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JP2002256361A - 真空バルブ用接点材料 - Google Patents

真空バルブ用接点材料

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JP2002256361A
JP2002256361A JP2001051442A JP2001051442A JP2002256361A JP 2002256361 A JP2002256361 A JP 2002256361A JP 2001051442 A JP2001051442 A JP 2001051442A JP 2001051442 A JP2001051442 A JP 2001051442A JP 2002256361 A JP2002256361 A JP 2002256361A
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arc
vacuum valve
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performance
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功 奥富
Takashi Kusano
貴史 草野
Atsushi Yamamoto
敦史 山本
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Shibafu Engineering Corp
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Shibafu Engineering Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐弧成分粒子上への導電成分の覆被り、耐弧
成分粒子の周囲への導電成分の凹み又は耐弧成分粒子の
脱落といった現象を低減させ、良好な遮断性能と耐電圧
性能を備えた真空バルブ用接点材料を得ること。 【解決手段】 Ag及びCuの内の少なくとも一種を主
成分とする導電成分と、Cr、W、Nb、Ta、Ti、
Mo及びこれらの炭化物の内の少なくとも1種を備える
耐弧成分とを有し、通電面を溶融させる深さが0.00
1mm以上2mm以下であって、通電面の最大粗さを3
μm以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空バルブ用接点
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】電力系統において、一般に事故の拡大を
防ぐため遮断器が設けられるが、その1つに開閉部の絶
縁媒体を真空とした真空遮断器がある。真空遮断器は、
開閉部をなす真空バルブと、この真空バルブの真空容器
内に設けられる接離可能な一対の電極を操作する操作機
構から成っている。真空バルブの一対の電極における接
点材料に要求される特性には、基本三要件である遮断特
性、耐電圧特性、耐溶着特性の他、接触抵抗特性や温度
上昇特性がある。これら全ての特性が良好である真空バ
ルブ用接点材料が理想であるが、これらの特性には相反
する性質のものがある関係上、単一の金属種によって全
ての特性を満足させるのは困難である。このため、実用
化されている真空バルブ用接点材料は、不足する特性を
相互に補えるような2種以上の元素、例えば導電成分と
耐弧成分を組合せて構成され、大電流用や高電圧用等と
いった所望する用途に応じて使用される。一方、多種多
用な真空バルブ用接点材料の中でも比較的満足する特性
を有するものとしては、例えば特開昭54−71375
号公報に記載されているように、導電成分としてのCu
と耐弧成分としてのCrから成るCu−Cr系真空バル
ブ用接点材料がある。同公報によれば、真空中では優秀
な耐電圧特性を示すが大電流性能は期待できないCrの
性質を補うべく大電流性能を有するCuを添加し、Cu
マトリクス中にCr、特に平均粒径が100μm以下の
Crを均一に分散させ、遮断性能や耐電圧性能等の諸特
性を良好とすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
Cu−Cr系真空バルブ用接点材料では、導電成分と耐
弧成分において、硬度、引張強度、靭性値等の機械的強
度が大きく異なるために、接点材料の表面を所定形状へ
と加工する際、耐弧成分粒子上への導電成分の覆被り、
耐弧成分粒子の周囲への導電成分の凹み又は耐弧成分粒
子の脱落といった現象を生じることがある。これらの現
象は、遮断性能等に悪影響を及ぼし、真空バルブ用接点
材料として満足できる諸特性を得ることはできない。本
発明の目的は、接点材料の表面を所定形状へと加工する
際、耐弧成分粒子上への導電成分の覆被り、耐弧成分粒
子の周囲への導電成分の凹み又は耐弧成分粒子の脱落と
いった現象の発生を低減させ、良好な遮断性能と耐電圧
性能を得られる真空バルブ用接点材料を得ることにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明は、Ag及びCuの内の少なくと
も一種を主成分とする導電成分と、Cr、W、Nb、T
a、Ti、Mo及びこれらの炭化物の内の少なくとも1
種を備える耐弧成分とを有し、通電面を溶融させる深さ
が0.001mm以上2mm以下であって、通電面の最
大粗さを3μm以下としたことを特徴とする。これによ
り、耐弧成分粒子上への導電成分の覆被り、耐弧成分粒
子の周囲への導電成分の凹み又は耐弧成分粒子の脱落と
いった現象の発生を低減させることができる。また、請
求項2記載の発明は、Ag及びCuの内の少なくとも一
種を主成分とする導電成分と、Cr、W、Nb、Ta、
Ti、Mo及びこれらの炭化物の内の少なくとも1種を
備える耐弧成分とを有し、耐弧成分の占める割合xと、
通電面での1mm以上で深さが0.01mm以下の所
定領域における耐弧成分の占める割合ynは重量比で0.
