JP2002226870A - メタノールの製造法およびその装置 - Google Patents
メタノールの製造法およびその装置Info
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- JP2002226870A JP2002226870A JP2001059203A JP2001059203A JP2002226870A JP 2002226870 A JP2002226870 A JP 2002226870A JP 2001059203 A JP2001059203 A JP 2001059203A JP 2001059203 A JP2001059203 A JP 2001059203A JP 2002226870 A JP2002226870 A JP 2002226870A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 安価な水及び炭素材を原料として、低コスト
でメタノールの大量生産を可能とするメタノール合成法
およびその合成装置を提供する。 【解決手段】 アークプラズマリアクタAPRで多量の
微小アークプラズマの存在下で水と炭素材とを接触反応
させて合成ガスを生成し、第1熱交換器H1で冷却した
後、第1気水分離器S1で合成ガスSGと水分とを分離
し、合成ガスをメタノール合成槽MRに導入してメタノ
ールを合成する。
でメタノールの大量生産を可能とするメタノール合成法
およびその合成装置を提供する。 【解決手段】 アークプラズマリアクタAPRで多量の
微小アークプラズマの存在下で水と炭素材とを接触反応
させて合成ガスを生成し、第1熱交換器H1で冷却した
後、第1気水分離器S1で合成ガスSGと水分とを分離
し、合成ガスをメタノール合成槽MRに導入してメタノ
ールを合成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、メタノールの製
造法およびその製造装置に関し、とくに、低公害燃料と
して有用なメタノールの製造法およびその製造装置に関
する。
造法およびその製造装置に関し、とくに、低公害燃料と
して有用なメタノールの製造法およびその製造装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】 近年、炭酸ガス排出による地球温暖化
防止の切り札として、火力発電装置、コジェネ装置、燃
料電池や自動車用低公害燃料としてメタノールの利用が
急拡大している。従来、メタノールの原料として石炭や
天然ガスを水蒸気改質して合成ガスを利用することが一
般的となっている。
防止の切り札として、火力発電装置、コジェネ装置、燃
料電池や自動車用低公害燃料としてメタノールの利用が
急拡大している。従来、メタノールの原料として石炭や
天然ガスを水蒸気改質して合成ガスを利用することが一
般的となっている。
【0003】 例えば、米国特許第5,173,513
3号には石炭ガス化装置において石炭粉末を空気を燃焼
により部分酸化させてコークを形成させた後、高温下で
コークに水蒸気を接触反応させて合成ガスを生成し、こ
れを原料としてメタノールを合成する方法が提案されて
いる。公知のように石炭ガス化装置は極めて大型であ
り、複雑な温度制御と空気供給シーケンスを精密に制御
しなければならず、運転コストが著しく高くなる。しか
も、原料としての石炭は高温ガス生成用に消費されるた
め、原料の利用率が大幅に低減する。しかも、この方式
では上記理由により合成ガスを効率的に連続生産するこ
とが出来ない。さらに、この方式による合成ガスは大量
の硫黄分を含有しているため、脱硫装置による複雑な脱
硫工程が必要となる。このため、合成ガスの製造装置が
全体的に大型となって、システム制御複雑となり、合成
ガスの製造コストも高くなる。このため、メタノールを
低コストで連続的に大量生産することができない。
3号には石炭ガス化装置において石炭粉末を空気を燃焼
により部分酸化させてコークを形成させた後、高温下で
コークに水蒸気を接触反応させて合成ガスを生成し、こ
れを原料としてメタノールを合成する方法が提案されて
いる。公知のように石炭ガス化装置は極めて大型であ
り、複雑な温度制御と空気供給シーケンスを精密に制御
しなければならず、運転コストが著しく高くなる。しか
も、原料としての石炭は高温ガス生成用に消費されるた
め、原料の利用率が大幅に低減する。しかも、この方式
では上記理由により合成ガスを効率的に連続生産するこ
とが出来ない。さらに、この方式による合成ガスは大量
の硫黄分を含有しているため、脱硫装置による複雑な脱
硫工程が必要となる。このため、合成ガスの製造装置が
全体的に大型となって、システム制御複雑となり、合成
ガスの製造コストも高くなる。このため、メタノールを
低コストで連続的に大量生産することができない。
【0004】 米国特許第5,998,489号には天
然ガス、LPG、ナフサおよび軽油等の炭化水素と水蒸
気を原料として合成ガスを生成し、これを原料としてメ
タノールを製造する方法が提案されている。この製造法
ではメタノール主要原料として天然ガスまたはLPGの
ような炭化水素ガスを使用しているため、原料コストが
高い。また、合成ガス生成時に水からスチームを生成す
るために複数段の加湿工程を必要とし、そのための大型
の加湿装置が必要となる。さらに、合成ガス製造装置が
加熱炉方式の改質装置を利用しているが、この装置は極
めて大型で、しかも、多量の燃料を必要とするため、お
おきな燃料コストがメタノール製造コストダウンの大き
なネックとなる。しかも、租メタノールの精製時に発生
する廃水を加湿装置にリサイクルした後、外部に排出し
ており、環境負荷が著しく重くなり、その対策費もメタ
ノールのコストアップの大きな要因となる。
然ガス、LPG、ナフサおよび軽油等の炭化水素と水蒸
気を原料として合成ガスを生成し、これを原料としてメ
タノールを製造する方法が提案されている。この製造法
ではメタノール主要原料として天然ガスまたはLPGの
ような炭化水素ガスを使用しているため、原料コストが
高い。また、合成ガス生成時に水からスチームを生成す
るために複数段の加湿工程を必要とし、そのための大型
