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JP2002210410A - 停止位置保持手段を備えた軸方向空隙型偏心ロータと同偏心ロータを用いた扁平コアレス振動モータ - Google Patents

停止位置保持手段を備えた軸方向空隙型偏心ロータと同偏心ロータを用いた扁平コアレス振動モータ

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Publication number
JP2002210410A
JP2002210410A JP2001010028A JP2001010028A JP2002210410A JP 2002210410 A JP2002210410 A JP 2002210410A JP 2001010028 A JP2001010028 A JP 2001010028A JP 2001010028 A JP2001010028 A JP 2001010028A JP 2002210410 A JP2002210410 A JP 2002210410A
Authority
JP
Japan
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eccentric rotor
commutator
magnet
air
magnetic
Prior art date
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Pending
Application number
JP2001010028A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadao Yamaguchi
忠男 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Parts Ind Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Parts Ind Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Parts Ind Co Ltd filed Critical Tokyo Parts Ind Co Ltd
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Priority to CNB011445300A priority patent/CN1172421C/zh
Priority to KR10-2001-0088853A priority patent/KR100444764B1/ko
Priority to US10/050,557 priority patent/US6566772B2/en
Publication of JP2002210410A publication Critical patent/JP2002210410A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K23/00DC commutator motors or generators having mechanical commutator; Universal AC/DC commutator motors
    • H02K23/26DC commutator motors or generators having mechanical commutator; Universal AC/DC commutator motors characterised by the armature windings
    • H02K23/30DC commutator motors or generators having mechanical commutator; Universal AC/DC commutator motors characterised by the armature windings having lap or loop windings
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K7/00Arrangements for handling mechanical energy structurally associated with dynamo-electric machines, e.g. structural association with mechanical driving motors or auxiliary dynamo-electric machines
    • H02K7/06Means for converting reciprocating motion into rotary motion or vice versa
    • H02K7/075Means for converting reciprocating motion into rotary motion or vice versa using crankshafts or eccentrics
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K7/00Arrangements for handling mechanical energy structurally associated with dynamo-electric machines, e.g. structural association with mechanical driving motors or auxiliary dynamo-electric machines
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空心電機子コイルを少なくしてコストダウン
を図りながら漏洩磁束部分に磁性を有するウエイトを配
することにより、空隙を犠牲にせず主磁束のロスをなく
し、確実に最大トルクを発生する位置に停止できるよう
にし、偏心量を大にする。 【解決手段】 少なくとも一個の空心電機子コイル
(3)を偏らせて配し、印刷配線板からなるコミュテー
タ(4)を添設した偏心ロータ(R1)であって空心電
機子コイルの外周下部のコミュテータ側に垂下部(2
a)を設け、この垂下部に少なくとも一部に磁性を有す
るウエイト(W1)を配し、マグネット(5)の側周の
漏洩磁束を利用して空心電機子コイルの有効導体部(3
a)が最大の磁束を受ける位置に停止させるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、移動体小型通信
装置の無音報知源やマッサージャの振動源として好適な
扁平コアレス振動モータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より扁平コアレス振動モータとして
特開昭63−290153号公報や特公平8−1097
2号に開示されたものがある。これらは、いずれも図1
3に示すように、ケース24とブラケット25からなる
ハウジング26内に偏心させたロータ27を配し、この
偏心ロータ27はロータホルダ28を介して前記ケース
24、ブラケット25にそれぞれ配した含油軸受29、
30で回転軸31を回転自在に支承してなるような構造
のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような複数個、
たとえば3個の電機子コイルを片側に偏在させたものは
重心の移動量が大きく採れるので、市場において好評で
あるが、反面コイルが3個あるので、コスト面からは不
利な点がでてくる。また、この3コイル型は実開平2−
33573号に開示されているように一回転中に全コイ
ルがトルクに寄与するのは極めて短時間であって回転原
理上から常時は2個のコイルに通電させるようになって
いる。また、特開2000−201467号に示すよう
な135度開角で配置した2個の空心コイルからなる2
相の扁平な振動モータがある。しかしながら、この2相
のものは、図面から判断できるようにトルクに寄与する
導体はコイル1個分しかないため起動、回転ともトルク
が弱い欠点があるし、135度開角のために偏心量が少
なく、実用化するためには2個のコイルの間にタングス
テン合金のウエイトを埋め込む必要がある。さらに、3
相の空心コイルを1個削除して配置開角120度の2個
の空心コイルからなる特公平7−85636号のような
ものがある。このようなものは、コイルが1個少ないの
で、コスト的に有利であるが、1回転においてトルクが
発生する導体が少なくなるポイントがあるのでトルク差
がある。さらにまた、特許第3039857号に示すよ
うに1個または2個の空心コイルを片側に配して各コイ
ルの有効導体部がマグネットの磁界を最大に受けるよう
にロータを停止させておくようにして起動エラーをなく
すようにしたものが提案されている。しかしながら、こ
の停止させておく手段としてマグネットの主磁界部分に
磁性体を配しているので、停動トルクが大となって起動
電圧が大になってしまう問題があり、また、主磁束の一
部を利用することになり、ロスが発生する。しかも、コ
イルの有効導体部分に磁性体が来るので、この分空隙を
広げることになってロスも多い。この空隙を犠牲にしな
いようにするには、空心コイルの一部を押圧して凹所を
形成し、この凹所に磁性体を格納させればよいが、空心
コイルを傷つけてしまうおそれがある。
【0004】この発明の目的は、空心電機子コイルを少
なくしてコストダウンを図りながら漏洩磁束部分に磁性
体を配することにより、空隙を犠牲にせず、また、主磁
束のロスをなくし、確実に最大トルクを発生する位置で
停動できるようにし、かつ補助的な偏心増加手段を付加
する必要なく偏心量を大にできる偏心ロータと、同偏心
ロータを用いることにより、マグネットのサイズを小さ
くできるようにしてコストを下げた扁平コアレス振動モ
ータを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
する偏心ロータは、請求項1に示すように少なくとも一
個の空心電機子コイルを偏らせて配し、コミュテータを
添設した偏心ロータであってコミュテータ側の外周に垂
下部を設け、この垂下部に少なくとも一部に磁性を有す
るウエイトを配してなる停止位置保持手段を備えたもの
で達成できる。具体的には請求項2に示すように前記ウ
エイトは組み合わせるマグネットのほぼ磁極の開角で空
心電機子コイルの外周下方に配されているもので達成で
きる。このウエイトは請求項3または4に示すように少
なくとも表面に磁性を有する比重8以上の金属体か、磁
性金属を有する比重8以上の樹脂体で形成したものがよ
い。また、別の偏心ロータの構成としては、請求項5に
示すように前記コミュテータのスリットに隣り合ったセ
グメント同士が前記ブラシでショートしないようにする
ためにスリット内に突起を配したもので達成できる。こ
のコミュテータは、請求項6に示すように印刷配線板で
形成し、スリットに隣り合ったセグメント同士が前記ブ
ラシでショートしないにようにする突起も印刷配線で形
成したものにするのがよい。このような偏心ロータを用
いて扁平コアレス振動モータにするには、請求項7に記