9≦yn/x≦1.1の関係にしたことを特徴とする。
これにより、良好な遮断性能と耐電圧性能を得られる真
空バルブ用接点材料を得ることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。図1は、本発明の真空バルブ用接点
材料が適用される真空バルブの断面図である。同図にお
いて、1は遮断室を示し、この遮断室1は、絶縁材料に
よりほぼ円筒状に形成された絶縁容器2と、この両端に
封着金具3a,3bを介して設けた金属性の蓋体4a,
4bとで真空気密に構成されている。遮断室1内には、
導電棒5,6の対向する端部に取り付けられた一対の電
極7,8が配設され、上部の電極7を固定電極、下部の
電極8を可動電極としている。また、この可動電極8の
導電棒6にはベローズ9が取り付けられ、遮断室1内を
真空気密に保持しながら可動電極8の軸方向の移動を可
能にする。ベローズ9の上部には金属性の第1のアーク
シールド10が設けられ、ベローズ9がアーク蒸気で覆
われることを防止している。11は、固定電極7と可動
電極8を覆うようにして遮断室1内に設けられた金属性
の第2のアークシールドで、絶縁容器2がアーク蒸気で
覆われることを防止している。一方、可動電極8側は、
図2に示すように、導電棒6にロウ付け部12によって
固定されるか、また、かしめによって圧着接続されてい
る。可動側接点13aは、可動電極8にロウ付け14で
固着されている。尚、固定電極7側について、固定側接
点13bは図2の可動側接点13bと同様に固定電極7
に固着されている。
【0006】ところで、真空バルブ用接点材料、例えば
Cu−Cr系接点材料は、接点材料の表面を所定形状へ
と加工する際、耐弧成分粒子上への導電成分の覆被り、
耐弧成分粒子の周囲への導電成分の凹み又は耐弧成分粒
子の脱落といった現象の発生を低減させると、良好な遮
断性能と耐電圧性能が得られる。本発明者等は、上述し
たような現象を低減させることと、通電面近傍の断面組
織の微細化及び最大粗さに密接な関係があることを発見
した。特に、通電面において、接点を所定形状に加工後
に表面から0.001mm以上2mm以下の深さまで溶
融して微細化し且つ最大粗さを3μmmにする。このよ
うに、通電面において、表面から0.001mm以上2
mm以下の深さまで溶融して微細化し且つ最大粗さを3
μmmにすると、表面の凹凸が小さくなって通電面の組
成比と接点全体の組成比が同等になる。特に、本発明者
等の研究によれば、通電面において、1mm以上で深
さが0.01mm以下の所定領域における耐弧成分の占
める割合ynは重量比で0.9≦yn/x≦1.1とな
るくらいに、通電面及び接点全体における組成比のバラ
ツキを小さくすれば遮断性能及び耐電圧性能が良好とな
る。
【0007】より詳細には、上述した各現象との関係を
みてみると、耐弧成分粒子の上への導電成分の覆被り
は、導電成分が耐弧成分よりも軟質で伸びが大きいため
に発生する現象であるから通電面に存在する耐弧成分が
減少するので、ynはxより小さくなる。また、耐弧成
分粒子の周囲の導電成分の凹みは、耐弧成分の被切削性
が導電成分よりも良好なために発生する現象であるから
下地の耐弧成分粒子が通電面に現れるので、ynはxよ
り大きくなる。更に、耐弧成分粒子の脱落は、耐弧成分
粒子と導電成分マトリックスとの結合力が弱い場合、例
えば燒結法、特に固層燒結法で製造した場合に発生し易
いことから、ynはxより小さくなる。従って、耐弧成
分粒子の上への導電成分の覆被り、耐弧成分粒子の周囲
