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JP2002212894A - 芳香族ポリアミド繊維紙 - Google Patents

芳香族ポリアミド繊維紙

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Publication number
JP2002212894A
JP2002212894A JP2001003673A JP2001003673A JP2002212894A JP 2002212894 A JP2002212894 A JP 2002212894A JP 2001003673 A JP2001003673 A JP 2001003673A JP 2001003673 A JP2001003673 A JP 2001003673A JP 2002212894 A JP2002212894 A JP 2002212894A
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JP
Japan
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aromatic polyamide
paper
fiber
pulp
fiber paper
Prior art date
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Pending
Application number
JP2001003673A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Onozawa
雄一 小野澤
Sadamitsu Murayama
定光 村山
Yukikage Matsui
亨景 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2001003673A priority Critical patent/JP2002212894A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性及び高湿度下における電気絶縁性に優
れ、特に電気回路用積層物の基材として好適で、従来の
芳香族ポリアミド繊維紙における前記の問題点、とりわ
け信頼性に関する特性として、不純イオン量及び吸水率
の低下を図り、高湿度下における電気絶縁性不良の問題
が解消される上、電気・電子部品との接着性が向上され
る新規な芳香族ポリアミド繊維紙を提供すること。 【解決手段】 紙の全重量に対して40〜97重量%の
芳香族ポリアミド短繊維と紙の全重量に対して3〜60
重量%の芳香族ポリアミドパルプとを主成分とする芳香
族ポリアミド繊維紙であって、該芳香族ポリアミドパル
プが、芳香族ポリアミドのドープに叩解作用により剪断
力を与え、沈澱剤により凝固せしめることにより得られ
る湿式芳香族ポリアミドパルプからなり、且つ無機鉱物
を含有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ポリアミド
繊維紙に関するものであり、さらに詳しくは、耐熱性及
び高湿下における電気絶縁抵抗性に優れ、特に、電気回
路板用積層物を製造するために使用する芳香族ポリアミ
ド繊維紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気回路板用積層物に使用される基材に
は、耐熱性や耐熱寸法安定性、耐湿寸法安定性、電気絶
縁性、耐変形性(捩じれ、反り、波打ちなどを生じ難い
こと)、軽量性、且つ、信頼性に関わる不純物イオン量
及び吸水率のさらなる減少などの諸特性が要求される。
芳香族ポリアミド繊維紙は、他素材からなる紙基材に比
べて、耐熱性、電気絶縁性、耐熱寸法安定性、軽量性な
どの点で優れているため、最近では、電気回路板用積層
物の基材に活用されつつある。
【0003】例えば、ポリメタフェニレンイソフタルア
ミド短繊維(帝人(株)製「コーネックス」)とポリメ
タフェニレンイソフタルアミドパルプ(フィブリッド)
からなる紙;「電気絶縁紙」(特開平2−236907
号公報、特開平4−6708号公報など)、ポリパラフ
ェニレンテレフタルアミド短繊維(デュポン(株)製
「ケブラー」)やコポリパラフェニレン・3,4’−オ
キシジフェニレン・テレフタルアミド短繊維(帝人
(株)製「テクノーラ」)と有機系樹脂バインダーから
