JP2002359009A

JP2002359009A - 充電器

Info

Publication number: JP2002359009A
Application number: JP2001165775A
Authority: JP
Inventors: Masao Yamaguchi; 昌男山口; Atsushi Sakai; 敦酒井
Original assignee: Sanyo Electric Co Ltd
Current assignee: Sanyo Electric Co Ltd
Priority date: 2001-05-31
Filing date: 2001-05-31
Publication date: 2002-12-13

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】リチウムイオン二次電池を、残存容量の観点
から理想的な状態で保存させ、保存による電池の性能低
下を防止する。【解決手段】充電器として、保存充放電回路７と、電
池を満充電する満充電回路８とを備える。保存充放電回
路は電池の残容量が、完全放電容量よりも大きく、且つ
満充電容量よりも小さい保存容量となるように電池を充
放電するものである。充電器にはパック電池が装着さ
れ、このパック電池に残容量演算回路を内蔵すれば通信
回路を介して電池の充放電を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はリチウムイオン二次
電池を充電する充電器に関する。

【０００２】

【従来の技術】二次電池は、種々の状態で充放電しなが
ら使用される。あるときは頻繁に充放電を繰り返す状態
で使用され、またあるときは長期間使用されないで放置
される。長期間使用しないで放置された電池は、自己放
電して残容量が次第に少なくなる。放置される期間が長
いと、残容量がなくなり、さらに自己放電して過放電さ
れる。電池は、過放電されると電気的な性能が急激に低
下する性質がある。とくにリチウムイオン二次電池は、
ニッケル−水素電池やニッケル−カドミウム電池に比較
すると、長期間放置されたときに過放電されて性能が急
激に低下する性質がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】電池が自己放電で過放
電されて性能が低下する弊害は、電池を満充電された状
態で保存して防止できる。満充電された電池は、自己放
電で残容量がなくなるまでに相当に時間がかかるからで
ある。しかしながら、不思議なことにリチウムイオン二
次電池は、満充電した状態で長期間使用しないで放置し
ても、性能が低下する性質がある。とくに、実質的に充
放電できる充電容量が減少する性質がある。

【０００４】図１は、満充電されたリチウムイオン二次
電池（曲線Ａ）と、残容量が０となった完全放電された
リチウムイオン二次電池（曲線Ｂ）を長期間放置し、そ
の後満充電して放電できる復帰容量が減少する特性を示
している。図のグラフは、横軸に示す放置時間を０〜１
年間としており、この放置期間内におけるリチウムイオ
ン二次電池の復帰容量を１００％を基準として示してい
る。復帰容量が小さくなった電池は、その後に満充電し
ても、放電できる容量が小さくなり、電池の実質的な充
電容量が少なくなる。曲線Ｂで示すように、完全放電さ
れた電池は、最初に復帰容量の減少は少ないが、その後
急激に減少する。これに対して満充電された電池は、曲
線Ａで示すように、最初から次第に復帰容量が小さくな
る。ところが、曲線Ｃで示す電池は、最初から復帰容量
の低下が少なく、理想的な状態で長期保存できることが
わかる。この電池は、残容量を３０％とするリチウムイ
オン二次電池である。このグラフは、長期間使用しない
で放置されるリチウムイオン二次電池の残容量が０％で
あっても、また１００％であっても好ましくないことを
示している。ただ、ユーザーが電池を使用するとき、機
器で電池を完全に放電し、あるいは充電器で満充電する
ことはできるが、残容量を所定の容量とすることはでき
ない。このため、リチウムイオン二次電池を長期保存に
最適な容量に充放電することができない。したがって、
現実にはリチウムイオン二次電池が好ましくない残容量
で保存され、復帰容量を急激に少なくしているのが現実
である。

【０００５】本発明は、このような欠点を解決すること
を目的に開発されたものである。本発明の重要な目的
は、リチウムイオン二次電池を理想的な状態で長期保存
でき、保存中における電池の性能低下を極減できるリチ
ウムイオン二次電池の充電器を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の充電器は、電池
の残容量が、完全放電容量よりも大きくて満充電容量よ
りも小さい保存容量となるように電池を充放電する保存
充放電回路７と、電池を満充電する満充電回路８とを備
える。この充電器は、保存モードにおいて、保存充放電
回路７が電池を保存に適した保存容量となるように充放
電し、満充電モードにおいて、満充電回路８が電池を満
充電する。

