式等から構成される。塗装情
報は、塗装区分（ソリッド、メタリック、パール等）、
色数、系統色（白、黒、赤、紺、ワイン、シルバー等）
から構成される。

【００２６】ダメージ情報は、ダメージ箇所、ダメージ
の種別を示すダメージ区分（キズ、ヘコミ、ワレ）、ダ
メージ区分毎の損傷度合いを数値化したダメージレベル
とからなる。ダメージ箇所は、例えばボンネット、右ド
アといったように車両を構成するパネル毎に特定され
る。ダメージ箇所、ダメージ区分、ダメージレベルの判
定は、板金塗装を依頼する発注ユーザが行う。

【００２７】ダメージ情報の特定には、文字情報に加え
て画像情報が用いられる。具体的には、ダメージ箇所の
特定を容易にするために、車両をパネル毎に展開した展
開図が用いられる。また、ダメージ情報を視覚的に詳細
に特定するために、少なくともダメージ箇所を含んだ写
真画像が用いられる。

【００２８】希望納期は、例えば発注ユーザが５日以内
の修理を希望する場合には５日となる。上限価格は、発
注ユーザが設定する落札可能価格の上限であり、例えば
５０，０００円以下での修理を希望する場合には５０，
０００円となる。

【００２９】次に、オークションサーバ１０は、発注者
端末２０より送信された上記出品車情報を受信するとと
もに、記憶装置に登録する（ステップＳ２００、Ｓ２０
１）。オークションが開催されるまで、発注ユーザから
の出品車情報を順次受け付け登録する。

【００３０】次に、オークション開始に先立ち、オーク
ションサーバ１０から受注ユーザ端末２１に対してオー
クションに出品される車両の出品車情報を配信（送信）
する（ステップＳ２０２）。受注ユーザ端末２１は、オ
ークションサーバ１０から送信された出品車情報を受信
する（ステップＳ３００）。受信した出品車情報は、受
注ユーザ端末２１の記憶装置に格納される。受注ユーザ
は、オークションに当日出品される車両の出品車情報を
検索し閲覧することが可能となる（ステップＳ３０
１）。

【００３１】これにより、受注ユーザは、オークション
開始に先立ち、オークションに出品される車両について
端末２１上で下見を行うことができる。なお、オークシ
ョン開始前においては、受注ユーザ端末２１の応札スイ
ッチは無効となっており、受注ユーザは受注ユーザ端末
２１より出品車に対して応札を行うことはできない。

【００３２】ここで、受注ユーザ端末２１で行う出品車
情報の検索について図３〜図５に基づいて説明する。図
３〜図５は受注ユーザ端末２１の画面例であり、図３は
検索条件入力画面、図４は検索結果一覧画面、図５は車
両詳細情報画面である。出品車情報検索は、オークショ
ンサーバ１０から受注ユーザ端末２１にダウンロードさ
れた出品車情報の中から、受注ユーザが希望する条件に
一致あるいは近似する出品車情報を抽出するものであ
る。

【００３３】受注ユーザは、受注ユーザ端末２１に表示
された検索画面（図３）にて、自らの希望条件を入力す
る。検索条件は、画面に表示された項目を選択すること
で行うことができる。検索条件としては、例えば納期、
国産車／輸入車、車体形状、スタート価格等を用いるこ
とができる。これらの検索条件は単独あるいは組み合わ
せて用いることができ、組み合わせる場合には各検索条
件はＡＮＤ条件で結合される。次に、検索を実行するこ
とで、検索条件に一致あるいは近似した出品車両の一覧
が受注ユーザ端末２１の画面に表示される（図４）。

【００３４】次に、一覧表示画面において特定の出品車
両を選択することで、車両詳細情報画面を表示すること
ができる（図５）。図５に示す車両詳細情報画面では、
納期、車両情報、ダメージ情報、写真画像、展開図等が
表示される。なお、希望する出品車両の出品番号が予め
分かっている場合には、出品番号を指定することによ
り、図５に示す車両詳細情報画面を表示させることもで
きる。