なる芳香族ポリアミド繊維紙;「樹脂含浸シート」(特
開平1−92233号公報)や「芳香族ポリアミド繊維
紙の製造方法」(特開平2−47392号公報)などが
提案されている。
【0004】しかし、前者の2件の繊維紙は耐熱性に優
れるものの、250℃以上の高温で熱処理されると収縮
して寸法変化を生じるばかりでなく、繊維の平衡水分率
(含水率)が高く、且つ、不純イオンの含有量も多いの
で、特に長期間高湿度下で保持された場合における電気
絶縁性に劣るため、高度な信頼性が要求される電気絶縁
用基材には使用することができない。
【0005】一方、後者の繊維紙も、繊維の平衡水分率
及び不純イオンの含有量の点では前者のものに比べて優
れているものの、有機系樹脂をバインダー成分として使
用しているため、やはり不純イオン含有量及び吸水率が
高くなり高度の信頼性が要求される電気絶縁用基材とし
て使用するのが難しい。
【0006】さらに、バインダー成分として有機系樹脂
を用いる代わりにメタ型芳香族ポリアミドフィブリッド
を用いて、パラ型芳香族ポリアミド短繊維(例えば、デ
ュポン(株)製「ケブラー」)とフィブリッド化された
パラ型芳香族ポリアミドの微小繊維(例えば、デュポン
(株)製「ケブラー」)とを結合せしめた繊維紙;「高
密度パラアラミド紙」(特開昭61−160500号公
報)が提案されている。
【0007】この紙は、耐熱性や耐熱寸法安定性、耐湿
寸法安定性、耐変形性(捩じれ、反り、波打ちなどを生
じ難いこと)などの特性には優れているものの、有機系
樹脂バインダーの代わりに使用するメタ型芳香族ポリア
ミドフィブリッドの製法上、やはり平衡水分率や不純イ
オンの含有量が高く、特に高湿度下での電気絶縁性に問
題があり、この改良が強く望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性及び
高湿度下における電気絶縁性に優れ、特に電気回路用積
層物の基材として好適で、従来の芳香族ポリアミド繊維
紙における前記の問題点、とりわけ信頼性に関する特性
として、不純イオン量及び吸水率の低下を図り、高湿度
下における電気絶縁性不良の問題が解消される上、電気
・電子部品との接着性が向上される新規な芳香族ポリア
ミド繊維紙を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記のよ
うな従来技術の有する問題を解決するため鋭意検討した
結果、不純イオン含有量が少なく、また、平衡水分率が
小さく、且つ、耐熱性と耐熱寸法安定性にも優れるパラ
型芳香族ポリアミド短繊維に、芳香族ポリアミドのドー
プに叩解作用により剪断力を加え、沈澱剤により凝固化
され、且つ無機鉱物を含有している湿式芳香族ポリアミ
ドパルプをバインダー成分として混合し均一分散した芳
香族ポリアミド繊維紙を製造するとき、バインダー成分
の偏在がなくなって紙の均一性が向上し、得られる電気
回路板用積層物の高温高湿下における寸法安定性が向上
し、製造工程における変形量も少なくなり、とりわけ吸
水率が従来の芳香族ポリアミド繊維紙に比べて少なく、
高湿下における電気絶縁性能が満足されることを究明
し、本発明に到ったものである。
【0010】かくして本発明によれば、紙の全重量に対
して40〜97重量%の芳香族ポリアミド短繊維と紙の
全重量に対して3〜60重量%の芳香族ポリアミドパル
プとを主成分とする芳香族ポリアミド繊維紙であって、
該芳香族ポリアミドパルプが、芳香族ポリアミドのドー
プに叩解作用により剪断力を与え、沈澱剤により凝固せ
しめることにより得られる湿式芳香族ポリアミドパルプ
からなり、且つ無機鉱物を含有していることを特徴とす
る芳香族ポリアミド繊維紙が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明における芳香族ポリアミド繊維紙と
は、芳香族ポリアミド短繊維及び湿式芳香族ポリアミド
パルプを含んでなる紙状物、不織布、若しくは、シート
状物を含むものであり、該湿式芳香族ポリアミドパルプ
としては、芳香族ポリアミドのドープに叩解作用により
剪断力を与え、沈澱剤により凝固せしめることにより得
たパルプを用いる。
【0013】このような芳香族ポリアミド短繊維や芳香
族ポリアミドのドープに使用するポリアミドは、該ポリ
アミドを構成する繰返し単位の80モル%以上、好まし
くは、90モル%以上が下記式(1)で表わされる芳香
族ホモポリアミド又は芳香族コポリアミドからなるもの
である。
【0014】
【化1】
