JP2002262772A - 可塑性油脂組成物 - Google Patents
可塑性油脂組成物Info
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Abstract
ており、且つ低温でも軟らかく、伸展性に優れ、特にロ
ールイン用油脂組成物として好適であり、ベーカリー製
品に用いた場合、ホイロ工程においてオイルオフが少な
く、しかも風味良好なベーカリー製品を得ることができ
る可塑性油脂組成物を提供すること。 【解決手段】 可塑性油脂組成物中に、エカトリアル水
酸基を1分子中に平均7個以上有する糖1〜10重量
%、並びに水を含有させ、該可塑性油脂組成物の対水糖
濃度を30重量%未満とする。
Description
用いて好適な可塑性油脂組成物に関する。
可塑性油脂組成物において耐熱保型性を改善する手段と
しては、多量の乳化剤を用いたり、高融点油脂を用いる
ことなどで対処してきた。しかしながら、多量の乳化剤
を用いると風味の発現性が悪く、高融点油脂を多く用い
ると口溶けが悪くなるなどの問題があった。
も、ベーカリー製品製造工程のホイロ工程でオイルオフ
しにくいロールイン用油脂組成物とするため、ロールイ
ン用油脂組成物に多量の乳化剤や高融点油脂を用いるな
どの手段が取られてきた。しかしながら、一般の可塑性
油脂組成物の場合と同様に、乳化剤を多量に使用するこ
とにより、最終的なベーカリー製品において風味が出に
くくなり、高融点油脂を多く使用すると口溶けが悪くな
るという欠点があった。
維持する手段として、特開昭64−47342号公報に
は、結晶性αマルトースを15〜30重量%使用するこ
とで、35〜38℃においてオイルオフが非常に少ない
油脂組成物を提供できることが開示されている。しか
し、該公報は、マルトースを溶解せず、マルトースの結
晶構造間に油脂を保持することで保型性を高めることを
目的としたものである。また、該公報では、結晶性αマ
ルトースを多量に配合しなければならず、そのため甘い
油脂組成物となってしまっていた。
は、特定のSFI値を有する油脂からなる油相と、糖濃
度が30重量%以上の液糖からなる水相との油中水型乳
化物であるロールイン用油脂組成物が開示されている。
しかし、該公報のロールイン用油脂組成物も、糖濃度が
高いため甘いロールイン用油脂組成物となってしまって
いた。
好で、口溶け及び風味も優れており、且つ低温でも軟ら
かく、伸展性に優れ、特にロールイン用油脂組成物とし
て好適であり、ベーカリー製品に用いた場合、ホイロ工
程においてオイルオフが少なく、しかも風味良好なベー
カリー製品を得ることができる可塑性油脂組成物を提供
することにある。
水酸基を1分子中に平均7個以上有する糖1〜10重量
%、並びに水を含有し、対水糖濃度が30重量%未満で
あることを特徴とする可塑性油脂組成物を提供すること
により、上記目的を達成したものである。
を詳細に説明する。エカトリアル水酸基とは、糖の立体
構造の環に対して垂直の軸を立てたとき、赤道方向に水
酸基が配座しているものを指し、本発明では、糖1分子
中に平均7個以上のエカトリアル水酸基を有する糖を用
いる。本発明では、エカトリアル水酸基を1分子中に平
均7個以上有する糖を1種又は2種以上用いることがで
きる。また、このエカトリアル水酸基を1分子中に平均
7個以上有する糖としては、例えばマルトースやトレハ
ロースがあげられる。上記のエカトリアル水酸基を1分
子中に平均7個以上有する糖の配合量は、本発明の可塑
性油脂組成物中、1〜10重量%、好ましくは3〜8重
量%、さらに好ましくは3〜5重量%である。上記糖の
配合量が1重量%よりも少ないと、耐熱保型性が悪いの
で好ましくなく、また上記糖の配合量が10重量%を超
えると、上記糖の甘味が明らかに感じられ、可塑性油脂
組成物の使用用途が限定されるので好ましくない。
1分子中に平均7個以上有する糖として、液状のもの、
粉末状のものの何れを用いてもよい。
組成物中、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましく
は10〜30重量%、最も好ましくは10〜20重量%
である。ここでいう水の配合量とは、配合する水の他、
配合材料に由来する水分を含めたものである。
が30重量%未満、好ましくは15〜28重量%、さら
に好ましくは20〜28重量%とする。ここでいう対水
糖濃度とは、可塑性油脂組成物に含まれる水の重量(配
合する水及び配合材料に由来する水分の合計量)に対す
る糖(可塑性油脂組成物に配合するすべての糖)の重量
の割合を示すものである。上記対水糖濃度が30重量%
以上であると、甘い可塑性油脂組成物となり、使用用途
が限定されるので好ましくない。
度を好ましくは40以下、さらに好ましくは30以下、
最も好ましくは25以下となるように調整するのがよ