の導電成分の凹み及び耐弧成分粒子の脱落といった現象
を低減させることにより、1mm 以上で深さが0.0
1mm以下の所定領域における耐弧成分の占める割合y
nは重量比で0.9≦yn/x≦1.1の関係となるく
らいに通電面及び接点全体における組成比のバラツキを
小さくするすることが可能となり、良好な遮断性能及び
耐電圧性能が得られる。ここで、上述した真空バルブに
採用される真空バルブ用接点材料として、Cu−Cr系
接点材料を例にとり、本実施の形態による真空バルブ用
接点材料の製造方法及び遮断特性と静耐圧特性の測定結
果につき表1を参照しながら説明する。
【0008】
【表1】 (比較例1〜比較例2,実施例1〜実施例3)比較例1
では、固相焼結法でCu−50Cr接点を製造した。C
u粉末とCr粉末を重量比で1:1となるように混合し
てφ60mmの坩堝に充填した後、10−3Paオーダ
の真空中で、1000℃*5時間の条件で焼結した。次
に、得られた焼結体をφ60mmの金型で10t/cm
2で成形した後、再度同一条件で焼結し、Cu−50C
r合金を得た。このCu-Cr合金を所定の接点形状(φ
50mm、t5mm)に加工した後、真空バルブに組み
込んで遮断試験を実施した。遮断試験は、5kAから徐
々に電流値を上げていく方法で最大遮断電流を測定し
た。また、遮断試験と並行して、静耐圧試験を試験片
(針電極と平板電極の組み合わせ)とで実施した。静耐圧
試験は、電極間隔を一定にして破壊電圧を5回測定し、
その平均値を算出した。この比較例1の測定結果を基準
とし、その他の測定結果は相対値で示した。なお、表1
に示したynとxの比については、ynとxを別々の方法
で測定した後に算出した。通電面の耐弧成分比であるy
nは、通電面の拡大写真(数十倍程度)から導電成分と耐
弧成分の面積比を測定して重量比に換算した。この測定
を位置を変えて5回実施し、最大値と最小値を記録し
た。耐弧成分の粒径が数十μmと細かい場合は、電子顕
微鏡に付属のEDXで重量比を測定した(この方法につ
いても、位置を変えて5回測定した)。また、接点全体
の耐弧成分比であるxは、湿式分析で測定した。ynの
最大値または最小値をxで除した値が、表1に示した
0.92と1.12である。
【0009】実施例1では、Cu−50Cr合金を比較
例1と同一工程で作製して所定形状に加工した後、通電
面(遮断試験用接点の場合は遮断面,静耐圧用試験片の
場合は耐圧評価面)に電子線を照射して(注入エネルギー
は、例えば1W/mm2)、CuとCrを溶融微細化させ
て遮断試験と静耐圧試験を実施した。電子線照射後のy
n/xは0.96〜1.07であり、遮断性能と耐電圧性
能は比較例1のそれぞれ1.2倍と1.1倍であった。実
施例2と実施例3では、Cu−50Cr合金を比較例1
と同一工程で作製して所定形状に加工した後、通電面を
溶融させてCuとCrを微細化させて遮断試験と静耐圧
試験を実施した。実施例2では、レーザ照射(注入エネ
ルギーは、例えば2W/mm2)により溶融させたとこ
ろ、yn/xは0.91〜1.05であり、遮断性能と静
耐電圧性能は比較例1の1.3倍と1.0倍であった。ま
た、実施例3では、遮断試験用接点を真空バルブに組み
込んだ後に、数百Aを通電させて50回開閉することに
より溶融したものとし、静耐圧用試験片には数十kVの
電圧を10秒間、10回印加することにより溶融させた
ものとしたところ、yn/xは0.93〜1.04であ
り、遮断性能と静耐電圧性能は比較例1の1.3倍と1.