の加湿装置が必要となる。さらに、合成ガス製造装置が
加熱炉方式の改質装置を利用しているが、この装置は極
めて大型で、しかも、多量の燃料を必要とするため、お
おきな燃料コストがメタノール製造コストダウンの大き
なネックとなる。しかも、租メタノールの精製時に発生
する廃水を加湿装置にリサイクルした後、外部に排出し
ており、環境負荷が著しく重くなり、その対策費もメタ
ノールのコストアップの大きな要因となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 以上のように、従来
のメタノール製造法およびその装置では製造プラントが
大型となって製造プロセスが複雑であり、しかも原料コ
ストが著しく高いため、メタノールを低コストで連続的
に生産することができない。そこで、本発明は安価な水
および安価な炭素材を原料としてメタノールを低コスト
で安定的に大量生産することが可能な製造法およびその
製造装置を提供することを目的とする。
のメタノール製造法およびその装置では製造プラントが
大型となって製造プロセスが複雑であり、しかも原料コ
ストが著しく高いため、メタノールを低コストで連続的
に生産することができない。そこで、本発明は安価な水
および安価な炭素材を原料としてメタノールを低コスト
で安定的に大量生産することが可能な製造法およびその
製造装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本発明の第1概念によ
れば、メタノール製造法は原料水供給口と合成ガス取出
口とを有する絶縁ケーシングと、絶縁ケーシング内に形
成されたアークプラズマ反応室と、アークプラズマ反応
室に配置された多相交流電極とを備えたアークプラズマ
リアクタを準備する工程と;アークプラズマ反応室内に
炭素材を充填して炭素材の隙間に微小アーク通路を形成
する工程と;アーク電極に多相交流電力を供給して微小
アーク通路内にアークプラズマを発生させる工程と;原
料水供給口から原料水または水蒸気を微小アーク通路内
に通過させてアークプラズマの存在下で水蒸気と炭素材
の炭素とを接触反応させ、水素および一酸化炭素を含む
合成ガスを生成する工程と;合成ガス取出口から合成ガ
スを取出して合成ガスを冷却する工程と;メタノール合
成反応槽のメタノール反応触媒に合成ガスを導入してメ
タノールを合成する工程と;からなることにより達成さ
れる。
れば、メタノール製造法は原料水供給口と合成ガス取出
口とを有する絶縁ケーシングと、絶縁ケーシング内に形
成されたアークプラズマ反応室と、アークプラズマ反応
室に配置された多相交流電極とを備えたアークプラズマ
リアクタを準備する工程と;アークプラズマ反応室内に
炭素材を充填して炭素材の隙間に微小アーク通路を形成
する工程と;アーク電極に多相交流電力を供給して微小
アーク通路内にアークプラズマを発生させる工程と;原
料水供給口から原料水または水蒸気を微小アーク通路内
に通過させてアークプラズマの存在下で水蒸気と炭素材
の炭素とを接触反応させ、水素および一酸化炭素を含む
合成ガスを生成する工程と;合成ガス取出口から合成ガ
スを取出して合成ガスを冷却する工程と;メタノール合
成反応槽のメタノール反応触媒に合成ガスを導入してメ
タノールを合成する工程と;からなることにより達成さ
れる。
【0007】 本発明の第2概念によれば、メタノール
合成装置は、炭素材原料投入口と、原料水供給口と、合
成ガス用アウトレットとを有する絶縁ケーシングと、絶
縁ケーシング内に形成されたアークプラズマ反応室と、
アークプラズマ反応装置に配置された多相交流電極と、
アークプラズマ反応装置内に充填された炭素材の隙間に
形成された微小アーク通路とを有するアークプラズマリ
アクタと;原料水を原料水投入口に供給する原料水供給
ポンプと;炭素材を炭素材原料投入口に供給する炭素材
供給装置と;アーク電極に多相交流電力を供給して微小
アーク通路内にアークプラズマを発生させて、微小アー
ク通路内で水蒸気と炭素材とを接触反応させ、合成ガス
を生成する多相交流電源と;アークプラズマリアクタに
接続されて合成ガスからメタノールを合成するメタノー
ル合成反応槽と;を備えることにより達成される。
合成装置は、炭素材原料投入口と、原料水供給口と、合
成ガス用アウトレットとを有する絶縁ケーシングと、絶
縁ケーシング内に形成されたアークプラズマ反応室と、
アークプラズマ反応装置に配置された多相交流電極と、
アークプラズマ反応装置内に充填された炭素材の隙間に
形成された微小アーク通路とを有するアークプラズマリ
アクタと;原料水を原料水投入口に供給する原料水供給
ポンプと;炭素材を炭素材原料投入口に供給する炭素材
供給装置と;アーク電極に多相交流電力を供給して微小
アーク通路内にアークプラズマを発生させて、微小アー
ク通路内で水蒸気と炭素材とを接触反応させ、合成ガス
を生成する多相交流電源と;アークプラズマリアクタに
接続されて合成ガスからメタノールを合成するメタノー
ル合成反応槽と;を備えることにより達成される。
【0008】
【作用】 本発明のメタノールの製造法およびその製造
装置によれば、アークプラズマリアクタ内に形成された
微小アーク通路を固形状炭素材により構成して、微小ア
ーク通路内にスパークによる微小アークプラズマを大量
に発生させ、水蒸気を微小アーク通路内に導入してアー
クプラズマの存在下で水蒸気と炭素材の炭素とを接触反
応させて次式で示されるように一酸化炭素と水素からな
る合成ガスを効率的に生成する。
装置によれば、アークプラズマリアクタ内に形成された
微小アーク通路を固形状炭素材により構成して、微小ア
ーク通路内にスパークによる微小アークプラズマを大量
に発生させ、水蒸気を微小アーク通路内に導入してアー
クプラズマの存在下で水蒸気と炭素材の炭素とを接触反
応させて次式で示されるように一酸化炭素と水素からな
る合成ガスを効率的に生成する。
【0009】
【化1】 C+H2O→Co+H2 (1) Co+H2O→CO2+H2 (2)
【0010】 次に(1)、(2)の反応で得られた合
成ガスはついでメタノール反応槽に給送されて、そこで
メタノール合成触媒と接触反応して次式の如く、メタノ
ールを生成する。
成ガスはついでメタノール反応槽に給送されて、そこで
