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JP2002358737A - 記録クロック生成方法及び光ディスク装置 - Google Patents

記録クロック生成方法及び光ディスク装置

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Publication number
JP2002358737A
JP2002358737A JP2001166333A JP2001166333A JP2002358737A JP 2002358737 A JP2002358737 A JP 2002358737A JP 2001166333 A JP2001166333 A JP 2001166333A JP 2001166333 A JP2001166333 A JP 2001166333A JP 2002358737 A JP2002358737 A JP 2002358737A
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Japan
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data
recording
signal
land
wobble
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JP2001166333A
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Fumio Ogasawara
文生 小笠原
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウォブルしたグルーブと、隣り合うグルーブ
間に位置したランドとを対にしたトラックが形成され、
且つ、ランド上にはグルーブに記録するデータへのアド
レス情報などがランドプリピットとして予め形成されて
いる光ディスクのグルーブにデータを記録する際に応答
性の良い記録クロックを得る。 【解決手段】 ウォブル位相誤差信号42aをウォブル
ループフィルタ演算器(第1のループフィルタ)43に
よりフィルタリングして電圧可変発振器49への高域操
作量を得ると共に、シンクビット位相誤差データ45a
をシンクビットループフィルタ演算器(第2のループフ
ィルタ)46によりフィルタリングして電圧可変発振器
49への低域操作量を得て、両ループフィルタ43,4
6でそれぞれ得られた高域操作量と低域操作量とを加算
した後の操作量を電圧可変発振器49に供給している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録再生可能なデ
ータ領域を有して片側又は両側を所定の周波数でウォブ
ル(蛇行)したグルーブと、隣り合うグルーブ間に位置
したランドとを対にしたトラックがディスク基板上で螺
旋状又は同心円状に形成され、且つ、ランド上にはグル
ーブに記録するデータへのアドレス情報などがランドプ
リピットとして所定の間隔を保って予め形成されている
光ディスクを用いて、グルーブにデータを記録する際に
データを送り出すための記録クロックを電圧可変発振器
を有するPLL回路により生成する記録クロック生成方
法及び光ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、CD(Compact Di
sc),DVD(Digital Versatile
Disc)などの光ディスクは、映像情報とか音声情
報やコンピュータデータなどの情報信号を円盤状のディ
スク基板上で螺旋状又は同心円状に形成したトラックに
高密度に記録及び/又は再生でき、しかも所望のトラッ
クを高速にアクセスできることから多用されている。
【0003】一方、情報信号をより一層高密度に記録再
生できる光ディスク及び光ディスク装置が要求され、こ
の要求を満たすために各種の改善が行われており、この
一例として、光ディスク上でトラックのトラック幅及び
トラックピッチなどを狭めて情報信号への高密度化を図
る方法が採用されている。これに伴って、狭いトラック
幅及び狭いトラックピッチでもアドレス情報の読み取り
や光ディスクへの回転制御を正確に得るために、所定の
周波数でウォブル(蛇行)したグルーブ(溝)と、隣り
合うグルーブ間に位置するランドとを対にしたトラック
が、ディスク基板上で最内周から最外周に亘って螺旋状
又は同心円状に形成され、且つ、ランド上にはグルーブ
に記録する情報信号への補助情報がランドプリピットと
して所定の間隔を保って予め形成された光ディスク(D
VD−R)を用い、この光ディスク上に形成されている
同期信号が検出できない場合でも、記録データに対応す
る記録位置を設定することが可能な記録タイミング設定
方法及び記録タイミング設定装置並びに情報記録方法及
び情報記録装置が、特開平11−273249号公報に
開示されている。
【0004】図10は従来の記録タイミング設定方法及
び記録タイミング設定装置並びに情報記録方法及び情報
記録装置に適用される光ディスクを説明するために模式
的に示した図である。
【0005】図10に模式的に示した従来の光ディスク
100は、上記した特開平11−273249号公報に
開示された記録タイミング設定方法及び記録タイミング
設定装置並びに情報記録方法及び情報記録装置に適用さ
れているものであり、この光ディスク100は情報信号
の高密度記録再生を目的として、CD−R(CD−Re
cordable)に対して約7倍に記録容量を向上さ
せたDVD−R(DVD−Recordable)に用
いられている。
【0006】上記した従来の光ディスク100は、所定
の周波数成分のウォブル信号でウォブルされてデータ
(情報信号)を記録するためのグルーブトラック101
と、隣り合うグルーブトラック101間に位置するラン
ドトラック102とが不図示のディスク基板上に螺旋状
又は同心円状に形成されている。この際、グルーブトラ
ック101のウォブルの振幅はトラッキングに影響を及
ぼさないようにトラッキグ制御帯域に比べて十分高く設
定されている。
【0007】また、ランドトラック102上にはランド
プリピット103が予め形成されており、このランドプ
リピット103はウォブル信号に対して所定の位相関係
を有し、且つ、データを記録するためのアドレス情報な
どの補助情報が予め記録されている。
【0008】また、光ディスク100はDVD−Rに適
用されているために、データを記録するグルーブトラッ
ク101が予め情報単位としてのシンクフレームごとに
分割されている。そして、26個のシンクフレームによ
り一つのレコーディングセクタが構成され、更に、16
個のレコーディングセクタにより一つのECC(Err
or Correcting Code)ブロックが構
