JP2002270161A - リチウムイオン二次電池用負電極板の製造方法 - Google Patents
リチウムイオン二次電池用負電極板の製造方法Info
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Abstract
電体及び負極活物質層自体を変えること無く、簡単に、
集電体と電極活物質層との密着性を向上させることがで
き、それにより優れた電池特性を与えることができるリ
チウムイオン二次電池用負電極板の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 集電体となる銅箔に4〜20N/mm2のテンシ
ョンをかけた状態で、この銅箔の片面に負極活物質ペー
ストを塗布し、同じ範囲のテンション下に乾燥した後、
この銅箔の他面に同様の塗布及び乾燥を施す工程と、同
じ範囲のテンション下に加熱処理する工程とを含むリチ
ウムイオン二次電池用負電極板の製造方法。
Description
話、電気自動車等において用いられるリチウムイオン二
次電池の負電極板の製造方法に関する。
体としては銅箔が広く使用されている。銅箔を用いた負
電極は、負極活物質として公知の炭素材料にバインダー
を混合し、さらに適当な溶剤を加えて得たペーストを銅
箔上に所定の厚さで塗布し、乾燥してシート状の負電極
の形態で製造されている。
ターカレート出来る黒鉛系炭素、コークス系炭化物、繊
維状カーボン等が用いられている。また、バインダーと
しては物理的、化学的及び電気化学的に安定なポリフッ
化ビニリデン等のフッ素系樹脂が多用されている。この
フッ素系樹脂は炭素系材料間の結着には優れているが金
属との接着力に劣るという欠点がある。このため、電極
製造時に負極活物質層が剥離し易いことから、該電極は
ハンドリング性に劣る。また、電池組み立て後に、電解
液が浸透して負極活物質層が剥離するおそれがあり、そ
の場合は、電池の充放電サイクル特性が著しく低下す
る。
負極活物質層との密着性を向上させる試みが多数提案さ
れている。これらの試みは、集電体となる銅箔を改質す
る方法と負極活物質層を改質する方法とに大別できる。
ば、特開昭51-136535号公報、特開平6-260168号公報、
特開平7-192767号公報、特開平11-293444号公報、特開
平11-302822号公報、特開2000-200610号公報等に開示さ
れている。これらの公報は、パンチング多孔性箔の形
成、凹凸電解銅箔の形成、酸化物と水酸化物の銅箔表面
複合皮膜の形成、銅粒子電着表面粗化などの手段で銅箔
表面特性を改善することを提案している。
えば、特開平5-89871号公報、特開平9-35707号公報、特
開平10-172573号公報、特開平10-284059号公報、特開平
10-302771号公報、特開平11-339809号公報等に開示され
ている。これらの公報は、活物質層中にバインダーの密
度分布を設ける方法、活物質層と集電体との間に結着層
を設ける方法、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン
とポリメタクリル酸メチルとのポリマー複合体を用いる
方法、バインダーを活物質層の表面部分に比べて集電体
との界面部分に多く分布させる方法、ポリイミド樹脂を
含有するバインダーとする方法、フッ素樹脂の他ポリエ
ーテルを加えたバインダーとする方法を提案している。
ストを塗布する場合には、通常、銅箔の片面に該ペース
トを塗布し、高温で乾燥した後、他面に同様の操作を行
う。特開平11-345608号公報は、銅箔片面に塗布された
ペーストの乾燥中に未塗布面に酸化被膜が生成するのを
避けるため、負極活物質ペーストを集電体となる銅箔の
両面に同時に塗布した後、乾燥する方法を開示してい
る。
によると、負電極の製造工程が複雑になる。また、銅箔
と負極活物質層との密着性は改善されるものの、負極活