【０００７】充電器は、残容量検出回路１１を設けて、
電池の残容量を電池電圧から検出することができる。さ
らに、充電器は、パック電池１２を装着すると共に、こ
のパック電池１２に内蔵される残容量の演算回路１２と
通信する通信回路６を設けて、この通信回路６を介して
電池の残容量を検出して電池を充電することができる。

【０００８】さらに、充電器は、保存容量を、満充電容
量の２０〜７０％の範囲に設定することができる。保存
容量は、一定容量とすることができる。さらに、充電器
は、電池の残容量が２０〜７０％の範囲にあるとき、電
池の残容量を保存容量として保存充放電回路７が電池を
充放電しないようにすることができる。

【０００９】さらに、充電器は、保存充放電回路７と満
充電回路８を切り換える切換スイッチ１０を設けて、切
換スイッチ１０で保存充放電回路７と満充電回路８とを
切り換えて電池を充放電することができる。

【００１０】さらにまた、充電器は、保存充放電回路７
と満充電回路８を切り換える切換回路９を設けて、この
切換回路９に電池が使用されない不使用時間をカウント
するタイマーを内蔵することができる。この充電器は、
不使用時間が設定時間よりも長くなると、電池を保存充
放電回路７で充放電する。この充電器は、好ましくは、
電池を内蔵する機器に内蔵する。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための充電器を例示するもので
あって、本発明は充電器を以下のものに特定しない。

【００１２】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する
番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決
するための手段の欄」に示される部材に付記している。
ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材
に特定するものでは決してない。

【００１３】図２はリチウムイオン二次電池の充電器を
示す。この充電器１は、リチウムイオン二次電池である
二次電池１３を充電する充電電源２と、この充電電源２
と電池との間に接続しているスイッチング素子３と、ス
イッチング素子３をオンオフに制御する制御回路４と、
この制御回路４に制御されて残容量の大きい電池を放電
させる放電回路５と、電池と通信する通信回路６とを備
える。この図の充電器１は、二次電池１３の残容量を演
算する演算回路１４を内蔵しているパック電池１２を充
電する。したがって、パック電池１２と通信する通信回
路６を内蔵している。ただ、充電器は、演算回路を内蔵
しないパック電池も充電できるので、演算回路を内蔵し
ないパック電池を充電する充電器は、通信回路を設ける
必要がない。

【００１４】充電電源２は、入力される電圧を、電池の
充電電圧である直流に変換して出力する。充電電源２
は、好ましくは定電圧定電流回路を内蔵する。この充電
電源２は、電池を定電圧定電流充電して満充電できる。
ただ、充電電源は、必ずしも定電圧定電流回路を内蔵す
る必要はない。

【００１５】スイッチング素子３は、トランジスターや
ＦＥＴ等の半導体スイッチング素子である。スイッチン
グ素子３は、制御回路４に制御されてオンオフに切り換
えられる。スイッチング素子３がオンになると、充電電
源２は電池を充電し、オフになると充電を停止する。

【００１６】放電回路５は、放電抵抗と放電スイッチを
直列に接続している。放電スイッチがオンになると電池
を放電する。放電スイッチがオフになると電池の放電を
停止する。放電抵抗は、電池の放電電流を特定する。放
電抵抗は、電池を劣化させることなく速やかに放電でき
る抵抗値、たとえば電池を１Ｃの電流で放電できる抵抗
値とする。放電回路５は、制御回路４に内蔵される保存
充放電回路７でオンオフに制御される。

【００１７】制御回路４は、電池の残容量が、完全放電
容量よりも大きくて、満充電容量よりも小さい保存容量
となるように電池を充放電する保存充放電回路７と、電
池を満充電する満充電回路８とを備える。さらに図の制
御回路４は、保存充放電回路７と満充電回路８のいずれ
の回路で電池を充電するかを選択するための切換回路９
を備える。切換回路９は、切換スイッチ１０を接続して
いる。

【００１８】切換スイッチ１０は、充電器のユーザーに
操作されるスイッチで、スライドスイッチや押しボタン
スイッチである。充電器のユーザーは、切換スイッチ１
０を操作して、電池を保存状態に適した保存モードで充
放電するのと、電池を満充電する満充電モードとを切り
換える。この充電器１は、ユーザーが保存モードと満充
電モードを選択して、電池を最適な状態に充電する。

