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JP2002299263A - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

半導体装置の作製方法

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Publication number
JP2002299263A
JP2002299263A JP2001104119A JP2001104119A JP2002299263A JP 2002299263 A JP2002299263 A JP 2002299263A JP 2001104119 A JP2001104119 A JP 2001104119A JP 2001104119 A JP2001104119 A JP 2001104119A JP 2002299263 A JP2002299263 A JP 2002299263A
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JP
Japan
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thin film
diamond thin
temperature
diamond
layer
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2001104119A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuma Katayama
琢磨 片山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001104119A priority Critical patent/JP2002299263A/ja
Publication of JP2002299263A publication Critical patent/JP2002299263A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大面積に均質で高密度の核生成が実現でき、
表面が平滑なダイヤモンド薄膜が得られやすいという多
孔質層を形成する核生成前処理の長所を活かしながら、
ダイヤモンド薄膜の成長温度に対する制約を少なくし
て、高品質なダイヤモンド薄膜を含む半導体装置を作製
する方法を提供する。 【解決手段】 シリコンウェハー1を陽極化成し、表面
に多孔質シリコン層2を形成し、多孔質シリコン層2の
上にダイヤモンド状炭素を含む中間層3を気相成長によ
り形成し、中間層3の上にダイヤモンド薄膜を気相成長
により形成する。これにより、高温低圧のダイヤモンド
薄膜の気相成長環境下においても下地となる多孔質シリ
コン層の構造が変化しにくくなるので、多孔質シリコン
層2の高密度な核生成状態を維持したままでダイヤモン
ド薄膜を形成できるので、表面が平滑で品質が良好なダ
イヤモンド薄膜含む半導体装置を高速作製することが可
能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波帯の無線通
信分野やオプトエレクトロニクス等の電子デバイス分野
に用いられるダイヤモンド薄膜を含む半導体装置の作製
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは、地球上に存在する全て
の物質の中で硬度やヤング率が最も大きいという機械的
特徴を有するため、既に様々な機械部品や工具に用いら
れている。
【0003】また、ダイヤモンドは、機械的以外にも、
電気的、光学的、そして熱的に非常に優れた性質を持っ
ており、電子デバイス分野でも大変注目されている材料
であり、例えばダイヤモンドの中を伝播する音速の速さ
を利用したGHz(ギガヘルツ)帯の無線通信用の弾性
表面波フィルタ等にも実用され始めている。
【0004】電気的な特徴としてダイヤモンドは、5.
45eVという大きな禁制帯幅をもち通常は絶縁体であ
るが、不純物を添加することでワイドバンドギャップの
半導体とすることもできる。また、電子やホールの移動
度が1600〜2200cm 2/Vsと非常に大きい。
このため、ハイパワー高耐圧ICや通信用高速FET等
の次世代デバイス用半導体としても脚光を浴びている。
【0005】近年、シリコン基板上へのダイヤモンド薄
膜の作製技術に関する研究開発は活発化し、これまでに