い。ここでいう甘味度とは、10重量%スクロース溶液
の甘さを100とした時の相対値を示すものである。
脂としては、特に制限されるものではなく、例えば、パ
ーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆
油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛
脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油などの各種植物
油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエス
テル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加
工油脂から選ばれた1種又は2種以上を使用することが
できる。油脂の配合量は、本発明の可塑性油脂組成物
中、好ましくは50〜90重量%、さらに好ましくは6
0〜85重量%である。
SFC(固体脂含量)が、10℃で好ましくは15〜7
0%、さらに好ましくは15〜50%、最も好ましくは
15〜40%、また30℃で好ましくは3〜25%、さ
らに好ましくは3〜20%、最も好ましくは3〜15%
となるように、上記油脂を配合するのがよい。特に、本
発明の可塑性油脂組成物をロールイン用油脂組成物とし
て使用する場合には、上記SFCが、10℃で好ましく
は20〜60%、さらに好ましくは20〜50%、最も
好ましくは20〜40%、また20℃で好ましくは10
〜40%、さらに好ましくは10〜30%、最も好まし
くは10〜20%、さらに30℃で好ましくは3〜25
%、さらに好ましくは5〜20%、最も好ましくは10
〜15%となるように、上記油脂を配合するのがよい。
即ち、配合油脂を60℃に30分保持し、油脂を完全に
融解し、そして0℃に30分保持して固化させる。さら
に25℃に30分保持し、テンパリングを行い、その
後、0℃に30分保持する。これをSFCの各測定温度
に30分保持後、SFCを測定する。
させることができる成分としては、例えば、乳化剤、増
粘安定剤、エカトリアル水酸基を1分子中に平均7個以
上有する糖以外の糖類や糖アルコール類、食塩や塩化カ
リウムなどの塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸などの酸
味料、ステビア、アスパルテームなどの甘味料、β―カ
ロチン、カラメル、紅麹色素などの着色料、トコフェロ
ール、茶抽出物などの酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白
といった植物蛋白、卵及び各種卵加工品、着香料、乳製
品、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、
果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカ
オマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、
魚介類などの食品素材や食品添加物が挙げられる。
ステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン
有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステ
アロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、サポニン
類などがあげられ、これらの中から選ばれた1種又は2
種以上を用いることができる。本発明ではこれらの乳化
剤のうち合成乳化剤を用いないのが好ましく、天然乳化
剤、例えばレシチンを用いることにより良好な風味発現
性を有することができる。上記乳化剤の配合量は、本発
明の可塑性油脂組成物中、好ましくは0.05〜3重量
%、さらに好ましくは0.1〜1重量%である。また、
本発明の可塑性油脂組成物において、上記乳化剤が必要
でなければ用いなくてもよい。
ーカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、ア
ルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タ
マリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セル
ロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉
などがあげられ、これらの中から選ばれた1種又は2種
以上を用いることができる。上記増粘安定剤の配合量
は、特に制限はないが、本発明の可塑性油脂組成物中、