成されている。なお、一つのシンクフレームは、データ
を記録する際の記録フォーマットにより規定されるピッ
ト間隔に対応する単位長さ(以下、Tという。)の14
88倍(1488T)の長さを有しており、更に、一つ
のシンクフレームの先頭の14Tの長さの部分はシンク
フレーム毎の同期をとるための同期情報SYとして用い
られている。
【0009】一方、光ディスク(DVD−R)100の
ランドトラック102上に形成されるランドプリピット
103は、シンクフレームごとに形成されている。この
際、夫々のシンクフレームにおける同期情報SYが記録
される領域に隣接するランドトラック102上に、プリ
情報における同期信号を示すものとして一つのランドプ
リピット103が形成されていると共に、当該同期情報
SY以外の当該シンクフレーム内の前半部分に隣接する
ランドトラック102上に、記録すべきプリ情報の内容
を示すものとして一つ又は二つのランドプリピット10
3が形成されている(なお、同期情報SY以外の当該シ
ンクフレーム内の前半部分については、記録すべきプリ
情報の内容によってはランドプリピット103が形成さ
れない場合もある。)。更に、一つのレコーディングセ
クタにおいては、偶数番目のシンクフレーム(EVEN
フレーム)又は奇数番目のシンクフレーム(ODDフレ
ーム)のいずれか一方のシンクフレームにランドプリピ
ット103が形成されてプリ情報が記録すべき情報の内
容に対応して設定されている。
【0010】そして、上記した従来の記録タイミング設
定方法及び記録タイミング設定装置並びに情報記録方法
及び情報記録装置では、グルーブトラック101による
ウォブル信号は光ピックアップの半径方向に対し内周側
のホト・ディテクタ(光電変換素子)及び外周側のホト
・ディテクタ(光電変換素子)から得られた各信号の差
分をとったラジアルプッシュプル信号をバンドパスフィ
ルタに通すことによって検出される。このバンドパスフ
ィルタの出力信号、即ち、ウォブル信号に同期して発振
するPLL回路(位相同期ループ)の出力信号によって
スピンドルモータをCLV制御するためのスピンドル制
御信号及び記録すべきデータを定められたフォーマット
で光ディスク上のグルーブトラック101に記録するた
めの記録クロックを得る。
【0011】また、PLL回路の出力信号からグルーブ
トラック101間のランドトラック102上に予め形成
されたランドプリピット103によるランドプリピット
信号を抜き取るためのゲート信号を得る。このランドプ
リピット信号からデータ記録開始/データ記録終了位置
の検出を行い、またランドプリピット信号中のシンクビ
ット(同期情報)によってデータ記録開始/データ記録
終了のタイミングパルスを得る。ここで個々のシンクビ
ットはジッタを持っているためにそのタイミングはゆら
いでいる。よって個々のシンクビットからデータ記録開
始/データ記録終了のタイミングパルスを直接得るとジ
ッタにより不正確なものとなる。また、シンクビットが
検出できない場合、データ記録開始/データ記録終了の
タイミングパルスを得ることが不可能になる。
【0012】このように記録クロック及びデータ記録開
始/データ記録終了のタイミングパルスを得るための従
来技術として特開平11−273249号公報によれ
ば、ランドプリピット信号中のシンクビットの位置を平
均化したタイミングパルスを得て、個々のシンクビット
位置のジッタを平均化することによりゆらぎを取り除い
たタイミングパルスを得ることが開示されている。ま
た、シンクビットを検出できない場合、予測したタイミ
ングにおいてデータ記録開始/データ記録終了のタイミ
ングパルスを得ることも開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来の光ディスク100を用いてデータ(情報信号)を記
録及び/又は再生する際に、データを記録するためのグ
ルーブトラック101にアドレス情報を配置していない
ため、記録したデータが分断されることなく連続するの
で記録密度の低下がなく高密度記録が達成でき、且つ、
光ディスク100のランドトラック102上に形成され
ているランドプリピット103中のシンクビット(同期
情報)が検出できない場合でも、予測により記録データ
に対応する記録位置を設定することが可能なものの、上
記したように、シンクビット位置を平均化してデータ記
録開始/データ記録終了のタイミングパルスを得るよう
に構成された従来技術によれば、記録クロックを生成す
る記録クロック用のPLL回路とは別に、データ記録開
始/データ記録終了のタイミングパルスを得るためのシ
ンクビットタイミングの平均化及び予測回路を必要とす
るため、装置内の回路構成が複雑化している。
【0014】そこで、データ記録時に、ウォブル信号と
ランドプリピット信号とから応答性の良い記録クロック
を生成することができ、且つ、データを記録するグルー
ブ上でのデータ記録開始/データ記録終了のタイミング
を精度良く確実に設定できる記録クロック生成方法及び
光ディスク装置が望まれている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、第1の発明は、記録再生可能な
データ領域を有して片側又は両側を所定の周波数でウォ
ブル(蛇行)したグルーブと、隣り合う前記グルーブ間
に位置したランドとを対にしたトラックがディスク基板
上で螺旋状又は同心円状に形成され、且つ、前記ランド
上には前記グルーブに記録するデータへのアドレス情報
などがランドプリピットとして所定の間隔を保って予め
形成されている光ディスクを用いて、前記データを前記
グルーブに記録する際に該データを送り出すための記録
クロックを電圧可変発振器を有するPLL回路により生
成する記録クロック生成方法において、前記光ディスク
に記録用のビームスポットを照射して該光ディスクで反
射された反射光を光電変換した信号から前記ウォブルに
よるウォブル信号を抽出する工程と、前記反射光から前
記ランドプリピットによるランドプリピット信号を抽出
する工程と、前記ウォブル信号と、前記電圧可変発振器
からフィードバックされた記録クロックとの位相差を検
出してウォブル位相誤差信号を得る工程と、前記ランド
プリピット信号中のシンクビットと、前記電圧可変発振
器からフィードバックされた前記記録クロックとの位相
差を検出してシンクビット位相誤差データを得る工程
と、前記ウォブル位相誤差信号をフィルタリングして前
記電圧可変発振器への高域操作量を得る第1のループフ
ィルタリング工程と、前記シンクビット位相誤差データ
をフィルタリングして前記電圧可変発振器への低域操作
量を得る第2のループフィルタリング工程と、前記高域
操作量と前記低域操作量を加算した後の操作量を前記電
圧可変発振器に供給して前記記録クロックを得る工程と
を有することを特徴とする記録クロック生成方法であ