【００３５】これにより、受注ユーザはオークション開
始に先立ち、図４の一覧画面、図５の詳細画面にてオー
クションに出品される出品車の下見ができ、特定の出品
車に関してオークションに参加するか否かの判断を行う
ことができる。

【００３６】また、上述のように本実施形態のオークシ
ョンシステムでは、順次変化する現在価格に対して応札
するリアルタイムオークションに加え、オークション開
始前に予め受注ユーザが入札価格を提示しておく入札を
行うことができる。入札は、図５の車両詳細情報画面に
て行うことができる。受注ユーザは、妥当と考える価格
（入札価格）を受注ユーザ端末２１に入力し、この入札
価格をオークションサーバ１０に送信し登録しておく。
オークション開始後、その入札価格まで他に落札者がな
ければ、その入札者が出品車を落札できる。

【００３７】次に、オークション開始時間になると、オ
ークションサーバ１０から受注ユーザ端末２１に対し
て、オークション開始を知らせるオークション開始信号
が送られ、オークションの開始が通知される（ステップ
Ｓ２０３）。これにより、受注ユーザ端末２１の応札ス
イッチが有効となる。

【００３８】図６は受注ユーザ端末２１の画面例であ
り、オークション対象となる出品車両に対する応札を行
うオークション画面である。図６に示すように、オーク
ション画面では、出品車両の現在価格（オークション価
格）、車両情報等が表示される。受注ユーザは、図６に
示すオークション画面において出品車に対する応札を行
う。

【００３９】次に、オークションサーバ１０にてオーク
ション対象となる出品車両の現在価格（オークション価
格）が、初期値である開始価格（例えば４０，０００
円）に設定される（ステップＳ２０４）。現在価格は受
注ユーザ端末２１に送信される（ステップＳ２０５）。
これにより、受注ユーザ端末２１の表示装置には、オー
クションの対象となっている出品車両の現在価格が表示
される。本実施形態のオークションシステムでは、いず
れかの受注ユーザからの応札があるまで、あるいは現在
価格が上限価格に到達するまで、所定時間毎（例えば３
秒ごと）に現在価格が自動的に上昇し更新される。

【００４０】受注ユーザは、受注ユーザ端末２１に表示
された現在価格およびその他の情報を見て、せり対象の
出品車両に対して応札するか否かを判断する（ステップ
Ｓ３０２）。この結果、出品車両に対して応札する場合
には、受注ユーザ端末２１の応札スイッチを押して応札
の意思を示す（ステップＳ３０３）。これにより受注ユ
ーザ端末２１からサーバ１０に対して応札信号（せり信
号）が送信される。一方、出品車両に対して応札しない
場合には、何もせず応札を見送る。

【００４１】オークションサーバ１０では、受注ユーザ
端末２１からの応札信号の有無を判定し、いずれかの受
注ユーザから入札があったか否かを判定する（ステップ
Ｓ２０６）。この結果、いずれかの受注ユーザからの応
札があった場合には、落札者の決定を行う（ステップＳ
２０７）。

【００４２】このとき、複数の受注ユーザからの応札が
あった場合には、最先に応札を行った受注ユーザを落札
者として決定する。すなわち、出品車両に対して最も低
い価格で応札した受注ユーザが落札者となり、同一価格
で応札したユーザが複数存在する場合には、最先に応札
スイッチを押したユーザが落札者となる。従って、オー
クションサーバ１０は、サーバ１０に到達した複数の応
札信号の中から落札者を決定するのではなく、サーバ１
０に最先に到達した応札信号を送信したユーザ端末２１
を落札者として決定すればよい。これにより、サーバ１
０は、サーバ１０に最先に到達する応札信号のみを監視
すればよく、容易に落札者の決定を行うことができる。

【００４３】落札者が決定した場合には、落札者の受注
ユーザ端末に出品車を落札した旨の通知を行う（ステッ
プＳ２０８）。これにより、落札者のユーザ端末２１に
は、せり対象の出品車両を落札した旨のメッセージが表
示される。また、落札者以外の受注ユーザ端末２１に
は、他の受注ユーザが落札した旨の通知を行う。また、
オークションサーバ１０は、落札が決定した出品車に関
して、上記出品車情報に落札価格、出品車の陸送費等の
データを加えた過去出品車情報を記憶装置に保存し、過
去出品車情報データベースを作成する。