メタノール合成触媒と接触反応して次式の如く、メタノ
ールを生成する。
【0011】
【化2】 Co+2H2→CH3OH (3) Co2+3H2→CH3OH+H2O (4)
【0012】 上記(4)の反応式では、メタノールに
は副産物として生成水が含まれるが、メタノールから生
成水を分離してリサイクル原料として回収し、これをア
ークプラズマリアクタに原料としてリサイクルすること
により、排水を外部に排出しないで環境負荷を低減し、
同時に原料コストを大幅に下げて、極めて低コストにて
メタノールを合成することが可能となる。
は副産物として生成水が含まれるが、メタノールから生
成水を分離してリサイクル原料として回収し、これをア
ークプラズマリアクタに原料としてリサイクルすること
により、排水を外部に排出しないで環境負荷を低減し、
同時に原料コストを大幅に下げて、極めて低コストにて
メタノールを合成することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】 以下本発明の望ましい実施例に
よるメタノール製造装置につき図面を参照しながら説明
する。図1において、メタノール製造装置10は炭素材
を供給するための炭素原料投入装置12と、水原料供給
ポンプP1と、炭素材原料と水原料から合成ガスを生成
するアークプラズマリアクタAPRと、原料水と合成ガ
スを熱交換して原料水を予熱するための第1熱交換器H
1と、合成ガスを冷却するための冷却器C1と、開閉弁
V1と、第1気水分離装置S1と、凝縮水を原料水と合
流させるためのライン13と、合成ガスを加圧するため
のコンプレッサCMと、メタノール合成触媒CATを充
填したメタノール反応槽MRと、メタノールと原料水と
を熱交換してメタノールを冷却するための第2熱交換器
H2と、メタノールをさらに冷却するための冷却器C2
と、第2気水分離装置S2と、未反応合成ガスをコンプ
レッサCMの上流側に合流させるライン17と、第2開
閉弁V2と、精留塔Dと、冷却器C3to,メタノール
回収塔Meと、リボイラBと,循環ポンプP3からなる
循環ラインとを備える。メタノール合成触媒は例えば、
60wt−%CuO,30wt−%ZnO,10wt−
%Al2O3からなるドライ型触媒、または米国特許
5,385,949号に開示されたようなスラリー型反
応槽用のメタノール合成触媒を利用しても良い。
よるメタノール製造装置につき図面を参照しながら説明
する。図1において、メタノール製造装置10は炭素材
を供給するための炭素原料投入装置12と、水原料供給
ポンプP1と、炭素材原料と水原料から合成ガスを生成
するアークプラズマリアクタAPRと、原料水と合成ガ
スを熱交換して原料水を予熱するための第1熱交換器H
1と、合成ガスを冷却するための冷却器C1と、開閉弁
V1と、第1気水分離装置S1と、凝縮水を原料水と合
流させるためのライン13と、合成ガスを加圧するため
のコンプレッサCMと、メタノール合成触媒CATを充
填したメタノール反応槽MRと、メタノールと原料水と
を熱交換してメタノールを冷却するための第2熱交換器
H2と、メタノールをさらに冷却するための冷却器C2
と、第2気水分離装置S2と、未反応合成ガスをコンプ
レッサCMの上流側に合流させるライン17と、第2開
閉弁V2と、精留塔Dと、冷却器C3to,メタノール
回収塔Meと、リボイラBと,循環ポンプP3からなる
循環ラインとを備える。メタノール合成触媒は例えば、
60wt−%CuO,30wt−%ZnO,10wt−
%Al2O3からなるドライ型触媒、または米国特許
5,385,949号に開示されたようなスラリー型反
応槽用のメタノール合成触媒を利用しても良い。
【0014】 図2は図1のアークプラズマリアクタA
PRの具体的構造を示す。図2において、アークプラズ
マリアクタAPRは炭素原料投入装置12に接続された
アークプラズマ反応装置14と、多相交流電源16と、
冷却器H1とを備える。原料投入装置12は粉末状、ペ
レット状または塊状黒鉛、粒状活性炭、あるいはカーボ
ンパウダー等の固形状炭素原料を貯蔵するホッパ20
と、スクリュウフィーダ22と、ロータリバルブ24と
を備え、プラズマ反応装置14内に炭素原料を連続投入
する。プラズマ反応装置14は耐熱性のセラミックから
なる円筒状外部絶縁ケーシング26と、アークプラズマ
反応室34を備える内部絶縁ケーシング32とを備え、
その上端部にボルト30により装着された絶縁性電極ホ
ルダー28を備える。アークプラズマ反応室34内に粒
状炭素材が供給されると、多数の微小アーク通路35が
プラズマアーク反応室34内に形成され、微小アーク通
路内ではスパークによる多量の微小プラズマアークがプ
ラズマアーク反応室内35内に均一に発生する。このと
き、原料水はプラズマアーク反応室35の上流側で高温
により水蒸気となり、この水蒸気が微小アーク通路を通
過する間に炭素材の炭素と接触反応して前述の反応式の
如く合成ガスが生成される。
PRの具体的構造を示す。図2において、アークプラズ
マリアクタAPRは炭素原料投入装置12に接続された
アークプラズマ反応装置14と、多相交流電源16と、
冷却器H1とを備える。原料投入装置12は粉末状、ペ
レット状または塊状黒鉛、粒状活性炭、あるいはカーボ
ンパウダー等の固形状炭素原料を貯蔵するホッパ20
と、スクリュウフィーダ22と、ロータリバルブ24と
を備え、プラズマ反応装置14内に炭素原料を連続投入
する。プラズマ反応装置14は耐熱性のセラミックから
なる円筒状外部絶縁ケーシング26と、アークプラズマ
反応室34を備える内部絶縁ケーシング32とを備え、
その上端部にボルト30により装着された絶縁性電極ホ
ルダー28を備える。アークプラズマ反応室34内に粒
状炭素材が供給されると、多数の微小アーク通路35が
プラズマアーク反応室34内に形成され、微小アーク通
路内ではスパークによる多量の微小プラズマアークがプ
ラズマアーク反応室内35内に均一に発生する。このと
き、原料水はプラズマアーク反応室35の上流側で高温
により水蒸気となり、この水蒸気が微小アーク通路を通
過する間に炭素材の炭素と接触反応して前述の反応式の
如く合成ガスが生成される。
【0015】 絶縁ホルダー28は棒状多相交流電極3