物質ペーストのコート工程において要求される銅箔の物
理的及び機械的性能、電極として要求される銅箔の物理
的及び機械的性能が不十分になるという問題がある。
法は、従来の負極活物質ペーストのコート工程を大きく
変えることなく実施可能な技術であるが、その実施方法
によっては、電極や電池としての電気的性能や電気化学
的安定性の点で新たな問題が生じる。すなわち、例え
ば、活物質層中のバインダーの割合が増加することによ
り、相対的に負極活物質の割合が低下して、それにより
電池容量が減少するという問題、活物質層中にバインダ
ーの密度分布を設けることにより、バインダーが高密度
となった部分において、バインダーが電極反応を阻害
し、電池特性が低下するという問題などが生ずる。
教える両面同時塗布方法は、操作が複雑、困難であると
ともに、電極製造装置が大がかりになるという問題があ
る。
来のリチウムイオン二次電池用負電極板の集電体及び負
極活物質層自体を変えること無く、簡単に、集電体と負
極活物質層との密着性を向上させることができ、それに
より優れた電池特性を与えることができるリチウムイオ
ン二次電池用負電極の製造方法を提供することを主目的
とする。
め、本発明者らは研究を重ね、以下のからの知見を
見出し、本発明を完成させた。 負極活物質ペーストを集電体となる銅箔に塗布し、
乾燥する際に、該銅箔にテンションをかけた状態を保つ
ことにより、完成した後の負電極における負極活物質層
の対電解液剥離性を抑え、また負極活物質層と銅箔との
密着性を向上させることができる。 従来、集電体となる銅箔に負極活物質ペーストを塗
布する場合には、銅箔の片面に該ペーストを塗布し、高
温下で乾燥した後、他面に同様の操作を行って、集電体
の両面に負極活物質層が形成されたものとしている。し
かし、この場合、先にペーストが塗布された銅箔面に比
べて、後でペーストが塗布された銅箔面の負極活物質層
との密着性が劣る。 特開平11-345608号公報によると、銅箔の片面に負
極活物質ペーストを塗布し、空気中で高温下に乾燥する
際に、銅箔の未塗布面に酸化被膜が生成し、電極の電気
抵抗が増大することが開示されているが、この酸化被膜
の生成が負極活物質層と銅箔との密着性を低下させる。 銅箔の片面に活物質ペーストを塗布した後、該ペー
スト中に含まれる溶剤の蒸発に最低必要な低温で乾燥さ
せることにより、銅箔のペースト未塗布面の酸化被膜の
生成を抑制することができる。 低温で溶剤を乾燥し、除去する場合には、バインダ
ーポリマーの結晶化が不十分となるが、加熱処理を行う
ことにより結晶化を十分に促進させることができる。加
熱処理の際は、銅箔の両面にすでに負極活物質層が形成
されているため、比較的高温で加熱しても銅箔表面に酸
化皮膜が形成されることはない。
リチウムイオン二次電池の負電極板の製造方法を提供す
る。 項1. 集電体となる銅箔に4〜20N/mm2のテンションを
かけた状態で該銅箔の片面に負極活物質ペーストを塗布
し、前記範囲のテンション下に乾燥した後、該銅箔の他
面に同様の塗布及び乾燥を施す工程と、前記範囲のテン
ション下に加熱処理する工程とを含むリチウムイオン二
次電池用負電極板の製造方法。 項2. 前記負極活物質ペーストの塗布時、乾燥時及び
加熱処理時を通して、前記銅箔に同一のテンションをか
ける項1記載のリチウムイオン二次電池用負電極板の製
造方法。 項3. 前記乾燥を60〜130℃の温度で行う項1又は2
記載のリチウムイオン二次電池用負電極板の製造方法。 項4. 前記加熱処理を、80〜200℃の温度で行う項
1、2又は3記載のリチウムイオン二次電池用負電極板
の製造方法。 項5. 前記負極活物質ペーストにバインダーが含まれ
ている項1から4のいずれかに記載のリチウムイオン二
次電池用負電極板の製造方法。 項6. 前記バインダーがフッ素系樹脂である項5記載
のリチウムイオン二次電池用負電極板の製造方法。 項7. 前記バインダーがポリフッ化ビニリデン系重合