載のように請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記
載の磁気保持手段を備えた偏心ロータを用いるものであ
って、この偏心ロータに給電する一対のブラシを備え、
軸方向空隙を介して臨ませたマグネットの磁力を利用し
て駆動させるようにした扁平コアレス振動モータにおい
て、前記偏心ロータを前記マグネット外周とハウジング
との間に設けた空所に前記垂下部が来るように前記ハウ
ジングに格納したものにすれば達成できる。そして、別
の偏心ロータを用いるものでは、請求項8に示すように
請求項5または6に記載の記載の磁気保持手段を備えた
偏心ロータを用いるものであって、この偏心ロータに給
電する一対のブラシを備え、軸方向空隙を介して臨ませ
たマグネットの磁力を利用して駆動させるようにした扁
平コアレス振動モータにおいて、前記偏心ロータを前記
マグネット外周とハウジングとの間に設けた空所に前記
垂下部が来るように前記ハウジングに格納したものにす
ればよい。
【0006】請求項1に示すような課題達成手段にすれ
ば、磁性を有するウエイトは確実にマグネットの側周部
の漏洩磁束を受けてNSの磁極の境界部分に停止するの
で、偏心ロータは、たとえば最大トルクを発生させる位
置にホールドすることができる。したがって起動が容易
にでき、しかも主磁束上に配置するものでないので、空
隙ロスも発生しなくなり、外周に設けた垂下部により重
心の位置が外側になるので振動が大となる。請求項2に
示す課題達成手段にすれば、最大トルクを発生させる位
置に確実にホールドできる。請求項3に示す課題達成手
段にすれば、銅線に磁性メッキする場合はメッキの厚み
をコントロールすることにより停動トルクをコントロー
ルできる。請求項4に示す課題達成手段にすれば、磁性
粉末をたとえばポリアミド樹脂にバインドしたものが用
いられるので成形が容易にできる。請求項5に示す課題
達成手段にすれば、コミュテータの隣り合ったセグメン
ト同士がスリット部分においてブラシでショートしない
ようにできる。請求項6に示す課題達成手段にすれば、
コミュテータと突起が容易に形成できる。請求項7、8
に示す課題達成手段にすれば、主磁束を犠牲にすること
なく空心電機子コイルの有効導体部をマグネットの最大
磁束の発生位置に停止させておくことができるので起動
が容易にでき、マグネットのサイズも小にできるのでコ
スト的にも有利となる。
【0007】
【発明の実施の形態】次にこの発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1はこの発明の第1の実施の形態
を示す停止位置保持手段を備えた偏心ロータとマグネッ
トの位置関係を示す要部平面図である。図2は図1のコ
ミュテータ側からみた要部平面図である。図3はこの発
明の停止位置保持手段を備えた偏心ロータを用いた扁平
コアレス振動モータの第1の実施の形態を示し、偏心ロ
ータの部分は図1のA−A線切断断面図である。図4は
図3のモータの起動時の動作説明図である。図5はこの
発明の第2の実施の形態を示す停止位置保持手段を備え
た偏心ロータとマグネットの位置関係を示す要部平面図
である。図6は図5のコミュテータ側からみた要部平面
図である。図7は図5の変形例の同偏心ロータとマグネ
ットの位置関係を示す要部平面図である。図8はこの発
明の停止位置保持手段を備えた偏心ロータを用いた扁平
コアレス振動モータの第2の実施の形態を示し、偏心ロ
ータの部分は図6及び図7のB−B切断断面図である。
図9は図8に示す同モータの主要部材である平板型コミ
ュテータとブラシの関係を説明するための拡大要部断面
図である。図10はこの発明の同モータの主要部材の変
形例である円筒型コミュテータとブラシを説明するため
の拡大要部断面図である。図11は図6、図7の偏心ロ
ータを用いた図8に示す同モータの回転原理説明図であ
る。図12は図7の偏心ロータを用いた場合の回転原理
説明図である。図13は従来の扁平振動モータを示す断
面図である。
【0008】この発明の第1の実施の形態を示す停止位
置保持手段を備えた偏心ロータR1は、図1、図2に示
すように印刷配線板からなる拡開した扇形の平板コミュ
テータ基材1に比重3程度の高密度高摺動性樹脂2を介
して2個の空心電機子コイル3、3を3相(120度)
の開角で偏らせて配置してなるものであって、反対側の
前記空心電機子コイル3の1個の外周部分に、開角が組
み合わせるマグネットの磁極程度にした弧状の磁性メッ
キ銅線からなるウエイトW1を配し、前記高密度高摺動
性樹脂2で垂下部2aの部分に一体成形している。この
平板コミュテータ基材1の中心部には、同心状に6個の
セグメント4a‥‥からなる貴金属メッキされた平板型
コミュテータ4が印刷配線で添設されており、各セグメ
ントは、スルーホールSなどを介して対向するセグメン
トをショートさせている。 なお、図中、2bは高密度
高摺動性樹脂2の一部で構成した樹脂軸受け部、2cは
同樹脂で構成した前記空心電機子コイル3、3の巻き軸
とほぼ同寸法のコイル配置ガイドである。このような偏
心ロータR1に臨むマグネット5はドーナツ型円盤状と
なっていてN、S交互に4極等分着磁されている。した
がって、図1に示すようにこのマグネット5の側周部の
N極より発生しS極に入る漏洩磁束が前記弧状の磁性メ
ッキ銅線からなるウエイトW1をNS極の境界部分に引
きつけることにより、前記偏心ロータR1は、前記空心
電機子コイル3、3が図4で示すような矢印Yの方向に
最大のトルクを発生する位置、すなわち2個の空心電機
子コイル3、3の各有効導体部3a‥‥がマグネット5
の磁界を互いにバランスよく最大に受ける位置に停止さ
せて置くことができる。
【0009】このようにした偏心ロータR1は、図3に
示すような扁平コアレス振動モータに用いられる。すな
わち、前記偏心ロータR1を前記マグネット5の外周と
ハウジングHの一部を構成するケース6との間に設けた
空所56に垂下部2aが来るように前記ハウジングHに
格納したものにするのである。図中、JはハウジングH
の一部を構成するブラケット7の中央に立ち上げた固定
軸で偏心ロータR1を装着後、ケース6の中央孔6aに
ポリエステルフイルムPを介してはめ込まれる。8、8
は前記平板コミュテータ4を介して前記空心電機子コイ
ル3、3の給電する貴金属薄板または貴金属メッキされ
た正負のブラシで基端がフレキシブル給電ベースFに植
設され、外部から電力を供給される。このようにした扁
平コアレス振動モータは、図4に示すように起動時に
は、ブラシ8、8に供給された電力は、前記平板コミュ
テータ4を介して前記空心電機子コイル3、3の給電さ
れ、各有効導体部3a‥‥のすべてに矢印のように電流
が流れ、フレミング左手の法則により回転力が発生する
ので起動時に最大トルクが得られることになる。偏心ロ
ータR1は、通電を止めると回転を阻害する要素はブラ
シのブレーキが大部分であるが、このブラシの接触圧
は、平板コミュテータ4の均等になっているので、わず
かなマグネット5の外周部の漏洩磁界より前記ウエイト
W1は、磁極の境界部分に停止させることができる。
【0010】図5、図6は、自起動できない位置がある
偏心ロータR2を自起動できる位置に停止させておくよ
うにしたもので、すなわち、磁極の開角内のサイズにし
た2個の空心電機子コイル33、33を磁極の幅の配置
開角(ここでは90度)で片側に配置させてなるもの
で、ここでは平板型コミュテータ44は、図6に示すよ
うに各セグメント44a、44b、44cそして44d
を中心角略90度ずつ印刷配線パターンで形成し、回転
原理上から図示しないが対向するセグメントをショート
させたものとなっており、貴金属メッキされたものとな
っている。各セグメント間のスリットSLには図示しな
いブラシ8によって隣り合ったセグメント同士がショー
トするのを防止するために各セグメントから独立した無
電位な細いパターンによる突起a、b、c、dが設けら
れている。また、これらの突起の両側は凹所となるの
で、セグメント粉末が発生しても直ちに隣り合ったセグ
メントがショートしてしまうおそれがない。このような
偏心ロータR2に臨むマグネット5はドーナツ型円盤状
となっていてN、S交互に4極等分着磁されているのは
図1と同様である。このような突起a、b、c、dがあ
れば、図9にも詳記したように、前記ブラシ8がスリッ
トSLをまたいでも隣り合ったセグメント(例えば、4
4aと44d)同士はショートするおそれがなく、これ
らの突起は、セグメント面と面一のため段差もなく、偏
心ロータR2はスムーズな回転が得られことになるの
で、前記のような磁性ウエイトW2を利用して特定の位
置、すなわち、図5に示すような各空心電機子コイル3
3、33の有効導体部33aがマグネット5の磁界をフ
ルに受ける位置(1回転中他の3カ所も同様)に止まる
ことになり、次の起動が容易にできる。なお、ここでは
磁性ウエイトW2は、磁性粉末を高比重部材粉末、たと
えばタングステン合金からなる粉末と共にポリアミド樹
脂にバインドさせた樹脂ウエイトにしてある。
【0011】上記は比較的パワーの必要な2コイル型で
説明したが、パワーが必要でなければ、図7に示すよう
な1個のコイルからなるものでもよい。すなわち、偏心
ロータR3は1個の空心電機子コイル3を片側に偏らせ
て高密度高摺動性樹脂22で一体成形されている。この
空心電機子コイル3は、図1に示したものと同等なもの
で、有効導体部3aの中心が磁極の開角(ここでは90
度)にほぼ等しくなるように図1と同様に120度の開
角の巻き軸で巻回したもので、外周部の印刷配線板から
なる平板コミュテータ基材1を介した反対側に、高密度
高摺動性樹脂22による垂下部22aを設け、ここに前
記のウエイトW1またはW2を一体成形させているのは
前述の各実施の形態と同様である。マグネット5も前述
と同様にドーナツ型円盤状となっていてN、S交互に4
極等分着磁されている。ここでも前記ウエイトW1また
はW2の開角はマグネット5の磁極の開角にほぼ一致し
ている。したがって、このウエイトW1またはW2は、
1回転中90°毎に4回、空心電機子コイル3の中心が
マグネット5のN極とS極の中間の位置に止まることに
なる。次に図8はこの発明の第2の実施の形態の偏心ロ
ータR2を用いた扁平コアレス振動モータを示し、偏心
ロータR2は図6のB−B線で切断した状態のものであ
るが、ここでは、図4と同等な部材は同一符号を付して
その説明を省略する。ここで、ブラシ8が平板コミュテ
ータ44を摺接する状態は図9に示すようなものとな
る。すなわち、ブラシ8の摺動部分は突起aによって絶
対に隣り合ったセグメント(例えば、44aと44d)
同士をショートするおそれがない。
【0012】図10はコミュテータの変形例として円筒
型のコミュテータとブラシとの関係を示すもので、同図
において88、88は貴金属薄板または貴金属メッキさ
れた一対の板条ブラシである。Cは円筒型のコミュテー
タで外周に、略90度ずつ略4等分された各セグメント
Ca、Cb、Cc、Cdは表面を貴金属クラッドされた
もので、各セグメント間のスリットSL1ではブラシ8
8によってショートするのを防止するために基材部分K
1から先端がセグメント外周とほぼ同円となるようにし
た両脇に凹所Tを配した突起Ka、Kb、Kc、Kdを