好ましくは0〜10重量%、さらに好ましくは0〜5重
量%である。また、本発明の可塑性油脂組成物におい
て、上記増粘安定剤が必要でなければ用いなくてもよ
い。
均7個以上有する糖以外の糖類や糖アルコール類として
は、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗
糖、乳糖などがあげられ、これらの中から選ばれた1種
又は2種以上を用いることができる。ただしエカトリア
ル水酸基を1分子中に平均7個以上有する糖以外の糖類
や糖アルコールを本発明の可塑性油脂組成物で用いる場
合は、本発明の可塑性油脂組成物の対水糖濃度が30重
量%未満となるように配合する必要がある。
ロールイン用油脂組成物として用いる場合、その硬さ
が、好ましくは5℃で1000〜5000g/cm2 、
10℃で500〜3000g/cm2 、さらに好ましく
は5℃で1500〜4000g/cm2 、10℃で10
00〜2500g/cm2 、最も好ましくは5℃で20
00〜3000g/cm2 、10℃で1000〜200
0g/cm2 とするのがよい。硬さが5℃で5000g
/cm2 を超えたり、10℃で3000g/cm 2 を超
えてしまうと、ロールイン用油脂組成物として使用した
ときに伸展性が悪くなりやすく、低温での可塑性が不十
分となりやすい。また、硬さがが5℃で1000g/c
m2 未満であったり、10℃で500g/cm2 未満で
あったりすると、パフ性の良好なベーカリー製品が得ら
れにくい。
を用いて、例えば次のように測定する。測定試料(縦4
cm×横4cm×高さ3cm)を各測定温度に1時間放置し、
レオメーターにて、直径5mmの円板型アダプターを用
い、試料台上昇速度20mm/分で最大応力を測定し、こ
れを硬さとする。
を説明する。本発明の可塑性油脂組成物は、配合油脂
と、エカトリアル水酸基を1分子中に平均7個以上有す
る糖を1〜10重量%含有し、対水糖濃度が30重量%
未満である水相とを乳化し、必要により殺菌処理を行
う。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型
熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わ
ない。次に、急冷可塑化工程に供する。急冷可塑化する
機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えばボ
テーター、コンビネーター、パーフェクターなどのマー
ガリン製造機やプレート型熱交換機などがあげられ、ま
た、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合
わせがあげられる。また、本発明の可塑性油脂組成物を
製造する際の何れかの製造工程で、窒素、空気などを含
気させても、含気させなくても構わない。
ーガリンタイプであり、またその乳化形態は、油中水
型、水中油型、及び二重乳化型の何れでも構わないが、
油中水型であるのが好ましい。
イン用油脂組成物とする場合、その形状を、シート状、
ブロック状、円柱状などの形状としてもよい。各々の形
状についての好ましいサイズは、シート状:縦50〜1
000mm、横50〜1000mm、厚さ1〜50m
m、ブロック状:縦50〜1000mm、横50〜10
00mm、厚さ50〜500mm、円柱状:直径1〜2
5mm、長さ5〜100mmである。
子パン、デニッシュ、クロワッサン、パイ、フランスパ
ン、シュー、ドーナツ、ケーキ、クラッカー、クッキ
ー、ハードビスケットなどのベーカリー製品に、スプレ
ッド用、練り込み用、ロールイン用、バタークリーム用
として用いることができる。また、その際の本発明の可
塑性油脂組成物の使用量は、使用用途により異なるもの
であり、特に限定されるものではない。
明するが、本発明は、これらの実施例により何等制限さ
れるものではない。
デニッシュは下記に示す配合及び製法により製造し、評
価に供した。配合 強 力 粉 60 重量部 薄 力 粉 40 重量部 食 塩 1.2重量部 砂 糖 20 重量部 脱脂粉乳 4 重量部 マーガリン(練り込み用油脂) 12 重量部 卵(正味) 25 重量部 イースト 5 重量部 イーストフード 0.1重量部 水 30 重量部 ロールイン用油脂組成物 50 重量部製法 ロールイン用油脂組成物及びマーガリン(練り込み用油
脂)以外の原料を、縦型ミキサーにて低速及び中速でミ
キシングして得た生地に、練り込み油脂を加え、さらに
ミキシングした後、冷蔵庫内で生地をリタードする。こ
の生地にロールイン用油脂組成物をのせ、常法によりロ
ールイン(3つ折り3回)し、成型、ホイロ、焼成す
る。
豆硬化油25重量%及び大豆油30重量%を混合し、配
合油脂を得た。この配合油脂81重量%にレシチン0.