【0015】ここで、Ar1、Ar2は芳香族基を表わ
し、なかでも下記式(2)から選ばれた同一の、又は、
相異なる芳香族基が好ましい。但し、芳香族基の水素原
子は、ハロゲン原子、低級アルキル基、フェニル基など
で置換されていてもよい。
【0016】
【化2】
【0017】このような芳香族ポリアミドの製造方法や
繊維特性については、例えば、英国特許第150194
8号公報、米国特許第3733964号公報、第376
7756号公報、第3869429号公報、日本国特許
の特開昭49−100322号公報、特公昭47−10
863号公報、特開昭58−144152号公報、特開
平4−65513号公報などに記載されている。
【0018】このような芳香族ポリアミドには、メタ型
芳香族ポリアミドからなるもの、又は、パラ型芳香族ポ
リアミドからなるもののいずれかがあるが、本発明にお
いてはパラ型芳香族ポリアミドが好ましく用いられ、こ
のようなパラ型芳香族ポリアミドからなる短繊維やドー
プは、前記の芳香族ポリアミドのうち、延鎖結合が共軸
又は平行であり且つ反対方向に向いているポリアミドか
らなるものであり、例えば、前記のAr1、Ar2の80
モル%以上が下記式(3)で表わされる芳香族基(A)
及び/又は(B)である芳香族ポリアミドからなるもの
が用いられる。特に、本発明に用いる湿式芳香族ポリア
ミドパルプを作成するドープには、コポリパラフェニレ
ン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド
のドープが最適に使用される。
【0019】
【化3】
【0020】また、前記の芳香族ポリアミド短繊維の具
体例としては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド短
繊維(デュポン(株)製「ケブラー」)、コポリパラフ
ェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタル
アミド短繊維(帝人(株)製「テクノーラ」)などが例
示され、特に後者は、その繊維の製法上、すなわち、製
糸の際に使用する溶媒に起因する不純イオンの含有量が
少なく電気絶縁性に優れているのでより好ましい。
【0021】さらに、該芳香族ポリアミド短繊維とし
て、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニ
レン・テレフタルアミド短繊維を使用し、その表面上に
固体状のカチオン変換性で且つ非イオン吸着性の無機化
合物が固着されているものは、配合ワニスの含浸性が向
上するため、電気回路板用積層物の製造工程における変
形量が少なくなり、また、得られる積層物の高湿下にお
ける電気絶縁性や寸法安定性がさらに向上するのでより
好ましい実施態様である。
【0022】ここでカチオン変換性で且つ非イオン吸着
性の無機化合物とは、カチオンとの交換能を有し、さら
に非イオンの吸着能をも有する化合物であり、具体例と
しては、シリカ・アルミナ、シリカ・マグネシア、カオ
リン、酸性白土、活性白土、タルク、ベントナイト、オ
スモス等があげられる。これらの化合物は、特に固体粒
子として繊維表面に固着されていると、接着補強効果が
さらに向上するので好ましい。該粒子の大きさ(粒子
径)としては、0.01〜5μm程度のものが用いられ
る。このように繊維表面に無機化合物を固着させるに
は、例えば、繊維表面が軟化した状態で該無機化合物粒
子を繊維表面に押し付けて繊維表面に食い込ませればよ
い。
【0023】また、該芳香族ポリアミド短繊維の単繊維
繊度は、通常、0.11〜11.1dtexの範囲のも
のが好ましく用いられ、さらに好ましくは0.33〜
5.56dtexの範囲のものがよい。該単繊維繊度が
0.11dtex未満では、製糸技術上困難な点が多
く、断糸や毛羽が発生して良好な品質の繊維を安定して
生産することが困難になるだけでなく、コストも高くな
るため好ましくない。一方、該単繊維繊度が11.1d
texを超えると、繊維の機械的物性、特に強度の低下
が大きくなり実用的でなくなる。なお、芳香族ポリアミ
ド短繊維は、その一部が機械的にフィブリル化されてい
てもよいが、その割合が多くなりすぎると配合ワニスの
含浸性が低下する等本発明の効果が得られなくなるの
で、出来るだけその割合は少なくすることが好ましい。
【0024】さらに、該芳香族ポリアミド短繊維の繊維
長は、0.5〜80mmの範囲のものが好ましく、さら
に好ましくは、1〜60mmの範囲のものであり、特