前述と同様に設けている。このような円筒型のコミュテ
ータを用いるものは比較的厚みが許容されるものに用い
ることができる。
【0013】次に図11において、図8に示すような扁
平コアレス振動モータの回転原理を説明するが、その前
に結線関係について説明すると、偏心ロータR2の空心
電機子コイル33、33は巻終わり同士が結線され、巻
始めはそれぞれコミュテータ44のセグメント44aと
44bにそれぞれ結線される。このコミュテータ44は
対向するセグメント44aと44cおよび44bと44
dがそれぞれショートされて同電位となるように構成さ
れている。いま、偏心ロータR2は前記磁性ウエイトW
2によりマグネット5の磁極の境界部分(図5)の位置
に止まっているが、この状態で通電すると、正負の一対
のブラシ88、88を介して各空心電機子コイル33、
33に矢印の向きに電流が流れ、フレミング左手の法則
により、図11(イ)では右方向に力が発生して回転す
る。コミュテータ44と偏心ロータR2の回転が90゜
進んで図11(ロ)の位置になると、こんどは各空心電
機子コイル33、33に逆方向に電流が流れるが、これ
らのコイルに臨むマグネットの極も入れ替わってやはり
フレミング左手の法則により、右方向に力が発生するの
で回転が持続する。そしてコミュテータ44と偏心ロー
タR2の回転がさらに90゜進み、図11(ハ)の18
0゜の位置になると位置は違うが図11(イ)と同様な
動作をすることになる。
【0014】なお、上記図11から判断されるように4
5゜毎にブラシ88、88はコミュテータ44のスリッ
ト部分にきて突起に乗り上げて不導通となるが、回転時
はロータの慣性によって、非通電時には磁性ウエイトW
2によってこのスリット部分に停止することはないた
め、問題となるものではない。また、各コイルの形状、
サイズなどは必ずしも同じにする必要はなく、コミュテ
ータ44の各セグメントの開角やブラシ88、88の開
角を完全に90゜毎にする必要はない。
【0015】図7に示すような1個の空心電機子コイル
33からなるものの回転原理は図12に示すようなもの
となる。いま、このようにした振動モータの回転原理を
説明するが、その前に結線関係について説明すると、偏
心ロータR3の空心電機子コイル3の巻終わり巻始めは
それぞれコミュテータ44のセグメント44aと44b
にそれぞれ結線される。このコミュテータ44は対向す
るセグメント44aと44cおよび44bと44dがそ
れぞれショートされて同電位となるように構成されてい
る。いま、偏心ロータR3は前記磁性ウエイトW2によ
りマグネット5の磁極の境界部分(図7)の位置に止ま
っているが、この状態で通電すると、正負の一対のブラ
シ88、88を介して空心電機子コイル3に矢印の向き
に電流が流れ、フレミング左手の法則により、図12
(イ)では右方向に力が発生して回転する。コミュテー
タ44と偏心ロータR3の回転が90゜進んで図11
(ロ)の位置になると、こんどは空心電機子コイル33
に逆方向に電流が流れるが、これらのコイルに臨むマグ
ネットの磁極も入れ替わっているので、やはりフレミン
グ左手の法則により、右方向に力が発生して回転が持続
する。そしてコミュテータ44と偏心ロータR2の回転
がさらに90゜進み、図12(ハ)の180゜の位置に
なると位置は違うが図12(イ)と同様な動作をするこ
とになる。なお、上記図12から判断されるように、こ
こでも45゜毎にブラシ88、88はコミュテータ44
のスリット部分にきて突起に乗り上げて不導通となる
が、回転時はロータの慣性とウエイトW2のマグネット
による吸着によって非通電時には、このスリット部分に
停止することはないため、問題となるものではない。
【0016】 なお、前記磁性体を少なくとも表面
に処理したウエイトは、銅線を磁性メッキしたものを例
示したが、マグネットが直径9mm程度のネオジム焼結
なら0.3mm程度の細い鉄線などを用いてもよい。ま
た、上記の各実施の形態はいずれも空心電機子コイルを
重畳させないように構成したが、薄くして2相以上に重
畳させるようにすることもできる。この発明は、その技
術的思想、特徴から逸脱することなく、他のいろいろな
実施の形態をとることができる。そのため、前述の実施
の形態は単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならな
い。この発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示
すものであって、明細書本文には拘束されない。
【0017】
【発明の効果】この発明は、上記のように空心電機子コ
イルを少なくしてコストダウンを図りながら漏洩磁束部
分に磁性体からなるウエイトを配することにより、空隙
を犠牲にせず主磁束のロスをなくし、確実に最大トルク
を発生する位置で停動できるようにし、かつ補助的な偏
心増加手段を付加する必要なく偏心量を大にできる偏心
ロータと、同偏心ロータを用いることにより、マグネッ
トのサイズを小さくできるようにしてコストを下げ、し
かも振動を大にした扁平コアレス振動モータを得ること
ができる。具体的には請求項1に示すような課題達成手
段にすれば、磁性を有するウエイトは確実にマグネット
の側周部の漏洩磁束を受けてNSの磁極の境界部分に停
止するので、偏心ロータは、たとえば最大トルクを発生
させる位置に停止することができる。したがって起動が
容易にでき、しかも主磁束上に配置するものでないの
で、空隙ロスも発生しなくなり、外周の垂下部により重
心の位置が外側になるので振動が大となる。請求項2に
示す課題達成手段にすれば、空心電機子コイルが最大ト
ルクを発生させることのできる位置に確実にホールドで
きる。請求項3に示す課題達成手段にすれば、銅線に磁
性メッキする場合はメッキの厚みをコントロールするこ
とにより停動トルクをコントロールできる。請求項4に
示す課題達成手段にすれば、磁性粉末をたとえばポリア
ミド樹脂にバインドしたものが用いられるので成形が容
易にできる。請求項5に示す課題達成手段にすれば、コ
ミュテータの隣り合ったセグメント同士がスリット部分
においてブラシでショートしないようにできる。請求項
6に示す課題達成手段にすれば、公知のエッチング技術
を利用してコミュテータと突起が容易に形成できる。請
求項7、8に示す課題達成手段にすれば、主磁束を犠牲
にすることなく空心電機子コイルの有効導体部をマグネ
ットの最大磁束の発生位置に停止させておくことができ
るので起動が容易にでき、マグネットのサイズも小にで
きるのでコスト的にも有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す停止位置保
持手段を備えた偏心ロータとマグネットの位置関係を示
す要部平面図である。
【図2】図1のコミュテータ側からみた要部平面図であ
る。
【図3】この発明の停止位置保持手段を備えた偏心ロー
タを用いた扁平コアレス振動モータの第1の実施の形態
を示し、偏心ロータの部分は図1のA−A線切断断面図
である。
【図4】図3のモータの起動時の動作説明図である。
【図5】この発明の第2の実施の形態を示す停止位置保
持手段を備えた偏心ロータとマグネットの位置関係を示
す要部平面図である。
【図6】図5のコミュテータ側からみた要部平面図であ
る。
【図7】図5の変形例の同偏心ロータとマグネットの位
置関係を示す要部平面図である。
【図8】この発明の停止位置保持手段を備えた偏心ロー
タを用いた扁平コアレス振動モータの第2の実施の形態
を示し、偏心ロータの部分は図6及び図7のB−B切断
断面図である。
【図9】図8に示す同モータの主要部材である平板型コ
ミュテータとブラシの関係を説明するための拡大要部断
面図である。
【図10】この発明の同モータの主要部材の変形例であ
る円筒型コミュテータとブラシを説明するための拡大要
部断面図である。
【図11】図5,6の偏心ロータを用いた図8に示す同
モータの回転原理説明図である。
【図12】図7の偏心ロータを用いた場合の回転原理説
明図である。
【図13】従来の扁平振動モータを示す断面図である。
【符号の説明】
R1、R2、R3 偏心ロータ W1 磁性体を含む金属ウエイト W2 磁性体を含む樹脂製ウエイト 1 印刷配線板からなる平板コミュテータ基材 2,22 高密度高摺動性樹脂 3、33 空心電機子コイル 4、44 平板コミュテータ 5 マグネット 6 ケース 7 ブラケット 8、88 ブラシ a、b、c、d、Ka、Kb、Kc、Kd 突起 SL、SL1 スリット H ハウジング
【手続補正書】
【提出日】平成13年6月28日(2001.6.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 停止位置保持手段を備えた軸方向空隙
偏心ロータと同偏心ロータを用いた扁平コアレス振動
モータ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、移動体小型通信
装置の無音報知源やマッサージャの振動源として好適な
扁平コアレス振動モータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より扁平コアレス振動モータとして
特開昭63−290153号公報や特公平8−1097
2号に開示されたものがある。これらは、いずれも図1
3に示すように、ケース24とブラケット25からなる
ハウジング26内に偏心させたロータ27を配し、この
偏心ロータ27はロータホルダ28を介して前記ケース
24、ブラケット25にそれぞれ配した含油軸受29、
30で回転軸31を回転自在に支承してなるような構造
のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような複数個、
たとえば3個の電機子コイルを片側に偏在させたものは
重心の移動量が大きく採れるので、市場において好評で
あるが、反面コイルが3個あるので、コスト面からは不
利な点がでてくる。また、この3コイル型は実開平2−
33573号に開示されているように一回転中に全コイ
ルがトルクに寄与するのは極めて短時間であって回転原
理上から常時は2個のコイルに通電させるようになって
いる。また、特開2000−201467号に示すよう
な135度開角で配置した2個の空心コイルからなる2
相の扁平な振動モータがある。しかしながら、この2相
のものは、図面から判断できるようにトルクに寄与する
導体はコイル1個分しかないため起動、回転ともトルク
が弱い欠点があるし、135度開角のために偏心量が少
なく、実用化するためには2個のコイルの間にタングス
テン合金のウエイトを埋め込む必要がある。さらに、3
相の空心コイルを1個削除して配置開角120度の2個
の空心コイルからなる特公平7−85636号のような
ものがある。このようなものは、コイルが1個少ないの
で、コスト的に有利であるが、1回転においてトルクが
発生する導体が少なくなるポイントがあるのでトルク差
がある。さらにまた、特許第3039857号に示すよ
うに1個または2個の空心コイルを片側に配して各コイ
ルの有効導体部がマグネットの磁界を最大に受けるよう
にロータを停止させておくようにして起動エラーをなく
すようにしたものが提案されている。しかしながら、こ
の停止させておく手段としてマグネットの主磁界部分に
磁性体を配しているので、停動トルクが大となって起動