体である項6記載のリチウムイオン二次電池用負電極板
の製造方法。 項8. 前記負極活物質ペーストにバインダーの安定剤
が含まれている項7記載のリチウムイオン二次電池用負
電極板の製造方法。 項9. 前記安定剤が有機酸である項8記載のリチウム
イオン二次電池用負電極板の製造方法。 項10. 前記バインダーがスチレン−ブタジエン系ポ
リマーである項5記載のリチウムイオン二次電池用負電
極板の製造方法。
ず、固形分としてのバインダーと溶剤又は分散媒を混合
してバインダー溶液又はエマルジョンとし、さらに負極
活物質を添加して撹拌混合し、負極活物質ペーストを作
製する。
カレーションが可能な材料であれば特に制限されず、リ
チウムイオン二次電池の負極活物質として公知の材料を
使用できる。例えば黒鉛系炭素、コークス系炭素、メソ
カーボンマイクロビーズ、アセチレンブラック、カーボ
ンブラック、ガラス状炭素、ピッチ炭素、有機ポリマー
の焼成体、カーボンミルドファイバー、メソフェーズピ
ッチ系炭素繊維、黒鉛ウィスカー等を用いることができ
る。中でも、黒鉛系炭素、メソカーボンマイクロビー
ズ、メソフェーズピッチ系炭素繊維が好ましく、さらに
好ましいのは黒鉛系炭素、メソカーボンマイクロビーズ
である。
ず、リチウムイオン二次電池の負電極のバインダー材料
として公知のものを使用できる。例えばフッ素系樹脂、
水系エマルジョンとする変性スチレン−ブタジエン系ポ
リマー等を用いることができる。
デン系重合体、ポリテトラフルオロエチレン系重合体等
を例示できる。ポリフッ化ビニリデン系重合体には、フ
ッ化ビニリデンの単独重合体の他、フッ化ビニリデン−
ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン
とマレイン酸成分との共重合体等の共重合体が含まれ
る。ポリテトラフルオロエチレン系重合体には、テトラ
フルオロエチレンの単独重合体の他、テトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフ
ルオロエチレン−エチレン共重合体等の共重合体が含ま
れる。
チレン−ブタジエン系ポリマーが好ましく、フッ素系樹
脂の中では、フッ化ビニリデンの単独重合体、フッ化ビ
ニリデンとマレイン酸成分との共重合体が好ましい。
タジエン系ポリマーを用いる場合には、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテ
ル系物質等を分散剤として添加することが好ましい。分
散剤の添加量は、負極活物質100重量部に対して0.1〜5
重量部程度、より好ましくは0.2〜2重量部程度、さらに
より好ましくは0.5〜1重量部程度とする。
抑えるため極力少ないのが望ましい。バインダーの添加
量は、バインダーの種類によっても異なるが、負極活物
質100重量部に対して1〜20重量部程度とするのが好まし
い。この範囲内であれば、バインダーとして十分機能さ
せることができるとともに、電極性能を低下させること
がない。より好ましくは負極活物質100重量部に対して1
〜15重量部程度、さらにより好ましくは2〜12重量部程
度である。
デン系重合体を用いる場合、負極活物質とバインダー等
を撹拌し、混合する際に、該混合物がゲル化する恐れが
あり、その場合には、負極活物質層が不均一なものにな
るという問題がある。
リデン系重合体を用いる場合、バインダーとともに安定
剤を添加してバインダー溶液又はエマルジョンを作製す
ることが好ましい。すなわち、この安定剤は、バインダ
ーの安定性を維持し、ひいては負極活物質層と銅箔との
密着性を維持するための添加剤である。
ハク酸、マレイン酸、アクリル酸、ギ酸、クエン酸、酢
酸、乳酸、ピルピン酸、プロピオン酸、シトラコン酸、
酪酸等の有機酸等を用いることができる。中でも好まし
いのはシュウ酸、マロン酸、クエン酸であり、さらに好