る。
【0016】また、第2の発明は、上記した第1の発明
の記録クロック生成方法において、前記ランドプリピッ
ト信号中のシンクビットと、前記電圧可変発振器からフ
ィードバックされた前記記録クロックとの位相差を検出
してシンクビット位相誤差データを得る際に、データ記
録開始/データ記録終了のタイミングパルスを生成する
ことを特徴とする記録クロック生成方法である。
【0017】また、第3の発明は、記録再生可能なデー
タ領域を有して片側又は両側を所定の周波数でウォブル
(蛇行)したグルーブと、隣り合う前記グルーブ間に位
置したランドとを対にしたトラックがディスク基板上で
螺旋状又は同心円状に形成され、且つ、前記ランド上に
は前記グルーブに記録するデータへのアドレス情報など
がランドプリピットとして所定の間隔を保って予め形成
されている光ディスクを用いて、前記データを前記グル
ーブに記録する際に該データを送り出すための記録クロ
ックを電圧可変発振器を有するPLL回路により生成す
る光ディスク装置において、前記光ディスクに記録用の
ビームスポットを照射して該光ディスクで反射された反
射光を光電変換した信号から前記ウォブルによるウォブ
ル信号を抽出するウォブル信号抽出手段と、前記反射光
から前記ランドプリピットによるランドプリピット信号
を抽出するランドプリピット信号抽出手段と、前記ウォ
ブル信号と、前記電圧可変発振器からフィードバックさ
れた記録クロックとの位相差を検出してウォブル位相誤
差信号を得るウォブル位相誤差信号生成手段と、前記ラ
ンドプリピット信号中のシンクビットと、前記電圧可変
発振器からフィードバックされた前記記録クロックとの
位相差を検出してシンクビット位相誤差データを得るシ
ンクビット位相誤差データ生成手段と、前記ウォブル位
相誤差信号をフィルタリングして前記電圧可変発振器へ
の高域操作量を得る第1のループフィルタと、前記シン
クビット位相誤差データをフィルタリングして前記電圧
可変発振器への低域操作量を得る第2のループフィルタ
と、前記高域操作量と前記低域操作量を加算した後の操
作量を供給することで、前記記録クロックを出力する前
記電圧可変発振器とを備えたことを特徴とする光ディス
ク装置である。
【0018】更に、第4の発明は、上記した第3の発明
の光ディスク装置において、前記シンクビット位相誤差
生成手段は、前記ランドプリピット信号中のシンクビッ
トと、前記電圧可変発振器からフィードバックされた前
記記録クロックとの位相差を検出してシンクビット位相
誤差データを得る際に、データ記録開始/データ記録終
了のタイミングパルスを生成することを特徴とする光デ
ィスク装置である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る記録クロック
生成方法及び光ディスク装置の一実施例を図1乃至図9
を参照して項目順に詳細に説明する。
【0020】本発明に係る記録クロック生成方法及び光
ディスク装置を説明する前に、ここで適用される光ディ
スクについて説明する。
【0021】<光ディスク>図1は本発明に係る記録ク
ロック生成方法及び光ディスク装置に適用される光ディ
スクを説明するための斜視図である。
【0022】図1に示した如く、本発明に係る記録クロ
ック生成方法及び光ディスク装置に適用される光ディス
ク1は、厚さが例えば略0.6mm程度の透明なディス
ク基板2を円盤状に形成し、このディスク基板2の一方
の面側に所定の周波数でsineカーブ又はcosin
eカーブ状にウォブル(蛇行)したグルーブ3と、隣り
合うグルーブ3,3間に位置するランド4とを対にした
トラックが、ディスク基板2上で最内周から最外周に亘
って螺旋状又は同心円状に形成され、且つ、ランド4上
にはグルーブ3に記録するデータへのアドレス情報(同
期情報,トラックアドレス情報),訂正用パリティなど
の補助情報がランドプリピット5として所定の間隔を保
って予め形成されている。
【0023】尚、グルーブ3及びランド4の形状は、一
般的にグルーブ3が凹状に形成されランド4は凸状に形
成されているものの、ビームスポットBを照射する面が
反転すれば両者の凹凸関係が逆転するために、グルーブ
3及びランド4の凹凸形状は、いずれか一方を凹状に形
成し、他方を凸状に形成すれば良いものである。
【0024】更に、後述するように、所定数のランドプ
リピット5に対応してデータへの記録ブロック単位(E
CCブロック)が割り当てられている。
【0025】この際、グルーブ3はデータを記録するた
めの記録用トラックとなっており、一方、ランド4上に
形成したランドプリピット5は補助情報としてアドレス
情報,訂正用パリティなどがピット形態で予め形成され
ている。
【0026】また、グルーブ3及びランド4上には、相
変化材料を用いた相変化記録層6と、Al(アルミニュ
ウム),Au(金)などを用いた金属反射層7と、保護
層8とが順次成膜され、更に、保護層8側に厚さが略
0.6mm程度の補強基板9を接着材を用いて貼り合わ
せて、合計厚さが1.2mmの光ディスク1が形成され
ている。
【0027】従って、光ディスク1は、グルーブ3上に
成膜した相変化記録層6によりデータの書き換えが可能
となっている。
【0028】そして、透明なディスク基板2の他方の面
側から一つのグルーブ3と、このグルーブ3の両側に隣
接するランド4,4とにビームスポットBを照射して、
ビームスポットBがディスク基板2,相変化記録層6を
通って金属反射層7で反射された戻りの反射光を、後述
する光ディスク記録再生装置20(図5)内に設けた光
ピックアップ24内の4分割型のホト・ディテクタ24
d(図5,図6)を用いてプッシュプル法により検出し
ている。
【0029】尚、光ディスク1への更なる記録密度の向
上のためにデータ読取り側に位置するディスク基板2の
厚みを薄くする必要が生じた場合には、図示を省略する
ものの、厚さが0.5mm〜1.1mm程度の厚いディ
スク基板2にグルーブ3とランド4とを対にしたトラッ
クを螺旋状又は同心円状に形成し、これらのグルーブ3
及びランド4上に金属反射層7,相変化記録層6を順に
成膜した後、相変化記録層6側に厚さが0.1mm〜
0.2mm程度の薄い透明フィルムを透明接着材で接着
し、この薄い透明フィルム側からビームスポットBを照
射するように光ディスク1を形成する方法もある。
【0030】次に、光ディスク1のランド4上に予め形
成したランドプリピット5を中心に図2乃至図4を用い
て説明する。
【0031】図2は図1に示した光ディスクにおいて、
(a)はグルーブ,ランド,ランドプリピットの形状を
模式的に示した図であり、(b)はランドプリピットを
検出した時のランドプリピット信号の波形を示した図、
図3は図1に示した光ディスクにおいて、グルーブの同
期フレーム内の信号形態を示した図、図4は図1に示し