1倍であった。
【0010】比較例2では、Cu−50Cr合金を比較
例1と同一工程で作製して所定形状に加工した後、電子
線を実施例1よりも長時間照射したところ、CuがCr
よりも多量に蒸発した為にCr含有率が増大し、yn/
xの最大値は1.15であり、遮断性能と静耐電圧性能
は比較例1の1.2倍と0.9倍であった。(比較例3〜
比較例4,実施例4〜実施例5)比較例3〜比較例4と
実施例4〜実施例5では、水素雰囲気中の固相焼結法で
作製したCu−40Cr合金を所定形状に加工後、通電
面を溶融する際の注入エネルギーを調整して、溶融深さ
をパラメータとした。なお、エネルギーは、Cu−40
Crにアークを発生させることにより注入した。比較例
3では、表面からの溶融深さは約0.0008mmであ
り、遮断性能、耐電圧性能ともに比較例1とほぼ同等で
あった。実施例4と実施例5では、溶融深さはそれぞ
れ、0.002mmと1.5mmであり、遮断性能と耐電
圧性能は比較例1の1.1〜1.2倍であり、若干向上し
た。比較例4では、溶融深さは2.2mmで接点厚さの
半分程度であり、真空バルブの組立て中に接点側面が割
れたので、試験を中止した。この割れは、溶融微細層と
基材の材料物性(硬度,熱膨張率等)の差により発生した
と考えられる。
【0011】(比較例5,実施例6〜実施例7)比較例
5と実施例6〜実施例7では、焼結溶浸法でCu−55
Cr合金を作製し、所定形状に加工した後に、通電面を
溶融する際の電子線の注入エネルギーと凝固する際の冷
却速度を調整して、微細層中のCr粒子の粒径をパラメ
ータとした。Cu−55Cr合金は、Cr粉末を加圧成
形した後、水素雰囲気中で1150℃*1時間の条件で
焼結して製造したCrスケルトンと溶浸材Cuを坩堝内
で上下に配置し、水素雰囲気中で1150℃で加熱して
導電成分であるCuを溶浸させることにより作製した。
比較例5では、Cr粒子径が約70μm、yn/xの最
大値は1.12であり、遮断性能と耐電圧性能は比較例
1のそれぞれ0.9倍と1.1倍であった。実施例6で
は、Cr粒子径が約40μm、yn/xが0.95〜1.
08であり、遮断性能と耐電圧性能は比較例1のそれぞ
れ1.1倍と1.2倍であった。実施例7では、Cr粒子
径が約10μm、yn/xが0.97〜1.05であり、
遮断性能と耐電圧性能は比較例1のそれぞれ1.2倍と
1.3倍であった。 (比較例6,実施例8〜実施例11)上述した比較例2
〜比較例5と実施例1〜実施例7では、Cu-Cr合金
を所定形状に加工後に通電面を溶融させた事例について
述べたが、実施例8〜11では通電面を機械的に滑らか
にすることによりyn/xを0.9〜1.1にし、接点特
性を向上させている。
【0012】比較例6では、真空雰囲気中での液相焼結
により作製したCu−20Cr合金を所定形状に加工し
たところ、通電面の最大粗さは5μm、yn/xの最大
値が1.13であり、遮断性能と耐電圧性能は比較例1
のそれぞれ1.0倍と0.9倍であった。実施例8では、
比較例6と同一工程で作製したCu−20Cr合金を所
定形状に加工した後、通電面のみをバイトの送り速度,
角度を調整した特殊な研削加工した結果、通電面の最大
粗さは3μmに低下し、yn/xが0.95〜1.08で
あり、遮断性能と耐圧性能は比較例1のそれぞれ1.2
倍と1.1倍であった。実施例9では、比較例6と同一
工程で作製したCu−20Cr合金を所定形状に加工し
た後、通電面のみをエメリー紙で研摩した結果、通電面
の最大粗さは2μmに低下し、yn/xが0.96〜1.