熱フィラメントCVD法、マイクロ波プラズマCVD
法、高周波プラズマCVD法、直流放電プラズマCVD
法、アーク放電プラズマジェット法、レーザーデポジシ
ョン法等の気相成長技術が開発されてきた。
【0006】ダイヤモンド薄膜を作製する際に、このよ
うに高熱やプラズマ、レーザー光等の高エネルギー励起
源を必要とするのは、原料気体である炭化水素ガスやア
ルコール系ガス及び雰囲気気体である水素ガスを効率良
く分解し、気相中で炭化水素ラジカルや原子状水素が過
飽和な非平衡状態をつくりだす必要があるからである。
【0007】とりわけ、基板上にダイヤモンド薄膜を結
晶成長させる初期の行程(核生成の行程)は自由エネル
ギーが不安定で、ただ単に平坦鏡面的な基板上に原料分
子や原子状水素の活性種を供給するだけでは核生成は起
こりにくく、ダイヤモンド薄膜の成長は極めて困難であ
る。
【0008】そこで通常は、ダイヤモンド薄膜を作製す
る前に適当な核生成前処理を行って、基板上にダイヤモ
ンドの核生成が容易に起こるようにする。代表的な核生
成前処理の方法としては、基板表面に予め微細なきずを
設けておくスクラッチ法がよく知られている。
【0009】しかし、スクラッチ法は、核生成密度(ダ
イヤモンド薄膜の結晶成長の初期における核生成の単位
面積あたりの密度)が106〜107cm-2と小さく、表
面が平滑なダイヤモンド薄膜を得ることが難しいという
欠点がある。一般に核生成密度が低いと、ダイヤモンド
粒同士が結合するまでの結晶成長に長時間を要し、より
薄く連続した膜が形成されにくい上に、三次元的に結晶
成長した粒が互いに合体した形状を有するため、結晶成
長したダイヤモンド薄膜表面に凹凸が顕著に現れる。ま
た、スクラッチ法は、大面積の基板上に均一な密度で均
一な大きさの核を生成させにくいという問題もある。
【0010】最近、これらの課題を克服できる新しい核
生成前処理の方法として、物理的または化学的に基板表
面に高密度の微小歪みを導入する手法が提案され、例え
ばシリコン基板にSi+イオンを注入する方法(Jie Yan
g et al.; Applied PhysicsLetters 66(1995) pp3284-3
286)、あるいはシリコン基板表面を電気化学処理によ
り多孔質化する方法等がある。
【0011】後者のシリコン基板表面を多孔質化する核
生成前処理の方法として、シリコン等の半導体基板を陽
極化成することによってその表面を多孔質層に改質する
方法がある。ここで、多孔質層とは、基板表面から内部
にかけて、ナノメートル〜マイクロメートルオーダーの
大きさを有する空孔が無数に分散されたその基板の一部
のことである。このとき、陽極化成電流密度や温度を適
当に選ぶことによって、多孔質層表面に10〜1000
nm程度の凹凸(格子歪み)を制御良く形成することが
できる。
【0012】この核生成前処理工程を用いたダイヤモン
ド薄膜の作製方法が、例えば特開平6−135798号
公報に開示され、その公報には、フッ化水素酸を含む電
解液中でシリコン基板を陽極化成して表面を多孔質化し
た多孔質シリコン層を形成し、多孔質シリコン層の格子
歪みを核としてダイヤモンド薄膜を作製する方法が記載
されている。この方法によれば、108〜1010cm-2
という非常に高い核生成密度が実現できるため、表面が
平滑なダイヤモンド薄膜を得ることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】一般に多孔質層の構造
は、温度、接している気相の状態、圧力等に対して非常
に敏感であることが知られている。多孔質層が多孔質シ
リコン層の場合、真空中や水素ガス雰囲気中で温度を上
げていくと微視的には約300℃から変化が現れ、さら
に温度を上げるとシリコン原子の流動化が顕著になりナ
ノメートルサイズの微細な空孔が凝集してマイクロメー
トルサイズの空孔に再構成される。約1000℃以上に
なると、流動化現象によって空孔が維持できなくなり、
多孔質構造そのものが消失してしまう場合もある。
【0014】一方、ダイヤモンド薄膜の作製は、気相成
長の方法にも依存するが、減圧の水素ガス雰囲気下で、
概して700〜1200℃の温度で行われる。通常、ダ
イヤモンドの気相成長表面は通常水素原子で終端されて
おり、この終端水素が気相中の原子状水素に引き抜かれ
て脱離すると同時に、炭化水素ラジカルの炭素原子がそ
の格子点を置換してダイヤモンドの結晶構造の骨格とな
るsp3結合を形成していく過程によって、ダイヤモン
ド薄膜の結晶成長が起こっている。ここで、ダイヤモン
ド表面の終端水素の脱離は、900〜1050℃程度で