に、湿式法で紙を成形する場合においては、2〜12m
mの範囲のものが最適である。該繊維長が0.5mm未
満では、得られる芳香族ポリアミド繊維紙(繊維集合
体)の機械的物性が不充分なものとなり易く、一方、該
繊維長が80mmを超えると、短繊維の開繊性、分散性
等が悪化して得られる繊維集合体の均一性が損なわれ、
やはり機械的物性が不充分なものとなり易く好ましくな
い。
【0025】次に、芳香族ポリアミドパルプは、芳香族
ポリアミドのドープに叩解作用により剪断力を与え、沈
澱剤により凝固せしめることにより得られる湿式芳香族
ポリアミドパルプが用いられ、該芳香族ポリアミドのド
ープとしてコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジ
フェニレン・テレフタルアミドのドープが最適に使用さ
れる。
【0026】上記のコポリパラフェニレン・3,4’−
オキシジフェニレン・テレフタルアミドのドープは、コ
ポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・
テレフタルアミドを溶剤系に溶解させた溶液組成物(ド
ープ)であり、溶剤としては、N−メチル−2−ピロリ
ドン(以下、NMPという)、又は、これを主体とする
混合溶剤が使用され、これに塩化カルシウムを混合した
溶剤系として使用されることが好ましい。
【0027】このような芳香族ポリアミドの溶液組成物
の調製法の好適例としては、該芳香族ポリアミドのペレ
ット又は粉砕した微粉末の所定量及びNMPの所定量と
塩化カルシウムの所定量とを調製容器に入れて、30℃
以上沸点未満の温度、好ましくは約40〜80℃の温度
で、約20分〜2時間攪拌してポリマー(芳香族ポリア
ミド)を溶解することにより調製される。
【0028】本発明においては、例えば上記のコポリパ
ラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフ
タルアミドを溶剤系に溶解させた溶液組成物(ドープ)
に無機鉱物を混入したり、NMP、又は、これを主体と
する混合溶剤に無機鉱物を溶解して、無機鉱物を含有す
る湿式芳香族アラミドパルプを作製する。
【0029】ここで、無機鉱物とは、吸水率を低下させ
ることが可能な無機の鉱物を言い、具体的には、チタン
酸カリウム繊維などが好ましく例示される。
【0030】もちろん、このような芳香族ポリアミドや
NMPと塩化カルシウム(NMP/CaCl2)及び接
着性向上樹脂とを含む均一な溶液組成物に、更に必要に
応じて、例えば、安定剤、難燃剤、離型剤、着色剤、艶
消し剤、帯電防止剤、フィラー等の添加剤を含ませるこ
ともできる。
【0031】本発明において使用する湿式芳香族ポリア
ミドパルプは、例えば、前記の芳香族ポリアミド溶液組
成物を水を主成分とする沈澱剤(凝固浴液)中に滴下す
ることにより得られる。かかる沈澱剤としては、水単独
の使用の他に、他の沈澱剤を水に混合して使用すること
も可能である。また、該芳香族ポリアミド溶液組成物の
滴下に際しては、該沈澱剤を高速攪拌することにより、
滴下・導入した溶液組成物から脱溶媒して芳香族ポリア
ミドを凝固させると同時に叩解作用により剪断力を与え
るように操作して沈澱させ、水洗した後、脱水・乾燥し
て湿式芳香族ポリアミドパルプを得ることが出来る。
【0032】また、該湿式芳香族ポリアミドパルプに
は、主として前記のコポリパラフェニレン・3,4’−
オキシジフェニレン・テレフタルアミドからなるパルプ
が使用されるものが好ましいが、必要に応じて、ポリメ
タフェニレンイソフタルアミドからなるパルプを混合し
て使用してもよい。但し、吸水率を低く押さえるため
に、該ポリメタフェニレンイソフタルアミドからなるパ
ルプの混合割合は、出来るだけ少ないものが好ましく、
使用される湿式芳香族ポリアミドパルプの全重量の50
重量%以下、好ましくは、40重量%以下の範囲で使用
するものがよい。
【0033】このようにして得られる芳香族ポリアミド
短繊維と芳香族ポリアミドパルプとを混合する場合の混
合割合は、該紙の全固体重量中に占める芳香族ポリアミ
ド短繊維の量が40〜97重量%の範囲に、芳香族ポリ
アミドパルプの量が3〜60重量%の範囲にあることが
必要であり、さらに、この混合割合として、芳香族ポリ
アミド短繊維の量が70〜97重量%の範囲に、芳香族
ポリアミドパルプの量が3〜30重量%の範囲にあるも
のが好ましい。
【0034】芳香族ポリアミドパルプの量が3重量%未
満の場合は、芳香族ポリアミド繊維紙を抄造するときに