ましいのはシュウ酸、マロン酸である。
物性、特にアルカリ性不純物等の含有量で変化するが、
負極活物質ペーストの系を酸性サイドに保つ上で、負極
活物質100重量部に対して0.1〜1重量部程度、より好ま
しくは0.2〜0.8重量部程度、さらに好ましくは0.3〜0.6
重量部程度とすることが好ましい。
のであれば特に制限されず、負極活物質ペーストの溶剤
として公知のものを用いることができる。バインダーと
してフッ素系樹脂を用いる場合は、例えばN-メチル−2-
ピロリジノン、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N-ジメチルスルフォキシド、ヘキサメ
チルフォスフォアミド、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、テトラメチルウレア、トリエチルフォスフェイト、
トリメチルフォスフェイト等の極性の溶媒等を用いるこ
とができる。中でもN-メチル−2-ピロリジノン、ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが好まし
く、さらに好ましいのはN-メチル−2-ピロリジノン、N,
N−ジメチルアセトアミドである。
は、分散媒として水等を用いることができる。
負極活物質等を添加した後、撹拌し、混合する際は、ニ
ーダー、ボールミル、ホモジナイザー、遠心混合機等の
一般的な混合機器を用いることができる。また、均一な
ペーストを得るために真空下で脱泡しつつ混合すること
が好ましい。
れる。
銅箔の両面に負極活物質ペーストを片面づつ塗布し、乾
燥する。
〜16N/mm2程度のテンションを印加した状態で該銅箔に
負極活物質ペーストを塗布する。テンションは、負極活
物質層の密着性向上の効果及び銅箔の引っ張り強さや伸
び率を考慮して、前記範囲が好ましい。
けた状態で、活物質ペーストを所定温度で乾燥して、ペ
ースト中に含まれる溶剤又は分散媒を蒸発させることに
より除去する。
面の酸化を引き起こす原因であるので、乾燥温度はより
低い方が好ましいが、溶剤または分散媒の蒸発による除
去を考慮して、60〜130℃程度とする。この温度範囲内
で有れば負極活物質層を十分に乾燥できるとともに、溶
剤又は分散媒を蒸発により除去するのに非実用的な長い
乾燥時間を要さない。銅箔表面の酸化を極力抑えるた
め、より好ましい乾燥温度は80〜120℃程度である。
ポリフッ化ビニリデンを用いる場合には、177℃以上で
乾燥させるとバインダーの劣化、活物質層を形成した負
電極板のそり等の問題が発生するため、実用的でない。
従って、乾燥温度を設定するにあたっては、バインダー
の融点も考慮する。
なるが、60〜130℃の乾燥温度の場合、2〜20分間程度と
することが好ましい。より好ましくは3〜10分間程度、
さらにより好ましくは3〜6分間程度である。
面に、前記と同様の条件で負極活物質ペーストの塗布及
び乾燥を施す。
記塗布時と同範囲のテンションをかけた状態で、不活性
ガス存在下又は真空下に、80〜200℃程度で2〜15時間程
度の加熱処理を施す。加熱処理は、バインダーポリマー
の結晶化促進の効果、エネルギーの経済性等を考慮し
て、80〜150℃程度で4〜15時間程度行うのがより好まし
く、100〜150℃程度で5〜12時間程度行うのがさらによ
り好ましい。
乾燥させるのに代えて、このような加熱処理を行うこと
でバインダーポリマーの結晶化を十分進行させる。加熱
処理の際は、銅箔の両面が活物質層で被覆されているた
め、このような比較的高温で銅箔を加熱することができ
る。
熱処理時を通して、前記銅箔には同一のテンションをか
けることが好ましい。
処理の全工程を通して銅箔に同一のテンションをかける
場合、本発明方法は、より具体的には、例えば以下のよ
うな手順で実施することができる。
出し、負極活物質ペースト塗布装置を通過させて銅箔の