5重量%及び香料0.5重量%を混合溶解した油相と、
水13重量%、食塩1重量%及びマルトース(エカトリ
アル水酸基を1分子中に平均7個以上有する)4重量%
とを、常法により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化
工程にかけ、シート状のロールイン用油脂組成物(本発
明の可塑性油脂組成物)を得た。このロールイン用油脂
組成物は、甘味度が13、配合油脂のSFCが10℃で
36%、20℃で16%、30℃で9%、水分が13重
量%、対水糖濃度が24重量%であった。また、このロ
ールイン用油脂組成物の硬さ(5℃、10℃、15℃及
び20℃それぞれにおける硬さ)は下記表1に示した。
このロールイン用油脂組成物は、低温でも軟らかく、伸
展性に優れたものであった。このロールイン用油脂組成
物を用い、上記の配合及び製法にてデニッシュを製造し
た。このデニッシュを製造する際のホイロ工程におい
て、オイルオフは見られなかった。また、得られたデニ
ッシュについて風味評価を実施したところ、下記表1に
示すように、風味の発現性が良好であった。
タネ硬化油15重量%及び大豆油40重量%を混合し、
配合油脂を得た。この配合油脂64重量%に発酵バター
20重量%、レシチン0.5重量%及び香料0.5重量
%を混合溶解した油相と、水9重量%、食塩1重量%、
脱脂粉乳1重量%及びマルトース(エカトリアル水酸基
を1分子中に平均7個以上有する)4重量%とを、常法
により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程にか
け、シート状のロールイン用油脂組成物(本発明の可塑
性油脂組成物)を得た。このロールイン用油脂組成物
は、甘味度が15、配合油脂のSFCが10℃で44
%、20℃で18%、30℃で12%、水分が12重量
%、対水糖濃度が27重量%であった。また、このロー
ルイン用油脂組成物の硬さ(5℃、10℃、15℃及び
20℃それぞれにおける硬さ)は下記表1に示した。こ
のロールイン用油脂組成物は、低温でも軟らかく、伸展
性に優れたものであった。このロールイン用油脂組成物
を用い、上記の配合及び製法にてデニッシュを製造し
た。このデニッシュを製造する際のホイロ工程におい
て、オイルオフは見られなかった。また、得られたデニ
ッシュについて風味評価を実施したところ、下記表1に
示すように、風味の発現性が良好であった。
25重量%及び豚脂を50重量%混合し、配合油脂を得
た。この配合油脂69重量%にレシチン0.5重量%及
び香料0.5重量%を混合溶解した油相と、水20重量
%、食塩2重量%、脱脂粉乳3重量%及びマルトース
(エカトリアル水酸基を1分子中に平均7個以上有す
る)5重量%とを、常法により、油中水型の乳化物と
し、急冷可塑化工程にかけ、直径5mm、長さ40mm
の円柱状に成型したロールイン用油脂組成物(本発明の
可塑性油脂組成物)を得た。このロールイン用油脂組成
物は、甘味度が23、配合油脂のSFCが10℃で45
%、20℃で20%、30℃で10%、水分が20重量
%、対水糖濃度が25重量%であった。また、このロー
ルイン用油脂組成物の硬さ(5℃、10℃、15℃及び
20℃それぞれにおける硬さ)は下記表1に示した。こ
のロールイン用油脂組成物は、低温でも軟らかく、伸展
性に優れたものであった。このロールイン用油脂組成物
を用い、上記の配合及び製法にてデニッシュを製造し
た。このデニッシュを製造する際のホイロ工程におい
て、オイルオフは見られなかった。また、得られたデニ
ッシュについて風味評価を実施したところ、下記表1に
示すように、風味の発現性が良好であった。
ルトースをトレハロース(エカトリアル水酸基を1分子
中に平均7個以上有する)に置き換えたほかは、実施例