06であり、遮断性能と耐電圧性能は比較例1のそれぞ
れ1.3倍と1.2倍であった。実施例10は、比較例6
と同一工程で作製したCu−20Cr合金を所定形状に
加工した後、通電面のみをダイヤモンド粉を含むペース
トで研摩した結果、通電面の最大粗さは1μmに低下
し、yn/xが0.97〜1.04であり、遮断性能と耐
電圧性能はともに比較例1のそれぞれ1.3倍であっ
た。
【0013】実施例11では、比較例6と同一工程で作
製したCu−20Cr合金を所定形状に加工した後、通
電面をイオンビームの照射(注入エネルギーは、例えば
0.5W/mm2)により溶融させ、さらにアルミナ粉で
研摩した結果、通電面の最大粗さは1μmに低下し、y
n/xが0.98〜1.03であり、遮断性能と耐電圧性
能は比較例1のそれぞれ1.4倍と1.3倍であった。 (比較例8〜比較例9,実施例12〜実施例13)上述
した比較例1〜比較例7と実施例1〜実施例11では、
焼結温度を1000℃、1100℃、1150℃の3通
り、即ち導電成分Cuの融点(1083℃)を基準にして
±90℃以内の温度で焼結したが、比較例8〜比較例
9、実施例12〜13では、焼結温度をそれぞれ900
℃、950℃、1200℃、1300℃で、Cu−25
Cr合金を製造した。この内、1300℃で焼結した比較例
9では、CuとCrが分離してしまったので接点の電気
評価に値しないと判断した。残りの3種類のCu−25C
r合金については、所定形状に加工した後、通電面をイ
オンビームの照射により溶融させた。比較例8では、y
n/xが0.98〜1.03であったが、遮断性能と耐電
圧性能は比較例1のそれぞれ1.0倍と0.9倍であっ
た。これは、焼結温度が低いために焼結が進まず、密度
が低かった(相対密度85%)からである。
【0014】実施例12では、yn/xが0.96〜1.
08であり、遮断性能と耐電圧性能は比較例1のそれぞ
れ1.1倍と1.0倍であった。実施例13では、yn/
xが0.94〜1.06であり、遮断性能と耐電圧性能は
比較例1のそれぞれ1.2倍と1.1倍であった。 (実施例14〜実施例19)上述した比較例1〜比較例
9と実施例1〜実施例13では、耐弧成分がCrで導電
成分がCuであるCu−Cr系接点材料について述べた
が、実施例14では耐弧成分をWとし導電成分をCuと
したCu−20wt(重量)%W接点とした。しかし
て、実施例14では、所定形状に加工した後にその通電
面を溶融させて作製し、遮断性能と静耐電圧性能を評価
した結果、最大遮断電流と絶縁破壊電圧は、加工後の処
理工程(通電面の溶融工程)を経ていない通常の固相焼結
法で製造した時のCu−W接点のそれぞれ1.2倍と1.
1倍であった。実施例15〜実施例17では、耐弧成分
をそれぞれNb、WC、Cr+Wとし、導電成分をCu
として、実施例14と同様な条件で接点材料を製造し、
遮断性能と静耐電圧性能を評価した結果、実施例15〜
実施例17の全てについて、通電面溶融工程を経ていな
い通常の固相焼結法で製造した時の接点と比較して、遮
断性能は1.2倍であり、静耐電圧性能は1.1倍であっ
た。
【0015】実施例18〜実施例19では、導電成分を
それぞれAg、Ag+Cuとし、耐弧成分をWCとし
て、実施例15と同様な条件で接点材料を製造して電気
特性を評価した結果、実施例18、実施例19共に、通
電面溶融工程を経ていない通常の焼結溶浸法で製造した
時の接点と比較して、遮断性能は1.3倍であり、静耐
電圧性能は1.2倍であった。 (実施例20〜実施例22)上述した比較例1〜比較例
9と実施例1〜実施例19では、導電成分と耐弧成分で
構成される接点材料について述べたが、実施例20〜実
施例22では補助成分としてそれぞれBi、Te、Te
+Seを添加し、実施例14と同様な条件で接点材料を
製造して電気特性を評価した結果、実施例20〜22全
てについて、通電面の溶融工程を経ていない通常の固相
焼結法で製造した時の接点と比較して、遮断性能は1.