6、38、40を支持する。絶縁ケーシング32の下部
にはアーク発生用熱電子を放出するための円板状接地電
極42が配置される。内部絶縁ケーシング32の内部に
円筒状アークプラズマ反応室34が形成される。接地電
極42は絶縁ケーシング26の下端部に形成された電極
ホルダー78により支持され、ボルト80で固定され
る。電極ホルダー28は炭素原料投入装置12に接続さ
れた炭素材供給口50を備える。絶縁ケーシング26の
上部には原料水または水蒸気を導入するための原料水供
給口52がアーク電極36、38、40の上部付近に隣
接して配置される。その理由は、原料水または水蒸気に
よってアーク電極を効果的に冷却してアーク電極の異常
温度上昇を防止するためである。内部ケーシング32の
外周にはスパイラル状冷却通路54からなる冷却部63
が形成され、これら冷却通路は連通路64により互いに
連通している。絶縁ケーシング26はインレット74お
よびアウトレット76を備え、これらはそれぞれ冷却通
路54にそれぞれ連通している。絶縁ケーシング26の
下端部を構成するフランジ部78にはボルト80を介し
てエンドプレート82が固定され、これらの間にシール
材83が配置される。アークプラズマ反応室41の下端
部には0.2乃至0.5μmの平均開口を有するフイル
タ84がエンドプレート82により支持されている。エ
ンドプレート82は合成ガスアウトレット86を備え
る。
6、38、40を支持する。絶縁ケーシング32の下部
にはアーク発生用熱電子を放出するための円板状接地電
極42が配置される。内部絶縁ケーシング32の内部に
円筒状アークプラズマ反応室34が形成される。接地電
極42は絶縁ケーシング26の下端部に形成された電極
ホルダー78により支持され、ボルト80で固定され
る。電極ホルダー28は炭素原料投入装置12に接続さ
れた炭素材供給口50を備える。絶縁ケーシング26の
上部には原料水または水蒸気を導入するための原料水供
給口52がアーク電極36、38、40の上部付近に隣
接して配置される。その理由は、原料水または水蒸気に
よってアーク電極を効果的に冷却してアーク電極の異常
温度上昇を防止するためである。内部ケーシング32の
外周にはスパイラル状冷却通路54からなる冷却部63
が形成され、これら冷却通路は連通路64により互いに
連通している。絶縁ケーシング26はインレット74お
よびアウトレット76を備え、これらはそれぞれ冷却通
路54にそれぞれ連通している。絶縁ケーシング26の
下端部を構成するフランジ部78にはボルト80を介し
てエンドプレート82が固定され、これらの間にシール
材83が配置される。アークプラズマ反応室41の下端
部には0.2乃至0.5μmの平均開口を有するフイル
タ84がエンドプレート82により支持されている。エ
ンドプレート82は合成ガスアウトレット86を備え
る。
【0016】 アウトレット87はバイパスバルブBV
を介して原料水供給口52に接続される。原料水H2O
は冷却器H1で合成ガスを冷却した後、冷却部63で予
熱されてアウトレット76を経て管路128から原料水
供給口52を介して、アークプラズマ反応室34内に水
または水蒸気の状態で導入される。このとき、合成ガス
SGの一部は管路129を経て原料水供給口52からプ
ラズマアーク反応室34内に供給され、水性シフト反応
が行われる。符号136はシール部材を示す。
を介して原料水供給口52に接続される。原料水H2O
は冷却器H1で合成ガスを冷却した後、冷却部63で予
熱されてアウトレット76を経て管路128から原料水
供給口52を介して、アークプラズマ反応室34内に水
または水蒸気の状態で導入される。このとき、合成ガス
SGの一部は管路129を経て原料水供給口52からプ
ラズマアーク反応室34内に供給され、水性シフト反応
が行われる。符号136はシール部材を示す。
【0017】 三相交流電極36、38、40は三相交
流電源16に接続され、この中性点に接地電極42が接
続される。三相交流電源からなるプラズマ電源16から
三相交流電極36、38、40と中性電極42との間
に、出力周波数50−60Hz、出力電圧30−150
V,出力電流100−200Aの三相交流電力が給電さ
れる。このとき、三相交流電極36、38、40のう
ち、2つの電極と3つの電極から交互に中性電極42に
電流が流れ、炭素原料の隙間にスパークによるアークプ
ラズマが発生する。三相交流電流の位相に応じて、プラ
ズマアークの発生位置が連続的に変化し、炭素原料の隙
間には常時多量の電離イオンが存在し、接地電極42か
らは常時熱電子が放出されるため、プラズマアークが常
に安定して発生する。
流電源16に接続され、この中性点に接地電極42が接
続される。三相交流電源からなるプラズマ電源16から
三相交流電極36、38、40と中性電極42との間
に、出力周波数50−60Hz、出力電圧30−150
V,出力電流100−200Aの三相交流電力が給電さ
れる。このとき、三相交流電極36、38、40のう
ち、2つの電極と3つの電極から交互に中性電極42に
電流が流れ、炭素原料の隙間にスパークによるアークプ
ラズマが発生する。三相交流電流の位相に応じて、プラ
ズマアークの発生位置が連続的に変化し、炭素原料の隙
間には常時多量の電離イオンが存在し、接地電極42か
らは常時熱電子が放出されるため、プラズマアークが常
に安定して発生する。
【0018】 図1、図2に基いて、本発明による望ま
しい実施例によるメタノールの製造法につき、以下の通
り説明する。
しい実施例によるメタノールの製造法につき、以下の通
り説明する。
【0019】 ステップ1(以下、STと略す): 原
料水供給口52と合成ガス取出口86とを有する絶縁ケ
ーシング32と、絶縁ケーシング内に形成されたアーク
プラズマ反応室34と、アークプラズマ反応室に配置さ
れた多相交流電極36、38、40、42とを備えたア
ークプラズマリアクタAPRを準備する。
料水供給口52と合成ガス取出口86とを有する絶縁ケ
ーシング32と、絶縁ケーシング内に形成されたアーク
プラズマ反応室34と、アークプラズマ反応室に配置さ
れた多相交流電極36、38、40、42とを備えたア
ークプラズマリアクタAPRを準備する。
【0020】 ST2: アークプラズマ反応室内34