【００１９】ただ、切換回路９は、必ずしも切換スイッ
チを接続する必要はない。それは、切換回路９が、電池
の使用状態から保存モードと満充電モードを選択して電
池を充放電させることもできるからである。この切換回
路９は、電池が使用されない不使用時間をカウントする
タイマーを内蔵する。タイマーがカウントする不使用時
間が設定時間よりも長くなると、切換回路９は保存充放
電回路７を選択して、電池を保存モードで充放電する。
また、タイマーがカウントする不使用時間が設定時間よ
りも短いときは、切換回路９が満充電回路８を選択し
て、満充電モードで電池を満充電する。このように、切
換回路９が不使用時間で保存モードと満充電モードに切
り換える充電器は、ラップトップマイコン等の電気機器
に内蔵されるものに最適である。

【００２０】保存充放電回路７は、電池の残容量が保存
容量となるように電池を充放電する。保存容量は、たと
えば満充電容量の２０〜７０％、好ましくは２０〜６０
％、さらに好ましくは２０〜５０％に設定される。この
容量で電池を長期間使用しないで放置するとき、復帰容
量の減少は最も少なくなる。保存容量は一定容量に特定
され、あるいは所定の範囲に設定することができる。保
存容量を一定容量に特定する充電器は、残容量が保存容
量よりも小さい電池を保存容量になるまで充電し、残容
量が保存容量よりも大きい電池を保存容量まで放電す
る。この充電器は、電池を最も理想的な容量に充放電し
て保存できる特長がある。保存容量を所定の範囲とする
充電器は、残容量が保存容量の範囲内にあるときは充放
電しない。残容量が保存容量の最低値よりも小さい電池
は最低の保存容量まで充電し、残容量が最高の保存容量
よりも大きい電池は最高の保存容量まで放電させる。保
存容量を所定の範囲に設定する充電器は、電池の充放電
量を少なくできる。保存容量を特定する電池の満充電容
量は、実際に充電できる容量、あるいは規格容量とする
ことができる。実際に充電できる容量は、電池が劣化し
て現実に満充電できる容量が少なくなると小さく補正す
る。

【００２１】保存充放電回路７は、電池を充電すると
き、スイッチング素子３をオンにして放電回路５の放電
スイッチをオフにする。電池を放電させるとき、スイッ
チング素子３をオフにして放電回路５の放電スイッチを
オンにする。

【００２２】満充電回路８は、満充電モードで電池を満
充電するように、スイッチング素子３をオンオフに制御
する。

【００２３】さらに、図に示す制御回路４は、電池の残
容量を検出する残容量検出回路１１を備える。この残容
量検出回路１１は、電池の電圧から電池の残容量を検出
する。このように、残容量検出回路１１を備える充電器
は、演算回路を内蔵しないパック電池を装着して、残容
量を検出しながら充放電できる。

【００２４】通信回路６は、パック電池１２に接続され
て、パック電池１２と通信する。パック電池１２は、通
信回路６を介して電池の残容量を充電器１に出力する。
このパック電池１２は、二次電池１３の残容量を演算す
る演算回路１４を備える。演算回路１４は、電池の充電
容量から放電容量を減算して電池の残容量を演算する。
充電容量は、充電電流の積算値に充電効率をかけて演算
される。放電容量は、放電電流の積算値に放電効率をか
けて演算される。演算回路１４を内蔵するパック電池１
２は、電池の残容量を正確に演算して充電器に出力でき
る。パック電池１２から入力される残容量に基づいて電
池を充放電する充電器は、電池の残容量を正確に制御し
ながら充放電できる。

【００２５】以上の充電器は、以下の動作をして電池を
充電する。切換スイッチ１０を有する充電器１は、ユー
ザーが切換スイッチ１０を操作して、保存充放電回路７
と満充電回路８を選択する。切換スイッチのない充電器
は、不使用時間をタイマーでカウントし、不使用時間が
設定時間よりも長いと切換回路が保存充放電回路を選択
し、不使用時間が設定時間よりも短いと満充電回路が選
択される。