片面に負極活物質ペーストを塗布した後、乾燥炉を通過
させて該ペーストを乾燥し、その後巻取りボビンに巻き
取る。このとき、両ボビン間の銅箔に、長さ方向にテン
ションをかけた状態とする。さらに、銅箔を巻き取った
ボビンを繰出しボビンとして用いて、同様の操作により
銅箔の未塗布面に負極活物質ペーストを塗布し、乾燥す
る。乾燥時間は、銅箔の巻き取り速度を変えることによ
り調節できる。
銅箔をボビンに巻き取られたテンション状態のまま、加
熱炉に入れて加熱処理する。
好ましく、これにより負電極板にしなやかさを付与で
き、この後の工程の処理が容易になる。
り詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)
を10.5重量部、安定剤としてシュウ酸を0.42重量部、溶
剤としてN-メチル2-ピロリジノンを混合し、自公転式混
合機を用いて2000rpm×5分で2回撹拌、混合し、負極活
物質ペーストを作製した。このペーストの30℃での粘度
を振動式粘度計で測定すると1200mPa・sであった。
の圧延銅箔を該ボビンから送り出しつつ、コンマロール
コーターを使用して、該銅箔の片面に均一にこのペース
トを塗布し、乾燥しながら該銅箔を他方のアルミボビン
に巻き取った。その後、同様にして該銅箔の他面にペー
ストを塗布、乾燥して、両面の塗布厚みがそれぞれ110
μmの電極板をアルミボビンに巻取った。塗布、乾燥の
際は、該銅箔に8.0N/mm2のテンションをかけた状態とし
た。また、乾燥温度は100℃、乾燥時間は各面5分間づつ
とした。
アルミボビンごと真空乾燥器中で150℃で12時間加熱処
理し、5時間かけて放冷して負電極板を作製した。
ションを16.0N/mm2とした以外は、実施例1と同様にし
て負電極板を作製した。
例1と同様にして負電極板を作製した。
を3分間とした以外は実施例1と同様にして負電極板を作
製した。
して負電極板を作製した。
して負電極板を作製した。
重量部、バインダーとしてのスチレン−ブタジエン系ポ
リマーを乾燥重量換算で2重量部及び分散剤としてのカ
ルボキシメチルセルロース1重量部を分散媒の水に溶か
したものを混合し、自公転式混合機を用いて2000rpm×5
分で2回撹拌、混合して負電極活物質ペーストを作製し
た。なお、30℃におけるペースト粘度が1100〜1300mPa
・sになるように分散媒の水の量を調整した。
法、条件で圧延銅箔上に塗布、乾燥してアルミボビンに
巻取った。
ビンごと真空乾燥器中で120℃の温度で5時間加熱処理
し、5時間掛けて放冷して負電極板を作製した。
ョンをかけない以外は実施例1と同様にして負電極板を
作製した。
極板を得た。
間とした以外は実施例1と同様にして負電極板を得た。
負電極板を作製した 。
価する方法について説明する。
5400による碁盤目法、碁盤目テープ法、Xカットテープ
法が一般的である。本発明者は、電解液に浸漬されて、
該電極液に接触する電極における負極活物質層の密着性
をより的確に評価するために、負電極を電解液に浸漬す
るウエット法を考案し、これを用いた。
の切片を鋭利な刃物で切り出し、内径15mmφ×深さ30mm
のガラス瓶中で該電極切片を5mlの電解液に浸漬し、該
ガラス瓶を完全シールした状態で、室温下に、剥離する
までの時間を測定し、密着度を評価する方法である。
板について、JIS K5400のXカットテープ法で乾燥状態で
の負極活物質層の密着度を評価し、ウェット法で電解液
に対する剥離性能を評価した。使用した電解液はエチレ
ンカーボネート/ジエチレンカーボネート/6フッ化リ
ン酸リチウム(LiPF6)の溶液であり、剥離を起こすまで
の時間を日数で表示した。
定結果とウエット法による測定結果は必ずしも一致しな
いことが分かる。ここでは、実際の電極使用状態を反映
すると考えられるウエット法の測定結果から密着性を評
価した。
かった比較例1の負電極では、剥離までの寿命が15日間