に炭素材を充填して炭素材の隙間に微小アーク通路35
を形成する。
に炭素材を充填して炭素材の隙間に微小アーク通路35
を形成する。
【0021】 ST3: アーク電極36、38、4
0、42に多相交流電力を供給して微小アーク通路内3
5内に1300℃〜2300℃の微小アークプラズマを
発生させる。
0、42に多相交流電力を供給して微小アーク通路内3
5内に1300℃〜2300℃の微小アークプラズマを
発生させる。
【0022】 ST4: 原料水供給口52から原料水
または水蒸気H2Oを微小アーク通路35内に通過させ
てアークプラズマの存在下で水蒸気と炭素材の炭素とを
高温下で接触反応させ、前述の反応式(1)、(2)の
如く水素および一酸化炭素を含む合成ガスを生成する。
または水蒸気H2Oを微小アーク通路35内に通過させ
てアークプラズマの存在下で水蒸気と炭素材の炭素とを
高温下で接触反応させ、前述の反応式(1)、(2)の
如く水素および一酸化炭素を含む合成ガスを生成する。
【0023】 ST5: 合成ガス取出口86から合成
ガスを取出して冷却器H1で合成ガスを冷却する。
ガスを取出して冷却器H1で合成ガスを冷却する。
【0024】 ST6: メタノール合成反応槽MRの
メタノール合成触媒CATに合成ガスを導入して、上記
反応式により、合成ガスから租メタノールRMoを合成
する。
メタノール合成触媒CATに合成ガスを導入して、上記
反応式により、合成ガスから租メタノールRMoを合成
する。
【0025】 ST7: 第2熱交換器H2および冷却
器C2により、租メタノールRMoを冷却し、租メタノ
ールを気水分離器S2で回収して、租メタノールRM1
から未反応合成ガスFG1を分離する。
器C2により、租メタノールRMoを冷却し、租メタノ
ールを気水分離器S2で回収して、租メタノールRM1
から未反応合成ガスFG1を分離する。
【0026】 ST8: 租メタノールRM1をポンプ
P2で、第2開閉弁V2を介して精留塔Dに供給し、こ
こでメタノールを蒸発させてこれを冷却器C3で冷却し
てメタノール回収塔Meで高純度メタノールMeOHを
回収する。精留塔Dの温度はリボイラBでメタノールの
沸点以上に維持される。
P2で、第2開閉弁V2を介して精留塔Dに供給し、こ
こでメタノールを蒸発させてこれを冷却器C3で冷却し
てメタノール回収塔Meで高純度メタノールMeOHを
回収する。精留塔Dの温度はリボイラBでメタノールの
沸点以上に維持される。
【0027】 ST9: 分離回収した未反応合成ガス
をライン17を介してコンプレッサCoに循環する。な
を、精留塔Dの下部から取出した生成水はリサイクル原
料として循環ポンプP3を経て循環ライン15に合流さ
れ、アークプラズマリアクタAPRに循環される。
をライン17を介してコンプレッサCoに循環する。な
を、精留塔Dの下部から取出した生成水はリサイクル原
料として循環ポンプP3を経て循環ライン15に合流さ
れ、アークプラズマリアクタAPRに循環される。
【0028】 次に、図1のメタノール製造装置10の
作用につき説明する。図1において、先ず、スクリュウ
フイーダ22およびロータリバルブ24を駆動して、ア
ークプラズマリアクタAPR内に粒状活性炭等の炭素材
を所定レベルまで充填する。そのとき、ロータリバルブ
24およびスクリュウフイーダ22を停止する。次に、
原料水供給ポンプP1を駆動するとともに、プラズマア
ークリアクタAPRのアーク電極に三相交流電力を供給
する。この時、原料水供給口52からアークプラズマ反
応室に供給された原料水はその上流付近で高温により水
蒸気に変換されて多量の微小流に分割されて多量の微小
アーク通路内に流入し、水蒸気の微小流はアークプラズ
マ反応室の上流から下流にかけて通過する。この状態に
おいて、前述したように、合成ガスSGが生成され、ア
ウトレット86から第1冷却器H1で冷却され、次い
で、水冷式の冷却器C1で60°から90℃まで冷却さ
れ、開閉弁V1を介して気水分離器S1で合成ガスSG
から水分が凝縮水13として分離される。凝縮水13は
原料水に混合されて第1熱交換器H1及びアークプラズ
マリアクタAPRの冷却部63で余熱された後、原料水
供給口52に給送される。一方、合成ガスSGはコンプ
レッサCMで20〜120Kg/cm2まで加圧された
後、メタノール反応槽MRに導入される。この反応槽M
Rは冷却水CWで220°〜280℃に維持される。租
メタノールRMoは第2熱交換器H2および冷却器C2
で冷却され、気水分離器S2で祖メタノールRM1と未
反応合成ガスとに分離回収される。未反応合成ガスはラ
イン17を介してコンプレッサCMを経てメタノール反
応槽MRに循環される。租メタノールRM1は開閉弁V
2を介して精留塔Dに給送され、そこで高純度メタノー
ルMeOHと生成水H2Oと分離される。このとき、生
成水はポンプP3を介して循環ライン15に合流され、
原料水と混合して再利用される。
作用につき説明する。図1において、先ず、スクリュウ
フイーダ22およびロータリバルブ24を駆動して、ア
ークプラズマリアクタAPR内に粒状活性炭等の炭素材
を所定レベルまで充填する。そのとき、ロータリバルブ
24およびスクリュウフイーダ22を停止する。次に、
原料水供給ポンプP1を駆動するとともに、プラズマア
ークリアクタAPRのアーク電極に三相交流電力を供給
する。この時、原料水供給口52からアークプラズマ反
応室に供給された原料水はその上流付近で高温により水
蒸気に変換されて多量の微小流に分割されて多量の微小
アーク通路内に流入し、水蒸気の微小流はアークプラズ
マ反応室の上流から下流にかけて通過する。この状態に
おいて、前述したように、合成ガスSGが生成され、ア
ウトレット86から第1冷却器H1で冷却され、次い
で、水冷式の冷却器C1で60°から90℃まで冷却さ
れ、開閉弁V1を介して気水分離器S1で合成ガスSG
から水分が凝縮水13として分離される。凝縮水13は
原料水に混合されて第1熱交換器H1及びアークプラズ
マリアクタAPRの冷却部63で余熱された後、原料水
供給口52に給送される。一方、合成ガスSGはコンプ
レッサCMで20〜120Kg/cm2まで加圧された
後、メタノール反応槽MRに導入される。この反応槽M