該芳香族ポリアミドパルプがバインダー性能を発揮でき
ず抄紙の作成が不可能となる。また、芳香族ポリアミド
パルプの量が60重量%を超える場合、芳香族ポリアミ
ド短繊維間が、該芳香族ポリアミドパルプで充填され、
しかもこれらが相互に密着し、接着するので紙の密度が
高くなり、特に、この紙に配合ワニスなどの樹脂を含浸
させた状態で電気絶縁材料用の基材として用いる場合に
は、該樹脂が紙の内部にまで均一に、且つ、充分に含浸
されず、内部で部分的な不均一や含浸量不足を招き、そ
の結果、高温高湿下での電気絶縁特性不良や絶縁破壊を
発生し易く、また、該芳香族ポリアミドパルプで密着、
接着している割には層間剥離強力が低いなどの問題点を
有する。これらの問題、特に、配合ワニスなどの樹脂を
含浸させた状態での問題点を回避するためには、該芳香
族ポリアミドパルプの量は出るだけ少ない方が好まし
く、前記の範囲、すなわち、3〜30重量%の範囲がよ
り好ましい。
【0035】さらに、本発明の芳香族ポリアミド繊維紙
は、その耐熱寸法安定性、及び、電気絶縁回路板積層物
基材として用いる場合の耐変形性(捩じれ、反り、波打
ち等の現象)の特性が、芳香族ポリアミド繊維紙の嵩密
度、引張強力、層間剥離強力等の値により影響され易い
のでこれらの物性値が下記の範囲にあるものが好ましく
例示される。
【0036】すなわち、本発明の芳香族ポリアミド繊維
紙の嵩密度は、0.45〜0.80g/cm3、好まし
くは、0.55〜0.70g/cm3の範囲内にあるも
のがよく、また、該芳香族ポリアミド繊維紙の引張り強
力は14.7N/15mm以上、好ましくは19.6〜
68.6N/15mmの範囲にあるものがよく、且つ、
層間剥離強力は0.098N/15mm以上、好ましく
は、0.147N/15mm以上あるものがよい。
【0037】該嵩密度が0.45g/cm3未満の場
合、又は、層間剥離強力が0.098N/15mm未満
の場合には、紙の中層部における短繊維相互間の接着力
が低下して配合ワニスの紙内部への含浸量が多くなり易
いため、プリプレグ製造工程や電気回路板用積層物の製
造工程、特に、積層プレス工程で含浸ワニスの流れに対
応した短繊維の部分的な移動が生じやすく、得られる電
気回路板用積層物内部で繊維密度ムラが発生し易くな
る。その結果、耐熱寸法安定性や耐変形性の低下を招く
ことがある。
【0038】一方、該芳香族ポリアミド繊維紙の引張り
強力が、14.7N/15mm未満では、配合ワニスの
含浸工程で紙の切断が生じ易くなり、また、該嵩密度が
0.80g/cm3を超えると配合ワニスの紙内部への
含浸性が低下し易くなり、得られる電気回路板用積層物
の電気絶縁性、耐熱寸法安定性、耐変形性といった特性
の低下を招くことになり好ましくない。
【0039】このような芳香族ポリアミド繊維紙は、公
知の方法(工程)で製造することができる。例えば、パ
ラ型芳香族ポリアミド短繊維と無機鉱物を含む芳香族ポ
リアミドパルプとを定められた所定の比率になるように
秤量し、繊維濃度が約0.15〜0.40重量%となる
ように水中に投入して均一分散、調整した水性スラリー
中に、必要に応じて、分散剤や粘度調整剤を加えた後、
長網式や丸網式等の抄紙機による湿式抄造法で湿紙を形
成し、該湿紙を乾燥して得た乾燥紙を加熱加圧加工する
ことにより、所望の厚さ、嵩密度、強力、剥離強力等を
有する芳香族ポリアミド繊維紙として得ることが出来
る。或いは、パラ型芳香族ポリアミド短繊維と無機鉱物
を含む芳香族ポリアミドパルプとを高速流体で開繊しな
がらベルト上にランダムに積層させた後、加熱加圧、乾
燥して所望する芳香族ポリアミド繊維紙とする方法でも
よい。
【0040】これらの方法で製造される芳香族ポリアミ
ド繊維紙は、前記のように、電気回路板積層物の基材に
使用される場合には、得られる積層物の耐熱寸法安定
性、耐変形性(捩じれ、反り、波打ち等の現象)といっ
た特性が、芳香族ポリアミド繊維紙の嵩密度、引張強
力、層間剥離強力等の特性により影響され易い傾向があ
る。このため、これらの特性が前記に示した範囲内にな
るように製紙条件を調整、コントロールし、乾燥、加熱
加圧加工することが好ましい。
【0041】特に、この加熱加圧加工の条件は重要であ
り、例えば、カレンダー機を用いて加熱加圧する場合に
は、直径約15〜80cmからなる1ケの硬質表面ロー
ルと、直径約30〜100cmの表面変形可能な弾性ロ
ールとの間で、好ましくは、直径約20〜80cmから
なる2ケの硬質表面ロール同士の間で行えばよい。すな