電圧が大になってしまう問題があり、また、主磁束の一
部を利用することになり、ロスが発生する。しかも、コ
イルの有効導体部分に磁性体が来るので、この分空隙を
広げることになってロスも多い。この空隙を犠牲にしな
いようにするには、空心コイルの一部を押圧して凹所を
形成し、この凹所に磁性体を格納させればよいが、空心
コイルを傷つけてしまうおそれがある。
【0004】この発明の目的は、空心電機子コイルを少
なくしてコストダウンを図りながら漏洩磁束部分に磁性
体を配することにより、空隙を犠牲にせず、また、主磁
束のロスをなくし、確実に最大トルクを発生する位置で
停動できるようにし、かつ補助的な偏心増加手段を付加
する必要なく偏心量を大にできる軸方向空隙型偏心ロー
タと同偏心ロータを用い、マグネットのサイズを小さく
できるようにしてコストを下げた扁平コアレス振動モー
タを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
する偏心ロータは、請求項1に示すように少なくとも一
個の空心電機子コイルを偏らせて配し、この空心電機子
コイルの端末を結線したコミュテータからなる軸方向空
隙型偏心ロータであって、この偏心ロータの前記コミュ
テータ側の外周に垂下部を設け、この垂下部の少なくと
も一部に磁性体を有するウエイトを配してなるもので達
成できる。具体的には請求項2に示すように前記ウエイ
トは組み合わせるマグネットのほぼ磁極の開角で空心電
機子コイルの外周のマグネット側に配されているもので
達成できる。このウエイトは請求項3または4に示すよ
うに前記ウエイトは表面に磁性メッキした比重8以上の
金属体であったり、前記ウエイトは磁性金属を有する比
重8以上の樹脂体で形成したものがよい。また、別の偏
心ロータの構成としては、請求項5に示す発明のように
前記空心電機子コイルの端末を隣り合ったコミュテータ
セグメントに結線するものであって前記コミュテータの
スリットに隣り合ったセグメント同士が前記ブラシでシ
ョートしないようにスリット内に両側に凹所を設けた
起を配したもので達成できる。この場合、コミュテータ
として請求項5に示すように印刷配線板で形成し、前記
突起も印刷配線で形成したものにするのがよい。このよ
うな偏心ロータを用いて扁平コアレス振動モータにする
には、請求項7記載のように請求項1ないし請求項4の
いずれか1項に記載の磁気保持手段を備えた偏心ロータ
を用いるものであって、この偏心ロータに給電する一対
のブラシを備え、軸方向空隙を介して臨ませたマグネッ
トの磁力を利用して駆動させるようにした扁平コアレス
振動モータにおいて、前記偏心ロータを前記マグネット
外周とハウジングとの間に設けた空所に前記垂下部が来
るように前記ハウジングに格納し、前記垂下部に配した
磁性体が前記マグネットの漏洩磁束を受けるようにした
たものにすれば達成できる。そして、別の偏心ロータを
用いるものでは、請求項8に示すように請求項5または
6に記載の磁気保持手段を備えた偏心ロータを用いるも
のであって、この偏心ロータに給電する一対のブラシを
備え、軸方向空隙を介して臨ませたマグネットの磁力を
利用して駆動させるようにした扁平コアレス振動モータ
において、前記偏心ロータを前記マグネット外周とハウ
ジングとの間に設けた空所に前記垂下部が来るように前
記ハウジングに格納し、前記垂下部に配した磁性体が前
記マグネットの漏洩磁束を受けるようにしたものにすれ
ばよい。
【0006】請求項1に示すような課題達成手段にすれ
ば、磁性を有するウエイトは確実にマグネットの側周部
の漏洩磁束を受けてNSの磁極の境界部分に停止するの
で、偏心ロータは、たとえば最大トルクを発生させる位
置にホールドすることができる。したがって起動が容易
にでき、しかも主磁束上に配置するものでないので、空
隙ロスも発生しなくなり、外周に設けた垂下部により重
心の位置が外側になるので振動が大となる。請求項2に
示す課題達成手段にすれば、ロータは磁極のニュートラ
ル部に停動できるので、最大トルクを発生させる位置に
確実にホールドでき、起動時のトルクも最大にできる。
請求項3、4に示す課題達成手段にすれば、偏心量と保
持手段が一緒にでき、銅線に磁性メッキする場合はメッ
キの厚みをコントロールすることにより停動トルクをコ
ントロールできる。請求項5に示す課題達成手段にすれ
ば、両側の凹所にコミュテータの隣り合ったセグメント
同士がスリット部分においてブラシでショートしないよ
うにでき、両側の凹所によって摺動によって発生する金
属製異物が落ち込み、摺動障害をを引き起こさなくな
る。請求項6に示す課題達成手段にすれば、コミュテー
タと突起が一括して印刷配線で容易にできる。請求項
7、8に示す課題達成手段にすれば、主磁束を犠牲にす
ることなく空心電機子コイルの有効導体部をマグネット
の最大磁束の発生位置に停止させておくことができるの
で起動が容易にでき、マグネットのサイズも小にできる
のでコスト的にも有利となる扁平型振動モータが得られ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】次にこの発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1はこの発明の第1の実施の形態
を示す停止位置保持手段を備えた偏心ロータとマグネッ
トの位置関係を示す要部平面図である。図2は図1のコ
ミュテータ側からみた要部平面図である。図3はこの発
明の停止位置保持手段を備えた偏心ロータを用いた扁平
コアレス振動モータの第1の実施の形態を示し、偏心ロ
ータの部分は図1のA−A線切断断面図である。図4は
図3のモータの起動時の動作説明図である。図5はこの
発明の第2の実施の形態を示す停止位置保持手段を備え
た偏心ロータとマグネットの位置関係を示す要部平面図
である。図6は図5のコミュテータ側からみた要部平面
図である。図7は図5の変形例の同偏心ロータとマグネ
ットの位置関係を示す要部平面図である。図8はこの発
明の停止位置保持手段を備えた偏心ロータを用いた扁平
コアレス振動モータの第2の実施の形態を示し、偏心ロ
ータの部分は図6及び図7のB−B切断断面図である。
図9は図8に示す同モータの主要部材である平板型コミ
ュテータとブラシの関係を説明するための拡大要部断面
図である。図10はこの発明の同モータの主要部材の変
形例である円筒型コミュテータとブラシを説明するため
の拡大要部断面図である。図11は図6、図7の偏心ロ
ータを用いた図8に示す同モータの回転原理説明図であ
る。図12は図7の偏心ロータを用いた場合の回転原理
説明図である。図13は従来の扁平振動モータを示す断
面図である。
【0008】この発明の第1の実施の形態を示す停止位
置保持手段を備えた偏心ロータR1は、図1、図2に示
すように印刷配線板からなる拡開した扇形の平板コミュ
テータ基材1に比重3程度の高密度高摺動性樹脂2を介
して2個の空心電機子コイル3、3を3相(120度)
の開角で偏らせて配置してなるものであって、反対側の
前記空心電機子コイル3の1個の外周部分に、開角が組
み合わせるマグネットの磁極程度にした弧状の磁性メッ
キ銅線からなるウエイトW1を配し、前記高密度高摺動
性樹脂2で垂下部2aの部分に一体成形している。この
平板コミュテータ基材1の中心部には、同心状に6個の
セグメント4a‥‥からなる貴金属メッキされた平板型
コミュテータ4が印刷配線で添設されており、各セグメ
ントは、スルーホールSなどを介して対向するセグメン
トをショートさせている。なお、図中、2bは高密度高
摺動性樹脂2の一部で構成した樹脂軸受け部、2cは同
樹脂で構成した前記空心電機子コイル3、3の巻き軸と
ほぼ同寸法のコイル配置ガイドである。このような偏心
ロータR1に臨むマグネット5はドーナツ型円盤状とな
っていてN、S交互に4極等分着磁されている。したが
って、図1に示すようにこのマグネット5の側周部のN
極より発生しS極に入る漏洩磁束が前記弧状の磁性メッ
キ銅線からなるウエイトW1をNS極の境界部分に引き
つけることにより、前記偏心ロータR1は、前記空心電
機子コイル3、3が図4で示すような矢印Yの方向に最
大のトルクを発生する位置、すなわち2個の空心電機子
コイル3、3の各有効導体部3a‥‥がマグネット5の
磁界を互いにバランスよく最大に受ける位置に停止させ
て置くことができる。
【0009】このようにした偏心ロータR1は、図3に
示すような扁平コアレス振動モータに用いられる。すな
わち、前記偏心ロータR1を前記マグネット5の外周と
ハウジングHの一部を構成するケース6との間に設けた
空所56に垂下部2aが来るように前記ハウジングHに
格納したものにするのである。図中、JはハウジングH
の一部を構成するブラケット7の中央に立ち上げた固定
軸で偏心ロータR1を装着後、ケース6の中央孔6aに
ポリエステルフイルムPを介してはめ込まれる。8、8
は前記平板コミュテータ4を介して前記空心電機子コイ
ル3、3の給電する貴金属薄板または貴金属メッキされ
た正負のブラシで基端がフレキシブル給電ベースFに植
設され、外部から電力を供給される。このようにした扁
平コアレス振動モータは、図4に示すように起動時に
は、ブラシ8、8に供給された電力は、前記平板コミュ
テータ4を介して前記空心電機子コイル3、3の給電さ
れ、各有効導体部3a‥‥のすべてに矢印のように電流
が流れ、フレミング左手の法則により回転力が発生する
ので起動時に最大トルクが得られることになる。偏心ロ
ータR1は、通電を止めると回転を阻害する要素はブラ
シのブレーキが大部分であるが、このブラシの接触圧
は、平板コミュテータ4の均等になっているので、わず
かなマグネット5の外周部の漏洩磁界より前記ウエイト
W1は、磁極の境界部分に停止させることができる。
【0010】図5、図6は、自起動できない位置がある
偏心ロータR2を自起動できる位置に停止させておくよ
うにしたもので、すなわち、磁極の開角内のサイズにし
た2個の空心電機子コイル33、33を磁極の幅の配置
開角(ここでは90度)で片側に配置させてなるもの
で、ここでは平板型コミュテータ44は、図6に示すよ
うに各セグメント44a、44b、44cそして44d
を中心角略90度ずつ印刷配線パターンで形成し、回転
原理上から図示しないが対向するセグメントをショート
させたものとなっており、貴金属メッキされたものとな
っている。各セグメント間のスリットSLには図示しな
いブラシ8によって隣り合ったセグメント同士がショー
トするのを防止するために各セグメントから独立した無
電位な細いパターンによる突起a、b、c、dが設けら
れている。また、これらの突起の両側は凹所となるの
で、セグメント粉末が発生しても直ちに隣り合ったセグ
メントがショートしてしまうおそれがない。このような
偏心ロータR2に臨むマグネット5はドーナツ型円盤状
となっていてN、S交互に4極等分着磁されているのは
図1と同様である。このような突起a、b、c、dがあ
れば、図9にも詳記したように、前記ブラシ8がスリッ
トSLをまたいでも隣り合ったセグメント(例えば、4
4aと44d)同士はショートするおそれがなく、これ
らの突起は、セグメント面と面一のため段差もなく、偏
心ロータR2はスムーズな回転が得られことになるの
で、前記のような磁性ウエイトW2を利用して特定の位
置、すなわち、図5に示すような各空心電機子コイル3