【００４４】一方、いずれの受注ユーザからも応札がな
かった場合には、所定時間経過後、せり上げを行う（ス
テップＳ２０９）。具体的には、現在価格に予め設定さ
れた上昇分（例えば１０００円）だけ上乗せし、新たな
現在価格（例えば４１，０００円）を設定する。

【００４５】次に、新たな現在価格が上限価格を超えて
いるか否かを判定する（ステップＳ２１０）。この結
果、新たな現在価格が上限価格を超えていない場合に
は、ステップＳ２０５に戻り、新たな現在価格を受注ユ
ーザ端末２１に送信する。一方、新たな現在価格が上限
価格を超えている場合には、出品車は流札とする（ステ
ップＳ２１１）。

【００４６】出品車が落札した場合、あるいは出品車が
流札した場合には、次の出品車があるか否かを判定する
（ステップＳ２１２）。この結果、出品車が残っている
場合には、ステップＳ２０４に戻って、上記オークショ
ンを繰り返す。一方、すべての出品車に関してオークシ
ョンが終了した場合には、受注ユーザ端末２１に対して
オークション終了の旨のメッセージを送信する（ステッ
プＳ２１３）。

【００４７】受注ユーザ端末２１では、オークションサ
ーバ１０からの終了通知がない場合には上記と同様に出
品車両に対するオークションを繰り返し、終了通知があ
った場合にはオークションを終了する（ステップＳ３０
４）。

【００４８】オークションサーバ１０は、オークション
終了後、出品車を落札した受注ユーザ端末２１およびそ
の出品車を出品した発注ユーザ端末２０に対して落札確
認の通知を行う（ステップＳ２１４）。その後、発注ユ
ーザは受注ユーザである修理工場に車両を輸送し（ステ
ップＳ１０１）、修理工場にて板金塗装が行われる（ス
テップＳ３０５）。

【００４９】次に、発注ユーザ端末２０あるいは受注ユ
ーザ端末２１で行う過去出品情報検索について図７〜図
９に基づいて説明する。図７、図８は過去出品情報検索
における検索条件入力画面、図９は検索結果一覧画面で
ある。過去出品情報検索は、オークション開催時間に関
わらず、任意の時間に行うことができる。

【００５０】過去出品情報検索は、オークションサーバ
１０に格納されている過去出品車情報データベースか
ら、所望の検索条件に一致あるいは近似するデータを抽
出するものである。発注ユーザは、過去検索により発注
前に修理金額の見積を行うことができる。また、受注ユ
ーザは、過去検索によりオークションにおける出品車の
落札価格の見当をつけることができる。

【００５１】過去出品情報検索の検索条件としては、例
えば図７に示す車体形状、部位／ダメージレベル、塗装
区分、さらに図８に示す色数、メーカ名、車名、型式を
用いることができる。これらの検索条件は単独あるいは
組み合わせて用いることができ、組み合わせる場合には
各検索条件はＡＮＤ条件で結合される。発注ユーザは、
板金塗装を必要とする車両の情報を入力でき、受注ユー
ザはオークション出品車の出品車情報を入力することが
できる。

【００５２】次に、検索を実行することで、検索条件に
一致あるいは近似した過去出品車情報の一覧が受注ユー
ザ端末２１の画面に表示される（図９）。このとき、一
覧表示された過去出品車における落札価格の最大値、平
均値、最小値が算出され、これらの値も検索結果一覧画
面に表示される。さらに、過去検索を行ったユーザは、
検索された過去出品車の詳細情報（写真画像を含む）を
見ることができる。

【００５３】これにより、発注ユーザは、オークション
サーバ１０に蓄積された過去出品車情報データベースに
基づいて、板金塗装費用の見積を行うことができる。ま
た、受注ユーザは、オークション開始前にオークション
出品車の落札価格に見当をつけることができる。