1〜3と同様の配合及び製法によりロールイン用油脂組
成物(本発明の可塑性油脂組成物)をそれぞれ製造し
た。なお配合油脂のSFCは実施例1〜3と同様であっ
た。得られたロールイン用油脂組成物の硬さ(5℃、1
0℃、15℃及び20℃それぞれにおける硬さ)は下記
表1に示した。これらのロールイン用油脂組成物は、低
温でも軟らかく、伸展性に優れたものであった。これら
のロールイン用油脂組成物を用い、上記の配合及び製法
にてデニッシュをそれぞれ製造した。これらのデニッシ
ュを製造する際のホイロ工程において、オイルオフは見
られなかった。また、得られたデニッシュについて風味
評価を実施したところ、下記表1に示すように、何れも
風味の発現性が良好であった。
豆硬化油15重量%及び大豆油30重量%に発酵バター
11重量%、レシチン0.3重量%及びフレーバー0.
5重量%を加えた油相と、水12.7重量%に食塩1.
5重量%及びマルトース(エカトリアル水酸基を1分子
中に平均7個以上有する)4重量%を加えた水相とを、
常法により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程に
かけ、練り込み用油脂組成物(本発明の可塑性油脂組成
物)を得た。この練り込み用油脂組成物は、甘味度が1
4、配合油脂のSFCが10℃で39%、30℃で6
%、水分が15重量%、対水糖濃度が22重量%であっ
た。この練り込み用油脂組成物は、耐熱保型性に優れ、
また口溶け、風味とも良好なものであった。さらに、こ
の練り込み用油脂組成物を用いて菓子パンを製造したと
ころ、風味の発現性が良好であった。
4重量%をマルトース(エカトリアル水酸基を1分子中
に平均7個以上有する)2重量%及びトレハロース(エ
カトリアル水酸基を1分子中に平均7個以上有する)2
重量%に置き換えたほかは、実施例7と同様の配合及び
製法により練り込み用油脂組成物(本発明の可塑性油脂
組成物)を得た。この練り込み用油脂組成物も、耐熱保
型性に優れ、また口溶け、風味とも良好なものであっ
た。さらに、この練り込み用油脂組成物を用いて菓子パ
ンを製造したところ、風味の発現性が良好であった。
重量%と、水13重量%、食塩1重量%及びスクロース
(エカトリアル水酸基を1分子中に7個以上有しない)
4重量%とを、常法により、油中水型の乳化物とし、急
冷可塑化工程にかけ、ロールイン用油脂組成物を得た。
このロールイン用油脂組成物は、甘味度が40、配合油
脂のSFCが10℃で36%、20℃で16%、30℃
で10%、水分が13重量%、対水糖濃度が24重量%
であった。また、このロールイン用油脂組成物の硬さ
(5℃、10℃、15℃及び20℃それぞれにおける硬
さ)は下記表1に示した。このロールイン用油脂組成物
は、低温でも軟らかく、伸展性に優れたものであった。
しかし、このロールイン用油脂組成物を用い、上記の配
合及び製法にてデニッシュを製造したところ、ホイロ工
程においてオイルオフが見られた。また、得られたデニ
ッシュについて風味評価を実施したところ、風味に甘味
が目立つものであった。
重量%と、水13重量%、食塩1重量%及び脱脂粉乳1
重量%とを、常法により、油中水型の乳化物とし、急冷
可塑化工程にかけ、ロールイン用油脂組成物を得た。こ
のロールイン用油脂組成物は、甘味度が2、配合油脂の
SFCが10℃で44%、20℃で18%、30℃で1
2%、水分が16重量%、対水糖濃度が3重量%であっ
た。また、このロールイン用油脂組成物の硬さ(5℃、
10℃、15℃及び20℃それぞれにおける硬さ)は下
記表1に示した。このロールイン用油脂組成物は、低温
でも軟らかく、伸展性に優れたものであった。しかし、
このロールイン用油脂組成物を用い、上記の配合及び製