3、33の有効導体部33aがマグネット5の磁界をフ
ルに受ける位置(1回転中他の3カ所も同様)に止まる
ことになり、次の起動が容易にできる。なお、ここでは
磁性ウエイトW2は、磁性粉末を高比重部材粉末、たと
えばタングステン合金からなる粉末と共にポリアミド樹
脂にバインドさせた樹脂ウエイトにしてある。
【0011】上記は比較的パワーの必要な2コイル型で
説明したが、パワーが必要でなければ、図7に示すよう
な1個のコイルからなるものでもよい。すなわち、偏心
ロータR3は1個の空心電機子コイル3を片側に偏らせ
て高密度高摺動性樹脂22で一体成形されている。この
空心電機子コイル3は、図1に示したものと同等なもの
で、有効導体部3aの中心が磁極の開角(ここでは90
度)にほぼ等しくなるように図1と同様に120度の開
角の巻き軸で巻回したもので、外周部の印刷配線板から
なる平板コミュテータ基材1を介した反対側に、高密度
高摺動性樹脂22による垂下部22aを設け、ここに前
記のウエイトW1またはW2を一体成形させているのは
前述の各実施の形態と同様である。マグネット5も前述
と同様にドーナツ型円盤状となっていてN、S交互に4
極等分着磁されている。ここでも前記ウエイトW1また
はW2の開角はマグネット5の磁極の開角にほぼ一致し
ている。したがって、このウエイトW1またはW2は、
1回転中90°毎に4回、空心電機子コイル3の中心が
マグネット5のN極とS極の中間の位置に止まることに
なる。次に図8はこの発明の第2の実施の形態の偏心ロ
ータR2を用いた扁平コアレス振動モータを示し、偏心
ロータR2は図6のB−B線で切断した状態のものであ
るが、ここでは、図4と同等な部材は同一符号を付して
その説明を省略する。ここで、ブラシ8が平板コミュテ
ータ44を摺接する状態は図9に示すようなものとな
る。すなわち、ブラシ8の摺動部分は突起aによって絶
対に隣り合ったセグメント(例えば、44aと44d)
同士をショートするおそれがない。
【0012】図10はコミュテータの変形例として円筒
型のコミュテータとブラシとの関係を示すもので、同図
において88、88は貴金属薄板または貴金属メッキさ
れた一対の板条ブラシである。Cは円筒型のコミュテー
タで外周に、略90度ずつ略4等分された各セグメント
Ca、Cb、Cc、Cdは表面を貴金属クラッドされた
もので、各セグメント間のスリットSL1ではブラシ8
8によってショートするのを防止するために基材部分K
1から先端がセグメント外周とほぼ同円となるようにし
た両脇に凹所Tを配した突起Ka、Kb、Kc、Kdを
前述と同様に設けている。このような円筒型のコミュテ
ータを用いるものは比較的厚みが許容されるものに用い
ることができる。
【0013】次に図11において、図8に示すような扁
平コアレス振動モータの回転原理を説明するが、その前
に結線関係について説明すると、偏心ロータR2の空心
電機子コイル33、33は巻終わり同士が結線され、巻
始めはそれぞれコミュテータ44のセグメント44aと
44bにそれぞれ結線される。このコミュテータ44は
対向するセグメント44aと44cおよび44bと44
dがそれぞれショートされて同電位となるように構成さ
れている。いま、偏心ロータR2は前記磁性ウエイトW
2によりマグネット5の磁極の境界部分(図5)の位置
に止まっているが、この状態で通電すると、正負の一対
のブラシ88、88を介して各空心電機子コイル33、
33に矢印の向きに電流が流れ、フレミング左手の法則
により、図11(イ)では右方向に力が発生して回転す
る。コミュテータ44と偏心ロータR2の回転が90゜
進んで図11(ロ)の位置になると、こんどは各空心電
機子コイル33、33に逆方向に電流が流れるが、これ
らのコイルに臨むマグネットの極も入れ替わってやはり
フレミング左手の法則により、右方向に力が発生するの
で回転が持続する。そしてコミュテータ44と偏心ロー
タR2の回転がさらに90゜進み、図11(ハ)の18
0゜の位置になると位置は違うが図11(イ)と同様な
動作をすることになる。
【0014】なお、上記図11から判断されるように4
5゜毎にブラシ88、88はコミュテータ44のスリッ
ト部分にきて突起に乗り上げて不導通となるが、回転時
はロータの慣性によって、非通電時には磁性ウエイトW
2によってこのスリット部分に停止することはないた
め、問題となるものではない。また、各コイルの形状、
サイズなどは必ずしも同じにする必要はなく、コミュテ
ータ44の各セグメントの開角やブラシ88、88の開
角を完全に90゜毎にする必要はない。
【0015】図7に示すような1個の空心電機子コイル
33からなるものの回転原理は図12に示すようなもの
となる。いま、このようにした振動モータの回転原理を
説明するが、その前に結線関係について説明すると、偏
心ロータR3の空心電機子コイル3の巻終わり巻始めは
それぞれコミュテータ44のセグメント44aと44b
にそれぞれ結線される。このコミュテータ44は対向す
るセグメント44aと44cおよび44bと44dがそ
れぞれショートされて同電位となるように構成されてい
る。いま、偏心ロータR3は前記磁性ウエイトW2によ
りマグネット5の磁極の境界部分(図7)の位置に止ま
っているが、この状態で通電すると、正負の一対のブラ
シ88、88を介して空心電機子コイル3に矢印の向き
に電流が流れ、フレミング左手の法則により、図12
(イ)では右方向に力が発生して回転する。コミュテー
タ44と偏心ロータR3の回転が90゜進んで図11
(ロ)の位置になると、こんどは空心電機子コイル33
に逆方向に電流が流れるが、これらのコイルに臨むマグ
ネットの磁極も入れ替わっているので、やはりフレミン
グ左手の法則により、右方向に力が発生して回転が持続
する。そしてコミュテータ44と偏心ロータR2の回転
がさらに90゜進み、図12(ハ)の180゜の位置に
なると位置は違うが図12(イ)と同様な動作をするこ
とになる。なお、上記図12から判断されるように、こ
こでも45゜毎にブラシ88、88はコミュテータ44
のスリット部分にきて突起に乗り上げて不導通となる
が、回転時はロータの慣性とウエイトW2のマグネット
による吸着によって非通電時には、このスリット部分に
停止することはないため、問題となるものではない。
【0016】 なお、前記磁性体を少なくとも表面
に処理したウエイトは、銅線を磁性メッキしたものを例
示したが、マグネットが直径9mm程度のネオジム焼結
なら0.3mm程度の細い鉄線などを用いてもよい。ま
た、上記の各実施の形態はいずれも空心電機子コイルを
重畳させないように構成したが、薄くして2相以上に重
畳させるようにすることもできる。この発明は、その技
術的思想、特徴から逸脱することなく、他のいろいろな
実施の形態をとることができる。そのため、前述の実施
の形態は単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならな
い。この発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示
すものであって、明細書本文には拘束されない。
【0017】
【発明の効果】この発明は、上記のように空心電機子コ
イルを少なくしてコストダウンを図りながら漏洩磁束部
分に磁性体からなるウエイトを配することにより、空隙
を犠牲にせず主磁束のロスをなくし、確実に最大トルク
を発生する位置で停動できるようにし、かつ補助的な偏
心増加手段を付加する必要なく偏心量を大にできる偏心
ロータと、同偏心ロータを用いることにより、マグネッ
トのサイズを小さくできるようにしてコストを下げ、し
かも振動を大にした扁平コアレス振動モータを得ること
ができる。具体的には請求項1に示すような課題達成手
段にすれば、磁性を有するウエイトは確実にマグネット
の側周部の漏洩磁束を受けてNSの磁極の境界部分に停
止するので、偏心ロータは、たとえば最大トルクを発生
させる位置に停止することができる。したがって起動が
容易にでき、しかも主磁束上に配置するものでないの
で、空隙ロスも発生しなくなり、外周の垂下部により重
心の位置が外側になるので振動が大となる。請求項2に
示す課題達成手段にすれば、空心電機子コイルが最大ト
ルクを発生させることのできる位置に確実にホールドで
きる。請求項3に示す課題達成手段にすれば、銅線に磁
性メッキする場合はメッキの厚みをコントロールするこ
とにより停動トルクをコントロールできる。請求項4に
示す課題達成手段にすれば、磁性粉末をたとえばポリア
ミド樹脂にバインドしたものが用いられるので成形が容
易にできる。請求項5に示す課題達成手段にすれば、コ
ミュテータの隣り合ったセグメント同士がスリット部分
においてブラシでショートしないように公知のエッチン
グ技術を利用してコミュテータと突起が容易に形成でき
る。請求項6に示す課題達成手段にすれば、公知のエッ
チング技術を利用してコミュテータと突起が容易に形成
できる。請求項7、8に示す課題達成手段にすれば、主
磁束を犠牲にすることなく空心電機子コイルの有効導体
部をマグネットの最大磁束の発生位置に停止させておく
ことができるので起動が容易にでき、マグネットのサイ
ズも小にできるのでコスト的にも有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す停止位置保
持手段を備えた偏心ロータとマグネットの位置関係を示
す要部平面図である。
【図2】図1のコミュテータ側からみた要部平面図であ
る。
【図3】この発明の停止位置保持手段を備えた偏心ロー
タを用いた扁平コアレス振動モータの第1の実施の形態
を示し、偏心ロータの部分は図1のA−A線切断断面図
である。
【図4】図3のモータの起動時の動作説明図である。
【図5】この発明の第2の実施の形態を示す停止位置保
持手段を備えた偏心ロータとマグネットの位置関係を示
す要部平面図である。
【図6】図5のコミュテータ側からみた要部平面図であ
る。
【図7】図5の変形例の同偏心ロータとマグネットの位
置関係を示す要部平面図である。
【図8】この発明の停止位置保持手段を備えた偏心ロー
タを用いた扁平コアレス振動モータの第2の実施の形態
を示し、偏心ロータの部分は図6及び図7のB−B切断
断面図である。
【図9】図8に示す同モータの主要部材である平板型コ
ミュテータとブラシの関係を説明するための拡大要部断
面図である。
【図10】この発明の同モータの主要部材の変形例であ
る円筒型コミュテータとブラシを説明するための拡大要
部断面図である。
【図11】図5,6の偏心ロータを用いた図8に示す同
モータの回転原理説明図である。
【図12】図7の偏心ロータを用いた場合の回転原理説
明図である。
【図13】従来の扁平振動モータを示す断面図である。
【符号の説明】 R1、R2、R3 偏心ロータ W1 磁性体を含む金属ウエイト W2 磁性体を含む樹脂製ウエイト 1 印刷配線板からなる平板コミュテータ基材 2,22 高密度高摺動性樹脂 3、33 空心電機子コイル 4、44 平板コミュテータ 5 マグネット 6 ケース 7 ブラケット 8、88 ブラシ a、b、c、d、Ka、Kb、Kc、Kd 突起 SL、SL1 スリット H ハウジング
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年11月21日(2001.11.