【００２６】切換回路９が保存充放電回路７を選択する
と、保存充放電回路７はスイッチング素子３と放電回路
５を制御して、保存モードで電池の残容量が保存容量と
なるように充放電する。保存充放電回路７は、電池の残
容量を検出し、残容量が保存容量となるように電池を充
放電する。電池の残容量は、パック電池１２の演算回路
１４で演算された残容量を通信回路６で検出し、あるい
は残容量検出回路１１で電池の電圧から検出する。電池
の残容量が保存容量よりも大きいと、スイッチング素子
３をオフにして放電回路５の放電スイッチをオンとして
電池を放電させる。電池の残容量が保存容量になると放
電スイッチをオフにして放電を停止させる。電池の残容
量が保存容量よりも小さいと、スイッチング素子３をオ
ンにして放電回路５の放電スイッチをオフとして電池を
充電する。電池の残容量が保存容量になるとスイッチン
グ素子３をオフにして充電を停止させる。その後、放電
スイッチとスイッチング素子３の両方はオフに保持され
る。

【００２７】切換回路９が満充電回路８を選択すると、
保存充放電回路７はスイッチング素子３のみを制御し
て、満充電モードで電池が満充電されるまで充電する。
電池の満充電は、パック電池１２の演算回路１４で演算
されて通信回路６から入力され、あるいは残容量検出回
路１１で電池の電圧から検出される。電池が満充電され
ると、スイッチング素子３をオフにして充電を停止す
る。その後、スイッチング素子３はオフ状態に保持され
る。

【００２８】

【発明の効果】本発明の充電器は、リチウムイオン二次
電池を理想的な状態で長期保存でき、保存中における電
池の性能低下を極減できる特長がある。それは、本発明
の充電器が、電池の残容量が完全放電容量よりも大きく
て満充電容量よりも小さい保存容量となるように電池を
充放電する保存充放電回路と、電池を満充電する満充電
回路とを備えているからである。この充電器は、保存充
放電回路で電池を保存に適した保存容量となるように充
放電できるので、リチウムイオン二次電池を理想的に長
期保存できると共に、保存中における電池の性能低下を
極減できる。さらに、この充電器は、満充電回路で電池
を満充電できるので、電池を長時間使用するときには満
充電して便利に使用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】リチウムイオン二次電池を長期間放置した後の
復帰容量の特性を示すグラフ

【図２】本発明の一実施例にかかる充電器のブロック図

【符号の説明】

１…充電器２…充電電源３…スイッチング素子４…制御回路５…放電回路６…通信回路７…保存充放電回路８…満充電回路９…切換回路１０…切換スイッチ１１…残容量検出回路１２…パック電池１３…二次電池１４…演算回路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 5G003 AA01 BA01 CA03 CB08 EA05 GA01 5H030 AA04 AA08 AA10 AS06 BB01 BB09 BB27 DD00 FF41 FF42 FF52

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】電池の残容量が、完全放電容量よりも大
きくて満充電容量よりも小さい保存容量となるように電
池を充放電する保存充放電回路(7)と、電池を満充電す
る満充電回路(8)とを備えることを特徴とするリチウム
イオン二次電池の充電器。
【請求項２】電池の残容量を電池電圧で検出する残容
量検出回路(11)を備える請求項１に記載されるリチウム
イオン二次電池の充電器。
【請求項３】電池がパック電池(12)で、このパック電
池(12)に内蔵される残容量の演算回路(14)と通信する通
信回路(6)を有し、通信回路(6)を介して電池の残容量を
検出して電池を充電する請求項１に記載されるリチウム
イオン二次電池の充電器。
【請求項４】保存容量が、満充電容量の２０〜７０％
の範囲に設定されてなる請求項１に記載されるリチウム
イオン二次電池の充電器。
【請求項５】保存容量が一定容量である請求項４に記
載されるリチウムイオン二次電池の充電器。
【請求項６】電池の残容量が２０〜７０％の範囲にあ
るとき、電池の残容量を保存容量として保存充放電回路
(7)が電池を充放電しない請求項１に記載されるリチウ
ムイオン二次電池の充電器。
【請求項７】保存充放電回路(7)と満充電回路(8)を切
り換える切換スイッチ(10)を備え、切換スイッチ(10)で
保存充放電回路(7)と満充電回路(8)とが切り換えられて
電池が充放電される請求項１に記載されるリチウムイオ
ン二次電池の充電器。
【請求項８】保存充放電回路(7)と満充電回路(8)を切
り換える切換回路(9)を備え、この切換回路(9)は、電池
が使用されない不使用時間をカウントするタイマーを内
蔵しており、不使用時間が設定時間よりも長くなると、
電池を保存充放電回路(7)で充放電する請求項１に記載
されるリチウムイオン二次電池の充電器。
【請求項９】電池を内蔵する機器に内蔵される請求項
８に記載されるリチウムイオン二次電池の充電器。