最も活発に起こると考えられ(S.Matsumoto et al.;Che
mical Letters (1973) p.1247)、ダイヤモンド薄膜を
気相成長により作製する際においても、高い成膜速度と
良質な結晶品質を実現する上で、900〜1050℃の
温度領域での作製が適している。
【0015】従って、多孔質シリコン層を形成する核生
成前処理の方法を利用する場合において、良質な結晶品
質のダイヤモンド薄膜を作製するために900℃〜10
50℃の高温で気相成長すると、前述のように下地の多
孔質シリコン層が熱的に破壊され核生成密度が低下する
という問題があり、逆に、多孔質シリコン層が熱的な影
響を受けないように300℃程度の低温で気相成長する
と、多孔質シリコン層の上のダイヤモンド薄膜の成長温
度が制限されてしまうという問題があった。
【0016】本発明は、上記問題点を解決するために、
大面積に均質で高密度の核生成が実現でき、表面が平滑
なダイヤモンド薄膜が得られやすいという多孔質層を形
成する核生成前処理の長所を活かしながら、ダイヤモン
ド薄膜の成長温度に対する制約を少なくして、電子デバ
イスにも適合した高品質なダイヤモンド薄膜を含む半導
体装置を高いスループット(短時間当たりの処理能力)
で作製する方法を提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の半導
体装置の作製方法は、シリコン基板を陽極化成し、前記
シリコン基板の表面に多孔質シリコン層を形成する工程
と、前記多孔質シリコン層の上にダイヤモンド状炭素を
主成分とする中間層を気相成長により形成する工程と、
前記中間層の上にダイヤモンド薄膜を気相成長により形
成する工程とを備えたものである。
【0018】多孔質シリコン層とダイヤモンド薄膜の間
に中間層を形成することにより、高温低圧のダイヤモン
ド薄膜の気相成長環境下においても下地となる多孔質シ
リコン層の構造が変化しにくくなる。従って、高密度な
核生成状態を維持したままでダイヤモンド薄膜を形成で
きるので、表面が平滑で品質が良好なダイヤモンド薄膜
を含む半導体装置を高速作製することが可能となる。
【0019】また、第1の半導体装置の作製方法におい
て、中間層が、ダイヤモンド状炭素を主成分とすること
が好ましい。
【0020】中間層に含まれるダイヤモンド状炭素と中
間層の上に形成されるダイヤモンド薄膜とはともに炭素
の同素体で、気相成長膜の表面はどちらも炭素または水
素のみで終端されているため、結晶格子の整合性が良く
界面での相互拡散の問題が起こらないので、さらに表面
が平滑で品質が良好なダイヤモンド薄膜を含む半導体装
置を高速作製することが可能となる。
【0021】また、第1の半導体装置の作製方法におい
て、前記中間層の厚さが10〜2000nmであること
が好ましい。
【0022】また、第1の半導体装置の作製方法におい
て、前記中間層の厚さが200〜800nmであること
が好ましい。
【0023】本発明に係る第2の半導体装置の作製方法
は、シリコン基板を陽極化成し、前記シリコン基板の表
面に多孔質シリコン層を形成する工程と、前記多孔質シ
リコン層の上に800℃以下の気相成長温度で低温成長
ダイヤモンド薄膜を形成する工程と、前記低温成長ダイ
ヤモンド薄膜の上に800℃以上の気相成長温度で高温
成長ダイヤモンド薄膜を形成する工程とを備えたもので
ある。
【0024】多孔質シリコン層は、約800℃より低い
温度では大幅な構造変化は起こさないため、800℃以
下の低温成長ダイヤモンド薄膜の形成段階では、高い核
生成密度を維持したまま結晶成長が進む。従って、高密
度な核生成状態を維持したまま高温でダイヤモンド薄膜
を形成できるので、表面が平滑で品質が良好なダイヤモ
ンド薄膜を含む半導体装置を高速作製することが可能と
なる。
【0025】また、第2の半導体装置の作製方法におい
て、前記第1のダイヤモンド薄膜の厚さが、0より大き
く500nm以下であることが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係るダ
イヤモンド薄膜の作製方法について、図1〜図4を用い
て説明する。
【0027】(第1の実施形態)以下、本発明の第1の
実施形態に係る半導体装置の作製方法について、図1を
参照しながら説明する。尚、図1(a)〜(c)は、第
1の実施形態に係る半導体装置の作製方法を示す断面図
である。
【0028】まず、単結晶のシリコンウェハー1を陽極
化成して、図1(a)に示すように、シリコンウェハー
1の表面に、ダイヤモンド薄膜形成のための核となる多