21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 停止位置保持手段を備えた軸方向空隙
型偏心ロータと同偏心ロータを用いた扁平コアレス振動
モータ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、移動体小型通信
装置の無音報知源やマッサージャの振動源として好適な
扁平コアレス振動モータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より扁平コアレス振動モータとして
特開昭63−290153号公報や特公平8−1097
2号に開示されたものがある。これらは、いずれも図1
3に示すように、ケース24とブラケット25からなる
ハウジング26内に偏心させたロータ27を配し、この
偏心ロータ27はロータホルダ28を介して前記ケース
24、ブラケット25にそれぞれ配した含油軸受29、
30で回転軸31を回転自在に支承してなるような構造
のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような複数個、
たとえば3個の電機子コイルを片側に偏在させたものは
重心の移動量が大きく採れるので、市場において好評で
あるが、反面コイルが3個あるので、コスト面からは不
利な点がでてくる。また、この3コイル型は実開平2−
33573号に開示されているように一回転中に全コイ
ルがトルクに寄与するのは極めて短時間であって回転原
理上から常時は2個のコイルに通電させるようになって
いる。また、特開2000−201467号に示すよう
な135度開角で配置した2個の空心コイルからなる2
相の扁平な振動モータがある。しかしながら、この2相
のものは、図面から判断できるようにトルクに寄与する
導体はコイル1個分しかないため起動、回転ともトルク
が弱い欠点がある。さらに、3相の空心コイルを1個削
除して配置開角120度の2個の空心コイルからなる特
公平7−85636号のようなものがある。このような
ものは、コイルが1個少ないので、コスト的に有利であ
るが、1回転においてトルクが発生する導体が少なくな
るポイントがあるのでトルク差がある。さらにまた、特
許第3039857号に示すように1個または2個の空
心コイルを片側に配して各コイルの有効導体部がマグネ
ットの磁界を最大に受けるようにロータを停止させてお
くようにして起動エラーをなくすようにしたものが提案
されている。しかしながら、この停止させておく手段と
してマグネットの主磁界部分に磁性体を配しているの
で、停動トルクが大となって起動電圧が大になってしま
う問題があり、また、主磁束の一部を利用することにな
り、ロスが発生する。しかも、コイルの有効導体部分に
磁性体が来るので、この分空隙を広げることになってロ
スも多い。この空隙を犠牲にしないようにするには、空
心コイルの一部を押圧して凹所を形成し、この凹所に磁
性体を格納させればよいが、空心コイルを傷つけてしま
うおそれがある。
【0004】この発明の目的は、空心電機子コイルを少
なくしてコストダウンを図りながら漏洩磁束部分に磁性
体を配することにより、空隙を犠牲にせず、また、主磁
束のロスをなくし、確実に最大トルクを発生する位置で
停動できるようにし、かつ補助的な偏心増加手段を付加
する必要なく偏心量を大にできる軸方向空隙型偏心ロー
タと同偏心ロータを用い、マグネットのサイズを小さく
できるようにしてコストを下げた扁平コアレス振動モー
タを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
する偏心ロータは、請求項1に示すように少なくとも一
個の空心電機子コイル(3、33)を偏らせて配し、こ
の空心電機子コイルの端末を結線したコミュテータ
(4、44)からなる軸方向空隙型偏心ロータ(R1、
R2、R3)であって、この偏心ロータの前記コミュテ
ータ側の外周に垂下部(2a,22a)を設け、この垂
下部に磁性金属体を含むもので、組み合わせるマグネッ
トのほぼ磁極の開角を有する弧状ウエイト(W1、W
2)を配してなるもので達成できる。また、具体的に
は、請求項2に示すように前記磁性金属体として磁性メ
ッキした比重8以上の弧状ウエイト(W1)を備えたも
ので達成できる。さらに、別の偏心ロータの構成として
は、請求項3に示すように少なくとも一個の空心電機子
コイル(3、33)を偏らせて配し、この空心電機子コ
イルの端末を結線したコミュテータ(4、44)からな
る軸方向空隙型偏心ロータ(R1、R2、R3)であっ
て、この偏心ロータの前記コミュテータ側の外周に垂下
部(2a,22a)を設け、この垂下部に組み合わせる
マグネットのほぼ磁極の開角を有するもので磁性金属粉
末を有する比重8以上の樹脂体からなる弧状ウエイト
(W2)を配してなるもので達成できる。また、組みあ
わせるコミュテータとして請求項4に示すように前記空
心電機子コイルに複数個のセグメントを印刷配線で形成
した印刷配線板からなるコミュテータを添設し、前記空
心電機子コイルの端末を隣り合ったセグメント(44d
と44a‥‥、CdとCa‥‥)に結線するものであっ
て前記コミュテータのスリットに隣り合ったセグメント
同士(44d、44a‥‥)が前記ブラシでショートし
ないようにスリット内に両側にエッチングにより絶縁部
分として凹所(T‥‥)ができるように印刷配線で形成
した突起(a‥‥)を配したものにするのがよい。この
ような偏心ロータを用いて扁平コアレス振動モータにす
るには、請求項5記載のように請求項1〜3のいずれか
1項に記載の停止位置保持手段を備えた軸方向空隙型偏
心ロータ(R1)を用いるものであって、この偏心ロー
タに給電する一対のブラシ(8、8)を備え、軸方向空
隙を介して臨ませたマグネット(5)の磁力を利用して
駆動させるようにした扁平コアレス振動モータにおい
て、前記偏心ロータを前記マグネット外周とハウジング
(H)との間に設けた空所に前記垂下部(2a)が来る
ように前記ハウジングに格納し、前記垂下部に配した前
記磁性体(W1)が前記マグネットの漏洩磁束を受ける
ようにしたものにすればよい。そして、別の偏心ロータ
を用いるものでは、請求項6に示すように請求項4に記
載の停止位置保持手段を備えた軸方向空隙型偏心ロータ
(R2、R3)を用いるものであって、この偏心ロータ
に給電する一対のブラシ(8、8と88、88)を備
え、軸方向空隙を介して臨ませたマグネット(5)の磁
力を利用して駆動させるようにした扁平コアレス振動モ
ータにおいて、前記偏心ロータを前記マグネット外周と
ハウジングとの間に設けた空所に前記垂下部(22a)
が来るように前記ハウジングに格納し、前記垂下部に配
した前記磁性体(W2)が前記マグネットの漏洩磁束を
受けるようにしたものにすればよい。
【0006】請求項1に示すような課題達成手段にすれ
ば、磁性を有するウエイトは確実にマグネットの側周部
の漏洩磁束を受けてNSの磁極の境界部分に停止するの
で、偏心ロータは、たとえば最大トルクを発生させる位
置にホールドすることができる。したがって起動が容易
にでき、しかも主磁束上に配置するものでないので、空
隙を不必要に広げることなく、このため空隙ロスも発生
しなくなり、外周に設けた垂下部に配した磁性金属体よ
り重心の位置が外側になるので、振動が大となる。請求
項2に示す課題達成手段にすれば、偏心量と保持手段が
一緒にでき、銅線に磁性メッキする場合はメッキの厚み
をコントロールすることにより停動トルクをコントロー
ルできる。請求項3に示す課題達成手段にすれば、鉄粉
の量をコントロールすることによって、適切なホールド
にできる。請求項4に示す課題達成手段にすれば、両側
の凹所にコミュテータの隣り合ったセグメント同士がス
リット部分においてブラシでショートしないようにで
き、コミュテータと突起が一括して印刷配線で容易にで
きる。請求項5、6に示す課題達成手段にすれば、空隙
を広げる必要なく、すなわち、主磁束を犠牲にすること
なく空心電機子コイルの有効導体部をマグネットの最大
磁束の発生位置に停止させておくことができるので起動
が容易にでき、マグネットのサイズも小にできるのでコ
スト的にも有利となる扁平型振動モータが得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】次にこの発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1はこの発明の第1の実施の形態
を示す停止位置保持手段を備えた偏心ロータとマグネッ
トの位置関係を示す要部平面図である。図2は図1のコ
ミュテータ側からみた要部平面図である。図3はこの発
明の停止位置保持手段を備えた偏心ロータを用いた扁平
コアレス振動モータの第1の実施の形態を示し、偏心ロ
ータの部分は図1のA−A線切断断面図である。図4は
図3のモータの起動時の動作説明図である。図5はこの
発明の第2の実施の形態を示す停止位置保持手段を備え
た偏心ロータとマグネットの位置関係を示す要部平面図
である。図6は図5のコミュテータ側からみた要部平面
図である。図7は図5の変形例の同偏心ロータとマグネ
ットの位置関係を示す要部平面図である。図8はこの発
明の停止位置保持手段を備えた偏心ロータを用いた扁平