Rは冷却水CWで220°〜280℃に維持される。租
メタノールRMoは第2熱交換器H2および冷却器C2
で冷却され、気水分離器S2で祖メタノールRM1と未
反応合成ガスとに分離回収される。未反応合成ガスはラ
イン17を介してコンプレッサCMを経てメタノール反
応槽MRに循環される。租メタノールRM1は開閉弁V
2を介して精留塔Dに給送され、そこで高純度メタノー
ルMeOHと生成水H2Oと分離される。このとき、生
成水はポンプP3を介して循環ライン15に合流され、
原料水と混合して再利用される。
【0029】 上記実施例において、三相交流電極もし
くは絶縁ケーシングに温度センサを装着して温度信号を
発生させ、コンピュータに記憶させた最適基準温度信号
と比較してインバータからなる三相交流電源の出力周波
数を所定レベルに制御することによりアークプラズマ反
応室内の作動温度を常時安定したレベルに維持するよう
にしてもよい。また、原料水供給ポンプP1にインバー
タを介して電力を供給し、リサイクル原料水の供給量に
応じてインバータの出力周波数を自動的に制御しても良
い。
くは絶縁ケーシングに温度センサを装着して温度信号を
発生させ、コンピュータに記憶させた最適基準温度信号
と比較してインバータからなる三相交流電源の出力周波
数を所定レベルに制御することによりアークプラズマ反
応室内の作動温度を常時安定したレベルに維持するよう
にしてもよい。また、原料水供給ポンプP1にインバー
タを介して電力を供給し、リサイクル原料水の供給量に
応じてインバータの出力周波数を自動的に制御しても良
い。
【0030】 本発明のメタノール製造法およびその装
置によれば、前述の従来技術に対して次のような特長を
そなえる。 (1)メタノール原料が極めて安価な水と安価な炭素材
とを利用するため、原料コストを大幅に低減して、メタ
ノールの大幅コストダウンが可能となる。 (2)小型高性能のアークプラズマリアクタを用いて、
大量の合成ガスを生成するようにしたため、メタノール
の生産効率が高い。 (3)炭素材は全て合成ガス生成用にのみ利用され、改
質器の燃焼用燃料として利用されないため、原料の利用
効率が極めて高い。 (4)アークプラズマリアクタは従来の燃焼方式の改質
器よりも、高温の作動温度(1300°〜2300℃)
となるため、炭素材と水との利用効率が高まるととも
に、リアクタ反応湿内の作動温度により、合成ガス中の
H2/Co比率を変えられるため、メタノール製造プラ
ントの運転制御の最適化が容易となる。 (5)従来方式では定期的に合成ガス生成プロセスを中
断して空気を改質器に供給して炭化水素燃料を燃焼させ
る複雑なプロセスが必要であるが、本発明方法及び装置
ではこれらの複雑な工程が不要なため、メタノール製造
プラントの運転制御が極めて簡略化され、運転コストも
大幅コストダウンが可能となる。 (6)従来技術においては、改質器が燃焼方式を採用し
ているため、改質器の作動温度をメタノール製造プラン
トの運転状況に応じて高速応答で制御することが困難で
あるのに対して、本発明ではアーク電極への供給電圧を
変化させるだけで改質器の温度を瞬時制御することが可
能なため、改質器の温度応答性が高く、効率的なメタノ
ールの大量生産が可能となる。 (7)従来技術ではメタノール精製時に発生する水を装
置外部に廃棄しているため、環境負荷が高くなり,その
分、環境対策費がメタノールのコストアップ要因とな
る。本発明では、メタノール精製時に副生する水を原料
としてリサイクルしているため、環境負荷が極めて低
い。 (8)従来の燃焼方式を採用した改質工程ではメタノー
ル製造プラントの立ち上げや運転停止に長時間が必要で
あるが、本発明の方式では、アーク電極への電力供給遮
断とポンプの電源オフのみでメタノール製造プラントの
立ち上げ並びに運転停止を瞬時に実行することが可能で
あり、特に、地震その他の緊急対策時に極めて安全とな
り、周辺住民への安全対策上有利である。 (9)従来方式では製造設備が全体的に極めて大型とな
り、運転コストも高いため、製造プラントへの投資額が
極めて大きくなり、そのため、投資回収が困難となる。
これに対して、本発明の製造装置は小型、コンパクト、
高性能であり、しかも、製造プロセスが簡略化されるた
め、投資回収を短期間にできる。
置によれば、前述の従来技術に対して次のような特長を
そなえる。 (1)メタノール原料が極めて安価な水と安価な炭素材
とを利用するため、原料コストを大幅に低減して、メタ
ノールの大幅コストダウンが可能となる。 (2)小型高性能のアークプラズマリアクタを用いて、
大量の合成ガスを生成するようにしたため、メタノール
の生産効率が高い。 (3)炭素材は全て合成ガス生成用にのみ利用され、改
質器の燃焼用燃料として利用されないため、原料の利用
効率が極めて高い。 (4)アークプラズマリアクタは従来の燃焼方式の改質
器よりも、高温の作動温度(1300°〜2300℃)
となるため、炭素材と水との利用効率が高まるととも
に、リアクタ反応湿内の作動温度により、合成ガス中の
H2/Co比率を変えられるため、メタノール製造プラ
ントの運転制御の最適化が容易となる。 (5)従来方式では定期的に合成ガス生成プロセスを中
断して空気を改質器に供給して炭化水素燃料を燃焼させ
る複雑なプロセスが必要であるが、本発明方法及び装置
ではこれらの複雑な工程が不要なため、メタノール製造
プラントの運転制御が極めて簡略化され、運転コストも
大幅コストダウンが可能となる。 (6)従来技術においては、改質器が燃焼方式を採用し
ているため、改質器の作動温度をメタノール製造プラン
トの運転状況に応じて高速応答で制御することが困難で
あるのに対して、本発明ではアーク電極への供給電圧を
変化させるだけで改質器の温度を瞬時制御することが可
能なため、改質器の温度応答性が高く、効率的なメタノ
ールの大量生産が可能となる。 (7)従来技術ではメタノール精製時に発生する水を装
置外部に廃棄しているため、環境負荷が高くなり,その
分、環境対策費がメタノールのコストアップ要因とな
る。本発明では、メタノール精製時に副生する水を原料
としてリサイクルしているため、環境負荷が極めて低
い。 (8)従来の燃焼方式を採用した改質工程ではメタノー