法にてデニッシュを製造したところ、ホイロ工程におい
てオイルオフが見られた。また、得られたデニッシュに
ついて風味評価を実施したところ、実施例2で得られた
デニッシュと比較すると充分に乳風味が発現していなか
った。
重量%と、水15重量%、食塩1重量%、脱脂粉乳2重
量%及びマルトース12重量%とを、常法により、油中
水型の乳化物とし、急冷可塑化工程にかけ、ロールイン
用油脂組成物を得た。このロールイン用油脂組成物は、
甘味度が44、配合油脂のSFCが10℃で45%、2
0℃で20%、30℃で12%、水分が15重量%、対
水糖濃度が46重量%であった。また、このロールイン
用油脂組成物の硬さ(5℃、10℃、15℃及び20℃
それぞれにおける硬さ)は下記表1に示した。このロー
ルイン用油脂組成物は、低温でも軟らかく、伸展性に優
れたものであった。このロールイン用油脂組成物を用
い、上記の配合及び製法にてデニッシュを製造したとこ
ろ、ホイロ工程においてオイルオフは見られなかった
が、得られたデニッシュについて風味評価を実施したと
ころ、風味に甘味が目立つものであった。
重量%と、水12重量%に食塩1重量%、脱脂粉乳2重
量%及びマルトース(エカトリアル水酸基を1分子中に
平均7個以上有する)15重量%を加えた水相とを、常
法により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程にか
け、練り込み用油脂組成物を得た。この練り込み用油脂
組成物は、甘味度が54、配合油脂のSFCが10℃で
39%、30℃で6%、水分が13重量%、対水糖濃度
が55重量%であった。この練り込み用油脂組成物は、
実施例7の練り込み用油脂組成物と比較すると、甘味の
目立つものであり、耐熱保型性が悪いものであった。
脂組成物の配合油脂のSFCは、次のようにして測定し
た。配合油脂を60℃に30分保持し、油脂を完全に融
解し、そして0℃に30分保持して固化させる。さらに
25℃に30分保持し、テンパリングを行い、その後、
0℃に30分保持する。これをSFCの各測定温度に3
0分保持後、SFCを測定した。
下記の通りである。 ○:10人中7〜10人が美味しいと判断 △:10人中4〜6人が美味しいと判断 ×:10人中0〜3人が美味しいと判断
性が良好で、口溶け及び風味も優れており、且つ低温で
も軟らかく、伸展性に優れ、特にロールイン用油脂組成
物として好適であり、ベーカリー製品に用いた場合、ホ
イロ工程においてオイルオフが少なく、しかも風味良好
なベーカリー製品を得ることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 エカトリアル水酸基を1分子中に平均7
個以上有する糖1〜10重量%、並びに水を含有し、対
水糖濃度が30重量%未満であることを特徴とする可塑
性油脂組成物。 - 【請求項2】 合成乳化剤を含有しない請求項1記載の
可塑性油脂組成物。 - 【請求項3】 ロールイン用油脂組成物である請求項1
又は2記載の可塑性油脂組成物。 - 【請求項4】 配合油脂のSFC(固体脂含量)が、1
0℃で15〜70%、30℃で3〜25%である請求項
1〜3の何れかに記載の可塑性油脂組成物。 - 【請求項5】 配合油脂と、エカトリアル水酸基を1分
子中に平均7個以上有する糖を1〜10重量%含有し、
対水糖濃度が30重量%未満である水相とを乳化し、急
冷可塑化することを特徴とする可塑性油脂組成物の製造
方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4の何れかに記載の可塑性油
脂組成物を用いたベーカリー製品。
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