コアレス振動モータの第2の実施の形態を示し、偏心ロ
ータの部分は図6及び図7のB−B切断断面図である。
図9は図8に示す同モータの主要部材である平板型コミ
ュテータとブラシの関係を説明するための拡大要部断面
図である。図10はこの発明の同モータの主要部材の変
形例である円筒型コミュテータとブラシを説明するため
の拡大要部断面図である。図11は図6、図7の偏心ロ
ータを用いた図8に示す同モータの回転原理説明図であ
る。図12は図7の偏心ロータを用いた場合の回転原理
説明図である。図13は従来の扁平振動モータを示す断
面図である。
【0008】この発明の第1の実施の形態を示す停止位
置保持手段を備えた偏心ロータR1は、図1、図2に示
すように印刷配線板からなる拡開した扇形の平板コミュ
テータ基材1に比重3程度の高密度高摺動性樹脂2を介
して2個の空心電機子コイル3、3を3相(120度)
の開角で偏らせて配置してなるものであって、反対側の
前記空心電機子コイル3の1個の外周部分に、開角が組
み合わせるマグネットの磁極程度にした弧状の磁性メッ
キ銅線からなるウエイトW1を配し、前記高密度高摺動
性樹脂2で垂下部2aの部分に一体成形している。この
平板コミュテータ基材1の中心部には、同心状に6個の
セグメント4a‥‥からなる貴金属メッキされた平板型
コミュテータ4が印刷配線で添設されており、各セグメ
ントは、スルーホールSなどを介して対向するセグメン
トをショートさせている。なお、図中、2bは高密度高
摺動性樹脂2の一部で構成した樹脂軸受け部、2cは同
樹脂で構成した前記空心電機子コイル3、3の巻き軸と
ほぼ同寸法のコイル配置ガイドである。このような偏心
ロータR1に臨むマグネット5はドーナツ型円盤状とな
っていてN、S交互に4極等分着磁されている。したが
って、図1に示すようにこのマグネット5の側周部のN
極より発生しS極に入る漏洩磁束が前記弧状の磁性メッ
キ銅線からなるウエイトW1をNS極の境界部分に引き
つけることにより、前記偏心ロータR1は、前記空心電
機子コイル3、3が図4で示すような矢印Yの方向に最
大のトルクを発生する位置、すなわち2個の空心電機子
コイル3、3の各有効導体部3a‥‥がマグネット5の
磁界を互いにバランスよく最大に受ける位置に停止させ
て置くことができる。
【0009】このようにした偏心ロータR1は、図3に
示すような扁平コアレス振動モータに用いられる。すな
わち、前記偏心ロータR1を前記マグネット5の外周と
ハウジングHの一部を構成するケース6との間に設けた
空所56に垂下部2aが来るように前記ハウジングHに
格納したものにするのである。図中、JはハウジングH
の一部を構成するブラケット7の中央に立ち上げた固定
軸で偏心ロータR1を装着後、ケース6の中央孔6aに
ポリエステルフイルムPを介してはめ込まれる。8、8
は前記平板コミュテータ4を介して前記空心電機子コイ
ル3、3の給電する貴金属薄板または貴金属メッキされ
た正負のブラシで基端がフレキシブル給電ベースFに植
設され、外部から電力を供給される。このようにした扁
平コアレス振動モータは、図4に示すように起動時に
は、ブラシ8、8に供給された電力は、前記平板コミュ
テータ4を介して前記空心電機子コイル3、3の給電さ
れ、各有効導体部3a‥‥のすべてに矢印のように電流
が流れ、フレミング左手の法則により回転力が発生する
ので起動時に最大トルクが得られることになる。偏心ロ
ータR1は、通電を止めると回転を阻害する要素はブラ
シのブレーキが大部分であるが、このブラシの接触圧
は、平板コミュテータ4の均等になっているので、わず
かなマグネット5の外周部の漏洩磁界より前記ウエイト
W1は、磁極の境界部分に停止させることができる。
【0010】図5、図6は、自起動できない位置がある
偏心ロータR2を自起動できる位置に停止させておくよ
うにしたもので、すなわち、磁極の開角内のサイズにし
た2個の空心電機子コイル33、33を磁極の幅の配置
開角(ここでは90度)で片側に配置させてなるもの
で、ここでは平板型コミュテータ44は、図6に示すよ
うに各セグメント44a、44b、44cそして44d
を中心角略90度ずつ印刷配線パターンで形成し、回転
原理上から図示しないが対向するセグメントをショート
させたものとなっており、貴金属メッキされたものとな
っている。各セグメント間のスリットSLには図示しな
いブラシ8によって隣り合ったセグメント同士がショー
トするのを防止するために各セグメントから独立した無
電位な細いパターンによる突起a、b、c、dが設けら
れている。また、これらの突起の両側は凹所となるの
で、セグメント粉末が発生しても直ちに隣り合ったセグ
メントがショートしてしまうおそれがない。このような
偏心ロータR2に臨むマグネット5はドーナツ型円盤状
となっていてN、S交互に4極等分着磁されているのは
図1と同様である。このような突起a、b、c、dがあ
れば、図9にも詳記したように、前記ブラシ8がスリッ
トSLをまたいでも隣り合ったセグメント(例えば、4
4aと44d)同士はショートするおそれがなく、これ
らの突起は、セグメント面と面一のため段差もなく、偏
心ロータR2はスムーズな回転が得られことになるの
で、前記のような磁性ウエイトW2を利用して特定の位
置、すなわち、図5に示すような各空心電機子コイル3
3、33の有効導体部33aがマグネット5の磁界をフ
ルに受ける位置(1回転中他の3カ所も同様)に止まる
ことになり、次の起動が容易にできる。なお、ここでは
磁性ウエイトW2は、磁性粉末を高比重部材粉末、たと
えばタングステン合金からなる粉末と共にポリアミド樹
脂にバインドさせた樹脂ウエイトにしてある。
【0011】上記は比較的パワーの必要な2コイル型で
説明したが、パワーが必要でなければ、図7に示すよう
な1個のコイルからなるものでもよい。すなわち、偏心
ロータR3は1個の空心電機子コイル3を片側に偏らせ
て高密度高摺動性樹脂22で一体成形されている。この
空心電機子コイル3は、図1に示したものと同等なもの
で、有効導体部3aの中心が磁極の開角(ここでは90
度)にほぼ等しくなるように図1と同様に120度の開
角の巻き軸で巻回したもので、外周部の印刷配線板から
なる平板コミュテータ基材1を介した反対側に、高密度
高摺動性樹脂22による垂下部22aを設け、ここに前
記のウエイトW1またはW2を一体成形させているのは
前述の各実施の形態と同様である。マグネット5も前述
と同様にドーナツ型円盤状となっていてN、S交互に4
極等分着磁されている。ここでも前記ウエイトW1また
はW2の開角はマグネット5の磁極の開角にほぼ一致し
ている。したがって、このウエイトW1またはW2は、
1回転中90°毎に4回、空心電機子コイル3の中心が
マグネット5のN極とS極の中間の位置に止まることに
なる。次に図8はこの発明の第2の実施の形態の偏心ロ
ータR2を用いた扁平コアレス振動モータを示し、偏心
ロータR2は図6のB−B線で切断した状態のものであ
るが、ここでは、図4と同等な部材は同一符号を付して
その説明を省略する。ここで、ブラシ8が平板コミュテ
ータ44を摺接する状態は図9に示すようなものとな
る。すなわち、ブラシ8の摺動部分は突起aによって絶
対に隣り合ったセグメント(例えば、44aと44d)
同士をショートするおそれがない。
【0012】図10はコミュテータの変形例として円筒
型のコミュテータとブラシとの関係を示すもので、同図
において88、88は貴金属薄板または貴金属メッキさ
れた一対の板条ブラシである。Cは円筒型のコミュテー
タで外周に、略90度ずつ略4等分された各セグメント
Ca、Cb、Cc、Cdは表面を貴金属クラッドされた
もので、各セグメント間のスリットSL1ではブラシ8
8によってショートするのを防止するために基材部分K
1から先端がセグメント外周とほぼ同円となるようにし
た両脇に凹所Tを配した突起Ka、Kb、Kc、Kdを
前述と同様に設けている。このような円筒型のコミュテ
ータを用いるものは比較的厚みが許容されるものに用い
ることができる。
【0013】次に図11において、図8に示すような扁
平コアレス振動モータの回転原理を説明するが、その前
に結線関係について説明すると、偏心ロータR2の空心
電機子コイル33、33は巻終わり同士が結線され、巻
始めはそれぞれコミュテータ44のセグメント44aと
44bにそれぞれ結線される。このコミュテータ44は
対向するセグメント44aと44cおよび44bと44
dがそれぞれショートされて同電位となるように構成さ
れている。いま、偏心ロータR2は前記磁性ウエイトW
2によりマグネット5の磁極の境界部分(図5)の位置
に止まっているが、この状態で通電すると、正負の一対
のブラシ88、88を介して各空心電機子コイル33、
33に矢印の向きに電流が流れ、フレミング左手の法則
により、図11(イ)では右方向に力が発生して回転す
る。コミュテータ44と偏心ロータR2の回転が90゜
進んで図11(ロ)の位置になると、こんどは各空心電
機子コイル33、33に逆方向に電流が流れるが、これ
らのコイルに臨むマグネットの極も入れ替わってやはり
フレミング左手の法則により、右方向に力が発生するの
で回転が持続する。そしてコミュテータ44と偏心ロー
タR2の回転がさらに90゜進み、図11(ハ)の18
0゜の位置になると位置は違うが図11(イ)と同様な