た光ディスクにおいて、ランド上に形成したランドプリ
ピットの種類を説明するための図である。
【0032】図2(a)に示した如く、光ディスク1上
では、複数のグルーブ3がトラッキグ制御帯域に比べて
十分高い所定の周波数でディスク円周方向に沿ってウォ
ブルされており、且つ、グルーブ3の一つの同期フレー
ム周期は例えば8ウォブル周期に設定されている。ま
た、隣り合うグルーブ3,3間のランド4上に形成した
ランドプリピット5は、グルーブ3のウォブル周期,同
期フレーム周期に対して所定の位相関係を保って設けら
れている。これに伴って、ランドプリピット5によるシ
ンクビット(同期情報)はウォブル8周期(8個のウォ
ブル)ごとに設定されている。
【0033】尚、図2(a)に示したグルーブ3は、両
側共にウォブルされているが、これに限らず、グルーブ
3の片側のみをウォブルさせても良い。
【0034】そして、ビームスポットBで一つのグルー
ブ3をトラッキングしながら走査した時に、一つのグル
ーブ3の両側に位置するランド4,4上にそれぞれ形成
したランドプリピット5,5を4分割型のホト・ディテ
クタ24d(図5,図6)を用いてラジアルプッシュプ
ル法により検出したランドプリピット信号は、図2
(b)に示したように、例えばグルーブ3の外周側に連
接したランドプリピット5aによるランドプリピット信
号が正極性の出力となり、一方、グルーブ3の内周側に
連接したランドプリピット5bによるランドプリピット
信号は負極性の出力となるが、少なくとも一方の極性の
ランドプリピットを用いれば良いものである。
【0035】また、グルーブ3の一つの同期フレーム周
期と対応する一つの同期フレームは、図3に示したよう
に、同期信号SYと、データを記録するデータ領域Dと
で構成されている。
【0036】また、グルーブ3に記録されるデータのデ
ータフォーマットは、周知のDVD(Digital
Versatile Disc)と同様に、26個の同
期フレーム(シンクフレーム)で一つのセクタ(レコー
ディングセクタ)が構成されていると共に、一つのEC
C(Error Correcting Code)ブ
ロックがDVDと同様に16セクタで構成されるか、又
はDVDの2倍の32セクタで構成されている。
【0037】また、ランドプリピット5は、図4に示し
たように、3ビット(b2,b1,b0)を用いた組み
合わせにより4種類のコードデータが設定されており、
3ビット(b2,b1,b0)の配列は連続した3つの
ウォブル中でウォブル周期に同期した各ウォブルの所定
位置に合計で3か所設定されている。
【0038】この際、ランドプリピット5の3ビット
(b2,b1,b0)の配列は、例えばEVENフレー
ムのプリピット同期信号1が(1,1,1)に、ODD
フレームのプリピット同期信号2は(1,1,0)に、
プリピットデータ=1は(1,0,1)に、プリピット
データ=0は(1,0,0)に設定されている。
【0039】従って、各ランドプリピット5は、4種類
のうちのいずれか1つが必ず付与されていると共に、4
種類のランドプリピット5はビット(先頭ビット)b2
が共通して“1”に設定されており、プリピット同期信
号1及びプリピット同期信号2についてはビットb1が
共に“1”であることにより同期情報SYであるとして
認識され、更に、ビットb0が“1”か“0”かを認識
することにより1ビットのデータとして扱うことができ
る。
【0040】<光ディスク記録方法、光ディスク装置>
図5は本発明に係る光ディスク装置の構成を示したブロ
ック図、図6は本発明に係る光ディスク装置において、
光ディスク上に照射したビームスポットによる光ディス
クからの反射光を4分割型のホト・ディテクタで検出す
る状態を模式的に示した図、図7は本発明に係る光ディ
スク装置において、データ記録時の各信号波形を示した
図、図8は本発明に係る光ディスク装置において、ウォ
ブルループフィルタ特性と、シンクビットループフィル
タ特性とを示した図、図9は本発明に係る光ディスク装
置において、シンクビットループフィルタ演算器の内部
構成を示した図である。
【0041】図5に示した如く、本発明に係る光ディス
ク装置20は、先に説明した書き換え可能な光ディスク
1を用いてデータを光ディスク1に形成したグルーブ3
(図1,図2)に記録したり、グルーブ3に記録した記
録済みのデータを再生できるように構成されている。
【0042】上記した光ディスク装置20では、スピン
ドルモータ21の軸に固着したターンテーブル22上に
前記した光ディスク1が回転自在に装着されている。ま
た、レーザー駆動回路23と接続した光ピックアップ2
4が光ディスク1と対向してこの光ディスク1の径方向
に移動自在に設けられている。この光ピックアップ24
は、内部に設置した半導体レーザ24aからのレーザー
光をビームスプリッタ24bを介して対物レンズ24c
により絞り込んだビームスポットBを光ディスク1に形
成したグルーブ3(図1,図2)及びランド4(図1,
図2)上に照射すると共に、光ディスク1上に照射した
ビームスポットBが光ディスク1の金属反射層7(図
1)で反射された戻りの反射光を対物レンズ24c及び
ビームスプリッタ24bを介して4分割型のホト・ディ
テクタ24dで検出している。
【0043】また、光ピックアップ24内の対物レンズ
24cからビームスポットBを光ディスク1上のグルー
ブ3及びランド4に照射する時に、図示しないトラッキ
ング手段によりビームスポットBをグルーブ3に対して
トラッキングをかけ、且つ、図示しないフォーカス手段
によりビームスポットBを光ディスク1上のグルーブ3
に合焦させている。
【0044】この際、上記したレーザー駆動回路23
は、データ記録時に記録すべきデータを強い記録レーザ
ーパワーのもとで変調して記録パルスを得て、この記録
パルスに応じた記録電流を光ピックアップ24内の半導
体レーザー24aに印加し、一方、データ再生時に弱い
再生レーザーパワーのもとで一定値の電流を光ピックア
ップ24内の半導体レーザー24aに印加している。
【0045】ここで、図6に示した如く、光ピックアッ
プ24内に設けた4分割型のホト・ディテクタ24dは
略矩形状に形成されており、光ディスク1の半径方向に
沿った直線とグルーブ方向(トラック方向)に沿った直
線とで全受光領域が4等分に分割されているものの、こ
のホト・ディテクタ24d上に結像した光ディスク1か
らの戻りの反射光を光電変換する際に、光ディスク1の
外周側の2つの受光領域A及び受光領域Bの組みと、内
周側の2つの受光領域C及び受光領域Dの組みとで2つ
の組みに分けられて、光ディスク1の記録トラック方向
に沿った直線に対して外周側と内周側とに2分割した状
態になっている。
【0046】図5に戻り、光ディスク1を回転させて、
データ記録時の記録レーザーパワーによるビームスポッ
トB又はデータ再生時の再生レーザーパワーによるビー