孔質シリコン層2を形成する。尚、多孔質の孔は図示し
ていない。
【0029】陽極化成は、シリコンウェハー1の表面を
網目状の白金電極と対向させたまま、フッ化水素酸(H
F)とエタノール(C25OH)の1:1混合液に浸
し、シリコンウェハー1を陽極に、白金電極を陰極にし
て電流を流して行われる。ここで、シリコンウェハー1
がn型伝導性である場合は化成速度が遅いため、Xe
(キセノン)ランプ光等を照射して化成を促進する必要
がある。尚、シリコンウェハー1がp型伝導性であれば
光照射の必要はない。
【0030】陽極化成により得られる多孔質シリコン層
2の空孔サイズ(径)、層厚または化成速度は、主に単
結晶シリコンウェハー1の抵抗率、化成電流密度、化成
温度、化成時間を調節することによって再現性良く制御
できる。尚、n型伝導性のシリコンウェハーの場合は光
照射強度も影響する。本実施形態では、空孔サイズが約
100nm、化成速度が500nm/分以下、層厚が1
000nm以下になるように、p型伝導性のシリコンウ
ェハー1を用いて、その抵抗率を1Ω・cm、化成電流
密度を10mA/cm2、化成温度を25℃、化成時間
を180秒に設定している。
【0031】また、陽極化成は、複雑な装置を必要とし
ない簡便なウェット処理であり、たとえ基板面積が大き
くても均一サイズ、均一密度の核生成を実現することが
できる。
【0032】次に、図1(b)に示すように、誘導結合
プラズマCVD法により、多孔質シリコン層2を核とし
てダイヤモンド状炭素を主成分とする中間層3を析出し
て結晶成長させる。ここで、ダイヤモンド状炭素とは、
完全なダイヤモンドとは異なりsp3結合以外の分子結
合(sp2、sp1等)を含んだ炭素の総称である。
【0033】このとき、中間層3は、下地の多孔質シリ
コン層2の微細な凹凸の影響を受けて、堆積初期は島状
に析出し、やがて連続膜へと成長している。後続するダ
イヤモンド薄膜の合成時に高密度の核生成を実現するた
めには、中間層3の厚さdは、10〜2000nmとな
るように成長時間を制御するのが望ましい。
【0034】尚、本実施形態で用いた誘導結合プラズマ
CVD法とは、石英製の反応管の外に配置された誘導コ
イルと呼ばれるコイルに高周波(13.56MHz)を
印加して反応管内にプラズマを誘起し、反応管内に流入
した原料ガスを分解し、励起して基板上に薄膜を堆積す
る気相成長法である。
【0035】本実施形態における中間層3の作製条件
は、高周波入力を500W、反応圧力を約13.3Pa
(0.1Torr)、シリコンウェハー1の基板温度を
約300℃として中間層3の形成を行った。尚、原料ガ
スにはメタン(CH4)を使用し、水素(H2)を雰囲気
ガスとしてメタンを7%に希釈している。
【0036】また、ダイヤモンド状炭素の中間層3の結
晶成長は、プラズマCVD法に代表される化学的気相成
長法の他に、イオンビーム蒸着法、イオンビームスパッ
タ法、レーザーデポジション法等の物理的成長法でも実
現可能である。
【0037】最後に、図1(c)に示すように、誘導結
合プラズマCVD法により中間層3の上にダイヤモンド
薄膜4を成長させる。誘導結合プラズマCVD法でダイ
ヤモンド薄膜を成長する場合、中間層3の作製条件より
高温高圧でより低い原料ガス濃度が必要となる。本実施
形態の成膜条件は、メタン濃度を2%(水素希釈)、高
周波入力を500W、反応圧力を約667Pa(5To
rr)として行った。尚、シリコンウェハー1の基板温
度は約900℃であった。
【0038】また、このとき得られるダイヤモンド薄膜
4は多結晶体であり、その成長速度は約200nm/時
である。
【0039】尚、成膜方法として誘導結合プラズマCV
D法を用いたが、平行平板型プラズマCVD法や熱フィ
ラメント法、マイクロ波プラズマCVD法等の成膜方法
を用いてもよい。
【0040】次に、図2を用いてダイヤモンド状炭素の
中間層3の膜厚を変化させた場合のダイヤモンド薄膜4
の表面の平均粗さについて説明する。尚、図2は、中間
層3の膜厚とダイヤモンド薄膜4の表面の平均粗さとの
関係を示す図である。
【0041】尚、中間層3の成長速度を約600nm/
時で一定とし、ダイヤモンド薄膜4の厚さをすべて約3
000nmとなるように成膜した。また、平均表面粗さ
は、走査プローブ顕微鏡で測定している。
【0042】図2に示すように、中間層3の厚さが約1
0〜2000nmの場合の平均粗さは、中間層3がない
場合(厚さが0nm)の場合の平均粗さに比べて小さく
なっていることから、ダイヤモンド薄膜4の表面は中間
層3を入れることによって平滑化されていることがわか