わち、加熱加圧条件が前記条件未満の場合には、加工後
の紙強力が14.7N/15mmよりも低くなり易く、
また、層間剥離強力も0.098N/15mm未満、嵩
密度も0.45g/cm3未満になり易い。また、電気
回路板用積層物の製造工程には240℃以上で高温熱処
理する工程があるため、この熱処理温度以上の熱履歴を
芳香族ポリアミド繊維紙に予め与えておくと、この熱処
理工程での紙の熱寸法変化や内部歪み誘発を抑制し、得
られる積層物の耐熱寸法安定性や耐変形性が向上するの
でより好ましい。本発明者らの検討によれば、温度:2
80〜360℃、線圧:1764〜3920N/cmの
範囲でカレンダー加工するのが最適であり、この条件で
作成された芳香族ポリアミド繊維紙は、例えば、280
℃×5分間後の熱寸法変化率が、0.25%以下と小さ
く耐熱寸法安定性に優れ、また、嵩高性も0.45〜
0.80g/cm3の範囲内となり、引張強力や層間剥
離強力も前記性能以上のものが得られる。なお、該加熱
加圧条件が360℃、3920N/cmを超えて行われ
ると、得られる紙の嵩密度が、0.8g/cm3を超え
て大きくなり易く好ましくない。
【0042】
【発明の作用】本発明によれば、芳香族ポリアミド短繊
維と湿式芳香族ポリアミドパルプとからなる芳香族ポリ
アミド繊維紙が得られるが、従来の紙とは相違して有機
系樹脂バインダーの代わりに芳香族ポリアミドパルプを
用いるために、不純イオンの量や吸水率を大幅に低下さ
せることが出来る。
【0043】そして、有機系樹脂バインダーの代わりに
芳香族ポリアミドパルプを用いた芳香族ポリアミド繊維
紙では、一般に短繊維をバインドする接着性が低い問題
があり、これに対処するためにある程度の芳香族ポリア
ミドパルプの量を使用する必要があった。
【0044】しかしながら、芳香族ポリアミドパルプの
量を増加させると配合ワニスなどの樹脂を含浸させた状
態で使用する電気絶縁材料用の基材として用いる場合に
は、該樹脂が紙の内部にまで均一に、且つ、充分に含浸
されず、内部で部分的な不均一や含浸量不足を招き、種
々の問題を生じるのでこのような用途に使用する紙では
該芳香族ポリアミドパルプの使用割合が出来るだけ少な
い方が好ましい。
【0045】本発明では、芳香族ポリアミドパルプとし
て、芳香族ポリアミドのドープに叩解作用により剪断力
を与え、沈殿剤により凝固せしめることにより得られる
湿式パルプを使用するために、芳香族ポリアミド紙の形
成に必要な芳香族ポリアミドパルプの使用割合を少なく
することが可能であり、更に該湿式ポリアミドパルプが
無機鉱物を含有しているため、電気・電子部品の長期信
頼性も向上される。このため、本発明による芳香族ポリ
アミド紙を前記のような電気絶縁材料用の基材等の用途
に使用した場合でも、耐熱性及び高湿度下における電気
絶縁性に優れ、特に電気回路用積層物の基材として好適
に使用され、不純イオン量及び吸水率の低下が可能であ
り、高湿度下における電気絶縁性不良の問題を解消する
ことが出来る。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、実施例中における各評価項目の測定値は
下記の測定法にしたがって求めた。
【0047】(1)嵩密度:JIS C−2111の
6.1に準拠する方法で測定した。
【0048】(2)引張強力:定速伸長型引張試験機を
用い、JIS C−2111の7に準拠する方法で測定
した。
【0049】(3)層間剥離強力:定速伸長型引張試験
機を用い、長さ200mm,幅15mmの試料の中間層
部をT字状に剥離する時の強力(N/15mm)を測定
した。
【0050】(4)熱寸法変化率:高精度二次元座標測
定機(ムトウ工業株式会社製)を用い、長さ250m
m、幅50mmの試料の長さ方向について、熱処理前と
温度:280℃で5分間熱処理した後の長さを測定し、
下記計算式により熱寸法変化率を算出した。
【0051】
【数1】
【0052】(5)電気絶縁特性(BDV):JIS−
C2111の18.1に準拠する方法で測定した。
【0053】(6)抽出不純イオン量: 蒸留水:50ミリリットル中に繊維:2gを小さく切断
して投入し、オートクレーブで加圧加熱処理して不純イ
オンを抽出する。その抽出水について、ICP分析法と
イオンクロマトグラフ法により、各不純イオンの量を測
定し、抽出水:1リットル当たりの不純イオン量を算出
した。
【0054】(7)平衡水分率 芳香族ポリアミド繊維紙の平衡水分率は、JIS L―