【００５４】以上、本実施形態の自動車板金塗装オーク
ションによれば、発注ユーザの多様な修理依頼ニーズに
対して、オークションにより多数の受注ユーザ（修理工
場）からの応札を募り、その中から落札者を決定する。
このため、発注者は板金塗装工場に修理を依頼する際、
適切な修理金額の板金塗装工場に修理を依頼することが
できる。また、板金塗装工場側においては、本実施形態
の板金塗装オークションを利用することにより、新規顧
客獲得の機会が飛躍的に広がることとなる。

【００５５】また、本実施形態の板金塗装オークション
では、数値化されたダメージレベル、視覚的に詳細に特
定できる写真画像等を含んだ出品車情報を用いている。
このため、受注ユーザは実車を見ることなく、受注ユー
ザ端末２１上で出品車、ダメージ状況を判断することが
でき、修理に必要な金額を推定することが可能となる。

【００５６】また、本実施形態の板金塗装オークション
では、オークションを行うことにより、常に最新の出品
車情報およびその落札価格等が蓄積され、過去出品車情
報データベースが作成される。このため、季節等の要因
により板金塗装価格が変動しても、その変動に伴いオー
クションの落札価格も変動するので、板金塗装価格の市
場価格（相場）を常に得ることができる。従って、板金
塗装オークションによって蓄積される過去出品車情報を
用いて、同一あるいは近似した事例のデータを参照する
ことにより、板金塗装金額の適正な見積を行うことがで
きる。さらに、板金塗装オークションによれば多くの事
例を得ることができるため、その平均値を用いること
で、より適正な修理金額を得ることができる。

【００５７】また、通信ネットワークにインターネット
を用いてオークションを行う場合には、応札に際し受注
ユーザから送られてくる複数の信号の処理が困難であ
り、複数の信号の中から落札者を決定するのが難しい。
これに対し、本実施形態の板金塗装オークションシステ
ムでは、オークションサーバ１０に到達する最先の応札
信号を拾うだけでよいので、簡易な構成によりインター
ネットを用いたオークションシステムを実現できる。

【００５８】（他の実施形態）なお、上記実施形態のオ
ークションシステムの構成では、オークションサーバ１
０を１台としたが、これに限らず、複数台のサーバコン
ピュータにより分散処理を行うように構成してもよい。
例えば、オークションを管理するオークションサーバの
他に、各種データの管理を行うデータサーバを設けても
よい。