ル製造プラントの立ち上げや運転停止に長時間が必要で
あるが、本発明の方式では、アーク電極への電力供給遮
断とポンプの電源オフのみでメタノール製造プラントの
立ち上げ並びに運転停止を瞬時に実行することが可能で
あり、特に、地震その他の緊急対策時に極めて安全とな
り、周辺住民への安全対策上有利である。 (9)従来方式では製造設備が全体的に極めて大型とな
り、運転コストも高いため、製造プラントへの投資額が
極めて大きくなり、そのため、投資回収が困難となる。
これに対して、本発明の製造装置は小型、コンパクト、
高性能であり、しかも、製造プロセスが簡略化されるた
め、投資回収を短期間にできる。
【0031】 上記実施例において、アークプラズマリ
アクタは原料水を上流から供給して合成ガスを下流に設
けた合成ガスアウトレットから取出すものとして説明し
たが、炭素材の種類によってスラグの発生量が多いとき
は原料水供給口をリアクタの下流側に設け、合成ガスア
ウトレットをリアクタの上流に設けてサイクロンでスラ
グと合成ガスを分離するようにしても良い。また、プラ
ズマアークリアクタは棒状の三相交流電極を利用したも
のとして説明したが、三相交流電極を軸方向に間隔を置
いて配置された円筒状電極とその中央部に配置された棒
状接地電極により構成しても良い。
アクタは原料水を上流から供給して合成ガスを下流に設
けた合成ガスアウトレットから取出すものとして説明し
たが、炭素材の種類によってスラグの発生量が多いとき
は原料水供給口をリアクタの下流側に設け、合成ガスア
ウトレットをリアクタの上流に設けてサイクロンでスラ
グと合成ガスを分離するようにしても良い。また、プラ
ズマアークリアクタは棒状の三相交流電極を利用したも
のとして説明したが、三相交流電極を軸方向に間隔を置
いて配置された円筒状電極とその中央部に配置された棒
状接地電極により構成しても良い。
【0032】
【発明の効果】 以上より、明らかなように、本発明の
メタノール製造法およびメタノール製造装置によれば、
きわめて安価な原料の利用を可能にして極めて低コスト
でメタノールの大量生産が可能であり、実用上の貢献度
が極めて高い。しかも、本発明によれば、排水等の有害
物質の排出がないため、環境負荷が極めて少ない。さら
に、メタノールの原料となる水と炭素材は極めて長期に
わたって調達が可能なため、メタノールを低コストで長
期にわたって安定供給が可能となり、エネルギー戦略上
有利となる。また、本発明装置は小型、コンパクト、高
性能であるため、消費地に隣接して、メタノール製造プ
ラントを設置することが可能となり、輸送コストの大幅
低減が可能となる。
メタノール製造法およびメタノール製造装置によれば、
きわめて安価な原料の利用を可能にして極めて低コスト
でメタノールの大量生産が可能であり、実用上の貢献度
が極めて高い。しかも、本発明によれば、排水等の有害
物質の排出がないため、環境負荷が極めて少ない。さら
に、メタノールの原料となる水と炭素材は極めて長期に
わたって調達が可能なため、メタノールを低コストで長
期にわたって安定供給が可能となり、エネルギー戦略上
有利となる。また、本発明装置は小型、コンパクト、高
性能であるため、消費地に隣接して、メタノール製造プ
ラントを設置することが可能となり、輸送コストの大幅
低減が可能となる。
【図1】本発明に係る望ましい実施例によるメタノール
合成装置の概略図を示す。
合成装置の概略図を示す。
【図2】図1のアークプラズマリアクタの断面図を示
す。
す。
12 炭素材投入装置、24 ロータリバルブ、APR
アークプラズマリアクタ、H1 第1熱交換器、S
気水分離器、CM コンプレッサ、MR メタノール合
成槽、H2 第2熱交換器、S2 第2気水分離器、P
1 原料水供給ポンプ、V2 減圧弁、D 精留塔、P
2 給送ポンプ、P3 循環ポンプ
アークプラズマリアクタ、H1 第1熱交換器、S
気水分離器、CM コンプレッサ、MR メタノール合
成槽、H2 第2熱交換器、S2 第2気水分離器、P
1 原料水供給ポンプ、V2 減圧弁、D 精留塔、P
2 給送ポンプ、P3 循環ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10J 3/02 C10J 3/02 M C07C 29/151 C07C 29/151 31/04 31/04
Claims (11)
- 【請求項1】 原料水供給口と合成ガス取出口とを有す
る絶縁ケーシングと、絶縁ケーシング内に形成されたア
ークプラズマ反応室と、アークプラズマ反応室に配置さ
れたアーク電極とを備えたアークプラズマリアクタを準
備する工程と;アークプラズマ反応室内に固形状炭素材
を充填して固形状炭素材の隙間に微小アーク通路を形成
する工程と;アーク電極にアーク発生電力を供給して微
小アーク通路内にアークプラズマを発生させる工程と;
原料水供給口から原料水または水蒸気を微小アーク通路
内に通過させてアークプラズマの存在下で水蒸気と炭素
材の炭素とを接触反応させ、水素および一酸化炭素を含
む合成ガスを生成する工程と;合成ガス取出口から合成
ガスを取出して合成ガスを冷却する工程と;メタノール
合成反応槽に合成ガスを導入してメタノール触媒と接触
させてメタノールを合成する工程と;からなるメタノー
ルの製造法。 - 【請求項2】 請求項1において、合成ガスを冷却して
合成ガス中の水分を凝縮水として分離回収する工程と、
合成ガスを加圧してメタノール合成反応槽に供給する工
程とをさらに備えるメタノールの製造法。 - 【請求項3】 請求項1において、合成ガスの一部をア
ークプラズマリアクタの原料水供給口に循環させてアー
クプラズマ反応室内の水蒸気に合成ガスを添加すること
により合成ガス中の水素比率を調整する工程をさらに備
えるメタノールの製造法。 - 【請求項4】 請求項2において、凝縮水を原料水供給
口に循環させる工程をさらに備えるメタノールの製造
法。 - 【請求項5】 請求項1において、アークプラズマリア
クタがアークプラズマ反応室の外周に配置された冷却部
を備え、原料水が冷却部で余熱される工程をさらに備え
るメタノールの製造法。 - 【請求項6】 請求項1において、メタノールを精留塔
で高純度メタノールと生成水とに分離する工程と、生成