1013に準拠し、試料を120℃の雰囲気中で絶乾し
た後、温度20℃かつ相対湿度65%RHにおいて72
時間調整し、該試料中に含まれる水分率を求めて、該試
料の絶乾状態での重量に対する割合を算出し、これを百
分率(%)にて表す。
【0055】尚、試料が2種類以上の芳香族ポリアミド
からなる短繊維やパルプを含む場合は、各構成成分の平
衡水分率を独立に測定し、混合比に従って重量平均にて
表すものとする。
【0056】(8)積層板の変形量 高純度のブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂に硬化剤と
してジシアンジアミド、硬化促進剤として2−エチル−
4メチルイミダゾールを配合してなるエポキシ樹脂組成
物をメチルエチルケトンとメチルセルソルブの混合溶液
に溶解して得た配合ワニスを芳香族ポリアミド繊維紙に
含浸させた後、110〜120℃の温度で5〜10分間
乾燥して、樹脂分の体積含有率が55%であるBステー
ジのプリプレグ紙を作成した。該プリプレグ紙を18μ
厚さの銅箔の両側に積層し、更に、その外側に同一の銅
箔を積層し、ホットプレスにより、減圧下で170℃×
40kg/cm×50分間、プレスを行い、樹脂を硬化
せしめて電気回路板用積層物を得、更に200℃の温度
で熱風乾燥機内で約20分間後硬化処理を行った。
【0057】この電気回路板用積層物を150mm角に
裁断し、該積層物の端部から20mmの幅で両面の銅箔
を枠状に残して、中央部の110mm角相当部を全部エ
ッチングにより銅箔を取り除いて評価用のサンプルを作
成する。
【0058】この部分エッチングされた電気回路板用積
層物を260℃の温度で10分間熱処理した後の中央部
分を起点とした最大変形量(反り量、又は捩じれや波み
打ちによる浮き上がり量)を測定し、変形量とする。
【0059】[実施例1]芳香族ポリアミド短繊維とし
て、コポリパラフェニレン・3,4’―オキシジフェニ
レン・テレフタルアミドからなり、その繊維表面にタル
クが0.5重量%、オスモスが0.1重量%固着した単
繊維繊度:1.67dtex、繊維長(カット長):3
mmの短繊維(帝人(株)製「テクノーラ」):93重
量%と、湿式芳香族ポリアミドパルプとして、コポリパ
ラフェニレン・3,4’―オキシジフェニレン・テレフ
タルアミドからなるドープと、ポリメタフェニレンイソ
フタルアミドドープを混合した混合ドープにチタン酸カ
リウム繊維(大塚化学(株)製「ティスモN102」)
をドープの固形分に対して5重量%混入し、前記の方法
のように叩解作用により剪断力を与え、沈澱剤により凝
固せしめて得た湿式芳香族ポリアミドパルプ:7重量%
とを用い、パルパーにより分散させ、これに0.03%
濃度になるように分散剤(松本油脂(株)製「YM−8
0」)を添加して、抄紙用短繊維分散スラリーを作成し
た。次にタッピー式角型手抄機を用い、該抄紙用スラリ
ーを使用して抄紙し、芳香族ポリアミド紙を得た。
【0060】更に、該芳香族ポリアミド繊維紙を、直
径:約400mmの一対の硬質表面金属ロールからなる
カレンダー機を用いて、温度:230℃、線圧:156
8N/cmの条件で加熱、加圧した後、さらに、直径:
約500mmの一対の硬質表面金属ロールからなるカレ
ンダー機を用い、温度:320℃、線圧:1960N/
cmの条件で加熱、加圧して、坪量が72g/m2の芳
香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0061】得られた繊維紙について、前記の測定法に
より測定・評価した各特性値を表1に示す。また、この
繊維紙を用いて前記の方法により配合ワニスを含浸させ
てプリプレグ紙を作成し、これを使用して作成した電気
回路板用積層物について変形量を測定した。その結果を
表1に併せて示す。
【0062】[比較例1]芳香族ポリアミド短繊維とし
て、実施例1で使用したものと同様のコポリパラフェニ
レン・3,4’―オキシジフェニレン・テレフタルアミ
ドからなる短繊維:77重量%(芳香族ポリアミド短繊
維全重量中に占める比率は83.7重量%)と、ポリメ
タフェニレンイソフタルアミドからなり、繊維製造工程
における延伸倍率が1.4倍、単繊維繊度が3.3dt
ex、繊維長が6mmの短繊維:15重量%(芳香族ポ
リアミド短繊維全重量中に占める比率は16.3重量
%)とを用い、パルパーにより水中に離解分散させ、こ
れに0.03%濃度になるように分散剤(松本油脂
(株)製「YM−80」)を添加して、繊維濃度:0.