ムスポットBをグルーブ3上に膜付けした相変化記録層
6(図1)に照射した時に、光ディスク1からの反射光
をピックアップ24内のホト・ディテクタ24dで受光
し、このホト・ディテクタ24dで光電変換された信号
がRF信号生成回路25と、ラジアルプッシュプル信号
生成回路27とにそれぞれ入力されている。
【0047】上記したRF信号生成回路25では、デー
タ再生時に光ディスク1上に照射した再生レーザーパワ
ーによるビームスポットBの光ディスク1からの反射光
を図6に示した4分割型のホト・ディテクタ24dで受
光し、このホト・ディテクタ24dの受光領域A〜受光
領域Dで受光した各受光出力を全て加算した(A+B+
C+D)信号によるRF信号25aを得て、このRF信
号25aをデータ再生回路26に送出して、このデータ
再生回路26内でグルーブ3に記録した記録済みのデー
タを再生してこのデータ26aを出力しているが、デー
タ再生時の説明は本発明とは直接関係ないので、これ以
上の説明を省略する。
【0048】次に、本発明の要部となるデータ記録時に
記録クロックを生成する場合について以下詳述する。
【0049】上記したラジアルプッシュプル信号生成回
路27では、データ記録時に光ディスク1上に照射した
記録レーザーパワーによるビームスポットBの光ディス
ク1からの反射光を図6に示した4分割型のホト・ディ
テクタ24dで受光し、このホト・ディテクタ24dの
受光領域A,Bで受光した各受光出力A,Bの加算値
(A+B)から、ホト・ディテクタ24dの受光領域
C,Dで受光した各受光出力C,Dの加算値(C+D)
を減算して{(A+B)−(C+D)}からなるラジア
ルプッシュプル信号27aを得て、このラジアルプッシ
ュプル信号27aをAD変換器28と、ランドプリピッ
ト信号検出用コンパレータ31とに分岐して送出してい
る。
【0050】この際、ラジアルプッシュプル信号生成回
路27で得られたラジアルプッシュプル信号27aは、
図7(a)に示したように、グルーブ3を所定の周波数
でsineカーブ又はcosineカーブ状にウォブル
(蛇行)させたウォブル信号と、ランド4上に所定の間
隔で予め形成したランドプリピット5によるランドプリ
ピット信号とがアナログ的に重畳された状態で得られて
いる。
【0051】ここで、まず、ラジアルプッシュプル信号
生成回路27で得られたラジアルプッシュプル信号27
aからウォブル信号を抽出するにあたって、AD変換器
28ではここに入力されたアナログ・ラジアルプッシュ
プル信号27aをAD変換してディジタル・ラジアルプ
ッシュプル信号28aをウォブルバンドパスフィルタ2
9に送出している。
【0052】この後、ウォブルバンドパスフィルタ29
ではここに入力されたディジタル・ラジアルプッシュプ
ル信号28aに対して、ウォブル周波数が中心周波数と
なるディジタル・バンドパスフィルタで抜き出すことに
より、図7(b)に示したようなウォブル信号29aを
ディジタル的に抽出して、このウォブル信号29aを第
1のPLL回路30に送出している。この際、ウォブル
信号29aは、ウォブルバンドパスフィルタ29によっ
てランドプリピット5によるランドプリピット信号の影
響を除去された信号である。
【0053】上記した第1のPLL回路30はディジタ
ルPLLで構成されており、内部に設けた図示しないデ
ィジタル電圧可変発振器(VCO)によりここに入力さ
れたウォブル信号29aの位相と同相の発振位相データ
であるウォブル位相データ30aを生成して、このウォ
ブル位相データ30aを後述する第2のPLL回路40
内のウォブル位相検出器41及びこの後段のウォブル位
相比較器42に送出している。更に、第1のPLL回路
30内では、入力されたウォブル信号29aに同期し
て、正の半周期ではHレベルとなり、負の半周期ではL
レベルとなるようなランドプリピットゲート信号30b
を図7(c)に示したように生成して、このランドプリ
ピットゲート信号30bを後述するランドプリピットデ
ータ復調回路32に送出している。
【0054】次に、ラジアルプッシュプル信号生成回路
27で得られたラジアルプッシュプル信号27aからラ
ンドプリピット信号を抽出するにあたって、ランドプリ
ピット信号検出用コンパレータ31はここに入力された
ラジアルプッシュプル信号27aに対してウォブル信号
の振幅値よりも大きな値に予め設定した所定値でスライ
スすることで、パルス状のランドプリピット信号31a
を図7(d)に示したように抽出して、このランドプリ
ピット信号31aをランドプリピットデータ復調回路3
2と、後述する第2のPLL回路40内のシンクビット
位相検出器44とにそれぞれ送出している。
【0055】この後、ランドプリピットデータ復調回路
32では、ランドプリピット信号検出用コンパレータ3
1から送られたランドプリピット信号31aに対して、
第1のPLL回路30から送られたランドプリピットゲ
ート信号30bに基づいて図7(e)に示したようなラ
ンドプリピットデータを生成している。即ち、ランドプ
リピットデータは、ランドプリピットゲート信号30b
がH(ハイ)の期間中にランドプリピット信号31aが
あればデータ“1”となり、一方、H(ハイ)の期間中
にランドプリピット信号31aがなければデータ“0”
となる。
【0056】そして、このようにして得られたランドプ
リピットデータから特定パターンを有するシンクビット
(同期情報)を検出することによりシンクビットゲート
信号32aを後述する第2のPLL回路40内のシンク
ビット位相検出器44に送出し、一方、ランドプリピッ
トデータからシンクビット(同期情報)を除いたアドレ
ス情報32bをアドレス一致検出回路33に送出し、こ
のアドレス一致検出回路33で予め入力したデータ記録
開始アドレス/データ記録終了アドレスの一致を検索し
て、この結果を後述するデータパルス生成回路50に知
らせている。
【0057】次に、本発明の要部を構成する第2のPL
L回路40もディジタルPLLで構成されており、ここ
で、第2のPLL回路40の内部構成は、ウォブル信号
回路系統(ウォブル位相検出器41,ウォブル位相比較
器42,ウォブルループフィルタ演算器43)と、ラン
ドプリピットデータによるシンクビット回路系統(シン
クビット位相検出器44,シンクビット位相比較器4
5,シンクビットループフィルタ演算器46)とに分岐
され、更に、ウォブル信号回路系統とシンクビット回路
系統とでそれぞれ処理された各信号を合成して処理する
合成回路系統(操作量加算演算器47,DA変換器4
8,アナログ電圧可変発振器49)とで構成されてい
る。
【0058】まず、第2のPLL回路40内のウォブル
信号回路統において、ウォブル位相検出器41では第1
のPLL回路30からウォブル位相データ30aが送ら
れており、且つ、アナログ電圧可変発振器(VCO)4