水を原料としてアークプラズマリアクタに循環する工程
とを備えるメタノールの製造法。 - 【請求項7】 請求項1において、アーク電極が絶縁ケ
ーシングにより支持された三相交流電極と、三相交流電
極から間隔を置いて配置された接地電極とを備え、三相
電極と接地電極との間で同時に複数のアークプラズマが
発生することを特徴とするメタノールの製造方法。 - 【請求項8】 固形状炭素材原料投入口と、原料水供給
口と、合成ガス用アウトレットとを有する絶縁ケーシン
グと、絶縁ケーシング内に形成されたアークプラズマ反
応室と、アークプラズマ反応装置に配置されたアーク電
極と、アークプラズマ反応装置内に充填された固形状炭
素材の隙間に形成された微小アーク通路とを有するアー
クプラズマリアクタと;原料水を原料水投入口に供給す
る原料水供給ポンプと;固形状炭素材を炭素材原料投入
口に供給する固形状炭素材供給装置と;アーク電極にア
ーク発生電力を供給して微小アーク通路内にアークプラ
ズマを発生させて、微小アーク通路内で水蒸気と炭素材
とを接触反応させ、合成ガスを生成するプラズマ電源
と;アークプラズマリアクタに接続されて合成ガスから
メタノールを合成するメタノール合成反応槽と;を備え
るメタノール製造装置。 - 【請求項9】 請求項8において、さらに合成ガスを冷
却する冷却装置と、冷却装置とメタノール合成反応槽と
の間に配置されて合成ガスを加圧するコンプレッサを備
えるメタノール製造装置。 - 【請求項10】 請求項8または9において、アーク電
極が絶縁ケーシングにより支持された三相交流電極と、
三相交流から間隔をおいて配置された接地電極とを備え
るメタノール製造装置。 - 【請求項11】 請求項8または9において、さらに、
メタノール合成槽に接続されて高純度メタノールと生成
水とに分離する精留塔と、生成水をアークプラズマリア
クタにリサイクル原料として循環させる循環ラインとを
備えるメタノール製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001059203A JP2002226870A (ja) | 2001-01-29 | 2001-01-29 | メタノールの製造法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001059203A JP2002226870A (ja) | 2001-01-29 | 2001-01-29 | メタノールの製造法およびその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002226870A true JP2002226870A (ja) | 2002-08-14 |
Family
ID=18918802
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001059203A Pending JP2002226870A (ja) | 2001-01-29 | 2001-01-29 | メタノールの製造法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002226870A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006016587A1 (ja) * | 2004-08-11 | 2006-02-16 | Japan Gas Synthesize, Ltd. | 液化石油ガスの製造方法 |
JP2007016185A (ja) * | 2005-07-11 | 2007-01-25 | Takuma Co Ltd | 被処理物ガス化システムと被処理物ガス化方法 |
JP2014529585A (ja) * | 2011-08-04 | 2014-11-13 | カニンガム,スティーブン,エル. | プラズマアーク炉および応用 |
US10066275B2 (en) | 2014-05-09 | 2018-09-04 | Stephen L. Cunningham | Arc furnace smeltering system and method |
WO2021186658A1 (ja) * | 2020-03-19 | 2021-09-23 | 株式会社日立製作所 | メタノール製造システム及びメタノール製造方法 |
-
2001
- 2001-01-29 JP JP2001059203A patent/JP2002226870A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP4833070B2 (ja) * | 2004-08-11 | 2011-12-07 | 日本ガス合成株式会社 | 液化石油ガスの製造方法 |
JP2007016185A (ja) * | 2005-07-11 | 2007-01-25 | Takuma Co Ltd | 被処理物ガス化システムと被処理物ガス化方法 |
JP4651014B2 (ja) * | 2005-07-11 | 2011-03-16 | 株式会社タクマ | 被処理物ガス化システムと被処理物ガス化方法 |
JP2014529585A (ja) * | 2011-08-04 | 2014-11-13 | カニンガム,スティーブン,エル. | プラズマアーク炉および応用 |
US9604892B2 (en) | 2011-08-04 | 2017-03-28 | Stephen L. Cunningham | Plasma ARC furnace with supercritical CO2 heat recovery |
US10066275B2 (en) | 2014-05-09 | 2018-09-04 | Stephen L. Cunningham | Arc furnace smeltering system and method |
WO2021186658A1 (ja) * | 2020-03-19 | 2021-09-23 | 株式会社日立製作所 | メタノール製造システム及びメタノール製造方法 |
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