動作をすることになる。
【0014】なお、上記図11から判断されるように4
5゜毎にブラシ88、88はコミュテータ44のスリッ
ト部分にきて突起に乗り上げて不導通となるが、回転時
はロータの慣性によって、非通電時には磁性ウエイトW
2によってこのスリット部分に停止することはないた
め、問題となるものではない。また、各コイルの形状、
サイズなどは必ずしも同じにする必要はなく、コミュテ
ータ44の各セグメントの開角やブラシ88、88の開
角を完全に90゜毎にする必要はない。
【0015】図7に示すような1個の空心電機子コイル
33からなるものの回転原理は図12に示すようなもの
となる。いま、このようにした振動モータの回転原理を
説明するが、その前に結線関係について説明すると、偏
心ロータR3の空心電機子コイル3の巻終わり巻始めは
それぞれコミュテータ44のセグメント44aと44b
にそれぞれ結線される。このコミュテータ44は対向す
るセグメント44aと44cおよび44bと44dがそ
れぞれショートされて同電位となるように構成されてい
る。いま、偏心ロータR3は前記磁性ウエイトW2によ
りマグネット5の磁極の境界部分(図7)の位置に止ま
っているが、この状態で通電すると、正負の一対のブラ
シ88、88を介して空心電機子コイル3に矢印の向き
に電流が流れ、フレミング左手の法則により、図12
(イ)では右方向に力が発生して回転する。コミュテー
タ44と偏心ロータR3の回転が90゜進んで図11
(ロ)の位置になると、こんどは空心電機子コイル33
に逆方向に電流が流れるが、これらのコイルに臨むマグ
ネットの磁極も入れ替わっているので、やはりフレミン
グ左手の法則により、右方向に力が発生して回転が持続
する。そしてコミュテータ44と偏心ロータR2の回転
がさらに90゜進み、図12(ハ)の180゜の位置に
なると位置は違うが図12(イ)と同様な動作をするこ
とになる。なお、上記図12から判断されるように、こ
こでも45゜毎にブラシ88、88はコミュテータ44
のスリット部分にきて突起に乗り上げて不導通となる
が、回転時はロータの慣性とウエイトW2のマグネット
による吸着によって非通電時には、このスリット部分に
停止することはないため、問題となるものではない。
【0016】 なお、前記磁性体を少なくとも表面
に処理したウエイトは、銅線を磁性メッキしたものを例
示したが、マグネットが直径9mm程度のネオジム焼結
なら0.3mm程度の細い鉄線などを用いてもよい。ま
た、上記の各実施の形態はいずれも空心電機子コイルを
重畳させないように構成したが、薄くして2相以上に重
畳させるようにすることもできる。この発明は、その技
術的思想、特徴から逸脱することなく、他のいろいろな
実施の形態をとることができる。そのため、前述の実施
の形態は単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならな
い。この発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示
すものであって、明細書本文には拘束されない。
【0017】
【発明の効果】この発明は、上記のように空心電機子コ
イルを少なくしてコストダウンを図りながら漏洩磁束部
分に磁性体からなるウエイトを配することにより、空隙
を犠牲にせず主磁束のロスをなくし、確実に最大トルク
を発生する位置で停動できるようにし、かつ補助的な偏
心増加手段を付加する必要なく偏心量を大にできる偏心
ロータと、同偏心ロータを用いることにより、マグネッ
トのサイズを小さくできるようにしてコストを下げ、し
かも振動を大にした扁平コアレス振動モータを得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す停止位置保
持手段を備えた偏心ロータとマグネットの位置関係を示
す要部平面図である。
【図2】図1のコミュテータ側からみた要部平面図であ
る。
【図3】この発明の停止位置保持手段を備えた偏心ロー
タを用いた扁平コアレス振動モータの第1の実施の形態
を示し、偏心ロータの部分は図1のA−A線切断断面図
である。
【図4】図3のモータの起動時の動作説明図である。
【図5】この発明の第2の実施の形態を示す停止位置保
持手段を備えた偏心ロータとマグネットの位置関係を示
す要部平面図である。
【図6】図5のコミュテータ側からみた要部平面図であ
る。
【図7】図5の変形例の同偏心ロータとマグネットの位
置関係を示す要部平面図である。
【図8】この発明の停止位置保持手段を備えた偏心ロー
タを用いた扁平コアレス振動モータの第2の実施の形態
を示し、偏心ロータの部分は図6及び図7のB−B切断
断面図である。
【図9】図8に示す同モータの主要部材である平板型コ
ミュテータとブラシの関係を説明するための拡大要部断
面図である。
【図10】この発明の同モータの主要部材の変形例であ
る円筒型コミュテータとブラシを説明するための拡大要
部断面図である。
【図11】図5,6の偏心ロータを用いた図8に示す同
モータの回転原理説明図である。
【図12】図7の偏心ロータを用いた場合の回転原理説
明図である。
【図13】従来の扁平振動モータを示す断面図である。
【符号の説明】 R1、R2、R3 偏心ロータ W1 磁性体を含む金属ウエイト W2 磁性体を含む樹脂製ウエイト 1 印刷配線板からなる平板コミュテータ基材 2,22 高密度高摺動性樹脂 3、33 空心電機子コイル 4、44 平板コミュテータ 5 マグネット 6 ケース 7 ブラケット 8、88 ブラシ a、b、c、d、Ka、Kb、Kc、Kd 突起 SL、SL1 スリット H ハウジング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 23/00 H02K 23/00 A 5H623 23/54 23/54 23/58 23/58 Z Fターム(参考) 5D107 AA02 AA03 BB08 CC09 DD08 5H603 BB01 BB04 BB14 CA02 CA05 CB13 CC14 CC19 EE10 5H604 BB01 BB07 BB13 CC02 CC04 CC20 DB01 QB04 5H607 BB01 BB04 BB13 CC01 CC03 DD02 DD16 EE58 5H613 AA02 BB04 BB07 GA04 GB02 GB09 KK01 5H623 BB06 GG12 GG17 GG23 HH09 JJ01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一個の空心電機子コイルを偏
    らせて配し、コミュテータを添設した偏心ロータであっ
    て前記コミュテータ側の外周に垂下部を設け、この垂下
    部に少なくとも一部に磁性を有するウエイトを配してな
    る停止位置保持手段を備えた偏心ロータ。
  2. 【請求項2】 前記ウエイトは組み合わせるマグネット
    のほぼ磁極の開角で空心電機子コイルの外周のマグネッ
    ト側に配されている請求項1に記載の停止位置保持手段
    を備えた偏心ロータ。
  3. 【請求項3】 前記ウエイトは表面に磁性メッキした比
    重8以上の金属体である請求項2に記載の停止位置保持
    手段を備えた偏心ロータ。
  4. 【請求項4】 前記ウエイトは磁性金属を有する比重8
    以上の樹脂体で形成した請求項2に記載の停止位置保持
    手段を備えた偏心ロータ。
  5. 【請求項5】 前記コミュテータのスリットに隣り合っ
    たセグメント同士が前記ブラシでショートしないように
    するためにスリット内に突起を配したことを特徴とする
    請求項1に記載の停止位置保持手段を備えた偏心ロー
    タ。
  6. 【請求項6】 前記コミュテータは印刷配線板で形成
    し、スリットに隣り合ったセグメント同士が前記ブラシ
    でショートしないにようにする突起も印刷配線で形成し
    た請求項5に記載の停止位置保持手段を備えた偏心ロー
    タ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    に記載の停止位置保持手段を備えた偏心ロータを用いる
    ものであって、この偏心ロータに給電する一対のブラシ
    を備え、軸方向空隙を介して臨ませたマグネットの磁力
    を利用して駆動させるようにした扁平コアレス振動モー
    タにおいて、前記偏心ロータを前記マグネット外周とハ
    ウジングとの間に設けた空所に前記垂下部が来るように
    前記ハウジングに格納した扁平コアレス振動モータ。
  8. 【請求項8】 請求項5または6に記載の記載の停止位
    置保持手段を備えた偏心ロータを用いるものであって、
    この偏心ロータに給電する一対のブラシを備え、軸方向
    空隙を介して臨ませたマグネットの磁力を利用して駆動
    させるようにした扁平コアレス振動モータにおいて、前
    記偏心ロータを前記マグネット外周とハウジングとの間
    に設けた空所に前記垂下部が来るように前記ハウジング
    に格納した扁平コアレス振動モータ。
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