であった。また、ペースト塗布後の加熱処理を行わなか
った比較例2の負電極では、剥離までの寿命が7日間で
あった。また、乾燥温度を150℃という高温とした比較
例3の負電極では、剥離までの寿命が8日間であった。
また、加熱処理温度を50℃という低温とした比較例4の
負電極では、剥離までの寿命が5日間であった。
38〜70日間という長期間にわたり負極活物質層が剥離し
なかった。本発明実施例1〜7の製造方法を採用すること
により、負極活物質層の寿命が著しく延びたことが分か
る。
従来のリチウムイオン二次電池用負電極板の集電体及び
負極活物質層自体を変えることなく、簡単に、集電体と
電極活物質層との密着性を向上させることができ、それ
により優れた充放電特性等の電池特性を与えることがで
きるリチウムイオン二次電池用負電極の製造方法を提供
することができる。
ンション下で負極活物質ペーストを塗布し、乾燥し、加
熱処理することにより、負極活物質層と銅箔集電体との
密着性を向上させることができる。
剤又は分散媒の蒸発除去に必要なだけの比較的低温で行
うことにより、未塗布面における酸化被膜の生成を抑制
することができる。それにより、活物質層と銅箔集電体
との密着性を一層向上させて実用上十分な密着性を得る
ことができる。
箔集電体からの活物質層の剥離を抑制することにより、
負電極のハンドリング性を向上させることができる。ま
た、電池組立後の電解液の浸透による負極活物質層の剥
離を抑制することにより、電池特性を向上させることが
できる。
活物質ペーストを塗布し、銅箔へのテンションの付与及
び乾燥温度の調整により活物質層と銅箔との密着性を向
上させるため、操作が簡単で、製造装置も複雑にならな
い。すなわち、従来、リチウムイオン二次電池用負電極
において用いられている集電体自体や負極活物質層自体
を変えることなく、さらに操作上複雑な銅箔両面同時塗
布法を避けて、通常の片面2回塗布法により、十分な対
溶媒密着性を有する負電極板を作製できる。
Claims (10)
- 【請求項1】 集電体となる銅箔に4〜20N/mm2のテンシ
ョンをかけた状態で該銅箔の片面に負極活物質ペースト
を塗布し、前記範囲のテンション下に乾燥した後、該銅
箔の他面に同様の塗布及び乾燥を施す工程と、前記範囲
のテンション下に加熱処理する工程とを含むことを特徴
とするリチウムイオン二次電池用負電極板の製造方法。 - 【請求項2】 前記負極活物質ペーストの塗布時、乾燥
時及び加熱処理時を通して、前記銅箔に同一のテンショ
ンをかける請求項1記載のリチウムイオン二次電池用負
電極板の製造方法。 - 【請求項3】 前記乾燥を60〜130℃の温度で行う請求
項1又は2記載のリチウムイオン二次電池用負電極板の
製造方法。 - 【請求項4】 前記加熱処理を、80〜200℃の温度で行
う請求項1、2又は3記載のリチウムイオン二次電池用
負電極板の製造方法。 - 【請求項5】 前記負極活物質ペーストにバインダーが
含まれている請求項1から4のいずれかに記載のリチウ
ムイオン二次電池用負電極板の製造方法。 - 【請求項6】 前記バインダーがフッ素系樹脂である請
求項5記載のリチウムイオン二次電池用負電極板の製造
方法。 - 【請求項7】 前記バインダーがポリフッ化ビニリデン
系重合体である請求項6記載のリチウムイオン二次電池
用負電極板の製造方法。 - 【請求項8】 前記負極活物質ペーストにバインダーの
安定剤が含まれている請求項7記載のリチウムイオン二
次電池用負電極板の製造方法。 - 【請求項9】 前記安定剤が有機酸である請求項8記載
のリチウムイオン二次電池用負電極板の製造方法。 - 【請求項10】 前記バインダーがスチレン−ブタジエ
ン系ポリマーである請求項5記載のリチウムイオン二次
電池用負電極板の製造方法。
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