る。また、中間層3の厚さが、200〜800nm程度
で特にその効果があることがわかる。これは、中間層3
が、多孔質シリコン層2の表面に形成されたダイヤモン
ド結晶成長核の消失を抑制するよう働いていることを示
している。逆に、中間層の厚さが800nmより大きく
なるとダイヤモンド薄膜の平滑性が低下するのは、中間
層3自体の表面平坦化が進んでしまい、かえって核生成
密度が低下してしまうと考えられるからである。
【0043】最適な中間層3の厚さは、下地となる多孔
質シリコン層の厚さや空孔度に依存して選ばれるべきで
あるが、その厚さが10nm未満の極薄層ではもはや多
孔質構造を保護するバリアとしての有効性が失われてし
まう。一方、中間層3の厚さが2000nmより厚くな
ると、多孔質シリコン層の表面に形成された微小な凹凸
が中間層によって平坦化されてしまうため、その上に析
出するダイヤモンド薄膜の成長核としての機能を果たさ
なくなる。
【0044】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態に係る半導体装置の作製方法について、図3を
参照しながら説明する。尚、図3(a)〜(c)は、第
2の実施形態に係る半導体装置の作製方法を示す断面図
である。
【0045】まず、第1の実施形態と同様に、単結晶シ
リコンウェハー1を陽極化成して、図3(a)に示すよ
うに、表面に多孔質シリコン層2を形成する。陽極化成
については、第1の実施形態と同様なのでその説明は省
略する。
【0046】次に、図3(b)に示すように、誘導結合
プラズマCVD法により、基板温度を800℃以下の低
温にして、多孔質シリコン層2を核として低温成長ダイ
ヤモンド薄膜5を析出して結晶成長させる。第2の実施
形態において、基板温度を800℃以下としたのは、8
00℃以上では多孔質シリコン層2が熱的に破壊され、
核生成密度が低下してしまうからである。
【0047】本実施形態における低温成長ダイヤモンド
薄膜5の作製条件は、メタン濃度を2%(水素希釈)、
高周波入力を500W、反応圧力を約667Pa(5T
orr)、基板温度を約700℃とした。この場合、低
温成長ダイヤモンド薄膜5の膜厚については特に制限は
なく、低温成長ダイヤモンド薄膜の膜厚が2000nm
より厚くなって表面が平坦化されても、その上に形成す
る高温成長ダイヤモンド薄膜は格子整合しながら連続的
に成長していくため、見かけ上高い核生成密度を維持し
たのと同じ効果を示す。尚、低温成長ダイヤモンド薄膜
の成長速度は約40nm/時と低速であるため、低温成
長ダイヤモンド薄膜の膜厚が500nm以下の膜厚にす
ることが好ましい。
【0048】最後に、図3(c)に示すように、誘導結
合プラズマCVD法により、低温成長ダイヤモンド薄膜
5の上に、基板温度が800℃以上の高温で、高温成長
ダイヤモンド薄膜6を堆積させる。高温成長ダイヤモン
ド薄膜6は、成長温度を除いて低温成長ダイヤモンド薄
膜5と同様の方法や条件で成膜することができる。従っ
て、気相成長装置を共用化し連続成膜することによっ
て、装置コストの低減やスループットの向上が図られ
る。ただし、低温成長ダイヤモンド薄膜5と高温成長ダ
イヤモンド薄膜6の気相成長方法や成長装置、条件は異
なるものであっても良い。本実施形態では、両者を同一
の誘導結合プラズマCVD装置で連続成長させる方法を
選んだ。
【0049】高温成長ダイヤモンド薄膜6の作製に際し
ては、メタン濃度を2%(水素希釈)、高周波入力を5
00W、反応圧力を約667Pa(5Torr)とし、
基板温度を約900℃まで昇温して結晶成長を継続し
た。
【0050】次に、図4を用いて低温成長ダイヤモンド
薄膜5の膜厚を変化させた場合の高温成長ダイヤモンド
薄膜6の表面の平均粗さについて説明する。尚、図4
は、低温成長ダイヤモンド薄膜5の膜厚と高温成長ダイ
ヤモンド薄膜6の表面の平均粗さとの関係を示す図であ
る。
【0051】尚、低温成長ダイヤモンド薄膜の成長速度
は、約40nm/時で一定とし、高温成長ダイヤモンド
薄膜6の厚さをすべて約3000nmとなるように成膜
した。また、平均表面粗さは、走査プローブ顕微鏡で測
定している。
【0052】図4に示すように、低温成長ダイヤモンド
薄膜5の膜厚がない場合(厚さが0nm)に比べて、低
温成長ダイヤモンド薄膜5が存在する場合には、最上面
の高温成長ダイヤモンド薄膜6の表面が平滑化されてい
ることがわかる。つまり、低温成長ダイヤモンド薄膜5
と高温成長ダイヤモンド薄膜6との低温・高温の2段階
でダイヤモンド薄膜を作製することによって、最上面の
ダイヤモンド薄膜表面が平滑化されていることがわか