【図面の簡単な説明】

【図１】上記実施形態の自動車板金塗装オークションの
全体構成を示す概念図である。

【図２】板金塗装オークションの流れを示すフローチャ
ートである。

【図３】オークションに出品される出品車情報の検索条
件入力画面を示す図である。

【図４】出品車情報の検索結果である検索結果一覧画面
を示す図である。

【図５】出品車情報の車両詳細情報画面を示す図であ
る。

【図６】オークション出品車両に対する応札を行うオー
クション画面を示す図である

【図７】過去出品車情報の検索条件入力画面を示す図で
ある。

【図８】過去出品車情報の検索条件入力画面を示す図で
ある。

【図９】過去出品車情報の検索結果である検索結果一覧
画面を示す図である。

【符号の説明】

１０…オークションサーバ、２０…発注ユーザ端末、２
１…受注ユーザ端末、３０…通信ネットワーク。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 政人 愛知県名古屋市北区東大曽根町本通２丁目 620番地の２ 株式会社シー・アイ・シー 内 (72)発明者 五島 伸二 愛知県名古屋市中区金山１丁目２番４号 有限会社メディア・マネージ・コンサルテ ィング内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 発注者が用いる発注ユーザ端末（２０）
   と、受注者が用いる受注ユーザ端末（２１）と、通信ネ
   ットワーク（３０）を介して前記発注ユーザ端末（２
   ０）および前記受注ユーザ端末と接続されているととも
   に記憶装置を有するオークションサーバ（１０）とを備
   えた自動車の板金塗装に関する自動車板金塗装オークシ
   ョンシステムであって、 前記発注ユーザ端末（２０）は、オークションの出品車
   に関する出品車情報を前記オークションサーバ（１０）
   に送信する手段を有し、 前記オークションサーバ（１０）は、前記発注ユーザ端
   末（２０）より送信された前記出品車情報を受け取ると
   ともに、前記記憶装置に前記出品車情報を格納する手段
   と、前記出品車情報を前記受注ユーザ端末（２１）に配
   信する手段と、前記受注ユーザ端末（２１）にオークシ
   ョン対象となっている出品車の現在価格を通知する手段
   と、前記受注ユーザ端末（２１）から送信される応札信
   号を受け付ける手段と、前記応札信号の受信状況に基づ
   いて前記オークション対象となっている出品車の落札あ
   るいは流札を決定する手段とを有し、 前記受注ユーザ端末（２１）は、前記オークションサー
   バ（１０）より前記現在価格を受け取るとともに、前記
   現在価格を表示手段に表示する手段と、前記現在価格に
   対する応札信号を前記オークションサーバ（１０）に送
   信する手段とを有することを特徴とする自動車板金塗装
   オークションシステム。
2. 【請求項２】 前記オークションサーバ（１０）は記憶
   装置を有しており、前記出品車の落札が決定した場合に
   は、前記出品車情報に落札価格を加えた過去出品車情報
   を前記記憶装置に格納する手段を備え、 前記発注ユーザ端末（２０）あるいは前記受注ユーザ端
   末（２１）の少なくとも一方は、前記オークションサー
   バ（１０）の記憶装置に格納された過去出品情報を参照
   する手段を備えていることを特徴とする請求項１に記載
   の自動車板金塗装オークションシステム。
3. 【請求項３】 発注者が用いる発注ユーザ端末（２０）
   および受注者が用いる受注ユーザ端末（２１）と、通信
   ネットワーク（３０）を介して接続されているとともに
   記憶装置を有するオークションサーバ（１０）を備えた
   自動車の板金塗装に関する自動車板金塗装オークション
   システムであって、 前記発注ユーザ端末（２０）より送信されたオークショ
   ン出品車に関する出品車情報を受け取るとともに、前記
   記憶装置に前記出品車情報を格納する手段と、 前記出品車情報を前記受注ユーザ端末（２１）に配信す
   る手段と、 前記受注ユーザ端末（２１）にオークション対象となっ
   ている出品車の現在価格を通知するとともに、前記受注
   ユーザ端末（２１）の表示手段に前記現在価格を表示さ
   せる手段と、 前記受注ユーザ端末（２１）から送信される応札信号を
   受け付ける手段と、 前記応札信号の受信状況に基づいて、前記オークション
   対象となっている出品車の落札あるいは流札を決定する
   手段とを備えることを特徴とする自動車板金塗装オーク
   ションシステム。
4. 【請求項４】 前記落札あるいは流札を決定する手段
   は、 前記現在価格に対して応札信号があった場合には、前記
   オークション対象となっている出品車の落札を決定する
   手段と、 前記現在価格に対して所定時間応札信号がなかった場合
   には、前記現在価格を所定金額だけ上昇させる手段と、 前記現在価格が予め設定された上限価格を上回った場合
   には、前記オークション対象となっている出品車を流札
   させる手段とを含んでいることを特徴とする請求項１な
   いし３のいずれか１つに記載の自動車板金塗装オークシ
   ョンシステム。
5. 【請求項５】 前記落札を決定する手段は、最先に応札
   信号を送信した受注ユーザ端末（２１）を落札者として
   決定することを特徴とする請求項４に記載の自動車板金
   塗装オークションシステム。
6. 【請求項６】 前記出品車情報は、前記出品車の車種を
   特定する車種情報と、前記出品車の塗装を特定する塗装
   情報と、前記出品車において板金塗装を必要とするダメ
   ージ状態を特定するダメージ情報とを含んでいることを
   特徴とする請求項１ないし５のいずれか１つに記載の自
   動車板金塗装オークションシステム。