9から記録クロック49aがフィードバックされてい
る。ここで、記録クロック49aの周期Tとウォブル周
期とは、記録フォーマット上で規定されており、記録ク
ロック周期Tの186周期をウォブルの1周期とした場
合、ウォブル位相検出器41内に設けた分周器(図示せ
ず)は記録クロック49aを繰り返し186カウントす
る分周カウンタデータを第1のPLL回路30からのウ
ォブル位相データ30aが出力されるタイミングで保持
し、ウォブルカウントデータ41aとしてウォブル位相
比較器42に送出している。
【0059】この後、ウォブル位相比較器42では、ウ
ォブル位相検出器41からのウォブルカウントデータ4
1aが得られるタイミングで、第1のPLL回路30か
らのウォブル位相データ30aとウォブルカウントデー
タ41aとの位相差を計算することにより、ウォブル位
相誤差データ42aを得て、このウォブル位相誤差デー
タ42aをウォブルループフィルタ演算器43に送出し
ている。
【0060】この後に、ウォブルループフィルタ演算器
43では、ウォブル位相比較器42からのウォブル位相
誤差データ42aに対して周波数特性が平坦になるよう
な比例ゲインを乗算することで、ウォブルループフィル
タ演算器43の入出力周波数特性が図8に示したような
ウォブルループフィルタ特性(a)となり、このウォブ
ルループフィルタ特性(a)に沿った高域操作量データ
43aを得て、この高域操作量データ43aを後述する
操作量加算演算器47に送出している。この際、ウォブ
ルループフィルタ演算器43で得られた高域操作量デー
タ43aは、アナログ電圧可変発振器(VCO)49に
対して高域成分を支配するような制御データである。
【0061】一方、ウォブル周期とランドプリピットの
シンクビット(同期情報)とは記録フォーマット上で規
定されており、ウォブル8周期毎にシンクビットがある
とすると、前述の記録クロック49aとウォブルとの関
係より、記録クロック49aとランドプリピット5中の
シンクビットとは、186×8=1488となり、記録
クロック1488周期毎にランドプリピット5中のシン
クビットが現れることになる。
【0062】よって、第2のPLL回路40内のランド
プリピットデータによるシンクビット回路系統におい
て、シンクビット位相検出器44では、ランドプリピッ
ト信号検出用コンパレータ31からランドプリピット信
号31aが送られており、且つ、ランドプリピットデー
タ復調回路32からシンクビットゲート信号32aが送
られていると共に、アナログ電圧可変発振器(VCO)
49から記録クロック49aがフィードバックされてい
る。ここでは、シンクビット位相検出器44内に設けた
分周器(図示せず)で記録クロック49aを1488カ
ウントし、0から1487までを繰り返しカウントして
いるカウントデータをシンクビットゲート信号32aに
ランドプリピット信号31a中のシンクビットが現れた
時、シンクビットカウントデータ44aとして保持し、
このシンクビットカウントデータ44aをシンクビット
位相取得信号44bと共にシンクビット位相比較器45
に送出している。また、シンクビット位相検出器44内
に設けた分周器(図示せず)は、記録クロック49aを
0から1487まで繰り返カウントし、カウントが0の
タイミングでデータ記録開始/データ記録終了を決める
ためのタイミングパルス44cを発生し、このタイミン
グパルス44cを後述するデータパルス生成回路50に
送出している。従って、データ記録開始/データ記録終
了のタイミングパルス44cを精度良く確実に設定でき
る。
【0063】この後、シンクビット位相比較器45は、
シンクビット位相検出器44からのシンクビット位相取
得信号44bが入力された時のみ位相誤差演算を実行
し、シンクビット位相検出器44からのシンクビットカ
ウントデータ44aがゼロの時に位相誤差がゼロとなる
よう位相誤差演算を行う。よってシンクビットカウント
データ44aが744以下であれば符号を反転し、シン
クビットカウントデータ44aが744より大であれば
{1488−(シンクビットカウントデータ)}となる
位相誤差演算を行い、シンクビット位相誤差データ45
aとシンクビット位相誤差取得信号45bとをシンクビ
ットループフィルタ演算器46に送出している。
【0064】この後、シンクビットループフィルタ演算
器46では、シンクビット位相比較器45からのシンク
ビット位相誤差取得信号45bが得られた時のみフィル
タ演算を行う。ここで、シンクビットループフィルタ演
算器46について図9を用いて説明する。
【0065】図9に示したシンクビットループフィルタ
演算器46では、シンクビット位相比較器45から送ら
れたシンクビット位相誤差データ45aを、シンクビッ
ト位相誤差取得信号45bが得られた時に積算した後、
積分ゲインKIを乗じることによって、シンクビットル
ープフィルタ演算器46の入出力周波数特性が図8に示
したように周波数が高くなるほどゲインが低下するよう
なシンクビットループフィルタ特性(b)となり、この
シンクビットループフィルタ特性(b)に沿った低域操
作量データ46aを得て、この低域操作量データ46a
を後述する操作量加算演算器47に送出している。この
際、シンクビットループフィルタ演算器46で得られた
低域操作量データ46aには、アナログ電圧可変発振器
(VCO)49に対して低域成分を支配するような制御
データである。
【0066】尚、ランドプリピットデータ復調回路32
から送られたシンクビットゲート信号32a中にシンク
ビットが現れない場合は、シンクビット位相検出器44
からシンクビット位相取得信号44bが現れないために
後段のシンクビット位相比較器45及びシンクビットル
ープフィルタ演算器46はデータの更新を行わず、低域
操作量が保持される。
【0067】このようにシンクビットループフィルタ演
算器46は、完全積分型であるためシンクビットとシン
クビット位相検出器44内で記録クロック49aを14
88カウントする分周器がゼロの時に出力されるデータ
記録開始/データ記録終了を決めるためのタイミングパ
ルス44cとの位相誤差がゼロになるように第2のPL
L回路40を動作させ、シンクビットゲート信号32a
中にシンクビットが現れない場合においても、シンクビ
ット位相検出器44内で記録クロック49aを1488
分周するカウンタがゼロの時にデータ記録開始/データ
記録終了のタイミングパルス44cを発生している。
【0068】また、個々のシンクビット(同期情報)の
位置は、従来技術で説明したようにジッタを持っている
ためタイミングが変動するが、第2のPLL回路40内
に設けたシンクビットループフィルタ演算器46による
積分動作により、データ記録開始/データ記録終了を決
めるためのタイミングパルス44cはシンクビット位置
の平均的に現れる位置を示すことになり、個々のシンク