2倍であり、静耐電圧性能は1.1倍であった。以上の
結果が示すように、本実施の形態による真空バルブ用接
点材料は、基準とした比較例1の接点材料と比較して、
遮断性能と静耐電圧性能を向上させることができる。な
お、耐弧成分について、本実施の形態では、Cr、W、
Nb、WC、Cr+Wの記載しかないが、Cr、W、N
b、Ta、Ti、Mo及びこれらの炭化物の内の少なく
とも1つを耐弧成分として使用しても、同様の効果が得
られる。
【0016】また、導電成分について、本実施の形態で
は、Cu、Ag、Ag+Cuの記載しかないが、Cuま
たはAgを主成分とするならば同様の効果が得られる。
さらに、補助成分については、本実施の形態では、B
i,Te,Te+Seの記載しかないが、Bi、Te、
Se、Sb、Coの内の少なくとも1つを補助成分とし
ても、同様の効果が得られる。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、遮
断性能と耐電圧性能が良好な真空バルブ用接点材料を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空バルブ用接点材料が適用される真
空バルブの断面図。
【図2】 [図1]の可動電極8の拡大断面図。
【符号の説明】
7…固定電極、8…可動電極、13a…可動側接点、1
3b…固定側接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01H 1/02 H01H 1/02 A C 33/66 33/66 B // C22C 32/00 C22C 32/00 A B (72)発明者 草野 貴史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 山本 敦史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 Fターム(参考) 4K018 AA02 AA04 AB02 AC01 BA01 BA02 BA03 BA04 BA09 BA20 BB04 DA11 FA10 KA34 4K020 AA22 AC04 AC05 BB29 5G026 BA01 BA02 BB02 BB04 BB10 BB12 BB14 BB15 BB16 BB17 BB18 BB24 BB25 BB27 5G050 AA01 AA11 AA12 AA13 AA25 AA27 AA40 AA42 AA46 AA47 AA48 AA51 AA60 BA01 BA02 CA01 DA03 EA02 EA06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ag及びCuの内の少なくとも一種を主
    成分とする導電成分と、Cr、W、Nb、Ta、Ti、
    Mo及びこれらの炭化物の内の少なくとも1種を備える
    耐弧成分とを有し、通電面を溶融させる深さが0.00
    1mm以上2mm以下であって、通電面の最大粗さを3
    μm以下としたことを特徴とする真空バルブ用接点材
    料。
  2. 【請求項2】 Ag及びCuの内の少なくとも一種を主
    成分とする導電成分と、Cr、W、Nb、Ta、Ti、
    Mo及びこれらの炭化物の内の少なくとも1種を備える
    耐弧成分とを有し、前記耐弧成分の占める割合xと、通
    電面での1mm以上で深さが0.01mm以下の所定
    領域における耐弧成分の占める割合yn(nはyの添え
    字)は重量比で0.9≦yn/x≦1.1の関係にあるこ
    とを特徴とする真空バルブ用接点材料。
  3. 【請求項3】 前記耐弧成分の平均粒子径を50μm以
    下としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    真空バルブ用接点材料。
  4. 【請求項4】 含有量が5重量%以下であってBi、T
    e、Se、Sb及びCoの内の少なくとも1種を有する
    補助成分を含有させたことを特徴とする請求項1乃至請
    求項3のいずれかに記載の真空バルブ用接点材料。
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CN1316047C (zh) * 2005-02-06 2007-05-16 陈晓 一种铜-碳化钨-碳-钛-稀土合金材料及其制备方法
JP2011113887A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Toshiba Corp 真空バルブ用接点およびその製造方法

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