2重量%の抄紙用短繊維分散スラリーを作成した。
【0063】次にタッピー式角型手抄機を用い、該抄紙
用スラリーを使用して抄紙し、これにビスフェノールA
エピクロルヒドリン型水分散性エポキシ樹脂(大日本イ
ンキ化学工業(株)製「ディックファインEN−027
0」)の水希釈液(固形分濃度:2重量%)をスプレー
した後、160℃の温度の熱風乾燥機中で約20分間乾
燥硬化して、芳香族ポリアミド短繊維量が92重量%
で、エポキシ樹脂バインダーが8重量%付着した芳香族
ポリアミド紙を得た。
【0064】次いで、この芳香族ポリアミド繊維紙を、
直径:約400mmの一対の硬質表面金属ロールからな
るカレンダー機を用いて、温度:230℃、線圧:15
68N/cmの条件で加熱、加圧した後、さらに、ポリ
メタフェニレンイソフタルアミド短繊維を軟化、部分溶
融させて接着剤としての働きを発現させるために、直
径:約500mmの一対の硬質表面金属ロールからなる
カレンダー機を用い、温度:320℃、線圧:1960
N/cmの条件で加熱、加圧して、坪量72g/m2
芳香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0065】得られた繊維紙について、前記の測定法に
より測定・評価した各特性値を表1に併せて示す。ま
た、この繊維紙を用いて前記の方法により配合ワニスを
含浸させてプリプレグ紙を作成し、これを使用して作成
した電気回路板用積層物について変形量を測定した。そ
の結果を表1に併せて示す。
【0066】[比較例2]芳香族ポリアミド短繊維とし
て、コポリパラフェニレン・3,4’―オキシジフェニ
レン・テレフタルアミドからなり、その繊維表面にタル
クが0.5重量%、オスモスが0.1重量%固着した単
繊維繊度:1.67dtex、繊維長(カット長):3
mmの短繊維(帝人(株)製「テクノーラ」):93重
量%と、湿式芳香族ポリアミドパルプとして、コポリパ
ラフェニレン・3,4’―オキシジフェニレン・テレフ
タルアミドからなるドープと、ポリメタフェニレンイソ
フタルアミドドープを混合した混合ドープにより作製し
た湿式ポリアミドパルプ7重量%とを用い、パルパーに
より分散させ、これに0.03%濃度になるように分散
剤(松本油脂(株)製「YM−80」)を添加して、抄
紙用短繊維分散スラリーを作成した。
【0067】次にタッピー式角型手抄機を用い、該抄紙
用スラリーを使用して抄紙し、芳香族ポリアミド繊維紙
を得た。
【0068】次いで、この芳香族ポリアミド繊維紙を実
施例1と同様に加熱、加圧して、芳香族ポリアミド繊維
紙を得た。
【0069】得られた繊維紙について、前記の測定法に
より測定・評価した各特性値を表1に併せて示す。ま
た、この繊維紙を用いて前記の方法により配合ワニスを
含浸させてプリプレグ紙を作成し、これを使用して作成
した電気回路板用積層物について変形量を測定した。そ
の結果を表1に併せて示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】このように本発明によれば、電気回路板
用積層物の基材として従来使用されてきた芳香族ポリア
ミド繊維紙における諸問題、特に、温度や湿度の変化に
対する面方向及び厚さ方向における寸法変化や電気絶縁
性が著しく改良され、電気・電子部品の接着性を著しく
向上させることができる。
【0072】したがって、本発明の芳香族ポリアミド繊
維紙を基材に使用した電気回路板積層物は、その製造工
程や用途において、捩じれや反り、波打ちなどが殆ど発
生しないため、微細回路の設計が可能で、且つ、リード
レスセラミックチップキャリヤー(LCCC)やベアー
チップ等の温度湿度膨張係数の小さな電子部品を直接ハ
ンダ付け搭載しても長期に渡って高い信頼性を維持でき
る画期的な材料であり、特に、高度の軽量性や高度の耐
熱寸法安定性、電気絶縁性が要求される用途で電気回路
板用積層物に好適な基材である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 亨景 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人株 式会社大阪研究センター内 Fターム(参考) 4L055 AF01 AF35 EA32 FA13 FA16 FA18 FA19 FA30 GA01 GA33

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙の全重量に対して40〜97重量%の
    芳香族ポリアミド短繊維と紙の全重量に対して3〜60
    重量%の芳香族ポリアミドパルプとを主成分とする芳香
    族ポリアミド繊維紙であって、該芳香族ポリアミドパル
    プが、芳香族ポリアミドのドープに叩解作用により剪断
    力を与え、沈澱剤により凝固せしめることにより得られ
    る湿式芳香族ポリアミドパルプからなり、且つ無機鉱物
    を含有していることを特徴とする芳香族ポリアミド繊維
    紙。
  2. 【請求項2】 紙の全重量に対する芳香族ポリアミド短
    繊維の量が70〜97重量%で、紙の全重量に対する芳
    香族ポリアミドパルプの量が3〜30重量%である請求
    項1記載の芳香族ポリアミド繊維紙。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリアミド短繊維が、ポリパラフ
    ェニレンテレフタルアミドからなる短繊維である請求項
    1又は2記載の芳香族ポリアミド繊維紙。
  4. 【請求項4】 芳香族ポリアミド短繊維が、コポリパラ
    フェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタ
    ルアミドからなる短繊維である請求項1又は2記載の芳
    香族ポリアミド繊維紙。
  5. 【請求項5】 湿式芳香族ポリアミドパルプが、主とし
    てコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレ
    ン・テレフタルアミドからなるパルプである請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の芳香族ポリアミド繊維紙。
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