ビットのジッタの影響を受けることはない。
【0069】次に、第2のPLL回路40内でのウォブ
ル信号回路系統とランドプリピットデータによるシンク
ビット回路系統とを合わせた合成回路系統において、操
作量加算演算器47では、ウォブルループフィルタ演算
器43から送られた高域操作量デー43aと、シンクビ
ットループフィルタ演算器46から送られた低域操作量
データ46aとを加算することにより、VCOディジタ
ル操作量データ47aを得て、このVCOディジタル操
作量データ47aをDA変換器48に送出している。
【0070】この際、VCOディジタル操作量データ4
7aは、図8に示すようにウォブルループフィルタ特性
(a)と、シンクビットループフィルタ特性(b)とが
交差する点の周波数F0より高い周波数においてはウォ
ブル位相誤差信号42aから得られる高域操作量データ
43aが支配的であり、周波数F0より低い周波数にお
いてはシンクビット位相誤差データ45aから得られる
低域操作量データ46aが支配的となる。
【0071】この後、DA変換器48は操作量加算演算
器47から送られたVCOディジタル操作量データ47
aをDA変換してVCOアナログ操作量データ48aを
アナログ電圧可変発振器(VCO)49に送出する。
【0072】そして、アナログ電圧可変発振器(VC
O)49は、DA変換器48から送られたVCOアナロ
グ操作量データ48aにより制御されて応答性の良い記
録クロック49aを生成している。そして、ここで生成
した記録クロック49aは前述したようにウォブル位相
検出器41及びシンクビット位相検出器44にフィード
バックされることで第2のPLL回路40を構成すると
共に、記録クロック49aを下記するデータパルス生成
回路50に送出している。
【0073】次に、データパルス生成回路50では、記
録したいデータが入力され、このデータはシンクビット
位相検出器44からのタイミングパルス44cによって
データ記録開始/データ記録終了のタイミングを設定さ
れた上で、アナログ電圧可変発振器(VCO)49から
の記録クロック49aによってデータパルス50aをレ
ーザー駆動回路23に送出している。
【0074】この後、レーザー駆動回路23ではデータ
パルス生成回路50から送られたデータパルス50aを
記録レーザーパワーで変調して記録パルス23aを生成
し、この記録パルス23aに対応した記録電流を光ピッ
クアップ24内の半導体レーザー24aに供給すること
で、記録パルス23aに対応したビームスポットBを光
ディスク1上のグルーブ3に照射してデータを記録して
いる。
【0075】上述した如く、本発明に係る記録クロック
生成方法及び光ディスク装置では、とくに、ウォブル位
相誤差信号42aをウォブルループフィルタ演算器(第
1のループフィルタ)43によりフィルタリングしてア
ナログ電圧可変発振器49への高域操作量を得ると共
に、シンクビット位相誤差データ45aをシンクビット
ループフィルタ演算器(第2のループフィルタ)46に
よりフィルタリングしてアナログ電圧可変発振器49へ
の低域操作量を得て、両ループフィルタ43,46でそ
れぞれ得られた高域操作量と低域操作量とを加算した後
の操作量をアナログ電圧可変発振器49に供給している
ので、アナログ電圧可変発振器49から出力される記録
クロック49aはウォブル信号に同期し、且つ、低域か
ら高域に亘る全周波数に亘って応答性が良い。
【0076】また、第2のPLL回路40は、ウォブル
信号29aに同期し、且つ、ランドプリピット信号31
aのシンクビットに同期したデータ記録開始/データ記
録終了のタイミングパルス44cを発生させて動作する
ため、光ディスク1上においてデータ記録開始/データ
記録終了の位置を正確に設定できる。
【0077】尚、実施例においては、第2のPLL回路
40に入力されるウォブル位相データ30aを第1のP
LL回路30より得ているが、本発明の変形例として、
ウォブルバンドパスフィルタ29の出力から位相演算を
行いウォブル位相データを得ることもできる。
【0078】
【発明の効果】以上詳述した本発明に係る記録クロック
生成方法及び光ディスク装置において、請求項1及び請
求項3記載の記録クロック生成方法及び光ディスク装置
によると、所定の周波数でウォブルしたグルーブと、隣
り合うグルーブ間に位置したランドとを対にしたトラッ
クが形成され、且つ、ランド上にはグルーブに記録する
データへのアドレス情報などがランドプリピットとして
所定の間隔を保って予め形成されている光ディスクのグ
ルーブにデータを記録する際に、とくに、ウォブル位相
誤差信号を第1のループフィルタによりフィルタリング
して電圧可変発振器への高域操作量を得ると共に、シン
クビット位相誤差データを第2のループフィルタにより
フィルタリングして電圧可変発振器への低域操作量を得
て、両ループフィルタでそれぞれ得られた高域操作量と
低域操作量とを加算した後の操作量を電圧可変発振器に
供給しているので、電圧可変発振器から出力される記録
クロックはウォブル信号に同期し、且つ、低域から高域
に亘る全周波数に亘って応答性が良い。
【0079】また、請求項2及び請求項4記載の記録ク
ロック生成方法及び光ディスク装置によると、とくに、
ランドプリピット信号中のシンクビットと、電圧可変発
振器からフィードバックされた記録クロックとの位相差
を検出してシンクビット位相誤差データを得る際に、デ
ータ記録開始/データ記録終了のタイミングパルスを生
成しているので、データ記録開始/データ記録終了のタ
イミングパルスを精度良く確実に設定でき、しかも、従
来技術で説明したような記録開始終了タイミングパルス
を得るためのシンクビットタイミングの平均化及び予測
回路を必要としないために、回路構成が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録クロック生成方法及び光ディ
スク装置に適用される光ディスクを説明するための斜視
図である。
【図2】図1に示した光ディスクにおいて、(a)はグ
ルーブ,ランド,ランドプリピットの形状を模式的に示
した図であり、(b)はランドプリピットを検出した時
のランドプリピット信号の波形を示した図である。
【図3】図1に示した光ディスクにおいて、グルーブの
同期フレーム内の信号形態を示した図である。
【図4】図1に示した光ディスクにおいて、ランド上に
形成したランドプリピットの種類を説明するための図で
ある。
【図5】本発明に係る光ディスク装置の構成を示したブ
ロック図である。
【図6】本発明に係る光ディスク装置において、光ディ
スク上に照射したビームスポットによる光ディスクから
の反射光を4分割型のホト・ディテクタで検出する状態
を模式的に示した図である。
【図7】本発明に係る光ディスク装置において、データ
記録時の各信号波形を示した図である。
【図8】本発明に係る光ディスク装置において、ウォブ