る。これは、低温成長ダイヤモンド薄膜5が低温で形成
されるため、多孔質シリコン層2の表面に形成されたダ
イヤモンド結晶成長核の消失が抑制されていることを示
している。
【0053】
【発明の効果】本発明に係る第1の半導体装置の作製方
法のように多孔質シリコン層とダイヤモンド薄膜の間に
中間層を形成することにより、高温低圧のダイヤモンド
薄膜の気相成長環境下においても下地となる多孔質シリ
コン層の構造が変化しにくくなる。従って、高密度な核
生成状態を維持したままでダイヤモンド薄膜を形成でき
るので、表面が平滑で品質が良好なダイヤモンド薄膜を
含む半導体装置を高スループットで作製することができ
る。
【0054】さらに、第1の半導体装置の作製方法にお
いて、中間層をダイヤモンド状炭素を主成分とすること
により、ダイヤモンド状炭素と中間層の上に形成される
ダイヤモンド薄膜とは、結晶格子の整合性が良く界面で
の相互拡散の問題が起こらないので、さらに、表面が平
滑で品質が良好なダイヤモンド薄膜を含む半導体装置を
高いスループットで作製することができる。
【0055】本発明に係る第2の半導体装置の作製方法
のように、多孔質シリコン層の上に800℃以下の気相
成長温度で低温成長ダイヤモンド薄膜を形成することに
より、多孔質シリコン層の高い核生成密度を維持したま
ま、低温成長ダイヤモンド薄膜の上に高温でダイヤモン
ド薄膜を結晶成長させることができるので、表面が平滑
で品質が良好なダイヤモンド薄膜を含む半導体装置を高
いスループットで作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る半導体装置の作製方法を
示す断面図
【図2】中間層3の膜厚に対するダイヤモンド薄膜4の
表面平均粗さを示す図
【図3】第2の実施形態に係る半導体装置の作製方法を
示す断面図
【図4】低温成長ダイヤモンド薄膜5の膜厚に対する高
温成長ダイヤモンド薄膜6の表面平均粗さを示す図
【符号の説明】
1 シリコンウェハー(シリコン基板) 2 多孔質シリコン層 3 中間層 4 ダイヤモンド薄膜 5 低温成長ダイヤモンド薄膜(第1のダイヤモンド薄
膜) 6 高温成長ダイヤモンド薄膜(第2のダイヤモンド薄
膜)
フロントページの続き Fターム(参考) 4G077 AA02 BA03 DB01 EA02 ED06 EE04 EF03 TC06 TC17 4K030 BA28 BB13 CA04 DA02 FA04 JA01 JA10 LA15 5F045 AA08 AA19 AB07 AB40 AC01 AC07 AC08 AD07 AD11 AE23 AE25 DA53 HA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板を陽極化成し、前記シリコ
    ン基板の表面に多孔質シリコン層を形成する工程と、前
    記多孔質シリコン層の上に中間層を気相成長により形成
    する工程と、前記中間層の上にダイヤモンド薄膜を気相
    成長により形成する工程とを備えたことを特徴とする半
    導体装置の作製方法。
  2. 【請求項2】 前記中間層が、ダイヤモンド状炭素を主
    成分とすることを特徴とする請求項1に記載の半導体装
    置の作製方法。
  3. 【請求項3】 前記中間層の厚さが10〜2000nm
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    半導体装置の作製方法。
  4. 【請求項4】 前記中間層の厚さが200〜800nm
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    半導体装置の作製方法。
  5. 【請求項5】 シリコン基板を陽極化成し、前記シリコ
    ン基板の表面に多孔質シリコン層を形成する工程と、前
    記多孔質シリコン層の上に800℃以下の気相成長温度
    で第1のダイヤモンド薄膜を形成する工程と、前記第1
    のダイヤモンド薄膜の上に800℃以上の気相成長温度
    で第2のダイヤモンド薄膜を形成する工程とを備えたこ
    とを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 【請求項6】 前記第1のダイヤモンド薄膜の厚さが、
    0より大きく500nm以下であることを特徴とする請
    求項5に記載の半導体装置の作製方法。
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