ルループフィルタ特性と、シンクビットループフィルタ
特性とを示した図である。
【図9】本発明に係る光ディスク装置において、シンク
ビットループフィルタ演算器の内部構成を示した図であ
る。
【図10】従来の記録タイミング設定方法及び記録タイ
ミング設定装置並びに情報記録方法及び情報記録装置に
適用される光ディスクを説明するために模式的に示した
図である。
【符号の説明】 1…光ディスク、2…ディスク基板、3…グルーブ、4
…ランド、5…ランドプリピット、5a…先頭ランドプ
リピット、6…相変化記録層、20…実施例の光ディス
ク装置、21…スピンドルモータ、22…ターンテーブ
ル、23…レーザー駆動回路、24…光ピックアップ、
24a…半導体レーザ、24b…ビームスプリッタ、2
4c…対物レンズ、24d…ホト・ディテクタ、25…
RF信号生成回路、26…データ再生回路、27…ラジ
アルプッシュプル信号生成回路、AD変換器、29…第
1のループフィルタ(ウォブルバンドパスフィルタ)、
30…第1のPLL回路、31…ランドプリピット信号
検出用コンパレータ、32…ランドプリピットデータ復
調回路、40…第2のPLL回路、41…ウォブル位相
検出器、42…ウォブル位相比較器、43…ウォブルル
ープフィルタ演算器、44…シンクビット位相検出器、
45…シンクビット位相比較器、46…第2のループフ
ィルタ(シンクビットループフィルタ演算器)、47…
操作量加算演算器、48…DA変換器、49…アナログ
電圧可変発振器(VCO)、50…データパルス生成回
路、B…ビームスポット、D…データ領域。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録再生可能なデータ領域を有して片側
    又は両側を所定の周波数でウォブル(蛇行)したグルー
    ブと、隣り合う前記グルーブ間に位置したランドとを対
    にしたトラックがディスク基板上で螺旋状又は同心円状
    に形成され、且つ、前記ランド上には前記グルーブに記
    録するデータへのアドレス情報などがランドプリピット
    として所定の間隔を保って予め形成されている光ディス
    クを用いて、前記データを前記グルーブに記録する際に
    該データを送り出すための記録クロックを電圧可変発振
    器を有するPLL回路により生成する記録クロック生成
    方法において、 前記光ディスクに記録用のビームスポットを照射して該
    光ディスクで反射された反射光を光電変換した信号から
    前記ウォブルによるウォブル信号を抽出する工程と、 前記反射光から前記ランドプリピットによるランドプリ
    ピット信号を抽出する工程と、 前記ウォブル信号と、前記電圧可変発振器からフィード
    バックされた記録クロックとの位相差を検出してウォブ
    ル位相誤差信号を得る工程と、 前記ランドプリピット信号中のシンクビットと、前記電
    圧可変発振器からフィードバックされた前記記録クロッ
    クとの位相差を検出してシンクビット位相誤差データを
    得る工程と、 前記ウォブル位相誤差信号をフィルタリングして前記電
    圧可変発振器への高域操作量を得る第1のループフィル
    タリング工程と、 前記シンクビット位相誤差データをフィルタリングして
    前記電圧可変発振器への低域操作量を得る第2のループ
    フィルタリング工程と、 前記高域操作量と前記低域操作量を加算した後の操作量
    を前記電圧可変発振器に供給して前記記録クロックを得
    る工程とを有することを特徴とする記録クロック生成方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の記録クロック生成方法に
    おいて、 前記ランドプリピット信号中のシンクビットと、前記電
    圧可変発振器からフィードバックされた前記記録クロッ
    クとの位相差を検出してシンクビット位相誤差データを
    得る際に、データ記録開始/データ記録終了のタイミン
    グパルスを生成することを特徴とする記録クロック生成
    方法。
  3. 【請求項3】 記録再生可能なデータ領域を有して片側
    又は両側を所定の周波数でウォブル(蛇行)したグルー
    ブと、隣り合う前記グルーブ間に位置したランドとを対
    にしたトラックがディスク基板上で螺旋状又は同心円状
    に形成され、且つ、前記ランド上には前記グルーブに記
    録するデータへのアドレス情報などがランドプリピット
    として所定の間隔を保って予め形成されている光ディス
    クを用いて、前記データを前記グルーブに記録する際に
    該データを送り出すための記録クロックを電圧可変発振
    器を有するPLL回路により生成する光ディスク装置に
    おいて、 前記光ディスクに記録用のビームスポットを照射して該
    光ディスクで反射された反射光を光電変換した信号から
    前記ウォブルによるウォブル信号を抽出するウォブル信
    号抽出手段と、 前記反射光から前記ランドプリピットによるランドプリ
    ピット信号を抽出するランドプリピット信号抽出手段
    と、 前記ウォブル信号と、前記電圧可変発振器からフィード
    バックされた記録クロックとの位相差を検出してウォブ
    ル位相誤差信号を得るウォブル位相誤差信号生成手段
    と、 前記ランドプリピット信号中のシンクビットと、前記電
    圧可変発振器からフィードバックされた前記記録クロッ
    クとの位相差を検出してシンクビット位相誤差データを
    得るシンクビット位相誤差データ生成手段と、 前記ウォブル位相誤差信号をフィルタリングして前記電
    圧可変発振器への高域操作量を得る第1のループフィル
    タと、 前記シンクビット位相誤差データをフィルタリングして
    前記電圧可変発振器への低域操作量を得る第2のループ
    フィルタと、 前記高域操作量と前記低域操作量を加算した後の操作量
    を供給することで、前記記録クロックを出力する前記電
    圧可変発振器とを備えたことを特徴とする光ディスク装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の光ディスク装置におい
    て、 前記シンクビット位相誤差生成手段は、前記ランドプリ
    ピット信号中のシンクビットと、前記電圧可変発振器か
    らフィードバックされた前記記録クロックとの位相差を
    検出してシンクビット位相誤差データを得る際に、デー
    タ記録開始/データ記録終了のタイミングパルスを生成
    することを特徴とする光ディスク装置。
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